説明

光学的情報読取装置

【課題】読取口に近い近エリア側にローアングル光を照射できると共に、読取口から離れた遠エリア側にも照明光を照射することができ、且つ、遠近いずれのエリアにも十分な光を供給しうる光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置1は、読取口3内に取り込まれた反射光を受光する受光センサ28と、読取口3を介して情報コードに第一照明光を照射する第一照明装置21と、第二照明光を照射する第二照明装置22とを有している。更に、第二照明装置22には、光分岐部65が形成された光学部品60が設けられ、この光分岐部65には、光学部品60内を透過する第二照明光の一部を第一の外面61aで屈折させて近エリアに向けてローアングル光を出射する第一導光部61が形成されると共に、その透過する第二照明光の一部を第二の外面62aで屈折させて遠エリアに向けて第二光を出射する第二導光部62が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な分野において、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが広く用いられている。この種の情報コードは、プリンタによる印刷や、ダイレクトマーキングなどによって様々な対象物に付されており、バーコードリーダ等の光学的情報読取装置では、このような情報コードを良好に読み取り得る構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−524746公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように様々な対象物に付される情報コードを良好に読み取るためには照明手段の構成が重要となる。例えばダイレクトマーキングによって形成される情報コードでは、印字面の凹凸パターンを浮き上がらせる必要があり、情報コードに対して横方向からの照明光(ローアングル光)を照射することが有効である。また、情報コード形成面に光沢があるような場合には、情報コード形成面に対して角度が付けられた均一照明などを用いることが望ましい。従って、光学的情報読取装置には、このような照明手段が設けられていることが望ましい。
【0005】
特許文献1にはこのような課題に関連する技術が開示されており、暗視野照明器からの暗視野照明をローアングル光として照射すると共に、暗視野照明を照射する開口の外側に配置された明視野照明器からの明視野照明を遠方に照射している。しかしながら、このような構成であると、ローアングル光の照度を確保しながら遠方へ十分な照明光を照射することが難しいという問題がある。例えば、特許文献1のように開口の外側に配置された明視野照明器のみから明視野照明を照射する構成では、遠方において十分な光量が確保できず、遠方での読み取り性能の低下を招いてしまう。また、特許文献1での開示は十分でないが、暗視野照明器からの暗視野照明(ローアングル光)を照射する際の光量のロスが大きい場合、近エリアでの照度確保も課題となる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、読取口に近い近エリア側にローアングル光を照射できると共に、読取口から離れた遠エリア側にも照明光を照射することができ、且つ、遠近いずれのエリアにも十分な光を供給しうる光学的情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、情報コードからの反射光を取り込む読取口と、前記読取口内に取り込まれた前記反射光を結像手段を介して受光する受光手段と、前記読取口を介して前記情報コードに第一照明光を照射する第一照明手段と、第二照明光を発する光源と、前記光源からの前記第二照明光を透過させると共に出射側にその透過する前記第二照明光を複数の方向に分岐させる光分岐部が形成された光学部品と、を備えた第二照明手段と、を有している。
そして、前記光分岐部が、前記光学部品を透過する前記第二照明光を部分的に第一の外面で屈折させ、前記受光手段によって撮像可能となる撮像エリア内の所定の近エリアに向けてローアングル光を出射する第一導光部と、前記光学部品を透過する前記第二照明光を部分的に第二の外面で屈折させ、前記近エリアよりも前記読取口から離れた遠エリアに向けて第二光を出射する第二導光部と、を備えた構成をなしている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記光分岐部が、前記光学部品を透過する前記第二照明光の一部を第三の外面で反射又は透過させる第三導光部を有することを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記第一の外面が、前記第二の外面及び前記第三の外面よりも前記読取口に近い位置に配置されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学的情報読取装置において、前記第一導光部と前記第二導光部とが所定方向に並んで隣接配置されると共に、前記第一の外面と前記第二の外面との境界が、前記光分岐部の前記所定方向の中心位置よりも前記読取口側に位置していることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第三の外面が、前記第一の外面及び前記第二の外面よりも前記読取口から離れた位置に配置されていることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第一導光部が、前記光学部品を透過する前記第二照明光の内、前記第一の外面以外の他の外面で反射する反射光を屈折させて前記第一の外面から前記ローアングル光として出射し、前記他の外面で反射せずに前記第一の外面に入射する直接光を、前記近エリアよりも前記読取口から離れたエリアに向けて出射することを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5に記載の光学的情報読取装置において、前記第三導光部が、前記光学部品を透過する前記第二照明光の一部を前記第三の外面で前記光学部品の内部に反射させ、前記第一導光部が、前記第三の外面で反射する前記第二照明光の反射光を前記第一の外面で屈折させて前記ローアングル光として出射することを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記第一導光部が、前記光学部品を透過する前記第二照明光の内、前記第三の外面で反射する前記反射光を前記第一の外面で屈折させて前記ローアングル光として出射し、前記第三の外面で反射せずに前記第一の外面に入射する直接光を、前記近エリアよりも前記読取口から離れたエリアに向けて出射することを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の光学的情報読取装置において、前記第三の外面が、前記光学部品に入射する前記第二照明光の入射光軸に対して鋭角をなす平面で構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明は、請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第三の外面が、曲面で構成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第一の外面及び前記第二の外面がいずれも、前記光学部品を透過する前記第二照明光を拡散させる曲面で構成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項12の