光学的情報読取装置

【課題】情報コードに対してローアングル光を照射しやすくし得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】基端側50aから先端側50bにかけて外径が縮径して筒状に形成され先端側50bの開口により第2の読取口51が構成されるとともに、基端側50aが読取口を覆うようにハウジングに対して着脱可能に形成される導光部材50が設けられており、この導光部材50は、当該ハウジングへの装着時に、照明装置から照射される照明光を基端側50aから先端側50bへ透過させて導光する。導光部材50の先端側50bには、透過する照明光を第1ローアングル光L1として第2の読取口51の中央に近付けて反射させる第1の反射面53が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な分野において、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが広く用いられている。この種の情報コードは、プリンタによる印刷や、ダイレクトマーキングなどによって様々な対象物に付されており、バーコードリーダ等の光学的情報読取装置では、このような情報コードを良好に読み取り得る構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−524746公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように様々な対象物に付される情報コードを良好に読み取るためには照明手段の構成が重要となる。例えばダイレクトマーキングによって形成される情報コードでは、表示面(印字面)の凹凸パターンを浮き上がらせる必要があり、情報コードに対して横方向から照明光をローアングル光として照射することで当該情報コードでの拡散光を受光することが有効である。
【0005】
特許文献1にはこのような課題に関連する技術が開示されており、暗視野照明器からの暗視野照明をローアングル光として照射すると共に、暗視野照明を照射する開口の外側に配置された明視野照明器からの明視野照明を遠方に照射している。しかしながら、このような構成であると、様々な部品が実装される基板等に表示される情報コードなど密集領域に表示される情報コードに対してローアングル光を照射する際、情報コードの周囲の実装部品のためにローアングル光を照射可能な距離まで光学的情報読取装置を近づけることが困難となる場合や、ローアングル光が周囲の実装部品によって遮られる場合がある。このような場合には、情報コードからの拡散光を十分に受光することができないために、当該情報コードを読み取ることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報コードに対してローアングル光を照射しやすくし得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の光学的情報読取装置は、情報コード(C)に対して照明光(L1〜L4)を照射する照明手段(21)と、前記情報コードからの光を受光する受光手段(28)と、第1の読取口(13)が形成されて、この第1の読取口の周囲に前記照明手段が配置されるとともに前記受光手段が当該第1の読取口を介して前記情報コードからの光を受光するように配置される筐体(11)と、を有する光学的情報読取装置(10)であって、基端側(50a)から先端側(50b)にかけて外径が縮径するように筒状に形成されることで前記先端側の開口により第2の読取口(51)が構成されるとともに、前記基端側が前記第1の読取口を覆うように前記筐体に対して着脱可能に形成されて、当該筐体への装着時に前記照明手段から照射される前記照明光を前記基端側から前記先端側へ透過させて導光する導光部材(50,54〜56)を備え、前記導光部材の先端側には、透過する前記照明光をローアングル光(L1)として前記第2の読取口の中央に近付けるように反射させる第1の反射面(53)が形成されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記導光部材(54)の先端側には、前記第1の反射面にて反射された反射光を前記第2の読取口の中央に対してさらに近付けるように屈折させて透過させる屈折面(54a)が形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置において、前記照明手段からの前記照明光を透過可能に配置されてその透過する照明光を前記第1の読取口の中央に近付けるように照射されるローアングル光(L2)と前記第1の読取口から離れたエリアに向けて照射される光(L3,L4)とに分岐させる光分岐部(65)が形成された光学部品(60)を備え、前記導光部材(55)の基端側には、前記光分岐部にて分岐されたローアングル光を前記先端側へ透過させるように反射させる第2の反射面(55a)が形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