光学的情報読取装置
【課題】読取作業中でないときにはレーザ光の出射を自動的に停止し得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】筐体11の把持部50に形成される複数の開口部51〜57に筐体11外からの外来光が入射している入射状態であるか否かについて開口部毎に検知されると、これら各入射状態に基づいて把持部50を把持する把持状態が推定される。そして、この推定される把持状態と出射方向検出機構70により検出される出射方向とに基づいて読取作業中でないと判定される場合には、光源21によるレーザ光Lfの出射が停止される。
【解決手段】筐体11の把持部50に形成される複数の開口部51〜57に筐体11外からの外来光が入射している入射状態であるか否かについて開口部毎に検知されると、これら各入射状態に基づいて把持部50を把持する把持状態が推定される。そして、この推定される把持状態と出射方向検出機構70により検出される出射方向とに基づいて読取作業中でないと判定される場合には、光源21によるレーザ光Lfの出射が停止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置に関する技術として、下記特許文献1に示す携帯型情報読取り装置が知られている。この携帯型情報読取り装置は、ケースの把持部にタッチ電極が把持部全体に渡って線状に埋め込まれており、このタッチ電極に操作者の指が接触することによる電極等の容量変化を検知することで、操作者が当該装置を把持しているか否かを判断している。そして、操作者による把持が検知される場合には読取り動作をオン制御し、操作者による把持が検知されない場合には読取り動作をオフ制御することで、操作スイッチ等を操作することなく読取り動作の実施を可能としている。
【0003】
また、下記特許文献2に示す携帯電話機では、使用者が携帯電話機を把持しているかどうかを検出する側部接触状態検出手段と、携帯電話機の底部および背部が物体に接触しているかどうかを検出する底部接触状態検出手段および背部接触状態検出手段とを備えている。そして、着信時に、携帯電話機の把持と底部および背部の双方の接触状態とのいずれかが検出されると携帯電話機を振動させ、携帯電話機が把持されておらずかつ底部および背部のいずれかの非接触状態が検出されると振動機能の設定が有る場合を除き携帯電話機の振動を停止する。このように携帯電話機が置かれている状況に応じて振動させるか否かを決めることで、携帯電話機が着信に応じた振動により机上等からの落下することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−251180号公報
【特許文献2】特開2000−069129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光学的情報読取装置では、情報コードを光学的に読み取る際に照射されるレーザ光が人の目に入るおそれがあるため、読取作業時以外ではレーザ光の照射を停止することが望ましい。しかしながら、例えば、押しボタン方式等の操作手段を設けてこのスイッチの押動操作時のみレーザ光を照射させることも考えられるが、操作手段を設ける必要があるため機構的に複雑となり、小型化や低コスト化の妨げとなってしまうという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1では、作業者による把持は検出できるが、読取作業のための把持か単なる移動のための把持かを正確に把握することが困難であるという課題があった。また、上記特許文献2では3カ所での接触状態を検出するため作業者による把持か机上等への載置かを検出しても、上記特許文献1と同様、使用状態まで正確に把握することが困難であった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、読取作業中でないときにはレーザ光の出射を自動的に停止し得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、情報コードに対してレーザ光を出射する照射手段と、前記照射手段を制御する照射制御手段と、前記照射手段からの前記レーザ光が前記情報コードにて反射した反射光を受光する受光手段と、前記情報コードからの反射光に応じて前記受光手段から出力される信号に基づいて当該情報コードをデコードするデコード手段と、前記受光手段を収容するとともに前記情報コードからの反射光を前記受光手段に導く読取口が形成された筐体と、を備える光学的情報読取装置であって、前記筐体の把持部に形成される複数の開口部に筐体外からの外来光が入射している入射状態であるか否かを開口部毎に検知する入射状態検知手段と、前記入射状態検知手段により検出される前記開口部毎の入射状態に基づいて前記把持部を把持する把持状態を推定する把持状態推定手段と、前記レーザ光の出射方向を検出する出射方向検出手段と、前記把持状態推定手段により推定される前記把持状態と前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向とに基づいて読取作業中であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記照射制御手段は、前記判定手段により読取作業中でないと判定される場合には、前記照射手段による前記レーザ光の出射を停止することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記出射方向検出手段により上向きの出射方向が検出されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置において、前記出射方向検出手段は、前記筐体に固定される検出室と、前記検出室内に設けられて当該検出室に対して相対移動可能な移動体と、前記検出室の内壁に固定される複数の被接触体とを備え、前記被接触体の少なくともいずれか1つと前記移動体との接触を検知することで、前記レーザ光の出射方向を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記移動体は、球状に形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の光学的情報読取装置において、前記検出室の内壁には前記移動体の少なくとも一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部が1または複数形成され、前記被接触体の少なくともいずれか1つが前記凹部に嵌り込んだ前記移動体に接触可能に配置されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記筐体の長手方向における重心位置近傍に第1開口部がそれぞれ1箇所設けられ、前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第1開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の光学的情報読取装置において、前記両第1開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第1開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第1開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第1開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記読取口から離間する部位に第2開口部がそれぞれ1箇所設けられ、前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載の光学的情報読取装置において、前記両第2開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第2開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第2開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第2開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項8または9に記載の光学的情報読取装置において、前記各開口部の一部として、前記両第2開口部と、前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に対して前記両第2開口部の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部と、前記第1広幅面に対して前記読取口から離間する部位にて開口する第4開口部とが設けられ、前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により、前記第4開口部と一方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態でなく、他方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10に記載の光学的情報読取装置において、前記両第3開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第3開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第3開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第3開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項10または11に記載の光学的情報読取装置において、前記第4開口部は、複数の第4開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第4開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第4開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項8〜12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記筐体の表面であって前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に沿う面に所定の情報を入力するための操作部が設けられ、前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記把持部を構成する四面のうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする。
【0022】
請求項15の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記入射状態検知手段により全ての前記開口部が入射状態でないことが検知されると、前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明では、筐体の把持部に形成される複数の開口部に筐体外からの外来光が入射している入射状態であるか否かについて入射状態検知手段により開口部毎に検知されると、これら各入射状態に基づいて把持状態推定手段により把持部を把持する把持状態が推定される。そして、把持状態推定手段により推定される把持状態と出射方向検出手段により検出される出射方向とに基づいて判定手段により読取作業中でないと判定される場合には、照射制御手段により照射手段によるレーザ光の出射が停止される。
【0024】
作業者が読取作業を行うために把持部を把持する場合には、その持ち方が限定される傾向がある。その限定される持ち方として、例えば、把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって筐体の重心位置近傍を親指と人差し指等とで挟持する持ち方(以下、つかみ持ちともいう)がある。また、小指や手の平等で把持部の両狭幅面のうち読取口から離間する部位を挟持して読取口を上方に向ける持ち方(以下、下持ちともいう)や、親指と親指を除く四指とで両広幅面のうち読取口から離間する方と他方とを挟持して読取口を下方に向ける持ち方(以下、上持ちともいう)がある。そのため、それぞれの持ち方に応じて把持が予定される把持部の部分を含めて複数の開口部を設け、これら各開口部のうち入射状態である開口部と入射状態でない開口部とを検知することで、作業者により把持部が把持される場合にその作業者による持ち方が推定される。
【0025】
これにより、上述のように推定される持ち方と、読取口の開口方向を考慮して出射方向検出手段により検出されるレーザ光の出射方向とから当該装置の使用状態を推定することができるので、その使用状態が読取作業中でない場合にはレーザ光の出射を自動的に停止することができる。したがって、レーザ光が作業者を含めた周囲の人の目に入ることを防止することができる。特に、不必要な場合にレーザ光の出射が停止されることとなるので、消費電力を効果的に抑制することもできる。
【0026】
請求項2の発明では、判定手段は、出射方向検出手段により上向きの出射方向が検出されると、把持状態推定手段により推定される把持状態を考慮することなく、読取作業中でないと判定する。このように上向きの出射方向が検出される場合には、読取作業中ではないので、この場合にレーザ光の出射を自動的に停止することで、レーザ光が作業者を含めた周囲の人の目に入ることを確実に防止することができる。
【0027】
請求項3の発明では、出射方向検出手段により、検出室内に設けられる被接触体の少なくともいずれか1つと移動体との接触が検知されることで、レーザ光の出射方向が検出される。筐体を任意の方向に傾ける場合に移動体が被接触体のいずれか1つと接触するとき、その接触する被接触体に応じて読取口の開口方向、すなわちレーザ光の出射方向が一義的に決まることとなるので、簡単な機構でレーザ光の出射方向を検出することができる。
【0028】
請求項4の発明では、移動体は球状に形成されるため、検出室内を移動しやすくなるので、移動体が接触する被接触体に応じたレーザ光の出射方向を確実に検出することができる。
【0029】
請求項5の発明では、検出室の内壁には移動体の少なくとも一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部が1または複数形成され、被接触体の少なくともいずれか1つが凹部に嵌り込んだ移動体に接触可能に配置される。これにより、筐体を任意の方向に傾ける場合に移動体が凹部に配置される被接触体と接触するとき、当該凹部に移動体が嵌り込むこととなるので、レーザ光の出射方向に応じてその出射方向に対応する被接触体と移動体とを確実に接触させることができる。
【0030】
請求項6の発明では、各開口部の一部として、把持部の一部を構成する一対の狭幅面であって筐体の長手方向における重心位置近傍に第1開口部がそれぞれ1箇所設けられている。そして、入射状態検知手段により両第1開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、把持状態推定手段により読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。
【0031】
両狭幅面にそれぞれ設けられる第1開口部が双方ともに入射状態でない場合には、両第1開口部が作業者の指で閉塞される上述したつかみ持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0032】
請求項7の発明では、入射状態検知手段は、第1開口部を構成する複数の第1開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第1開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0033】