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第一の外面及び前記第二の外面がいずれも平面で構成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項13の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第一の外面が曲面で構成され、前記第二の外面が平面又は前記第一の外面よりも曲率の小さい曲面で構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項14の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第二の外面が曲面で構成され、前記第一の外面が平面又は前記第二の外面よりも曲率の小さい曲面で構成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項15の発明は、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置であって、前記光学部品において、前記光源からの前記第二照明光の入射側に形成された集光面によってその入射する前記第二照明光を集光する集光部が設けられていることを特徴としている。
【0022】
請求項16の発明は、請求項15に記載の光学的情報読取装置であって、前記光学部品が、前記光源からの前記第二照明光を透過させる第一の光学部品と、前記第一の光学部品を透過した前記第二照明光を透過させる第二の光学部品とを備えており、前記第一の光学部品に前記集光部が形成され、前記第二の光学部品に前記光分岐部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
請求項17の発明は、請求項16に記載の光学的情報読取装置であって、前記第一の光学部品において、当該第一の光学部品を透過する前記第二照明光の出射側に形成された第二集光面によってその透過する前記第二照明光を集光する第二集光部が設けられていることを特徴としている。
【0024】
請求項18の発明は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、複数の前記第二照明手段が、前記第一照明手段による前記第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で配置されていること特徴としている。
【0025】
請求項19の発明は、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記読取口を備えた装置本体に対して着脱可能なベース部を有すると共に、当該ベース部に前記光学部品が装着又は一体形成されており、前記ベース部に前記光学部品が一体化されたユニットが前記装置本体に対して着脱可能とされていることを特徴としている。
【0026】
請求項20の発明は、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第一照明手段が、ドーム部材の内壁面から前記読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、前記受光手段が、前記ドーム部材に形成された孔部を介して前記反射光を受光することを特徴としている。
【0027】
請求項21の発明は、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記第一照明手段が、照明光源から発せられた前記第一照明光をハーフミラーで反射させて前記読取口側に照射する同軸落射照明であり、前記受光手段が、前記読取口内に取り込まれ且つ前記ハーフミラーを透過した前記反射光を受光することを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明は、読取口を介して情報コードに第一照明光を照射する第一照明手段と、光分岐部が形成された光学部品を備えた第二照明手段とを有している。そして、第二照明手段の光分岐部には、光学部品を透過する照明光(第二照明光)を部分的に第一の外面で屈折させ、撮像エリア内の所定の近エリアに向けてローアングル光を出射する第一導光部と、光学部品を透過する照明光(第二照明光)を部分的に第二の外面で屈折させ、前記近エリアよりも読取口から離れた遠エリアに向けて第二光を出射する第二導光部とが設けられている。
このようにすると、光学部品を透過する照明光(第二照明光)の一部を分岐させてローアングル光として良好に照射することできるため、読取口に近い近エリアにおいてローアングル光での読み取りに適した対象物(ダイレクトマーキングによって形成された情報コード等)を良好に読み取ることができる。更に、第二導光部により光学部品を透過する照明光(第二照明光)の一部を分岐させ、ローアングル光が照射されるエリアよりも読取口から離れた遠エリアに向けて第二光を出射しているため、第一照明光のみならず第二照明光の一部を遠エリア用の照明光として利用できるようになる。従って、遠エリアでの照度を確保しやすく、遠エリアにおいても情報コードを良好に読み取ることができる。
【0029】
請求項2の発明は、光分岐部が、光学部品を透過する第二照明光の一部を第三の外面で反射又は透過させる第三導光部を有している。このようにすると、第一導光部及び第二導光部以外の外面を第二照明光の誘導に利用できるようになる。
【0030】
請求項3の発明は、第一の外面が、第二の外面及び第三の外面よりも読取口に近い位置に配置されている。このようにすると、第一の外面からローアングル光を照射する際に、第二の外面付近及び第三の外面付近が邪魔にならず、近エリアにローアングル光を照射する上でより有利となる。
【0031】
請求項4の発明は、第一導光部と第二導光部とが所定方向に並んで隣接配置されると共に、第一の外面と第二の外面との境界が、光分岐部の所定方向中心位置よりも読取口側に位置している。このように第一の外面を読取口側に寄せて配置すると、第二の外面を確保しやすく、第二光を遠エリア側に照射する上で有利となる。
【0032】
請求項5の発明は、第三の外面が、第一の外面及び第二の外面よりも読取口から離れた位置に配置されている。このようにすると、第一の外面及び第二の外面を読取口に近い側に配置して十分に利用しつつ、読取口から離れた第三の外面についても無駄にすることなく有効利用できるようになる。
【0033】
請求項6の発明は、第一導光部が、光学部品を透過する第二照明光の内、第一の外面以外の他の外面で反射する反射光を屈折させて第一の外面からローアングル光として出射し、他の外面で反射せずに第一の外面に入射する直接光を、近エリアよりも読取口から離れたエリアに向けて出射している。このようにすると、第一の外面からローアングル光と遠エリア用の照明光とを照射でき、第一導光部を2つの用途に兼用できるようになる。
【0034】
請求項7の発明は、第三導光部が、光学部品を透過する第二照明光の一部を第三の外面で光学部品の内部に反射させ、第一導光部が、第三の外面で反射する第二照明光の反射光を第一の外面で屈折させてローアングル光として出射している。このようにすると、光学部品をそれほど大型化せずとも、より角度を抑えたローアングル光を出射しやすくなる。
【0035】
請求項8の発明は、第一導光部が、光学部品を透過する第二照明光の内、第三の外面で反射する反射光を第一の外面で屈折させてローアングル光として出射し、第三の外面で反射せずに第一の外面に入射する直接光を、近エリアよりも読取口から離れたエリアに向けて出射している。このようにすると、第一の外面からローアングル光と遠エリア用の照明光とを照射でき、第一導光部を2つの用途に兼用できるようになる。また、このように読取口から離れた側に配置された第三の外面での内部反射光を読取口に近い第一の外面を介して出射する構成とすれば、光学部品内において外側に外れようとする光をローアングル光として有効利用でき、かつ複雑な構成を用いることなく角度を抑えたローアングル光を出射可能となる。
