説明

光学素子加工用工具、光学素子加工用工具の製造方法、及び光学素子の製造方法

【課題】砥石が磨耗しても互いに隣接する砥石間の間隔が変化しない光学素子加工用工具、光学素子加工用工具の製造方法、及び光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】光学素子加工用工具は、光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具1であって、各々が柱状体の少なくとも1つの端面を球面形状に成形した形状をなす複数の砥石11と、複数の砥石11の固定領域12を有する保持部材10とを備え、複数の砥石11は、各砥石11の中心軸が保持部材10の中心軸と平行になるように第1の面15において固定領域12に固定され、第2の面16は、光学素子の加工目標形状に対応する球面形状をなしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ等の光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具、光学素子加工用工具の製造方法、及び光学素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ等の光学素子を研削又は研磨する光学素子加工用工具に、砥粒を固めて円柱形状に成形したペレット状の砥石(ペレット砥石又は砥石ペレットとも呼ばれる)を用いたものがある。例えば、特許文献1には、球面状の砥石貼り付け面に複数の砥石ペレットを貼り付けた加工用皿が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−84820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記加工用皿において、各砥石の中心軸は砥石貼り付け面の球心に向かって配置されている。このため、光学素子の加工を繰り返し行っているうちに砥石が磨耗すると、隣接する砥石同士の間隔が変わってしまう。例えば、砥石貼り付け面が凸面形状である場合、砥石の間隔は徐々に狭くなる。反対に、砥石貼り付け面が凹面形状である場合、砥石の間隔は徐々に広がってくる。このように、砥石が磨耗して隣接する砥石間の間隔が変化すると、光学素子と当接する砥石の研磨面(研削面)のパターンや、研磨面(研削面)のトータルの面積も変化してしまう。
【0005】
一方、従来、光学素子の研削又は研磨工程において所望の加工品質を得るために、砥石の数や配置といった加工条件が経験的に決定されている。このため、上述したように、砥石の研磨面(研削面)のパターンや面積が変化すると、光学素子に対する所望の加工品質を維持できなくなくなってしまう。また、所望の加工品質を確保するために、加工条件の見直しや再設定を随時行うと、生産性の低下を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、砥石が磨耗しても互いに隣接する砥石間の間隔が変化しない光学素子加工用工具、光学素子加工用工具の製造方法、及び光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光学素子加工用工具は、光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具であって、各々が、柱状体の少なくとも1つの端面を球面形状に成形した形状をなす複数の砥石と、前記複数の砥石の固定領域が設けられた保持部材とを備え、前記複数の砥石は、各砥石の中心軸が前記保持部材の中心軸と平行になるように、一方の端面において前記固定領域に固定され、前記各砥石の他方の端面は、前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状をなしていることを特徴とする。
【0008】
上記光学素子加工用工具において、前記固定領域は、前記保持部材の中心軸上に球心を有する球面形状をなすことを特徴とする。
上記光学素子加工用工具において、前記一方の端面は、前記固定領域に対応する球面形状をなすことを特徴とする。
【0009】
上記光学素子加工用工具において、前記固定領域は、前記保持部材の前記中心軸上に球心を有する球面上の領域に設けられた複数の凹部であることを特徴とする。
上記光学素子加工用工具において、前記固定領域は、前記保持部材の前記中心軸を中心とする階段形状の領域であることを特徴とする。
【0010】
上記光学素子加工用工具において、前記固定領域は、1つの平面であることを特徴とする。
上記光学素子加工用工具において、前記一方の端面は、該砥石の中心軸と直交する平面状をなすことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る光学素子加工用工具の製造方法は、光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具の製造方法において、各々が柱状をなす複数の砥石を、該複数の砥石の固定領域が設けられた保持部材に、各砥石の中心軸が前記保持部材の中心軸と平行になるように、前記砥石の高さ方向の一方の端面において固定する砥石固定工程と、前記各砥石の他方の端面を、前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状に成形する砥石成形工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
