光学系及びそれを備える屈折率測定装置、屈折率測定方法
【課題】 回転機構等を備えずに、屈折率を測定することが可能な光学系、および、それを備える屈折率測定装置、ならびに屈折率測定方法を提供する。
【解決手段】 平行光を照射する照明ユニットと、光学素子5と、を備え、光学素子5が、放物面5aまたは放物柱面5a’を有し、照明ユニットは、放物面5aまたは放物柱面5a’の焦点Jの側から放物面5aまたは放物柱面5a’に向けて平行光を照射し、平行光の光軸Lが、光学素子5の放物面5aまたは放物柱面5a’の頂点Kを含む接面に垂直であり、放物面5a上または放物柱面5a’上の、照明ユニットからの平行光の照射位置に反射面5a1を有することを特徴とする。
【解決手段】 平行光を照射する照明ユニットと、光学素子5と、を備え、光学素子5が、放物面5aまたは放物柱面5a’を有し、照明ユニットは、放物面5aまたは放物柱面5a’の焦点Jの側から放物面5aまたは放物柱面5a’に向けて平行光を照射し、平行光の光軸Lが、光学素子5の放物面5aまたは放物柱面5a’の頂点Kを含む接面に垂直であり、放物面5a上または放物柱面5a’上の、照明ユニットからの平行光の照射位置に反射面5a1を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系及びそれを備える屈折率測定装置、屈折率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液等の屈折率を測定する手段として、アッベの屈折計が知られている。アッベの屈折計は、光学素子と光源と光検出器を備える。光学素子は、試料に接して界面をなす面と、入射面と、出射面を有する。光源から発せられた光は、入射面から光学素子に入射する。入射面から入射した光は、所定の入射角で、界面に届く。試料と光学素子の界面で反射した光は、出射面から出射する。光検出器は、出射面から出射された光を検出する。ここで、界面での臨界角は、試料の屈折率に依存する。このため、光検出器の検出値に基づいて臨界角を得ることで、試料の屈折率を求めることができる。
【特許文献1】特開平5−203567号公報
【特許文献2】特開2002−148180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された技術は、全反射の臨界角を検出するには、入射光の入射角を変化させる必要があり、その時反射角も変化するので、入射側と反射側の二つの回転機構が必要になる。
【0004】
上記特許文献2に記載された技術は、光学系を回転させず、被検査物を保持する被検査物保持部を回動させる方式である。
【0005】
これらは、臨界角の検出のために、必ず回転機構が必要であるという問題がある。
【0006】
本発明は従来技術のこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機構等を備えずに、屈折率を測定することが可能な光学系、および、それを備える屈折率測定装置、ならびに屈折率測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の光学系は、平行光を照射する照明ユニットと、光学素子と、を備え、前記光学素子が、放物面または放物柱面を有し、前記照明ユニットは、前記放物面または前記放物柱面の焦点の側から前記放物面または前記放物柱面に向けて平行光を照射し、前記平行光の光軸が、前記光学素子の前記放物面または前記放物柱面の頂点を含む接面に垂直であり、前記光学素子が、前記放物面上または前記放物柱面上の、前記照明ユニットからの平行光の照射位置に反射面を有することを特徴とする。
【0008】
上記発明においては、前記照明ユニットと、前記光学素子と、の間に遮光板を備えることが好ましい。
【0009】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0010】
F≧16c2/E ・・・(1)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Eは、前記光学素子の外径、
Fは、前記遮光板の直径、
である。
【0011】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0012】
H<4c ・・・(2)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【0013】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0014】
4c√(np2−1)<H ・・・(3)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
npは、前記光学素子の屈折率、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【0015】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0016】
H<G ・・・(4)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【0017】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0018】
G<16c2/H ・・・(5)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【0019】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに反射面を有することが好ましい。ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、cはc>0を満たす任意の定数、である。
【0020】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに参照面を有することが好ましい。ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり
、cはc>0を満たす任意の定数、である。
【0021】
上記発明においては、前記照明ユニットは、光源と、コリメートレンズを備えることが好ましい。
【0022】
さらに、上記目的を達成する本発明の屈折率測定装置は、前記光学系と、前記光学系からの光を検出する光検出器と、を備え、前記放物面または放物柱面が、前記反射面の周囲に測定面を有することを特徴とする。
【0023】
上記発明においては、前記照明ユニットから照射された平行光は、前記光学素子の反射面で反射後、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光し、前記焦点で集光した光は、前記光学素子の測定面に配置された試料に向けて照射され、前記光検出器が、前記測定面からの反射光を検出することが好ましい。
【0024】
上記発明においては、前記光学素子と、前記光検出器の間に、レンズが配置されることが好ましい。
【0025】
さらに、上記目的を達成する本発明の屈折率測定方法は、試料が、測定面に接触して配置される工程と、照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、前記集光した光が、前記測定面に向けて照射される工程と、前記測定面からの反射光を検出する工程と、前記検出した反射光の光量から臨界角を求める工程と、前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、を備えることを特徴とする。
【0026】
さらに、上記目的を達成する本発明の他の屈折率測定方法は、試料が、測定面に接触して配置される工程と、照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、前記集光した光が、前記測定面および参照面に向けて照射される工程と、前記測定面および前記参照面からの反射光を検出する工程と、前記参照面からの反射光の光量に基づいて、前記測定面からの反射光の光量を補正する工程と、前記補正された反射光の光量から臨界角を求める工程と、前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上の本発明によると、回転機構等を備えずに、屈折率を測定することが可能な光学系、および、それを備える屈折率測定装置、ならびに屈折率測定方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本実施形態の光学系について、以下説明する。
【0029】
図1は本実施形態に係る光学系を備える屈折率測定装置の第1実施形態を示す図である。
【0030】
図中、1は屈折率測定装置、2は光学系、3は光源、4はコリメートレンズ、5は光学素子、5aは放物面、5a1は反射面、5a2は測定面、5bは平面、6は光検出器、7は遮光板、Jは焦点、Kは頂点、Lは光軸である。
【0031】
屈折率測定装置1は、光学系2と光検出器6とを備える。光学系2は、照明ユニットと光学素子5とを備える。照明ユニットは、光源3と、コリメートレンズ4とを備える。
【0032】
光源3は、半導体レーザーやLD、LED等を使用してもよい。コリメートレンズ4は、光源3から照射された光を平行光にする。光源3と、コリメートレンズ4は、光学素子5の光軸L上に配置されている。より具体的には、光源3と、コリメートレンズ4と、光学素子5の、それぞれの光軸は一致している。
【0033】
光学素子5は、ガラスあるいはプラスチックを材料とし、少なくとも一方の断面が放物形状を備える素子である。光学素子5は、放物面5aと、平面5bを備える。
【0034】
放物面5aは、回転放物面形状である。放物面5aは、頂点Kを有するとともに、光学素子5内に、焦点Jを有する。平面5bは、放物面5aに対向する面であって、光学素子5の焦点Jと頂点Kを結ぶ直線(光軸L)に垂直な面である。
【0035】
放物面5aは、反射面5a1と、測定面5a2を備える。
【0036】
反射面5a1は、放物面5aの頂点Kを含む近傍に、アルミニウム等の反射コートが施されたものである。測定面5a2は、反射面5a1以外であって、反射コートが施されていない面である。光学素子5を試料に浸すことにより、測定面5a2に試料を塗布することができる。
【0037】
なお、反射面5a1は、反射コートに限られず、反射する機能を奏するのであれば、反射ミラー等であってもよい。また、放物面5aは、後述するように放物柱面5a’としても良い。
【0038】