請求項8の発明では、各開口部の一部として、把持部の一部を構成する一対の狭幅面であって読取口から離間する部位に第2開口部がそれぞれ1箇所設けられている。そして、入射状態検知手段により両第2開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、把持状態推定手段により読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。
【0034】
両狭幅面にそれぞれ設けられる第2開口部が双方ともに入射状態でない場合には、両第2開口部が作業者の指で閉塞される上述した下持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0035】
請求項9の発明では、入射状態検知手段は、第2開口部を構成する複数の第2開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第2開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0036】
請求項10の発明では、各開口部の一部として、上記両第2開口部と、第1広幅面に対して両第2開口部の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部と、当該第1広幅面に対して読取口から離間する部位にて開口する第4開口部とが設けられている。そして、入射状態検知手段により第4開口部と一方の第2開口部とこの第2開口部の近傍の第3開口部とが入射状態でなく、他方の第2開口部とこの第2開口部の近傍の第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、把持状態推定手段により読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。
【0037】
第4開口部と一方の第2開口部および第3開口部とが入射状態でなく、他方の第2開口部および第3開口部とが入射状態である場合には、親指と親指を除く四指とで両広幅面のうち読取口から離間する方と他方とを挟持して読取口を下方に向ける上述した上持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0038】
請求項11の発明では、入射状態検知手段は、第3開口部を構成する複数の第3開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第3開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0039】
請求項12の発明では、入射状態検知手段は、第4開口部を構成する複数の第4開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第4開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0040】
請求項13の発明では、筐体の表面であって第1広幅面に沿う面に所定の情報を入力するための操作部が設けられている。そして、入射状態検知手段により両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、操作部を親指で操作する持ち方(キー操作持ち)による把持が想定されるので、判定手段により読取作業中でないと判定される。なお、筐体の表面であって第1広幅面に沿う面は、第1広幅面を含むものとする。
【0041】
第1広幅面に沿う面に設けられる操作部を操作するために把持部を把持する場合には、操作部を操作する親指と親指を除く四指とで上記第1広幅面と他の広幅面とが挟持される把持が想定される。この場合には、四指または手の平により両第2開口部のうち一方のみが閉塞されることが想定される。このため、両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことを検知することで、操作部の操作中であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。
【0042】
請求項14の発明では、判定手段は、入射状態検知手段により把持部を構成する四面のうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定する。一面の各開口部のみが入射状態でない場合には、この一面を下面として筐体が机等に置かれていることが想定される。このため、一面の各開口部のみが入射状態でないことを検知することで、筐体が机等に置かれている状態であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。
【0043】
請求項15の発明では、判定手段は、入射状態検知手段により全ての開口部が入射状態でないことが検知されると、出射方向検出手段により検出される出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定する。全ての開口部が入射状態でない場合には、筐体が暗所にあることが想定される。この場合には、把持状態が入射状態検知手段による検知結果に反映されないため、把持状態推定手段による把持状態の推定を考慮することなく、レーザ光の出射方向のみに基づいて読取作業中であるか否かを判定することで、把持状態推定手段による推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態に係る光学的情報読取装置10の構成概要を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の1Bから見た側面図、図1(C)は図1(A)の1Cから見た側面図である。
【図2】光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】出射方向検出機構70を示す斜視図である。
【図4】図4(A)は出射方向検出機構70の上面図であり、図4(B)は出射方向検出機構70の側面図であり、図4(C)は図4(B)の4C−4C断面を示す断面図である。
【図5】把持部50をつかみ持ちした状態を示す説明図であり、図5(A)は一側狭幅面50cからみた状態を示し、図5(B)は下側広幅面50bからみた状態を示す。
【図6】把持部50を下持ちした状態を示す説明図である。
【図7】把持部50を上持ちした状態を示す説明図である。
【図8】把持部50をキー操作持ちした状態を示す説明図である。
【図9】レーザ光出射処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】読取口13が下方に向く状態を例示する説明図であり、図10(A)は接触端子75bおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図10(B)は出射方向を示す。
【図11】読取口13が図10よりも下方に向く状態を例示する説明図であり、図11(A)は移動体74の位置を拡大して示し、図11(B)は出射方向を示す。
【図12】読取口13が水平方向に向く状態を例示する説明図であり、図12(A)は移動体74の位置を拡大して示し、図12(B)は出射方向を示す。
【図13】読取口13が下方に位置する状態を例示する説明図であり、図13(A)は接触端子75eおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図13(B)は出射方向を示す。
【図14】読取口13が上方に向く状態を例示する説明図であり、図14(A)は接触端子75aおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図14(B)は出射方向を示す。
【図15】一側狭幅面50cを下面として読取口13が横方に向く状態を例示する説明図であり、図15(A)は接触端子75cおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図15(B)は出射方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の携帯型の光学的情報読取装置を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
光学的情報読取装置10は、対象物に表示された読取対象であるバーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型の読取装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、図1および図2に示すように、筐体11の内部に回路部20が収容されてなるものであり、この回路部20に所定の情報を入力するためのキーボード12が把持部50を構成する四面のうち読取口13から最も離間する面である上側広幅面50aに設けられている。
【0046】
ここで、読取口13は、筐体11が水平に把持されるとき、その開口方向(出射方向)が下方(図1(B),(C)の矢印α参照)になるように形成されている。また、把持部50を構成する四面を、図1(A)〜(C)に示すように、上述した上側広幅面50aと、この上側広幅面50aに対向する下側広幅面50bと、両広幅面50a,50bよりも面積が小さく互いに対向する一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dと、定義する。なお、上側広幅面50aに対向する下側広幅面50bは、特許請求の範囲に記載の「一対の広幅面」の一例に相当し、一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dは、特許請求の範囲に記載の「一対の狭幅面」の一例に相当する。
【0047】
一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dには、筐体11の長手方向における重心位置近傍に一側第1開口部51および他側第1開口部52がそれぞれ1箇所設けられている。そして、一側第1開口部51は、2つの開口穴51a,51bから構成され、他側第1開口部52は、2つの開口穴52a,52bから構成されている。また、一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dには、読取口13から離間する部位に一側第2開口部53および他側第2開口部54がそれぞれ1箇所設けられている。そして、一側第2開口部53は、2つの開口穴53a,53bから構成され、他側第2開口部54は、2つの開口穴54a,54bから構成されている。
【0048】
また、上側広幅面50aには、一側第2開口部53の近傍にて開口する一側第3開口部55と、他側第2開口部54の近傍にて開口する他側第3開口部56と、読取口13から離間する部位にて開口する第4開口部57とがそれぞれ1箇所設けられている。
【0049】
また、図2に示すように、回路部20は、主に、光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0050】
光学系の光源21は、レーザ光Lfを出射可能な照射手段として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、受光センサ28を挟んだ両側に光源21が設けられており、筐体11の読取口13を介して読取対象物Rに向けてレーザ光Lfを出射可能に構成されている。この読取対象物Rは、例えば、包装容器や包装用紙あるいはラベルといった表示媒体に相当するもので、その表面にはバーコードBが印刷されている。なお、光源21は、特許請求の範囲に記載の「照射手段」の一例に相当する。
【0051】
受光センサ28は、読取対象物RやバーコードBに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光をこの受光面28aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。なお、光源21は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当する。
【0052】
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能する。本実施形態では、光源21から出射されたレーザ光LfがバーコードBに反射して読取口13に入射する反射光Lrを集光することにより、受光センサ28の受光面28aにバーコードBのコード画像を結像可能にしている。
【0053】
次に、マイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、LED43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成されるもので、上述した光学系によって撮像されたバーコードBの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0054】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0055】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばフラッシュROM(EPROM、EEPROMなど)のデータ書換え可能なメモリがこれに相当する。このメモリ35には、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されるとともに、後述するレーザ光出射処理、読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0056】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、LED43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0057】
これにより、例えば、バーコードBの読み取りに関する情報を報知するインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、当該光学的情報読取装置10の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御、さらには読み取ったバーコードBによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0058】
また、回路部20は、複数のフォトセンサと出射方向検出機構70とを備えている。各フォトセンサは、図1(A)〜(C)に示すように、把持部50に形成される各開口部51〜57毎に配置されており、当該各開口部51〜57に筐体11外からの外来光が入射している入射状態であるか否かをそれぞれ検知する入射状態検知手段として機能するものである。具体的には、一側第1開口部51の開口穴51a,51bにはフォトセンサ61a,61bが配置され、他側第1開口部52の開口穴52a,52bにはフォトセンサ62a,62bが配置され、一側第2開口部53の開口穴53a,53bにはフォトセンサ63a,63bが配置され、他側第2開口部54の開口穴54a,54bにはフォトセンサ64a,64bが配置されている。また、一側第3開口部55にはフォトセンサ65が配置され、他側第3開口部56にはフォトセンサ66が配置され、第4開口部57にはフォトセンサ67が配置されている。各フォトセンサ61a〜67は、対応する開口部が入射状態である場合に入射状態を示す信号を制御回路40に出力するように、それぞれ制御回路40に電気的に接続されている。
【0059】
出射方向検出機構70は、読取口13の開口方向、すなわちレーザ光Lfの出射方向を検出するための機構であって、図3および図4に示すように、筐体11内に固定される検出室71と、この検出室71内に設けられて当該検出室71に対して相対移動可能な導電性の移動体74と、検出室71の内壁71a〜71eにそれぞれ固定される複数の接触端子75a〜75eとを備えている。出射方向検出機構70は、各接触端子75a〜75eのいずれかと移動体74とが接触するとき、接触する接触端子に応じた検出信号を制御回路40に出力するように当該制御回路40に電気的に接続されている。なお、図3および図4と後述する図10〜図15とに示す検出室71では、便宜上、各内壁において内面のみを図示している。また、出射方向検出機構70、検出室71、移動体74および接触端子75a〜75eは、特許請求の範囲に記載の「出射方向検出手段」、「検出室」、「移動体」および「被接触体」の一例に相当する。