上記光学素子加工用工具の製造方法は、柱状をなす複数の砥石の一方の底面を、平面状の基材の表面に固定する前固定工程と、前記基材の表面に固定された前記複数の砥石の他方の底面の側を、球面形状をなす前記固定領域の形状と対応する形状に成形する前成形工程とをさらに含み、前記砥石固定工程は、前記前成形工程において成形された前記他方の底面を前記固定領域に固定し、前記砥石成形工程は、前記複数の砥石から前記基材を除去し、前記一方の底面の側を前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状に成形することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る光学素子の製造方法は、光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具であって、各々が柱状体の少なくとも1つの端面を球面形状に成形した形状をなす複数の砥石と、前記複数の砥石の固定領域が設けられた保持部材とを備え、前記複数の砥石が、各砥石の中心軸が前記保持部材の中心軸と平行になるように一方の端面において前記固定領域に固定され、前記各砥石の他方の端面が前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状に成形された光学素子加工用工具のうち、前記各砥石の前記他方の端面を加工対象の光学素子材料に当接させる工程と、前記保持部材の中心軸を回転軸として、前記光学素子加工用工具を前記光学素子材料に対して相対的に回転させることにより、前記光学素子材料を研削又は研磨する加工工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各々が柱状体の少なくとも1つの端面を球面形状に成形した形状をなす複数の砥石を、各砥石の中心軸が保持部材の中心軸と平行になるように保持部材の固定領域に固定するので、砥石が磨耗しても隣接する砥石間の間隔が変化しない光学素子加工用工具、光学素子加工用工具の製造方法、及び光学素子の製造方法を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】図1Aは、本発明の実施の形態1に係る光学素子加工用工具の構造を示す上面図である。
【図1B】図1Bは、図1AのA−A断面図である。
【図2】図2は、図1A及び図1Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を示すフローチャートである。
【図3A】図3Aは、図1A及び図1Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図3B】図3Bは、図1A及び図1Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図3C】図3Cは、図1A及び図1Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図3D】図3Dは、図1A及び図1Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造方法を説明する一部断面図である。
【図5】図5は、実施の形態1の変形例1に係る光学素子加工用工具の構造を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2に係る光学素子加工用工具の構造を示す断面図である。
【図7】図7は、図6に示す光学素子加工用工具の製造方法を示すフローチャートである。
【図8A】図8Aは、図6に示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図8B】図8Bは、図6に示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図9】図9は、実施の形態2の変形例2に係る光学素子加工用工具の構造を示す断面図である。
【図10A】図10Aは、本発明の実施の形態3に係る光学素子加工用工具の構造を示す上面図である。
【図10B】図10Bは、図10AのB−B断面図である。
【図11A】図11Aは、図10A及び図10Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図11B】図11Bは、図10A及び図10Bに示す光学素子加工用工具の製造方法を説明する模式図である。
【図12】図12は、実施の形態3の変形例3に係る光学素子加工用工具の構造を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態4に係る光学素子加工用工具の構造を示す断面図である。
【図14】図14は、実施の形態4の変形例4に係る光学素子加工用工具の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、これら実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。図面は模式的なものであり、各部の寸法の関係や比率は、現実と異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
