光学的情報読取装置

【課題】意図しない読取作業の中断時でも中断直前に読み取った情報コードを特定して読取作業を容易に再開し得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】受光センサ28を用いて撮像画像が撮像されてデコードされると、この撮像画像がキャプチャされてメモリ35に記憶(格納)される。そして、撮像されることなく未撮像時間Tが所定の時間To以上となると、メモリ35に記憶される複数の撮像画像のうち最新の画像が液晶表示器46に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアー等の小売店において、在庫管理、或いは、売れ筋商品を見極めるため棚卸しをする際には、各商品に表示されるバーコード等の情報コードを光学的情報読取装置で読み取り、キー入力によって数えた商品数を入力し、処理装置で商品台帳との比較、或いは、商品の発注等を行っている。小売店で販売されている商品の種類は膨大で、棚卸しに時間が掛かり、来客等によって棚卸しを中断せねばならないことが度々起こる。しかし、棚卸しを中断すると、どの商品までチェックしたかが分からなくなる場合も多く、重複データの入力やその削除が繰り返されているのが現状である。
【0003】
そこで、下記特許文献1に開示される光学情報読取装置では、各商品に表示される情報コードを読み取る読取作業中に当該作業を中断する場合には、ロックボタンを操作してロック操作する。このロック操作に応じて、最後の商品で読取作業が中断されて、この最後の商品に表示される情報コードが記憶される。そして、ロック操作の際に読み取った情報コードを読み取ることによって、ロックが解除される。これにより、中断した情報コードの読取作業を再開する場合に、ロック操作した情報コードが見付け出されるまで、本体装置へデコード結果を出力させずに、情報コードを次々と読み取りながら、ロック操作した情報コードを探すことができ、最後に読み取りロック操作に使用した情報コードを簡単に見つけ出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−226421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるような光学情報読取装置では、読取作業中にバッテリ切れ等で意図しない中断が生じると、上述したロック操作が実施できないため、どの情報コードまで読み取ったか分からなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、意図しない読取作業の中断時でも中断直前に読み取った情報コードを特定して読取作業を容易に再開し得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の光学的情報読取装置は、情報コードを撮像する撮像手段(28)と、前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる前記情報コードのコード画像に基づいて当該情報コードをデコードするデコード手段(40)と、を備える光学的情報読取装置(10)であって、前記撮像手段により前記撮像画像が撮像されてデコードされると、この撮像画像が記憶される記憶手段(35)と、前記記憶手段に記憶される前記撮像画像を表示可能な表示手段(46)と、前記記憶手段に記憶される複数の前記撮像画像のうち最新の画像を所定のタイミングで前記表示手段に表示させる制御手段(40)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記制御手段は、前記撮像手段による撮像が所定時間実施されない場合に、前記記憶手段に記憶される複数の前記撮像画像のうち最新の画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、操作に応じた情報を前記制御手段に入力する操作手段(43)を備え、前記制御手段は、前記操作手段の操作に応じて、前記記憶手段に記憶される複数の前記撮像画像のうち最新の画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記記憶手段には、前記撮像画像に対して、同じ情報コードが連続してデコードされた回数を示す回数情報が付加されて記憶され、前記デコード手段によりデコードされたデコード結果が前記最新の画像に対応するデコード結果と一致する場合には、前記撮像手段により撮像された撮像画像を前記記憶手段に記憶することなく、前記記憶手段の前記最新の画像に対して付加される前記回数情報がカウントされて記憶されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記記憶手段には、前記撮像画像がリングバッファ形式により記憶されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶される前記最新の画像を含めた複数の前記撮像画像を、記憶された順に1つずつ前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶される前記最新の画像を含めた複数の前記撮像画像を、同時に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、撮像手段により撮像画像が撮像されてデコードされると、この撮像画像が記憶手段に記憶される。そして、制御手段により、記憶手段に記憶される複数の撮像画像のうち最新の画像が所定のタイミングで表示手段に表示される。
