説明

光学素子位置検出・制御装置、および撮像装置

【課題】光学フィルタなどの光学素子の位置検出を行うセンサなどを別途設けることなく、光学素子の位置検出を正確に行って、当該光学素子の位置補正を行う光学素子位置検出・制御装置を提供する。
【解決手段】この光学素子位置検出・制御装置は、光学系110の光路に対してIRカットフィルタを挿脱するIRメータ10と、IRメータ10に供給する電流を制御する制御部101と、制御部101から送られた電流を増幅してIRメータ10へ送るIR動作増幅回路102と、送電方向の切り替えを行う切替回路103と、IRメータ10のコイルで発生した電圧を増幅して検知する電圧検知部104と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光学系の光路中に配置されている光学素子の位置ずれを検出し、当該光学素子の位置補正を行う光学素子位置検出・制御装置、およびこの光学素子位置検出・制御装置を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、CCDなどの撮像素子の露出感度領域は、銀塩フィルムと比較して狭い。そこで、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなど撮像素子を搭載した撮像装置では、被写体の明るさに応じて光量調節するNDフィルタなどを光路中に挿脱できるようにしたものがある。また、カラー画像を得るのに有害な近赤外光をカットするIRカットフィルタなどを光路中に挿脱できるようにしたものがある。
【0003】
図5は、従来のIRメータの概略構成を示す図である。このIRメータ10は、コイル11と、レバー12aが接続された磁石12とを有するエンジン部13と、開口部14a,14bを有するフィルタ枠14と、フィルタ枠14の側部を挟持してフィルタ枠14をスライドさせるフォルダ15と、を備えている。また、フィルタ枠14の開口部14aにはIRカットフィルタ16が保持されている。そして、フィルタ枠14がフォルダ15内をスライドすることで、光学系(不図示)の光路に対して挿脱されるようになっている。また、レバー12aの先端部が、フィルタ枠14の端部に形成された受け部14cに嵌合されている。
【0004】
図6は、従来のIRメータ駆動装置の概略構成を示すブロック図である。このIRメータ駆動装置20は、IRメータ10に供給する電流を制御するための制御部21と、制御部21から送られた電流を増幅してIRメータ10へ送るIR動作増幅回路22と、を備えている。このIRメータ駆動装置20からIRメータ10に対して、図5の矢印アまたは矢印イの向きに流れる電流を供給することにより、図5に示したコイル11に磁界を発生させる。ここで発生した磁界により磁石12が図5の矢印ウまたは矢印エの方向に作動する。すると、磁石12に接続されたレバー12aも矢印ウまたは矢印エの方向に移動することで、フィルタ枠14がフォルダ15内をスライドし、前記光学系の光路に対してIRカットフィルタ16が挿脱される。なお、図5のエンジン部13には保持トルクがあり、動作後、日常予想される程度の振動では容易に切り替わらないようになっている。
【0005】
ところで、このようなIRメータ10を備えた撮像装置では、エンジン部13が有する保持トルク以上の強い衝撃が加えられたような場合、IRカットフィルタ16の設定位置がずれてしまうという問題が発生する。そこで、強い振動が加わってもIRカットフィルタ16の設定位置がずれないように、エンジン部13の保持トルクのさらなる強化を望む場合、常にIRメータ10に電流を供給しておくことが考えられる。しかし、常時電流を供給するとなると、その分消費電力が大きくなるという問題が出てくる。また、IRメータ10に常時電流を供給しなくても、エンジン部13を大きくすれば保持トルクも強化される。しかし、エンジン部13が大きくなれば、IRメータ10全体が大型化するという問題が発生する。
【0006】