【0060】
検出室71の上側内壁71aは、把持部50の四面のうち上側広幅面50aが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この上側内壁71aには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72aが形成されている。接触端子75aは、上述のように上側広幅面50aが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72aに配置されている。
【0061】
検出室71の下側内壁71bは、把持部50の四面のうち下側広幅面50bが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この下側内壁71bには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72bと、この凹部72bから読取口方向に延びて移動体74の一部が係脱自在に落ち込み可能な溝部73bとが形成されている。接触端子75bは、上述のように下側広幅面50bが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72bに配置されている。
【0062】
検出室71の一側内壁71cは、把持部50の四面のうち一側狭幅面50cが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この一側内壁71cには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72cが形成されている。接触端子75cは、上述のように一側狭幅面50cが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72cに配置されている。
【0063】
検出室71の他側内壁71dは、把持部50の四面のうち他側狭幅面50dが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この他側内壁71dには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72dが形成されている。接触端子75dは、上述のように他側狭幅面50dが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72dに配置されている。
【0064】
検出室71の読取口側内壁71eは、読取口13が下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。接触端子75eは、上述のように読取口13が下方になるときに移動体74と接触するように、読取口側内壁71eに配置されている。
【0065】
このように光学的情報読取装置10を構成することによって以下に示す読取処理がなされる。例えば、図略の電源スイッチがオンされて所定の自己診断処理等が正常終了すると、後述するレーザ光出射処理に応じて制御回路40が同期信号を基準に光源21に発光信号を出力する。そして、この発光信号を受けた光源21がLEDを発光させてレーザ光Lfを読取口13を介して出射することにより、バーコードBの読み取りが可能な状態になる。
【0066】
そして、バーコードBに照射されたレーザ光Lfが反射しその反射光Lrが読取口13を介して結像レンズ27に入射すると、受光センサ28の受光面28aには、結像レンズ27によりバーコードBの像、つまりコード画像が結像される。これにより、受光面28aを構成する各受光素子が露光され、各受光素子から受光量に応じた信号がそれぞれ出力される。各受光素子から出力される信号は、バーコードBの画像データを構成するものであり、この画像データを2値化した後、所定のデコード処理を施すことによって、バーコードBとして符号化された文字データ等がデコードされてメモリ35に書き込まれることとなる。また、デコードされた内容は液晶表示器46に表示したり、通信インタフェース48を介してホストコンピュータに出力したりすることもできる。
【0067】
次に、本発明の特徴的部分である、制御回路40により実行されるレーザ光出射処理について説明する。このレーザ光出射処理は、読取作業中であると判定される場合に光源21からのレーザ光Lfを出射し、読取作業中でないと判定される場合にこのレーザ光Lfの出射を停止する処理を実施するものである。
【0068】
ここで、読取作業中であるか否かを判定する根拠について説明する。作業者が読取作業を行うために把持部50を把持する場合には、その持ち方が限定される傾向がある。その限定される持ち方として、例えば、図5(A),(B)に例示するように、把持部50の両狭幅面50c,50dであって筐体11の重心位置近傍を親指と人差し指等とで挟持する持ち方(以下、つかみ持ちともいう)がある。また、図6に例示するように、小指や手の平等で把持部50の両狭幅面50c,50dのうち読取口13から離間する部位を挟持して読取口13を上方に向ける持ち方(以下、下持ちともいう)がある。また、図7に例示するように、親指と親指を除く四指とで上側広幅面50aと下側広幅面50bとを挟持して読取口13を下方に向ける持ち方(以下、上持ちともいう)がある。さらに、図8に例示するように、キーボード12を操作するために把持部50を把持する場合には、キーボード12を操作する親指と親指を除く四指とで上側広幅面50aと下側広幅面50bとを挟持する持ち方(以下、キー操作持ちともいう)がある。
【0069】
そのため、それぞれの持ち方に応じて把持が予定される把持部50の部分に上述した複数の開口部51〜57を設け、これら各開口部51〜57のうち入射状態である開口部と入射状態でない開口部とを検知することで、作業者により把持部50が把持される場合にその作業者による持ち方が推定される。具体的には、両第1開口部51,52が双方ともに入射状態でない場合にはつかみ持ちが推定され(図5(A),(B)参照)、両第2開口部53,54が双方ともに入射状態でない場合には下持ちが推定される(図6参照)。また、第4開口部57と他側第2開口部54および他側第3開口部56とが入射状態でなく、一側第2開口部53および一側第3開口部55とが入射状態である場合(図7参照)、または、第4開口部57と一側第2開口部53および一側第3開口部55とが入射状態でなく、他側第2開口部54および他側第3開口部56とが入射状態である場合には、上持ちが推定される。また、両第2開口部53,54のうち一方のみが入射状態でない場合にはキー操作持ちが推定される(図8参照)。
【0070】
これにより、上述のように推定される持ち方と、読取口13の開口方向を考慮して検出されるレーザ光Lfの出射方向とを考慮することにより、読取作業中であるか否かを確実に判定することができる。
【0071】
以下、レーザ光出射処理について図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、電源スイッチのオン操作がなされて電源オン状態になると、図9のステップS101において入射状態検知処理がなされる。この処理では、各フォトセンサ61a〜67からの出力に基づいて、各開口部51〜57が入射状態であるか否か(各開口部51〜57が遮光状態でないか否か)について各開口部51〜57ごとに検知される。
【0072】
ここで、一側第1開口部51の両開口穴51a,51bのいずれか1つが入射状態であれば、当該一側第1開口部51が入射状態であると判定され、他側第1開口部52の両開口穴52a,52bのいずれか1つが入射状態であれば、当該他側第1開口部52が入射状態であると判定される。また、一側第2開口部53の両開口穴53a,53bのいずれか1つが入射状態であれば、当該一側第2開口部53が入射状態であると判定され、他側第2開口部54の両開口穴54a,54bのいずれか1つが入射状態であれば、当該他側第2開口部54が入射状態であると判定される。なお、ステップS101の処理を実行する制御回路40およびフォトセンサ61a〜67は、特許請求の範囲に記載の「入射状態検知手段」の一例に相当する。
【0073】
次に、ステップS103において、各開口部51〜57が全て入射状態であるか否かについて判定され、全ての各開口部51〜57が入射状態である場合には(S103でYes)、把持部50が把持されておらず読取作業中でないと判断されて、ステップS117にて出射停止処理がなされて、光源21からのレーザ光Lfの出射が停止される。
【0074】
一方、上記ステップS103にて各開口部51〜57の少なくともいずれか1つが入射状態でなければ(S103でNo)、ステップS105にて把持部50を構成する四面のうち一面に形成される各開口部のみが入射状態でないか否かについて判定される。ここで、一面の各開口部、例えば、一側狭幅面50cの一側第1開口部51および一側第2開口部53のみが入射状態でない場合には(S105でYes)、この一側狭幅面50cを下面として筐体11が机等に置かれており読取作業中でないと判断されて、ステップS117にて出射停止処理がなされる。
【0075】
一方、上記ステップS105にて把持部50を構成する複数の面の開口部が入射状態でない場合には(S105でNo)、ステップS107にて各開口部51〜57が全て入射状態でないか否かについて判定される。ここで、各開口部51〜57が全て入射状態でない場合には(S107でYes)、筐体11が暗所にあると判断されて、後述するステップS109の処理をすることなくステップS111の処理がなされる。
【0076】
一方、各開口部51〜57の少なくともいずれか1つが入射状態である場合には(S107でNo)、ステップS109にて把持状態推定処理がなされる。この処理では、各開口部51〜57の入射状態に基づいて把持部50を把持する把持状態、すなわち、上述したつかみ持ちや下持ち、上持ちやキー操作持ちなどや他の持ち方が推定される(図5〜図8参照)。なお、ステップS109の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「把持状態推定手段」の一例に相当する。
【0077】
次に、ステップS111において、出射方向検出処理がなされる。この処理では、出射方向検出機構70の各接触端子75a〜75eのうち移動体74と接触している接触端子に応じて出射方向が検出される。
【0078】
具体的には、図10(A)に示すように、接触端子75bが移動体74に接触する場合には、読取口13が下方に向く出射方向(図10(B)参照の矢印α1参照)が検出される。また、移動体74が溝部73bに落ち込むか(図11(A)参照)、または、移動体74が反読取口側内壁71fに接触する(図12(A)参照)ことで、いずれの接触端子とも移動体74に接触していない場合には、図10(B)の状態よりもさらに読取口13が下方に向く出射方向(図11(B)参照の矢印α2参照)か、読取口13が水平方向に向く出射方向(図12(B)参照の矢印α3参照)のいずれかであることが検出される。
【0079】
また、図13(A)に示すように、接触端子75eが移動体74に接触する場合には、読取口13が下方に位置する出射方向(図13(B)参照の矢印α4参照)が検出される。また、図14(A)に示すように、接触端子75aが移動体74に接触する場合には、読取口13が上方に向く出射方向(図14(B)参照の矢印α5参照)が検出される。また、図15(A)に示すように、接触端子75cが移動体74に接触する場合には、一側狭幅面50cを下面として読取口13が横方に向く出射方向(図15(B)参照)が検出され、接触端子75dが移動体74に接触する場合には、他側狭幅面50dを下面として読取口13が横方に向く出射方向が検出される。なお、ステップS111の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「入射状態検出手段」の一例に相当する。
【0080】
上述のように出射方向が検出されると、ステップS113において、ステップS109にて推定された把持状態とステップS111にて検出された出射方向とに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定される。すなわち、推定された把持状態で読取作業を実施するときに想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するときに、読取作業中であるとしてステップS113にてYesと判定される。
【0081】
具体的には、ステップS109にてつかみ持ちが推定され、ステップS111にて読取口13が下方に向く出射方向が検出されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するので、読取作業中であると判定される。また、ステップS109にて下持ちが推定され、ステップS111にて読取口13が上方に向く出射方向が検出されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するので、読取作業中であると判定される。また、ステップS109にて上持ちが推定され、ステップS111にて読取口13が下方に向く出射方向が検出されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するので、読取作業中であると判定される。
【0082】
一方、ステップS109にてキー操作持ちが推定されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致する場合でも読取作業中でないと判定される。なお、本実施形態では、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致しない場合には、読取作業中でないと判定されるが、想定される出射方向と検出された出射方向とに応じて例外的に読取作業中であると判定してもよい。なお、ステップS113の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「判定手段」の一例に相当する。
【0083】
上述のようにステップS113にて読取作業中であると判定されると(S113でYes)、ステップS115にて出射処理がなされ、光源21からレーザ光Lfが出射されることにより、バーコードBの読み取りが可能な状態になる。一方、ステップS113にて読取作業中でないと判定されると(S113でNo)、ステップS117にて出射停止処理がなされ、光源21からのレーザ光Lfの出射が停止される。これにより、読取作業中でない場合にはレーザ光Lfの出射が自動的に停止されることとなる。なお、ステップS115,117の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「照射制御手段」の一例に相当する。
【0084】
そして、ステップS115における処理またはステップS117における処理がなされると、電源オフになるまでステップS119にてNoと判定されて、上述したステップS101からの処理が繰り返されることとなる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、筐体11の把持部50に形成される複数の開口部51〜57に筐体11外からの外来光が入射している入射状態であるか否かについて開口部毎に検知されると、これら各入射状態に基づいて把持部50を把持する把持状態が推定される。そして、この推定される把持状態と出射方向検出機構70により検出される出射方向とに基づいて読取作業中でないと判定される場合には、光源21によるレーザ光Lfの出射が停止される。
【0086】
