光学絞り装置、プロジェクタ、補正パラメータ校正装置、および補正パラメータ校正方法
【課題】構造の簡素化が図れるとともに、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる光学絞り装置を提供する。
【解決手段】光学絞り装置5は、移動自在に構成され、移動することで光束を通過可能とする開口面積を変更して光束の光量を調整する遮光羽根52と、電流が通流される電磁コイル581および磁束を発生させ電磁コイル581に通流される電流と磁束との相互作用による電磁力によって電磁コイル581に対して移動し、遮光羽根52に接続して遮光羽根52を移動させる永久磁石582を有する電磁アクチュエータ58と、永久磁石の磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、および所定の補正パラメータを取得し補正パラメータに基づいて磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部を有する位置センサ59とを備える。
【解決手段】光学絞り装置5は、移動自在に構成され、移動することで光束を通過可能とする開口面積を変更して光束の光量を調整する遮光羽根52と、電流が通流される電磁コイル581および磁束を発生させ電磁コイル581に通流される電流と磁束との相互作用による電磁力によって電磁コイル581に対して移動し、遮光羽根52に接続して遮光羽根52を移動させる永久磁石582を有する電磁アクチュエータ58と、永久磁石の磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、および所定の補正パラメータを取得し補正パラメータに基づいて磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部を有する位置センサ59とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学絞り装置、プロジェクタ、補正パラメータ校正装置、および補正パラメータ校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置と、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタにおいて、投影画像のコントラスト向上等を目的として、光源装置から射出され光変調装置に入射する光束の光量を調整するために、光源装置から射出された光束を部分的に遮蔽する開閉遮光部材(光学絞り装置)を備えたプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学絞り装置は、回動自在に構成される一対の矩形板状の遮光板(遮光羽根)を有する。そして、光学絞り装置は、パルスモータ等の駆動装置により遮光羽根を所望の位置に精度良く移動させることで、光源装置から射出された光束を段階的に遮蔽する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−264819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光学絞り装置では、駆動装置としてパルスモータ等を用いているので、駆動装置自体の大きさで光学絞り装置の小型化が阻害されてしまう。また、駆動装置の駆動時における振動により安定した駆動を実現できない。
このため、光学絞り装置の構造を簡素化させ、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる技術が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、構造の簡素化が図れるとともに、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる光学絞り装置、プロジェクタ、補正パラメータ校正装置、および補正パラメータ校正方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学絞り装置は、入射した光束の光量を調整する光学絞り装置であって、移動自在に構成され、移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し、前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、および所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部を有する位置検出部とを備えていることを特徴とする。
本発明では、光学絞り装置は、遮光羽根を移動させる駆動装置として電磁アクチュエータを備えている。そして、電磁アクチュエータとしては、以下の特徴がある。
すなわち、低電圧駆動が可能となり、光学絞り装置の低消費電力化を図れる。
また、比較的に小さい大きさの領域で比較的に大きい力を出せ、遮光羽根を円滑に移動させることができる。
さらに、高湿度等の悪い環境下でも使用でき、光学絞り装置の長寿命化を図れる。
さらにまた、駆動応答特性が良好であり、遮光羽根を高速応答させて円滑に回動させることができる。
したがって、駆動装置として電磁アクチュエータを用いることで、従来のように駆動装置としてパルスモータ等を用いる構成と比較して、永久磁石およびコイル等の簡素な構造で駆動装置を構成でき、光学絞り装置の構造の簡素化および小型化が可能となる。また、従来の構成と比較して、駆動時における振動を低減させることができ、光学絞り装置の安定した駆動を実現できる。
【0007】
ところで、上述した光学絞り装置を駆動制御する制御装置としては、以下に示す処理構造を採用することで、処理負荷を軽減させた制御装置を構成できる。
すなわち、制御装置は、位置検出部(磁気素子)からの出力値(電圧値)に基づいて、電磁アクチュエータを駆動制御する。より具体的には、制御装置は、メモリ等に記憶された開口面積と設計上の設計電圧値とが関連付けられた開口面積−電圧値関連情報に基づいて、所定の開口面積となる位置に遮光羽根を位置付ける際、前記所定の開口面積に関連づけられた設計電圧値を認識する。そして、制御装置は、認識した設計電圧値に位置検出部からの出力値が略同一となるように、電磁アクチュエータを駆動制御し、永久磁石を所定位置に位置付ける。すなわち、永久磁石を前記所定位置に位置付けることで、遮光羽根を移動させ前記所定の開口面積となる位置に位置付ける。
しかしながら、光学絞り装置に製造誤差、例えば、永久磁石の実装位置の製造誤差、永久磁石の着磁位置の製造誤差、位置検出部の実装位置の製造誤差等が生じている場合には、以下の問題がある。
すなわち、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合であっても、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値とは異なる出力値が位置検出部から出力される。このため、上述したように、制御装置が所定の開口面積に対応した設計電圧値に位置検出部からの出力値が略同一となるように電磁アクチュエータを駆動制御した場合には、前記所定の面積に対応した位置に永久磁石を位置付けることができない。すなわち、遮光羽根を前記所定の開口面積となる位置に位置付けることができない。
【0008】
本実施形態では、位置検出部は、磁気素子および出力特性補正部を備えている。このことにより、補正パラメータを最適な補正パラメータに校正すれば、出力特性補正部が校正された補正パラメータに基づいて磁気素子の出力特性を補正するので、光学絞り装置に上述した製造誤差が生じている場合であっても、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値を位置検出部(磁気素子)から出力させることができる。このため、上述したように、制御装置が所定の開口面積に対応した設計電圧値に位置検出部からの出力値が略同一となるように電磁アクチュエータを駆動制御した場合に、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けることができ、遮光羽根を前記所定の開口面積となる位置に高精度に位置付けることができる。したがって、光学絞り装置を駆動制御する制御装置の処理負荷を低減させつつ、前記制御装置を用いて遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0009】
本発明の光学絞り装置では、前記補正パラメータは、前記開口面積が所定の開口面積となる規定位置に前記永久磁石が位置している状態で前記磁気素子が所定の規定電圧値を出力するように前記規定電圧値に対する前記永久磁石の位置をオフセットして出力特性を補正するためのオフセット補正パラメータであることが好ましい。
本発明によれば、補正パラメータがオフセット補正パラメータであるので、出力特性補正部がオフセット補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性の補正(オフセット補正)を実施することで、規定電圧値(例えば、オフセット電圧値)に対する永久磁石の位置をオフセットさせて、所定の開口面積となる規定位置に永久磁石が位置している状態で磁気素子に規定電圧値を出力させることができる。したがって、このように、オフセット補正パラメータを用いたオフセット補正を可能とする構成とすることで、磁気素子の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
【0010】
本発明の光学絞り装置では、前記補正パラメータは、前記開口面積が最小開口面積となる第1の位置から前記開口面積が最大開口面積となる第2の位置の範囲に前記永久磁石が位置付けられている際に、前記磁気素子が前記永久磁石における前記範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値を出力するように出力特性を補正するためのゲイン補正パラメータであることが好ましい。
本発明によれば、補正パラメータがゲイン補正パラメータであるので、出力特性補正部がゲイン補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性の補正(ゲイン補正)を実施することで、開口面積が最小開口面積となる第1の位置から開口面積が最大開口面積となる第2の位置の範囲に永久磁石が位置付けられている状態で永久磁石における範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値を磁気素子に出力させることができる。したがって、このように、ゲイン補正パラメータを用いたゲイン補正を可能とする構成とすることで、磁気素子の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
また、ゲイン補正により、磁気素子が出力する電圧値を全ての範囲(第1の位置から第2の位置)に亘って、各設計電圧値に補正することができるので、遮光羽根をより高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0011】
本発明の光学絞り装置では、前記位置検出部は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することが好ましい。
本発明によれば、位置検出部に設けられた補正パラメータ記憶部は、補正パラメータを書き換え可能に記憶するので、補正パラメータを適宜、校正して最適な補正パラメータに更新できる。したがって、出力特性補正部が更新された最適な補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性を補正することで、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値を磁気素子から出力させることができる。
【0012】
本発明のプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する、上述した光学絞り装置と、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御する制御装置とを備えていることを特徴とする。
ここで、制御装置としては、上述した処理負荷を軽減させた制御装置の構造を採用できる。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学絞り装置を備えているので、上述した光学絞り装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、光学絞り装置により光源から光変調装置に照射される光束の光量を調整することができるので、例えば、制御装置が画像の輝度に応じて光学絞り装置を制御して全体的に暗い場面の場合には光量を低減し、全体的に明るい場面の場合には光量を増加させることで、高コントラスト比の投影画像を実現できる。
さらに、構造の簡素化および小型化が可能な光学絞り装置を備えているので、プロジェクタ内部において、近接配置された光学部品間に光学絞り装置を容易に配設することができ、プロジェクタのレイアウトの自由度を向上できる。
さらにまた、駆動時において振動を抑制し安定した駆動を実現できる光学絞り装置を備えているので、振動により投影画像に与える影響を抑制し、投影画像を良好に維持できる。
また、制御装置の処理負荷を低減させつつ、制御装置を用いて遮光羽根を高精度に移動させることができるので、光源装置から光変調装置に照射される光束の光量を高精度に調整でき、投影画像の画像品質を向上させることが可能となる。
【0013】
本発明のプロジェクタでは、前記制御装置は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することが好ましい。
本発明によれば、制御装置に設けられた補正パラメータ記憶部は、補正パラメータを書き換え可能に記憶するので、補正パラメータを適宜、校正して最適な補正パラメータに更新できる。したがって、出力特性補正部が更新された最適な補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性を補正することで、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値を磁気素子から出力させることができる。
【0014】
本発明の補正パラメータ校正装置は、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、当該補正パラメータ校正装置は、前記プロジェクタ側制御装置に所定の制御指令を出力して前記プロジェクタを駆動制御する校正側制御装置と、前記プロジェクタから拡大投射された光学像の光量を検出して前記光量に関する検出光量情報を出力する光束検出装置とを備え、前記校正側制御装置は、基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の補正パラメータ校正装置は、上述したプロジェクタに用いられる補正パラメータ校正装置であるので、上述したプロジェクタと同様の作用・効果を享受できる。
また、補正パラメータ校正装置は、校正側制御装置と、光束検出装置とを備えているので、プロジェクタを組み立てた状態で、例えば、以下に示すように、補正パラメータを校正できる。
先ず、校正側制御装置の光源駆動制御部は、プロジェクタ側制御装置に光源装置を駆動制御させ、光源装置から光束を射出させる(光束射出ステップ)。
次に、校正側制御装置の絞り駆動制御部は、プロジェクタ側制御装置に電磁アクチュエータを駆動制御させ、位置検出部(磁気素子)から出力値情報記憶部に記憶された基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付ける(永久磁石位置決めステップ)。
次に、校正側制御装置は、プロジェクタから拡大投射される光学像の光量を光束検出装置に検出させる(光束検出ステップ)。
次に、校正側制御装置のパラメータ更新部は、光束検出装置にて検出された検出光量が光量情報記憶部に記憶された基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する(パラメータ更新ステップ)。
【0016】
例えば、上述したように光学絞り装置に製造誤差が生じている場合には、永久磁石位置決めステップにてプロジェクタ側制御装置が位置検出部から所定の開口面積に対応した基準出力値(設計電圧値)が出力される基準位置に永久磁石を位置付けた場合であっても、遮光羽根は、前記所定の開口面積となる位置に位置付けられていない。すなわち、光束検出ステップにて検出された検出光量は、前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一ではない。そこで、パラメータ更新ステップにて補正パラメータを更新することで、出力特性補正部により磁気素子の出力特性が補正され、磁気素子から出力される出力値が変更される。また、プロジェクタ側制御装置は、位置検出部から前記所定の開口面積に対応した基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付けるように制御することで、永久磁石の位置が変更され、遮光羽根による開口面積が変更される。そして、パラメータ更新ステップにて、検出光量が前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一となるように補正パラメータを更新することで、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した基準出力値を位置検出部から出力させることができる。
以上のように、補正パラメータ校正装置は、プロジェクタを組み立てた状態で、光源装置から射出され光学絞り装置および光変調装置を介し投射光学装置にて拡大投射される光学像の光量、すなわち、実際に光学絞り装置が光量調整する光束に基づいて、補正パラメータを更新するので、光源装置から光変調装置に照射される光束の光量をより高精度に調整でき、投影画像の画像品質をより向上させることが可能となる。
【0017】
本発明の補正パラメータ校正装置は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に向けて光束を射出する補正用光源装置と、前記補正用光源装置から射出され前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出装置と、前記補正用光源装置および前記電磁アクチュエータを駆動制御する校正側制御装置とを備え、前記校正側制御装置は、基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、前記補正用光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、前記位置検出部から出力される出力値に基づいて前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明の補正パラメータ校正装置は、上述した光学絞り装置に用いられる補正パラメータ校正装置であるので、上述した光学絞り装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、補正パラメータ校正装置は、補正用光源装置と、光束検出装置と、校正側制御装置とを備えているので、光学絞り装置を組み立てた状態で、例えば、以下に示すように、補正パラメータを校正できる。
先ず、校正側制御装置の光源駆動制御部は、補正用光源装置から光学絞り装置に向けて光束を射出させる(光束射出ステップ)。
次に、校正側制御装置の絞り駆動制御部は、電磁アクチュエータを駆動制御し、位置検出部(磁気素子)から出力値情報記憶部に記憶された基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付ける(永久磁石位置決めステップ)。
次に、校正側制御装置は、補正用光源装置から射出され光学絞り装置を介した光束の光量を光束検出装置に検出させる(光束検出ステップ)。
次に、校正側制御装置のパラメータ更新部は、光束検出装置にて検出された検出光量が光量情報記憶部に記憶された基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する(パラメータ更新ステップ)。
【0019】
例えば、上述したように光学絞り装置に製造誤差が生じている場合には、永久磁石位置決めステップにて絞り駆動制御部が位置検出部から所定の開口面積に対応した基準出力値(設計電圧値)が出力される基準位置に永久磁石を位置付けた場合であっても、遮光羽根は、前記所定の開口面積となる位置に位置付けられていない。すなわち、光束検出ステップにて検出された検出光量は、前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一ではない。そこで、パラメータ更新ステップにて補正パラメータを更新することで、出力特性補正部により磁気素子の出力特性が補正され、磁気素子から出力される出力値が変更される。また、絞り駆動制御部は、位置検出部から前記所定の開口面積に対応した基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付けるように制御することで、永久磁石の位置が変更され、遮光羽根による開口面積が変更される。そして、パラメータ更新ステップにて、検出光量が前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一となるように補正パラメータを更新することで、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した基準出力値を位置検出部から出力させることができる。
以上のように、補正パラメータ校正装置は、光学絞り装置を組み立てた状態で、補正用光源装置から射出され光学絞り装置を介した光束の光量に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ等の光学機器に光学絞り装置を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置単体と補正パラメータ校正装置とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。
【0020】
本発明の補正パラメータ校正装置では、前記補正用光源装置は、固体発光素子で構成されていることが好ましい。
本発明によれば、補正用光源装置が固体発光素子で構成されているので、例えば、補正用光源装置として放電発光型の光源ランプを採用した構成と比較して、補正パラメータ校正装置の小型・軽量化が図れる。また、補正用光源装置から安定した輝度の光束を射出させることができるので、安定した輝度の光束の光量に基づいて補正パラメータを更新することで、補正パラメータを高精度に校正できる。
【0021】