記導光部材(56)は、先端側ほど厚みが厚くなるように形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記導光部材は、少なくともその先端側が前記筐体よりも軟質の材料で形成されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、基端側から先端側にかけて外径が縮径するように筒状に形成されることで先端側の開口により第2の読取口が構成されるとともに、基端側が第1の読取口を覆うように筐体に対して着脱可能に形成される導光部材が設けられており、この導光部材は、当該筐体への装着時に、照明手段から照射される照明光を基端側から先端側へ透過させて導光するように構成されている。そして、導光部材の先端側には、透過する照明光をローアングル光として第2の読取口の中央に近付けるように反射させる第1の反射面が形成されている。
【0013】
このため、導光部材を筐体に装着することで、照明手段からの照明光が導光部材を透過してローアングル光として第2の読取口の中央に近付くように照射されることとなる。そして、導光部材は先端側にかけて外径が縮径するように形成されているため、密集領域に表示される情報コードであってもこの情報コードに第2の読取口を近付けることができる。
【0014】
これにより、ローアングル光の照射を必要とする情報コード、例えば、表示面を凹凸状に加工して形成される情報コードが密集領域に表示される場合でも、この表示面と導光部材を透過して照射されるローアングル光との角度が小さくなるように、当該情報コードに対して横方向からローアングル光が照射されて、情報コードからの光(拡散光)が第2の読取口および第1の読取口を介して受光手段により受光される。
したがって、密集領域に表示される情報コードであっても、ローアングル光を照射しやすくすることができる。
【0015】
請求項2の発明では、導光部材の先端側には、第1の反射面にて反射された反射光を第2の読取口の中央に対してさらに近付けるように屈折させて透過させる屈折面が形成されているため、ローアングル光が第2の読取口の中央にさらに近付くように照射されることとなる。これにより、第2の読取口が近付けられた情報コードが表示される表示面と導光部材を透過して照射されるローアングル光との角度がより小さくなるため、このローアングル光が照射された情報コードを撮像することで、当該情報コードに対して良好なコントラストを得ることができる。
【0016】
請求項3の発明では、照明手段からの照明光を透過可能に配置されてその透過する照明光を第1の読取口の中央に近付けるように照射されるローアングル光と第1の読取口から離れたエリアに向けて照射される光とに分岐させる光分岐部が形成された光学部品が設けられている。そして、導光部材の基端側には、光分岐部にて分岐されたローアングル光を先端側へ透過させるように反射させる第2の反射面が形成されている。
【0017】
このため、上述のような光学部品が設けられる場合でも、光分岐部にて分岐されたローアングル光をも第2の反射面にて先端側へ透過させるように反射することができるので、導光部材を透過して照射されるローアングル光の照度を高めることができる。
【0018】
請求項4の発明では、導光部材は、先端側ほど厚みが厚くなるように形成されるため、基端側から先端側へ導かれる光が上記反射面と異なる表面にて反射する反射角が先端側に向かうにつれて大きくなる。これにより、基端側から先端側へ導かれる光の反射回数が減り、かつ反射時に透過せず全反射する割合が増加するため、上記表面での反射時に透過してしまう光が全体的に少なくなり、導光部材を透過して照射されるローアングル光の照度を高めることができる。
【0019】
請求項5の発明では、導光部材は、少なくともその先端側が筐体よりも軟質の材料で形成されるため、第2の読取口を情報コードに近付ける際に導光部材の先端側が情報コード周囲の実装部品等に接触する場合でも、当該実装部品等の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に示す説明図であり、図1(A)は、導光部材を装着した装着状態を示し、図1(B)は、導光部材を取り外した未装着状態を示す。
【図2】図2(A)は、図1の導光部材の詳細形状を示す断面図であり、図2(B)は、図2(A)を第2の読取口側から見た図である。
【図3】図1の光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ハウジング本体を前方向から見た時の読取口と各光源との位置関係を示す説明図である。