そこで、かかる問題を解決するため、IRカットフィルタの位置を検出するために「自由端に錘を設けた片持ち梁に歪みセンサを取り付けたような加速度センサ」を設け、このセンサによりIRカットフィルタの位置を検出し、その検出データに基づきIRカットフィルタの位置補正を行う技術が提案されている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−234165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のような「自由端に錘を設けた片持ち梁に歪みセンサを取り付けたような加速度センサ」の構成は大型化しやすい。このようなセンサを設けて光学フィルタの位置検出を行うのでは、当該センサを実装する基板やそのスペースを確保する必要が生じ、装置の大型化とともに製造コストの増加を招くという問題がある。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、光学フィルタなどの光学素子の位置検出を行うセンサなどを別途設けることなく、光学素子の位置検出を正確に行って、当該光学素子の位置補正を行う光学素子位置検出・制御装置を提供することを目的とする。また、このような光学素子位置検出・制御装置を備えた撮像装置を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる光学素子位置検出・制御装置は、光学素子と、前記光学素子を保持する枠部材と、前記枠部材の端部に嵌合されたレバーと連結されている磁石と、前記磁石の近傍に配置されたコイルとを備え、前記コイルに通電して前記磁石を作動させることにより、前記レバーにより前記枠部材を移動させ、前記光学素子を光学系の光路に対して挿脱させる駆動手段と、前記コイルが無通電状態のとき、前記枠部材の位置のずれを原因とする前記磁石の作動により前記コイルに発生した電圧を検知する電圧検知手段と、前記電圧検知手段により検知された電圧に基づき、前記枠部材を所定の位置に移動させるために必要な電流を前記駆動手段に供給する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
特に、この発明の光学素子位置検出・制御装置では、前記制御手段が、前記電圧検知手段が検知した電圧の変化の様子および振れ幅から前記枠部材の初期設定位置からの移動した方向および量を判断し、前記枠部材を初期設定位置に復帰させるために必要な電流を前記駆動手段に供給するようにしてもよい。
【0012】
また、この発明の光学素子位置検出・制御装置では、あらかじめ設定された閾値を超える振れ幅の電圧を前記電圧検知手段が検知した場合に、前記制御手段が前記駆動手段に電流を供給するようにしてもよい。
【0013】
さらに、この発明の光学素子位置検出・制御装置では、前記制御手段が、前記電圧検知手段が前記コイルに発生した電圧を所定時間内に続けて検知している間は前記駆動手段に電流を供給せず、前記電圧検知手段が最後に電圧を検知してから前記所定時間を経過したとき、前記電圧検知手段が最後に検知した電圧に基づき前記駆動手段に電流を供給するようにしてもよい。
【0014】
また、この発明にかかる撮像装置は、前記光学素子位置検出・制御装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明にかかる光学素子位置検出・制御装置によれば、光学素子の位置を検出するための加速度センサなどを別途設けることなく、光学素子の位置ずれを正確に検出し、光学素子の位置補正を行うことができるという効果を奏する。したがって、この光学素子位置検出・制御装置を撮像装置に備えることにより、光学素子の位置を検出するための加速度センサなどを設ける必要がない分、撮像装置の小型化とともに、製造コストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態にかかる光学素子位置検出・制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】電圧検知部が検知した電圧の波形を示す図である。
【図3】電圧検知部が検知した電圧の波形と閾値との関係を示す図である。
【図4】この発明にかかる光学素子位置検出・制御装置が搭載された撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】従来のIRメータの概略構成を示す図である。
【図6】従来のIRメータ駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる光学素子位置検出・制御装置、および撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、この発明の実施の形態にかかる光学素子位置検出・制御装置の機能的構成を示すブロック図である。ここでは、光学素子としてIRカットフィルタの位置検出・制御を行うことを前提とする。このIRカットフィルタは、昼夜撮影を行う監視カメラなどによく用いられる。すなわち、明るい昼間時には、IRカットフィルタを装着したままで撮影を行い、可視光が極めて少ない夜間時には、IRカットフィルタを外すことで、赤外線感知による撮影を行う。
