光学的情報読取装置

【課題】読取口に対して傾く読取対象を良好に読み取り可能な光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置10は、照明光Lfを出射する照明光源21aと、この照明光源21aからの照明光Lfを読取口13を介し読取対象に向けて照射する照明レンズ22aと、読取対象にて反射する反射光Lrを読取口13を介し受光する受光センサ28と、を備えている。そして、読取口13に対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を、連動して変更可能な角度変更機構50が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置に関する技術として、下記特許文献1に示す光学的情報読取装置が知られている。この光学的情報読取装置は、結像レンズをその光軸方向に移動させてイメージセンサに結像させる対物距離を変化させるレンズ移動用つまみと、結像レンズの位置に応じて変化する対物距離で重複する点照明をなす2つの指示用LEDと、結像レンズの移動に伴って両指示用LEDの光軸を移動させるLED移動機構とを備えている。
【0003】
そして、開口部の長さよりも長いバーコードを読み取る場合には、レンズ移動用つまみの操作に応じて結像レンズを開口部から離間する方向に移動させるとともに両指示用LEDをその光軸が開くように移動させる。これにより、バーコード上にて両指示用LEDの点照明が重複する位置まで装置本体を移動させるとき、開口部を介した反射光が結像レンズによってイメージセンサ上で焦点が合うので、この状態で読取開始スイッチを操作することでバーコードを読み取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−67692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の発明では、読取光軸に対して垂直に位置するバーコードなどの読取対象を結像する場合、すなわち、照射光および反射光が入出する読取口が読取対象に対して平行である場合には、結像した像に歪みが少ないために、誤りなくデコードすることができる。しかしながら、読取対象が読取光軸に対して垂直に位置しない場合、すなわち、読取口が読取対象に対して傾く場合、照明光が読取対象に効率よく照射されないことから結像した像に歪みが大きく影響すると、誤ってデコードされるか、デコードが失敗する原因となっていた。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、読取口に対して傾く読取対象を良好に読み取り可能な光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、照明光を出射する光源と、前記光源からの前記照明光を読取口を介し読取対象に向けて照射する照明レンズと、前記読取対象にて反射する反射光を前記読取口を介し受光する受光手段と、を備える光学的情報読取装置であって、前記読取口に対する前記照明レンズの角度および前記受光手段の角度を、連動して変更可能な角度変更手段を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記角度変更手段は、前記受光手段のうち前記照明レンズに対して近接する近接端部に一端側が相対回動可能に連結する第1リンクと、前記照明レンズのうち前記受光手段に対して離間する離間端部に一端側が相対回動可能に連結する第2リンクと、前記第1リンクの他端側および前記第2リンクの他端側を相対回動可能に連結する連結軸と、を備え、前記受光手段は、前記近接端部よりも前記照明レンズに対して離間する側にて前記読取口に対して傾動可能に支持され、前記照明レンズは、前記離間端部よりも前記受光手段に対して近接する側にて前記読取口に対して傾動可能に支持されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記角度変更手段は、前記読取口に対して前記照明レンズおよび前記受光手段が平行になる場合の前記連結軸および前記読取口の間の距離を基準距離とするとき、前記連結軸および前記読取口の間の距離を前記基準距離から小さく調整するように当該連結軸を移動可能な調整手段と、前記連結軸および前記読取口の間の距離を前記基準距離に近づけるように、前記第1リンク、前記第2リンク、前記連結軸および前記調整手段の少なくともいずれか1つを付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、読取口に対する照明レンズの角度および受光手段の角度を、連動して変更可能な角度変更手段が設けられている。これにより、作業環境等のために読取口が読取対象に対して傾く場合であっても、この傾き度合に応じて角度変更手段により読取口に対する照明レンズの角度および受光手段の角度を連動して変更することで、照明レンズを介する照明光を読取対象に効率よく照射するとともに、読取口を介する読取対象からの反射光を受光手段に効率よく受光させることができる。