これにより、上述のように推定される把持状態(持ち方)と、読取口13の開口方向を考慮して検出されるレーザ光Lfの出射方向とから当該装置の使用状態を推定することができるので、その使用状態が読取作業中でない場合にはレーザ光Lfの出射を自動的に停止することができる。したがって、レーザ光Lfが作業者を含めた周囲の人の目に入ることを防止することができる。特に、不必要な場合にレーザ光Lfの出射が停止されることとなるので、消費電力を効果的に抑制することもできる。
【0087】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、出射方向検出機構70により、検出室71内に設けられる接触端子75a〜75eのいずれか1つと導電性の移動体74との接触が検知されることで、レーザ光Lfの出射方向が検出される。すなわち、筐体11を任意の方向に傾ける場合に移動体74が接触端子75a〜75eのいずれか1つと接触するとき、その接触する接触端子に応じて読取口13の開口方向、すなわちレーザ光Lfの出射方向が一義的に決まることとなるので、簡単な機構でレーザ光Lfの出射方向を検出することができる。
【0088】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、移動体74は球状に形成されるため、検出室71内を移動しやすくなるので、移動体74が接触する接触端子に応じたレーザ光Lfの出射方向を確実に検出することができる。なお、移動体74は球状に形成されることに限らず、検出室71内を移動しやすい形状に形成されてもよい。
【0089】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、検出室71の各内壁71a〜71dには移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72a〜72dがそれぞれ形成され、各接触端子75a〜75dが対応する凹部72a〜72dに嵌り込んだ移動体74に接触可能にそれぞれ配置されている。これにより、筐体11を任意の方向に傾ける場合に移動体74が各凹部72a〜72dのいずれかに配置される接触端子と接触するとき、当該凹部に移動体74が嵌り込むこととなるので、レーザ光Lfの出射方向に応じてその出射方向に対応する接触端子と移動体74とを確実に接触させることができる。
【0090】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、各開口部の一部として、把持部50の一対の狭幅面50c,50dであって筐体11の長手方向における重心位置近傍に第1開口部51,52がそれぞれ1箇所設けられている。そして、両第1開口部51,52が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。この入射状態の検知により上述したつかみ持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0091】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、各開口部の一部として、把持部50の一対の狭幅面50c,50dであって読取口13から離間する部位に第2開口部53,54がそれぞれ1箇所設けられている。そして、両第2開口部53,54が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。この入射状態の検知により上述した下持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0092】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、各開口部の一部として、両第2開口部53,54と、上側広幅面50aに対して両第2開口部53,54の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部55,56と、当該上側広幅面50aに対して読取口13から離間する部位にて開口する第4開口部57とが設けられている。そして、第4開口部57と一方の第2開口部および第3開口部とが入射状態でなく、他方の第2開口部および第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。この入射状態の検知により上述した上持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0093】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、一側第1開口部51を構成する各開口穴51a,51bのうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該一側第1開口部51が入射状態でないと検知される。これにより、作業者によって把持部50を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。また、他の開口部52〜54でも同様の作用効果を奏する。なお、各開口部51〜54は3つ以上の開口穴により構成されてもよい。また、第3開口部55,56および第4開口部57は、2つ以上の開口穴により構成されてもよい。
【0094】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、上側広幅面50aにキーボード12が設けられていることから、両第2開口部53,54のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定される。この入射状態の検知により上述したキー操作持ちによる把持が想定されるので、キーボード12の操作中であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。なお、筐体11の表面であって上側広幅面50aに沿う面にキーボード12が設けられる場合でも同様の作用効果を奏する。
【0095】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、把持部50を構成する四面50a〜50dのうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定される。この入射状態の検知により筐体11が机等に置かれている状態であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。
【0096】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、全ての開口部51〜57が入射状態でないことが検知されると、筐体が暗所にあるとして、検出される出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定する。この場合には、把持状態が入射状態検知処理による検知結果に反映されないため、把持状態推定処理による把持状態の推定を考慮することなく、レーザ光Lfの出射方向のみに基づいて読取作業中であるか否かを判定することで、把持状態推定処理による推定精度を向上させることができる。
【0097】
なお、出射方向検出機構70により上向きの出射方向が検出されると、推定される把持状態を考慮することなく、読取作業中でないと判定してもよい。このように上向きの出射方向が検出される場合には、読取作業中でない可能性が高いので、この場合にレーザ光Lfの出射を自動的に停止することで、レーザ光Lfが作業者を含めた周囲の人の目に入ることを確実に防止することができる。
【0098】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)入射状態検知手段として、各フォトセンサ61a〜67に代えて、各開口部の入射状態(遮光状態)を検出可能なセンサを設けてもよい。
【0099】
(2)出射方向検出手段として、出射方向検出機構70に代えて、傾斜センサなどを設けてもよい。
【0100】
(3)上述したレーザ光出射処理を実施するか否かを選択可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10…光学的情報読取装置
11…筐体
12…キーボード(操作部)
13…読取口
21…光源(照射手段)
28…受光センサ(受光手段)
40…制御回路(照射制御手段,デコード手段,入射状態検知手段,把持状態推定手段,出射方向検出手段,判定手段)
50…把持部
50a…上側広幅面(第1広幅面,広幅面)
50b…下側広幅面(広幅面)
50c…一側狭幅面(狭幅面)
50d…他側狭幅面(狭幅面)
51…一側第1開口部
52…他側第1開口部
53…一側第2開口部
54…他側第2開口部
51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54b…開口穴
55…一側第3開口部
56…他側第3開口部
57…第4開口部
61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64b,65,66,67…フォトセンサ(入射状態検知手段)
70…出射方向検出機構(出射方向検出手段)
71…検出室
74…移動体
75a〜75e…接触端子(被接触体)
B…バーコード(情報コード)
Lf…レーザ光
α…出射方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置に関する技術として、下記特許文献1に示す携帯型情報読取り装置が知られている。この携帯型情報読取り装置は、ケースの把持部にタッチ電極が把持部全体に渡って線状に埋め込まれており、このタッチ電極に操作者の指が接触することによる電極等の容量変化を検知することで、操作者が当該装置を把持しているか否かを判断している。そして、操作者による把持が検知される場合には読取り動作をオン制御し、操作者による把持が検知されない場合には読取り動作をオフ制御することで、操作スイッチ等を操作することなく読取り動作の実施を可能としている。
【0003】
また、下記特許文献2に示す携帯電話機では、使用者が携帯電話機を把持しているかどうかを検出する側部接触状態検出手段と、携帯電話機の底部および背部が物体に接触しているかどうかを検出する底部接触状態検出手段および背部接触状態検出手段とを備えている。そして、着信時に、携帯電話機の把持と底部および背部の双方の接触状態とのいずれかが検出されると携帯電話機を振動させ、携帯電話機が把持されておらずかつ底部および背部のいずれかの非接触状態が検出されると振動機能の設定が有る場合を除き携帯電話機の振動を停止する。このように携帯電話機が置かれている状況に応じて振動させるか否かを決めることで、携帯電話機が着信に応じた振動により机上等からの落下することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−251180号公報
【特許文献2】特開2000−069129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光学的情報読取装置では、情報コードを光学的に読み取る際に照射されるレーザ光が人の目に入るおそれがあるため、読取作業時以外ではレーザ光の照射を停止することが望ましい。しかしながら、例えば、押しボタン方式等の操作手段を設けてこのスイッチの押動操作時のみレーザ光を照射させることも考えられるが、操作手段を設ける必要があるため機構的に複雑となり、小型化や低コスト化の妨げとなってしまうという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1では、作業者による把持は検出できるが、読取作業のための把持か単なる移動のための把持かを正確に把握することが困難であるという課題があった。また、上記特許文献2では3カ所での接触状態を検出するため作業者による把持か机上等への載置かを検出しても、上記特許文献1と同様、使用状態まで正確に把握することが困難であった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、読取作業中でないときにはレーザ光の出射を自動的に停止し得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、情報コードに対してレーザ光を出射する照射手段と、前記照射手段を制御する照射制御手段と、前記照射手段からの前記レーザ光が前記情報コードにて反射した反射光を受光する受光手段と、前記情報コードからの反射光に応じて前記受光手段から出力される信号に基づいて当該情報コードをデコードするデコード手段と、前記受光手段を収容するとともに前記情報コードからの反射光を前記受光手段に導く読取口が形成された筐体と、を備える光学的情報読取装置であって、前記筐体の把持部に形成される複数の開口部に筐体外からの外来光が入射している入射状態であるか否かを開口部毎に検知する入射状態検知手段と、前記入射状態検知手段により検出される前記開口部毎の入射状態に基づいて前記把持部を把持する把持状態を推定する把持状態推定手段と、前記レーザ光の出射方向を検出する出射方向検出手段と、前記把持状態推定手段により推定される前記把持状態と前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向とに基づいて読取作業中であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記照射制御手段は、前記判定手段により読取作業中でないと判定される場合には、前記照射手段による前記レーザ光の出射を停止することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記出射方向検出手段により上向きの出射方向が検出されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置において、前記出射方向検出手段は、前記筐体に固定される検出室と、前記検出室内に設けられて当該検出室に対して相対移動可能な移動体と、前記検出室の内壁に固定される複数の被接触体とを備え、前記被接触体の少なくともいずれか1つと前記移動体との接触を検知することで、前記レーザ光の出射方向を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記移動体は、球状に形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の光学的情報読取装置において、前記検出室の内壁には前記移動体の少なくとも一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部が1または複数形成され、前記被接触体の少なくともいずれか1つが前記凹部に嵌り込んだ前記移動体に接触可能に配置されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記筐体の長手方向における重心位置近傍に第1開口部がそれぞれ1箇所設けられ、前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第1開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の光学的情報読取装置において、前記両第1開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第1開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第1開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第1開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記読取口から離間する部位に第2開口部がそれぞれ1箇所設けられ、前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載の光学的情報読取装置において、前記両第2開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第2開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第2開