光検出器6は、光学素子5の平面5b側に配置されている。光検出器6は、光検出器6の検出面が、光軸Lに垂直に配置されている。光検出器6としては、CCDカメラやラインセンサを使用してもよい。
【0039】
なお、遮光板7は、必ずしも必要ではない。
【0040】
図1(a)に示すように、光源3から出射された光は、コリメートレンズ4で平行光となって、放物面5aをもつ光学素子5に入射し、反射面5a1で反射された後、光学素子5の焦点Jで集光する。焦点Jに集光後に発散した光は、測定面5a2に向かう。
【0041】
ここで、測定面5a2における、光の入射位置の違いによって、光の入射角度・反射角度は異なる。
【0042】
すなわち、測定面5a2での反射位置が光軸Lから遠いほど、測定面5a2に入射する光の入射角が大きくなる。測定面5a2に入射する光の入射角が、臨界角よりも大きい場合は、光は、測定面5a2で全反射して、平面5bから出射する。
【0043】
従って、測定面5a2に入射する光のうち、光学素子5と試料の界面で全反射条件を満たす光は、光学素子5の測定面5a2で全反射する。
【0044】
測定面5a2で反射した光は、放物面5aの焦点Jから出射されているため、平行光となって光学素子5から出射したのち、光検出器6に入射する。
【0045】
一方、測定面5a2に入射する光のうち、光学素子5と試料の界面で全反射条件を満たさない光は、光学素子5の測定面5a2を透過する。
【0046】
すなわち、測定面5a2での反射位置が光軸Lから近いと、測定面5a2に入射する光の入射角が、臨界角よりも小さい場合がある。光が、臨界角よりも小さい角度で測定面5a2に入射するということは、当該光は、測定面5a2で反射されずに、測定面5a2か
ら外に射出される。
【0047】
光学素子5の測定面5a2で反射した反射光は、光検出器6のビット毎に光電変換される。そして、光検出器6は、入射光量と相関する電気信号を出力する。
【0048】
ここで、光学素子5から出射された光は、測定面5a2の異なる位置に入射した光であるため、光検出器6における異なる位置に入射する。
【0049】
従って、図1(b)に示すように、光検出器6の検出位置に応じた、反射光の検出光強度(各ビットの光量)が得られる。
【0050】
なお、光検出器6の中央部では、コリメートレンズ4の影になっているため、光量は0になっている。また、コリメートレンズ4の大きさによって、光が、光検出器6に届く位置が制限されている。
【0051】
ここで、光検出器6の検出位置は、光検出器6に入射した光の、測定面5a2での入射角度・反射角度に依存している。従って、光検出器6における臨界角に相当する位置よりも外側(光軸Lと反対側)では、光検出器6の検出する光量が増大する。なお、臨界角とは、全反射が起きる時の、最小入射角をいう。
【0052】
そして、各ビット位置において、光量を微分した時の極値Lcを求めることにより、図1(c)に示すように、光検出器6における臨界角に相当する位置の情報が求められる。その後、光検出器6の位置の情報を角度に変換する。これにより、臨界角を求めることができる。
【0053】
図2は、光源3から光検出器6までの光の進行順路を示すフローチャートである。まず、工程1で、照明ユニット(光源3、コリメートレンズ4)から平行光を照射する(ST1)。続いて、工程2で、平行光が、光学素子5の反射面5a1で反射する(ST2)。次に、工程3で、光学素子5の反射面5a1で反射した光が、光学素子5の放物面5aまたは放物柱面5a’の焦点Jで集光する(ST3)。続いて、工程4で、集光した光が、測定面5a2に向けて照射される(ST4)。次に、工程5で、測定面5a2からの反射光が、検出される(ST5)。
【0054】
次に、図3に示すように、第1実施形態における屈折率測定装置1について説明する。
【0055】
上述した通り、放物面5aは、放物線を、該放物線の軸の周りに回転させた面である。従って、簡単のため、放物面5aの軸を含む断面について考える。当該断面において、放物線をZ=(1/4c)X2、光検出器6の検出部の光軸Lからの距離をX、放物面5a
の測定面5a2に入射する光の入射角をθとすると、θ= tan-1(X/2c)になる。
【0056】
このとき、X=Lcに相当する光の入射角度θc=tan-1(Lc/2c)が、測定面5a
2での全反射の臨界角になる。この臨界角θcと光学素子5の屈折率npから、試料の屈折率nsが算出できる。
【0057】
ns=np×sinθcである。
【0058】
本実施形態は、放物面5aの焦点Jに点光源を投影しているため、光源3からの光は、自動的に色々な角度で試料に入射する。従って、本実施形態によれば、スキャニング機構などの回転機構がなくても屈折率の計測が可能である。
【0059】
また、本実施形態においては、コリメートレンズ4と光学素子5との間に遮光板7を配
置することが好ましい。
【0060】
光源3から出射された光は、コリメートレンズ4を通り、放物面5aの光学素子5の反射面5a1で反射し、焦点Jを通り発散光になる。ここで、コリメートレンズ4を透過した平行光のうち、光軸Lに近い位置から反射面5a1に向かった光は、反射面5a1で反射され、焦点Jを通過した後、測定面5a2に到達せず、直接に平面5bから出射する。このような光は、迷光となり、測定に寄与しないノイズ光になる。
【0061】
従って、遮光板7を、コリメートレンズ4と光学素子5との間の、特に光軸Lに近い位置に配置することによって、測定に寄与しないノイズ光を制限することができる。このため、屈折率を高精度に測定することができる。
【0062】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0063】
F≧16c2/E ・・・(1)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Eは、光学素子5の外径、
Fは、遮光板7の直径
である。
【0064】
条件式(1)を満足する時、焦点Jを通過した発散光はすべて測定面5a2に到達する。そのため、測定に寄与しないノイズ光を制限することができる。
【0065】
以下にその理由を示す。
【0066】
放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、コリメートレンズ4から出射された平行光が放物面5aに入射する座標をA(a,a2/4c)、焦点Jの座
標をJ(0,c)とする。また、光がAで反射した後に、焦点Jを通り、放物面5aに入射す
る位置をB(b,b2/4c)とする。
【0067】
線分AJはZ=[(a2/4c-c)/a]×X+cであるため、線分AJと放物面5aが交わる点は、(x-a)(x+4c2/a)=0からX=a,-4c2/aとなる。
【0068】
従って 、bは、aを用いて、b=-4c2/a と表わされる。
【0069】
a=F/2の光(遮光板7の外縁の近傍を通る光)が、放物面5aに2度目に入射する位置
Bにおいて、b>-E/2を満たせば、焦点Jを通過した発散光は全て光学素子5の測定面5a2に到達する。
【0070】
したがって、a=F/2、b>-E/2を、b=-4c2/aに代入すると、条件式(1)が得られる。
【0071】
この場合、焦点Jを通過した発散光が、直接に平面5bに入射することはないので、ノイズ光を制限することができる。
【0072】
また、コリメートレンズ4の光線有効径をD、遮光板7の直径をFとすると、F<Dを満たすことが必要である。これにより、遮光板7で光すべてを遮光することがない。
【0073】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(2’)を満足することが好ましい。
【0074】
D<4c ・・・(2’)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Dは、コリメートレンズ4の有効径、
である。
【0075】
D<4cの時、コリメートレンズ4を通過し、光学素子5内で2回反射した光は、コリメートレンズ4に戻らずに、光検出器6に入射する。
【0076】
以下にその理由を示す。
【0077】
放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、コリメートレンズ4から出射された平行光が放物面5aに入射する座標をA(a,a2/4c)、焦点Jの座
標をJ(0,c)とする。
【0078】
そうすると、上述した通り、光がAで反射した後に、焦点Jを通り、放物面5aに入射する位置BのX座標bは、b=-4c2/a となる。
【0079】
光学素子5で2回反射した光が、コリメートレンズ4に戻らないためには、|b|>aが必
要である。つまり、a<2cである。よって、コリメートレンズ4の有効径をDとすると、D<4cが必要条件となる。なお、本実施形態では、コリメートレンズ4の有効径D=平行光の光束直径Hである。
【0080】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関
し、
以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0081】
4c√(np2−1)<H ・・・(3)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
npは、光学素子5の屈折率、
Hは平行光の光束直径、
である。
【0082】
条件式(3)を満足することにより、臨界角を検出できるため、試料の屈折率が測定できる。
【0083】
以下にその理由を示す。
【0084】
コリメートレンズ4の最周辺を通った平行光は、放物面5aで反射し、焦点Jを通った後に、再度放物面5aに、最小の入射角度で入射する。ここで、上記最小の入射角度は、測定面5a2を透過するためには、臨界角よりも小さいことが必要である。
【0085】
コリメートレンズ4の最周辺X=D/2を通る光は、放物面5aの反射面5a1で反射し、
焦点Jを通過したあと、X=-8c2/Dで放物面5aに再度入射する。この時の放物面5aに入射する光の入射角をαとすると、tanα=4c/Dで表わせる。すなわち、α=tan-1 (4c/D)になる。
【0086】
ここで、試料の屈折率をns、臨界角をθcとすると、sinθc= ns/npで表わせ
る。すなわち、θc=sin-1 (ns/np)となる。したがって、α<θcになればよい。
【0087】
ここで、0<α<π/2を満たし、かつ、tanα=4c/Dであるから、sinα=4c/
√(D2+16c2)である。
【0088】
また、0<α<π/2、0<θc<π/2、であるから、α<θcを満たすには、sinα<