したがって、読取口に対して傾く読取対象を良好に読み取ることができる。
【0011】
請求項2の発明では、角度変更手段は、受光手段の上記近接端部に一端側が相対回動可能に連結する第1リンクと、照明レンズの上記離間端部に一端側が相対回動可能に連結する第2リンクと、第1リンクの他端側および第2リンクの他端側を相対回動可能に連結する連結軸と、を備えている。そして、受光手段は、上記近接端部よりも照明レンズに対して離間する側にて読取口に対して傾動可能に支持され、照明レンズは、上記離間端部よりも受光手段に対して近接する側にて読取口に対して傾動可能に支持される。
【0012】
これにより、連結軸を所定の方向に移動させるように両リンクを変動させることで、照明レンズの照射方向と受光手段の受光方向とが同じ方向に変化するように照明レンズの角度および受光手段の角度が連動して変更するので、角度変更手段を簡易な機構にて構成することができる。
【0013】
請求項3の発明では、角度変更手段は、連結軸および読取口の間の距離を上記基準距離から小さく調整するように当該連結軸を移動可能な調整手段と、連結軸および読取口の間の距離を上記基準距離に近づけるように、第1リンク、第2リンク、連結軸および調整手段の少なくともいずれか1つを付勢する付勢手段と、を備えている。
【0014】
これにより、読取口が読取対象に対して傾いていることから照明レンズおよび受光手段を読取口に対して傾動させる場合には、調整手段を操作して読取対象に対する傾き度合に応じて連結軸を移動させることで、当該読取対象を良好に読み取ることができる。また、調整手段を操作しない場合には、付勢手段による付勢力に応じて各部材が上記基準距離に対応する位置に位置することとなるので、使用頻度が比較的高い場合である読取口に対して平行な読取対象を読み取る場合では、調整手段による特別な操作をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】角度変更機構50の構成を概念的に示す説明図である。
【図3】図3(A)は、読取口13がバーコードBと平行であるときの照明レンズ22aおよび受光センサ28の基準状態を示す説明図であり、図3(B)は、読取口13がバーコードBと平行でないときの照明レンズ22aおよび受光センサ28の傾動状態を示す説明図である。
【図4】図4(A)および図4(B)は、名札NのバーコードBを読み取る読取作業を概略的に示す正面図および上面図であり、図4(C)は、読取口13とバーコードBとの位置関係を概略的に示す上面図である。
【図5】角度変更機構50の機構を説明するための説明図であり、図5(A)は、基準状態を示し、図5(B)は、傾動状態を示す。
【図6】第2実施形態に係る光学的情報読取装置10aの構成を示す概略斜視図である。
【図7】読取作業を行うコンベヤベルトV上に配置される定置式の光学的情報読取装置の配置状態を示す説明図であって、図7(A)は、第2実施形態の光学的情報読取装置10aの配置状態を示し、図7(B)は、従来技術の光学的情報読取装置100の配置状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、光学的情報読取装置10は、対象物に表示された読取対象であるバーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型の読取装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、筐体11の内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21a,21b、照明レンズ22a,22b、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、発光部43、ブザー44、バイブレータ45等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0017】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系は、例えば赤色のLEDのように照明光Lfを出射可能な照明光源21a,21bと、これら両照明光源21a,21bからの照明光Lfを読取口13を介し読取対象に向けて照射する照明レンズ22a,22bなどによって構成されている。ここで、両照明レンズのうちの一方、具体的には照明レンズ22aは、後述するように読取口13に対して傾動可能に筐体11に支持されている。なお、図1では、バーコードBが表示された対象物Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。また、照明光源21aは、特許請求の範囲に記載の「光源」の一例に相当し、照明レンズ22aは、特許請求の範囲に記載の「照明レンズ」の一例に相当に相当し得るものである。