これにより、所定のタイミングになると記憶手段に記憶される最新の画像が表示手段に表示されるため、この最新の画像に写る情報コードだけでなくこの情報コードの周囲の状態を見ることで、最後に読み取った情報コード、すなわち、中断直前に読み取った情報コードを特定しやすくすることができる。
したがって、意図しない読取作業の中断時でも中断直前に読み取った情報コードを特定して読取作業を容易に再開することができる。
【0015】
請求項2の発明では、撮像手段による撮像が所定時間実施されない場合に、制御手段により、記憶手段に記憶される複数の撮像画像のうち最新の画像が表示手段に表示される。これにより、読取作業が中断された場合には、撮像手段による撮像が所定時間実施されないことから、特別な操作をすることなく最新の画像を表示手段に表示させることができる。
【0016】
請求項3の発明では、操作手段の操作に応じて、制御手段により、記憶手段に記憶される複数の撮像画像のうち最新の画像が表示手段に表示される。これにより、中断した読取作業を再開する場合に操作手段を操作することで、所望のタイミングで最新の画像を表示手段に表示させることができる。
【0017】
請求項4の発明では、デコード手段によりデコードされたデコード結果が最新の画像に対応するデコード結果と一致する場合には、撮像手段により撮像された撮像画像が記憶手段に記憶されることなく、記憶手段の最新の画像に対して付加される回数情報がカウントされて記憶される。これにより、同じ情報コードを連続して読み取る場合には、撮像画像について最初の1つのみを記憶すればよいので、撮像画像を記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
【0018】
請求項5の発明では、記憶手段には、撮像画像がリングバッファ形式により記憶されるため、当該記憶手段に記憶される撮像画像の数が一定数を越えないように制限されるので、撮像画像を記憶するために必要な記憶容量を調整して低減することができる。
【0019】
請求項6の発明では、制御手段により、記憶手段に記憶される最新の画像を含めた複数の撮像画像が、記憶された順に1つずつ表示手段に表示される。これにより、最新の画像を見るだけで最後に読み取った情報コードを特定しにくい場合でも、この最新の画像よりも以前に撮像した各撮像画像を記憶された順に見ることで、各情報コードが読取作業順に特定されて、最後に読み取った情報コードを特定しやすくすることができる。
【0020】
請求項7の発明では、制御手段により、記憶手段に記憶される最新の画像を含めた複数の撮像画像が、同時に表示手段に表示される。これにより、最新の画像を見るだけで最後に読み取った情報コードを特定できない場合でも、以前に撮像した各撮像画像を最新の画像とともに同時に見ることで、各情報コードが読取作業順に特定されて、最後に読み取った情報コードを特定しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図3】撮像された撮像画像をキャプチャして格納する格納状態を説明するための説明図である。
【図4】表示処理での表示状態を示す説明図である。
【図5】第2実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図6】第3実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図7】撮像された撮像画像に回数情報が付加されて格納される格納状態を説明するための説明図である。
【図8】第3実施形態の第1変形例における表示処理での表示状態を示す説明図である。
【図9】第3実施形態の第2変形例における表示処理での表示状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、光学的情報読取装置10は、物品に付されたバーコードなどの一次元コードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0024】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図1では、バーコードCが付された読取対象Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0025】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、バーコードC等に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当し得る。
【0026】
結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光LfがバーコードCにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0027】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、キー操作部43、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0028】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、生成されてメモリ35に入力されると、所定のコード画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0029】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述したコード画像情報格納領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理や解析処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。