【0017】
(実施の形態1)
図1Aは、実施の形態1に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)の外観を示す上面図であり、図1Bは、図1AのA−A断面図である。
実施の形態1に係る加工用工具は、光学素子材料の被加工面を球面の一部をなす形状(以下、単に球面形状という)に加工するために用いられる工具である。実施の形態1における加工用工具1は、光学素子材料を凹の球面形状に加工するためのものである。
【0018】
図1A及び図1Bに示すように、加工用工具1は、例えば、銅、真鍮、ステンレス等の金属又は合金からなる保持部材10と、該保持部材10の表面に設けられた固定領域12に固定された複数の砥石11とを備える。
【0019】
固定領域12は、保持部材10の中心軸L1上に球心Oを有する球面形状をなしている。固定領域12の曲率半径R1は、加工対象である光学素子材料の加工目標形状の曲率半径から、砥石11の厚さd1(固定領域12の半径方向における砥石11の厚さ)を引いた値となるように決定されている。
また、保持部材10の固定領域12とは反対の側には、保持部材10を光学素子の加工装置(研磨装置又は研削装置)に取り付けるための回転保持部13が設けられている。
【0020】
各砥石11は、砥粒を固めて円柱形状に成形したペレット状の砥石の両端面を成形したものである。より詳細には、各砥石11は、側面14と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面15、16とを有する。この内、一方の面15は、固定領域12への貼付け面であり、固定領域12に対応する曲率半径R1の凹の球面形状をなしている。また、他方の面16は、光学素子材料の被加工面に当接して光学素子材料を研削又は研磨する面(以下、研削(研磨)面と記す)であり、被加工面の目標形状である凹の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する曲率半径R2の凸の球面形状をなしている。
【0021】
このような砥石11は、自身の中心軸L2が保持部材10の中心軸L1と平行になるように、固定領域12上に配置されている。固定領域12における砥石11の配列や隣接する砥石11間の間隔は特に限定されず、当該加工用工具1を光学素子材料に当接して回転させた際に、研削(研磨)面16が光学素子材料に均一に接触するようにできれば良い。実施の形態1においては、保持部材10を上面から見た場合に、中心軸L1を中心とする同心円状となるように砥石11を並べている。
【0022】
次に、加工用工具1の製造方法について説明する。図2は、加工用工具1の製造方法を示すフローチャートである。また、図3A〜図3Dは、加工用工具1の製造方法を説明する模式図である。
まず、工程S10において、球面形状をなす固定領域12を有する保持部材10を作製する(図1B参照)。なお、回転保持部13は、保持部材10と一体的に形成しても良いし、保持部材10とは別に作製して、後から保持部材10に取り付けても良い。
【0023】
また、工程S11において、図3Aに示すように、複数のペレット状の砥石17の一方の底面17aを、ガラス板等からなる平行平板の貼付けベース18の一方の主面上に、ワックスや接着剤等の固定剤を用いて固定する。この際、複数の砥石17が互いに平行となるように、各砥石17の中心軸L2を貼付けベース18の主面と直交させる。
【0024】
工程S12において、図3Bに示すように、砥石17の他方の底面17bの側を、保持部材10の固定領域12に対応する球面形状に成形する。この際、カーブジェネレータ(CG)加工等によって球面創成を行うと良い。
【0025】
工程S13において、図3Cに示すように、工程S11において成形した砥石17の成形面(面15)を、ワックスや接着剤等の固定部材を用いて保持部材10の固定領域12に固定する。この際、保持部材10の中心軸L1と各砥石17の中心軸L2とが平行となるように、保持部材10の向きを調節する。
【0026】
工程S14において、図3Dに示すように、砥石17から貼付けベース18を除去し、それにより露出した砥石17の底面17aの側を、曲率半径R2の球面形状に成形する。この際、カーブジェネレータ(CG)加工等によって球面創成を行うと良い。また、貼付けベース18の除去と砥石17の球面創成とを同時に行っても良い。
これにより、図1A及び図1Bに示す加工用工具1が完成する。
【0027】
次に、加工用工具1を用いた光学素子の製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、加工用工具1を用いた光学素子の製造方法を説明するための一部断面図である。
まず、図示しない研磨装置又は研削装置に、加工用工具1を中心軸L1に対して回転可能に取り付けると共に、該研磨装置又は研削装置に設けられた治具110に加工対象の光学素子材料100を取り付ける。治具110と光学素子材料100は、加工用工具1の回転に合わせて従属的に回転可能に(回転自在に)なっている。そして、光学素子材料100の被加工面101を加工用工具1の研削(研磨)面16に当接させ、加工用工具1を回転させると共に、光学素子材料100の軸L3を研削(研磨)面16の球心Oを中心として揺動させる。このときの加工用工具1の回転速度、光学素子材料100を揺動させる角度や速度、加工時間等の加工条件は予め設定しておく。このような加工を所定時間行うことにより、被加工面101が研削(研磨)面16に対応する形状に研削又は研磨される。その後、光学素子材料100を治具110から取り外すことにより、被加工面101が所望の球面形状に成形された光学素子が得られる。