【0036】
請求項9の発明は、第三の外面が、光学部品に入射する第二照明光の入射光軸に対して鋭角をなす平面で構成されている。このようにすると、第三の外面で外部に漏れ出す光を抑え、より反射光量を大ききすることができ、ひいてはローアングル光の照度を効果的に高めることができる。
【0037】
請求項10の発明は、第三の外面が曲面で構成されている。このようにすると、第三の外面において光を拡散又は集光することができる。
【0038】
請求項11の発明は、第一の外面及び第二の外面がいずれも、光学部品を透過する第二照明光を拡散させる曲面で構成されている。このようにすると、近エリアに照射されるローアングル光、及び遠エリアに照射される第二光のいずれについても、照射光の拡散を図ることができ、近エリア及び遠エリアに対する照射の均一性を高めることができる。
【0039】
請求項12の発明は、第一の外面及び第二の外面がいずれも平面で構成されている。このようにすると、近エリアに照射されるローアングル光、及び遠エリアに照射される第二光のいずれについても、照射光を集中的に出射することができ、近エリア及び遠エリアの特定領域の照度を高めることができる。
【0040】
請求項13の発明は、第一の外面が曲面で構成され、第二の外面が平面又は第一の外面よりも曲率の小さい曲面で構成されている。このようにすると、近エリアに照射されるローアングル光については、ある程度光を拡散させて照射の均一性を高めることができる。一方、遠エリアに照射される第二光については、光を集中的に出射することができ、遠エリアの特定領域の照度を効果的に高めることができる。
【0041】
請求項14の発明は、第二の外面が曲面で構成され、第一の外面が平面又は第二の外面よりも曲率の小さい曲面で構成されている。このようにすると、近エリアに照射されるローアングル光については、光を集中的に出射することができ、近エリアの特定領域の照度を効果的に高めることができる。一方、遠エリアに照射される第二光については、ある程度光を拡散させて照射の均一性を高めることができる。
【0042】
請求項15の発明は、光学部品において光源からの第二照明光の入射側に集光部が設けられている。そして、この集光部は、当該第二照射光の入射側に形成された集光面によってその入射する第二照明光を集光している。このようにすると、光源から出射された第二照明光をより効率的に光学部品に取り込むことができ、第一導光部及び第二導光部による第二照明光の利用効率を効果的に高めることができる。
【0043】
請求項16の発明は、光学部品が、光源からの第二照明光を透過させる第一の光学部品と、第一の光学部品を透過した第二照明光を透過させる第二の光学部品とを備えており、第一の光学部品に集光部が形成され、第二の光学部品に光分岐部が形成されている。このようにすると、光分岐部が形成された部品と集光部が形成された部品とを別々に形成することができるため、光分岐部や集光部の形状、配置の自由度をより高めることができる。
【0044】
請求項17の発明は、当該第一の光学部品を透過する第二照明光の出射側に形成された第二集光面によってその透過する第二照明光を集光する第二集光部が設けられている。このようにすると、第二照明光を集光した上で光分岐部に案内することができるため、第一導光部及び第二導光部による第二照明光の利用効率を一層高めることができる。
【0045】
請求項18の発明は、複数の第二照明手段が、第一照明手段による第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で配置されている。このようにすると、環状に配される第二照明手段の各位置から近エリアに向けてローアングル光を満遍なく出射することができ、且つ各位置から遠エリアに向けて第二光を満遍なく出射することができる。
【0046】
請求項19の発明では、ベース部に光学部品を一体化してなるユニットが読取口を供えた装置本体に対して着脱可能とされている。従って、光学部品の修理や交換などが行いやすくなり、メンテナンスの面で極めて有利となる。
【0047】
請求項20の発明は、第一照明手段が、ドーム部材の内壁面から読取口側に間接光を照射するドーム照明として構成され、受光手段が、ドーム部材に形成された孔部を介して反射光を受光する構成をなしている。このようにすると読取口から均一性の高い間接光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。また、遠エリアでは、第一照明手段からの間接光だけでなく、第二導光部からの光(第二光)も照射されるため、読取口から離れた位置に情報コードが配置された場合でも照度不足が生じにくく読み取りを良好に行うことができる。
【0048】
請求項21の発明は、第一照明手段が、照明光源から発せられた第一照明光をハーフミラーで反射させて読取口側に照射する同軸落射照明であり、受光手段が、読取口内に取り込まれ且つハーフミラーを透過した反射光を受光する構成をなしている。このようにすると読取口から均一性の高い光を照射することができるため、均一照明に適した情報コード(例えば光沢面に付された情報コード等)を読み取る場合に有利となる。また、遠エリアでは、第一照明手段からの光だけでなく、第二導光部からの光(第二光)も照射されるため、読取口から離れた位置に情報コードが配置された場合でも照度不足が生じにくく読み取りを良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示するブロック図である。
【図2】図2は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近の構成を斜め前方から示す斜視図である。
【図3】図3は、図2から収容ケースを取り外した状態を斜め前方から示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の構成を斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図5は、図2の照明部付近を読取口の中心位置で切断して示す断面概略図である。
【図6】図6は、図5においてマーカ光照射部を省略し、マーカ光照射部の奥側の構成を示す説明図である。
【図7】図7は、読取口を前方側から見た時の読取口と各光源との位置関係を示す説明図である。