【0018】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、CCDエリアセンサとして構成されるものであり、バーコードBまたは対象物Rに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。ここで、受光センサ28は、実装されるプリント配線板とともに、後述するように読取口13に対して傾動可能に筐体11に支持されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当し得るものである。
【0019】
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本第1実施形態では、照明光源21から照射された照明光LfがバーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0020】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等から構成されている。
【0021】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、所定のコード画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0022】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本第1実施形態の場合、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等が接続されている。
【0023】
これにより、制御回路40は、例えば、バーコードBの読み取りに関する情報を通知するインジケータとして機能する発光部43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには当該バーコードリーダ10の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。なお、通信インタフェース48に接続される外部装置には、当該バーコードリーダ10の上位システムに相当するホストコンピュータ等が含まれる。
【0024】
また、図2に示すように、光学的情報読取装置10は角度変更機構50を備えており、この角度変更機構50は、筐体11内にて、読取口13に対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を、連動して変更するように構成されている。なお、図2は、角度変更機構50の機構を説明するため、説明の便宜上、角度変更機構50に関連しない部材を省略するか二点鎖線にて概念的に示す。また、角度変更機構50は、特許請求の範囲に記載の「角度変更手段」の一例に相当し得るものである。
【0025】
ここで、読取口13に対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を連動して変更する理由について図3および図4を用いて説明する。
図3(A)に示すように、読取口13が読取対象としてのバーコードBに対して平行である場合には、受光センサ28にて結像した像に歪みが少ないために、誤りなくデコードすることができる。
【0026】
一方、例えば、図4(A)〜(C)に示すように、コンビニエンスストアー等の小売店における店員などの使用者が左胸につけた名札NのバーコードBを読み取る場合には、読取口13を名札Nに対して平行にすることが困難である。これは、元々使用者の前にある読取対象を読み取るべく光学的読取装置が設計されているために、使用者は、手首等をひねり無理な体勢で読取口13を名札Nに向けて読取作業をする必要があるからである。このため、照明光をバーコードBに効率よく照射されないことから受光センサ28にて結像した像に歪みが大きく影響することから、誤ってデコードするか、デコードが失敗する可能性が高くなってしまう。
【0027】
そこで、図3(B)に示すように、読取口13が読取対象としてのバーコードBに対して傾く場合では、読取口13に対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を連動して変更することにより、照明レンズ22aを介する照明光LfをバーコードBに効率よく照射するとともに、読取口13を介するバーコードBからの反射光Lrを受光センサ28に効率よく受光させることができる。
【0028】
以下、本発明の特徴的機構である角度変更機構50の構成について詳細に説明する。
図2および図5に示すように、角度変更機構50は、第1リンク51と、第2リンク52と、連結軸53と、調整スイッチ54と、を備えている。第1リンク51は、受光センサ28のうち照明レンズ22aに対して近接する近接端部28bに一端側51aが相対回動可能に連結されている。第2リンク52は、照明レンズ22aのうち受光センサ28に対して離間する離間端部22cに一端側52aが相対回動可能に連結されている。そして、第1リンク51の他端側51bおよび第2リンク52の他端側52bが連結軸53により相対回動可能に連結されている。
