説明

光学素子の製造方法、及び、光学素子の製造装置

【課題】光学素子の製造方法及び製造装置において、加熱ガスにより浮遊状態で加熱された光学素子材料を非接触で精度良く加圧位置へ供給する方法の提供。
【解決手段】光学素子材料100を浮遊させて加熱する加熱工程・成形型への供給工程と、供給された光学素子材料100が第1の成形型21及び第2の成形型31のいずれか一方の成形型に接触する工程・加圧工程・冷却工程と、を含み、加熱工程が開始したとき以降に光学素子材料100の位置を計測する位置計測工程と、位置計測工程で計測された前記光学素子材料100の位置に基づき、加熱部10と光学素子材料100と第1の成形型21と第2の成形型31とのうち少なくとも1つの位置を、接触工程において光学素子材料100が前記一方の成形型に接触する前までに制御する位置制御工程と、を更に含み、位置制御工程における位置の制御は、光学素子材料100に対して非接触で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ、プリズム、ミラー等の光学素子を製造する光学素子の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱軟化させた光学素子材料を加圧し、加圧した光学素子材料を冷却して硬化させることにより光学素子を製造する製造方法が知られている。
このような光学素子の製造方法において、光学素子材料を加熱ガスで浮遊させて加熱し、下型の上面に落下させて供給する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の光学素子の製造方法における工程の順番は、浮遊加熱、下型上への加熱部からの落下(供給)、加熱部退避、上型下降である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−133758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の光学素子の製造方法では、光学素子材料の浮遊状態を高精度に制御することは難しく、落下直前の浮遊位置によって供給位置がばらつく。
さらに、浮遊状態が仮に安定していたとしても、浮遊状態を解除する際には、加熱ガスの浮遊作用を均等に解除することは難しく、落下動作により供給位置がばらつく。
【0006】
本発明の目的は、加熱ガスにより浮遊状態で加熱された光学素子材料を非接触で精度良く加圧位置へ供給することができる光学素子の製造方法及び製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学素子の製造方法は、加熱部の内部において加熱ガスにより光学素子材料を浮遊させて加熱する加熱工程と、加熱された上記光学素子材料を第1の成形型と第2の成形型との間に非接触状態で供給する供給工程と、供給された上記光学素子材料が上記第1の成形型及び上記第2の成形型のいずれか一方の成形型に接触し、それ以降にこの光学素子材料が他方の成形型に接触する接触工程と、上記接触工程後の上記光学素子材料を上記第1の成形型及び上記第2の成形型により加圧する加圧工程と、加圧された上記光学素子材料を冷却する冷却工程と、を含み、上記加熱工程が開始したとき以降に上記光学素子材料の位置を計測する位置計測工程と、上記位置計測工程で計測された上記光学素子材料の位置に基づき、上記加熱部と上記光学素子材料と上記第1の成形型と上記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を、上記接触工程において上記光学素子材料が上記一方の成形型に接触する前までに制御する位置制御工程と、を更に含み、上記位置制御工程における位置の制御は、上記光学素子材料に対して非接触で行われる。
【0008】
また、上記光学素子の製造方法において、上記位置制御工程では、上記接触工程における上記光学素子材料と上記一方の成形型とが接触する際の相対位置が所定の位置になるように制御が行われるようにしてもよい。
また、上記光学素子の製造方法において、上記位置計測工程は、上記加熱工程の間に行われ、上記位置制御工程では、上記加熱部と上記第1の成形型と上記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を制御するようにしてもよい。
【0009】
また、上記光学素子の製造方法において、上記位置計測工程は、上記供給工程で上記加熱部の外部に露出した上記光学素子材料に対して行われ、上記位置制御工程では、上記光学素子材料と上記第1の成形型と上記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を制御するようにしてもよい。
【0010】
また、上記光学素子の製造方法において、上記位置制御工程では、上記加熱部の上記加熱ガスを用いて上記光学素子材料の位置を制御するようにしてもよい。
また、上記光学素子の製造方法において、上記位置制御工程では、上記加熱部とは異なる加熱ガス吹き付け部から加熱ガスを吹き付けることで上記光学素子材料の位置を制御するようにしてもよい。
【0011】