sinθcとなる。すなわち、4c/√(D2+16c2)<(ns/np)であり、4c√((np/ns)2−1)<Dとなる。
【0089】
ここで、試料が空気の時にnsは、最小値1をとる。つまり、Dが、D>4c√(np2−1)を満たしていれば、光源3の最も光線高の高い位置から出射された光が、測定面
5a2に入射する際に、既に臨界角を越えて測定面5a2に入射することはない。すなわち、いかなる試料を用いる場合であっても、適切に臨界角を検出することができる。
【0090】
本実施形態では、コリメートレンズ4の有効径D=平行光の光束直径Hであるため、上記の条件式(3)を満たせば、適切に臨界角を検出することができる。
【0091】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関
し、
以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0092】
H<G ・・・(4)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、平行光の光束直径、
Gは、反射面5a1の外径
である。
【0093】
平行光の光束直径Hが反射面5a1の外径Gよりも大きい場合、光学素子5に入射した平行光の一部は、反射面5a1で反射されずに、光学素子5を透過してしまう。従って、上記の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0094】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関
し、
以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0095】
G<16c2/H ・・・(5)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、平行光の光束直径、
Gは、反射面5a1の外径
である。
【0096】
上述したとおり、コリメートレンズ4の最周辺X=D/2を通る光は、放物面5aの反
射面5a1で反射し、焦点Jを通過したあと、X=−8c2/Dで放物面5aに再度入射する。
【0097】
測定面5a2における臨界角で光が入射する位置は、反射面5a1でない必要がある。従って、少なくともX=−8c2/Dの位置には、反射面5a1があってはならない。このような場合、適切に臨界角を計測することができる。すなわち、反射面5a1の外径Gは、(8c2/D)×2よりも小さいことが好ましい。
【0098】
本実施形態では、コリメートレンズ4の有効径D=平行光の光束直径Hであるため、上記の(5)を満たせば、適切に臨界角を検出することができる。
【0099】
また、図4から図6に示すように、光検出器6の中心は、光軸Lからずれていることが好ましい。このような構成により、小型の光学系を構成することが可能となる。
【0100】
図4に記載された屈折率測定装置1は、光検出器6を光軸Lに対して片側に配置すると共に、遮光板7を光源3と光学素子5の間に配置して、遮光板7に遮光されない光を光検出器6で検出する。
【0101】
これにより、光検出器6を小型に構成することができる。
【0102】
図5に記載された屈折率測定装置1は、光検出器6を光軸Lに対して交差するように配置し、光源3からの光の一部を光検出器6によって遮光し、遮光されない光を光検出器6で検出する。
【0103】
これにより、光検出器6によって、遮光することができるため、遮光板7が不要となる。
【0104】
図6に記載された屈折率測定装置1は、光源3を光軸Lに対して片側に配置し、光源3からの光を光検出器6で検出する。
【0105】
これにより、光源3を遮光する必要がないため、光量のロスを防止することができる。
【0106】
図7は、屈折率測定装置1の第2実施形態を示す図である。第2実施形態の屈折率測定装置1は、光検出器6を光軸Lに対して一方側に配置し、反射面5a1を光軸Lに対して他方側に配置する。また、遮光板7を光源3と光学素子5の間に配置して、遮光板7に遮光されない光を光検出器6で検出する。
このように、反射面5a1は、光軸Lに対して光検出器6と反対側にのみ設けられていると、反射面5a1が小さくなり、好ましい。
【0107】
なお、反射コートの被覆の仕方は上記に限定されない。すなわち、X−Z面(Y=0)において、必ずしもZ軸(光軸)に回転対称な反射面5a1および測定面5a2を形成する必要はない。
【0108】
図8は、光軸Lを含む断面(X−Z面)と、Z軸方向から光学素子5を見た場合の反射面5a1の被覆の様子を示したものである。この場合、Y軸に対して、光検出器6と反対側は、全てを反射面5a1としてもよい(すなわち、X−Y面への射影が半円)。また、当該半円の直径は、平行光の光束直径から、光学素子5の外径の間で適宜変更が可能である。
【0109】
また、光検出器6に入射する光は、X−Y面内において、Y軸に対して光検出器6と反対側では反射面5a1で反射し、かつ、Y軸に対して光検出器6と同じ側では、測定面5a2で、全反射または透過すればよい。従って、図9又は図10のように反射面5a1を形成しても構わない。
【0110】
図9は、X−Y面への射影において、反射面5a1を扇形に形成したもので、図10は、X−Y面への射影において、反射面5a1を中心角が180度以上の扇形に形成したものである。
【0111】
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態では、図11及び図12に示すように、光学素子5の片側の面を参照面5a3とし、参照面5a3には全面に反射膜を塗布する。
【0112】
ここで、半導体レーザーやLD、LED等の光源3から出射された光であってコリメートレンズ4でコリメートされた光の強度は、光軸Lで最も大きく、光軸Lから離れるほど小さくなるガウス分布をなす。この強度分布は、光検出器6の計測に影響を与え、屈折率測定において、検出される屈折率の精度が低下する。
【0113】
本実施形態によれば、参照面5a3は全面に反射膜を塗布しているため、参照面に入射する光は、全て反射する。すなわち、光が、臨界角以下で参照面5a3に入射したとしても、参照面5a3を透過することはない。従って、コリメート光の強度分布が、そのまま光検出器6で検出される。
【0114】
ここで、参照データについて、光検出器6の中心からの距離lでの参照面5a3からの反射光の検出強度をIr(l)とする。また、測定データについて、光検出器6の中心からの
距離lでの測定面5a2からの反射光の検出強度をIm(l)とする。そうすると、測定データI(l)は、Im(l)/Ir(l)によって求めることができる。
【0115】
コリメート光の強度分布に影響された参照データを、試料で反射された測定データにフィードバックすることで、測定データに影響するコリメート光の強度分布を仮想的に均一化することができる。本実施形態によれば、このような補正により、高精度に屈折率を測定することができる。
【0116】
なお、放物面5aは、必要な場所が反射面5a1又は参照面5a3となればよく、図13から図18のように変更可能である。
【0117】
図13は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側すべてを半円状に、他方側の上方(放物面5aの頂点K側)を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0118】
図14は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側を扇形に、他方側の上方を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0119】
図15は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側すべてを半円状に、他方側の上方を扇形に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0120】
図16は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側を扇形に、他方側の上方を扇形に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0121】
図17は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側から他方側にかけて180度以上の扇形に、他方側の上方を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0122】
図18は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側から他方側にかけて複数の扇形に、他方側の上方を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0123】
また、図19に示すように、第4実施形態として、光学素子5と撮像部9の間に撮像レンズ8とミラー10が配置されていることが好ましい。
【0124】
光学素子5の放物面5aが、撮像部9の屈折率測定に関与していない部分に投影される。
【0125】
なお、撮像レンズ8は2つのレンズ8a,8bから構成されている。これらレンズ8の間の位置に、中心に開口を持つミラー10が配置されている。コリメートレンズ4で平行光になった光はこのミラー10で反射され、光学素子5に入射する。
【0126】
このような構成により、撮像部9で撮像された画像を確認することで、試料が光学素子5に接触しているかどうかがわかる。もし、試料が光学素子5に接触していない場合、再
度試料の取り付けを行うことで、より正確な測定が可能になる。
【0127】
次に、屈折率測定方法について説明する。図20は屈折率測定方法のフローチャートを示す図である。
【0128】
本実施形態に係る屈折率測定方法は、まず、工程11で、試料を測定面5a2に接触するように配置する(ST11)。
【0129】
次に、工程12で、測定面5a2の検出位置における反射光の光量を検出する(ST12)。
【0130】
次に、工程13で、光量と検出位置との関係から、臨界角に対応する検出位置を求める(ST13)。
【0131】
次に、工程14で、検出した反射光の光量から臨界角を求める(ST14)。
【0132】
次に、工程15で、臨界角に基づいて試料の屈折率を求める(ST15)。
【0133】