【0029】
受光センサ28は、近接端部28bよりも照明レンズ22aに対して離間する側にて読取口13に対して傾動可能に筐体11に支持されている。また、照明レンズ22aは、離間端部22cよりも受光センサ28に対して近接する側にて読取口13に対して傾動可能に筐体11に支持されている。
【0030】
図5(A)に示すように、読取口13に対して照明レンズ22aおよび受光センサ28が平行になる状態(以下、基準状態という)において連結軸53および読取口13の間の離間距離Xを基準距離Xoとするとき、連結軸53は、離間距離Xが基準距離Xoよりも小さくなる方向(読取口方向という:図5中のα方向)に移動可能に支持されている。この連結軸53の読取口方向への移動により、図5(B)に示すように、両リンク51,52が傾動して照明レンズ22aの照射方向と受光センサ28の受光方向とが同じ方向に変化するように照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度が連動して変更することとなる。
【0031】
調整スイッチ54は、連結軸53を読取口方向に移動させるための押しボタン式のスイッチであって、ボタン部54aが筐体側面外方に露出し、軸部54bが筐体11内に進入するように構成されている。軸部54bは、端面54cが先端ほど読取口13から離間するように傾斜して形成されており、この端面54cにて連結軸53に接触するように配置されている。なお、調整スイッチ54は、特許請求の範囲に記載の「調整手段」の一例に相当し得るものである。
【0032】
これにより、ボタン部54aの押圧操作に応じて軸部54bが押圧方向(図2中のβ方向)に移動すると、連結軸53が端面54cにて案内されて読取口方向(図2中のα方向)に移動することとなる。
【0033】
そして、連結軸53には、当該連結軸53を読取口方向と反対方向に付勢するコイルばね55aが設けられており、調整スイッチ54には、当該調整スイッチ54を押圧方向と反対方向に付勢するコイルばね55bが設けられている。すなわち、これら両コイルばね55a,55bは、角度変更機構50を構成する各部材を所定の方向に付勢することで、連結軸53および読取口13の間の離間距離Xを上記基準距離Xoに近づけるように構成されている。なお、コイルばね55a,55bは、特許請求の範囲に記載の「付勢手段」の一例に相当し得るものである。
【0034】
次に、このように構成される光学的情報読取装置10を用いた読取作業について説明する。
照明レンズ22a,22bを介した照明光源21a,21bからの照明光Lfが読取口13を介して照射されているとき、読取口13を読取対象であるバーコードBに近づけると、このバーコードBからの反射光Lrが、読取口13および結像レンズ27を介して受光センサ28にて受光される。この段階では、使用者は調整スイッチ54を操作していないことから、照明レンズ22aおよび受光センサ28は基準状態に位置している。
【0035】
このとき、読取口13が、バーコードBが表示された対象物Rに対して平行になる場合には、受光センサ28にて結像した像に歪みが少ないために、誤りなくデコードされ、デコード成功を報知するための発光部43の点灯やブザー44の鳴動等がなされる。
【0036】
一方、読取口13が、バーコードBが表示された対象物Rに対して傾いていることからデコードが成功しない場合には、発光部43やブザー44等によるデコード成功が報知されることもない。このため、使用者は、デコード成功させるために、調整スイッチ54のボタン部54aをコイルばね55bの付勢力に抗して押圧操作する。このボタン部54aの押圧操作により軸部54bが押圧方向へ徐々に移動することで、連結軸53が、端面54cにて案内されて、コイルばね55aの付勢力に抗して、読取口方向に徐々に移動する。
【0037】
すると、この連結軸53の読取口方向への移動に応じて、第1リンク51および第2リンク52が徐々に変動し、照明レンズ22aの照射方向と受光センサ28の受光方向とが連動して同じ方向に徐々に変化する。このような調整スイッチ54の操作に応じて照射方向および受光方向が徐々に変化するうちに受光センサ28にて受光した結像した像の歪みが少なくなると、デコードが成功する。
【0038】
これにより、読取口13が、バーコードBが表示された対象物Rに対して傾く場合であっても、調整スイッチ54を操作して照明レンズ22aの照射方向と受光センサ28の受光方向とを連動して同じ方向に変化させることで、誤ったデコードやデコードの失敗を抑制することができる。
【0039】
そして、デコード成功を報知するために発光部43の点灯やブザー44の鳴動等がなされると、デコード成功を認識した使用者が調整スイッチ54のボタン部54aの押圧操作をやめることとなる。これにより、両コイルばね55a,55bの付勢力により角度変更機構50を構成する各部材と照明レンズ22aおよび受光センサ28とを、特別な操作をする必要もなく基準状態にすることができる。