【0019】
この光学素子位置検出・制御装置100は、制御部101と、IR動作増幅回路102と、切替回路103と、電圧検知部104と、IRメータ10と、を備えている。制御部101は、IRメータ10を制御するための電流を供給する(詳細は後述)。IR動作増幅回路102は、制御部101から送られた電流を増幅してIRメータ10へ送る。切替回路103は、送電方向の切り替えを行う。すなわち、制御部101がIRメータ10を制御するときはIRメータ10と制御部101側とを接続し、それ以外のときはIRメータ10と電圧検知部104側とを接続する。電圧検知部104は、まず、IRメータ10に発生した電圧を増幅して検知する。そして、検知された電圧値を制御部101へ送る。IRメータ10は、光学系110の光路に対してIRカットフィルタを挿脱するもので、概略構成は図5に示した従来のものと同様である。なお、光学系110は、レンズやアイリスなどで構成されている。
【0020】
まず、この光学素子位置検出・制御装置100は、従来と同様に、制御部101がIR動作増幅回路102を介してIRメータ10に対して、図5の矢印アまたは矢印イの向きの電流を供給することにより、図5に示したコイル11に磁界を発生させる。ここで発生した磁界により磁石12が図5の矢印ウまたは矢印エの方向に作動する。たとえば、IRメータ10に対して矢印アの向きの電流を供給すると、磁石12は矢印ウの方向へ作動する。一方、IRメータ10に対して矢印イの向きの電流を供給すると、磁石12は矢印エの方向へ作動する。磁石12が矢印ウの方向に作動すると、磁石12に接続されたレバー12aも矢印ウの方向に移動することで、フィルタ枠14がフォルダ15内を矢印オの方向にスライドし、光学系110の光路からIRカットフィルタ16が脱出する。また、磁石12が矢印エの方向に作動すると、磁石12に接続されたレバー12aも矢印エの方向に移動することで、フィルタ枠14がフォルダ15内を矢印カの方向にスライドし、光学系110の光路に対してIRカットフィルタ16が挿入される。
【0021】
前述のように、エンジン部(駆動手段)13には保持トルクがあり、動作後、日常予想される程度の振動では容易に切り替わらないようになっている。しかしながら、IRカットフィルタ16が光学系110の光路中に挿入された後、装置が強い振動を受け前述の保持トルクを超える力がIRメータ10に加わると、IRカットフィルタ16が光学系110の光路から外れてしまう(すなわち、IRカットフィルタ16を保持するフィルタ枠14が図5の矢印オの方向へ移動する)場合がある。
【0022】
このとき、IRカットフィルタ16を保持するフィルタ枠14が図5の矢印オの方向へ移動することによって、フィルタ枠14の受け部14cに嵌合しているレバー12aを図5の矢印ウの方向に押し出し、レバー12aに接続されている磁石12が図5の矢印ウの方向へ作動する。磁石12が作動すると、磁石12の近傍に配置されているコイル11に電圧が発生する。そこで、電圧検知部104によってコイル11に発生した電圧を検知することで、IRカットフィルタ16が光学系110の光路からずれたことを知ることができる。なお、コイル11に発生する電圧は極めて小さいため、電圧検知部104では、コイル11で発生した電圧を増幅した後に検知する。
【0023】
図2は、電圧検知部104が検知した電圧の波形を示す図である。電圧検知部104が検出する電圧は、フィルタ枠14の移動する方向によりプラス値からマイナス値へ、またはマイナス値からプラス値へと変動する。たとえば、図2では、フィルタ枠14が、図5の矢印オの方向に移動した場合を示している。このように電圧値の変化の状態を検知することで、フィルタ枠14のずれた方向を把握することができる。また、磁石12が大きく動く(すなわち、フィルタ枠14のずれた量が大きい)ほど、コイル11に発生する電圧の振れ幅(最大電圧と最小電圧との差)が大きくなる。そこで、電圧検知部104によってコイル11に発生した電圧の振れ幅を検知することで、フィルタ枠14がどの程度光学系110の光路からずれたかを知ることができる。
【0024】
図2では、フィルタ枠14が図5の矢印オの方向にずれた場合に検知された電圧の変化の様子を示している。具体的には、磁石12が図5の矢印ウの方向に作動することにより電圧の振れ幅Aが検知されたことを示している。なお、フィルタ枠14が図5の矢印カの方向にずれた場合には、検知電圧の波形は図2とは逆の変化をたどる。電圧検知部104は、検知した電圧の変化の様子と振れ幅Aを制御部101へ伝える。