なお、他の実施方法としては、図21に示される屈折率測定方法を採用してもよい。まず、工程21で、放物面5aに参照面5a3を設ける屈折率測定装置および試料を配置する(ST21)。工程22で、照明ユニットから平行光が照射される(ST22)。工程23で、平行光が、光学素子5の反射面5a1で反射する(ST23)。工程24で、反射面5a1で反射した光が、放物面5aの焦点で集光する(ST24)。工程25で、集光した光が、測定面5a2および参照面5a3に向けて照射される(ST25)。工程26で、測定面5a2および参照面5a3からの反射光が検出される(ST26)。工程27で、参照面5a3からの反射光の光量に基づいて、測定面5a2からの反射光の光量を補正する(ST27)。工程28で、補正された反射光の光量と検出位置との関係から臨界角を求める検出位置を求める(ST28)。工程29で、臨界角に対応する検出位置から臨界角を求める(ST29)。工程30で、求められた臨界角に基づいて、試料の屈折率を測定する(ST30)。
【0134】
また、図22に示すように、本実施形態における光学素子5の放物面5aは、放物柱面5a’でもよい。光学素子5の放物柱面5a’は、光源3から出射された光の光軸Lに対して垂直な方向X,Yのうち、X方向から見た場合に平面で、Y方向からみた場合に放物面である。また、コリメートレンズ4はシリンドリカルレンズでも構わない。
【0135】
ここで、放物柱面5a’とは、図22に記載された放物柱を構成する面について、平面5bを除いた面をいう。別の言い方をすれば、放物柱面5a’とは、断面が放物線であって、当該放物線を含む面に垂直な方向に奥行きのある面をいう。
【0136】
なお、放物柱とは、平面上で、放物線と、放物線の軸に垂直な線と、で囲まれる形状を、当該平面に垂直な方向に奥行きのある柱体をいう。
【0137】
なお、本実施形態では、照明ユニットは、光源3とコリメートレンズ4を用いて平行光を照射しているが、平行光が照射できるのであれば、他の態様であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明に係る光学系を備える屈折率測定装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】光源から光検出器までの光の進行順路を示すフローチャートである。
【図3】屈折率測定装置の第1実施形態を示す図である。
【図4】光検出器の中心が光軸からずれている実施例を示す図である。
【図5】光検出器の中心が光軸からずれている実施例を示す図である。
【図6】光検出器の中心が光軸からずれている実施例を示す図である。
【図7】反射面が光軸に対して光検出器と反対側にのみ設けられている第2実施形態を示す図である。
【図8】光軸を含む断面と、Z軸方向から光学素子を見た光学素子の反射面の被覆の様子を示したものである。
【図9】光軸を含む断面と、Z軸方向から光学素子を見た光学素子の反射面の被覆の様子を示したものである。
【図10】光軸を含む断面と、Z軸方向から光学素子を見た光学素子の反射面の被覆の様子を示したものである。
【図11】屈折率測定装置の第3実施形態を示す図である。
【図12】屈折率測定装置の第3実施形態を示す図である。
【図13】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図14】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図15】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図16】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図17】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図18】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図19】屈折率測定装置の第4実施形態を示す図である。
【図20】屈折率測定方法のフローチャートを示す図である。
【図21】屈折率測定方法のフローチャートを示す図である。
【図22】屈折率測定装置の放物柱面を示す図である。
【符号の説明】
【0139】
1…屈折率測定装置
2…光学系
3…光源(照明ユニット)
4…コリメートレンズ(照明ユニット)
5…光学素子
5a…放物面
5a1…反射面
5a2…測定面
5a3…参照面
5b…平面
6…光検出器
7…遮光板
8…レンズ
9…撮像部
10…ミラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系及びそれを備える屈折率測定装置、屈折率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液等の屈折率を測定する手段として、アッベの屈折計が知られている。アッベの屈折計は、光学素子と光源と光検出器を備える。光学素子は、試料に接して界面をなす面と、入射面と、出射面を有する。光源から発せられた光は、入射面から光学素子に入射する。入射面から入射した光は、所定の入射角で、界面に届く。試料と光学素子の界面で反射した光は、出射面から出射する。光検出器は、出射面から出射された光を検出する。ここで、界面での臨界角は、試料の屈折率に依存する。このため、光検出器の検出値に基づいて臨界角を得ることで、試料の屈折率を求めることができる。
【特許文献1】特開平5−203567号公報
【特許文献2】特開2002−148180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された技術は、全反射の臨界角を検出するには、入射光の入射角を変化させる必要があり、その時反射角も変化するので、入射側と反射側の二つの回転機構が必要になる。
【0004】
上記特許文献2に記載された技術は、光学系を回転させず、被検査物を保持する被検査物保持部を回動させる方式である。
【0005】
これらは、臨界角の検出のために、必ず回転機構が必要であるという問題がある。
【0006】
本発明は従来技術のこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機構等を備えずに、屈折率を測定することが可能な光学系、および、それを備える屈折率測定装置、ならびに屈折率測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の光学系は、平行光を照射する照明ユニットと、光学素子と、を備え、前記光学素子が、放物面または放物柱面を有し、前記照明ユニットは、前記放物面または前記放物柱面の焦点の側から前記放物面または前記放物柱面に向けて平行光を照射し、前記平行光の光軸が、前記光学素子の前記放物面または前記放物柱面の頂点を含む接面に垂直であり、前記光学素子が、前記放物面上または前記放物柱面上の、前記照明ユニットからの平行光の照射位置に反射面を有することを特徴とする。
【0008】
上記発明においては、前記照明ユニットと、前記光学素子と、の間に遮光板を備えることが好ましい。
【0009】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0010】
F≧16c2/E ・・・(1)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Eは、前記光学素子の外径、
Fは、前記遮光板の直径、
である。
【0011】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0012】
H<4c ・・・(2)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【0013】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0014】
4c√(np2−1)<H ・・・(3)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
npは、前記光学素子の屈折率、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【0015】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0016】
H<G ・・・(4)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【0017】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0018】
G<16c2/H ・・・(5)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【0019】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに反射面を有することが好ましい。ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、cはc>0を満たす任意の定数、である。
【0020】
上記発明においては、前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満
たした放物線となるX−Z断面に関し、前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに参照面を有することが好ましい。ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり
、cはc>0を満たす任意の定数、である。
【0021】
上記発明においては、前記照明ユニットは、光源と、コリメートレンズを備えることが好ましい。
【0022】
さらに、上記目的を達成する本発明の屈折率測定装置は、前記光学系と、前記光学系からの光を検出する光検出器と、を備え、前記放物面または放物柱面が、前記反射面の周囲に測定面を有することを特徴とする。
【0023】
上記発明においては、前記照明ユニットから照射された平行光は、前記光学素子の反射面で反射後、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光し、前記焦点で集光した光は、前記光学素子の測定面に配置された試料に向けて照射され、前記光検出器が、前記測定面からの反射光を検出することが好ましい。
【0024】
上記発明においては、前記光学素子と、前記光検出器の間に、レンズが配置されることが好ましい。
【0025】