本発明の補正パラメータ校正装置は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に機械的に接続し駆動することで前記遮光羽根を所定位置に位置付ける機械式絞り駆動装置と、前記機械式絞り駆動装置を駆動制御する校正側制御装置とを備え、前記校正側制御装置は、基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記機械式絞り駆動装置を駆動させ、前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける機械式絞り駆動制御部と、前記位置検出部から出力される出力値が前記基準出力値情報に基づく基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明の補正パラメータ校正装置は、上述した光学絞り装置に用いられる補正パラメータ校正装置であるので、上述した光学絞り装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、補正パラメータ校正装置は、機械式絞り駆動装置と、校正側制御装置とを備えているので、光学絞り装置を組み立てた状態で、例えば、以下に示すように、補正パラメータを校正できる。
先ず、校正側制御装置の機械式絞り駆動制御部は、機械式絞り駆動装置を駆動させ、遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける(遮光羽根位置決めステップ)。
次に、校正側制御装置のパラメータ更新部は、位置検出部から出力される出力値が出力値情報記憶部に記憶された基準出力値情報に基づく基準出力値に略同一となるように、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する(パラメータ更新ステップ)。
【0023】
例えば、上述したように光学絞り装置に製造誤差が生じている場合には、遮光羽根位置決めステップにて機械式絞り駆動制御部が遮光羽根を所定の開口面積に対応した基準位置に位置付けた場合であっても、位置検出部から前記所定の開口面積に対応した基準出力値(設計電圧値)とは異なる出力値が出力される。そこで、パラメータ更新ステップにおいて、磁気素子から基準出力値が出力されるように出力特性を補正するための補正パラメータに更新する。
以上のように、補正パラメータ校正装置は、光学絞り装置を組み立てた状態で、機械式絞り駆動装置を用いて遮光羽根を所定の基準位置に位置付け、位置検出部から出力される出力値に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ等の光学機器に光学絞り装置を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置単体と補正パラメータ校正装置とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。また、光学絞り装置に光束を射出し光学絞り装置を介した光束に基づいて補正パラメータを更新する構成と比較して、作業環境に依存せずに、補正パラメータを良好に校正できる。
【0024】
本発明の補正パラメータ校正方法は、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に設けられ、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、前記補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、当該補正パラメータ校正方法は、前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光束射出ステップと、前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、前記プロジェクタから拡大投射される光学像の光量を検出する光束検出ステップと、前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の補正パラメータ校正方法は、上述した補正パラメータ校正装置によって実施されるものであるので、上述した補正パラメータ校正装置と同様の作用・効果を享受できる。
【0025】
本発明の補正パラメータ校正方法は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正方法は、前記光学絞り装置に向けて光束を射出する光束射出ステップと、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出ステップと、前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の補正パラメータ校正方法は、上述した補正パラメータ校正装置によって実施されるものであるので、上述した補正パラメータ校正装置と同様の作用・効果を享受できる。
【0026】
本発明の補正パラメータ校正方法は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正方法は、前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける遮光羽根位置決めステップと、前記位置検出部から出力される出力値が基準となる基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の補正パラメータ校正方法は、上述した補正パラメータ校正装置によって実施されるものであるので、上述した補正パラメータ校正装置と同様の作用・効果を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4と、制御装置6(図7参照)等を備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、および制御装置6等が配置されるものとする。
【0028】
外装筺体2は、合成樹脂等から構成され、図1に示すように、投射レンズ3および光学ユニット4を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装筺体2は、図示は省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面、および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、前記アッパーケースおよび前記ロアーケースは互いにねじ等で固定されている。
なお、外装筺体2は、合成樹脂等に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
【0029】
光学ユニット4は、制御装置6による制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装筺体2の背面に沿って延出するとともに、外装筺体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学ユニット4の詳細な構成については、後述する。
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
【0030】
〔光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、図1に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、光学装置44と、光学絞り装置5と、これら装置41〜44,5を内部に収納配置するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備える。
照明光学装置41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。この照明光学装置41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0031】
光源装置411は、図1に示すように、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射し所定位置に収束させるリフレクタ417と、リフレクタ417にて収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化凹レンズ418と、光源ランプ416を駆動させるランプドライバ416A(図7参照)とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成されているが、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成してもよい。この場合には、平行化凹レンズ418を省略した構成とする。
【0032】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネルの画像形成領域に結像させる機能を有している。
【0033】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネルの画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
【0034】
色分離光学装置42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422により照明光学装置41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された色光を赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
【0035】
この際、色分離光学装置42のダイクロイックミラー421では、照明光学装置41から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ419を通って青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ419は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光および赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ419も同様である。
【0036】
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ419を通って緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学装置43を通り、さらにフィールドレンズ419を通って赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学装置43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ419に伝えるためである。なお、リレー光学装置43には、3つの色光のうち赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0037】
光学装置44は、光変調装置としての3つの液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、3つの入射側偏光板442と、3つの射出側偏光板443と、クロスダイクロイックプリズム444とを備える。
3つの入射側偏光板442は、図1に示すように、各フィールドレンズ419の光路後段にそれぞれ配置される。これら入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光方位と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。これら入射側偏光板442は、図示は省略するが、サファイアあるいは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
【0038】
3つの液晶パネル441は、図1に示すように、各入射側偏光板442の光路後段にそれぞれ配置される。これら液晶パネル441は、図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、制御装置6から出力される駆動信号に応じて、所定の画素位置の前記液晶の配向状態が制御され、各入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方位をそれぞれ変調する。
3つの射出側偏光板443は、図1に示すように、各液晶パネル441の光路後段にそれぞれ配置される。これら射出側偏光板443は、入射側偏光板442と略同様の構成を有し、図示は省略するが、透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。なお、射出側偏光板443を構成する前記偏光膜は、光束を透過する透過軸が、入射側偏光板442にて光束を透過する透過軸に略直交するように配置される。
【0039】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443の光路後段に配置され、各射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441G,441Bから射出され各射出側偏光板443を介した各色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
【0040】
光学絞り装置5は、図1に示すように、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配設され、制御装置6による制御の下、後述する遮光羽根を移動することで光束を透過可能とする開口面積を変更して光源装置411から射出され第1レンズアレイ412を介した光束の光量を調整するものである。
なお、光学絞り装置5の具体的な構成については、後述する。
【0041】
〔光学絞り装置の構成〕
図2および図3は、光学絞り装置5の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図2は、光学絞り装置5を光束射出側(第2レンズアレイ413側)から見た斜視図である。図3は、光学絞り装置5を光束射出側(第2レンズアレイ413側)から見た分解斜視図である。
光学絞り装置5は、図2または図3に示すように、ベース板51と、4つの遮光羽根52と、4つの回動軸53(図3)と、羽根押え部材54と、4つのコイルばね55(図3)と、絞りリング56(図3)と、リング押え部材57(図3)と、電磁アクチュエータ58(図3)と、位置検出装置としての位置センサ59とを備える。
【0042】
ベース板51は、光学絞り装置5全体を支持して光学部品用筐体45内部に固定する部分である。このベース板51は、図3に示すように、ベース板本体511と、固定子接続部512とを備える。
図4は、ベース板本体511を光束入射側(第1レンズアレイ412側)から見た斜視図である。
ベース板本体511は、図2ないし図4に示すように、入射する光束の光軸に直交する平面に沿って延出する平面視略矩形形状を有する金属製の板体から構成されている。
このベース板本体511において、平面視略中央部分には、図3または図4に示すように、第1レンズアレイ412から射出された光束を通過可能とする平面視円形状の開口部5111が形成されている。
また、このベース板本体511において、光束射出側端面には、図3に示すように、該ベース板51の四隅位置近傍に平面視円形状の凹部5112(光束射出側から見て右上方側の凹部から時計周りに5112A,5112B,5112C,5112Dとする)がそれぞれ形成されている。そして、これら凹部5112は、4つの回動軸53の一方の端部側をそれぞれ固定するとともに、4つの遮光羽根52の後述する軸受け部を遊嵌状態でそれぞれ配置する。
【0043】
以下では、説明の便宜上、図3または図4に示すように、ベース板本体511において、開口部5111周縁の領域を、凹部5112Aを含む上側の第1領域RA、凹部5112Bを含む光束射出側から見て右側の第2領域RB、凹部5112Cを含む下側の第3領域RC、および凹部5112Dを含む光束射出側から見て左側の第4領域RDとする。
【0044】
さらに、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、各凹部5112に近接した位置に、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有する第1突条部5113Aが各凹部5112を囲うようにそれぞれ形成されている。これら第1突条部5113Aは、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52を構成する後述する各羽根板の板面にそれぞれ当接する部分である。
ことで、具体的な図示は省略するが、各第1突条部5113Aのうち、対角位置にある各領域RA,RCに形成された各第1突条部5113Aの各高さ寸法が同一に設定されている。同様に、対角位置にある各領域RB,RDに形成された各第1突条部5113Aの各高さ寸法が同一に設定されている。そして、各領域RA,RCに形成された第1突条部5113Aの各高さ寸法に対して、各領域RB,RDに形成された第1突条部5113Aの各高さ寸法が所定寸法、大きくなるように設定されている。
【0045】
さらにまた、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、各凹部5112から離間した位置に、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有する第2突条部5113Bがそれぞれ形成されている。これら第2突条部5113Bは、光学絞り装置5を組み立てた状態で、上述した第1突条部5113Aと同様に、各遮光羽根52を構成する後述する各羽根板の板面にそれぞれ当接する部分である。なお、各第2突条部5113Bの高さ寸法は、上述した各第1突条部5113Aと同様に設定されている。
【0046】
また、このベース板本体511において、各領域RA〜RDには、図3または図4に示すように、各凹部5112に近接した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有するトラック孔5114がそれぞれ形成されている。これらトラック孔5114は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52の後述するピン状部がそれぞれ挿通され、各ピン状部の移動時に各ピン状部と機械的に干渉しないように形成された逃げ孔である。
【0047】
さらに、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、羽根押え部材54を取り付けるための取付用孔5115Aがそれぞれ形成されている。これら取付用孔5115Aは、ベース板本体511に各遮光羽根52が設置され各遮光羽根52が回動した場合であっても、各遮光羽根52と機械的に干渉しない位置にそれぞれ形成されている。
【0048】
さらにまた、このベース板本体511において、上方端部側には、図3または図4に示すように、開口部5111の中心軸(入射光束の光軸)を中心とする平面視円弧形状の円弧状孔5116が形成されている。
この円弧状孔5116は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、電磁アクチュエータ58の後述する可動子、および絞りリング56の後述する可動子接続部の一部を挿通可能とし、絞りリング56が回動した場合であっても、前記可動子および前記可動子接続部の一部と機械的に干渉しない逃げ孔である。
また、この円弧状孔5116の周縁部分の光束射出側端面には、図3に示すように、固定子接続部512を取り付けるための2つの位置決め突起5115Bおよび2つの取付用孔5115Cが形成されている。
【0049】
また、このベース板本体511において、光束入射側端面には、図4に示すように、開口部5111周縁から光束入射側に向けて突出する平面視円形枠状のリング支持部5117が形成されている。このリング支持部5117は、絞りリング56の後述する円孔に遊嵌状態で嵌合する部分である。
このリング支持部5117の周縁部分には、図4に示すように、平面視円形状の凹部5118が形成されている。また、この凹部5118は、上方側がベース板本体511の上端縁にかけて延出するように形成されている。そして、この凹部5118は、絞りリング56が設置され、開口部5111の略中心軸(入射光束の光軸)を中心として絞りリング56を回動可能に支持する部分であり、絞りリング56の外形形状に対応した形状を有している。
【0050】
さらに、このベース板本体511において、光束入射側端面の各領域RA〜RDには、図4に示すように、凹部5118の周縁部分に、リング押え部材57を取り付けるための取付用孔5115Dがそれぞれ形成されている。これら取付用孔5115Dは、ベース板本体511に絞りリング56を介してリング押え部材57が取り付けられ絞りリング56が回動した場合であっても、絞りリング56と機械的に干渉しない位置にそれぞれ形成されている。
【0051】
さらにまた、このベース板本体511において、光束射出側端面の下方側、および光束入射側端面の上方側には、該ベース板本体511の面外方向に突出し、光学部品用筐体45内部に固定するための固定部5110がそれぞれ形成されている。すなわち、これら固定部5110を介してベース板本体511を光学部品用筐体45内部に固定することで、光学絞り装置5全体が光学部品用筐体45内部に固定される。
【0052】
固定子接続部512は、電磁アクチュエータ58の後述する固定子をベース板本体511に接続する部材である。この固定子接続部512は、図3に示すように、平面視略矩形状の板体から構成され、ベース板本体511の光束射出側端面に円弧状孔5116を覆うように取り付けられる。
この固定子接続部512において、光束射出側端面には、具体的な図示は省略するが、電磁アクチュエータ58の後述する固定子である電磁コイルの形状に対応して平面視略円形状の凹部が形成されている。この凹部は、前記電磁コイルを収納配置する部分である。
また、この固定子接続部512には、図3に示すように、前記凹部の略中心に位置し、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通する平面視矩形状の貫通孔5121が形成されている。
【0053】
さらに、この固定子接続部512において、四隅角部分には、図3に示すように、ベース板本体511の2つの位置決め突起5115Bおよび2つの取付用孔5115Cに対応して、2つの位置決め用孔5122Aおよび2つの取付用孔5122Bがそれぞれ形成されている。そして、固定子接続部512は、前記電磁コイルを前記凹部に収納配置した状態で、ベース板本体511の2つの位置決め突起5115Bに2つの位置決め用孔5122Aを嵌合させることで位置決めされ、固定ねじ5Aを2つの取付用孔5122Bに挿通しベース板本体511の2つの取付用孔5115Cに螺合することで、ベース板本体511に固定される。
このように固定子接続部512をベース板本体511に固定した状態では、固定子接続部512の前記凹部に収納配置された前記電磁コイルは、ベース板本体511から光束射出側(絞りリング56から離間する側)にオフセットした位置に配置される。
【0054】
さらにまた、この固定子接続部512において、貫通孔5121の周縁部分には、図3に示すように、位置センサ59を位置決めするための2つの位置決め用突起5123と、位置センサ59を固定するための2つの固定用孔5124とが形成されている。
【0055】
4つの遮光羽根52は、金属製部材から構成され、図3に示すように、ベース板本体511の光束射出側端面における各領域RA〜RDにおいて、4つの回動軸53を介して各凹部5112に、入射する光束の光軸に直交する平面に沿って回動可能にそれぞれ軸支され、回動することで光束を透過可能とする開口面積を変更して第1レンズアレイ412から射出される光束の光量を調整する。なお、以下では、各領域RA〜RDに配置される遮光羽根52をそれぞれ、52A〜52Dとする。