【0028】
なお、光学素子の製造方法においては、加工用工具1と光学素子材料100とを相対的に回転させれば良く、加工用工具1を回転自在に支持して光学素子材料100側を回転させても良いし、加工用工具1及び光学素子材料100の両方を反対向きに回転させても良い。また、前者の場合、加工用工具1側を揺動させても良い。
【0029】
以上説明したように、実施の形態1に係る加工用工具1においては、各々が、円柱形状の高さ方向の両端面を中心軸L2を通るように切断して得られる形状をなす複数の砥石11を、保持部材10の中心軸L1と平行となるように固定領域12に固定するので、光学素子の加工を行う間に砥石11が磨耗しても、隣接する砥石11の間隔が変化せず、当初の間隔が維持される。このため、加工用工具1を長期間使用しても、研削(研磨)面16のパターンやトータルの面積が変化することもない。従って、加工条件の見直しや再設定を行うことなく、所望の加工品質を維持しつつ光学素子の製造を安定的に行うことが可能となる。
【0030】
また、実施の形態1においては、加工用工具1を製造する際、平行平板の貼付けベース18に対し、砥石17の中心軸L2を互いに平行になるように配置して一旦固定した上で、砥石17の一方の側の固定領域12に対応する形状に成形する。従って、実施の形態1によれば、球面形状の固定領域12に対し、砥石11の中心軸L2が保持部材10の中心軸L1に対して平行となるように砥石11が配置された加工用工具1を容易に作製することができる。また、実施の形態1によれば、固定領域12における砥石11の配置の自由度を増やすことができる。さらに、実施の形態1によれば、円柱形状をなす砥石を1種類のみ用意すれば良いので、製造工程を簡素化することができる。
【0031】
(変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について説明する。図5は、変形例1に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)の構造を示す断面図である。変形例1に係る加工用工具2は、光学素子材料を凸の球面形状に加工するためのものである。
【0032】
詳細には、変形例1に係る加工用工具2は、保持部材20と、該保持部材20の表面に設けられた凹の球面形状をなす固定領域22に固定された複数の砥石21とを備える。また、保持部材20の固定領域22とは反対の側には、加工用工具2を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部23が設けられている。
【0033】
各砥石21は、ペレット状の砥石の両端面を成形したものである。より詳細には、砥石21は、側面24と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面25、26とを有する。この内の一方の面25が、固定領域22への貼付け面であり、固定領域22に対応する曲率半径の凸の球面形状をなしている。また、他方の面26は、光学素子材料の被加工面と当接する研削(研磨)面であり、被加工面の目標形状である凸の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する凹の球面形状をなしている。
なお、加工用工具2の製造方法については、実施の形態1と同様である。
【0034】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図6は、実施の形態2に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)を示す断面図である。なお、実施の形態2に係る加工用工具の上面図については、図1Aに示すものと共通である。
実施の形態2に係る加工用工具は、光学素子材料の被加工面を凹の球面形状に加工するためのものである。
【0035】
図6に示すように、実施の形態2に係る加工用工具3は、保持部材30と、該保持部材30の表面30aに設けられた複数の凹部32にそれぞれ嵌め込まれて固定された複数の砥石31とを備える。なお、保持部材30及び砥石31の材料は、実施の形態1で説明したものと同様である。
【0036】
保持部材30の表面30aは、保持部材30の中心軸L1上に球心Oを有する凸の球面形状をなしている。この表面30aの曲率半径R1は、好ましくは、加工対象である光学素子材料の加工目標形状の曲率半径R2から、砥石31の高さd2(表面30aの半径方向において表面30aから突出した部分の高さ)を引いた値となるように決定される。
【0037】