【図5】照明装置の構成を概略的に説明する説明図であり、図5(A)は、光学部品に入射した照明光が直接第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、図5(B)は、光学部品に入射した照明光が他の反射面で反射された後に第三の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図6】照明装置の構成を概略的に説明する説明図であり、図6(A)は、光学部品に入射した照明光が直接第一の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、図6(B)は、光学部品に入射した照明光が直接第二の外面に入射する場合の光の経路を併せて示す図である。
【図7】図1の導光部材による導光状態を説明する説明図である。
【図8】図8(A)は、導光部材を装着した第1照射状態を示す説明図であり、図8(B)は、導光部材を取り外した第2照射状態を示す説明図である。
【図9】第2実施形態における導光部材の詳細形状を示す断面図である。
【図10】第3実施形態における導光部材の詳細形状を示す断面図である。
【図11】第4実施形態における導光部材の詳細形状を示す断面図である。
【図12】図11の導光部材による導光状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置10を概略的に示す説明図であり、図1(A)は、導光部材50を装着した装着状態を示し、図1(B)は、導光部材50を取り外した未装着状態を示す。図2(A)は、図1の導光部材50の詳細形状を示す断面図であり、図2(B)は、図2(A)を第2の読取口51側から見た図である。図3は、図1の光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、図1の左右方向を光学的情報読取装置10の前後方向として説明する。
【0022】
図1(A),(B)に示す光学的情報読取装置10は、一次元コードや二次元コード(例えば、バーコード、QRコード、データマトリックスコード、マキシコード)などの情報コードを読み取る情報コードリーダとして構成されるものであり、読取対象物に付された情報コードを光学的に読み取る機能を有している。なお、読取対象となる情報コードとしては、例えば、紙、樹脂、金属等の部材に印刷やダイレクトマーキングなどによって付された情報コードや、携帯電話機等の表示部に表示された情報コードなど、様々な情報コードを対象とすることができる。
【0023】
この光学的情報読取装置10は、丸みを帯びた薄型のほぼ矩形箱状であって円形状の読取口13を有するハウジング本体11aと、このハウジング本体11aの下面ほぼ中央後端寄りにハウジング本体11aに一体に形成されるグリップ部11bとを備え、ABS樹脂等の合成樹脂からなるガンタイプのハウジング11を備えている。このグリップ部11bは、使用者が片手で把持可能な程度の外径に設定されており、当該グリップ部11bを握った使用者の人差し指が当接する部位に、後述する照明光の出射を指示するトリガースイッチ42が設けられている。なお、ハウジング11は、特許請求の範囲に記載の「筐体」の一例に相当し、読取口13は、特許請求の範囲に記載の「第1の読取口」の一例に相当し得る。
【0024】
光学的情報読取装置10は、読取口13を覆うようにハウジング本体11aに着脱可能に形成される導光部材50を備えている。この導光部材50は、ハウジング本体11aに装着された装着状態時における照明光の照射状態(以下、第1照射状態という)と、当該導光部材50が取り外された未装着状態時における照明光の照射状態(以下、第2照射状態という)とを切り替える部材である。
【0025】
図2(A),(B)に示す導光部材50は、ハウジング11よりも軟質の材料である透光性のシリコン材料から構成されており、基端側(図2(A)の右側)50aから先端側(図2(A)の左側)50bにかけて中心軸50cを中心に外径が縮径するように先細りの筒状に形成されることで、先端側50bの開口により第2の読取口51が形成されている。また、導光部材50の基端側50aには、ハウジング本体11aの読取口13の周囲から突出する光学部品60の先端部(後述する)に係合する凹部52が中心軸50cを中心に環状に形成されている。この凹部52と光学部品60の先端部との係脱により、導光部材50がハウジング本体11aに対して着脱可能な構成となる。なお、導光部材50は、凹部52による係合に加えて他の係合部位による係合等によりハウジング本体11aに対して着脱可能に形成されてもよいし、凹部52と異なる他の係合部位による係合等によりハウジング本体11aに対して着脱可能に形成されてもよい。
【0026】
導光部材50の先端側50bの外周面53は、基端側50aの外周面に対して、その縮径度合いがさらに高くなるように、すなわち、中心軸50cに対する傾斜角度が大きくなるように形成されている。このため、当該外周面53は、導光部材50内を透過する照明光をローアングル光(以下、第1ローアングル光L1という)として第2の読取口51の中央に近付けるように内部反射させる第1の反射面53として機能する。
【0027】