本発明の光学素子の製造装置は、光学素子材料を内部において加熱ガスにより浮遊させて加熱する加熱部と、上記光学素子材料を加圧する第1の成形型及び第2の成形型と、上記光学素子材料を、上記第1の成形型と上記第2の成形型との間に非接触状態で供給する供給部と、上記加熱部による上記光学素子材料の加熱が開始したとき以降に上記光学素子材料の位置を計測する位置計測部と、上記位置計測部により計測された上記光学素子材料の位置に基づき、上記加熱部と上記光学素子材料と上記第1の成形型と上記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を制御する位置制御部と、を備え、上記位置制御部による位置の制御は、上記光学素子材料に対して非接触で行われ、上記供給部により供給された上記光学素子材料は、上記第1の成形型及び上記第2の成形型のいずれか一方の成形型に接触し、それ以降にこの光学素子材料が他方の成形型に接触し、上記位置制御部は、上記光学素子材料が上記一方の成形型に接触する前までに位置制御を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加熱ガスにより浮遊状態で加熱された光学素子材料を非接触で精度良く加圧位置へ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の一実施の形態に係る光学素子の製造装置を示す正面図である。
【図1B】本発明の一実施の形態に係る光学素子の製造装置を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における加熱部の内部構造を示す正面図である。
【図3A】本発明の一実施の形態における加熱部の動きを説明するための要部正面図(その1)である。
【図3B】本発明の一実施の形態における加熱部の動きを説明するための要部正面図(その2)である。
【図3C】本発明の一実施の形態における加熱部の動きを説明するための要部正面図(その3)である。
【図4A】本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造装置を示す正面図である。
【図4B】本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造装置を示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における加熱部の内部構造及び加熱部移動機構を示す右側面図である。
【図6A】本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子の製造装置の正面図(その1)である。
【図6B】本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子の製造装置の正面図(その2)である。
【図6C】本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子の製造装置の正面図(その3)である。
【図6D】本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子の製造装置の正面図(その4)である。
【図7】本発明の他の実施の形態の第1変形例に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子の製造装置の正面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の第2変形例に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子の製造装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る光学素子の製造方法及び製造装置について、図面を参照しながら説明する。
<一実施の形態>
【0015】
図1A及び図1Bは、一実施の形態に係る光学素子の製造装置1を示す正面図及び平面図である。
図1A及び図1Bに示すように、光学素子の製造装置1は、加熱部10と、第1の成形型の一例である可動型21を有する可動型ユニット20と、第2の成形型の一例である固定型31を有する固定型ユニット30と、位置制御部の一例である制御部40と、加熱部移動機構50と、型移動機構60と、材料搬送部70と、位置計測部80と、ベース部90と、を備える。
【0016】
なお、加熱部10は、光学素子材料100を加熱部10から露出させることにより、可動型21と固定型31との間に非接触状態で供給する供給部としても機能する。光学素子材料100が非接触な状態とは、光学素子材料100の周囲のあらゆる固体部材が、光学素子材料100に対して接触していない状態をいう。
【0017】
図1A、図1B、及び図2に示すように、加熱部10は、電気コイル11と、熱風発生器12と、材料加熱部13と、気体供給管14と、バルブ15と、熱電対16と、シャッタ17と、シャッタ駆動部18と、シャッタ支持部19と、を有する。
【0018】
電気コイル11は、略円筒形状を呈する熱風発生器12の内部に配置され、気体供給管14から供給されるガスを加熱する。
熱風発生器12は、円筒形状を呈し、水平なX軸方向に延びる長手方向を有する。熱風発生器12内において電気コイル11が加熱したガスは、図2に示す加熱ガスGとして材料加熱部13に供給される。
【0019】
材料加熱部13は、円筒形状を呈し、鉛直なZ軸方向に延びる長手方向を有し、上端及び下端に開口する。材料加熱部13は、長手方向の中央部分において、熱風発生器12の先端と連通するように形成されている。
【0020】
材料加熱部13では、光学素子材料100は、加熱ガスGにより浮遊した状態で加熱される。なお、材料加熱部13は、後述する位置計測部80により内部の光学素子材料100の位置を検出されるため、例えば、可視光透過性を有する石英ガラスからなる。