【図8】図8は、各第二照明装置の構成を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が他の反射面で反射された後に第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図9】図9は、各第二照明装置の構成を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第一の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第二の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図10】図10は、各第二照明装置の別例1を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が他の反射面で反射された後に第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図11】図11は、各第二照明装置の別例1を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第一の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第二の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図12】図12は、各第二照明装置の別例2を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が他の反射面で反射された後に第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。また、(c)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第一の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図13】図13は、各第二照明装置の別例3を概略的に説明する説明図であり、光学部品に入射した第二照明光が直接第二の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図14】図14は、第一照明装置の別例1を概略的に説明する説明図である。
【図15】図15は、第一照明装置の別例2を概略的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1を参照して全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示するブロック図である。
図1に示す光学的情報読取装置1は、一次元コードや二次元コード(例えば、バーコード、QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)を読み取る情報コードリーダとして構成されるものであり、読取対象物Rに付された情報コードCを読み取る機能を有している。なお、読取対象となる情報コードCとしては、例えば、紙、樹脂、金属等の部材に印刷やダイレクトマーキングなどによって付された情報コードや、携帯電話機等の表示部に表示された情報コードなど、様々な情報コードを対象とすることができる。
【0051】
この光学的情報読取装置1は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、第一照明装置21、第二照明装置22、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0052】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに大きく分けられ、投光光学系は、第一照明装置21、第二照明装置22、マーカ光照射部50などよって構成されている。
第一照明装置21及び第二照明装置22は、いずれも情報コードCに向けて照明光を照射可能に構成されており、一方の第一照明装置21は、読取口3の内側から当該読取口3(図2)を介して第一照明光を出射しており、他方の第二照明装置22は、読取口3の周囲から第二照明光を出射している。なお、これら第一照明装置21、第二照明装置22の詳細な説明は後述する。
【0053】
マーカ光照射部50は、例えば、図示しない駆動回路(公知のレーザダイオード駆動回路)によって駆動されるレーザダイオードとレンズとによって構成されている。このマーカ光照射部50では、図1に示す制御回路40からの信号に応じてレーザダイオードが駆動され、当該レーザダイオードにてレーザ光が発生しており、このレーザ光がレンズによって集光されることで、マーカ光として所定方向に出射されている。
【0054】
受光光学系は、結像レンズ27や受光センサ28などによって構成されている。結像レンズ27は、外部から読取口3(図2)を介して入射する入射光を集光し、受光センサ28の受光面28aに情報コードCのコード像を結像させている。また、受光センサ28は、読取対象物Rや情報コードCに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものであり、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光し得る位置でプリント配線板29(図3)に実装されている。
【0055】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0056】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅され、その後、A/D変換回路33に入力されてアナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、ROM、RAMなどの公知の記憶媒体によって構成されたメモリ35に入力され、所定の格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0057】
制御回路40は、CPU、システムバス、入出力インタフェースなどを備えたマイコンとして構成されており、メモリ35とともに情報処理装置を構成し、光学的情報読取装置1内の各種情報処理を行う情報処理機能を有している、また、この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置が接続されており、本実施形態では、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0058】
(照明手段の構成)
次に、照明手段について図2〜図8を参照しつつ詳述する。
図2は、図1の光学的情報読取装置における照明部付近の構成を斜め前方から示す斜視図である。図3は、図2から収容ケースを取り外した状態を斜め前方から示す斜視図である。 図4は、図3の構成を斜め後方から見た斜視図である。図5は、図2の照明部付近を読取口の中心位置(図7のA−Aの位置)で切断して示す断面概略図である。図6は、図5におけるマーカ光照射部50a、50cを省略し、それらマーカ光照射部50a、50cの奥側(第二照明装置22a、22h)の構成を示す説明図である。図7は、読取口3を前方側から見た時の読取口3と各光源との位置関係を示す説明図である。なお、図7では、光学部品60や、集光レンズ70などは省略している。また、図8は、各第二照明装置の構成を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が他の反射面で反射された後に第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。図9は、各第二照明装置の構成を概略的に説明する説明図であり、(a)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第一の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、(b)は、光学部品に入射した第二照明光が直接第二の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【0059】
本実施形態に係る光学的情報読取装置1は、図示しない外装ケースに図1に示す回路部20が収容されており、その外装ケースの一端側が開放した構成をなしている。そして、その外装ケースの開放側には、図2のような部品が一部(後述する着脱ユニット90付近)をケース外に露出させた形態で取り付けられている。なお、本実施形態では、カメラユニット26の光軸L1(結像レンズの光軸)の方向を前後方向とし、読取口3側を前方側、カメラユニット26側を後方側として説明することとする。また、光軸L1と直交する所定方向(マーカ光照射部50a、50cの対向方向)を上下方向とし、この上下方向と直交する方向(マーカ光照射部50b、50dの対向方向)を左右方向として説明する。