【0040】
以上説明したように、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置10では、読取口13に対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を、連動して変更可能な角度変更機構50が設けられている。これにより、読取口13が読取対象に対して傾く場合であっても、この傾き度合に応じて角度変更機構50により読取口13に対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を連動して変更することで、照明レンズ22aを介する照明光Lfを読取対象に効率よく照射するとともに、読取口13を介する読取対象からの反射光Lrを受光センサ28に効率よく受光させることができる。
したがって、読取口13に対して傾く読取対象を良好に読み取ることができる。
【0041】
また、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置10では、角度変更機構50は、受光センサ28の近接端部28bに一端側51aが相対回動可能に連結する第1リンク51と、照明レンズ22aの上記離間端部22cに一端側52aが相対回動可能に連結する第2リンク52と、第1リンク51の他端側51bおよび第2リンク52の他端側52bを相対回動可能に連結する連結軸53と、を備えている。そして、受光センサ28は、近接端部28bよりも照明レンズ22aに対して離間する側にて読取口13に対して傾動可能に支持され、照明レンズ22aは、離間端部22cよりも受光センサ28に対して近接する側にて読取口13に対して傾動可能に支持される。
【0042】
これにより、連結軸53を読取口方向に移動させるように両リンク51,52を変動させることで、照明レンズ22aの照射方向と受光センサ28の受光方向とが同じ方向に変化するように照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度が連動して変更するので、角度変更機構50を簡易な機構にて構成することができる。
【0043】
さらに、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置10では、角度変更機構50は、連結軸53および読取口13の間の離間距離Xを基準距離Xoから小さく調整するように当該連結軸53を移動可能な調整スイッチ54と、離間距離Xを基準距離Xoに近づけるように、連結軸53および調整スイッチ54をそれぞれ付勢するコイルばね55a,55bと、を備えている。
【0044】
これにより、読取口13が読取対象に対して傾いていることから照明レンズ22aおよび受光センサ28を読取口13に対して傾動させる場合には、調整スイッチ54を操作して読取対象に対する傾き度合に応じて連結軸53を移動させることで、当該読取対象を良好に読み取ることができる。また、調整スイッチ54を操作しない場合には、コイルばね55a,55bによる付勢により各部材が上記基準距離Xoに対応する位置に位置するので、使用頻度が比較的高い場合である読取口13に対して平行な読取対象を読み取る場合では、調整スイッチ54による特別な操作をなくすことができる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第2実施形態について図6および図7を用いて説明する。
本第2実施形態に係る光学的情報読取装置10aでは、上記第1実施形態のように携帯型の読取装置と異なり、定置式の読取装置として構成されるものである。
【0046】
この光学的情報読取装置10aは、図6に示すように、筐体11aの底面の一部に読取口13aが設けられており、筐体11a内に配置される照明光源21a,21bからの照射光Lfが照明レンズ22a,22bおよび読取口13aを介して読取対象に向けて照射されるように構成されている。そして、光学的情報読取装置10aは、読取対象にて反射された反射光Lrが読取口13aおよび結像レンズ27を介して受光センサ28に受光されることで、読取対象を光学的に読み取るように構成されている。
【0047】
本第2実施形態における照明レンズ22aおよび受光センサ28は、上記第1実施形態と同様に、角度変更機構50aにより、読取口13aに対するそれぞれの角度が連動して変更するように構成されている。この角度変更機構50aは、上記角度変更機構50に対して、調整スイッチ54に代えて調整レバー54aを採用するとともに、コイルばね55a,55bを廃止するように構成されている。
【0048】
調整レバー54aは、その端部が筐体11a内にて連結軸53に直接連結されており、当該調整レバー54aを把持して上下方向(図6中のγ方向)に移動させることで連結軸53と読取口13aとの離間距離Xを変更するように構成されている。これにより、調整レバー54aの操作に応じて離間距離Xを変更することで、読取口13aに対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を、連動して変更することができる。