さらに、上記目的を達成する本発明の屈折率測定方法は、試料が、測定面に接触して配置される工程と、照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、前記集光した光が、前記測定面に向けて照射される工程と、前記測定面からの反射光を検出する工程と、前記検出した反射光の光量から臨界角を求める工程と、前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、を備えることを特徴とする。
【0026】
さらに、上記目的を達成する本発明の他の屈折率測定方法は、試料が、測定面に接触して配置される工程と、照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、前記集光した光が、前記測定面および参照面に向けて照射される工程と、前記測定面および前記参照面からの反射光を検出する工程と、前記参照面からの反射光の光量に基づいて、前記測定面からの反射光の光量を補正する工程と、前記補正された反射光の光量から臨界角を求める工程と、前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上の本発明によると、回転機構等を備えずに、屈折率を測定することが可能な光学系、および、それを備える屈折率測定装置、ならびに屈折率測定方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本実施形態の光学系について、以下説明する。
【0029】
図1は本実施形態に係る光学系を備える屈折率測定装置の第1実施形態を示す図である。
【0030】
図中、1は屈折率測定装置、2は光学系、3は光源、4はコリメートレンズ、5は光学素子、5aは放物面、5a1は反射面、5a2は測定面、5bは平面、6は光検出器、7は遮光板、Jは焦点、Kは頂点、Lは光軸である。
【0031】
屈折率測定装置1は、光学系2と光検出器6とを備える。光学系2は、照明ユニットと光学素子5とを備える。照明ユニットは、光源3と、コリメートレンズ4とを備える。
【0032】
光源3は、半導体レーザーやLD、LED等を使用してもよい。コリメートレンズ4は、光源3から照射された光を平行光にする。光源3と、コリメートレンズ4は、光学素子5の光軸L上に配置されている。より具体的には、光源3と、コリメートレンズ4と、光学素子5の、それぞれの光軸は一致している。
【0033】
光学素子5は、ガラスあるいはプラスチックを材料とし、少なくとも一方の断面が放物形状を備える素子である。光学素子5は、放物面5aと、平面5bを備える。
【0034】
放物面5aは、回転放物面形状である。放物面5aは、頂点Kを有するとともに、光学素子5内に、焦点Jを有する。平面5bは、放物面5aに対向する面であって、光学素子5の焦点Jと頂点Kを結ぶ直線(光軸L)に垂直な面である。
【0035】
放物面5aは、反射面5a1と、測定面5a2を備える。
【0036】
反射面5a1は、放物面5aの頂点Kを含む近傍に、アルミニウム等の反射コートが施されたものである。測定面5a2は、反射面5a1以外であって、反射コートが施されていない面である。光学素子5を試料に浸すことにより、測定面5a2に試料を塗布することができる。
【0037】
なお、反射面5a1は、反射コートに限られず、反射する機能を奏するのであれば、反射ミラー等であってもよい。また、放物面5aは、後述するように放物柱面5a’としても良い。
【0038】
光検出器6は、光学素子5の平面5b側に配置されている。光検出器6は、光検出器6の検出面が、光軸Lに垂直に配置されている。光検出器6としては、CCDカメラやラインセンサを使用してもよい。
【0039】
なお、遮光板7は、必ずしも必要ではない。
【0040】
図1(a)に示すように、光源3から出射された光は、コリメートレンズ4で平行光となって、放物面5aをもつ光学素子5に入射し、反射面5a1で反射された後、光学素子5の焦点Jで集光する。焦点Jに集光後に発散した光は、測定面5a2に向かう。
【0041】
ここで、測定面5a2における、光の入射位置の違いによって、光の入射角度・反射角度は異なる。
【0042】
すなわち、測定面5a2での反射位置が光軸Lから遠いほど、測定面5a2に入射する光の入射角が大きくなる。測定面5a2に入射する光の入射角が、臨界角よりも大きい場合は、光は、測定面5a2で全反射して、平面5bから出射する。
【0043】
従って、測定面5a2に入射する光のうち、光学素子5と試料の界面で全反射条件を満たす光は、光学素子5の測定面5a2で全反射する。
【0044】
測定面5a2で反射した光は、放物面5aの焦点Jから出射されているため、平行光となって光学素子5から出射したのち、光検出器6に入射する。
【0045】
一方、測定面5a2に入射する光のうち、光学素子5と試料の界面で全反射条件を満たさない光は、光学素子5の測定面5a2を透過する。
【0046】
すなわち、測定面5a2での反射位置が光軸Lから近いと、測定面5a2に入射する光の入射角が、臨界角よりも小さい場合がある。光が、臨界角よりも小さい角度で測定面5a2に入射するということは、当該光は、測定面5a2で反射されずに、測定面5a2か
ら外に射出される。
【0047】
光学素子5の測定面5a2で反射した反射光は、光検出器6のビット毎に光電変換される。そして、光検出器6は、入射光量と相関する電気信号を出力する。
【0048】
ここで、光学素子5から出射された光は、測定面5a2の異なる位置に入射した光であるため、光検出器6における異なる位置に入射する。
【0049】
従って、図1(b)に示すように、光検出器6の検出位置に応じた、反射光の検出光強度(各ビットの光量)が得られる。
【0050】
なお、光検出器6の中央部では、コリメートレンズ4の影になっているため、光量は0になっている。また、コリメートレンズ4の大きさによって、光が、光検出器6に届く位置が制限されている。
【0051】
ここで、光検出器6の検出位置は、光検出器6に入射した光の、測定面5a2での入射角度・反射角度に依存している。従って、光検出器6における臨界角に相当する位置よりも外側(光軸Lと反対側)では、光検出器6の検出する光量が増大する。なお、臨界角とは、全反射が起きる時の、最小入射角をいう。
【0052】
そして、各ビット位置において、光量を微分した時の極値Lcを求めることにより、図1(c)に示すように、光検出器6における臨界角に相当する位置の情報が求められる。その後、光検出器6の位置の情報を角度に変換する。これにより、臨界角を求めることができる。
【0053】
図2は、光源3から光検出器6までの光の進行順路を示すフローチャートである。まず、工程1で、照明ユニット(光源3、コリメートレンズ4)から平行光を照射する(ST1)。続いて、工程2で、平行光が、光学素子5の反射面5a1で反射する(ST2)。次に、工程3で、光学素子5の反射面5a1で反射した光が、光学素子5の放物面5aまたは放物柱面5a’の焦点Jで集光する(ST3)。続いて、工程4で、集光した光が、測定面5a2に向けて照射される(ST4)。次に、工程5で、測定面5a2からの反射光が、検出される(ST5)。
【0054】
次に、図3に示すように、第1実施形態における屈折率測定装置1について説明する。
【0055】
上述した通り、放物面5aは、放物線を、該放物線の軸の周りに回転させた面である。従って、簡単のため、放物面5aの軸を含む断面について考える。当該断面において、放物線をZ=(1/4c)X2、光検出器6の検出部の光軸Lからの距離をX、放物面5a
の測定面5a2に入射する光の入射角をθとすると、θ= tan-1(X/2c)になる。
【0056】
このとき、X=Lcに相当する光の入射角度θc=tan-1(Lc/2c)が、測定面5a
2での全反射の臨界角になる。この臨界角θcと光学素子5の屈折率npから、試料の屈折率nsが算出できる。
【0057】
ns=np×sinθcである。
【0058】
本実施形態は、放物面5aの焦点Jに点光源を投影しているため、光源3からの光は、自動的に色々な角度で試料に入射する。従って、本実施形態によれば、スキャニング機構などの回転機構がなくても屈折率の計測が可能である。
【0059】
また、本実施形態においては、コリメートレンズ4と光学素子5との間に遮光板7を配
置することが好ましい。
【0060】
光源3から出射された光は、コリメートレンズ4を通り、放物面5aの光学素子5の反射面5a1で反射し、焦点Jを通り発散光になる。ここで、コリメートレンズ4を透過した平行光のうち、光軸Lに近い位置から反射面5a1に向かった光は、反射面5a1で反射され、焦点Jを通過した後、測定面5a2に到達せず、直接に平面5bから出射する。このような光は、迷光となり、測定に寄与しないノイズ光になる。
【0061】
従って、遮光板7を、コリメートレンズ4と光学素子5との間の、特に光軸Lに近い位置に配置することによって、測定に寄与しないノイズ光を制限することができる。このため、屈折率を高精度に測定することができる。
【0062】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0063】
F≧16c2/E ・・・(1)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Eは、光学素子5の外径、
Fは、遮光板7の直径
である。
【0064】
条件式(1)を満足する時、焦点Jを通過した発散光はすべて測定面5a2に到達する。そのため、測定に寄与しないノイズ光を制限することができる。
【0065】
以下にその理由を示す。
【0066】
放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、コリメートレンズ4から出射された平行光が放物面5aに入射する座標をA(a,a2/4c)、焦点Jの座
標をJ(0,c)とする。また、光がAで反射した後に、焦点Jを通り、放物面5aに入射す
る位置をB(b,b2/4c)とする。
【0067】
線分AJはZ=[(a2/4c-c)/a]×X+cであるため、線分AJと放物面5aが交わる点は、(x-a)(x+4c2/a)=0からX=a,-4c2/aとなる。
【0068】
従って 、bは、aを用いて、b=-4c2/a と表わされる。
【0069】
a=F/2の光(遮光板7の外縁の近傍を通る光)が、放物面5aに2度目に入射する位置
Bにおいて、b>-E/2を満たせば、焦点Jを通過した発散光は全て光学素子5の測定面5a2に到達する。
【0070】
したがって、a=F/2、b>-E/2を、b=-4c2/aに代入すると、条件式(1)が得られる。
【0071】