このように形成される導光部材50は、ハウジング本体11aに装着される装着状態時に、照明装置21の光学部品60から出射される照明光を基端側50aから先端側50bへ透過させて導光し、第1照射状態として第2の読取口51の近傍に第1ローアングル光L1を照射する。この導光部材50の導光機能については、後述する。
【0028】
次に、光学的情報読取装置10の回路20の電気的構成について説明する。
図3に示すように、ハウジング11の内部には、バーコードや二次元コード等の情報コードの読み取りを行う回路20が収容されており、この回路20は、主に、照明装置21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0029】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明装置21は、照明光を発光可能な照明手段として機能するもので、例えば、LED等として構成される複数の光源22とこれら各光源22の出射側(前方側)に設けられる各集光レンズ23および光学部品60とから構成されている。この光学部品60の詳細な説明は、導光部材50とともに後述する。なお、図3では、導光部材50が取り外された未装着状態で、情報コードCが表示された読取対象物Rに向けて照明光を照射する第2照射状態の例を概念的に示している。
【0030】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、CCDエリアセンサとして構成されるものであり、情報コードCまたは読取対象物R等に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当し得る。
【0031】
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明装置21から照射された照明光が情報コードCにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aに情報コードCの像を結像させている。
【0032】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35を中心として構成され、上述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的及びソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0033】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力され所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0034】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理、解析処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明装置21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0035】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、制御回路40には、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等が接続されている。これにより、例えば、トリガースイッチ42の監視や管理、発光部43の点灯、非点灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、当該光学的情報読取装置10の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御や外部装置との通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等が制御回路40によって行われることとなる。
【0036】
次に、光学部品60を有する照明装置21の詳細構成について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、ハウジング本体11aを前方向から見た時の読取口13と各光源22a〜22mとの位置関係を示す説明図である。図5および図6は、照明装置21の構成を概略的に説明する説明図であり、図5(A)は、光学部品60に入射した照明光が直接第三の外面63aに入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、図5(B)は、光学部品60に入射した照明光が他の反射面で反射された後に第三の外面63aに入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、図6(A)は、光学部品60に入射した照明光が直接第一の外面61aに入射する場合の光の経路を併せて示す図であり、図6(B)は、光学部品60に入射した照明光が直接第二の外面62aに入射する場合の光の経路を併せて示す図である。なお、図4では、光学部品60や、集光レンズ23などは省略している。