【0049】
また、調整レバー54aは、ねじなどにより筐体11aに固定可能に構成されているため、読取口13aに対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度が、特別な操作をすることなく、常に維持されることとなる。なお、図6は、角度変更機構50aの機構を説明するため、説明の便宜上、角度変更機構50aに関連しない部材を省略するか二点鎖線にて概念的に示す。
【0050】
このように構成される本第2実施形態の光学的情報読取装置10aの作用効果について以下に説明する。
従来の読取装置100では、図7(B)に例示するように、コンベヤベルトVにて輸送中の製品Rに表示されるバーコードBなど、常に同じ位置にくる読取対象を読み取る場合、設置場所に制限があることから、読取対象に対して読取口を平行に配置できない場合があった。また、読取口に対して平行でない読取対象を読み取る場合には、受光センサ28により結像した像における歪みの影響を少なくするために読み取り速度が制約され、高速に読み取ることができず、作業効率が低下するという問題があった。
【0051】
そこで、本第2実施形態では、調整レバー54aの操作に応じて読取口13aに対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を変更可能であってその角度を維持可能に構成されている。このため、図7(A)に例示するように、設置場所に応じて読取口13aに対する照明レンズ22aの角度および受光センサ28の角度を変更することで、照明レンズ22aを介する照明光Lfを読取対象に効率よく照射するとともに、読取口13aを介する読取対象からの反射光Lrを受光センサ28に効率よく受光させることができる。
したがって、読取対象に対して読取口13aが傾斜するように配置される場合であっても当該読取対象を良好に読み取ることができる。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)調整スイッチ54は、端面54cの案内により連結軸53を読取口方向に移動させることに限らず、連結軸53に直接連結されて当該連結軸53を読取口方向にスライドさせるスライド式など、連結軸53を読取口方向に移動可能な構成であればよい。
【符号の説明】
【0053】
10,10a…光学的情報読取装置
11,11a…筐体
13,13a…読取口
21a,21b…照明光源(光源)
22a,22b…照明レンズ
28…受光センサ(受光手段)
50…角度変更機構(角度変更手段)
51…第1リンク
52…第2リンク
53…連結軸
54…調整スイッチ(調整手段)
54a…調整レバー(調整手段)
55a,55b…コイルばね(付勢手段)
B…バーコード(読取対象)
Lf…照明光
Lr…反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を出射する光源と、
前記光源からの前記照明光を読取口を介し読取対象に向けて照射する照明レンズと、
前記読取対象にて反射する反射光を前記読取口を介し受光する受光手段と、
を備える光学的情報読取装置であって、
前記読取口に対する前記照明レンズの角度および前記受光手段の角度を、連動して変更可能な角度変更手段を備えることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記角度変更手段は、
前記受光手段のうち前記照明レンズに対して近接する近接端部に一端側が相対回動可能に連結する第1リンクと、
前記照明レンズのうち前記受光手段に対して離間する離間端部に一端側が相対回動可能に連結する第2リンクと、
前記第1リンクの他端側および前記第2リンクの他端側を相対回動可能に連結する連結軸と、
を備え、
前記受光手段は、前記近接端部よりも前記照明レンズに対して離間する側にて前記読取口に対して傾動可能に支持され、
前記照明レンズは、前記離間端部よりも前記受光手段に対して近接する側にて前記読取口に対して傾動可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記角度変更手段は、
前記読取口に対して前記照明レンズおよび前記受光手段が平行になる場合の前記連結軸および前記読取口の間の距離を基準距離とするとき、前記連結軸および前記読取口の間の距離を前記基準距離から小さく調整するように当該連結軸を移動可能な調整手段と、
前記連結軸および前記読取口の間の距離を前記基準距離に近づけるように、前記第1リンク、前記第2リンク、前記連結軸および前記調整手段の少なくともいずれか1つを付勢する付勢手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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