これら遮光羽根52は、同一形状を有し、図3に示すように、羽根板521と、軸受け部522と、ピン状部523とでそれぞれ構成されている。
【0056】
羽根板521は、図3に示すように、端縁が曲線状に形成された平面視略L字形状を有し、入射光束を遮光する金属製の板体で構成される。そして、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、各羽根板521における各L字形状の内側部分が開口部5111内側に向き、開口部5111を囲うように配置される。また、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、各板面が入射する光束の光軸に直交するように配置される。
【0057】
軸受け部522は、羽根板521におけるL字形状の一端側に一体的に設けられ、羽根板521を回動可能とする回動軸53の軸受けである。
この軸受け部522は、具体的な図示は省略するが、羽根板521の光束入射側端面から光束入射側に突出し、回動軸53を挿通可能とする略円筒形状を有している。すなわち、軸受け部522における光束の光軸方向の厚み寸法は、羽根板521における光束の光軸方向の厚み寸法よりも大きく形成されている。そして、軸受け部522は、回動軸53が挿通された状態で回動軸53に対して回動可能とし、回動軸53に対して回動することで、羽根板521を回動させる。このように各羽根板521が回動することで、各羽根板521における各L字形状の内側端縁で形成される光束を通過可能とする開口の開口面積が変更される。
【0058】
そして、光学絞り装置5を組み立てた状態では、軸受け部522に回動軸53が挿通されるとともに、軸受け部522の光束入射側端面がベース板本体511の凹部5112の底部分に当接する。
また、羽根板521は、軸受け部522に対して略垂直となるように構成され、光学絞り装置5を組み立てた状態では、軸受け部522に挿通される回動軸53に対して略垂直となる。すなわち、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、ベース板本体511の板面に略平行な状態となる。
なお、各羽根板521は、軸受け部522に対して略垂直となる構成に限らず、各遮光羽根52の回動時に各羽根板521同士が接触しなければ、軸受け部522に対して略垂直以外の角度を有する構成を採用してもよい。すなわち、各遮光羽根52の回動時に各羽根板521同士が接触しなければ、各羽根板521がベース板本体511の板面に平行な平面に対して所定角度傾斜している構成を採用してもよい。
【0059】
ここで、軸受け部522が当接するベース板本体511の各凹部5112の底部分の高さ寸法は、具体的な図示は省略するが、光学絞り装置5を組み立てた状態、すなわち、各遮光羽根52の各軸受け部522の光束入射側端面が各凹部5112の底部分に当接した状態で、隣接する各羽根板521間に所定寸法の隙間が形成されているように設定されている。
具体的に、各凹部5112A〜5112Dのうち、対角位置にある凹部5112A,5112Cの底部分の高さ寸法は、同一寸法で形成されている。対角位置にある凹部5112B,5112Dの底部分の高さ寸法も同様に、同一寸法で形成されている。そして、各凹部5112A,5112Cの底部分の高さ寸法は、各凹部5112B,5112Dの底部分の高さ寸法よりも所定寸法、大きく設定されている。このような構成により、光学絞り装置5を組み立てた状態、すなわち、各遮光羽根52の各軸受け部522の光束入射側端面が各凹部5112の底部分に当接した状態では、各遮光羽根52A〜52Dにおいて、ベース板本体511からの各羽根板521の高さ位置が異なるものとなる。
すなわち、対角位置にある各遮光羽根52の各羽根板521がベース板本体511から同一の高さ位置に位置付けられ、隣接する各遮光羽根52の各羽根板521がベース板本体511から異なる高さ位置に位置付けられている。このように設定することで、隣接する各羽根板521間に所定寸法の隙間を形成し、各羽根板521を回動させた際に、各羽根板521同士が機械的に干渉することを回避している。
【0060】
ピン状部523は、軸受け部522の近傍であって、軸受け部522に対して羽根板521の他端側に設けられ、絞りリング56と係合し絞りリング56からの押圧力を受ける部分である。
このピン状部523は、図3に示すように、羽根板521の光束入射側端面から光束入射側に突出する。そして、ピン状部523は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、図3に示すように、ベース板本体511のトラック孔5114に挿通され、トラック孔5114を介してベース板本体511の光束入射側端面から突出し、絞りリング56の後述する長孔と係合する。
【0061】
4つの回動軸53は、略円柱形状を有する金属製部材から構成され、ベース板本体511および羽根押え部材54間に固定され、各遮光羽根52を回動可能に軸支する部分である。
羽根押え部材54は、図3に示すように、固定子接続部512と組み合わせることでベース板本体511と略同様の外形形状となり平面視略矩形形状を有し、合成樹脂製の板体から構成され、各遮光羽根52を回動可能にベース板51に対して押圧する部分である。
この羽根押え部材54において、平面視略中央部分には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の開口部5111と同様の、第1レンズアレイ412から射出された光束を透過可能とする平面視円形状の開口部541が形成されている。
また、この羽根押え部材54には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の各凹部5112に対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通して、回動軸53の他方の端部を嵌合固定する軸固定孔542がそれぞれ形成されている。
【0062】
さらに、この羽根押え部材54には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の各取付用孔5115Aに対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通した取付用孔543がそれぞれ形成されている。そして、各取付用孔543を介して固定ねじ5Bを挿通し、固定ねじ5Bを各取付用孔5115Aに螺合することで、ベース板本体511に対して各遮光羽根52を押圧した状態で羽根押え部材54が固定される。
【0063】
4つのコイルばね55は、図3に示すように、各回動軸53を挿通可能とし、各回動軸53の他方の端部側を挿通した状態で各遮光羽根52と羽根押え部材54の間に配設され、一端側が各遮光羽根52の光束射出側(軸受け部522近傍)に当接し、他端側が羽根押え部材54の光束入射側端面(軸固定孔542周縁部分)に当接する。そして、各コイルばね55は、ベース板本体511に対して羽根押え部材54を取り付けた際に、各遮光羽根52をベース板本体511に向けて付勢し、各遮光羽根52の各軸受け部522をベース板本体511の凹部5112の底部分に当接させる。
【0064】
絞りリング56は、ベース板本体511の凹部5118に回動可能に設置され、凹部5118に設置された状態で各遮光羽根52の各ピン状部523と係合し、回動することで各ピン状部523を押圧し、各遮光羽根52の各羽根板521を、各回動軸53を中心として回動させる。この絞りリング56は、合成樹脂から構成され、図3に示すように、リング本体561と、可動子接続部562とが一体的に形成されたものである。
リング本体561は、ベース板本体511のリング支持部5117を挿通可能とする円孔5611を有し平面視円形枠状の板体で構成される。
このリング本体561には、図3に示すように、ベース板本体511の各トラック孔5114に対応した位置に、各トラック孔5114から突出した各ピン状部523を挿通可能とし、開口部5111の略中心軸を中心とする円周方向と交差する方向に略直線状に延びる長孔5612がそれぞれ形成されている。
【0065】
可動子接続部562は、図3に示すように、リング本体561の外周縁からリング本体561の板面に沿って外側に延出し、電磁アクチュエータ58の後述する可動子をリング本体561に接続する部分である。そして、可動子接続部562は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、図3に示すように、ベース板本体511の上方端部側に対向するように配置される。
この可動子接続部562は、図3に示すように、ベース板本体511の円弧状孔5116の形状に対応し、光束射出側に向けて突出する平面視略矩形枠形状の突出部5621が形成されている。この突出部5621は、その内部において、電磁アクチュエータ58の後述する可動子である永久磁石を収納配置する部分である。そして、光学絞り装置5を組み立てた状態では、突出部5621内部に収納配置された前記永久磁石、および突出部5621の一部がベース板本体511の円弧状孔5116に挿通される。
ここで、突出部5621における絞りリング56の回動方向(入射光束の光軸を中心とする回動方向)の長さ寸法は、ベース板本体511の円弧状孔5116における絞りリング56の回動方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。このため、絞りリング56を回動させた場合であっても、円弧状孔5116と突出部5621とが機械的に干渉しないように構成されている。
【0066】
そして、光学絞り装置5を組み立てた状態で、絞りリング56が回動することで、リング本体561の各長孔5612が開口部5111の略中心軸を中心とする円周方向と交差する方向に略直線状に延びるように形成されているので、各長孔5612の端縁にて各遮光羽根52の各ピン状部523が押圧され、各ピン状部523が各長孔5612に沿って移動する。また、各ピン状部523は、各長孔5612に沿って移動する際、ベース板51の各トラック孔5114に機械的に干渉することなく、ベース板51の各凹部5112(各回動軸53)を中心として回動するように移動する。そして、各ピン状部523の移動により、各遮光羽根52の各羽根板521が各回動軸53を中心として回動する。
【0067】
リング押え部材57は、図3に示すように、ベース板本体511と略同様の外形形状で平面視略矩形形状を有し、金属製の板体から構成され、絞りリング56を回動可能にベース板51に対して押圧する部分である。
このリング押え部材57において、平面視略中央部分には、図3に示すように、ベース板本体511の開口部5111と同様の、第1レンズアレイ412から射出された光束を透過可能とする平面視円形状の開口部571が形成されている。
また、このリング押え部材57には、図3に示すように、ベース板本体511の各トラック孔5114に対応した位置に、各トラック孔5114と同様のトラック孔572が形成されている。これらトラック孔572は、各トラック孔5114と同様に、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52の各ピン状部523が挿通され、各ピン状部523の移動時に各ピン状部523と機械的に干渉しないように形成された逃げ孔である。
【0068】
さらに、このリング押え部材57には、図3に示すように、ベース板本体511の取付用孔5115Dに対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通した取付用孔573が形成されている。そして、各取付用孔573を介して固定ねじ5Cを挿通し、固定ねじ5Cを各取付用孔5115Dに螺合することで、ベース板本体511に対して絞りリング56を押圧した状態でリング押え部材57が固定される。
【0069】
図5は、電磁アクチュエータ58および位置センサ59の構造を模式的に示す図である。
電磁アクチュエータ58は、図3または図5に示すように、固定子としての電磁コイル581と、可動子としての永久磁石582とを備え、制御装置6による制御の下、電気的なエネルギを機械的なエネルギに変換して電磁コイル581に対して永久磁石582を移動させることで、絞りリング56を回動させるものである。
電磁コイル581は、図3に示すように、リング形状を有し、コイル軸が入射光束の光軸に略平行するように固定子接続部512の前記凹部に収納配置される。
【0070】
永久磁石582は、図3または図5に示すように、第1磁石部5821(図5)と第2磁石部5822(図5)とが一体化された構成を有し、絞りリング56の可動子接続部562の突出部5621内側に固定される。
第1磁石部5821は、図5に示すように、可動子接続部562側をN極とし、可動子接続部562側と離間する側(電磁コイル581と対向する側)をS極とするように突出部5621内側に嵌合固定される。
第2磁石部5822は、図5に示すように、第1磁石部5821と逆に、可動子接続部562側をS極とし、可動子接続部562から離間する側(電磁コイル581と対向する側)をN極とするように突出部5621内側に嵌合固定される。
【0071】
そして、制御装置6は、電磁コイル581と電気的に接続され、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施し、永久磁石582からの磁束と該磁束に略直交する電磁コイル581に通流される電流(図3中、電磁コイル581における上下方向に延びる部分に通流される電流)との相互作用による電磁力の方向を変更する。そして、電磁力により、永久磁石582を、図5(A)、(C)に示す終端位置や、図5(B)に示す中立位置に移動させる。永久磁石582の移動に応じて、絞りリング56が回動し、該絞りリング56の回動に連動して各遮光羽根52が回動し、第1レンズアレイ412から射出された光束の光量が調整される。なお、本実施形態では、永久磁石582が図5(A)に示す終端位置に位置付けられた状態で各遮光羽根52による開口面積が最小開口面積Sminとなり、永久磁石582が図5(C)に示す終端位置に位置付けられた状態で各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxとなり、永久磁石582が図5(B)に示す中立位置に位置付けられた状態で各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxおよび最小開口面積Sminの中間である中間開口面積Smidとなるものとする。
【0072】
位置センサ59は、固定子接続部512に取り付けられ、電磁コイル581に対する永久磁石582の位置を検出する。そして、位置センサ59は、検出した位置に応じた信号を制御装置6に出力する。制御装置6は、位置センサ59から出力される信号に基づいて、上述したように電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、所定位置に永久磁石582(各遮光羽根52)を位置付ける。
この位置センサ59は、図3または図5に示すように、位置センサ本体591(図5)と、位置センサ本体591が実装される回路基板592(図3)とを備える。
位置センサ本体591は、図5に示すように、位置センサ59が固定子接続部512に取り付けられた状態で、電磁コイル581の内部でコイル軸に略一致する位置に配置される。すなわち、光学絞り装置5を組み立てた状態では、位置センサ本体591は、図5に示すように、永久磁石582に対向する位置に配設される。そして、この位置センサ本体591は、磁気素子としてのホール素子5911と、出力特性補正部5912と、補正パラメータ記憶部5913とを備える(図7参照)。これらホール素子5911、出力特性補正部5912、および補正パラメータ記憶部5913で構成される位置センサ本体591は、1チップのIC(Integrated Circuit)で構成される。
【0073】
ホール素子5911は、ホール効果を利用した磁気素子であり、永久磁石582からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する。
出力特性補正部5912は、補正パラメータ記憶部5913に記憶された補正パラメータ(オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータ)に基づいてホール素子5911の出力特性を補正する。
図6は、出力特性補正部5912の処理機能の一例を示す図である。具体的に、図6において、縦軸がホール素子5911から出力される出力値(電圧値)を示し、横軸が永久磁石582の位置(各遮光羽根52による開口面積)を示している。また、図6において、実線が出力特性補正部5912による出力特性の補正前でのホール素子5911の出力特性を示し、破線が出力特性補正部5912による出力特性の補正後でのホール素子5911の出力特性を示している。
出力特性補正部5912によるオフセット補正パラメータに基づくホール素子5911の出力特性の補正(以下、オフセット補正と記載する)では、例えば、図6(A)に示すように、ホール素子5911の出力特性が補正される。
より具体的に、オフセット補正では、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidとなる規定位置P1に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911がオフセット電圧値Vof(最大出力電圧値Vddの半分である電圧値Vdd/2)を出力するようにオフセット電圧値Vofに対する永久磁石582の位置をオフセットして出力特性が補正される。例えば、図6(A)に示すように、オフセット補正前において永久磁石582が所定の位置P2に位置している状態でホール素子5911からオフセット電圧値Vofが出力されているが、オフセット補正により、規定位置P1に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911がオフセット電圧値Vofを出力するように出力特性が補正される。すなわち、オフセット補正では、図6(A)に示すように、永久磁石582の位置に対するホール素子5911の出力値の傾きが一定の状態で、永久磁石582の位置がオフセットされる。
そして、本実施形態では、後述する補正パラメータ校正装置100により最適なオフセット補正パラメータに更新され、該オフセット補正パラメータを用いたオフセット補正により、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidの状態でホール素子5911がオフセット電圧値Vof(最大出力電圧値Vddの半分である電圧値Vdd/2)を出力するように補正される。
【0074】
また、出力特性補正部5912によるゲイン補正パラメータに基づくホール素子5911の出力特性の補正(以下、ゲイン補正と記載する)では、例えば、図6(B)に示すように、ホール素子5911の出力特性が補正される。
より具体的に、ゲイン補正では、ホール素子5911の出力特性は、図6(B)に示すように、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidの状態でホール素子5911が出力するオフセット電圧値Vofを基準として、傾きが補正される。
そして、本実施形態では、後述する補正パラメータ校正装置100により最適なゲイン補正パラメータに更新され、該ゲイン補正パラメータを用いたゲイン補正により、各遮光羽根52による開口面積が最小開口面積Sminとなる規定位置P3(第1の位置)に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911が最小出力電圧値0を出力し、各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxとなる規定位置P4(第2の位置)に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911が最大出力電圧値Vddを出力するように補正される。
すなわち、出力特性補正部5912は、図示は省略するが、オフセット補正を実施するオフセット回路部と、ゲイン補正を実施するゲイン回路部とで構成されている。
【0075】
補正パラメータ記憶部5913は、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを書換可能に記憶する。より具体的には、補正パラメータ記憶部5913は、後述する補正パラメータ校正装置100により、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータが適宜、書き換えられる。
すなわち、補正パラメータ記憶部5913は、図示は省略するが、オフセット補正パラメータを記憶するオフセット記憶部と、ゲイン補正パラメータを記憶するゲイン記憶部とで構成される。これらオフセット記憶部およびゲイン記憶部としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を採用できる。
そして、以上説明した位置センサ本体591としては、例えば、旭化成電子株式会社製のCM8201を採用できる。
【0076】
〔プロジェクタの制御構造〕
図7は、プロジェクタ1および補正パラメータ校正装置100の制御構造を模式的に示すブロック図である。
制御装置6は、プロジェクタ1全体を制御する。この制御装置6は、図7に示すように、インターフェース部61と、制御部本体62と、フレームメモリ63と、メモリ64等を備える。
インターフェース部61は、外部から信号線を介して入力される信号に対して予め設定されている入力インターフェース処理を実行し、制御部本体62にて処理可能な信号に変換して出力する。例えば、インターフェース部61は、各種外部機器から出力される画像信号等を入力し、制御部本体62にて処理可能な画像信号に変換して出力する。そして、インターフェース部61から出力された画像信号(デジタル画像信号)は、フレームメモリ63に一時的に記録される。また、例えば、インターフェース部61は、補正パラメータ校正装置100と信号線Si1を介して接続し、補正パラメータ校正装置100から出力される制御信号を入力し、制御部本体62にて処理可能な信号に変換して出力する。
【0077】
制御部本体62は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、図7に示すように、各液晶パネル441、光源装置411、および光学絞り装置5等を制御する。この制御部本体62は、図7に示すように、液晶パネル駆動制御部621と、ランプ駆動制御部622と、絞り駆動制御部623等を備える。
液晶パネル駆動制御部621は、所定のプログラムや、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、各液晶パネル441を駆動制御する。例えば、液晶パネル駆動制御部621は、所定のプログラムにしたがって、インターフェース部61から出力されフレームメモリ63に順次記憶されるデジタル画像信号を適宜読み出して、読み出したデジタル画像信号に対して所定の処理を施し、処理を施した画像に対応する画像情報としての駆動信号を各液晶パネル441に出力して所定の光学像を形成させる。この液晶パネル駆動制御部621における前記所定の処理としては、例えば、拡大・縮小等の画像サイズ調整処理、台形歪補正処理、画質調整処理、ガンマ補正処理等がある。これらの各処理は、周知の技術であるので詳細な説明は省略する。また、液晶パネル駆動制御部621は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、上記同様に、各液晶パネル441に所定の光学像を形成させる。