なお、メモリ35は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0030】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンによって構成されており、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有すると共に、情報処理機能を備えており、メモリ35とともに情報処理装置を構成している。本実施形態では、制御回路40に対し、トリガースイッチ42、キー操作部43、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0031】
トリガースイッチ42は、バーコード等の読取対象に対して照射光を照射する際に押圧操作されるスイッチであって、この押圧操作に応じた信号が制御回路40に入力されるように構成されている。キー操作部43は、複数個の操作ボタンを備えており、使用者のキー操作に応じた操作信号が制御回路40に入力されるように構成されている。液晶表示器46は、制御回路40によってカラー表示等の表示内容が制御されるように構成されている。通信インタフェース48は、外部装置と通信するためのインタフェースであり、当該外部装置と有線通信を行う有線通信部、或いは無線通信を行う無線通信部、若しくはこれら両方を備えた構成をなしている。なお、キー操作部43は、特許請求の範囲に記載の「操作手段」の一例に相当し、液晶表示器46は、特許請求の範囲に記載の「表示手段」の一例に相当し得る。
【0032】
次に、このように構成される光学的情報読取装置10の制御回路40にて実行される読取処理について、図を用いて説明する。図2は、第1実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。図3は、撮像された撮像画像P1〜P4をキャプチャして格納する格納状態を説明するための説明図である。図4は、表示処理での表示状態を示す説明図である。
【0033】
本実施形態における読取処理では、バッテリ切れ等のように意図しない読取作業の中断時でも容易に読取作業を再開できるように、一定時間撮像画像が撮像されない場合に、デコードに成功したことでメモリ35に格納した複数の画像のうちの最新の画像が液晶表示器46に表示される。このように表示される最新の画像に含まれる情報コードは、最後に読み取った情報コード、すなわち、中断直前に読み取った情報コードであるため、このように表示される情報コードやその周囲の状態を見ることで、中断直前に読み取った情報コードが特定されて、中断された読取作業を容易に再開することができるからである。
【0034】
以下、制御回路40にて実行される読取処理について図2に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
光学的情報読取装置10が作動状態になり、制御回路40により読取処理が開始されると、図2のステップS101に示す判定処理において、撮像画像が撮像されたか否かについて判定される。ここで、トリガースイッチ42が操作されておらず撮像画像が撮像されていなければ(S101でNo)、ステップS103に示す判定処理において、撮像画像が撮像されていない時間(以下、未撮像時間Tという)が所定の時間To以上であるか否かについて判定される。ここで、所定の時間Toは、読取作業が中断されたとみなされる時間であり、未撮像時間Tが所定の時間To以上となるまで、ステップS103にてNoと判定され、上記ステップS101からの処理が繰り返される。なお、未撮像時間Tは、メインバッテリと異なるサブバッテリにより動作電力が供給されるリアルタイムクロック(RTC)により計時される時間であり、メインバッテリのバッテリ切れが生じても未撮像時間Tの計時が継続されるようになっている。
【0035】
このような状態において、使用者によるトリガースイッチ42の操作に応じて照明光源21から照明光Lfが照射されて、情報コードにて反射された反射光Lrが受光センサ28にて受光されると、受光センサ28から出力される信号に基づいて、当該情報コードを含む撮像画像が撮像される。これにより、ステップS101にてYesと判定されて、ステップS105にて未撮像時間Tが0(ゼロ)にクリアされた後に、ステップS107に示すデコード処理がなされる。この処理では、撮像された撮像画像のうち情報コードに相当するコード画像に対して公知のデコード処理が実施される。
【0036】
上記デコード処理によるデコードが成功して、情報コードとして符号化された文字データ等が取得されると、ステップS109に示す判定処理にてYesと判定される。そして、ステップS111に示すキャプチャ処理がなされ、デコードが成功した情報コードが撮像された撮像画像がキャプチャされて、ステップS113に示す格納処理がなされ、キャプチャされた撮像画像がメモリ35に格納(記憶)される。
【0037】
すなわち、図3上段に例示するように、読取対象R1に表示されるバーコードC1がその周囲の状態(周囲の表示色や「空き缶はリサイク」という文字表示)とともに撮像画像P1として撮像されて、デコード成功すると、図3下段に例示するように、この撮像画像P1がキャプチャされてメモリ35に格納される。次に、読取対象R2に表示されるバーコードC2がその周囲の状態(周囲の表示色や「区六本木○−×−△」という文字表示)とともに撮像画像P2として撮像されて、デコード成功すると、この撮像画像P2がキャプチャされてメモリ35に格納される。続いて、読取対象R3に表示されるバーコードC3がその周囲の状態(周囲の表示色や「1kCal,たんぱく質」という文字表示)とともに撮像画像P3として撮像されて、デコード成功すると、この撮像画像P3がキャプチャされてメモリ35に格納される。