各凹部32は、砥石31の固定領域であり、中心軸L1と平行な中心軸L2を有する円柱形状をなす。また、各凹部32の底面32aは、中心軸L2と直交する平面となっている。各凹部32の径は、砥石31が挿入可能となるように、砥石31の径D以上のサイズに決定される。このような凹部32は、保持部材30の球面形状の表面30aに対するざぐり加工により形成される。凹部32のざぐり量(ざぐる深さ)は、表面30aにおける位置に応じて決定される。具体的には、中心軸L1付近の凹部32に比べて、凹部32の位置が中心軸L1からはなれるほどざぐり量が多くなる。
さらに、保持部材30の表面30aとは反対の側には、加工用工具3を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部33が設けられている。
【0038】
各砥石31は、ペレット状の砥石の一方の端面を成形したものである。より詳細には、砥石31は、側面34と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面35、36とを有する。この内、円柱の底面(即ち、中心軸L2と直交する平面)35が、凹部32の底面32aへの貼付け面である。また、もう一方の面36は、光学素子材料の被加工面に当接する研削(研磨)面であり、被加工面の目標形状である凹の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する曲率半径R2の凸の球面形状をなしている。
【0039】
なお、表面30aにおける凹部32の配置や隣接する凹部32の間隔は特に限定されず、加工用工具3を光学素子材料に当接して回転させた際に、面36が光学素子材料に均一に接触するようにできれば良い。
【0040】
次に、加工用工具3の製造方法について説明する。図7は、加工用工具3の製造方法を示すフローチャートである。また、図8A及び図8Bは、加工用工具3の製造方法を説明する模式図である。
【0041】
まず、工程S30において、図8Aに示すように、球面形状の表面30aを有する金属又は合金部材に複数の凹部32が設けられた保持部材30を作製する。なお、凹部32を形成する際には、表面30aから中心軸L1と平行な方向に金属又は合金部材をざぐるようにする。なお、回転保持部33は、保持部材30本体と一体的に形成しても良いし、保持部材30とは別に作製して、後から保持部材30に取り付けても良い。
【0042】
続く工程S31において、ペレット状の砥石37を各凹部32に挿入し、ワックスや接着剤等の固定剤を用いて固定する。この際、砥石37及び凹部32の中心軸L2が互いに平行となるように、両者の底面同士(底面37a、底面32a)を偏りなく合わせる。なお、砥石37の高さは全て均一にしておいても良いし、図8Bに示すように、凹部32の深さや研削(研磨)面36の曲率半径R2に応じて砥石37の高さを予め調節しておいても良い。
【0043】
さらに、工程S32において、表面30aから突出した側の砥石37の端部を、曲率半径R2の球面形状に成形する。この際、カーブジェネレータ(CG)加工等によって球面創成を行うと良い。
これにより、図6に示す加工用工具3が完成する。
なお、加工用工具3を用いた光学素子の製造方法については、実施の形態1と同様である。
【0044】
以上説明したように、実施の形態2によれば、保持部材30に設けられた凹部32に砥石37を配置して加工用工具3を製造するので、同じ形状の加工用工具3を繰り返し、容易に製造することができる。また、実施の形態2によれば、工程S31において各凹部32に配置する砥石37の高さを予め調節しておくことにより、砥石37の使用量を低減することができる。さらに、これにより、工程S32における砥石37の加工量(球面創成における研削量)も低減できるので、加工時間の短縮及び材料歩留まりの向上を図ることが可能となり、加工用工具3を安価に製造することが可能となる。
【0045】
なお、実施の形態2においては、1つの砥石31を1つの凹部32に配置したが、複数の砥石31を配置可能な凹部を固定領域として設けても良い。例えば、表面30aに同心円となる複数の円環形状の凹部を設け、各凹部に対して複数の砥石31を配置しても良い。
【0046】
(変形例2)
次に、実施の形態2の変形例2について説明する。図9は、変形例2に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)の構造を示す断面図である。変形例2に係る加工用工具は、光学素子材料を凸の球面形状に加工するためのものである。
【0047】
詳細には、変形例2に係る加工用工具4は、保持部材40と、該保持部材40の表面40aに設けられた複数の凹部42にそれぞれ固定された複数の砥石41とを備える。各凹部42は、砥石41の固定領域であり、中心軸L1と平行な中心軸L2を有する円柱形状をなす。また、各凹部42の底面42aは、中心軸L2と直交する平面となっている。さらに、保持部材40の表面40aとは反対の側には、加工用工具4を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部43が設けられている。
【0048】
各砥石41は、ペレット状の砥石の一方の端面を成形したものである。より詳細には、砥石41は、側面44と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面45、46とを有する。この内、円柱の底面(即ち、中心軸L2と直交する平面)45が、凹部42の底面42aへの貼付け面となっている。また、もう一方の面46は、光学素子材料の被加工面に当接する研削(研磨)面であり、被加工面の目標形状である凸の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する凹の球面形状をなしている。