【0078】
ランプ駆動制御部622は、所定のプログラムや、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、所定の駆動周波数で光源ランプ416を駆動させる旨の制御指令をランプドライバ416Aに出力し、ランプドライバ416Aに所定の駆動周波数に応じた駆動信号を生成させ、光源ランプ416を駆動させる。
【0079】
絞り駆動制御部623は、所定のプログラムや、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、位置センサ59(ホール素子5911)から出力される出力値(電圧値)に基づいて、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、所定位置に各遮光羽根52を位置付ける。
より具体的に、絞り駆動制御部623は、所定のプログラムにしたがって、入力した画像情報を解析して画像情報に対応した画像の明るさ情報を生成する。この明るさ情報としては、例えば、画像情報に対応した画像の各画素に対応する各輝度値において、最大輝度値、最小輝度値、平均輝度値等に関する情報を採用できる。また、絞り駆動制御部623は、メモリ64に記憶された、明るさ情報と各遮光羽根52による開口面積とが関連付けられた明るさ−開口面積関連情報に基づいて、生成した明るさ情報に対応する開口面積を特定する。さらに、絞り駆動制御部623は、メモリ64に記憶された、開口面積とホール素子5911から出力される設計上の設計電圧値とが関連付けられた開口面積−電圧値関連情報に基づいて、特定した開口面積に関連付けられた設計電圧値を特定する。そして、絞り駆動制御部623は、位置センサ59から前記特定した設計電圧値が出力されるまで、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して各遮光羽根52を前記明るさ情報および前記開口面積に応じた所定位置に位置付ける。
また、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、位置センサ59から前記制御指令に含まれる指令電圧値が出力されるまで、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して各遮光羽根52を所定位置に位置付ける。
【0080】
メモリ64は、絞り駆動制御部623にて用いられる上述した明るさ−開口面積関連情報、および開口面積−電圧値関連情報を記憶する。これら明るさ−開口面積関連情報、および開口面積−電圧値関連情報としては、例えば、LUT(Look-Up-Table)等で構成されるデータ構造を採用できる。開口面積−電圧値関連情報としては、例えば、上述した最小開口面積Smin、中間開口面積Smid、および最大開口面積Smaxに関しては、最小開口面積Sminに対して最小出力電圧値0が関連付けられ、中間開口面積Smidに対してオフセット電圧値Vdd/2が関連付けられ、最大開口面積Smaxに対して最大出力電圧値Vddが関連付けられている。
【0081】
ところで、光学絞り装置5を製造するにあたって、永久磁石582の着磁位置の製造誤差、永久磁石582の実装位置の製造誤差、あるいは、位置センサ59の実装位置の製造誤差等が生じている場合には、絞り駆動制御部623による制御によって、各遮光羽根52を所望の開口面積に応じた位置に位置付けることができない。
【0082】
図8は、光学絞り装置5の製造誤差を模式的に示す図である。具体的に、図8(A)は、光学絞り装置5に製造誤差が生じていない場合を示す図である。図8(B)、(C)は、光学絞り装置5に製造誤差が生じている場合を示す図である。
光学絞り装置5に製造誤差が生じていない場合では、絞り駆動制御部623は、図8(A)に示すように、各遮光羽根52による開口面積を中間開口面積Smidとなる位置に各遮光羽根52を位置付ける際、開口面積−電圧値情報に基づいて、位置センサ59から中間開口面積Smidに対応したオフセット電圧値Vdd/2が出力される位置、すなわち、第1磁石部5821および第2磁石部5822の異極間位置P0が位置センサ本体591に対向するように、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して永久磁石582を位置付ける。
【0083】
また、光学絞り装置5に製造誤差が生じている場合、すなわち、図8(B)に示すように、突出部5621内側に対する永久磁石582の実装位置に製造誤差が生じている場合でも上記同様に、絞り駆動制御部623は、各遮光羽根52による開口面積を中間開口面積Smidとなる位置に各遮光羽根52を位置付ける際、開口面積−電圧値情報に基づいて、位置センサ59から中間開口面積Smidに対応したオフセット電圧値Vdd/2が出力される位置、すなわち、第1磁石部5821および第2磁石部5822の異極間位置P0が位置センサ本体591に対向するように、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して永久磁石582を位置付ける。このため、本来、中間開口面積Smidとなる永久磁石582の位置(図8(C)に示す位置)から、ずれた位置(図8(B)に示す位置)に永久磁石582が位置付けられることとなる。
【0084】
なお、永久磁石582の実装位置に製造誤差が生じている場合には、中間開口面積Smidに限らず、その他の開口面積となる位置に永久磁石582を位置付ける場合にも同様に、ずれた位置に永久磁石582が位置付けられることとなり、所望の開口面積となる位置に各遮光羽根52を位置付けることができない。永久磁石582のNS極の境界バラツキ等着磁位置に製造誤差が生じている場合や、位置センサ59の実装位置に製造誤差が生じている場合も同様である。
したがって、光学絞り装置5に製造誤差が生じている場合であっても、絞り駆動制御部623による制御において、所望の位置に永久磁石582を位置付け、所望の開口面積となる位置に各遮光羽根52を位置付ける必要がある。
【0085】
〔補正パラメータ校正装置の構造〕
補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1の製造後、所望の開口面積となる位置に永久磁石582を位置付けた際に前記開口面積−電圧値情報に基づく前記所望の開口面積に対応する電圧値(設計電圧値)を位置センサ59が出力するように、補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを更新する。この補正パラメータ校正装置100は、図7に示すように、光束検出装置110と、CPUおよびハードディスクを備えたPC(Personal Computer)で構成される校正装置本体120とを備える。
【0086】
光束検出装置110は、校正装置本体120の制御の下、校正装置本体120からの制御指令によりプロジェクタ1が駆動されプロジェクタ1から拡大投射される光学像の光量を検出する。この光束検出装置110としては、例えば、照度計、光センサ、フォトセンサ、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成される二次元光センサ等を採用できる。そして、光束検出装置110は、校正装置本体120と信号線Si2(図7)を介して接続され、検出した光学像の光量に応じた信号を校正装置本体120に出力する。
【0087】
校正装置本体120は、図7に示すように、操作部121と、表示部122と、制御装置123とを備える。
操作部121は、例えば、キーボードやマウス等で入力操作される各種操作ボタンを有している。この操作ボタンの入力操作を実施することにより、制御装置123を適宜、動作させるとともに、例えば、表示部122に表示される情報に対して、制御装置123の動作内容の設定等が実施される。そして、作業者による操作部121の入力操作により、操作部121から適宜所定の操作信号を制御装置123に出力する。
なお、この操作部121としては、操作ボタンの入力操作に限らず、例えば、タッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作等により、各種条件を設定入力する構成としてもできる。
【0088】
表示部122は、制御装置123に制御され、所定の情報を表示する。例えば、制御装置123にて処理された情報の表示、または、操作部121の入力操作により、制御装置123の後述するメモリに格納する情報を設定入力または更新する際、制御装置123から出力されるメモリ内のデータを適宜、表示させる。この表示部122は、例えば、液晶や有機EL(Electroluminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)等が用いられる。
【0089】
制御装置123は、操作部121からの操作信号の入力に応じて、所定のプログラムを実行し、プロジェクタ1に所定の制御指令を出力してプロジェクタ1を駆動させ、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。この制御装置123は、図7に示すように、インターフェース部1231と、制御部本体1232と、メモリ1233とを備える。
インターフェース部1231は、プロジェクタ1のインターフェース部61と信号線Si1を介して接続し、制御部本体1232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行してプロジェクタ1に出力する。
また、インターフェース部1231は、光束検出装置110と信号線Si2を介して接続し、制御部本体1232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して光束検出装置110に出力する。
さらに、インターフェース部1231は、光束検出装置110から出力される信号を制御部本体1232にて処理可能な信号に変換して制御部本体1232に出力する。
【0090】
メモリ1233は、制御部本体1232にて実行されるプログラムや、制御部本体1232にて用いられる基準光量情報および基準出力値情報を記憶する。
具体的に、前記光量情報は、開口面積が中間開口面積Smidである場合にプロジェクタ1から拡大投射され光束検出装置110にて検出される設計上の中間光量に関する中間光量情報と、開口面積が最大開口面積Smaxあるいは最小開口面積Sminである場合にプロジェクタ1から拡大投射され光束検出装置110にて検出される設計上の最大光量あるいは最小光量に関する最大光量情報あるいは最小光量情報とで構成される情報である。また、これら中間光量情報、最大光量情報、最小光量情報は、設計上の中間光量Lmid、最大光量Lmax、最小光量Lminに対して所定の許容値Pが加味された所定の範囲に関する情報である。より具体的に、中間光量情報はLmid−P〜Lmid+Pの範囲に関する情報であり、最大光量情報はLmax−P〜Lmax+Pの範囲に関する情報であり、最小光量情報はLmin−P〜Lmin+Pの範囲に関する情報である。
また、前記基準出力値情報は、開口面積が中間開口面積Smidの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上のオフセット電圧値Vdd/2に関する設計オフセット電圧値情報、開口面積が最大開口面積Smaxの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最大出力電圧値Vddに関する設計最大出力電圧値情報、および、開口面積が最小開口面積Sminの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最小出力電圧値0に関する設計最小出力電圧値情報である。
すなわち、メモリ1233は、本発明に係る光量情報記憶部および出力値情報記憶部に相当する。
【0091】
制御部本体1232は、CPU等を含んで構成され、作業者による操作部121の入力操作に応じて、メモリ1233から所定のプログラムを読み出し所定の処理を実行して、プロジェクタ1に所定の制御指令を出力してプロジェクタ1を駆動させるとともに光束検出装置110から出力される信号に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。
そして、制御部本体1232は、本発明に係る光源駆動制御部、絞り駆動制御部、およびパラメータ更新部に相当する。
【0092】
〔補正パラメータ校正装置による補正パラメータ校正方法〕
次に、上述した補正パラメータ校正装置100を利用した補正パラメータ校正方法を図面に基づいて説明する。
図9は、補正パラメータ校正装置100を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャートである。
なお、以下の補正パラメータ校正方法を実施する前に、プロジェクタ1は、全て組み立てられた状態で、電源がONされ駆動しているものとする。また、補正パラメータ校正装置100およびプロジェクタ1間を信号線Si1にて接続している状態とする。さらに、光束検出装置110およびインターフェース部1231間を信号線Si2にて接続している状態とする。
先ず、作業者は、補正パラメータ校正装置100の操作部121によりプロジェクタ1における補正パラメータ(オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータ)を校正する旨の入力操作を実施する。そして、補正パラメータ校正装置100の制御部本体1232は、操作部121から出力される操作信号を入力し、所定のプログラムにしたがって、以下に示すように、補正パラメータを校正する。
【0093】
すなわち、制御部本体1232は、信号線Si1を介してプロジェクタ1に光源ランプ416を点灯させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1のランプ駆動制御部622は、前記制御指令にしたがって、ランプドライバ416Aに光源ランプ416を点灯させる(ステップS1:光束射出ステップ)。
ステップS1の後、制御部本体1232は、信号線Si1を介してプロジェクタ1に各液晶パネル441を白表示させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1の液晶パネル駆動制御部621は、前記制御指令にしたがって、各液晶パネル441に白表示の光学像をそれぞれ形成させる(ステップS2)。
【0094】
ステップS2の後、制御部本体1232は、オフセット補正パラメータを校正する(ステップS3)。
具体的に、図10は、オフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された設計オフセット電圧値情報を読み出し、信号線Si1を介してプロジェクタ1に、設計オフセット電圧値情報に基づくオフセット電圧値Vdd/2が位置センサ59から出力される位置に永久磁石582を位置付ける旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1の絞り駆動制御部623は、前記制御指令にしたがって、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力される基準位置(オフセット基準位置)に永久磁石582を位置付ける(ステップS3A:永久磁石位置決めステップ)。
【0095】
ステップS3Aの後、制御部本体1232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御信号を出力し、光束検出装置110にプロジェクタ1から拡大投射される光学像の光量LXを検出させる(ステップS3B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光学像の検出光量LXに応じた信号を制御部本体1232に出力する。
ステップS3Bの後、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された中間光量情報と、光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体1232は、検出光量LXが中間光量情報に基づくLmid−P以上であるか否かを判定する(ステップS3C)。
【0096】
ステップS3Cにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmid−P未満であると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にオフセット補正パラメータを増加させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを増加させる(ステップS3D)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、変更したオフセット補正パラメータを記憶する(ステップS3E)。
【0097】
より具体的に、ステップS3Cにおいて、検出光量LXがLmid−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidよりも小さい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS3DおよびステップS3Eにおいて、オフセット補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。すなわち、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からオフセット電圧値Vdd/2とは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0098】
ステップS3Eの後、再度、ステップS3Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS3Cにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmid−P以上であると判定されるまで、上述したステップS3A〜S3Eを繰り返し実施する。
【0099】
ステップS3Cにおいて、制御部本体1232は、「Y」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmid−P以上であると判定した場合には、次に、検出光量LXが中間光量情報に基づくLmid+P以下であるか否かを判定する(ステップS3F)。
ステップS3Fにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmid+Pを超えると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にオフセット補正パラメータを減少させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを減少させる(ステップS3G)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、ステップS3Eにおいて、変更したオフセット補正パラメータを記憶する。
【0100】
より具体的に、ステップS3Fにおいて、検出光量LXがLmid+P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidよりも大きい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS3GおよびステップS3Eにおいて、オフセット補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。すなわち、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からオフセット電圧値Vdd/2とは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0101】
ステップS3Gにおいてオフセット補正パラメータを減少させ、ステップS3Eにおいてオフセット補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS3Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS3Fにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmid+P以下であると判定されるまで、上述したステップS3A〜S3Gを繰り返し実施する。
【0102】
以上のオフセット補正パラメータの校正(ステップS3)により、検出光量LXがLmid−P以上でありかつLmid+P以下である範囲内に入ることで、光学絞り装置5に上述した製造誤差が生じている場合であっても、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が略中間開口面積Smidとなる位置に位置付けられた状態となる。
【0103】
ステップS3の後、制御部本体1232は、ゲイン補正パラメータを校正する(ステップS4)。
具体的に、図11は、ゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された設計最大出力電圧値情報を読み出し、信号線Si1を介してプロジェクタ1に、設計最大出力電圧値情報に基づく最大出力電圧値Vddが位置センサ59から出力される基準位置(ゲイン基準位置)に永久磁石582を位置付ける旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1の絞り駆動制御部623は、前記制御指令にしたがって、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付ける(ステップS4A:永久磁石位置決めステップ)。
【0104】
ステップS4Aの後、制御部本体1232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御指令を出力し、光束検出装置110にプロジェクタ1から拡大投射される光学像の光量LXを検出させる(ステップS4B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光学像の検出光量LXに応じた信号を制御部本体1232に出力する。
ステップS4Bの後、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された最大光量情報と、光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体1232は、検出光量LXが最大光量情報に基づくLmax−P以上であるか否かを判定する(ステップS4C)。
【0105】
ステップS4Cにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmax−P未満であると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にゲイン補正パラメータを増加させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを増加させる(ステップS4D)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、変更したゲイン補正パラメータを記憶する(ステップS4E)。