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第2開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項8または9に記載の光学的情報読取装置において、前記各開口部の一部として、前記両第2開口部と、前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に対して前記両第2開口部の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部と、前記第1広幅面に対して前記読取口から離間する部位にて開口する第4開口部とが設けられ、前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により、前記第4開口部と一方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態でなく、他方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10に記載の光学的情報読取装置において、前記両第3開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第3開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第3開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第3開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項10または11に記載の光学的情報読取装置において、前記第4開口部は、複数の第4開口穴から構成され、前記入射状態検知手段は、前記複数の第4開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第4開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項8〜12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記筐体の表面であって前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に沿う面に所定の情報を入力するための操作部が設けられ、前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記把持部を構成する四面のうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする。
【0022】
請求項15の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記入射状態検知手段により全ての前記開口部が入射状態でないことが検知されると、前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明では、筐体の把持部に形成される複数の開口部に筐体外からの外来光が入射している入射状態であるか否かについて入射状態検知手段により開口部毎に検知されると、これら各入射状態に基づいて把持状態推定手段により把持部を把持する把持状態が推定される。そして、把持状態推定手段により推定される把持状態と出射方向検出手段により検出される出射方向とに基づいて判定手段により読取作業中でないと判定される場合には、照射制御手段により照射手段によるレーザ光の出射が停止される。
【0024】
作業者が読取作業を行うために把持部を把持する場合には、その持ち方が限定される傾向がある。その限定される持ち方として、例えば、把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって筐体の重心位置近傍を親指と人差し指等とで挟持する持ち方(以下、つかみ持ちともいう)がある。また、小指や手の平等で把持部の両狭幅面のうち読取口から離間する部位を挟持して読取口を上方に向ける持ち方(以下、下持ちともいう)や、親指と親指を除く四指とで両広幅面のうち読取口から離間する方と他方とを挟持して読取口を下方に向ける持ち方(以下、上持ちともいう)がある。そのため、それぞれの持ち方に応じて把持が予定される把持部の部分を含めて複数の開口部を設け、これら各開口部のうち入射状態である開口部と入射状態でない開口部とを検知することで、作業者により把持部が把持される場合にその作業者による持ち方が推定される。
【0025】
これにより、上述のように推定される持ち方と、読取口の開口方向を考慮して出射方向検出手段により検出されるレーザ光の出射方向とから当該装置の使用状態を推定することができるので、その使用状態が読取作業中でない場合にはレーザ光の出射を自動的に停止することができる。したがって、レーザ光が作業者を含めた周囲の人の目に入ることを防止することができる。特に、不必要な場合にレーザ光の出射が停止されることとなるので、消費電力を効果的に抑制することもできる。
【0026】
請求項2の発明では、判定手段は、出射方向検出手段により上向きの出射方向が検出されると、把持状態推定手段により推定される把持状態を考慮することなく、読取作業中でないと判定する。このように上向きの出射方向が検出される場合には、読取作業中ではないので、この場合にレーザ光の出射を自動的に停止することで、レーザ光が作業者を含めた周囲の人の目に入ることを確実に防止することができる。
【0027】
請求項3の発明では、出射方向検出手段により、検出室内に設けられる被接触体の少なくともいずれか1つと移動体との接触が検知されることで、レーザ光の出射方向が検出される。筐体を任意の方向に傾ける場合に移動体が被接触体のいずれか1つと接触するとき、その接触する被接触体に応じて読取口の開口方向、すなわちレーザ光の出射方向が一義的に決まることとなるので、簡単な機構でレーザ光の出射方向を検出することができる。
【0028】
請求項4の発明では、移動体は球状に形成されるため、検出室内を移動しやすくなるので、移動体が接触する被接触体に応じたレーザ光の出射方向を確実に検出することができる。
【0029】
請求項5の発明では、検出室の内壁には移動体の少なくとも一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部が1または複数形成され、被接触体の少なくともいずれか1つが凹部に嵌り込んだ移動体に接触可能に配置される。これにより、筐体を任意の方向に傾ける場合に移動体が凹部に配置される被接触体と接触するとき、当該凹部に移動体が嵌り込むこととなるので、レーザ光の出射方向に応じてその出射方向に対応する被接触体と移動体とを確実に接触させることができる。
【0030】
請求項6の発明では、各開口部の一部として、把持部の一部を構成する一対の狭幅面であって筐体の長手方向における重心位置近傍に第1開口部がそれぞれ1箇所設けられている。そして、入射状態検知手段により両第1開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、把持状態推定手段により読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。
【0031】
両狭幅面にそれぞれ設けられる第1開口部が双方ともに入射状態でない場合には、両第1開口部が作業者の指で閉塞される上述したつかみ持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0032】
請求項7の発明では、入射状態検知手段は、第1開口部を構成する複数の第1開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第1開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0033】
請求項8の発明では、各開口部の一部として、把持部の一部を構成する一対の狭幅面であって読取口から離間する部位に第2開口部がそれぞれ1箇所設けられている。そして、入射状態検知手段により両第2開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、把持状態推定手段により読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。
【0034】
両狭幅面にそれぞれ設けられる第2開口部が双方ともに入射状態でない場合には、両第2開口部が作業者の指で閉塞される上述した下持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0035】
請求項9の発明では、入射状態検知手段は、第2開口部を構成する複数の第2開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第2開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0036】
請求項10の発明では、各開口部の一部として、上記両第2開口部と、第1広幅面に対して両第2開口部の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部と、当該第1広幅面に対して読取口から離間する部位にて開口する第4開口部とが設けられている。そして、入射状態検知手段により第4開口部と一方の第2開口部とこの第2開口部の近傍の第3開口部とが入射状態でなく、他方の第2開口部とこの第2開口部の近傍の第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、把持状態推定手段により読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。
【0037】
第4開口部と一方の第2開口部および第3開口部とが入射状態でなく、他方の第2開口部および第3開口部とが入射状態である場合には、親指と親指を除く四指とで両広幅面のうち読取口から離間する方と他方とを挟持して読取口を下方に向ける上述した上持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0038】
請求項11の発明では、入射状態検知手段は、第3開口部を構成する複数の第3開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第3開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0039】
請求項12の発明では、入射状態検知手段は、第4開口部を構成する複数の第4開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第4開口部が入射状態でないと検知する。これにより、作業者によって把持部を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。
【0040】
請求項13の発明では、筐体の表面であって第1広幅面に沿う面に所定の情報を入力するための操作部が設けられている。そして、入射状態検知手段により両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、操作部を親指で操作する持ち方(キー操作持ち)による把持が想定されるので、判定手段により読取作業中でないと判定される。なお、筐体の表面であって第1広幅面に沿う面は、第1広幅面を含むものとする。
【0041】
第1広幅面に沿う面に設けられる操作部を操作するために把持部を把持する場合には、操作部を操作する親指と親指を除く四指とで上記第1広幅面と他の広幅面とが挟持される把持が想定される。この場合には、四指または手の平により両第2開口部のうち一方のみが閉塞されることが想定される。このため、両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことを検知することで、操作部の操作中であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。
【0042】
請求項14の発明では、判定手段は、入射状態検知手段により把持部を構成する四面のうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定する。一面の各開口部のみが入射状態でない場合には、この一面を下面として筐体が机等に置かれていることが想定される。このため、一面の各開口部のみが入射状態でないことを検知することで、筐体が机等に置かれている状態であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。
【0043】
請求項15の発明では、判定手段は、入射状態検知手段により全ての開口部が入射状態でないことが検知されると、出射方向検出手段により検出される出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定する。全ての開口部が入射状態でない場合には、筐体が暗所にあることが想定される。この場合には、把持状態が入射状態検知手段による検知結果に反映されないため、把持状態推定手段による把持状態の推定を考慮することなく、レーザ光の出射方向のみに基づいて読取作業中であるか否かを判定することで、把持状態推定手段による推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態に係る光学的情報読取装置10の構成概要を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の1Bから見た側面図、図1(C)は図1(A)の1Cから見た側面図である。
【図2】光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】出射方向検出機構70を示す斜視図である。
【図4】図4(A)は出射方向検出機構70の上面図であり、図4(B)は出射方向検出機構70の側面図であり、図4(C)は図4(B)の4C−4C断面を示す断面図である。
【図5】把持部50をつかみ持ちした状態を示す説明図であり、図5(A)は一側狭幅面50cからみた状態を示し、図5(B)は下側広幅面50bからみた状態を示す。
【図6】把持部50を下持ちした状態を示す説明図である。
【図7】把持部50を上持ちした状態を示す説明図である。
【図8】把持部50をキー操作持ちした状態を示す説明図である。
【図9】レーザ光出射処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】読取口13が下方に向く状態を例示する説明図であり、図10(A)は接触端子75bおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図10(B)は出射方向を示す。
【図11】読取口13が図10よりも下方に向く状態を例示する説明図であり、図11(A)は移動体74の位置を拡大して示し、図11(B)は出射方向を示す。
【図12】読取口13が水平方向に向く状態を例示する説明図であり、図12(A)は移動体74の位置を拡大して示し、図12(B)は出射方向を示す。
【図13】読取口13が下方に位置する状態を例示する説明図であり、図13(A)は接触端子75eおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図13(B)は出射方向を示す。
【図14】読取口13が上方に向く状態を例示する説明図であり、図14(A)は接触端子75aおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図14(B)は出射方向を示す。
【図15】一側狭幅面50cを下面として読取口13が横方に向く状態を例示する説明図であり、図15(A)は接触端子75cおよび移動体74の接触状態を拡大して示し、図15(B)は出射方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の携帯型の光学的情報読取装置を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