【0060】
図3、図4に示すように、読取口3付近には、読取口3を介して外部に照明光(第一照明光)を照射する第一照明装置21と、読取口3の周囲から外部に照明光(第二照明光)を照射する複数の第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)とが設けられている。なお、本実施形態では、情報コードCからの反射光を装置内に取り込む開口部を読取口3としており、図3等に示す例では、後述する拡散部材83の前方側の開口端部が読取口3に相当している。
【0061】
図3、図5に示すように、第一照明装置21は、複数の光源81と、これら光源81の前方側に配置された拡散部材83とを備えており、複数の光源81からの光が収容ケース93の内部を通って拡散部材83を透過し、読取口3から前方に照射されるように構成されている。この第一照明装置21は、均一照明として機能しており、複数の光源81から前方側に出射された各照明光が拡散部材83内を透過するときに当該拡散部材83内で拡散し、読取口3内から前方側に照度ムラの少ない均一照明光(第一照明光)が照射されるようになっている。なお、拡散部材83は、当該拡散部材83を透過する光を拡散させる構成であればよく、本実施形態では、その一例として表面に細かな凹凸(例えばシボ加工などによって形成された凹凸)が形成されたものを採用しており、この凹凸によって透過光を拡散させることで均一照明光を発生させている。
【0062】
第一照明装置21を構成する複数の光源81は、例えばLED等の発光素子によって構成されており、拡散部材83の後方に配された基板80上において、例えば孔部86の周囲を環状に取り囲むように実装されている。また、拡散部材83は、中空状に構成されており、前方側の内径が大きく後方側につれて内径が次第に小さくなるように構成されている。この拡散部材83の後方には、結像レンズ27と受光センサ28を備えたカメラユニット26が配置されており、拡散部材83の後端部には、読取口3側とカメラユニット26側を連通する孔部86が形成されている。なお、図5の構成では、読取口3のほぼ中心位置及び孔部26のほぼ中心位置を光軸L1が通っており、読取口3内に取り込まれた反射光(情報コードCからの反射光)が孔部86を通って結像レンズ27に入射し、この結像レンズ27を介して受光センサ28で受光されるようになっている。
【0063】
複数の第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)は、図3、図6、図7に示すように、第一照明装置21による第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で(具体的には、読取口3の周囲を取り囲む構成で)互いに間隔をあけて環状に配置されており、各第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)が読取口3の外側(より詳しくは読取口3の周囲における当該読取口3に近接した位置)から前方側に第二照明光を出射するように構成されている。各第二照明装置22(第二照明装置22a〜22m)はいずれも、図8(a)のように構成されており、第二照明光を発する光源67と、第二照明光を複数の方向に分岐させる光分岐部65とを備えている。なお、本実施形態では、各第二照明装置22a〜22m(図3、図6参照)の各光分岐部65a〜65m(図2)がそれぞれ、図7に示す光源67a〜67mの前方に配置されており、いずれの光分岐部65a〜65mも、環状に形成された光学部品60の一部として形成されている。そして、このように構成される光学部品60の各部分(各光分岐部65a〜65m)から、各光源67a〜67mにて発生する第二照明光がそれぞれ出射されるようになっている。
【0064】
図8に示すように、複数の第二照明装置22のいずれにおいても、LED等として構成される光源67から前方側に照明光(第二照明光)が出射されるようになっており、その光源67の前方側には、光源67からの照明光(第二照明光)を透過させる集光レンズ70が配置されている。この集光レンズ70は、光軸が前後方向となるように構成されており、光源67から入射する照明光(第二照明光)を集光する入射側の集光部71と、当該集光レンズ70を透過した第二照明光を更に集光する出射側の第二集光部72とを備えている。集光部71は、光源67から集光レンズ70に入射する第二照明光を集光面71aによって集光しており、第二集光部72は、第一集光部71によって集光されて当該集光レンズ70内を透過する第二照明光を第二集光面72aによって集光し、これをレンズ外に出射している。なお、本実施形態では、集光レンズ70が「第一の光学部品」の一例に相当する。
【0065】
図8に示すように、集光レンズ70の前方側には、上述の光学部品60の一部が配置されている。この光学部品60は、「第二の光学部品」の一例に相当するものであり、集光レンズ70を透過した第二照明光を内部に取り込んで透過させ、その透過する第二照明光を前端部に形成された光分岐部65によって分岐させている。なお、図2では、各第二照明装置22a〜22m(図3、図6等参照)に設けられた各光分岐部65を、それぞれ符号65a〜65mで示しており、いずれの光分岐部65(65a〜65m)も図8のように構成されている。
【0066】
図8に示すように、光分岐部65は、第一の外面61aを有する第一導光部61と、第二の外面62aを有する第二導光部62と、第三の外面63aを有する第三導光部63とを備えている。そして、図2、図6等に示すように、第一の外面61aが、第二の外面62a及び第三の外面63aよりも読取口3に近い位置に配置されている。また、第三の外面63aは、第一の外面61a及び第二の外面62aよりも読取口3から離れた位置に配置されており、第一の外面61aと第三の外面63aとの間の位置に第二の外面62aが設けられている。また、本実施形態では、第一導光部61と第二導光部62とが所定方向(幅方向W1)に並んで隣接配置されると共に、第一の外面61aと第二の外面62aとの境界が、光分岐部65の幅方向中心位置よりも読取口3側に位置している。なお、本実施形態では、各光分岐部65(光分岐部65a〜65m)の厚さ方向が各光分岐部65の(所定方向)「幅方向」とされており、一部の光分岐部65c、65f、65i、65mでは、円形の読取口3の半径方向が「所定方向」(幅方向)となっている。また、他の光分岐部65a、65b、65d、65e、65g、65h、65j、65kでは、円形の読取口3の半径方向に対してわずかに傾いた方向が「所定方向」(幅方向)となっている。
【0067】
図6、図8に示すように、第一導光部61は、光学部品60を透過する第二照明光を部分的に第一の外面61aで屈折させ、受光センサ28によって撮像可能となる撮像エリア内の所定の近エリアに向けてローアングル光Laを出射するように構成されている。なお、図6では、受光センサ28によって撮像可能となる撮像エリアを符号ARにて概念的に図示している。
【0068】