【0021】
材料加熱部13の内径は7mmで、光学素子材料100の直径は5mmであるが、これらの大きさは一例にすぎない。また、光学素子材料100は、球状でガラス転移点Tgが506℃のガラス材料であるが、プラスチック等のその他の材料であってもよく、また、その他の形状としてもよい。
【0022】
気体供給管14は、図示しない気体供給源から熱風発生器12にガスを供給する。気体供給管14の気体供給経路の途中には、バルブ15が設けられ、このバルブ15によって流量が調整されている。
【0023】
気体供給管14のガス供給量は、光学素子材料100の大きさや材料加熱部13の大きさなどによって適宜決定されればよく、本実施の形態では10L/minである。
図1Aに示す熱電対16は、熱風発生器12の先端部分の温度(例えば約700度)を測定する。この測定温度に基づき、図1Bに示す制御部40は、電気コイル11への供給電圧を制御する。
【0024】
詳しくは後述するが、シャッタ17は、例えばシリンダであるシャッタ駆動部18によって、材料加熱部13の下端を閉鎖する位置と光学素子材料100を供給する供給工程において材料加熱部13の下端を開放する位置とに移動する。
【0025】
シャッタ17及びシャッタ駆動部18は、熱風発生器12の外周面に固定されたシャッタ支持部19によって上方から支持されている。
なお、加熱部10の構造は、光学素子材料100を加熱ガスGにより浮遊させて加熱しうるものであれば、本実施の形態のものに限定されない。
【0026】
可動型ユニット20は、可動型21と、加熱ブロック22と、断熱ブロック23と、シリンダ24と、熱電対25と、を有する。
固定型ユニット30は、固定型31と、加熱ブロック32と、断熱ブロック33と、熱電対34と、を有する。
【0027】
可動型21及び固定型31は、略円柱形状を呈し、対向して配置されて光学素子材料100を加圧する。可動型21及び固定型31には、例えば凹型の成形面21a,31aが中央に形成されている。また、可動型21及び固定型31には、加熱ブロック22,32側である固定端にフランジ部21b,31bが形成されている。なお、対向して配置される第1の成形型及び第2の成形型が両方とも可動型であってもよい。
【0028】
可動型21は、鉛直下向きに配置され、固定型31は、鉛直上向きに配置されている。
加熱ブロック22,32には、例えば3本の円柱形状のヒータ22a,32aが挿入されている。
【0029】
断熱ブロック23,33は、加熱ブロック22,32の熱を断熱する。
シリンダ24は、可動型ユニット20の可動型21、加熱ブロック22、及び断熱ブロック23を上下動させる。
【0030】
熱電対25,34は、加熱ブロック22,32の温度を測定する。制御部40は、加熱ブロック22,32の測定温度に基づき、ヒータ22a,32aの温度を制御して可動型21及び固定型31の温度(例えば540℃)を一定に維持する。
【0031】
制御部40は、加熱部移動機構50及び型移動機構60を制御するほか、加熱部10の電気コイル11及びバルブ15、可動型ユニット20及び固定型ユニット30のヒータ22a,32a、材料搬送部70、位置計測部80などを制御してもよい。
【0032】
制御部40としては、CPU、記憶部、入出力部、I/F部等を有するごく標準的なコンピュータ(情報処理端末)を用いることができる。光学素子の製造装置1に複数の制御部が配置されるようにしてもよい。
【0033】
加熱部移動機構50は、加熱部支持部51と、X軸スライダ52と、Y軸スライダ53とを有する。
加熱部支持部51は、加熱部10を熱風発生器12の外周面において支持する。
【0034】
X軸スライダ52は、加熱部支持部51及び加熱部10をY軸スライダ53に対して、水平なX軸方向に移動させる。
Y軸スライダ53は、加熱部支持部51、加熱部10、及びX軸スライダ52を、ベース部90の加熱部側ベース92に対して水平でX軸方向に直交するY軸方向に移動させる。
【0035】
型移動機構60は、可動型ユニット取付部61と、固定型ユニット取付部62と、側壁63と、X軸スライダ64と、Y軸スライダ65と、を有する。
可動型ユニット取付部61には、可動型ユニット20がシリンダ24において取付けられている。
【0036】
固定型ユニット取付部62には、固定型ユニット30が断熱ブロック33において取付けられている。
側壁63の上端には可動型ユニット取付部61が固定され、側壁63の下端には固定型ユニット取付部62が固定されている。
【0037】
X軸スライダ64は、可動型ユニット取付部61、固定型ユニット取付部62、及び側壁63をY軸スライダ65に対してX軸方向に移動させる。
Y軸スライダ65は、可動型ユニット取付部61、固定型ユニット取付部62、側壁63、X軸スライダ64をベース部90の型側ベース93に対してY軸方向に移動させる。
なお、上述した例では、可動型ユニット取付部61と固定型ユニット取付部62とは一体として同時に移動するが、例えば、これらを別体にして独立に移動させても良い。可動型ユニット取付部61と固定型ユニット取付部62の移動は、後述する加圧工程において可動型21と固定型31が同軸となるように行われるが、このための移動は、後述する接触工程が終了する前までに行われる。
【0038】
材料搬送部70は、図1Bに示すように、アーム71及び搬送ベース72を有する。