光学的情報読取装置10は、対象物に表示された読取対象であるバーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型の読取装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、図1および図2に示すように、筐体11の内部に回路部20が収容されてなるものであり、この回路部20に所定の情報を入力するためのキーボード12が把持部50を構成する四面のうち読取口13から最も離間する面である上側広幅面50aに設けられている。
【0046】
ここで、読取口13は、筐体11が水平に把持されるとき、その開口方向(出射方向)が下方(図1(B),(C)の矢印α参照)になるように形成されている。また、把持部50を構成する四面を、図1(A)〜(C)に示すように、上述した上側広幅面50aと、この上側広幅面50aに対向する下側広幅面50bと、両広幅面50a,50bよりも面積が小さく互いに対向する一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dと、定義する。なお、上側広幅面50aに対向する下側広幅面50bは、特許請求の範囲に記載の「一対の広幅面」の一例に相当し、一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dは、特許請求の範囲に記載の「一対の狭幅面」の一例に相当する。
【0047】
一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dには、筐体11の長手方向における重心位置近傍に一側第1開口部51および他側第1開口部52がそれぞれ1箇所設けられている。そして、一側第1開口部51は、2つの開口穴51a,51bから構成され、他側第1開口部52は、2つの開口穴52a,52bから構成されている。また、一側狭幅面50cおよび他側狭幅面50dには、読取口13から離間する部位に一側第2開口部53および他側第2開口部54がそれぞれ1箇所設けられている。そして、一側第2開口部53は、2つの開口穴53a,53bから構成され、他側第2開口部54は、2つの開口穴54a,54bから構成されている。
【0048】
また、上側広幅面50aには、一側第2開口部53の近傍にて開口する一側第3開口部55と、他側第2開口部54の近傍にて開口する他側第3開口部56と、読取口13から離間する部位にて開口する第4開口部57とがそれぞれ1箇所設けられている。
【0049】
また、図2に示すように、回路部20は、主に、光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0050】
光学系の光源21は、レーザ光Lfを出射可能な照射手段として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、受光センサ28を挟んだ両側に光源21が設けられており、筐体11の読取口13を介して読取対象物Rに向けてレーザ光Lfを出射可能に構成されている。この読取対象物Rは、例えば、包装容器や包装用紙あるいはラベルといった表示媒体に相当するもので、その表面にはバーコードBが印刷されている。なお、光源21は、特許請求の範囲に記載の「照射手段」の一例に相当する。
【0051】
受光センサ28は、読取対象物RやバーコードBに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光をこの受光面28aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。なお、光源21は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当する。
【0052】
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能する。本実施形態では、光源21から出射されたレーザ光LfがバーコードBに反射して読取口13に入射する反射光Lrを集光することにより、受光センサ28の受光面28aにバーコードBのコード画像を結像可能にしている。
【0053】
次に、マイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、LED43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成されるもので、上述した光学系によって撮像されたバーコードBの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0054】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0055】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばフラッシュROM(EPROM、EEPROMなど)のデータ書換え可能なメモリがこれに相当する。このメモリ35には、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されるとともに、後述するレーザ光出射処理、読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0056】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、LED43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0057】
これにより、例えば、バーコードBの読み取りに関する情報を報知するインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、当該光学的情報読取装置10の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御、さらには読み取ったバーコードBによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0058】
また、回路部20は、複数のフォトセンサと出射方向検出機構70とを備えている。各フォトセンサは、図1(A)〜(C)に示すように、把持部50に形成される各開口部51〜57毎に配置されており、当該各開口部51〜57に筐体11外からの外来光が入射している入射状態であるか否かをそれぞれ検知する入射状態検知手段として機能するものである。具体的には、一側第1開口部51の開口穴51a,51bにはフォトセンサ61a,61bが配置され、他側第1開口部52の開口穴52a,52bにはフォトセンサ62a,62bが配置され、一側第2開口部53の開口穴53a,53bにはフォトセンサ63a,63bが配置され、他側第2開口部54の開口穴54a,54bにはフォトセンサ64a,64bが配置されている。また、一側第3開口部55にはフォトセンサ65が配置され、他側第3開口部56にはフォトセンサ66が配置され、第4開口部57にはフォトセンサ67が配置されている。各フォトセンサ61a〜67は、対応する開口部が入射状態である場合に入射状態を示す信号を制御回路40に出力するように、それぞれ制御回路40に電気的に接続されている。
【0059】
出射方向検出機構70は、読取口13の開口方向、すなわちレーザ光Lfの出射方向を検出するための機構であって、図3および図4に示すように、筐体11内に固定される検出室71と、この検出室71内に設けられて当該検出室71に対して相対移動可能な導電性の移動体74と、検出室71の内壁71a〜71eにそれぞれ固定される複数の接触端子75a〜75eとを備えている。出射方向検出機構70は、各接触端子75a〜75eのいずれかと移動体74とが接触するとき、接触する接触端子に応じた検出信号を制御回路40に出力するように当該制御回路40に電気的に接続されている。なお、図3および図4と後述する図10〜図15とに示す検出室71では、便宜上、各内壁において内面のみを図示している。また、出射方向検出機構70、検出室71、移動体74および接触端子75a〜75eは、特許請求の範囲に記載の「出射方向検出手段」、「検出室」、「移動体」および「被接触体」の一例に相当する。
【0060】
検出室71の上側内壁71aは、把持部50の四面のうち上側広幅面50aが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この上側内壁71aには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72aが形成されている。接触端子75aは、上述のように上側広幅面50aが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72aに配置されている。
【0061】
検出室71の下側内壁71bは、把持部50の四面のうち下側広幅面50bが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この下側内壁71bには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72bと、この凹部72bから読取口方向に延びて移動体74の一部が係脱自在に落ち込み可能な溝部73bとが形成されている。接触端子75bは、上述のように下側広幅面50bが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72bに配置されている。
【0062】
検出室71の一側内壁71cは、把持部50の四面のうち一側狭幅面50cが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この一側内壁71cには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72cが形成されている。接触端子75cは、上述のように一側狭幅面50cが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72cに配置されている。
【0063】
検出室71の他側内壁71dは、把持部50の四面のうち他側狭幅面50dが下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。この他側内壁71dには、移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72dが形成されている。接触端子75dは、上述のように他側狭幅面50dが下方になるときに移動体74と接触するように、凹部72dに配置されている。
【0064】
検出室71の読取口側内壁71eは、読取口13が下方になるように筐体11が傾くとき、他の内壁に対して下方になるように配置されている。接触端子75eは、上述のように読取口13が下方になるときに移動体74と接触するように、読取口側内壁71eに配置されている。
【0065】
このように光学的情報読取装置10を構成することによって以下に示す読取処理がなされる。例えば、図略の電源スイッチがオンされて所定の自己診断処理等が正常終了すると、後述するレーザ光出射処理に応じて制御回路40が同期信号を基準に光源21に発光信号を出力する。そして、この発光信号を受けた光源21がLEDを発光させてレーザ光Lfを読取口13を介して出射することにより、バーコードBの読み取りが可能な状態になる。
【0066】
そして、バーコードBに照射されたレーザ光Lfが反射しその反射光Lrが読取口13を介して結像レンズ27に入射すると、受光センサ28の受光面28aには、結像レンズ27によりバーコードBの像、つまりコード画像が結像される。これにより、受光面28aを構成する各受光素子が露光され、各受光素子から受光量に応じた信号がそれぞれ出力される。各受光素子から出力される信号は、バーコードBの画像データを構成するものであり、この画像データを2値化した後、所定のデコード処理を施すことによって、バーコードBとして符号化された文字データ等がデコードされてメモリ35に書き込まれることとなる。また、デコードされた内容は液晶表示器46に表示したり、通信インタフェース48を介してホストコンピュータに出力したりすることもできる。
【0067】
次に、本発明の特徴的部分である、制御回路40により実行されるレーザ光出射処理について説明する。このレーザ光出射処理は、読取作業中であると判定される場合に光源21からのレーザ光Lfを出射し、読取作業中でないと判定される場合にこのレーザ光Lfの出射を停止する処理を実施するものである。
【0068】
ここで、読取作業中であるか否かを判定する根拠について説明する。作業者が読取作業を行うために把持部50を把持する場合には、その持ち方が限定される傾向がある。その限定される持ち方として、例えば、図5(A),(B)に例示するように、把持部50の両狭幅面50c,50dであって筐体11の重心位置近傍を親指と人差し指等とで挟持する持ち方(以下、つかみ持ちともいう)がある。また、図6に例示するように、小指や手の平等で把持部50の両狭幅面50c,50dのうち読取口13から離間する部位を挟持して読取口13を上方に向ける持ち方(以下、下持ちともいう)がある。また、図7に例示するように、親指と親指を除く四指とで上側広幅面50aと下側広幅面50bとを挟持して読取口13を下方に向ける持ち方(以下、上持ちともいう)がある。さらに、図8に例示するように、キーボード12を操作するために把持部50を把持する場合には、キーボード12を操作する親指と親指を除く四指とで上側広幅面50aと下側広幅面50bとを挟持する持ち方(以下、キー操作持ちともいう)がある。
【0069】
そのため、それぞれの持ち方に応じて把持が予定される把持部50の部分に上述した複数の開口部51〜57を設け、これら各開口部51〜57のうち入射状態である開口部と入射状態でない開口部とを検知することで、作業者により把持部50が把持される場合にその作業者による持ち方が推定される。具体的には、両第1開口部51,52が双方ともに入射状態でない場合にはつかみ持ちが推定され(図5(A),(B)参照)、両第2開口部53,54が双方ともに入射状態でない場合には下持ちが推定される(図6参照)。また、第4開口部57と他側第2開口部54および他側第3開口部56とが入射状態でなく、一側第2開口部53および一側第3開口部55とが入射状態である場合(図7参照)、または、第4開口部57と一側第2開口部53および一側第3開口部55とが入射状態でなく、他側第2開口部54および他側第3開口部56とが入射状態である場合には、上持ちが推定される。また、両第2開口部53,54のうち一方のみが入射状態でない場合にはキー操作持ちが推定される(図8参照)。
【0070】
これにより、上述のように推定される持ち方と、読取口13の開口方向を考慮して検出されるレーザ光Lfの出射方向とを考慮することにより、読取作業中であるか否かを確実に判定することができる。
【0071】
以下、レーザ光出射処理について図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、電源スイッチのオン操作がなされて電源オン状態になると、図9のステップS101において入射状態検知処理がなされる。この処理では、各フォトセンサ61a〜67からの出力に基づいて、各開口部51〜57が入射状態であるか否か(各開口部51〜57が遮光状態でないか否か)について各開口部51〜57ごとに検知される。
【0072】
ここで、一側第1開口部51の両開口穴51a,51bのいずれか1つが入射状態であれば、当該一側第1開口部51が入射状態であると判定され、他側第1開口部52の両開口穴52a,52bのいずれか1つが入射状態であれば、当該他側第1開口部52が入射状態であると判定される。また、一側第2開口部53の両開口穴53a,53bのいずれか1つが入射状態であれば、当該一側第2開口部53が入射状態であると判定され、他側第2開口部54の両開口穴54a,54bのいずれか1つが入射状態であれば、当該他側第2開口部54が入射状態であると判定される。なお、ステップS101の処理を実行する制御回路40およびフォトセンサ61a〜67は、特許請求の範囲に記載の「入射状態検知手段」の一例に相当する。