【0037】
図4に示すように、各光源22(光源22a〜22m)は、読取口13の周囲を取り囲むように互いに間隔をあけて環状に配置されており、それぞれ照明光を前方向に出射するように構成されている。また、図5および図6に示すように、各光源22(光源22a〜22m)の出射側には、当該光源22からの照明光を集光して透過させる集光レンズ23がそれぞれ配置されている。この集光レンズ23は、光源22から入射する照明光を集光する入射側の第一集光部23aと、当該集光レンズ23を透過した照明光を更に集光する出射側の第二集光部23bを備えている。第一集光部23aは、光源22から集光レンズ23に入射する照明光をその集光面によって集光するように形成され、第二集光部23bは、第一集光部23aによって集光されて当該集光レンズ23内を透過する照明光をその集光面によってさらに集光し、これをレンズ外に出射するように形成されている。
【0038】
各集光レンズ23の前方側には、環状に形成された光学部品60が読取口13を囲うように配置されている。この光学部品60は、各集光レンズ23からの照明光をそれぞれ内部に取り込んで透過させ、その透過する照明光を前端部にそれぞれ形成された光分岐部65によって分岐させている。
【0039】
図5および図6に示すように、光分岐部65は、第一の外面61aを有する第一導光部61と、第二の外面62aを有する第二導光部62と、第三の外面63aを有する第三導光部63とを備えている。そして、第一の外面61aが、第二の外面62aおよび第三の外面63aよりも読取口13に近くなるように配置されている。また、第三の外面63aは、第一の外面61aおよび第二の外面62aよりも読取口13から離れるように配置されており、第一の外面61aと第三の外面63aとの間の位置に第二の外面62aが配置されている。各光分岐部65は、第一導光部61と第二導光部62とが幅方向(図5および図6の上下方向)に並んで隣接配置され、第一の外面61aと第二の外面62aとの境界が幅方向中心位置よりも読取口13側に位置するように、それぞれ形成されている。
【0040】
第一導光部61は、光学部品60を透過する照明光を部分的に第一の外面61aで屈折させ、読取口13に近く受光センサ28によって撮像可能な近エリアに向けて横方向からローアングル光(以下、第2ローアングル光L2という)を出射するように構成されている。具体的には、第一導光部61は、図5(A),(B)に示すように、光学部品60を透過する照明光のうち、第一の外面61a以外の他の外面で反射する反射光を、第一の外面61aにて屈折させて当該第一の外面61aから第2ローアングル光L2として出射する。
【0041】
特に、第三導光部63は、光学部品60を透過する照明光のうち、図5(A)に示すように直接第三導光部63に入射する光を、第三の外面63aにて第一の外面61aに向けて内部反射光Laとして反射し、図5(B)に示すように内周面60aで内部反射する内部反射光Lbを、再度第三の外面63aにて第一の外面61aに向けて内部反射光Lcとして反射するように形成されている。なお、第三の外面63aは、光学部品60に入射する照明光の入射光軸(集光レンズ23の光軸)に対して鋭角をなす平面で構成されており、第三の外面63aから外部に漏れ出す光が少なく抑えられている。
【0042】
また、第一導光部61は、図6(A)に示すように、光学部品60を透過する照明光のうち、他の外面で反射することなく第一の外面61aに直接入射する直接光Ldを、第2ローアングル光L2が照射されるエリア(近エリア)よりも読取口13から離れた遠エリアに向けて照明光L3として出射する。
【0043】
第二導光部62は、光学部品60を透過する照明光を部分的に第二の外面62aで屈折させ、遠エリアに向けて照明光L4として出射するように構成されている。具体的には、第二導光部62は、図6(B)に示すように、光学部品60を透過する照明光のうち、他の外面で反射することなく第二の外面62aに直接入射する直接光Leを、遠エリアに向けて照明光L4として出射する。
【0044】
なお、本実施形態では、第一導光部61の第一の外面61aおよび第二導光部62の第二の外面62aは、光学部品60を透過する照明光を拡散させるように曲面(具体的には、内部側に凹となる曲面)で構成されている。このため、第一の外面61aでは、第三の外面63aで反射された内部反射光La,Lcは、ある程度拡散させて第2ローアングル光L2として出射され、直接入射する直接光Ldは、ある程度拡散させて照明光L3として遠エリアに向けて出射される。また、第二の外面62aでは、直接入射する直接光Leは、ある程度拡散されて照明光L4として遠エリアに向けて出射される。なお、図5および図6を除き光学部品60が図示される図面では、説明の便宜上、第一の外面61aおよび第二の外面62aを平面状に図示している。
【0045】