アーム71は、搬送ベース72に対して、X軸、Y軸、及びZ軸の例えば3軸方向に移動可能に配置されている。また、アーム71は、材料トレー95に載置された光学素子材料100を挟持して加熱部10の材料加熱部13に搬送する。
【0039】
位置計測部80は、例えばそれぞれ2つずつ配置された撮像部81及び光源82を有する。
撮像部81は、例えばストロボ光源である光源82に対向するように配置されている。対向して配置された一方の組の撮像部81及び光源82は、同様に対向して配置された他方の組の撮像部81及び光源82に対し、図1Bの平面視において直交するように配置されている。
【0040】
撮像部81と光源82とが例えば500Hzで同期することで、撮像部81は、例えば石英ガラスからなる材料加熱部13を透過して光学素子材料100の例えば輪郭の撮像データを取得する。制御部40は、撮像部81が撮像した撮像データに基づき、光学素子材料100の位置情報(例えば加熱部10内での偏り)を取得する。なお、位置情報は、光学素子材料100が浮遊状態で微動している場合には、例えば、光学素子材料100の浮遊中心位置としてもよい。また、撮像部81は、光学素子材料100を鉛直上方から撮像するようにしてもよい。
【0041】
ベース部90は、台座91と、加熱部側ベース92と、型側ベース93と、トレー脚部94と、材料トレー95と、を有する。
台座91には、加熱部側ベース92と型側ベース93とが互いに間隔をおいて設置されている。
【0042】
加熱部側ベース92上には、例えば複数本のトレー脚部94が立設されている。トレー脚部94は、材料トレー95を支持する。
【0043】
以下に光学素子材料100から光学素子を製造する流れについて説明するが、上述の説明と重複する点については適宜説明を省略する。
まず、図1A及び図1Bに示す材料搬送部70のアーム71が材料トレー95上の光学素子材料100を挟持して、図3Aに示すように加熱部10の材料加熱部13に投下する。
【0044】
加熱部10では、気体供給管14によって供給される加熱ガスGが熱風発生器12において電気コイル11により加熱され、図3Bに示すように、材料加熱部13において光学素子材料100が加熱ガスGにより浮遊した状態で加熱される(加熱工程)。なお、「加熱」とは、室温状態に対して熱を加えていることをいう。従って、例えば、材料加熱部13内よりも低い温度状態(例えば室温状態)の光学素子材料100を材料加熱部13に投下して、加熱工程において材料加熱部13内で光学素子材料100の温度を室温よりも高い温度まで上昇させることができる。また、例えば、材料加熱部13内よりも高い温度状態の光学素子材料100を材料加熱部13に投下して、加熱工程において材料加熱部13内で光学素子材料100の温度を室温よりも高い温度まで低下させることもできる。また、例えば、材料加熱部13内と等温状態の光学素子材料100を材料加熱部13に投下して、加熱工程において材料加熱部13内で光学素子材料100の温度を室温よりも高い温度で保つこともできる。
【0045】
この加熱工程の途中に、加熱部移動機構50は、加熱部10をX軸方向に移動させて、材料加熱部13内の光学素子材料100を可動型21と固定型31との間に位置させる。
位置計測部80では、撮像部81が光学素子材料100の撮像データを取得し、この撮像データを制御部40が取得する(位置計測工程)。
【0046】
制御部40は、計測された光学素子材料100の位置に基づき、光学素子材料100が所定の位置にない場合には、光学素子材料100のずれ量に応じて、加熱部移動機構50により加熱部10をX軸方向・Y軸方向に移動させる(位置制御工程)。或いは、制御部40は、光学素子材料100のずれ量に応じて、型移動機構60により可動型ユニット20及び固定型ユニット30をX軸方向・Y軸方向に移動させる(位置制御工程)。位置制御工程では、後述する接触工程における光学素子材料100と固定型31とが接触する際の相対位置が所定の位置になるように制御が行われることができる。また、位置制御工程における位置の制御は、光学素子材料100に対して非接触で行われる。
【0047】
この位置制御に関しては、位置計測と位置制御とを交互に繰り返して、より正確に位置制御を行うようにしてもよい。また、ずれ量については、例えば、加熱部10から光学素子材料100が鉛直下方に落下しない場合があるため、制御量は、必ずしもずれ量と同一にはならない。このような場合の制御量は経験的に得られることがある。
【0048】
位置制御工程は、光学素子材料100が固定型31に接触する前に行われる。なお、型移動機構60は、加熱部移動機構50のみを用いて位置制御を行う場合には省略可能である。また、光学素子材料100のZ軸方向のずれ量については、本実施の形態では、後述する供給工程において光学素子材料100を落下させるため、考慮しなくともよい。
【0049】
その後、加熱部10のシャッタ駆動部18がシャッタ17を材料加熱部13の下端が開放する位置に移動させる。これにより、加熱された光学素子材料100は、図3Cに示すように材料加熱部13から落下、露出して、可動型21と固定型31との間に非接触状態で供給される(供給工程)。
【0050】
その後、光学素子材料100は、例えば、固定型31の成形面31aの中心に最初に接触することができる(接触工程開始)。その後、可動型ユニット20のシリンダ24が可動型21等を下降させることで、光学素子材料100は、例えば、可動型21の成形面21aの中心に最初に接触することができる(接触工程終了)。また、固定型31や可動型21の成形面の中心とは、加圧工程における固定型31と可動型21との中心同士を結ぶ中心軸と、成形面とが交わる点をいう。