【0073】
次に、ステップS103において、各開口部51〜57が全て入射状態であるか否かについて判定され、全ての各開口部51〜57が入射状態である場合には(S103でYes)、把持部50が把持されておらず読取作業中でないと判断されて、ステップS117にて出射停止処理がなされて、光源21からのレーザ光Lfの出射が停止される。
【0074】
一方、上記ステップS103にて各開口部51〜57の少なくともいずれか1つが入射状態でなければ(S103でNo)、ステップS105にて把持部50を構成する四面のうち一面に形成される各開口部のみが入射状態でないか否かについて判定される。ここで、一面の各開口部、例えば、一側狭幅面50cの一側第1開口部51および一側第2開口部53のみが入射状態でない場合には(S105でYes)、この一側狭幅面50cを下面として筐体11が机等に置かれており読取作業中でないと判断されて、ステップS117にて出射停止処理がなされる。
【0075】
一方、上記ステップS105にて把持部50を構成する複数の面の開口部が入射状態でない場合には(S105でNo)、ステップS107にて各開口部51〜57が全て入射状態でないか否かについて判定される。ここで、各開口部51〜57が全て入射状態でない場合には(S107でYes)、筐体11が暗所にあると判断されて、後述するステップS109の処理をすることなくステップS111の処理がなされる。
【0076】
一方、各開口部51〜57の少なくともいずれか1つが入射状態である場合には(S107でNo)、ステップS109にて把持状態推定処理がなされる。この処理では、各開口部51〜57の入射状態に基づいて把持部50を把持する把持状態、すなわち、上述したつかみ持ちや下持ち、上持ちやキー操作持ちなどや他の持ち方が推定される(図5〜図8参照)。なお、ステップS109の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「把持状態推定手段」の一例に相当する。
【0077】
次に、ステップS111において、出射方向検出処理がなされる。この処理では、出射方向検出機構70の各接触端子75a〜75eのうち移動体74と接触している接触端子に応じて出射方向が検出される。
【0078】
具体的には、図10(A)に示すように、接触端子75bが移動体74に接触する場合には、読取口13が下方に向く出射方向(図10(B)参照の矢印α1参照)が検出される。また、移動体74が溝部73bに落ち込むか(図11(A)参照)、または、移動体74が反読取口側内壁71fに接触する(図12(A)参照)ことで、いずれの接触端子とも移動体74に接触していない場合には、図10(B)の状態よりもさらに読取口13が下方に向く出射方向(図11(B)参照の矢印α2参照)か、読取口13が水平方向に向く出射方向(図12(B)参照の矢印α3参照)のいずれかであることが検出される。
【0079】
また、図13(A)に示すように、接触端子75eが移動体74に接触する場合には、読取口13が下方に位置する出射方向(図13(B)参照の矢印α4参照)が検出される。また、図14(A)に示すように、接触端子75aが移動体74に接触する場合には、読取口13が上方に向く出射方向(図14(B)参照の矢印α5参照)が検出される。また、図15(A)に示すように、接触端子75cが移動体74に接触する場合には、一側狭幅面50cを下面として読取口13が横方に向く出射方向(図15(B)参照)が検出され、接触端子75dが移動体74に接触する場合には、他側狭幅面50dを下面として読取口13が横方に向く出射方向が検出される。なお、ステップS111の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「入射状態検出手段」の一例に相当する。
【0080】
上述のように出射方向が検出されると、ステップS113において、ステップS109にて推定された把持状態とステップS111にて検出された出射方向とに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定される。すなわち、推定された把持状態で読取作業を実施するときに想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するときに、読取作業中であるとしてステップS113にてYesと判定される。
【0081】
具体的には、ステップS109にてつかみ持ちが推定され、ステップS111にて読取口13が下方に向く出射方向が検出されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するので、読取作業中であると判定される。また、ステップS109にて下持ちが推定され、ステップS111にて読取口13が上方に向く出射方向が検出されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するので、読取作業中であると判定される。また、ステップS109にて上持ちが推定され、ステップS111にて読取口13が下方に向く出射方向が検出されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致するので、読取作業中であると判定される。
【0082】
一方、ステップS109にてキー操作持ちが推定されると、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致する場合でも読取作業中でないと判定される。なお、本実施形態では、想定される出射方向と検出された出射方向とが一致しない場合には、読取作業中でないと判定されるが、想定される出射方向と検出された出射方向とに応じて例外的に読取作業中であると判定してもよい。なお、ステップS113の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「判定手段」の一例に相当する。
【0083】
上述のようにステップS113にて読取作業中であると判定されると(S113でYes)、ステップS115にて出射処理がなされ、光源21からレーザ光Lfが出射されることにより、バーコードBの読み取りが可能な状態になる。一方、ステップS113にて読取作業中でないと判定されると(S113でNo)、ステップS117にて出射停止処理がなされ、光源21からのレーザ光Lfの出射が停止される。これにより、読取作業中でない場合にはレーザ光Lfの出射が自動的に停止されることとなる。なお、ステップS115,117の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「照射制御手段」の一例に相当する。
【0084】
そして、ステップS115における処理またはステップS117における処理がなされると、電源オフになるまでステップS119にてNoと判定されて、上述したステップS101からの処理が繰り返されることとなる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、筐体11の把持部50に形成される複数の開口部51〜57に筐体11外からの外来光が入射している入射状態であるか否かについて開口部毎に検知されると、これら各入射状態に基づいて把持部50を把持する把持状態が推定される。そして、この推定される把持状態と出射方向検出機構70により検出される出射方向とに基づいて読取作業中でないと判定される場合には、光源21によるレーザ光Lfの出射が停止される。
【0086】
これにより、上述のように推定される把持状態(持ち方)と、読取口13の開口方向を考慮して検出されるレーザ光Lfの出射方向とから当該装置の使用状態を推定することができるので、その使用状態が読取作業中でない場合にはレーザ光Lfの出射を自動的に停止することができる。したがって、レーザ光Lfが作業者を含めた周囲の人の目に入ることを防止することができる。特に、不必要な場合にレーザ光Lfの出射が停止されることとなるので、消費電力を効果的に抑制することもできる。
【0087】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、出射方向検出機構70により、検出室71内に設けられる接触端子75a〜75eのいずれか1つと導電性の移動体74との接触が検知されることで、レーザ光Lfの出射方向が検出される。すなわち、筐体11を任意の方向に傾ける場合に移動体74が接触端子75a〜75eのいずれか1つと接触するとき、その接触する接触端子に応じて読取口13の開口方向、すなわちレーザ光Lfの出射方向が一義的に決まることとなるので、簡単な機構でレーザ光Lfの出射方向を検出することができる。
【0088】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、移動体74は球状に形成されるため、検出室71内を移動しやすくなるので、移動体74が接触する接触端子に応じたレーザ光Lfの出射方向を確実に検出することができる。なお、移動体74は球状に形成されることに限らず、検出室71内を移動しやすい形状に形成されてもよい。
【0089】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、検出室71の各内壁71a〜71dには移動体74の一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部72a〜72dがそれぞれ形成され、各接触端子75a〜75dが対応する凹部72a〜72dに嵌り込んだ移動体74に接触可能にそれぞれ配置されている。これにより、筐体11を任意の方向に傾ける場合に移動体74が各凹部72a〜72dのいずれかに配置される接触端子と接触するとき、当該凹部に移動体74が嵌り込むこととなるので、レーザ光Lfの出射方向に応じてその出射方向に対応する接触端子と移動体74とを確実に接触させることができる。
【0090】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、各開口部の一部として、把持部50の一対の狭幅面50c,50dであって筐体11の長手方向における重心位置近傍に第1開口部51,52がそれぞれ1箇所設けられている。そして、両第1開口部51,52が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。この入射状態の検知により上述したつかみ持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0091】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、各開口部の一部として、把持部50の一対の狭幅面50c,50dであって読取口13から離間する部位に第2開口部53,54がそれぞれ1箇所設けられている。そして、両第2開口部53,54が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。この入射状態の検知により上述した下持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0092】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、各開口部の一部として、両第2開口部53,54と、上側広幅面50aに対して両第2開口部53,54の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部55,56と、当該上側広幅面50aに対して読取口13から離間する部位にて開口する第4開口部57とが設けられている。そして、第4開口部57と一方の第2開口部および第3開口部とが入射状態でなく、他方の第2開口部および第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることが推定される。この入射状態の検知により上述した上持ちによる把持が想定されるので、読取作業を実施するための把持状態であることを確実に推定することができる。
【0093】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、一側第1開口部51を構成する各開口穴51a,51bのうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該一側第1開口部51が入射状態でないと検知される。これにより、作業者によって把持部50を把持する位置が多少ずれる場合でも確実に把持状態を推定することができる。また、他の開口部52〜54でも同様の作用効果を奏する。なお、各開口部51〜54は3つ以上の開口穴により構成されてもよい。また、第3開口部55,56および第4開口部57は、2つ以上の開口穴により構成されてもよい。
【0094】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、上側広幅面50aにキーボード12が設けられていることから、両第2開口部53,54のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定される。この入射状態の検知により上述したキー操作持ちによる把持が想定されるので、キーボード12の操作中であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。なお、筐体11の表面であって上側広幅面50aに沿う面にキーボード12が設けられる場合でも同様の作用効果を奏する。
【0095】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、把持部50を構成する四面50a〜50dのうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定される。この入射状態の検知により筐体11が机等に置かれている状態であり読取作業を実施するための把持状態でないことを確実に推定することができる。
【0096】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、全ての開口部51〜57が入射状態でないことが検知されると、筐体が暗所にあるとして、検出される出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定する。この場合には、把持状態が入射状態検知処理による検知結果に反映されないため、把持状態推定処理による把持状態の推定を考慮することなく、レーザ光Lfの出射方向のみに基づいて読取作業中であるか否かを判定することで、把持状態推定処理による推定精度を向上させることができる。
【0097】
なお、出射方向検出機構70により上向きの出射方向が検出されると、推定される把持状態を考慮することなく、読取作業中でないと判定してもよい。このように上向きの出射方向が検出される場合には、読取作業中でない可能性が高いので、この場合にレーザ光Lfの出射を自動的に停止することで、レーザ光Lfが作業者を含めた周囲の人の目に入ることを確実に防止することができる。
【0098】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)入射状態検知手段として、各フォトセンサ61a〜67に代えて、各開口部の入射状態(遮光状態)を検出可能なセンサを設けてもよい。
【0099】
(2)出射方向検出手段として、出射方向検出機構70に代えて、傾斜センサなどを設けてもよい。
【0100】
(3)上述したレーザ光出射処理を実施するか否かを選択可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10…光学的情報読取装置
11…筐体
12…キーボード(操作部)
13…読取口
21…光源(照射手段)
28…受光センサ(受光手段)
40…制御回路(照射制御手段,デコード手段,入射状態検知手段,把持状態推定手段,出射方向検出手段,判定手段)
50…把持部
50a…上側広幅面(第1広幅面,広幅面)
50b…下側広幅面(広幅面)