【0038】
このように、各撮像画像P1〜P3がキャプチャされてメモリ35に格納されている状態で、図3に例示するように、読取対象R4に表示されるバーコードC4がその周囲の状態(周囲の表示色や「保存料 0」という文字表示)とともに撮像画像P4として撮像されて、デコード成功すると、この撮像画像P4がキャプチャされてメモリ35にさらに格納されることとなる。
【0039】
特に、本実施形態では、撮像画像を記憶するために必要なメモリ35の記憶容量を調整して低減するため、撮像画像がメモリ35にリングバッファ形式により記憶される。このため、例えば、撮像画像がメモリ35に記憶可能な件数が3件に設定されている場合には、最新の画像として撮像画像P4が撮像されると、この撮像画像P4は、以前格納された撮像画像P1に上書きするようにメモリ35に格納されることとなる。なお、ステップS107に示すデコード処理が失敗した場合には(S109でNo)、上述したキャプチャ処理や格納処理がなされることもない。
【0040】
上述のようにデコードが成功した情報コードを含む撮像画像が順次キャプチャされてメモリ35に格納されていく状態で、バッテリ切れ等により意図しない読取作業の中断があり、トリガースイッチ42が操作されることなく未撮像時間Tが所定の時間To以上となると(S103でYes)、ステップS115に示す判定処理にて、メモリ35にキャプチャ画像が格納されているか否かについて判定される。
【0041】
ここで、上記格納処理がなされており、キャプチャ画像がメモリ35に格納されていると(S115でYes)、ステップS117に示す表示処理がなされて、メモリ35に格納されている複数の撮像画像のうち最新の撮像画像が液晶表示器46にカラー表示される。例えば、図3にて例示した撮像画像P3が最新の撮像画像としてメモリ35に記憶されている場合には、図4に示すように、撮像画像P3が液晶表示器46に表示されることとなる。これにより、使用者は、撮像画像P3に含まれるバーコードC3が最後に読み取った情報コードであることを特定することができる。なお、キャプチャ画像がメモリ35に格納されていない場合には(S115でNo)、上記表示処理がなされることなくステップS101からの処理が繰り返されることとなる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、受光センサ28を用いて撮像画像が撮像されてデコードされると、この撮像画像がキャプチャされてメモリ35に記憶(格納)される。そして、撮像されることなく未撮像時間Tが所定の時間To以上となると、メモリ35に記憶される複数の撮像画像のうち最新の画像が液晶表示器46に表示される。
【0043】
これにより、撮像されることなく未撮像時間Tが所定の時間To以上となる場合、すなわち、受光センサ28を用いた撮像が所定時間実施されない場合には、メモリ35に記憶される最新の画像が液晶表示器46に表示されるため、この最新の画像に写る情報コードだけでなくこの情報コードの周囲の状態、例えば、表示色や文字表示を見ることで、最後に読み取った情報コード、すなわち、中断直前に読み取った情報コードを特定しやすくすることができる。
したがって、意図しない読取作業の中断時でも中断直前に読み取った情報コードを特定して読取作業を容易に再開することができる。
【0044】
特に、受光センサ28を用いた撮像が所定時間実施されない場合に最新の画像が液晶表示器46に表示されるため、読取作業が中断された場合には、受光センサ28を用いた撮像が所定時間実施されないことから、特別な操作をすることなく最新の画像を液晶表示器46に表示させることができる。
【0045】
また、メモリ35には、撮像画像がリングバッファ形式により記憶(格納)されるため、当該メモリ35に記憶される撮像画像の数が一定数を越えないように制限されるので、撮像画像を記憶するために必要な記憶容量を調整して低減することができる。
【0046】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置について図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
本第2実施形態に係る光学的情報読取装置10では、所望のタイミングで最新の画像を表示させるため、上述した読取処理について図2に示すフローチャートに代えて図5に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。
【0047】
本第2実施形態では、キー操作部43に対して、メモリ35に格納されている複数の撮像画像のうち最新の撮像画像を液晶表示器46に表示させるための操作(画像表示操作)がなされると、最新の撮像画像が液晶表示器46に表示される(図4参照)。
【0048】
すなわち、図5に示す読取処理のように、撮像画像が撮像されておらず未撮像時間Tが所定の時間To未満である状態で(S101でNo,S103でNo)、画像表示操作がキー操作部43に対してなされると(S104でYes)、メモリ35にキャプチャ画像が格納されている場合に(S115でYes)、ステップS117に示す表示処理がなされて、メモリ35に格納されている複数の撮像画像のうち最新の撮像画像が液晶表示器46に表示される。
【0049】