具体的には、図8(a)(b)に示すように、光学部品60を透過する第二照明光の内、第一の外面61a以外の他の外面で反射する反射光を第一の外面61aにて屈折させ、当該第一の外面61aからローアングル光Laとして出射しており、図9(a)のように、他の外面で反射せずに第一の外面61aに入射する直接光を、当該第一の外面61aから遠方(前記近エリアよりも読取口3から離れたエリア)に向けて出射している。例えば、図8(a)のように、光源67から出射される第二照明光のうち、光学部品60に入射後に直接第三導光部63に入射する光については、この第三導光部63が第三の外面63aにて光学部品60の内部側に反射させており、この内部反射光Ldを第一導光部61が第一の外面61aにて屈折させ、当該第一の外面61aからローアングル光Laとして出射している。また、図8(b)のように、光源67から出射される第二照明光のうち、光学部品60に入射後に光学部品60の内週面60aで内部反射する反射光Leについても、再度第三の外面63aで内部反射するように構成されており、この反射光Lfについても、第一導光部61が第一の外面61aで屈折させてローアングル光Laとして出射している。
【0069】
なお、本実施形態では、第一導光部61の第一の外面61aが、光学部品60を透過する第二照明光を拡散させる曲面(具体的には、内部側に凹となる曲面)で構成されており、第三の外面63aで反射された反射光Ld,Lfを第一の外面61aである程度拡散させてローアングル光Laとして出射している。また、第三の外面63aについては、光学部品60に入射する第二照明光の入射光軸(集光レンズ70の光軸)に対して鋭角をなす平面で構成されており、第三の外面63aから外部に漏れ出す光が少なく抑えられている。
【0070】
また、図9(a)に示すように、第一導光部61は、光学部品60に入射した第二照明光の内、第三の外面63aで反射せずに第一の外面61aに入射する直接光Lgを、ローアングル光Laを照射するエリア(近エリア)よりも読取口3から離れたエリアに向けて出射している。なお、上述したように、第一導光部61の第一の外面61aが、光学部品60を透過する第二照明光を拡散させる曲面で構成されているため、第一の外面61aに入射する直接光Lgについても、ある程度拡散されて遠エリア側に出射される。
【0071】
図9(b)に示すように、第二導光部62は、光学部品60を透過する第二照明光を部分的に第二の外面62aで屈折させ、ローアングル光Laが照射されるエリア(近エリア)よりも読取口3から離れた遠エリアに向けて第二光Ljを出射している(図6も参照)。本実施形態では、第二導光部62の第二の外面62aが、光学部品60を透過する第二照明光を拡散させる曲面で構成されているため、第二の外面62aに入射する直接光Liについても、ある程度拡散されて遠エリア側に出射される。
【0072】
また、本実施形態では、図2〜図4に示すように、読取口3を備えた装置本体2(光学的情報読取装置1において着脱ユニット90を除いた本体部分)に対して着脱可能なベース部91が設けられており、このベース部91に上述の光学部品60が一体形成されている。そして、このようにベース部91に光学部品60を一体化してなる着脱ユニット90が装置本体2に着脱可能に取り付けられている。なお、図2の例では、装置本体2の一部をなす収容ケース93にベース部91がねじ部材96によって固定されており、このねじ部材96を取り外すことで、収容ケース93から着脱ユニット90を取り外すことができるようになっている。
【0073】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る光学的情報読取装置1は、読取口3を介して情報コードCに第一照明光を照射する第一照明装置21と、光分岐部65が形成された光学部品60を備えた第二照明装置22とを有している。そして、第二照明装置22の光分岐部65には、光学部品60を透過する照明光(第二照明光)を部分的に第一の外面61aで屈折させ、撮像エリアAR内の所定の近エリアに向けてローアングル光La射する第一導光部61と、光学部品60を透過する照明光(第二照明光)を部分的に第二の外面62aで屈折させ、近エリアよりも読取口3から離れた遠エリアに向けて第二光Ljを出射する第二導光部62とが設けられている。
このようにすると、光学部品60を透過する照明光(第二照明光)の一部を分岐させてローアングル光Laとして良好に照射することできるため、読取口3に近い近エリアにおいてローアングル光Laでの読み取りに適した対象物(ダイレクトマーキングによって形成された情報コードC等)を良好に読み取ることができる。更に、第二導光部62により光学部品60を透過する照明光(第二照明光)の一部を分岐させ、ローアングル光Laが照射されるエリアよりも読取口3から離れた遠エリアに向けて第二光Ljを出射しているため、第一照明光のみならず第二照明光の一部を遠エリア用の照明光として利用できるようになる。従って、遠エリアでの照度を確保しやすく、遠エリアにおいても情報コードCを良好に読み取ることができる。
【0074】
また、光分岐部65が、光学部品60を透過する第二照明光の一部を第三の外面63aで反射させる第三導光部63を有している。このようにすると、第一導光部61及び第二導光部62以外の外面を第二照明光の誘導に利用できるようになる。
【0075】
また、第一の外面61aが、第二の外面62a及び第三の外面63aよりも読取口3に近い位置に配置されている。このようにすると、第一の外面61aからローアングル光Laを照射する際に、第二の外面62a付近及び第三の外面63a付近が邪魔にならず、近エリアにローアングル光Laを照射する上でより有利となる。
【0076】
また、第一導光部61と第二導光部62とが所定方向に並んで隣接配置されると共に、第一の外面61aと第二の外面62aとの境界が、光分岐部65の所定方向中心位置よりも読取口3側に位置している。このように第一の外面61aを読取口3側に寄せて配置すると、第二の外面62aを確保しやすく、第二光Ljを遠エリア側に照射する上で有利となる。
【0077】
また、第三の外面63aが、第一の外面61a及び第二の外面62aよりも読取口3から離れた位置に配置されている。このようにすると、第一の外面61a及び第二の外面62aを読取口3に近い側に配置して十分に利用しつつ、読取口3から離れた第三の外面63aについても無駄にすることなく有効利用できるようになる。
【0078】
また、第三導光部63が、光学部品60を透過する第二照明光の一部を第三の外面63aで光学部品60の内部に反射させ、第一導光部61が、第三の外面63aで反射する第二照明光の反射光Ld,Lfを第一の外面61aで屈折させてローアングル光Laとして出射している。このようにすると、光学部品60をそれほど大型化せずとも、より角度を抑えたローアングル光を出射しやすくなる。
【0079】
また、第一導光部61が、光学部品60を透過する第二照明光の内、第三の外面63aで反射する反射光Ld,Lfを第一の外面61aで屈折させてローアングル光Laとして出射し、第三の外面63aで反射せずに第一の外面61aに入射する直接光Lgを、近エリアよりも読取口3から離れたエリアに向けて出射している。このようにすると、第一の外面61aからローアングル光Laと遠エリア用の照明光Lhとを照射でき、第一導光部61を2つの用途に兼用できるようになる。また、このように読取口3から離れた側に配置された第三の外面63aでの内部反射光Ld,Lfを読取口3に近い第一の外面61aを介して出射する構成とすれば、光学部品60内において外側に外れようとする光をローアングル光Laとして有効利用でき、かつ複雑な構成を用いることなく角度を抑えたローアングル光Laを出射可能となる。
【0080】
また、第三の外面63aが、光学部品60に入射する第二照明光の入射光軸に対して鋭角をなす平面で構成されている。このようにすると、第三の外面63aで外部に漏れ出す光を抑え、より反射光量を大ききすることができ、ひいてはローアングル光Laの照度を効果的に高めることができる。
【0081】
また、第一の外面61a及び第二の外面62aがいずれも、光学部品60を透過する第二照明光を拡散させる曲面で構成されている。このようにすると、近エリアに照射されるローアングル光La、及び遠エリアに照射される照明光Lh,Ljのいずれについても、照射光の拡散を図ることができ、近エリア及び遠エリアに対する照射の均一性を高めることができる。