【0051】
そして、光学素子材料100は、可動型ユニット20のシリンダ24が可動型21等をさらに下降させることで、可動型21及び固定型31により光学素子材料100が加圧される(加圧工程)。加圧工程における圧力は、例えば800Nである。
加圧工程において加圧された光学素子材料100は、可動型ユニット20及び固定型ユニット30のヒータ22a,32aの温度を降下させることにより、或いはヒータ22a,32aを停止させること(自然冷却)により、例えばガラス転移点以下になるまで加圧保持された状態のまま冷却される(冷却工程)。なお、冷却工程は、加圧工程の際のヒータ22a,32aの設定温度がガラス転移点以下(例えば490℃)の場合には、当該設定温度を変えないまま行われても良い。このことは、以下の実施形態でも同様である。冷却工程の後、光学素子材料100(製造された光学素子)は、材料搬送部70により或いは図示しない搬出機構により光学素子の製造装置1から搬出される。以上のようにして、例えば外径8mmで肉厚2mmの光学素子が製造される。
【0052】
以上説明した本実施の形態では、光学素子の製造方法は、加熱された光学素子材料100を可動型(第1の成形型)21と固定型(第2の成形型)31との間に非接触状態で供給する供給工程と、加熱工程が開始したとき以降に光学素子材料100の位置を計測する位置計測工程と、位置計測工程で計測された光学素子材料100の位置に基づき、加熱部10、可動型21、及び固定型31(及び光学素子材料100)のうち少なくとも1つの位置を、光学素子材料100が固定型31に接触する前に光学素子材料100に非接触で制御する位置制御工程と、を含む。
【0053】
そのため、加熱工程が開始したとき以降の光学素子材料100の位置に応じて、加圧位置に供給された光学素子材料100の位置ずれを抑えることができる。
よって、本実施の形態によれば、加熱ガスGにより浮遊状態で加熱された光学素子材料100を非接触で精度良く加圧位置へ供給することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、位置計測工程は、加熱工程の途中に行われ、位置制御工程では、加熱部10の位置、並びに、可動型21及び固定型31の位置の少なくとも一方の位置が制御される。そのため、加熱部10から外部に露出した後よりも比較的安定した加熱工程中の光学素子材料100の位置に応じて光学素子材料100の位置ずれを抑えるため、位置制御を容易にすることができる。
【0055】
<他の実施の形態>
図4A及び図4Bは、本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造装置101を示す正面図及び平面図である。
【0056】
本実施の形態では、上述の一実施の形態と相違する事項を中心に説明し、共通する事項については説明を適宜省略する。
図4A及び図4Bに示すように、光学素子の製造装置101は、加熱部110と、第1の成形型の一例である可動型121を有する可動型ユニット120と、第2の成形型の一例である固定型131を有する固定型ユニット130と、位置制御部の一例である制御部140と、加熱部移動機構150と、型移動機構160と、位置計測部180と、ベース部190と、を備える。
【0057】
なお、加熱部110は、光学素子材料100を、可動型121と固定型131との間に非接触状態で供給する供給部としても機能する。また、本実施の形態では、光学素子材料100を加熱部110に搬送する材料搬送部(図1A及び図1Bの材料搬送部70)については説明を省略する。
【0058】
図4A、図4B、及び図5に示すように、加熱部110は、本体部111と、電気コイル112と、気体供給管113と、熱電対14と、を有する。
本体部111は、略円筒形状を呈し、鉛直なZ軸方向に延びる長手方向を有し、上端に開口する。
【0059】
電気コイル112は、本体部111の内部に配置され、気体供給管113から供給されるガスを加熱する。本体部111内において電気コイル112が加熱したガスは、図5に示す加熱ガスGとして光学素子材料100に吹き付けられる。これにより、光学素子材料100は、加熱ガスGにより浮遊した状態で加熱される。
【0060】
気体供給管113は、図示しない気体供給源から本体部111にガスを供給する。気体供給管113の気体供給経路の途中には、本実施の形態では図示しないバルブが設けられ、このバルブによって流量が調整されている。
【0061】
気体供給管113のガス供給量は、光学素子材料100の大きさや本体部111の大きさなどによって適宜決定されればよく、本実施の形態では10L/minである。
熱電対114は、本体部111の上端の温度を測定する。この測定温度に基づき、図4Bに示す制御部140は、電気コイル112への供給電圧を制御する。
【0062】
なお、加熱部110の構造は、光学素子材料100を加熱ガスGにより浮遊させて加熱しうるものであれば、本実施の形態のものに限定されない。
可動型ユニット120は、可動型121と、加熱ブロック122と、断熱ブロック123と、シリンダ124と、熱電対125と、を有する。
【0063】
固定型ユニット130は、固定型131と、加熱ブロック132と、断熱ブロック133と、熱電対134と、を有する。