このように光学部品60を構成することで、導光部材50の未装着状態時における第2照射状態では、当該光学部品60を透過する照明光の一部を光分岐部65により分岐させて第2ローアングル光L2として良好に照射することできるため、読取口13に近い近エリアにおいて第2ローアングル光L2での読み取りに適した対象物(ダイレクトマーキングによって形成された情報コードC等)を良好に読み取ることができる。更に、第2照射状態では、光分岐部65により光学部品60を透過する照明光の一部を分岐させ、第2ローアングル光L2が照射されるエリアよりも読取口13から離れた遠エリアに向けて照明光L3,L4を出射しているため、照明光の一部を遠エリア用の照明光として利用できるようになる。従って、第2照射状態では、遠エリアでの照度を確保しやすく、遠エリアにおいても情報コードCを良好に読み取ることができる。
【0046】
次に、導光部材50の機能について、図7および図8を参照して説明する。図7は、図1の導光部材50による導光状態を説明する説明図である。図8(A)は、導光部材50を装着した第1照射状態を示す説明図であり、図8(B)は、導光部材50を取り外した第2照射状態を示す説明図である。
上述のように形成される導光部材50の凹部52を光学部品60の先端部に係合させることで、導光部材50が読取口13を覆うようにハウジング本体11aに装着される(図1(A)参照)。
【0047】
図7に示すように、導光部材50の装着状態時における第1照射状態では、光学部品60の光分岐部65から上記遠エリアに向けて出射した照明光L3,L4は、導光部材50内を基端側50aから先端側50bへ透過するように導光されると、外周面53にて内周面50dに向けて内部反射光Lfとして内部反射する。このように内部反射した内部反射光Lfは、導光部材50の内周面50dから第1ローアングル光L1として、当該導光部材50の中心軸50cに対する角度が大きくなるように、すなわち、第2の読取口51の中央に近付くように出射される。これにより、導光部材50内に導光された照明光は、第1ローアングル光L1として、当該第1ローアングル光L1が照射される情報コードCが表示された表示面S(導光部材50の中心軸50cに直交する面)に対し角度θを小さくするように横方向から照射されることとなる(図7参照)。
【0048】
このため、図8に示すように、読取対象物Rとして、コンデンサなどの電子部品R1,R2が密集して実装された回路基板の密集領域に表示された情報コードCを読み取る場合には、図8(A)に示すように、導光部材50を装着することで、第1ローアングル光L1が出射される第2の読取口51を情報コードCに近付けることができる。これにより、第2の読取口51に近いエリアにおいて第1ローアングル光L1での読み取りに適した対象物(ダイレクトマーキングによって形成された情報コードC等)を良好に読み取ることができる。
【0049】
一方、図8(B)に示すように、導光部材50を取り外した未装着状態では、電子部品R1,R2等が障害となり、第2ローアングル光L2が出射される読取口13を情報コードCに近付けることができず、情報コードCを読み取ることができない。この照射状態は、従来の光学的情報読取装置と同じ状態であり、導光部材50を装着することで、密集領域に表示された情報コードCでも好適に読み取ることができることがわかる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、基端側50aから先端側50bにかけて外径が縮径するように筒状に形成されることで先端側50bの開口により第2の読取口51が構成されるとともに、基端側50aが読取口13を覆うようにハウジング11に対して着脱可能に形成される導光部材50が設けられており、この導光部材50は、当該ハウジング11への装着時に、照明装置21から照射される照明光を基端側50aから先端側50bへ透過させて導光するように構成されている。そして、導光部材50の先端側50bには、透過する照明光を第1ローアングル光L1として第2の読取口51の中央に近付けるように反射させる第1の反射面53が形成されている。
【0051】
このため、導光部材50をハウジング11に装着することで、照明装置21からの照明光が導光部材50を透過して第1ローアングル光L1として第2の読取口51の中央に近付くように照射されることとなる。そして、導光部材50は先端側50bにかけて外径が縮径するように形成されているため、密集領域に表示される情報コードCであってもこの情報コードCに第2の読取口51を近付けることができる(図8(A)参照)。
【0052】
これにより、ローアングル光の照射を必要とする情報コード、例えば、表示面Sを凹凸状に加工して形成される情報コードCが密集領域に表示される場合でも、この表示面Sと導光部材50を透過して照射される第1ローアングル光L1との角度が小さくなるように、当該情報コードCに対して横方向から第1ローアングル光L1が照射されて、情報コードCからの光(拡散光)が第2の読取口51および読取口13を介して受光センサ28により受光される。
したがって、密集領域に表示される情報コードであっても、ローアングル光を照射しやすくすることができる。