なお、加工用工具4の製造方法については、実施の形態2と同様である。
【0049】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図10Aは、実施の形態3に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)を示す上面図である。また、図10Bは、図10AのB−B断面図である。
実施の形態3に係る加工用工具は、光学素子材料の被加工面を凹の球面形状に加工するためのものである。
【0050】
図10A及び図10Bに示すように、実施の形態3に係る加工用工具5は、保持部材50と、該保持部材50に設けられた固定領域52に固定された複数の砥石51とを備える。なお、保持部材50及び砥石51の材料は、実施の形態1で説明したものと同様である。
【0051】
固定領域52は、保持部材50の中心軸L1を中心とする同心円をなす階段状に設けられ、中心軸L1と直交する平面領域である。実施の形態3において、固定領域52は、光学素子材料の加工目標形状に対応して、中心部が凸の階段状となっている。
さらに、保持部材50の固定領域52とは反対の側には、加工用工具5を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部53が設けられている。
【0052】
各砥石51は、ペレット状の砥石の一方の端面を成形したものである。より詳細には、砥石51は、側面54と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面55、56とを有する。この内、円柱の底面(即ち、中心軸L2と直交する平面)55が、固定領域52への貼付け面である。また、もう一方の面56は、光学素子材料の被加工面に当接する研削(研磨)面であり、被加工面の目標形状である凹の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する曲率半径R2の凸の球面形状をなしている。
【0053】
次に、加工用工具3の製造方法について説明する。図11A及び図11Bは、加工用工具5の製造方法を説明する模式図である。なお、加工用工具5の製造方法の全体的な流れは、図7に示すものと同様である。
【0054】
まず、工程S30において、図11Aに示すように、金属又は合金部材の表面を掘削して同心円の階段状の固定領域52を形成することにより、保持部材50を作製する。固定領域52の各段の高さは特に限定されないが、研削(研磨)面56の曲率を考慮して段差を決定するとより好ましい。また、固定領域52の各段の幅は、砥石51の径D以上であれば特に限定されない。
なお、回転保持部53は、保持部材50本体と一体的に形成しても良いし、保持部材50とは別に作製して、後から保持部材50に取り付けても良い。
【0055】
続く工程S31において、ペレット状の砥石57を、ワックスや接着剤等の固定剤を用いて固定領域52に固定する。この際、砥石57の中心軸L2を保持部材50の中心軸L1に対して平行にするため、砥石57の底面57aを固定領域52に対して偏りなく合わせる。なお、砥石57の高さは全て均一にしておいても良いし、図11Bに示すように、固定領域52の段差hや研削(研磨)面56の曲率半径R2に応じて砥石57の高さを予め調節しておいても良い。
【0056】
さらに、工程S32において、固定領域52に固定した側とは反対側の砥石57の端部(図11Bにおいては上端側)を、曲率半径R2の球面形状に成形する。この際、カーブジェネレータ(CG)加工等によって球面創成を行うと良い。
これにより、図10A及び図10Bに示す加工用工具5が完成する。
なお、加工用工具3を用いた光学素子の製造方法については、実施の形態1と同様である。
【0057】
以上説明したように、実施の形態3によれば、保持部材50に設けられた階段形状の固定領域52に砥石57を配置して加工用工具5を製造するので、同じ形状の加工用工具5を繰り返し、容易に製造することができる。また、実施の形態3によれば、工程S31において固定領域52の各段に配置する砥石57の高さを予め調節しておくことにより、砥石の使用量を低減することが可能となる。さらに、これにより、工程S32における砥石57の加工量(球面創成における研削量)も低減できるので、加工時間の短縮及び材料歩留まりの向上を図ることが可能となり、加工用工具5を安価に製造することが可能となる。
【0058】
なお、実施の形態3においては、固定領域52の各段を同心円状としたが、中心部から周縁部に向かって低くなる階段状の領域を設けることができれば、同心円状でなくても良い。
【0059】
(変形例3)
次に、実施の形態3の変形例3について説明する。図12は、変形例3に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)の構造を示す断面図である。変形例3に係る加工用工具は、光学素子材料を凸の球面形状に加工するためのものである。
【0060】