可動型121及び固定型131は、略円柱形状を呈し、対向して配置されて光学素子材料100を加圧する。可動型121及び固定型131には、例えば凹型の成形面121a,131aが中央に形成されている。また、可動型121及び固定型131には、加熱ブロック122,132側である固定端にフランジ部121b,131bが形成されている。なお、対向して配置される第1の成形型及び第2の成形型が両方とも可動型であってもよい。
【0064】
可動型121と固定型131とは、X軸方向に対向するように配置されている。
加熱ブロック122,132には、例えば3本の円柱形状のヒータ122a,132aが挿入されている。
【0065】
断熱ブロック123,133は、加熱ブロック122,132の熱を断熱する。
シリンダ124は、可動型ユニット120の可動型121、加熱ブロック122、及び断熱ブロック123を水平移動させる。
【0066】
熱電対125,134は、加熱ブロック122,132の温度を測定する。制御部140は、加熱ブロック122,132の測定温度に基づき、ヒータ122a,132aの温度を制御して可動型121及び固定型131の温度を一定に維持する。
【0067】
制御部140は、加熱部移動機構150及び型移動機構160を制御するほか、加熱部110の電気コイル112、可動型ユニット120及び固定型ユニット130のヒータ122a,132a、位置計測部180などを制御してもよい。
【0068】
加熱部移動機構150は、加熱部支持部151と、Z軸スライダ152と、ガイドプレート153とを有する。
加熱部支持部151は、加熱部110を本体部111の外周面において支持する。
【0069】
Z軸スライダ152は、加熱部支持部151及び加熱部110をガイドプレート153に対して、Z軸方向に移動させる。
ガイドプレート153は、ベース部190の加熱部側ベース191に対して固定されている。
【0070】
型移動機構160は、可動型ユニット取付部161と、固定型ユニット取付部162と、側壁163と、Y軸スライダ164と、を有する。
可動型ユニット取付部161には、可動型ユニット120がシリンダ124において取付けられている。
【0071】
固定型ユニット取付部162には、固定型ユニット130が断熱ブロック133において取付けられている。
側壁163の正面視(図4A)右端には可動型ユニット取付部161が固定され、正面視左端には固定型ユニット取付部162が固定されている。
【0072】
Y軸スライダ164は、可動型ユニット取付部161、固定型ユニット取付部162、及び側壁163をベース部190の型側ベース192に対してY軸方向に移動させる。
位置計測部180は、例えば1つの撮像部181及び例えば2つの光源182を有する。
【0073】
撮像部181は、光源182からの反射光を撮像し、Z軸上方から光学素子材料100の例えば輪郭の撮像データを取得する。制御部140は、撮像部181が撮像した撮像データに基づき、光学素子材料100(例えば加熱部110内での偏り)の位置情報を取得する。なお、撮像部181は、上述の一実施の形態と同様に、光学素子材料100を、加熱部110を透過して撮像するようにしてもよい。
【0074】
ベース部190は、加熱部側ベース191と、型側ベース192とを有する。
以下に光学素子材料100から光学素子を製造する流れについて説明するが、上述の説明と重複する点については適宜説明を省略する。
【0075】
加熱部110では、気体供給管113によって供給される加熱ガスGが電気コイル112により加熱され、本体部111において光学素子材料100が加熱ガスGにより浮遊した状態で加熱される(加熱工程)。
【0076】
この加熱工程の前又は途中に、加熱部移動機構150は、加熱部110をZ軸上方に移動させて、図6Aに示すように本体部111内の光学素子材料100を可動型121と固定型131との間に位置させる(光学素子材料100(時間t1))。
【0077】
その後、図6Bに示すように、加熱部移動機構150は、Z軸下方に、光学素子材料100の自由落下速度(例えば1000mm/s)より速く移動する(例えば2000mm/s)。これにより、光学素子材料100は、加熱部110の外部に露出し、可動型121と固定型131との間に非接触状態で供給される(光学素子材料100(時間t2))(供給工程)。
【0078】
なお、供給工程において光学素子材料100を加熱部110から投げ上げる場合(例えば、Z軸上方に移動させた加熱部110を停止又は減速させて慣性を利用する場合、或いは、加熱ガスGの吹き付け量を増加させる場合)、加熱部110は、可動型121と固定型131との間に位置させる必要はない。
【0079】
また、光学素子材料100の落下距離は、加熱部110のZ軸下方への移動距離に比べて小さいため、光学素子材料100の位置は一定であるものとして説明するが、光学素子材料100の落下開始位置は、加圧位置へ向けて落下する分を考慮して決定されればよい。
【0080】
位置計測部180では、露出した光学素子材料100の撮像データを撮像部181が取得し、この撮像データを制御部140が取得する(位置計測工程)。
制御部140は、計測された光学素子材料100の位置に基づき、光学素子材料100が所定の位置にない場合には、制御部140は、光学素子材料100のずれ量に応じて、型移動機構160により可動型ユニット120及び固定型ユニット130をY軸方向に移動させる(位置制御工程)。
【0081】