この場合、焦点Jを通過した発散光が、直接に平面5bに入射することはないので、ノイズ光を制限することができる。
【0072】
また、コリメートレンズ4の光線有効径をD、遮光板7の直径をFとすると、F<Dを満たすことが必要である。これにより、遮光板7で光すべてを遮光することがない。
【0073】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、
以下の条件式(2’)を満足することが好ましい。
【0074】
D<4c ・・・(2’)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Dは、コリメートレンズ4の有効径、
である。
【0075】
D<4cの時、コリメートレンズ4を通過し、光学素子5内で2回反射した光は、コリメートレンズ4に戻らずに、光検出器6に入射する。
【0076】
以下にその理由を示す。
【0077】
放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関し、コリメートレンズ4から出射された平行光が放物面5aに入射する座標をA(a,a2/4c)、焦点Jの座
標をJ(0,c)とする。
【0078】
そうすると、上述した通り、光がAで反射した後に、焦点Jを通り、放物面5aに入射する位置BのX座標bは、b=-4c2/a となる。
【0079】
光学素子5で2回反射した光が、コリメートレンズ4に戻らないためには、|b|>aが必
要である。つまり、a<2cである。よって、コリメートレンズ4の有効径をDとすると、D<4cが必要条件となる。なお、本実施形態では、コリメートレンズ4の有効径D=平行光の光束直径Hである。
【0080】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関
し、
以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0081】
4c√(np2−1)<H ・・・(3)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
npは、光学素子5の屈折率、
Hは平行光の光束直径、
である。
【0082】
条件式(3)を満足することにより、臨界角を検出できるため、試料の屈折率が測定できる。
【0083】
以下にその理由を示す。
【0084】
コリメートレンズ4の最周辺を通った平行光は、放物面5aで反射し、焦点Jを通った後に、再度放物面5aに、最小の入射角度で入射する。ここで、上記最小の入射角度は、測定面5a2を透過するためには、臨界角よりも小さいことが必要である。
【0085】
コリメートレンズ4の最周辺X=D/2を通る光は、放物面5aの反射面5a1で反射し、
焦点Jを通過したあと、X=-8c2/Dで放物面5aに再度入射する。この時の放物面5aに入射する光の入射角をαとすると、tanα=4c/Dで表わせる。すなわち、α=tan-1 (4c/D)になる。
【0086】
ここで、試料の屈折率をns、臨界角をθcとすると、sinθc= ns/npで表わせ
る。すなわち、θc=sin-1 (ns/np)となる。したがって、α<θcになればよい。
【0087】
ここで、0<α<π/2を満たし、かつ、tanα=4c/Dであるから、sinα=4c/
√(D2+16c2)である。
【0088】
また、0<α<π/2、0<θc<π/2、であるから、α<θcを満たすには、sinα<
sinθcとなる。すなわち、4c/√(D2+16c2)<(ns/np)であり、4c√((np/ns)2−1)<Dとなる。
【0089】
ここで、試料が空気の時にnsは、最小値1をとる。つまり、Dが、D>4c√(np2−1)を満たしていれば、光源3の最も光線高の高い位置から出射された光が、測定面
5a2に入射する際に、既に臨界角を越えて測定面5a2に入射することはない。すなわち、いかなる試料を用いる場合であっても、適切に臨界角を検出することができる。
【0090】
本実施形態では、コリメートレンズ4の有効径D=平行光の光束直径Hであるため、上記の条件式(3)を満たせば、適切に臨界角を検出することができる。
【0091】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関
し、
以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0092】
H<G ・・・(4)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、平行光の光束直径、
Gは、反射面5a1の外径
である。
【0093】
平行光の光束直径Hが反射面5a1の外径Gよりも大きい場合、光学素子5に入射した平行光の一部は、反射面5a1で反射されずに、光学素子5を透過してしまう。従って、上記の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0094】
また、放物面5aの断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX−Z断面に関
し、
以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0095】
G<16c2/H ・・・(5)
ただし、光学素子5の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、平行光の光束直径、
Gは、反射面5a1の外径
である。
【0096】
上述したとおり、コリメートレンズ4の最周辺X=D/2を通る光は、放物面5aの反
射面5a1で反射し、焦点Jを通過したあと、X=−8c2/Dで放物面5aに再度入射する。
【0097】
測定面5a2における臨界角で光が入射する位置は、反射面5a1でない必要がある。従って、少なくともX=−8c2/Dの位置には、反射面5a1があってはならない。このような場合、適切に臨界角を計測することができる。すなわち、反射面5a1の外径Gは、(8c2/D)×2よりも小さいことが好ましい。
【0098】
本実施形態では、コリメートレンズ4の有効径D=平行光の光束直径Hであるため、上記の(5)を満たせば、適切に臨界角を検出することができる。
【0099】
また、図4から図6に示すように、光検出器6の中心は、光軸Lからずれていることが好ましい。このような構成により、小型の光学系を構成することが可能となる。
【0100】
図4に記載された屈折率測定装置1は、光検出器6を光軸Lに対して片側に配置すると共に、遮光板7を光源3と光学素子5の間に配置して、遮光板7に遮光されない光を光検出器6で検出する。
【0101】
これにより、光検出器6を小型に構成することができる。
【0102】
図5に記載された屈折率測定装置1は、光検出器6を光軸Lに対して交差するように配置し、光源3からの光の一部を光検出器6によって遮光し、遮光されない光を光検出器6で検出する。
【0103】
これにより、光検出器6によって、遮光することができるため、遮光板7が不要となる。
【0104】
図6に記載された屈折率測定装置1は、光源3を光軸Lに対して片側に配置し、光源3からの光を光検出器6で検出する。
【0105】
これにより、光源3を遮光する必要がないため、光量のロスを防止することができる。
【0106】
図7は、屈折率測定装置1の第2実施形態を示す図である。第2実施形態の屈折率測定装置1は、光検出器6を光軸Lに対して一方側に配置し、反射面5a1を光軸Lに対して他方側に配置する。また、遮光板7を光源3と光学素子5の間に配置して、遮光板7に遮光されない光を光検出器6で検出する。
このように、反射面5a1は、光軸Lに対して光検出器6と反対側にのみ設けられていると、反射面5a1が小さくなり、好ましい。
【0107】
なお、反射コートの被覆の仕方は上記に限定されない。すなわち、X−Z面(Y=0)において、必ずしもZ軸(光軸)に回転対称な反射面5a1および測定面5a2を形成する必要はない。
【0108】
図8は、光軸Lを含む断面(X−Z面)と、Z軸方向から光学素子5を見た場合の反射面5a1の被覆の様子を示したものである。この場合、Y軸に対して、光検出器6と反対側は、全てを反射面5a1としてもよい(すなわち、X−Y面への射影が半円)。また、当該半円の直径は、平行光の光束直径から、光学素子5の外径の間で適宜変更が可能である。
【0109】
また、光検出器6に入射する光は、X−Y面内において、Y軸に対して光検出器6と反対側では反射面5a1で反射し、かつ、Y軸に対して光検出器6と同じ側では、測定面5a2で、全反射または透過すればよい。従って、図9又は図10のように反射面5a1を形成しても構わない。
【0110】
図9は、X−Y面への射影において、反射面5a1を扇形に形成したもので、図10は、X−Y面への射影において、反射面5a1を中心角が180度以上の扇形に形成したものである。
【0111】
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態では、図11及び図12に示すように、光学素子5の片側の面を参照面5a3とし、参照面5a3には全面に反射膜を塗布する。
【0112】
ここで、半導体レーザーやLD、LED等の光源3から出射された光であってコリメートレンズ4でコリメートされた光の強度は、光軸Lで最も大きく、光軸Lから離れるほど小さくなるガウス分布をなす。この強度分布は、光検出器6の計測に影響を与え、屈折率測定において、検出される屈折率の精度が低下する。
【0113】
本実施形態によれば、参照面5a3は全面に反射膜を塗布しているため、参照面に入射する光は、全て反射する。すなわち、光が、臨界角以下で参照面5a3に入射したとしても、参照面5a3を透過することはない。従って、コリメート光の強度分布が、そのまま光検出器6で検出される。
【0114】
ここで、参照データについて、光検出器6の中心からの距離lでの参照面5a3からの反射光の検出強度をIr(l)とする。また、測定データについて、光検出器6の中心からの
距離lでの測定面5a2からの反射光の検出強度をIm(l)とする。そうすると、測定データI(l)は、Im(l)/Ir(l)によって求めることができる。
【0115】
コリメート光の強度分布に影響された参照データを、試料で反射された測定データにフィードバックすることで、測定データに影響するコリメート光の強度分布を仮想的に均一化することができる。本実施形態によれば、このような補正により、高精度に屈折率を測定することができる。
【0116】
なお、放物面5aは、必要な場所が反射面5a1又は参照面5a3となればよく、図13から図18のように変更可能である。