【0025】
制御部101では、電圧検知部104が検知した電圧の変化の様子と振れ幅Aからフィルタ枠14のずれた方向およびその量を検出し、IR動作増幅回路102を介してIRメータ10へフィルタ枠14のずれを補正する(フィルタ枠14を矢印カの方向へ移動させ、IRカットフィルタ16を光学系110の光路中のもとの位置に復帰させる)ための向きの電流(ここでは、矢印イの方向に流れる電流)を供給する。
【0026】
このようにすることにより、従来技術のように、IRカットフィルタ16のずれを検出する加速度センサなどを別途設けることなく、既存の装置構成を利用してIRカットフィルタ16の位置ずれを正確に検出し、その位置を補正することができる。また、大型化しやすい加速度センサなどを別途設ける必要がないため、当該センサを実装する基板やそのスペースを確保する必要がない。このため、装置の小型化と製造コストの低減化を図ることができる。
【0027】
ところで、IRカットフィルタ16が当初の設定位置よりずれたとしても、そのずれた量が僅かであればIRカットフィルタ16の位置を補正しなくても実使用上問題がない場合がある。また、前述のように、電圧検知部104が検知する電圧の振れ幅はフィルタ枠14のずれた量と比例するため、IRカットフィルタ16のずれた量を検出することは容易である。そこで、実使用上問題が発生する程度フィルタ枠14がずれた場合にコイル11に発生する電圧の振れ幅を閾値とし、電圧検知部104がこの閾値を超えた電圧の振れ幅を検知した場合に限り、制御部101がフィルタ枠14のずれを補正するための電流を供給するようにしてもよい。
【0028】
図3は、電圧検知部104が検知した電圧の波形と閾値との関係を示す図である。ここでは、電圧の振れ幅Bを閾値とした例を示している。この場合、電圧検知部104が閾値である振れ幅B以内の電圧を検出した場合は、制御部101はフィルタ枠14の位置を補正するための電流の供給は行わない。しかし、電圧検知部104が、閾値である振れ幅Bを超える電圧を検知した場合、制御部101がフィルタ枠14をもとの設定位置(初期設定位置)まで復帰させるための電流を供給する。たとえば、図3のような振れ幅Aの電圧が検出された場合は、制御部101がフィルタ枠14を図5の矢印カの方向に復帰させるための電流を供給する。
【0029】
このようにすることで、画像に障害が発生する程度にIRカットフィルタ16の設定位置がずれた場合のみに、IRカットフィルタ16の位置補正を行うことで、装置の消費電力を抑制することができる。
【0030】
また、IRカットフィルタ16の設定位置がずれるような振動は一時的ではなく、一定の時間継続することも考えられる。たとえば、地震や大型車の通行、大規模な工事などによる振動である。このように振動が継続するような場合、IRカットフィルタ16にずれが生じる度にその設定位置を補正するより、振動が収まるまで待ってIRカットフィルタ16の設定位置を補正するほうが、効率的であると同時に、装置の消費電力を低減させることができる。
【0031】
そこで、この光学素子位置検出・制御装置100では、電圧検知部104がコイル11で発生する電圧を継続して検知している間は、制御部101はフィルタ枠14の設定位置を補正するための電流を供給しない。そして、制御部101が電圧検知部104による電圧検知が終了したことを確認した後、電圧検知部104による最後の検知電圧に基づいたフィルタ枠14の設定位置補正のための電流を供給するようにしてもよい。
【0032】
次に、この光学素子位置検出・制御装置100を撮像装置に搭載した例を示す。図4は、この光学素子位置検出・制御装置100が搭載された撮像装置の概略構成を示すブロック図である。この撮像装置200は、光学素子位置検出・制御装置100のほか、光学系110と、光学系110により形成された像を取得する撮像素子201と、撮像素子201が取得した像に所定の映像処理を施す映像回路202と、を備えている。
【0033】
図4に示すように、光学素子位置検出・制御装置100を撮像装置200に搭載することで、加速度センサなどを別途撮像装置200内に設けることなく、IRカットフィルタの位置ずれの検出およびその補正を行うことができる。加速度センサを設ける必要がないことは、その分だけ撮像装置200の小型化を図ることができる。また、加速度センサが不要であれば、より製造コストの低減化を図ることができる。なお、光学素子位置検出・制御装置100では電圧検知部104を設けているが、この電圧検知部104は加速度センサと比較して小型であり、しかも安価である。