【0053】
また、導光部材50は、ハウジング11よりも軟質の材料であるシリコン材料で形成されるため、第2の読取口51を情報コードに近付ける際に導光部材50の先端側50bが情報コード周囲の実装部品等に接触する場合でも、当該実装部品等の破損を防止することができる。なお、導光部材50は、少なくともその先端側50bがハウジング11よりも軟質の材料で形成されることで、上記効果を奏する。
【0054】
なお、光学部品60は、入射した照明光の一部を第2ローアングル光L2として出射するように形成されることに限らず、入射した照明光を全て読取口13から離れた遠エリアに向けて照明光L3,L4として出射するように形成されてもよい。
【0055】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置について図9を参照して説明する。図9は、第2実施形態における導光部材54の詳細形状を示す断面図である。
本第2実施形態に係る光学的情報読取装置10では、情報コードCが表示される表示面Sと第1ローアングル光L1との角度θをより小さくするため、上述した導光部材50に代えて導光部材54を採用する点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。
【0056】
図9に示すように、導光部材54は、上述した導光部材50に対して、先端側50bの内周面54aが、基端側50aに向かうにつれて内径がテーパ状に縮径するように形成されている。このため、当該内周面54aは、第1の反射面53にて内部反射された反射光の少なくとも一部を第2の読取口51の中央に対してさらに近付けるように屈折させて透過させる屈折面54aとして機能する。
【0057】
このため、導光部材54の装着状態時における第1照射状態では、第1ローアングル光L1が第2の読取口51の中央にさらに近付くように照射されることとなる。これにより、第2の読取口51が近付けられた情報コードCが表示される表示面Sと導光部材50を透過して照射される第1ローアングル光L1との角度θがより小さくなるため、この第1ローアングル光L1が照射された情報コードCを撮像することで、当該情報コードCに対して良好なコントラストを得ることができる。
なお、第2実施形態における導光部材54の特徴的構成は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0058】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報読取装置について図10を参照して説明する。図10は、第3実施形態における導光部材55の詳細形状を示す断面図である。
本第3実施形態に係る光学的情報読取装置10では、第1ローアングル光L1の照度を高めるため、上述した導光部材50に代えて導光部材55を採用する点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。
【0059】
図10に示すように、導光部材55は、基端側50aの内周面55aが、先端側50bの内周面に対して、中心軸50cに対する傾斜角度が大きくなるように形成されている。このため、当該内周面55aは、光分岐部65にて分岐された第2ローアングル光L2を先端側50bへ透過させるように内部反射させる第2の反射面55aとして機能する。
【0060】
このため、導光部材55の装着状態時における第1照射状態では、上述のように入射する照明光を第2ローアングル光L2と照明光L3,L4とに分岐する光学部品60が設けられる場合でも、光分岐部65にて分岐された第2ローアングル光L2をも第2の反射面55aにて先端側50bへ透過させるように内部反射することができるので、導光部材55を透過して照射される第1ローアングル光L1の照度を高めることができる。
なお、第3実施形態における導光部材55の特徴的構成は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0061】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る光学的情報読取装置について図11および図12を参照して説明する。図11は、第4実施形態における導光部材56の詳細形状を示す断面図である。図12は、図11の導光部材56による導光状態を説明する説明図である。
本第4実施形態に係る光学的情報読取装置10では、第1ローアングル光L1の照度を高めるため、上述した導光部材50に代えて導光部材56を採用する点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。
【0062】
図11に示すように、導光部材56は、上述した導光部材50に対して、先端側50bほど厚みが厚くなるように形成されている。このため、図12に示すように、基端側50aから先端側50bへ導かれる光が第1の反射面53と異なる表面にて反射する反射角が先端側50bに向かうにつれて大きくなる。例えば、図12から分かるように、反射角がθa<θb<θcとなる。