50c…一側狭幅面(狭幅面)
50d…他側狭幅面(狭幅面)
51…一側第1開口部
52…他側第1開口部
53…一側第2開口部
54…他側第2開口部
51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54b…開口穴
55…一側第3開口部
56…他側第3開口部
57…第4開口部
61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64b,65,66,67…フォトセンサ(入射状態検知手段)
70…出射方向検出機構(出射方向検出手段)
71…検出室
74…移動体
75a〜75e…接触端子(被接触体)
B…バーコード(情報コード)
Lf…レーザ光
α…出射方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードに対してレーザ光を出射する照射手段と、
前記照射手段を制御する照射制御手段と、
前記照射手段からの前記レーザ光が前記情報コードにて反射した反射光を受光する受光手段と、
前記情報コードからの反射光に応じて前記受光手段から出力される信号に基づいて当該情報コードをデコードするデコード手段と、
前記受光手段を収容するとともに前記情報コードからの反射光を前記受光手段に導く読取口が形成された筐体と、
を備える光学的情報読取装置であって、
前記筐体の把持部に形成される複数の開口部に筐体外からの外来光が入射している入射状態であるか否かを開口部毎に検知する入射状態検知手段と、
前記入射状態検知手段により検出される前記開口部毎の入射状態に基づいて前記把持部を把持する把持状態を推定する把持状態推定手段と、
前記レーザ光の出射方向を検出する出射方向検出手段と、
前記把持状態推定手段により推定される前記把持状態と前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向とに基づいて読取作業中であるか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記照射制御手段は、前記判定手段により読取作業中でないと判定される場合には、前記照射手段による前記レーザ光の出射を停止することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記出射方向検出手段により上向きの出射方向が検出されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記出射方向検出手段は、
前記筐体に固定される検出室と、前記検出室内に設けられて当該検出室に対して相対移動可能な移動体と、前記検出室の内壁に固定される複数の被接触体とを備え、
前記被接触体の少なくともいずれか1つと前記移動体との接触を検知することで、前記レーザ光の出射方向を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記移動体は、球状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記検出室の内壁には前記移動体の少なくとも一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部が1または複数形成され、前記被接触体の少なくともいずれか1つが前記凹部に嵌り込んだ前記移動体に接触可能に配置されることを特徴とする請求項3または4に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記筐体の長手方向における重心位置近傍に第1開口部がそれぞれ1箇所設けられ、
前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第1開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記両第1開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第1開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第1開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第1開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項6に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記読取口から離間する部位に第2開口部がそれぞれ1箇所設けられ、
前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記両第2開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第2開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第2開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第2開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項8に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記各開口部の一部として、前記両第2開口部と、前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に対して前記両第2開口部の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部と、前記第1広幅面に対して前記読取口から離間する部位にて開口する第4開口部とが設けられ、
前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により、前記第4開口部と一方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態でなく、他方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする請求項8または9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記両第3開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第3開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第3開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第3開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項10に記載の光学的情報読取装置。
【請求項12】
前記第4開口部は、複数の第4開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第4開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第4開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項10または11に記載の光学的情報読取装置。
【請求項13】
前記筐体の表面であって前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に沿う面に所定の情報を入力するための操作部が設けられ、
前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項14】
前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記把持部を構成する四面のうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項15】
前記判定手段は、前記入射状態検知手段により全ての前記開口部が入射状態でないことが検知されると、前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項1】
情報コードに対してレーザ光を出射する照射手段と、
前記照射手段を制御する照射制御手段と、
前記照射手段からの前記レーザ光が前記情報コードにて反射した反射光を受光する受光手段と、
前記情報コードからの反射光に応じて前記受光手段から出力される信号に基づいて当該情報コードをデコードするデコード手段と、
前記受光手段を収容するとともに前記情報コードからの反射光を前記受光手段に導く読取口が形成された筐体と、
を備える光学的情報読取装置であって、
前記筐体の把持部に形成される複数の開口部に筐体外からの外来光が入射している入射状態であるか否かを開口部毎に検知する入射状態検知手段と、
前記入射状態検知手段により検出される前記開口部毎の入射状態に基づいて前記把持部を把持する把持状態を推定する把持状態推定手段と、
前記レーザ光の出射方向を検出する出射方向検出手段と、
前記把持状態推定手段により推定される前記把持状態と前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向とに基づいて読取作業中であるか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記照射制御手段は、前記判定手段により読取作業中でないと判定される場合には、前記照射手段による前記レーザ光の出射を停止することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記出射方向検出手段により上向きの出射方向が検出されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記出射方向検出手段は、
前記筐体に固定される検出室と、前記検出室内に設けられて当該検出室に対して相対移動可能な移動体と、前記検出室の内壁に固定される複数の被接触体とを備え、
前記被接触体の少なくともいずれか1つと前記移動体との接触を検知することで、前記レーザ光の出射方向を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記移動体は、球状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記検出室の内壁には前記移動体の少なくとも一部が嵌脱自在に嵌り込み可能な凹部が1または複数形成され、前記被接触体の少なくともいずれか1つが前記凹部に嵌り込んだ前記移動体に接触可能に配置されることを特徴とする請求項3または4に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記筐体の長手方向における重心位置近傍に第1開口部がそれぞれ1箇所設けられ、
前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第1開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記両第1開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第1開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第1開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第1開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項6に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記各開口部の一部として、前記把持部を構成する四面のうち対向する一対の広幅面よりも面積が小さい一対の狭幅面であって前記読取口から離間する部位に第2開口部がそれぞれ1箇所設けられ、
前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部が双方ともに入射状態でないと検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記両第2開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第2開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第2開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第2開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項8に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記各開口部の一部として、前記両第2開口部と、前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に対して前記両第2開口部の近傍にてそれぞれ開口する第3開口部と、前記第1広幅面に対して前記読取口から離間する部位にて開口する第4開口部とが設けられ、
前記把持状態推定手段は、前記入射状態検知手段により、前記第4開口部と一方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態でなく、他方の前記第2開口部とこの第2開口部の近傍の前記第3開口部とが入射状態であると検知される場合に、読取作業を実施するための把持状態であることを推定することを特徴とする請求項8または9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記両第3開口部の少なくともいずれか一方は、複数の第3開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第3開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第3開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項10に記載の光学的情報読取装置。
【請求項12】
前記第4開口部は、複数の第4開口穴から構成され、
前記入射状態検知手段は、前記複数の第4開口穴のうち少なくともいずれか1つが入射状態でないことが検知される場合には、当該第4開口部が入射状態でないと検知することを特徴とする請求項10または11に記載の光学的情報読取装置。
【請求項13】
前記筐体の表面であって前記両広幅面のうち前記読取口から離間する第1広幅面に沿う面に所定の情報を入力するための操作部が設けられ、
前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記両第2開口部のうち一方のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項14】
前記判定手段は、前記入射状態検知手段により前記把持部を構成する四面のうちの一面に形成される各開口部のみが入射状態でないことが検知されると、読取作業中でないと判定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項15】
前記判定手段は、前記入射状態検知手段により全ての前記開口部が入射状態でないことが検知されると、前記出射方向検出手段により検出される前記出射方向のみに基づいて、読取作業中であるか否かについて判定することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−108125(P2011−108125A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264524(P2009−264524)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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