【0082】
また、本実施形態では、光学部品60において光源67からの第二照明光の入射側に集光部71が設けられている。そして、この集光部71は、当該第二照射光の入射側に形成された集光面71aによってその入射する第二照明光を集光している。このようにすると、光源67から出射された第二照明光をより効率的に光学部品60に取り込むことができ、第一導光部61及び第二導光部62による第二照明光の利用効率を効果的に高めることができる。
【0083】
また、本実施形態では、光源67からの第二照明光を透過させる集光レンズ70と、集光レンズ70を透過した第二照明光を透過させる光学部品60(第二の光学部品)とを備えており、集光レンズ70に集光部71が形成され、第二の光学部品60に光分岐部65が形成されている。このようにすると、光分岐部65が形成された部品と集光部71が形成された部品とを別々に形成することができるため、光分岐部65や集光部71の形状、配置の自由度をより高めることができる。
【0084】
また、本実施形態では、当該集光レンズ70を透過する第二照明光の出射側に形成された第二集光面72aによってその透過する第二照明光を集光する第二集光部72が設けられている。このようにすると、第二照明光を集光した上で光分岐部65に案内することができるため、第一導光部61及び第二導光部62による第二照明光の利用効率を一層高めることができる。
【0085】
また、本実施形態では、複数の第二照明装置22が、第一照明装置21による第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で配置されている。このようにすると、環状に配される第二照明装置22の各位置から近エリアに向けてローアングル光Laを満遍なく出射することができ、且つ各位置から遠エリアに向けて第二光Ljを満遍なく出射することができる。
【0086】
また、本実施形態では、ベース部91に光学部品60を一体化してなる着脱ユニット90が読取口3を供えた装置本体2に対して着脱可能とされている。従って、光学部品60の修理や交換などが行いやすくなり、メンテナンスの面で極めて有利となる。
【0087】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0088】
上記実施形態では第一の外面61a及び第二の外面62aがいずれも曲面で構成されていたが、図10(a)(b)のように、第一の外面61a及び第二の外面62aがいずれも平面で構成されていてもよい。このようにすると、図10(a)(b)のように、近エリアに照射されるローアングル光Laについても、また、図11(b)のように遠エリアに照射される第二光Ljについても集中的に出射することができ、近エリア及び遠エリアの特定領域の照度を高めることができる。また、図11(a)のように、第一の外面61aから遠エリア側に照射される照明光Lhについても、集中的に出射することができるようになる。
【0089】
上記実施形態では第一の外面61a及び第二の外面62aがいずれも曲面で構成されていたが、図12のように、第二の外面62aが曲面で構成され、第一の外面61aが平面又は第二の外面62aよりも曲率の小さい曲面で構成されていてもよい。このようにすると、図12(a)(b)のように、近エリアに照射されるローアングル光Laについては、光を集中的に出射することができ、近エリアの特定領域の照度を効果的に高めることができる。一方、遠エリアに照射される第二光Ljについては、ある程度光を拡散させて照射の均一性を高めることができる。なお、遠エリアへの第二光Ljの照射態様は図9(b)と同様である。また、この例では、図12(c)のように、第一の外面61aから遠エリア側に照射される照明光Lhについても、集中的に出射することができる。
【0090】
上記実施形態では第一の外面61a及び第二の外面62aがいずれも曲面で構成されていたが、図13のように、第一の外面61aが曲面で構成され、第二の外面62aが平面又は第一の外面61aよりも曲率の小さい曲面で構成されていてもよい。このようにすると、近エリアに照射されるローアングル光Laについては、図8と同様、ある程度光を拡散させて照射の均一性を高めることができる。一方、図13のように、遠エリアに照射される第二光Ljについては、光を集中的に出射することができ、遠エリアの特定領域の照度を効果的に高めることができる。
【0091】
上記実施形態では、第一照明手段の一例として第一照明装置21を例示したが、図14のような第一照明装置100を用いてもよい。この第一照明装置100は、いわゆるドーム照明として構成されており、ドーム状に構成されたドーム部材102の内部に複数の光源(図14では、光源103a、103bを代表的に図示)が設けられており、これら光源103a、103b等から照射されて内壁面104にて反射した間接光を読取口3を介して外部に照射している。ドーム部材102の頂上部付近には、孔部106が形成されており、この孔部106の後方側に第1実施形態と同様のカメラユニット26が設けられ、孔部106を介して反射光を受光している。このようにすると読取口3から均一性の高い間接光を照射することができるため、均一照明に適した情報コードC(例えば光沢面に付された情報コードC等)を読み取る場合に有利となる。また、遠エリアでは、第一照明装置21からの間接光だけでなく、第1実施形態と同様の照明光Lh、Lj(図9)も照射されるため、読取口3から離れた位置に情報コードCが配置された場合でも照度不足が生じにくく読み取りを良好に行うことができる。なお、図14の構成は、第一照明装置100以外は第1実施形態と同様であり、図14では、第一照明装置100の周囲に配置される一部の第二照明装置22を概略的に示している。
【0092】
上記実施形態では、第一照明手段の一例として第一照明装置21を例示したが、図15のような第一照明装置200を用いてもよい。この第一照明装置200は、いわゆる同軸落射照明として構成されており、複数のLEDなどからなる照明光源202から発せられ拡散板203にて拡散された第一照明光をハーフミラー204で反射させて読取口3側に照射している。一方、読取口3内に取り込まれ反射光(情報コードCからの反射光)は、ハーフミラー204を透過してカメラユニット26内の受光センサ28に受光されるようになっている。このようにすると読取口3から均一性の高い光を照射することができるため、均一照明に適した情報コードC(例えば光沢面に付された情報コードC等)を読み取る場合に有利となる。また、遠エリアでは、第一照明装置200からの光だけでなく、第1実施形態と同様の照明光Lh、Lj(図9)も照射されるため、読取口3から離れた位置に情報コードCが配置された場合でも照度不足が生じにくく読み取りを良好に行うことができる。なお、図15の構成は、第一照明装置200以外は第1実施形態と同様であり、図15では、第一照明装置200の周囲に配置される一部の第二照明装置22を概略的に示している。
【0093】
上記実施形態では、第三の外面63aが平面で構成された例を示したが、第三の外面63aが、曲面で構成されていてもよい。例えば、図8(a)(b)に示す内部反射光Ld,Lfを集光するような曲面とすると、ローアングル光Laについても拡散を抑えることができ、特定領域の照度を高めることができる。逆に、内部反射光Ld,Lfを拡散させるような曲面とすると、ローアングル光Laについても拡散させることができ、均一性を高めることができる。
【符号の説明】
【0094】
1…光学的情報読取装置
3…読取口
21,100,200…第一照明装置(第一照明手段)
22…第二照明装置(第二照明手段)