【0106】
より具体的に、ステップS4Eにおいて、検出光量LXがLmax−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxよりも小さい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS4DおよびステップS4Eにおいて、ゲイン補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。すなわち、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911から最大出力電圧値Vddとは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0107】
ステップS4Eの後、再度、ステップS3Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS4Cにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmax−P以上であると判定されるまで、上述したステップS4A〜S4Eを繰り返し実施する。
【0108】
ステップS4Cにおいて、制御部本体1232は、「Y」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmax−P以上であると判定した場合には、次に、検出光量LXが最大光量情報に基づくLmax+P以下であるか否かを判定する(ステップS4F)。
ステップS4Fにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmax+Pを超えると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にゲイン補正パラメータを減少させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを減少させる(ステップS4G)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、ステップS4Eにおいて、変更したゲイン補正パラメータを記憶する。
【0109】
より具体的に、ステップS4Fにおいて、検出光量LXがLmax+Pを超えると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxよりも大きい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS4GおよびステップS4Eにおいて、ゲイン補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。すなわち、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911から最大出力電圧値Vddとは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0110】
ステップS4Gにおいてゲイン補正パラメータを減少させ、ステップS4Eにおいてゲイン補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS4Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS4Fにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmax+P以下であると判定されるまで、上述したステップS4A〜S4Gを繰り返し実施する。
【0111】
以上のゲイン補正パラメータの校正(ステップS4)により、検出光量LXがLmax−P以上でありかつLmax+P以下である範囲内に入ることで、光学絞り装置5に上述した製造誤差が生じている場合であっても、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が略最大開口面積Smaxとなる位置に位置付けられた状態となる。また、上述したように、ゲイン補正では、ホール素子5911における出力特性の傾きがオフセット電圧値Vofを基準として変更されるので、位置センサ59から最小出力電圧値0が出力される位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が略最小開口面積Sminとなる位置に位置付けられた状態となる。すなわち、ゲイン補正パラメータを校正することにより、ホール素子5911における出力特性が、メモリ64に記憶された開口面積−電圧値関連情報に対応した出力特性に補正されることとなる。
そして、上述したステップS3C〜S3G、S4C〜S4Gが本発明に係るパラメータ更新ステップに相当する。
【0112】
ステップS4の後、制御部本体1232は、信号線Si1を介してプロジェクタ1に補正パラメータの校正が終了した旨の信号を出力する。そして、プロジェクタ1のランプ駆動制御部622は、前記制御指令にしたがって、ランプドライバ416Aに光源ランプ416を消灯させる(ステップS5)。
以上のステップS1〜S5により、補正パラメータの校正が終了する。
【0113】
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、光学絞り装置5は、各遮光羽根52を回動させる駆動装置として電磁アクチュエータ58を備えているので、以下の効果がある。
すなわち、低電圧駆動が可能となり、光学絞り装置5の低消費電力化を図れる。
また、比較的に小さい大きさの領域で比較的に大きい力を出せ、絞りリング56を円滑に回動させ、遮光羽根52を円滑に回動させることができる。
さらに、高湿度等の悪い環境下でも使用でき、光学絞り装置5の長寿命化を図れる。
さらにまた、駆動応答特性が良好であり、遮光羽根52を高速応答させて円滑に回動させることができる。
したがって、駆動装置として電磁アクチュエータ58を用いることで、従来のように駆動装置としてパルスモータ等を用いる構成と比較して、電磁コイル581および永久磁石582の簡素な構造で駆動装置を構成でき、光学絞り装置5の構造の簡素化および小型化が可能となる。また、従来の構成と比較して、駆動時における振動を低減させることができ、光学絞り装置5の安定した駆動を実現できる。
【0114】
また、光学絞り装置5を駆動制御する絞り駆動制御部623は、メモリ64に記憶された開口面積−電圧値情報に基づいて、所定の開口面積となる位置に遮光羽根52を位置付ける際、前記所定の開口面積に関連付けられた設計電圧値を認識する。そして、絞り駆動制御部623は、認識した設計電圧値に位置センサ59から出力される出力値が略同一となるように、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施し、永久磁石582を所定位置に位置付ける。このような構成によれば、絞り駆動制御部623による処理負荷を軽減させ、制御装置6の制御構造の簡素化が図れる。
【0115】
さらに、位置センサ59は、ホール素子5911および出力特性補正部5912を備えているので、補正パラメータ(オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータ)を最適な補正パラメータに校正すれば、出力特性補正部5912が校正された補正パラメータに基づいてホール素子5911の出力特性を補正するので、光学絞り装置5に上述した製造誤差が生じている場合であっても、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石582を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値をホール素子5911から出力させることができる。このため、絞り駆動制御部623が所定の開口面積に対応した設計電圧値に位置センサ59からの出力値が略同一となるように電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施した場合に、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石582を位置付けることができ、各遮光羽根52を前記所定の開口面積となる位置に高精度に位置付けることができる。したがって、絞り駆動制御部623の処理負荷を軽減させつつ、絞り駆動制御部623により遮光羽根52を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0116】
ここで、補正パラメータがオフセット補正パラメータを含んでいるので、出力特性補正部5912がオフセット補正パラメータを用いてオフセット補正を実施することで、オフセット電圧値Vdd/2に対する永久磁石582の位置をオフセットさせて、中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911にオフセット電圧値Vdd/2を出力させることができる。したがって、このように、オフセット補正パラメータを用いたオフセット補正を可能とする構成とすることで、ホール素子5911の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
さらに、補正パラメータがオフセット補正パラメータの他、ゲイン補正パラメータを含んでいるので、出力特性補正部5912がゲイン補正パラメータを用いてゲイン補正を実施することで、最小開口面積Sminとなる位置P3から最大開口面積Smaxとなる位置P4の範囲に永久磁石582が位置付けられている状態で永久磁石582における前記範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値をホール素子5911に出力させることができる。したがって、このように、ゲイン補正パラメータを用いたゲイン補正を可能とする構成とすることで、ホール素子5911の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
また、ゲイン補正により、ホール素子5911が出力する電圧値を全ての範囲(位置P3〜P4)に亘って、各設計電圧値に補正することができるので、各遮光羽根52をより高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0117】
さらに、位置センサ59に設けられた補正パラメータ記憶部5913は、補正パラメータを書き換え可能に記憶するので、補正パラメータを適宜、校正して最適な補正パラメータに更新できる。したがって、出力特性補正部5912が更新された最適な補正パラメータを用いてホール素子5911の出力特性を補正することで、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石582を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値をホール素子5911から出力させることができる。
【0118】
そして、プロジェクタ1は、光学絞り装置5により光源装置411から液晶パネル441に照射される光束の光量を調整することができるので、絞り駆動制御部623が画像の明るさ情報に応じて光学絞り装置5を制御して全体的に暗い場面の場合には光量を低減し、全体的に明るい場面の場合には光量を増加させることで、高コントラスト比の投影画像を実現できる。
また、プロジェクタ1は、構造の簡素化および小型化が可能な光学絞り装置5を備えているので、プロジェクタ1内部において、近接配置された第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の部材間に光学絞り装置5を容易に配設することができ、プロジェクタ1のレイアウトの自由度を向上できる。
さらに、プロジェクタ1は、駆動時において振動を抑制し安定した駆動を実現できる光学絞り装置5を備えているので、振動により投影画像に与える影響を抑制し、投影画像を良好に維持できる。
さらにまた、絞り駆動制御部623の処理負荷を低減させつつ、絞り駆動制御部623により各遮光羽根52を高精度に回動させることができるので、光源装置411から液晶パネル441に照射される光束の光量を高精度に調整でき、投影画像の画像品質を向上させることができる。
【0119】
そしてまた、補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1を組み立てた状態で、光源装置411から射出され光学絞り装置5を介し投射レンズ3にて拡大投射される光学像の光量、すなわち、実際に光学絞り装置5が光量調整する光束に基づいて、補正パラメータを更新するので、光源装置411から液晶パネル441に照射される光束の光量をより高精度に調整でき、投影画像の画像品質をより向上させることができる。
【0120】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1を組み立てた後、プロジェクタ1を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正している。
これに対して第2実施形態では、補正パラメータ校正装置200は、光学絞り装置5単体を用いて、光学絞り装置5を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正する。すなわち、本実施形態は、前記第1実施形態に対して、補正パラメータ校正装置200の構成が異なるのみであり、その他のプロジェクタ1の構成は前記第1実施形態と同様のものである。
【0121】
図12は、第2実施形態における補正パラメータ校正装置200の制御構造を模式的に示すブロック図である。
補正パラメータ校正装置200は、図12に示すように、前記第1実施形態で説明した補正パラメータ校正装置100に対して、補正用光源装置230を備える点、および制御装置123に対応する制御装置223の制御構造が異なるのみである。
補正用光源装置230は、制御装置223による制御の下、光学絞り装置5に向けて光束を射出する。この補正用光源装置230としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子、レーザダイオード、有機EL素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用できる。
【0122】
制御装置223は、操作部121からの操作信号の入力に応じて、所定のプログラムを実行し、光学絞り装置5を駆動させ、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。この制御装置223は、図12に示すように、前記第1実施形態で説明したメモリ1233の他、インターフェース部2231と、制御部本体2232とを備える。
【0123】
インターフェース部2231は、光学絞り装置5と信号線Si3を介して接続し、制御部本体2232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して光学絞り装置5(電磁コイル581、位置センサ59)に出力する。
また、インターフェース部2231は、光学絞り装置5(位置センサ59)から出力される信号を制御部本体2232にて処理可能な信号に変換して制御部本体2232に出力する。
さらに、インターフェース部2231は、光束検出装置110と信号線Si2を介して接続し、制御部本体2232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して光束検出装置110に出力する。
さらにまた、インターフェース部2231は、光束検出装置110から出力される信号を制御部本体2232にて処理可能な信号に変換して制御部本体2232に出力する。
【0124】
制御部本体2232は、CPU等を含んで構成され、作業者による操作部121の入力操作に応じて、メモリ1233から所定のプログラムを読み出し所定の処理を実行して、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施するとともに光束検出装置110から出力される信号に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。
そして、制御部本体2232は、本発明に係る光源駆動制御部、絞り駆動制御部、およびパラメータ更新部に相当する。
【0125】
次に、上述した補正パラメータ校正装置200を利用した補正パラメータ校正方法を図面に基づいて説明する。
図13は、第2実施形態における補正パラメータ校正装置200を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャートである。
なお、以下の補正パラメータ校正方法を実施する前に、光学絞り装置5は、全て組み立てられた状態で、光学絞り装置5とインターフェース部2231とが信号線Si3を介して接続されている状態とする。また、光束検出装置110とインターフェース部2231とが信号線Si2と介して接続されている状態とする。
先ず、補正パラメータ校正装置200の制御部本体2232は、操作部121に補正パラメータを校正する旨の入力操作が実施されると、所定のプログラムにしたがって、以下に示すように、補正パラメータを校正する。
【0126】
すなわち、制御部本体2232は、補正用光源装置230に所定の制御指令を出力し、補正用光源装置230から光束を射出させる(ステップS11:光束射出ステップ)。
ステップS11の後、制御部本体2232は、オフセット補正パラメータを校正する(ステップS12)。なお、オフセット補正パラメータの校正方法は、前記第1実施形態で説明したオフセット補正パラメータの校正方法と略同様であるため、以下では、図10を参照して説明する。
先ず、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された設計オフセット電圧値情報を読み出して設計オフセット電圧値情報に基づくオフセット電圧値Vdd/2を認識する。また、制御部本体2232は、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力される基準位置(オフセット基準位置)に永久磁石582を位置付ける(ステップS12A:永久磁石位置決めステップ)。
【0127】
ステップS12Aの後、制御部本体2232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御信号を出力し、補正用光源装置230から射出され光学絞り装置5を介した光束の光量LXを光束検出装置110に検出させる(ステップS12B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光束の検出光量LXに応じた信号を制御部本体2232に出力する。
ステップS12Bの後は、前記第1実施形態で説明したステップS3C〜S3Gと略同様の処理が実施される。すなわち、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された中間光量情報と光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較し(ステップS12C,S12F)、比較結果に応じて適宜、オフセット補正パラメータを変更し(ステップS12D,S12G)、変更したオフセット補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS12E)。
【0128】
ステップS12の後、制御部本体2232は、ゲイン補正パラメータを校正する(ステップS13)。なお、ゲイン補正パラメータの校正方法は、前記第1実施形態で説明した現補正パラメータの校正方法と略同様であるため、以下では、図11を参照して説明する。
先ず、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された設計最大出力電圧値情報を読み出して設計最大出力電圧値情報に基づく最大出力電圧値Vddを認識する。また、制御部本体2232は、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力される基準位置(ゲイン基準位置)に永久磁石582を位置付ける(ステップS13A:永久磁石位置決めステップ)。
【0129】
ステップS13Aの後、制御部本体2232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御信号を出力し、補正用光源装置230から射出され光学絞り装置5を介した光束の光量LXを光束検出装置110に検出させる(ステップS13B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光束の検出光量LXに応じた信号を制御部本体2232に出力する。
ステップS13Bの後は、前記第1実施形態で説明したステップS4C〜S4Gと略同様の処理が実施される。すなわち、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された最大光量情報と光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較し(ステップS13C,S13F)、比較結果に応じて適宜、ゲイン補正パラメータを変更し(ステップS13D,S13G)、変更したゲイン補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS13E)。
そして、上述したステップS12C〜S12G、S13C〜S13Gが本発明に係るパラメータ更新ステップに相当する。
以上のステップS11〜S13により、補正パラメータの校正が終了する。
【0130】
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態の補正パラメータ校正装置200は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、補正用光源装置230から射出され光学絞り装置5を介した光束の光量に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ1に光学絞り装置5を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置5単体と補正パラメータ校正装置200とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。
【0131】
また、補正用光源装置230が固体発光素子で構成されているので、例えば、補正用光源装置230として放電発光型の光源ランプを採用した構成と比較して、補正パラメータ校正装置200の小型・軽量化が図れる。また、補正用光源装置230から安定した輝度の光束を射出させることができるので、安定した輝度の光束の光量に基づいて補正パラメータを更新することで、補正パラメータを高精度に校正できる。
【0132】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1を組み立てた後、プロジェクタ1を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正している。また、光束検出装置110にて検出した検出光量LXに基づいて、補正パラメータを校正している。