詳細には、変形例3に係る加工用工具6は、保持部材60と、該保持部材60に設けられた固定領域62に固定された複数の砥石61とを備える。固定領域62は、保持部材60の中心軸L1を中心とする同心円をなす階段状に設けられ、中心軸L1と直交する平面領域である。変形例3において、固定領域62は、光学素子材料の加工目標形状に対応して、中心部が凹の階段状となっている。また、保持部材60の固定領域62とは反対の側には、加工用工具6を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部63が設けられている。
【0061】
各砥石61は、ペレット状の砥石の一方の端面を成形したものである。より詳細には、砥石61は、側面64と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面65、66とを有する。この内、円柱の底面(即ち、中心軸L2と直交する平面)65が、固定領域62への貼付け面となっている。また、もう一方の面66は、光学素子材料の被加工面に当接する研削(研磨)面であり、中心軸L1上に球心Oを有する凹の球面形状をなしている。
なお、加工用工具6の製造方法については、実施の形態3と同様である。
【0062】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図13は、実施の形態4に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)を示す断面図である。なお、実施の形態4に係る加工用工具の上面図については、図1Aに示すものと共通である。
実施の形態4に係る加工用工具は、光学素子材料の被加工面を凹の球面形状に加工するためのものである。
【0063】
図13に示すように、実施の形態4に係る加工用工具7は、保持部材70と、該保持部材70に設けられた固定領域72に固定された複数の砥石71とを備える。なお、保持部材70及び砥石71の材料は、実施の形態1で説明したものと同様である。
【0064】
保持部材70は、平行平板状の部材であり、一方の主面が砥石71の固定領域72となっている。また、固定領域72とは反対側の主面には、加工用工具7を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部73が設けられている。
【0065】
各砥石71は、ペレット状の砥石の一方の端面を成形したものである。より詳細には、砥石71は、側面74と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面75、76とを有する。この内、円柱の底面(即ち、中心軸L2と直交する平面)75が、固定領域72への貼付け面となっている。また、もう一方の面76は、光学素子材料の被加工面に当接する研削(研磨)面であり、被加工面の目標形状である凹の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する凸の球面形状をなしている。
【0066】
このような加工用工具7は、次のようにして製造される。
まず、ペレット状の砥石を、平行平板状の保持部材70の一方の主面(固定領域72)に、ワックスや接着剤等の固定剤を用いて所望の配列で固定する。なお、この際、砥石の高さは全て均一にしておいても良いし、研削(研磨)面76の曲率半径に応じて砥石の高さを予め調節しておいても良い。なお、回転保持部73については、いずれのタイミングで保持部材70に取り付けても良い。
【0067】
次いで、固定領域72に固定した側とは反対側の砥石の端部を、カーブジェネレータ(CG)加工等により、光学素子材料の加工目標形状に対応する球面形状に成形する。これにより、図13に示す加工用工具7が完成する。
なお、加工用工具7を用いた光学素子の製造方法については、実施の形態1と同様である。
【0068】
(変形例4)
次に、実施の形態4の変形例4について説明する。図14は、変形例4に係る光学素子加工用工具(以下、単に加工用工具ともいう)の構造を示す断面図である。変形例4に係る加工用工具は、光学素子材料を凸の球面形状に加工するためのものである。
【0069】
詳細には、変形例4に係る加工用工具8は、保持部材80と、該保持部材80に設けられた固定領域82に固定された複数の砥石81とを備える。保持部材80は、平行平板状の部材であり、一方の主面が砥石81の固定領域82となっている。また、固定領域82とは反対側の主面には、加工用工具8を光学素子の加工装置に取り付けるための回転保持部83が設けられている。
【0070】
各砥石81は、ペレット状の砥石の一方の端面を成形したものである。より詳細には、砥石81は、側面84と、中心軸L2を通る互いに対向する2つの面85、86とを有する。この内、円柱の底面(即ち、中心軸L2と直交する平面)85が、固定領域82への貼付け面である。また、もう一方の面86は、光学素子材料の被加工面に当接する研削(研磨)面であり、被加工面の目標形状である凸の球面形状に対応して、中心軸L1上に球心Oを有する凹の球面形状をなしている。
なお、加工用工具8の製造方法については、実施の形態4と同様である。
【0071】
なお、以上説明した実施の形態1〜4及びこれらの変形例においては、円柱形状をなすペレット状の砥石の一方の端面又は両端面を成形することにより各砥石を作製したが、四角柱、楕円柱等、円柱以外の柱状体の砥石部材から、各砥石を作製しても良い。