【0063】
これにより、導光部材56の装着状態時における第1照射状態では、基端側50aから先端側50bへ導かれる光の反射回数が減り、かつ反射時に透過せず全反射する割合が増加するため、上記表面での反射時に透過してしまう光が全体的に少なくなり、導光部材56を透過して照射される第1ローアングル光L1の照度を高めることができる。
なお、第4実施形態における導光部材56の特徴的構成は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0064】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)導光部材50,54〜56が装着されるハウジング(筐体)は、ハウジング本体11aとグリップ部11bとを備えるガンタイプとして構成されることに限らず、例えば、長手状の上ケースと下ケースとを組み付ける箱状形態として構成されてもよい。
【0065】
(2)ハウジング本体11aに形成される読取口13は、円形状に形成されることに限らず、例えば、楕円形状や矩形状に形成されてもよい。この場合、読取口13を覆うようにハウジング本体11aに着脱可能に形成される導光部材50,54〜56は、読取口13の周囲に配置される照明装置21からの照明光を先端側50bへ導光するように先細りの筒形状に形成することができる。
【0066】
(3)導光部材50は、透光性のシリコン材料から構成されることに限らず、例えば、透明のアクリル樹脂やガラスなど透光性の材料から構成されてもよい。この場合、導光部材の少なくとも先端側50bがハウジング11よりも軟質の材料から構成されることで、第2の読取口51を情報コードに近付ける際に導光部材の先端側50bが情報コード周囲の実装部品等に接触する場合でも、当該実装部品等の破損を防止することができる。
【符号の説明】
【0067】
10…光学的情報読取装置
11…ハウジング(筐体)
13…読取口(第1の読取口)
21…照明装置(照明手段)
28…受光センサ(受光手段)
50,54〜56…導光部材
50a…基端側
50b…先端側
51…第2の読取口
53…外周面,第1の反射面
54a…内周面,屈折面
55a…内周面,第2の反射面
60…光学部品
65…光分岐部
L1…第1ローアングル光
L2…第2ローアングル光
L3,L4…照明光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、
前記情報コードからの光を受光する受光手段と、
第1の読取口が形成されて、この第1の読取口の周囲に前記照明手段が配置されるとともに前記受光手段が当該第1の読取口を介して前記情報コードからの光を受光するように配置される筐体と、
を有する光学的情報読取装置であって、
基端側から先端側にかけて外径が縮径するように筒状に形成されることで前記先端側の開口により第2の読取口が構成されるとともに、前記基端側が前記第1の読取口を覆うように前記筐体に対して着脱可能に形成されて、当該筐体への装着時に前記照明手段から照射される前記照明光を前記基端側から前記先端側へ透過させて導光する導光部材を備え、
前記導光部材の先端側には、透過する前記照明光をローアングル光として前記第2の読取口の中央に近付けるように反射させる第1の反射面が形成されることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記導光部材の先端側には、前記第1の反射面にて反射された反射光を前記第2の読取口の中央に対してさらに近付けるように屈折させて透過させる屈折面が形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記照明手段からの前記照明光を透過可能に配置されてその透過する照明光を前記第1の読取口の中央に近付けるように照射されるローアングル光と前記第1の読取口から離れたエリアに向けて照射される光とに分岐させる光分岐部が形成された光学部品を備え、
前記導光部材の基端側には、前記光分岐部にて分岐されたローアングル光を前記先端側へ透過させるように反射させる第2の反射面が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記導光部材は、先端側ほど厚みが厚くなるように形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記導光部材は、少なくともその先端側が前記筐体よりも軟質の材料で形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−80382(P2013−80382A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220072(P2011−220072)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】