これに対して第3実施形態では、補正パラメータ校正装置300は、光学絞り装置5単体を用いて、光学絞り装置5を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正する。また、補正パラメータ校正装置300は、光学絞り装置5と機械的に接続し、機械的に各遮光羽根52を所定の開口面積となる位置に位置付ける機械式絞り駆動装置340を備える。そして、機械式絞り駆動装置340にて所定の開口面積となる位置に各遮光羽根52を位置付けた状態で、前記所定の開口面積に対応する設計上の出力値を位置センサ59が出力するように、補正パラメータを校正する。すなわち、本実施形態は、前記第1実施形態に対して、補正パラメータ校正装置300の構成が異なるのみであり、その他のプロジェクタ1の構成は前記第1実施形態と同様のものである。
【0133】
図14は、第3実施形態における補正パラメータ校正装置300の制御構造を模式的に示すブロック図である。
補正パラメータ校正装置300は、図14に示すように、前記第1実施形態で説明した補正パラメータ校正装置100に対して、光束検出装置110が省略された点、機械式絞り駆動装置340を備える点、および制御装置123に対応する制御装置323の制御構造が異なるのみである。
機械式絞り駆動装置340は、例えば、モータ等により構成され、光学絞り装置5における絞りリング56と機械的に接続し、駆動することで絞りリング56を回動させる。すなわち、機械式絞り駆動装置340を駆動することで、絞りリング56が回動し、各遮光羽根52が所定の開口面積となる位置に位置付けられる。
【0134】
制御装置323は、操作部121からの操作信号の入力に応じて所定のプログラムを実行し、機械式絞り駆動装置340を適宜、駆動させ、位置センサ59から出力される出力値に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。この制御装置323は、図14に示すように、インターフェース部3231と、制御部本体3232と、メモリ3233とを備える。
【0135】
インターフェース部3231は、光学絞り装置5(位置センサ59)と信号線Si3を介して接続し、制御部本体3232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して位置センサ59に出力する。
また、インターフェース部3231は、位置センサ59から出力される信号を制御部本体3232にて処理可能な信号に変換して制御部本体3232に出力する。
さらに、インターフェース部3231は、機械式絞り駆動装置340と信号線Si4を介して接続し、制御部本体3232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して機械式絞り駆動装置340に出力する。
【0136】
メモリ3233は、制御部本体3232にて実行されるプログラムや、制御部本体3232にて用いられる基準出力値情報および駆動値情報を記憶する。
具体的に、前記基準出力値情報は、開口面積が中間開口面積Smidの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上のオフセット電圧値に関する設計オフセット電圧値情報、開口面積が最大開口面積Smaxの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最大出力電圧値に関する設計最大出力電圧値情報、および、開口面積が最小開口面積Sminの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最小出力電圧値に関する設計最小出力電圧値情報である。また、これら設計オフセット電圧値情報、設計最大出力電圧値情報、および設計最小出力電圧値情報は、設計上のオフセット電圧値Vdd/2、最大出力電圧値Vdd、最小出力電圧値0に対して所定の許容値Pが加味された所定の範囲に関する情報である。より具体的に、設計オフセット電圧値情報は、Vdd/2−P〜Vdd/2+Pの範囲に関する情報であり、設計最大出力値情報は、Vdd−P〜Vdd+Pの範囲に関する情報であり、P以下の範囲に関する情報である。
すなわち、メモリ3233は、本発明に係る出力値情報記憶部に相当する。
【0137】
また、前記駆動値情報は、機械式絞り駆動装置340を駆動する際の駆動値(機械式絞り駆動装置340がパルスモータ等で構成されていればパルス値等)に関する情報である。より具体的に、前記駆動値情報は、開口面積が中間開口面積Smidとなる位置に各遮光羽根52を位置付けるための機械式絞り駆動装置340の中間駆動値に関する中間駆動値情報と、開口面積が最大開口面積Smaxあるいは最小開口面積Sminとなる位置に各遮光羽根52を位置付けるための機械式絞り駆動装置340の最大駆動値あるいは最小駆動値に関する最大駆動値情報あるいは最小駆動値情報とで構成される情報である。
【0138】
制御部本体3232は、CPU等を含んで構成され、作業者による操作部121の入力操作に応じて、メモリ3233から所定のプログラムを読み出し所定の処理を実行して、機械式絞り駆動装置340を駆動させて各遮光羽根52を所定の開口面積となる基準位置に位置付けるとともに、位置センサ59から出力される信号に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。
そして、制御部本体3232は、本発明に係る機械式絞り駆動制御部およびパラメータ更新部に相当する。
【0139】
次に、上述した補正パラメータ校正装置300を利用した補正パラメータ校正方法を図面に基づいて説明する。
図15は、第3実施形態における補正パラメータ校正装置300を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャートである。
なお、以下の補正パラメータ校正方法を実施する前に、光学絞り装置5は、全て組み立てられた状態で、絞りリング56と機械式絞り駆動装置340とが機械的に接続され、位置センサ59とインターフェース部3231とが信号線Si3を介して接続されている状態とする。また、機械式絞り駆動装置340とインターフェース部3231とが信号線Si4を介して接続されている状態とする。さらに、光学絞り装置5における絞りリング56は所定の回動位置に位置し、各遮光羽根52が所定の開口面積(例えば、最小開口面積Smin、最大開口面積Smax)となる位置に位置付けられているものとする。
先ず、補正パラメータ校正装置300の制御部本体3232は、操作部121に補正パラメータを構成する旨の入力操作が実施されると、所定のプログラムにしたがって、以下に示すように、補正パラメータを校正する。
【0140】
すなわち、先ず、制御部本体3232は、オフセット補正パラメータを校正する(ステップS21)。
具体的に、図16は、オフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された中間駆動値情報を読み出し、中間駆動値情報に基づく中間駆動値を機械式絞り駆動装置340に出力する。そして、機械式絞り駆動装置340は、絞りリング56を中間駆動値に応じた回動量だけ回動させ、各遮光羽根52を開口面積が中間開口面積Smidとなる基準位置(オフセット基準位置)に位置付ける(ステップS21A:遮光羽根位置決めステップ)。
【0141】
ステップS21Aの後、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された設計オフセット電圧値情報と、位置センサ59から出力される出力値Vとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体3232は、出力値Vが設計オフセット電圧値情報に基づくVdd/2−P以上であるか否かを判定する(ステップS21B)。
【0142】
ステップS21Bにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd/2−P未満であると判定した場合には、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを増加させ(ステップS21C)、変更したオフセット補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS21D)。
【0143】
より具体的に、ステップS21Bにおいて、出力値VがVdd/2−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に位置付けられた際、位置センサ59から設計上のオフセット電圧値Vdd/2に許容値Pを加味した値よりも小さい出力値が出力されている状態である。
そして、ステップS21Dの後、再度、ステップS21Bに戻り、ステップS21Cにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd/2−P以上であると判定されるまで、上述したステップS21B〜S21Dを繰り返し実施する。すなわち、ステップS21CおよびステップS21Dにおいて、オフセット補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。そして、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd/2−P以上となる出力値Vが出力されることとなる。
【0144】
ステップS21Bにおいて、制御部本体3232は、「Y」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd/2−P以上であると判定した場合には、次に、出力値Vが設計オフセット値情報に基づくVdd/2+P以下であるか否かを判定する(ステップS21E)。
ステップS21Eにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd/2+Pを超えると判定した場合には、補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを減少させる(ステップS21F)。そして、ステップS21Dにおいて、変更したオフセット補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる。
【0145】
より具体的に、ステップS21Eにおいて、出力値VがVdd/2+Pを超えると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に位置付けられた際に、位置センサ59から設計上のオフセット電圧値Vdd/2に許容値Pを加味した値よりも大きい出力値が出力されている状態である。
ステップS21Fにおいてオフセット補正パラメータを減少させ、ステップS21Dにおいてオフセット補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS21Bに戻り、ステップS21Fにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd/2+P以下であると判定されるまで、上述したステップS21B〜S21Fを繰り返し実施する。すなわち、ステップS21FおよびステップS21Dにおいて、オフセット補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。そして、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd/2+P以下となる出力値Vが出力されることとなる。
【0146】
以上のオフセット補正パラメータの校正(ステップS21)により、各遮光羽根52が中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に位置付けられている際に、ホール素子5911からの出力値VがVdd/2−P以上でありかつVdd/2+P以下である範囲内に入ることとなる。
【0147】
ステップS21の後、制御部本体3232は、ゲイン補正パラメータを校正する(ステップS22)。
具体的に、図17は、ゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された最大駆動値情報を読み出し、最大駆動値情報に基づく最大駆動値を機械式絞り駆動装置340に出力する。そして、機械式絞り駆動装置340は、絞りリング56を最大駆動値に応じた回動量だけ回動させ、各遮光羽根52を開口面積が最大開口面積Smaxとなる基準位置(ゲイン基準位置)に位置付ける(ステップS22A:遮光羽根位置決めステップ)。
【0148】
ステップS22Aの後、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された設計最大出力電圧値情報と、位置センサ59から出力される出力値Vとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体3232は、出力値Vが設計オフセット電圧値情報に基づくVdd−P以上であるか否かを判定する(ステップS22B)。
【0149】
ステップS22Bにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd−P未満であると判定した場合には、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを増加させ(ステップS22C)、変更したゲイン補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS22D)。
【0150】
より具体的に、ステップS22Bにおいて、出力値VがVdd−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に位置付けられた際に、ホール素子5911から設計上の最大出力電圧値Vddに許容値Pを加味した値よりも小さい出力値が出力されている状態である。
そして、ステップS22Dの後、再度、ステップS22Bに戻り、ステップS22Cにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd−P以上であると判定されるまで、上述したステップS22B〜S22Dを繰り返し実施する。すなわち、ステップS22CおよびステップS22Dにおいて、ゲイン補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。そして、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd−P以上となる出力値Vが出力されることとなる。
【0151】
ステップS22Bにおいて、制御部本体3232は、「Y」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd−P以上であると判定した場合には、次に、出力値Vが設計最大出力電圧値情報に基づくVdd+P以下であるか否かを判定する(ステップS22E)。
ステップS22Eにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd+Pを超えると判定した場合には、補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを減少させる(ステップS22F)。そして、ステップS22Dにおいて、変更したゲイン補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる。
【0152】
より具体的に、ステップS22Eにおいて、出力値VがVdd+Pを超えると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に位置付けられた際に、ホール素子5911から設計上の最大出力電圧値Vddに許容値Pを加味した値よりも大きい出力値が出力されている状態である。
ステップS22Fにおいてゲイン補正パラメータを減少させ、ステップS22Dにおいてゲイン補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS22Bに戻り、ステップS22Fにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd+P以下であると判定されるまで、上述したステップS22B〜S22Fを繰り返し実施する。すなわち、ステップS22FおよびステップS22Dにおいて、ゲイン補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。そして、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd+P以下となる出力値Vが出力されることとなる。
【0153】
以上のゲイン補正パラメータの校正(ステップS22)により、各遮光羽根52が最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に位置付けられた際に、ホール素子5911からの出力値VがVdd−P以上でありかつVdd+P以下である範囲内に入ることとなる。また、上述したように、ゲイン補正では、ホール素子5911における出力特性の傾きがオフセット電圧値Vofを基準として変更されるので、各遮光羽根52が最小開口面積Sminとなる位置に永久磁石582が位置付けられた際に、ホール素子5911から設計最小出力電圧値情報に基づくP以下の範囲に入る出力値Vが出力されることとなる。すなわち、ゲイン補正パラメータを校正することにより、前記第1実施形態と同様に、ホール素子5911における出力特性が、メモリ64に記憶された開口面積−電圧値関連情報に対応した出力特性に補正されることとなる。
そして、上述したステップS21B〜S21F、S22B〜S22Fが本発明に係るパラメータ更新ステップに相当する。
以上のステップS21、S22により補正パラメータが校正される。
【0154】
上述した第3実施形態においては、前記第1実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態の補正パラメータ校正装置300は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、機械式絞り駆動装置340を用いて各遮光羽根52を所定の基準位置に位置付け、位置センサ59から出力される出力値に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ1に光学絞り装置5を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置5単体と補正パラメータ校正装置300とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。また、光学絞り装置5に光束を射出し光学絞り装置5を介した光束に基づいて補正パラメータを更新する構成と比較して、作業環境に依存せずに、補正パラメータを良好に校正できる。
【0155】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、位置センサ59に補正パラメータ記憶部5913を設けていたが、これに限らず、例えば、プロジェクタ1の制御装置6に補正パラメータ記憶部5913と同様の補正パラメータ記憶部を設けた構成としても構わない。そして、位置センサ59の出力特性補正部5912は、制御装置6に設けられた補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを読み出して、オフセット補正またはゲイン補正を実施する。
【0156】
前記各実施形態において、光学絞り装置5の構成は、前記各実施形態で説明した構成に限らず、その他の構成の光学絞り装置を採用しても構わない。
前記第1実施形態および前記第2実施形態では、ゲイン補正パラメータを補正する際に、永久磁石位置決めステップS4A,S13Aにおいて、最大出力電圧値Vddが位置センサ59から出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付けている。また、ステップS4C,S13C,S4F,S13Fでは、最大光量情報と検出光量LXとを比較している。この構成に限らず、上記各ステップにおいて、最小出力電圧値0が位置センサ59から出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付けるとともに、最小光量情報と検出光量LXとを比較する構成としても構わない。
同様に、前記第3実施形態では、ゲイン補正パラメータを補正する際に、遮光羽根位置決めステップS22Aにおいて、最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に各遮光羽根52を位置付けている。また、ステップS22B,S22Eでは、設計最大出力値情報と出力値Vとを比較している。この構成に限らず、上記各ステップにおいて、最小開口面積Sminとなるゲイン基準位置に各遮光羽根52を位置付けるとともに、設計最小出力値情報と出力値Vとを比較する構成としても構わない。
【0157】
前記各実施形態では、光学絞り装置5は、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配設されていたが、これに限らず、光源装置411と第1レンズアレイ412との間等の光源装置411から射出され各液晶パネル441に至る光束の光路中であれば、いずれの位置に配設しても構わない。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1を説明したが、これに限らない。例えば、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光学ユニット4は、平面視略L字状の形状を有していたが、その他の形状を採用してもよく、例えば、平面視略U字状の形状としてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを説明したが、本発明では、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【0158】
前記各実施形態では、光変調装置として透過型の液晶パネル441を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネル、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメント社の商標)、光の回折現象を利用したGLV(Grating Light Valve)デバイス(Silicon Light Machines社の商標)等を採用してもよい。
前記各実施形態では、光学絞り装置5をプロジェクタ1に搭載した構成を説明したが、光学絞り装置5は、プロジェクタ1に限らず、その他の光学機器、例えば、カメラ等に搭載した構成を採用しても構わない。また、光学絞り装置5をカメラに搭載した場合には、絞り装置として用いる構成の他、レンズシャッタ等として用いても構わない。
【0159】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明の光学絞り装置は、構造の簡素化が図れるとともに、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタの光学絞り装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】第1実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。