27…結像レンズ(結像手段)
28…受光センサ(受光手段)
60…光学部品(第二の光学部品)
61…第一導光部
61a…第一の外面
62…第二導光部
62a…第二の外面
63…第三導光部
63a…第三の外面
65…光分岐部
67…光源
70…集光レンズ(第一の光学部品)
71…集光部
71a…集光面
72…第二集光部
72a…第二集光面
90…着脱ユニット(ユニット)
91…ベース部
102…ドーム部材
104…内壁面
106…孔部
202…照明光源
204…ハーフミラー
C…情報コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードからの反射光を取り込む読取口と、
前記読取口内に取り込まれた前記反射光を結像手段を介して受光する受光手段と、
前記読取口を介して前記情報コードに第一照明光を照射する第一照明手段と、
第二照明光を発する光源と、前記光源からの前記第二照明光を透過させると共に出射側にその透過する前記第二照明光を複数の方向に分岐させる光分岐部が形成された光学部品と、を備えた第二照明手段と、
を有し、
前記光分岐部が、
前記光学部品を透過する前記第二照明光を部分的に第一の外面で屈折させ、前記受光手段によって撮像可能となる撮像エリア内の所定の近エリアに向けてローアングル光を出射する第一導光部と、
前記光学部品を透過する前記第二照明光を部分的に第二の外面で屈折させ、前記近エリアよりも前記読取口から離れた遠エリアに向けて第二光を出射する第二導光部と、
を有することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記光分岐部が、前記光学部品を透過する前記第二照明光の一部を第三の外面で反射又は透過させる第三導光部を有することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記第一の外面が、前記第二の外面及び前記第三の外面よりも前記読取口に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記第一導光部と前記第二導光部とが所定方向に並んで隣接配置されると共に、前記第一の外面と前記第二の外面との境界が、前記光分岐部の前記所定方向の中心位置よりも前記読取口側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記第三の外面が、前記第一の外面及び前記第二の外面よりも前記読取口から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記第一導光部は、前記光学部品を透過する前記第二照明光の内、前記第一の外面以外の他の外面で反射する反射光を屈折させて前記第一の外面から前記ローアングル光として出射し、前記他の外面で反射せずに前記第一の外面に入射する直接光を、前記近エリアよりも前記読取口から離れたエリアに向けて出射することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記第三導光部は、前記光学部品を透過する前記第二照明光の一部を前記第三の外面で前記光学部品の内部に反射させ、
前記第一導光部は、前記第三の外面で反射する前記第二照明光の反射光を前記第一の外面で屈折させて前記ローアングル光として出射することを特徴とする請求項5に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記第一導光部は、前記光学部品を透過する前記第二照明光の内、前記第三の外面で反射する前記反射光を前記第一の外面で屈折させて前記ローアングル光として出射し、前記第三の外面で反射せずに前記第一の外面に入射する直接光を、前記近エリアよりも前記読取口から離れたエリアに向けて出射することを特徴とする請求項7に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記第三の外面が、前記光学部品に入射する前記第二照明光の入射光軸に対して鋭角をなす平面で構成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記第三の外面が、曲面で構成されていることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記第一の外面及び前記第二の外面はいずれも、前記光学部品を透過する前記第二照明光を拡散させる曲面で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項12】
前記第一の外面及び前記第二の外面はいずれも平面で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項13】
前記第一の外面が曲面で構成され、前記第二の外面が平面又は前記第一の外面よりも曲率の小さい曲面で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項14】
前記第二の外面が曲面で構成され、前記第一の外面が平面又は前記第二の外面よりも曲率の小さい曲面で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項15】
前記光学部品は、前記光源からの前記第二照明光の入射側に形成された集光面によってその入射する前記第二照明光を集光する集光部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項16】
前記光学部品は、前記光源からの前記第二照明光を透過させる第一の光学部品と、前記第一の光学部品を透過した前記第二照明光を透過させる第二の光学部品とを備え、
前記第一の光学部品に前記集光部が形成され、
前記第二の光学部品に前記光分岐部が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の光学的情報読取装置。
【請求項17】
前記第一の光学部品は、当該第一の光学部品を透過する前記第二照明光の出射側に形成された第二集光面によってその透過する前記第二照明光を集光する第二集光部が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の光学的情報読取装置。
【請求項18】
複数の前記第二照明手段が、前記第一照明手段による前記第一照明光の照射エリアの周囲を取り囲む構成で配置されていること特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項19】
前記読取口を備えた装置本体に対して着脱可能なベース部材を有すると共に、当該ベース部材に前記光学部品が装着又は一体形成されており、
前記ベース部材に前記光学部品が一体化されたユニットが前記装置本体に対して着脱可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項20】
前記第一照明手段が、ドーム部材の内壁面から前記読取口側に間接光を照射するドーム照明であり、
前記受光手段が、前記ドーム部材に形成された孔部を介して前記反射光を受光することを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項21】
前記第一照明手段が、照明光源から発せられた前記第一照明光をハーフミラーで反射させて前記読取口側に照射する同軸落射照明であり、
前記受光手段が、前記読取口内に取り込まれ且つ前記ハーフミラーを透過した前記反射光を受光することを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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