【0034】
これまでIRカットフィルタの位置ずれを検出する手法を述べてきたが、この発明ではIRカットフィルタに代えてNDフィルタや開口絞り、レンズなどをフィルタ枠14に保持することも可能である。たとえば、NDフィルタをフィルタ枠14の開口部14aに保持することで、IRカットフィルタの場合と同様に、光学系110の光路に対するNDフィルタの挿脱、位置ずれの検出、および位置補正を行うことができる。また、開口絞りの場合は、たとえばフィルタ枠14の開口部14aに大絞り、開口部14bに小絞りを形成することにより、絞りの切り替えとともに、絞りの位置ずれの検出およびその位置補正を行うことができる。さらに、レンズをフィルタ枠14の開口部14aに保持することで、IRカットフィルタの場合と同様に、光学系110の光路に対するレンズの挿脱、位置ずれの検出、および位置補正を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、この発明にかかる光学素子位置検出・制御装置は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなど撮像素子を搭載した撮像装置に有用であり、特に、監視カメラに適している。
【符号の説明】
【0036】
10 IRメータ
11 コイル
12 磁石
12a レバー
13 エンジン部
14 フィルタ枠
14a,14b 開口部
14c 受け部
15 フォルダ
16 IRカットフィルタ
100 光学素子位置検出・制御装置
101 制御部
102 IR動作増幅回路
103 切替回路
104 電圧検知部
110 光学系
200 撮像装置
201 撮像素子
202 映像回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子と、
前記光学素子を保持する枠部材と、
前記枠部材の端部に嵌合されたレバーと連結されている磁石と、前記磁石の近傍に配置されたコイルとを備え、前記コイルに通電して前記磁石を作動させることにより、前記レバーにより前記枠部材を移動させ、前記光学素子を光学系の光路に対して挿脱させる駆動手段と、
前記コイルが無通電状態のとき、前記枠部材の位置のずれを原因とする前記磁石の作動により前記コイルに発生した電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段により検知された電圧に基づき、前記枠部材を所定の位置に移動させるために必要な電流を前記駆動手段に供給する制御手段と、
を備えたことを特徴とする光学素子位置検出・制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記電圧検知手段が検知した電圧の変化の様子および振れ幅から前記枠部材の初期設定位置からの移動した方向および量を判断し、前記枠部材を初期設定位置に復帰させるために必要な電流を前記駆動手段に供給することを特徴とする請求項1に記載の光学素子位置検出・制御装置。
【請求項3】
あらかじめ設定された閾値を超える振れ幅の電圧を前記電圧検知手段が検知した場合に、前記制御手段は前記駆動手段に電流を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子位置検出・制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記電圧検知手段が前記コイルに発生した電圧を所定時間内に続けて検知している間は前記駆動手段に電流を供給せず前記電圧検知手段が最後に電圧を検知してから前記所定時間を経過したとき、前記電圧検知手段が最後に検知した電圧に基づき前記駆動手段に電流を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光学素子位置検出・制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学素子位置検出・制御装置を備えた撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−90119(P2012−90119A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235919(P2010−235919)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】