【図2】前記実施形態における光学絞り装置の概略構成の一例を示す図。
【図3】前記実施形態における光学絞り装置の概略構成の一例を示す図。
【図4】前記実施形態におけるベース板本体を光束入射側から見た斜視図。
【図5】前記実施形態における電磁アクチュエータおよび位置センサの構造を模式的に示す図。
【図6】前記実施形態における出力特性補正部の処理機能の一例を示す図。
【図7】前記実施形態におけるプロジェクタおよび補正パラメータ校正装置の制御構造を模式的に示すブロック図。
【図8】前記実施形態における光学絞り装置の製造誤差を模式的に示す図。
【図9】前記実施形態における補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャート。
【図10】前記実施形態におけるオフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【図11】前記実施形態におけるゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【図12】第2実施形態における補正パラメータ校正装置の制御構造を模式的に示すブロック図。
【図13】前記実施形態における補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャート。
【図14】第3実施形態における補正パラメータ校正装置の制御構造を模式的に示すブロック図。
【図15】前記実施形態における補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャート。
【図16】前記実施形態におけるオフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【図17】前記実施形態におけるゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0162】
1・・・プロジェクタ、3・・・投射レンズ(投射光学装置)、5・・・光学絞り装置、6・・・制御装置(プロジェクタ側制御装置)、52・・・遮光羽根、58・・・電磁アクチュエータ、100,200,300・・・補正パラメータ校正装置、110・・・光束検出装置、123,223,323・・・制御装置(校正側制御装置)、230・・・補正用光源装置、340・・・機械式絞り駆動装置、411・・・光源装置、441・・・液晶パネル(光変調装置)、581・・・電磁コイル、582・・・永久磁石、1232,2232・・・制御部本体(光源駆動制御部、絞り駆動制御部、パラメータ更新部)、1233・・・メモリ(光量情報記憶部、出力値情報記憶部)、3232・・・制御部本体(機械式絞り駆動制御部、パラメータ更新部)、5911・・・ホール素子(磁気素子)、5912・・・出力特性補正部、5913・・・補正パラメータ記憶部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学絞り装置、プロジェクタ、補正パラメータ校正装置、および補正パラメータ校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置と、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタにおいて、投影画像のコントラスト向上等を目的として、光源装置から射出され光変調装置に入射する光束の光量を調整するために、光源装置から射出された光束を部分的に遮蔽する開閉遮光部材(光学絞り装置)を備えたプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学絞り装置は、回動自在に構成される一対の矩形板状の遮光板(遮光羽根)を有する。そして、光学絞り装置は、パルスモータ等の駆動装置により遮光羽根を所望の位置に精度良く移動させることで、光源装置から射出された光束を段階的に遮蔽する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−264819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光学絞り装置では、駆動装置としてパルスモータ等を用いているので、駆動装置自体の大きさで光学絞り装置の小型化が阻害されてしまう。また、駆動装置の駆動時における振動により安定した駆動を実現できない。
このため、光学絞り装置の構造を簡素化させ、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる技術が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、構造の簡素化が図れるとともに、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる光学絞り装置、プロジェクタ、補正パラメータ校正装置、および補正パラメータ校正方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学絞り装置は、入射した光束の光量を調整する光学絞り装置であって、移動自在に構成され、移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し、前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、および所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部を有する位置検出部とを備えていることを特徴とする。
本発明では、光学絞り装置は、遮光羽根を移動させる駆動装置として電磁アクチュエータを備えている。そして、電磁アクチュエータとしては、以下の特徴がある。
すなわち、低電圧駆動が可能となり、光学絞り装置の低消費電力化を図れる。
また、比較的に小さい大きさの領域で比較的に大きい力を出せ、遮光羽根を円滑に移動させることができる。
さらに、高湿度等の悪い環境下でも使用でき、光学絞り装置の長寿命化を図れる。
さらにまた、駆動応答特性が良好であり、遮光羽根を高速応答させて円滑に回動させることができる。
したがって、駆動装置として電磁アクチュエータを用いることで、従来のように駆動装置としてパルスモータ等を用いる構成と比較して、永久磁石およびコイル等の簡素な構造で駆動装置を構成でき、光学絞り装置の構造の簡素化および小型化が可能となる。また、従来の構成と比較して、駆動時における振動を低減させることができ、光学絞り装置の安定した駆動を実現できる。
【0007】
ところで、上述した光学絞り装置を駆動制御する制御装置としては、以下に示す処理構造を採用することで、処理負荷を軽減させた制御装置を構成できる。
すなわち、制御装置は、位置検出部(磁気素子)からの出力値(電圧値)に基づいて、電磁アクチュエータを駆動制御する。より具体的には、制御装置は、メモリ等に記憶された開口面積と設計上の設計電圧値とが関連付けられた開口面積−電圧値関連情報に基づいて、所定の開口面積となる位置に遮光羽根を位置付ける際、前記所定の開口面積に関連づけられた設計電圧値を認識する。そして、制御装置は、認識した設計電圧値に位置検出部からの出力値が略同一となるように、電磁アクチュエータを駆動制御し、永久磁石を所定位置に位置付ける。すなわち、永久磁石を前記所定位置に位置付けることで、遮光羽根を移動させ前記所定の開口面積となる位置に位置付ける。
しかしながら、光学絞り装置に製造誤差、例えば、永久磁石の実装位置の製造誤差、永久磁石の着磁位置の製造誤差、位置検出部の実装位置の製造誤差等が生じている場合には、以下の問題がある。
すなわち、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合であっても、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値とは異なる出力値が位置検出部から出力される。このため、上述したように、制御装置が所定の開口面積に対応した設計電圧値に位置検出部からの出力値が略同一となるように電磁アクチュエータを駆動制御した場合には、前記所定の面積に対応した位置に永久磁石を位置付けることができない。すなわち、遮光羽根を前記所定の開口面積となる位置に位置付けることができない。
【0008】
本実施形態では、位置検出部は、磁気素子および出力特性補正部を備えている。このことにより、補正パラメータを最適な補正パラメータに校正すれば、出力特性補正部が校正された補正パラメータに基づいて磁気素子の出力特性を補正するので、光学絞り装置に上述した製造誤差が生じている場合であっても、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値を位置検出部(磁気素子)から出力させることができる。このため、上述したように、制御装置が所定の開口面積に対応した設計電圧値に位置検出部からの出力値が略同一となるように電磁アクチュエータを駆動制御した場合に、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けることができ、遮光羽根を前記所定の開口面積となる位置に高精度に位置付けることができる。したがって、光学絞り装置を駆動制御する制御装置の処理負荷を低減させつつ、前記制御装置を用いて遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0009】
本発明の光学絞り装置では、前記補正パラメータは、前記開口面積が所定の開口面積となる規定位置に前記永久磁石が位置している状態で前記磁気素子が所定の規定電圧値を出力するように前記規定電圧値に対する前記永久磁石の位置をオフセットして出力特性を補正するためのオフセット補正パラメータであることが好ましい。
本発明によれば、補正パラメータがオフセット補正パラメータであるので、出力特性補正部がオフセット補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性の補正(オフセット補正)を実施することで、規定電圧値(例えば、オフセット電圧値)に対する永久磁石の位置をオフセットさせて、所定の開口面積となる規定位置に永久磁石が位置している状態で磁気素子に規定電圧値を出力させることができる。したがって、このように、オフセット補正パラメータを用いたオフセット補正を可能とする構成とすることで、磁気素子の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
【0010】
本発明の光学絞り装置では、前記補正パラメータは、前記開口面積が最小開口面積となる第1の位置から前記開口面積が最大開口面積となる第2の位置の範囲に前記永久磁石が位置付けられている際に、前記磁気素子が前記永久磁石における前記範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値を出力するように出力特性を補正するためのゲイン補正パラメータであることが好ましい。
本発明によれば、補正パラメータがゲイン補正パラメータであるので、出力特性補正部がゲイン補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性の補正(ゲイン補正)を実施することで、開口面積が最小開口面積となる第1の位置から開口面積が最大開口面積となる第2の位置の範囲に永久磁石が位置付けられている状態で永久磁石における範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値を磁気素子に出力させることができる。したがって、このように、ゲイン補正パラメータを用いたゲイン補正を可能とする構成とすることで、磁気素子の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
また、ゲイン補正により、磁気素子が出力する電圧値を全ての範囲(第1の位置から第2の位置)に亘って、各設計電圧値に補正することができるので、遮光羽根をより高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0011】
本発明の光学絞り装置では、前記位置検出部は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することが好ましい。
本発明によれば、位置検出部に設けられた補正パラメータ記憶部は、補正パラメータを書き換え可能に記憶するので、補正パラメータを適宜、校正して最適な補正パラメータに更新できる。したがって、出力特性補正部が更新された最適な補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性を補正することで、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値を磁気素子から出力させることができる。
【0012】
本発明のプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する、上述した光学絞り装置と、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御する制御装置とを備えていることを特徴とする。
ここで、制御装置としては、上述した処理負荷を軽減させた制御装置の構造を採用できる。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学絞り装置を備えているので、上述した光学絞り装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、光学絞り装置により光源から光変調装置に照射される光束の光量を調整することができるので、例えば、制御装置が画像の輝度に応じて光学絞り装置を制御して全体的に暗い場面の場合には光量を低減し、全体的に明るい場面の場合には光量を増加させることで、高コントラスト比の投影画像を実現できる。
さらに、構造の簡素化および小型化が可能な光学絞り装置を備えているので、プロジェクタ内部において、近接配置された光学部品間に光学絞り装置を容易に配設することができ、プロジェクタのレイアウトの自由度を向上できる。
さらにまた、駆動時において振動を抑制し安定した駆動を実現できる光学絞り装置を備えているので、振動により投影画像に与える影響を抑制し、投影画像を良好に維持できる。
また、制御装置の処理負荷を低減させつつ、制御装置を用いて遮光羽根を高精度に移動させることができるので、光源装置から光変調装置に照射される光束の光量を高精度に調整でき、投影画像の画像品質を向上させることが可能となる。
【0013】
本発明のプロジェクタでは、前記制御装置は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することが好ましい。
本発明によれば、制御装置に設けられた補正パラメータ記憶部は、補正パラメータを書き換え可能に記憶するので、補正パラメータを適宜、校正して最適な補正パラメータに更新できる。したがって、出力特性補正部が更新された最適な補正パラメータを用いて磁気素子の出力特性を補正することで、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値を磁気素子から出力させることができる。
【0014】
本発明の補正パラメータ校正装置は、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、当該補正パラメータ校正装置は、前記プロジェクタ側制御装置に所定の制御指令を出力して前記プロジェクタを駆動制御する校正側制御装置と、前記プロジェクタから拡大投射された光学像の光量を検出して前記光量に関する検出光量情報を出力する光束検出装置とを備え、前記校正側制御装置は、基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の補正パラメータ校正装置は、上述したプロジェクタに用いられる補正パラメータ校正装置であるので、上述したプロジェクタと同様の作用・効果を享受できる。
また、補正パラメータ校正装置は、校正側制御装置と、光束検出装置とを備えているので、プロジェクタを組み立てた状態で、例えば、以下に示すように、補正パラメータを校正できる。
先ず、校正側制御装置の光源駆動制御部は、プロジェクタ側制御装置に光源装置を駆動制御させ、光源装置から光束を射出させる(光束射出ステップ)。
次に、校正側制御装置の絞り駆動制御部は、プロジェクタ側制御装置に電磁アクチュエータを駆動制御させ、位置検出部(磁気素子)から出力値情報記憶部に記憶された基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付ける(永久磁石位置決めステップ)。
次に、校正側制御装置は、プロジェクタから拡大投射される光学像の光量を光束検出装置に検出させる(光束検出ステップ)。
次に、校正側制御装置のパラメータ更新部は、光束検出装置にて検出された検出光量が光量情報記憶部に記憶された基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する(パラメータ更新ステップ)。
【0016】
例えば、上述したように光学絞り装置に製造誤差が生じている場合には、永久磁石位置決めステップにてプロジェクタ側制御装置が位置検出部から所定の開口面積に対応した基準出力値(設計電圧値)が出力される基準位置に永久磁石を位置付けた場合であっても、遮光羽根は、前記所定の開口面積となる位置に位置付けられていない。すなわち、光束検出ステップにて検出された検出光量は、前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一ではない。そこで、パラメータ更新ステップにて補正パラメータを更新することで、出力特性補正部により磁気素子の出力特性が補正され、磁気素子から出力される出力値が変更される。また、プロジェクタ側制御装置は、位置検出部から前記所定の開口面積に対応した基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付けるように制御することで、永久磁石の位置が変更され、遮光羽根による開口面積が変更される。そして、パラメータ更新ステップにて、検出光量が前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一となるように補正パラメータを更新することで、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した基準出力値を位置検出部から出力させることができる。
以上のように、補正パラメータ校正装置は、プロジェクタを組み立てた状態で、光源装置から射出され光学絞り装置および光変調装置を介し投射光学装置にて拡大投射される光学像の光量、すなわち、実際に光学絞り装置が光量調整する光束に基づいて、補正パラメータを更新するので、光源装置から光変調装置に照射される光束の光量をより高精度に調整でき、投影画像の画像品質をより向上させることが可能となる。
【0017】
本発明の補正パラメータ校正装置は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に向けて光束を射出する補正用光源装置と、前記補正用光源装置から射出され前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出装置と、前記補正用光源装置および前記電磁アクチュエータを駆動制御する校正側制御装置とを備え、前記校正側制御装置は、基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、前記補正用光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、前記位置検出部から出力される出力値に基づいて前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明の補正パラメータ校正装置は、上述した光学絞り装置に用いられる補正パラメータ校正装置であるので、上述した光学絞り装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、補正パラメータ校正装置は、補正用光源装置と、光束検出装置と、校正側制御装置とを備えているので、光学絞り装置を組み立てた状態で、例えば、以下に示すように、補正パラメータを校正できる。
先ず、校正側制御装置の光源駆動制御部は、補正用光源装置から光学絞り装置に向けて光束を射出させる(光束射出ステップ)。
次に、校正側制御装置の絞り駆動制御部は、電磁アクチュエータを駆動制御し、位置検出部(磁気素子)から出力値情報記憶部に記憶された基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付ける(永久磁石位置決めステップ)。
次に、校正側制御装置は、補正用光源装置から射出され光学絞り装置を介した光束の光量を光束検出装置に検出させる(光束検出ステップ)。
次に、校正側制御装置のパラメータ更新部は、光束検出装置にて検出された検出光量が光量情報記憶部に記憶された基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する(パラメータ更新ステップ)。
【0019】
例えば、上述したように光学絞り装置に製造誤差が生じている場合には、永久磁石位置決めステップにて絞り駆動制御部が位置検出部から所定の開口面積に対応した基準出力値(設計電圧値)が出力される基準位置に永久磁石を位置付けた場合であっても、遮光羽根は、前記所定の開口面積となる位置に位置付けられていない。すなわち、光束検出ステップにて検出された検出光量は、前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一ではない。そこで、パラメータ更新ステップにて補正パラメータを更新することで、出力特性補正部により磁気素子の出力特性が補正され、磁気素子から出力される出力値が変更される。また、絞り駆動制御部は、位置検出部から前記所定の開口面積に対応した基準出力値が出力される基準位置に永久磁石を位置付けるように制御することで、永久磁石の位置が変更され、遮光羽根による開口面積が変更される。そして、パラメータ更新ステップにて、検出光量が前記所定の開口面積に対応した基準光量と同一となるように補正パラメータを更新することで、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した基準出力値を位置検出部から出力させることができる。
以上のように、補正パラメータ校正装置は、光学絞り装置を組み立てた状態で、補正用光源装置から射出され光学絞り装置を介した光束の光量に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ等の光学機器に光学絞り装置を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置単体と補正パラメータ校正装置とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。
【0020】
本発明の補正パラメータ校正装置では、前記補正用光源装置は、固体発光素子で構成されていることが好ましい。