【符号の説明】
【0072】
1〜8 光学素子加工用工具(加工用工具)
10、20、30、40、50、60、70、80 保持部材
11、21、31、41、51、61、71、81 砥石
12、22、52、62、72、82 固定領域
13、23、33、43、53、63、73、83 回転保持部
14、24、34、44、54、64、74、84 側面
15、25、35、45、55、65、75、85 面(貼付け面)
16、26、36、46、56、66、76、86 面(研削(研磨)面)
17、37、57 砥石
17a 底面
18 貼付けベース
30a、40a 表面
32、42 凹部(固定領域)
32a、37a、42a、57a 底面
100 光学素子材料
101 被加工面
110 治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具であって、
各々が、柱状体の少なくとも1つの端面を球面形状に成形した形状をなす複数の砥石と、
前記複数の砥石の固定領域が設けられた保持部材と、
を備え、
前記複数の砥石は、各砥石の中心軸が前記保持部材の中心軸と平行になるように、一方の端面において前記固定領域に固定され、
前記各砥石の他方の端面は、前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状をなしていることを特徴とする光学素子加工用工具。
【請求項2】
前記固定領域は、前記保持部材の中心軸上に球心を有する球面形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の光学素子加工用工具。
【請求項3】
前記一方の端面は、前記固定領域に対応する球面形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の光学素子加工用工具。
【請求項4】
前記固定領域は、前記保持部材の前記中心軸上に球心を有する球面上の領域に設けられた複数の凹部であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子加工用工具。
【請求項5】
前記固定領域は、前記保持部材の前記中心軸を中心とする階段形状の領域であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子加工用工具。
【請求項6】
前記固定領域は、1つの平面であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子加工用工具。
【請求項7】
前記一方の端面は、該砥石の中心軸と直交する平面状をなすことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学素子加工用工具。
【請求項8】
光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具の製造方法において、
各々が柱状をなす複数の砥石を、該複数の砥石の固定領域が設けられた保持部材に、各砥石の中心軸が前記保持部材の中心軸と平行になるように、前記砥石の高さ方向の一方の端面において固定する砥石固定工程と、
前記各砥石の他方の端面を、前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状に成形する砥石成形工程と、
を含むことを特徴とする光学素子加工用工具の製造方法。
【請求項9】
柱状をなす複数の砥石の一方の底面を、平面状の基材の表面に固定する前固定工程と、
前記基材の表面に固定された前記複数の砥石の他方の底面の側を、球面形状をなす前記固定領域の形状と対応する形状に成形する前成形工程と、
をさらに含み、
前記砥石固定工程は、前記前成形工程において成形された前記他方の底面を前記固定領域に固定し、
前記砥石成形工程は、前記複数の砥石から前記基材を除去し、前記一方の底面の側を前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状に成形することを特徴とする請求項8に記載の光学素子加工用工具の製造方法。
【請求項10】
光学素子の研削又は研磨用の光学素子加工用工具であって、各々が柱状体の少なくとも1つの端面を球面形状に成形した形状をなす複数の砥石と、前記複数の砥石の固定領域が設けられた保持部材とを備え、前記複数の砥石が、各砥石の中心軸が前記保持部材の中心軸と平行になるように一方の端面において前記固定領域に固定され、前記各砥石の他方の端面が前記光学素子の加工目標形状に対応する球面形状に成形された光学素子加工用工具のうち、前記各砥石の前記他方の端面を加工対象の光学素子材料に当接させる工程と、
前記保持部材の中心軸を回転軸として、前記光学素子加工用工具を前記光学素子材料に対して相対的に回転させることにより、前記光学素子材料を研削又は研磨する加工工程と、
を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−111688(P2013−111688A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259156(P2011−259156)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】