【0117】
図13は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側すべてを半円状に、他方側の上方(放物面5aの頂点K側)を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0118】
図14は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側を扇形に、他方側の上方を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0119】
図15は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側すべてを半円状に、他方側の上方を扇形に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0120】
図16は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側を扇形に、他方側の上方を扇形に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0121】
図17は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側から他方側にかけて180度以上の扇形に、他方側の上方を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0122】
図18は、光軸Lを含むY−Z面を境界面として、一方側から他方側にかけて複数の扇形に、他方側の上方を半円状に、反射面5a1を形成した光学素子5を表わしたものである。
【0123】
また、図19に示すように、第4実施形態として、光学素子5と撮像部9の間に撮像レンズ8とミラー10が配置されていることが好ましい。
【0124】
光学素子5の放物面5aが、撮像部9の屈折率測定に関与していない部分に投影される。
【0125】
なお、撮像レンズ8は2つのレンズ8a,8bから構成されている。これらレンズ8の間の位置に、中心に開口を持つミラー10が配置されている。コリメートレンズ4で平行光になった光はこのミラー10で反射され、光学素子5に入射する。
【0126】
このような構成により、撮像部9で撮像された画像を確認することで、試料が光学素子5に接触しているかどうかがわかる。もし、試料が光学素子5に接触していない場合、再
度試料の取り付けを行うことで、より正確な測定が可能になる。
【0127】
次に、屈折率測定方法について説明する。図20は屈折率測定方法のフローチャートを示す図である。
【0128】
本実施形態に係る屈折率測定方法は、まず、工程11で、試料を測定面5a2に接触するように配置する(ST11)。
【0129】
次に、工程12で、測定面5a2の検出位置における反射光の光量を検出する(ST12)。
【0130】
次に、工程13で、光量と検出位置との関係から、臨界角に対応する検出位置を求める(ST13)。
【0131】
次に、工程14で、検出した反射光の光量から臨界角を求める(ST14)。
【0132】
次に、工程15で、臨界角に基づいて試料の屈折率を求める(ST15)。
【0133】
なお、他の実施方法としては、図21に示される屈折率測定方法を採用してもよい。まず、工程21で、放物面5aに参照面5a3を設ける屈折率測定装置および試料を配置する(ST21)。工程22で、照明ユニットから平行光が照射される(ST22)。工程23で、平行光が、光学素子5の反射面5a1で反射する(ST23)。工程24で、反射面5a1で反射した光が、放物面5aの焦点で集光する(ST24)。工程25で、集光した光が、測定面5a2および参照面5a3に向けて照射される(ST25)。工程26で、測定面5a2および参照面5a3からの反射光が検出される(ST26)。工程27で、参照面5a3からの反射光の光量に基づいて、測定面5a2からの反射光の光量を補正する(ST27)。工程28で、補正された反射光の光量と検出位置との関係から臨界角を求める検出位置を求める(ST28)。工程29で、臨界角に対応する検出位置から臨界角を求める(ST29)。工程30で、求められた臨界角に基づいて、試料の屈折率を測定する(ST30)。
【0134】
また、図22に示すように、本実施形態における光学素子5の放物面5aは、放物柱面5a’でもよい。光学素子5の放物柱面5a’は、光源3から出射された光の光軸Lに対して垂直な方向X,Yのうち、X方向から見た場合に平面で、Y方向からみた場合に放物面である。また、コリメートレンズ4はシリンドリカルレンズでも構わない。
【0135】
ここで、放物柱面5a’とは、図22に記載された放物柱を構成する面について、平面5bを除いた面をいう。別の言い方をすれば、放物柱面5a’とは、断面が放物線であって、当該放物線を含む面に垂直な方向に奥行きのある面をいう。
【0136】
なお、放物柱とは、平面上で、放物線と、放物線の軸に垂直な線と、で囲まれる形状を、当該平面に垂直な方向に奥行きのある柱体をいう。
【0137】
なお、本実施形態では、照明ユニットは、光源3とコリメートレンズ4を用いて平行光を照射しているが、平行光が照射できるのであれば、他の態様であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明に係る光学系を備える屈折率測定装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】光源から光検出器までの光の進行順路を示すフローチャートである。
【図3】屈折率測定装置の第1実施形態を示す図である。
【図4】光検出器の中心が光軸からずれている実施例を示す図である。
【図5】光検出器の中心が光軸からずれている実施例を示す図である。
【図6】光検出器の中心が光軸からずれている実施例を示す図である。
【図7】反射面が光軸に対して光検出器と反対側にのみ設けられている第2実施形態を示す図である。
【図8】光軸を含む断面と、Z軸方向から光学素子を見た光学素子の反射面の被覆の様子を示したものである。
【図9】光軸を含む断面と、Z軸方向から光学素子を見た光学素子の反射面の被覆の様子を示したものである。
【図10】光軸を含む断面と、Z軸方向から光学素子を見た光学素子の反射面の被覆の様子を示したものである。
【図11】屈折率測定装置の第3実施形態を示す図である。
【図12】屈折率測定装置の第3実施形態を示す図である。
【図13】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図14】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図15】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図16】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図17】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図18】反射面、測定面及び参照面の他の実施例を示す図である。
【図19】屈折率測定装置の第4実施形態を示す図である。
【図20】屈折率測定方法のフローチャートを示す図である。
【図21】屈折率測定方法のフローチャートを示す図である。
【図22】屈折率測定装置の放物柱面を示す図である。
【符号の説明】
【0139】
1…屈折率測定装置
2…光学系
3…光源(照明ユニット)
4…コリメートレンズ(照明ユニット)
5…光学素子
5a…放物面
5a1…反射面
5a2…測定面
5a3…参照面
5b…平面
6…光検出器
7…遮光板
8…レンズ
9…撮像部
10…ミラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行光を照射する照明ユニットと、光学素子と、を備え、
前記光学素子が、放物面または放物柱面を有し、
前記照明ユニットは、前記放物面または前記放物柱面の焦点の側から前記放物面または前記放物柱面に向けて平行光を照射し、
前記平行光の光軸が、前記光学素子の前記放物面または前記放物柱面の頂点を含む接面に垂直であり、
前記光学素子が、前記放物面上または前記放物柱面上の、前記照明ユニットからの平行光の照射位置に反射面を有することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記照明ユニットと、前記光学素子と、の間に遮光板を備える請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(1)を満足する請求項1又は請求項2に記載の光学系。
F≧16c2/E ・・・(1)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Eは、前記光学素子の外径、
Fは、前記遮光板の直径
である。
【請求項4】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(2)を満足する請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の光学系。
H<4c ・・・(2)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【請求項5】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(3)を満足する請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の光学系。
4c√(np2−1)<H ・・・(3)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
npは、前記光学素子の屈折率、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【請求項6】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(4)を満足する請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の光学系。
H<G ・・・(4)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【請求項7】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(5)を満足する請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の光学系。