なお、光学素子材料100のX軸方向のずれについては、本実施の形態では、可動型121がX軸方向に移動するため、可動型121をシリンダ124により移動させるタイミングで調整することができる。また、光学素子材料100のZ軸方向のずれについても、光学素子材料100が加熱部110から露出した後、落下或いは投げ上げによりZ軸方向に移動するため、可動型121をシリンダ124により移動させるタイミングで調整することができる。
【0082】
位置制御工程は、光学素子材料100が図6Cに示すように可動型121に接触(光学素子材料100(時間t3):接触工程開始)する前に行われる。その後、可動型ユニット120のシリンダ124が可動型121をさらに固定型131側に移動させることで、光学素子材料100は、固定型131に接触する(接触工程終了)。なお、接触工程では、第1の成形型及び第2の成形型の両方が可動型である場合には、光学素子材料100が第1の成形型と第2の成形型とに同時に接触してもよい。また、本実施の形態のように第1の成形型及び第2の成形型の一方が可動型(可動型121)で他方が固定型(固定型131)である場合であっても、成形型の形状(例えば、両方の成形型の成形面が凸型の場合など)、光学素子材料100の供給方法(例えば供給開始位置など)によっては、光学素子材料100を第1の成形型と第2の成形型とに同時に接触させることは可能である。従って、接触工程では、光学素子材料100は、第1の成形型及び第2の成形型のいずれか一方の成形型(上述した例では可動型121)に接触し、それ以降に(即ちその後または同時に)、他方の成形型(上述した例では固定型131)に接触することができる。
【0083】
そして、図6Dに示すように、可動型ユニット120のシリンダ124が可動型121をさらに固定型131側に移動させることで、可動型121及び固定型131により光学素子材料100が加圧される(光学素子材料100(時間t4))(加圧工程)。
【0084】
加圧工程において加圧された光学素子材料100は、可動型ユニット120及び固定型ユニット130のヒータ122a,132aの温度を降下させることにより、或いは自然冷却により、例えばガラス転移点以下になるまで加圧保持された状態のまま冷却される(冷却工程)。冷却工程の後、光学素子材料100(製造された光学素子)は、図示しない材料搬送部或いは搬出機構により光学素子の製造装置101から搬出される。以上のようにして、光学素子が製造される。
【0085】
以上説明した本実施の形態においても、光学素子の製造方法は、加熱された光学素子材料100を可動型(第1の成形型)121と固定型(第2の成形型)131との間に非接触状態で供給する供給工程と、供給された光学素子材料100が可動型121(第1の成形型)及び固定型131(第2の成形型)のいずれか一方の成形型(可動型121)に接触し、それ以降に光学素子材料が他方の成形型(固定型131)に接触する接触工程と、加熱工程が開始したとき以降に光学素子材料100の位置を計測する位置計測工程と、位置計測工程で計測された光学素子材料100の位置に基づき、可動型121、及び固定型131、及び光学素子材料100(及び加熱部110)のうち少なくとも1つの位置を、光学素子材料100が可動型121に接触する前に光学素子材料100に非接触で制御する位置制御工程と、を含む。
【0086】
そのため、加熱工程が開始したとき以降の光学素子材料100の位置に応じて、加圧位置に供給された光学素子材料100の位置ずれを抑えることができる。
よって、本実施の形態によっても、加熱ガスGにより浮遊状態で加熱された光学素子材料100を非接触で精度良く加圧位置へ供給することができる。
【0087】
また、本実施の形態では、位置計測工程は、供給工程で加熱部110の外部に露出した光学素子材料100に対して行われ、位置制御工程では、可動型121及び固定型131(光学素子材料100と第1の成形型と第2の成形型とのうち少なくとも1つ)の位置が、型移動機構160を移動させることにより制御される。そのため、上述の一実施の形態のように加熱部10の内部の光学素子材料100の位置を計測するよりも加圧位置に対する正確なずれ量を計測することができる。したがって、光学素子材料100をより一層精度良く加圧位置へ供給することができる。
【0088】
なお、図7に示すように、位置制御工程では、加熱部110のZ軸下方への移動距離を抑えて、加熱部110の加熱ガスGを例えば吹き付け量を増加させて用いることで、光学素子材料100の位置を制御してもよい(光学素子材料100(時間t2−1))。
【0089】
また、図8に示すように、加熱部110とは異なる例えば2つの加熱ガス吹き付け部200から加熱ガスGを吹き付けることで、光学素子材料100の位置を制御してもよい(光学素子材料100(時間t2−2))。
【符号の説明】
【0090】
1 光学素子の製造装置
10 加熱部
11 電気コイル
12 熱風発生器
13 材料加熱部
14 気体供給管
15 バルブ
16 熱電対
17 シャッタ
18 シャッタ駆動部
19 シャッタ支持部
20 可動型ユニット
21 可動型
21a 成形面
21b フランジ部
22 加熱ブロック
22a ヒータ
23 断熱ブロック
24 シリンダ
25 熱電対
30 固定型ユニット
31 固定型
31a 成形面
31b フランジ部
32 加熱ブロック
32a ヒータ
33 断熱ブロック
34 熱電対
40 制御部
50 加熱部移動機構
51 加熱部支持部
52 X軸スライダ
53 Y軸スライダ
60 型移動機構
61 可動型ユニット取付部
62 固定型ユニット取付部
63 側壁
64 X軸スライダ