このように、キー操作部43に対する画像表示操作に応じて、メモリ35に記憶される複数の撮像画像のうち最新の画像が液晶表示器46に表示されるので、中断した読取作業を再開するなどの場合に上記画像表示操作することで、所望のタイミングで最新の画像を液晶表示器46に表示させることができる。
【0050】
なお、ステップS104に示す判定処理では、上記画像表示操作がなされることでYesと判定されて、ステップS115以降の処理がなされることに限らず、一定時間操作入力がないことから待機状態になっている状態から何らかの操作入力がなされてリジュームが開始されることでYesと判定されて、ステップS115以降の処理がなされてもよい。また、このようにリジュームの開始に応じてステップS115以降の処理がなされる場合には、ステップS103に示す判定処理をなくしてもよい。
【0051】
なお、本第2実施形態の特徴的部分である、所望のタイミングで最新の画像を表示させるためのステップS104に示す判定処理は、他の実施形態や変形例に適用されてもよい。
【0052】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報読取装置について図6および図7を参照して説明する。図6は、第3実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。図7は、撮像された撮像画像P1〜P3に回数情報が付加されて格納される格納状態を説明するための説明図である。
【0053】
本第3実施形態に係る光学的情報読取装置10では、撮像画像を記憶するために必要な記憶容量を低減するため、上述した読取処理について図2に示すフローチャートに代えて図6に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。
【0054】
本第3実施形態では、メモリ35には、撮像画像に対して、同じ情報コードが連続してデコードされた回数を示す回数情報が付加されて記憶されるように構成されている。そして、ステップS107に示すデコード処理にて得られたデコード結果が、最新の画像に対応するデコード結果と一致する場合には、その撮像画像がメモリ35に格納(記憶)されることなく、メモリ35に格納される最新の画像に対して付加される回数情報がカウントされて記憶される。
【0055】
すなわち、図6に示す読取処理のように、デコードが成功すると(S109でYes)、ステップS110に示す判定処理にて、デコードされたデコード結果が最新の画像に対応するデコード結果と一致するか否かについて判定される。ここで、デコード結果が一致しない場合には(S110でNo)、上述したように、ステップS111以降の処理がなされて、デコードが成功した情報コードが撮像された撮像画像がキャプチャされてメモリ35に格納(記憶)される。
【0056】
一方、デコード結果が一致する場合には(S110でYes)、撮像された撮像画像がメモリ35に記憶されることなく、ステップS110aに示すカウントアップ処理がなされる。この処理では、メモリ35に格納されている最新の画像に対して付加される回数情報が1回増えるようにカウントアップ(インクリメント)されて記憶される。
【0057】
例えば、図7に例示するように、バーコードC1がその周囲の状態とともに撮像画像P1として撮像されて、デコード成功することでキャプチャされてメモリ35に格納されるとき、その後、3回連続で、バーコードC1が撮像されてデコードされると、メモリ35に格納されている撮像画像P1に対して付加される回数情報が4回として記憶される。その後、バーコードC2がその周囲の状態とともに撮像画像P2として撮像されて、デコード成功することでキャプチャされてメモリ35に格納されるとき、その後、2回連続で、バーコードC2が撮像されてデコードされると、メモリ35に格納されている撮像画像P2に対して付加される回数情報が3回として記憶される。その後、バーコードC3がその周囲の状態とともに撮像画像P3として撮像されて、デコード成功することでキャプチャされてメモリ35に格納されるとき、その後、同じバーコードC3が撮像されてデコードされると、メモリ35に格納されている撮像画像P3に対して付加される回数情報が2回として記憶される。
【0058】
このように、同じ情報コードを連続して読み取る場合には、撮像画像について最初の1つのみがメモリ35に記憶(格納)されることとなるので、撮像画像を記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。
【0059】
なお、本第3実施形態の特徴的部分である、撮像画像を記憶するために必要な記憶容量を低減するためのステップS110,110aに示す処理は、他の実施形態や変形例に適用されてもよい。
【0060】
図8(A)〜(C)は、第3実施形態の第1変形例における表示処理での表示状態を示す説明図である。図9は、第3実施形態の第2変形例における表示処理での表示状態を示す説明図である。
上記第3実施形態の第1変形例として、ステップS117に示す表示処理では、図8(A)〜(C)に例示するように、メモリ35に格納される最新の画像を含めた複数の撮像画像が、キー操作部43の操作に応じて記憶された順、すなわち、図8(A)、図8(B)、図8(C)の順に、1つずつ液晶表示器46に表示されてもよい。このとき、記憶された順がわかるように、液晶表示器46に、例えば、図8(A)では「保存画像1/3」を表示し、図8(B)では「保存画像2/3」を表示し、図8(C)では「保存画像3/3」を表示することができる。また、同じ情報コードが連続してデコードされた状態がわかるように、液晶表示器46に、例えば、図8(A)では「読み取り枚数:2枚」を表示し、図8(B)では「読み取り枚数:3枚」を表示し、図8(C)では「読み取り枚数:4枚」を表示することができる。