G<16c2/H ・・・(5)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【請求項8】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに反射面を有する請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の光学系。
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
である。
【請求項9】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに参照面を有する請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の光学系。
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
である。
【請求項10】
前記照明ユニットは、光源と、コリメートレンズを備える請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の光学系。
【請求項11】
前記光学系と、
前記光学系からの光を検出する光検出器と、
を備え、
前記放物面または放物柱面が、前記反射面の周囲に測定面を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の光学系を備える屈折率測定装置。
【請求項12】
前記照明ユニットから照射された平行光は、
前記光学素子の反射面で反射後、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光し、
前記焦点で集光した光は、
前記測定面に配置された試料に向けて照射され、
前記光検出器が、前記測定面からの反射光を検出する請求項11に記載の屈折率測定装置。
【請求項13】
前記光学素子と、前記光検出器の間に、レンズが配置される請求項11又は請求項12に記載の屈折率測定装置。
【請求項14】
試料が、測定面に接触して配置される工程と、
照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、
前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、
前記集光した光が、前記測定面に向けて照射される工程と、
前記測定面からの反射光を検出する工程と、
前記検出した反射光の光量から臨界角を求める工程と、
前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、
を備えることを特徴とする屈折率測定方法。
【請求項15】
試料が、測定面に接触して配置される工程と、
照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、
前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、
前記集光した光が、前記測定面および参照面に向けて照射される工程と、
前記測定面および前記参照面からの反射光を検出する工程と、
前記参照面からの反射光の光量に基づいて、前記測定面からの反射光の光量を補正する工程と、
前記補正された反射光の光量から臨界角を求める工程と、
前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、を備えることを特徴とする屈折率測定方法。
【請求項1】
平行光を照射する照明ユニットと、光学素子と、を備え、
前記光学素子が、放物面または放物柱面を有し、
前記照明ユニットは、前記放物面または前記放物柱面の焦点の側から前記放物面または前記放物柱面に向けて平行光を照射し、
前記平行光の光軸が、前記光学素子の前記放物面または前記放物柱面の頂点を含む接面に垂直であり、
前記光学素子が、前記放物面上または前記放物柱面上の、前記照明ユニットからの平行光の照射位置に反射面を有することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記照明ユニットと、前記光学素子と、の間に遮光板を備える請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(1)を満足する請求項1又は請求項2に記載の光学系。
F≧16c2/E ・・・(1)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Eは、前記光学素子の外径、
Fは、前記遮光板の直径
である。
【請求項4】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(2)を満足する請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の光学系。
H<4c ・・・(2)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【請求項5】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(3)を満足する請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の光学系。
4c√(np2−1)<H ・・・(3)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
npは、前記光学素子の屈折率、
Hは、前記平行光の光束直径、
である。
【請求項6】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(4)を満足する請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の光学系。
H<G ・・・(4)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【請求項7】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
以下の条件式(5)を満足する請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の光学系。
G<16c2/H ・・・(5)
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
Hは、前記平行光の光束直径、
Gは、前記反射面の外径、
である。
【請求項8】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに反射面を有する請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の光学系。
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
である。
【請求項9】
前記放物面または前記放物柱面の断面がZ=(1/4c)X2を満たした放物線となるX
−Z断面に関し、
前記光学素子は、該光学素子の光軸に対して、一方の側のみに参照面を有する請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の光学系。
ただし、前記光学素子の光軸がZ軸であり、
cは、c>0を満たす任意の定数、
である。
【請求項10】
前記照明ユニットは、光源と、コリメートレンズを備える請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の光学系。
【請求項11】
前記光学系と、
前記光学系からの光を検出する光検出器と、
を備え、
前記放物面または放物柱面が、前記反射面の周囲に測定面を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の光学系を備える屈折率測定装置。
【請求項12】
前記照明ユニットから照射された平行光は、
前記光学素子の反射面で反射後、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光し、
前記焦点で集光した光は、
前記測定面に配置された試料に向けて照射され、
前記光検出器が、前記測定面からの反射光を検出する請求項11に記載の屈折率測定装置。
【請求項13】
前記光学素子と、前記光検出器の間に、レンズが配置される請求項11又は請求項12に記載の屈折率測定装置。
【請求項14】
試料が、測定面に接触して配置される工程と、
照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、
前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、
前記集光した光が、前記測定面に向けて照射される工程と、
前記測定面からの反射光を検出する工程と、
前記検出した反射光の光量から臨界角を求める工程と、
前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、
を備えることを特徴とする屈折率測定方法。
【請求項15】
試料が、測定面に接触して配置される工程と、
照明ユニットから照射された平行光が、光学素子の反射面で反射する工程と、
前記光学素子の反射面で反射した光が、前記光学素子の放物面または放物柱面の焦点で集光する工程と、
前記集光した光が、前記測定面および参照面に向けて照射される工程と、
前記測定面および前記参照面からの反射光を検出する工程と、
前記参照面からの反射光の光量に基づいて、前記測定面からの反射光の光量を補正する工程と、
前記補正された反射光の光量から臨界角を求める工程と、
前記臨界角に基づいて前記試料の屈折率を求める工程と、を備えることを特徴とする屈折率測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−300260(P2009−300260A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155215(P2008−155215)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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