65 Y軸スライダ
70 材料搬送部
71 アーム
72 搬送ベース
80 位置計測部
81 撮像部
82 光源
90 ベース部
91 台座
92 加熱部側ベース
93 型側ベース
94 トレー脚部
95 材料トレー
100 光学素子材料
101 光学素子の製造装置
110 加熱部
111 本体部
112 電気コイル
113 気体供給管
114 熱電対
120 可動型ユニット
121 可動型
121a 成形面
121b フランジ部
122 加熱ブロック
122a ヒータ
123 断熱ブロック
124 シリンダ
125 熱電対
130 固定型ユニット
131 固定型
131a 成形面
131b フランジ部
132 加熱ブロック
132a ヒータ
133 断熱ブロック
134 熱電対
140 制御部
150 加熱部移動機構
151 加熱部支持部
152 Z軸スライダ
153 ガイドプレート
160 型移動機構
161 可動型ユニット取付部
162 固定型ユニット取付部
163 側壁
164 Y軸スライダ
180 位置計測部
181 撮像部
182 光源
190 ベース部
191 加熱部側ベース
192 型側ベース
200 加熱ガス吹き付け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部の内部において加熱ガスにより光学素子材料を浮遊させて加熱する加熱工程と、
加熱された前記光学素子材料を第1の成形型と第2の成形型との間に非接触状態で供給する供給工程と、
供給された前記光学素子材料が前記第1の成形型及び前記第2の成形型のいずれか一方の成形型に接触し、それ以降に該光学素子材料が他方の成形型に接触する接触工程と、
前記接触工程後の前記光学素子材料を前記第1の成形型及び前記第2の成形型により加圧する加圧工程と、
加圧された前記光学素子材料を冷却する冷却工程と、を含み、
前記加熱工程が開始したとき以降に前記光学素子材料の位置を計測する位置計測工程と、
前記位置計測工程で計測された前記光学素子材料の位置に基づき、前記加熱部と前記光学素子材料と前記第1の成形型と前記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を、前記接触工程において前記光学素子材料が前記一方の成形型に接触する前までに制御する位置制御工程と、を更に含み、
前記位置制御工程における位置の制御は、前記光学素子材料に対して非接触で行われる、光学素子の製造方法。
【請求項2】
前記位置制御工程では、前記接触工程における前記光学素子材料と前記一方の成形型とが接触する際の相対位置が所定の位置になるように制御が行われる、請求項1記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記位置計測工程は、前記加熱工程の間に行われ、
前記位置制御工程では、前記加熱部と前記第1の成形型と前記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を制御する、請求項1又は2記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
前記位置計測工程は、前記供給工程で前記加熱部の外部に露出した前記光学素子材料に対して行われ、
前記位置制御工程では、前記光学素子材料と前記第1の成形型と前記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を制御する、請求項1又は2記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
前記位置制御工程では、前記加熱部の前記加熱ガスを用いて前記光学素子材料の位置を制御する、請求項4記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】
前記位置制御工程では、前記加熱部とは異なる加熱ガス吹き付け部から加熱ガスを吹き付けることで前記光学素子材料の位置を制御する、請求項4記載の光学素子の製造方法。
【請求項7】
光学素子材料を内部において加熱ガスにより浮遊させて加熱する加熱部と、
前記光学素子材料を加圧する第1の成形型及び第2の成形型と、
前記光学素子材料を、前記第1の成形型と前記第2の成形型との間に非接触状態で供給する供給部と、
前記加熱部による前記光学素子材料の加熱が開始したとき以降に前記光学素子材料の位置を計測する位置計測部と、
前記位置計測部により計測された前記光学素子材料の位置に基づき、前記加熱部と前記光学素子材料と前記第1の成形型と前記第2の成形型とのうち少なくとも1つの位置を制御する位置制御部と、を備え、
前記位置制御部による位置の制御は、前記光学素子材料に対して非接触で行われ、
前記供給部により供給された前記光学素子材料は、前記第1の成形型及び前記第2の成形型のいずれか一方の成形型に接触し、それ以降に該光学素子材料が他方の成形型に接触し、
前記位置制御部は、前記光学素子材料が前記一方の成形型に接触する前までに位置制御を行う、光学素子の製造装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−107795(P2013−107795A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254095(P2011−254095)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)