【0061】
これにより、最新の画像を見るだけで最後に読み取った情報コードを特定しにくい場合でも、この最新の画像よりも以前に撮像した各撮像画像を記憶された順に見ることで、各情報コードが読取作業順に特定されて、最後に読み取った情報コードを特定しやすくすることができる。
【0062】
上記第3実施形態の第2変形例として、ステップS117に示す表示処理では、図9に例示するように、メモリ35に格納される最新の画像を含めた複数の撮像画像が、同時に液晶表示器46に表示されてもよい。このとき、同じ情報コードが連続してデコードされた状態がわかるように、液晶表示器46に、例えば、「読み取り枚数」の欄を設け、各撮像画像P3、P2、P1の横に「2枚」、「3枚」、「4枚」のような表記を上記回数情報に応じて表示することができる。
【0063】
これにより、最新の画像を見るだけで最後に読み取った情報コードを特定できない場合でも、以前に撮像した各撮像画像を最新の画像とともに同時に見ることで、各情報コードが読取作業順に特定されて、最後に読み取った情報コードを特定しやすくすることができる。
【0064】
また、上記第1変形例の表示処理における表示方法と、第2変形例の表示処理における表示方法とを、キー操作部43の操作等に応じて選択可能に構成されてもよい。これにより、読取作業環境に応じた表示方法を選択することができる。また、上記第1変形例の表示処理における表示方法や上記第2変形例の表示処理における表示方法は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0065】
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)上記第1,3実施形態では、撮像されることなく未撮像時間Tが所定の時間To以上となる場合に、メモリ35に記憶される最新の画像が液晶表示器46に表示されることに限らず、読取作業環境などに応じて予め定められる所定のタイミングで、最新の画像が液晶表示器46に表示されてもよい。
【0066】
(2)上記第1,2実施形態では、デコードが成功した情報コードを含む撮像画像は、リングバッファ形式によりメモリ35に記憶(格納)されることに限らず、例えば、光学的情報読取装置10の電源オフ操作がなされるまで、デコードが成功した全ての撮像画像がメモリ35に記憶(格納)されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…光学的情報読取装置
28…受光センサ(撮像手段)
35…メモリ(記憶手段)
40…制御回路(デコード手段,制御手段)
43…キー操作部(操作手段)
46…液晶表示器(表示手段)
C,C1〜C4…情報コード
P1〜P4…撮像画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる前記情報コードのコード画像に基づいて当該情報コードをデコードするデコード手段と、
を備える光学的情報読取装置であって、
前記撮像手段により前記撮像画像が撮像されてデコードされると、この撮像画像が記憶される記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される前記撮像画像を表示可能な表示手段と、
前記記憶手段に記憶される複数の前記撮像画像のうち最新の画像を所定のタイミングで前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記撮像手段による撮像が所定時間実施されない場合に、前記記憶手段に記憶される複数の前記撮像画像のうち最新の画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
操作に応じた情報を前記制御手段に入力する操作手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段の操作に応じて、前記記憶手段に記憶される複数の前記撮像画像のうち最新の画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記記憶手段には、前記撮像画像に対して、同じ情報コードが連続してデコードされた回数を示す回数情報が付加されて記憶され、
前記デコード手段によりデコードされたデコード結果が前記最新の画像に対応するデコード結果と一致する場合には、前記撮像手段により撮像された撮像画像を前記記憶手段に記憶することなく、前記記憶手段の前記最新の画像に対して付加される前記回数情報がカウントされて記憶されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記記憶手段には、前記撮像画像がリングバッファ形式により記憶されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶される前記最新の画像を含めた複数の前記撮像画像を、記憶された順に1つずつ前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶される前記最新の画像を含めた複数の前記撮像画像を、同時に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−58032(P2013−58032A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195197(P2011−195197)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】