本発明によれば、補正用光源装置が固体発光素子で構成されているので、例えば、補正用光源装置として放電発光型の光源ランプを採用した構成と比較して、補正パラメータ校正装置の小型・軽量化が図れる。また、補正用光源装置から安定した輝度の光束を射出させることができるので、安定した輝度の光束の光量に基づいて補正パラメータを更新することで、補正パラメータを高精度に校正できる。
【0021】
本発明の補正パラメータ校正装置は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に機械的に接続し駆動することで前記遮光羽根を所定位置に位置付ける機械式絞り駆動装置と、前記機械式絞り駆動装置を駆動制御する校正側制御装置とを備え、前記校正側制御装置は、基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記機械式絞り駆動装置を駆動させ、前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける機械式絞り駆動制御部と、前記位置検出部から出力される出力値が前記基準出力値情報に基づく基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明の補正パラメータ校正装置は、上述した光学絞り装置に用いられる補正パラメータ校正装置であるので、上述した光学絞り装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、補正パラメータ校正装置は、機械式絞り駆動装置と、校正側制御装置とを備えているので、光学絞り装置を組み立てた状態で、例えば、以下に示すように、補正パラメータを校正できる。
先ず、校正側制御装置の機械式絞り駆動制御部は、機械式絞り駆動装置を駆動させ、遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける(遮光羽根位置決めステップ)。
次に、校正側制御装置のパラメータ更新部は、位置検出部から出力される出力値が出力値情報記憶部に記憶された基準出力値情報に基づく基準出力値に略同一となるように、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する(パラメータ更新ステップ)。
【0023】
例えば、上述したように光学絞り装置に製造誤差が生じている場合には、遮光羽根位置決めステップにて機械式絞り駆動制御部が遮光羽根を所定の開口面積に対応した基準位置に位置付けた場合であっても、位置検出部から前記所定の開口面積に対応した基準出力値(設計電圧値)とは異なる出力値が出力される。そこで、パラメータ更新ステップにおいて、磁気素子から基準出力値が出力されるように出力特性を補正するための補正パラメータに更新する。
以上のように、補正パラメータ校正装置は、光学絞り装置を組み立てた状態で、機械式絞り駆動装置を用いて遮光羽根を所定の基準位置に位置付け、位置検出部から出力される出力値に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ等の光学機器に光学絞り装置を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置単体と補正パラメータ校正装置とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。また、光学絞り装置に光束を射出し光学絞り装置を介した光束に基づいて補正パラメータを更新する構成と比較して、作業環境に依存せずに、補正パラメータを良好に校正できる。
【0024】
本発明の補正パラメータ校正方法は、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に設けられ、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、前記補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、当該補正パラメータ校正方法は、前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光束射出ステップと、前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、前記プロジェクタから拡大投射される光学像の光量を検出する光束検出ステップと、前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の補正パラメータ校正方法は、上述した補正パラメータ校正装置によって実施されるものであるので、上述した補正パラメータ校正装置と同様の作用・効果を享受できる。
【0025】
本発明の補正パラメータ校正方法は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正方法は、前記光学絞り装置に向けて光束を射出する光束射出ステップと、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出ステップと、前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の補正パラメータ校正方法は、上述した補正パラメータ校正装置によって実施されるものであるので、上述した補正パラメータ校正装置と同様の作用・効果を享受できる。
【0026】
本発明の補正パラメータ校正方法は、入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、当該補正パラメータ校正方法は、前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける遮光羽根位置決めステップと、前記位置検出部から出力される出力値が基準となる基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の補正パラメータ校正方法は、上述した補正パラメータ校正装置によって実施されるものであるので、上述した補正パラメータ校正装置と同様の作用・効果を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4と、制御装置6(図7参照)等を備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、および制御装置6等が配置されるものとする。
【0028】
外装筺体2は、合成樹脂等から構成され、図1に示すように、投射レンズ3および光学ユニット4を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装筺体2は、図示は省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面、および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、前記アッパーケースおよび前記ロアーケースは互いにねじ等で固定されている。
なお、外装筺体2は、合成樹脂等に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
【0029】
光学ユニット4は、制御装置6による制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装筺体2の背面に沿って延出するとともに、外装筺体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学ユニット4の詳細な構成については、後述する。
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
【0030】
〔光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、図1に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、光学装置44と、光学絞り装置5と、これら装置41〜44,5を内部に収納配置するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備える。
照明光学装置41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。この照明光学装置41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0031】
光源装置411は、図1に示すように、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射し所定位置に収束させるリフレクタ417と、リフレクタ417にて収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化凹レンズ418と、光源ランプ416を駆動させるランプドライバ416A(図7参照)とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成されているが、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成してもよい。この場合には、平行化凹レンズ418を省略した構成とする。
【0032】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネルの画像形成領域に結像させる機能を有している。
【0033】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネルの画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
【0034】
色分離光学装置42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422により照明光学装置41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された色光を赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
【0035】
この際、色分離光学装置42のダイクロイックミラー421では、照明光学装置41から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ419を通って青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ419は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光および赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ419も同様である。
【0036】
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ419を通って緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学装置43を通り、さらにフィールドレンズ419を通って赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学装置43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ419に伝えるためである。なお、リレー光学装置43には、3つの色光のうち赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0037】
光学装置44は、光変調装置としての3つの液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、3つの入射側偏光板442と、3つの射出側偏光板443と、クロスダイクロイックプリズム444とを備える。
3つの入射側偏光板442は、図1に示すように、各フィールドレンズ419の光路後段にそれぞれ配置される。これら入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光方位と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。これら入射側偏光板442は、図示は省略するが、サファイアあるいは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
【0038】
3つの液晶パネル441は、図1に示すように、各入射側偏光板442の光路後段にそれぞれ配置される。これら液晶パネル441は、図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、制御装置6から出力される駆動信号に応じて、所定の画素位置の前記液晶の配向状態が制御され、各入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方位をそれぞれ変調する。
3つの射出側偏光板443は、図1に示すように、各液晶パネル441の光路後段にそれぞれ配置される。これら射出側偏光板443は、入射側偏光板442と略同様の構成を有し、図示は省略するが、透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。なお、射出側偏光板443を構成する前記偏光膜は、光束を透過する透過軸が、入射側偏光板442にて光束を透過する透過軸に略直交するように配置される。
【0039】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443の光路後段に配置され、各射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441G,441Bから射出され各射出側偏光板443を介した各色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
【0040】
光学絞り装置5は、図1に示すように、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配設され、制御装置6による制御の下、後述する遮光羽根を移動することで光束を透過可能とする開口面積を変更して光源装置411から射出され第1レンズアレイ412を介した光束の光量を調整するものである。
なお、光学絞り装置5の具体的な構成については、後述する。
【0041】
〔光学絞り装置の構成〕
図2および図3は、光学絞り装置5の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図2は、光学絞り装置5を光束射出側(第2レンズアレイ413側)から見た斜視図である。図3は、光学絞り装置5を光束射出側(第2レンズアレイ413側)から見た分解斜視図である。
光学絞り装置5は、図2または図3に示すように、ベース板51と、4つの遮光羽根52と、4つの回動軸53(図3)と、羽根押え部材54と、4つのコイルばね55(図3)と、絞りリング56(図3)と、リング押え部材57(図3)と、電磁アクチュエータ58(図3)と、位置検出装置としての位置センサ59とを備える。
【0042】
ベース板51は、光学絞り装置5全体を支持して光学部品用筐体45内部に固定する部分である。このベース板51は、図3に示すように、ベース板本体511と、固定子接続部512とを備える。
図4は、ベース板本体511を光束入射側(第1レンズアレイ412側)から見た斜視図である。
ベース板本体511は、図2ないし図4に示すように、入射する光束の光軸に直交する平面に沿って延出する平面視略矩形形状を有する金属製の板体から構成されている。
このベース板本体511において、平面視略中央部分には、図3または図4に示すように、第1レンズアレイ412から射出された光束を通過可能とする平面視円形状の開口部5111が形成されている。
また、このベース板本体511において、光束射出側端面には、図3に示すように、該ベース板51の四隅位置近傍に平面視円形状の凹部5112(光束射出側から見て右上方側の凹部から時計周りに5112A,5112B,5112C,5112Dとする)がそれぞれ形成されている。そして、これら凹部5112は、4つの回動軸53の一方の端部側をそれぞれ固定するとともに、4つの遮光羽根52の後述する軸受け部を遊嵌状態でそれぞれ配置する。
【0043】
以下では、説明の便宜上、図3または図4に示すように、ベース板本体511において、開口部5111周縁の領域を、凹部5112Aを含む上側の第1領域RA、凹部5112Bを含む光束射出側から見て右側の第2領域RB、凹部5112Cを含む下側の第3領域RC、および凹部5112Dを含む光束射出側から見て左側の第4領域RDとする。
【0044】
さらに、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、各凹部5112に近接した位置に、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有する第1突条部5113Aが各凹部5112を囲うようにそれぞれ形成されている。これら第1突条部5113Aは、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52を構成する後述する各羽根板の板面にそれぞれ当接する部分である。
ことで、具体的な図示は省略するが、各第1突条部5113Aのうち、対角位置にある各領域RA,RCに形成された各第1突条部5113Aの各高さ寸法が同一に設定されている。同様に、対角位置にある各領域RB,RDに形成された各第1突条部5113Aの各高さ寸法が同一に設定されている。そして、各領域RA,RCに形成された第1突条部5113Aの各高さ寸法に対して、各領域RB,RDに形成された第1突条部5113Aの各高さ寸法が所定寸法、大きくなるように設定されている。
【0045】
さらにまた、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、各凹部5112から離間した位置に、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有する第2突条部5113Bがそれぞれ形成されている。これら第2突条部5113Bは、光学絞り装置5を組み立てた状態で、上述した第1突条部5113Aと同様に、各遮光羽根52を構成する後述する各羽根板の板面にそれぞれ当接する部分である。なお、各第2突条部5113Bの高さ寸法は、上述した各第1突条部5113Aと同様に設定されている。
【0046】
また、このベース板本体511において、各領域RA〜RDには、図3または図4に示すように、各凹部5112に近接した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有するトラック孔5114がそれぞれ形成されている。これらトラック孔5114は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52の後述するピン状部がそれぞれ挿通され、各ピン状部の移動時に各ピン状部と機械的に干渉しないように形成された逃げ孔である。
【0047】
さらに、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、羽根押え部材54を取り付けるための取付用孔5115Aがそれぞれ形成されている。これら取付用孔5115Aは、ベース板本体511に各遮光羽根52が設置され各遮光羽根52が回動した場合であっても、各遮光羽根52と機械的に干渉しない位置にそれぞれ形成されている。
【0048】
さらにまた、このベース板本体511において、上方端部側には、図3または図4に示すように、開口部5111の中心軸(入射光束の光軸)を中心とする平面視円弧形状の円弧状孔5116が形成されている。
この円弧状孔5116は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、電磁アクチュエータ58の後述する可動子、および絞りリング56の後述する可動子接続部の一部を挿通可能とし、絞りリング56が回動した場合であっても、前記可動子および前記可動子接続部の一部と機械的に干渉しない逃げ孔である。
また、この円弧状孔5116の周縁部分の光束射出側端面には、図3に示すように、固定子接続部512を取り付けるための2つの位置決め突起5115Bおよび2つの取付用孔5115Cが形成されている。
【0049】
また、このベース板本体511において、光束入射側端面には、図4に示すように、開口部5111周縁から光束入射側に向けて突出する平面視円形枠状のリング支持部5117が形成されている。このリング支持部5117は、絞りリング56の後述する円孔に遊嵌状態で嵌合する部分である。
このリング支持部5117の周縁部分には、図4に示すように、平面視円形状の凹部5118が形成されている。また、この凹部5118は、上方側がベース板本体511の上端縁にかけて延出するように形成されている。そして、この凹部5118は、絞りリング56が設置され、開口部5111の略中心軸(入射光束の光軸)を中心として絞りリング56を回動可能に支持する部分であり、絞りリング56の外形形状に対応した形状を有している。
【0050】
さらに、このベース板本体511において、光束入射側端面の各領域RA〜RDには、図4に示すように、凹部5118の周縁部分に、リング押え部材57を取り付けるための取付用孔5115Dがそれぞれ形成されている。これら取付用孔5115Dは、ベース板本体511に絞りリング56を介してリング押え部材57が取り付けられ絞りリング56が回動した場合であっても、絞りリング56と機械的に干渉しない位置にそれぞれ形成されている。
【0051】
さらにまた、このベース板本体511において、光束射出側端面の下方側、および光束入射側端面の上方側には、該ベース板本体511の面外方向に突出し、光学部品用筐体45内部に固定するための固定部5110がそれぞれ形成されている。すなわち、これら固定部5110を介してベース板本体511を光学部品用筐体45内部に固定することで、光学絞り装置5全体が光学部品用筐体45内部に固定される。
【0052】
固定子接続部512は、電磁アクチュエータ58の後述する固定子をベース板本体511に接続する部材である。この固定子接続部512は、図3に示すように、平面視略矩形状の板体から構成され、ベース板本体511の光束射出側端面に円弧状孔5116を覆うように取り付けられる。
この固定子接続部512において、光束射出側端面には、具体的な図示は省略するが、電磁アクチュエータ58の後述する固定子である電磁コイルの形状に対応して平面視略円形状の凹部が形成されている。この凹部は、前記電磁コイルを収納配置する部分である。
また、この固定子接続部512には、図3に示すように、前記凹部の略中心に位置し、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通する平面視矩形状の貫通孔5121が形成されている。
【0053】
さらに、この固定子接続部512において、四隅角部分には、図3に示すように、ベース板本体511の2つの位置決め突起5115Bおよび2つの取付用孔5115Cに対応して、2つの位置決め用孔5122Aおよび2つの取付用孔5122Bがそれぞれ形成されている。そして、固定子接続部512は、前記電磁コイルを前記凹部に収納配置した状態で、ベース板本体511の2つの位置決め突起5115Bに2つの位置決め用孔5122Aを嵌合させることで位置決めされ、固定ねじ5Aを2つの取付用孔5122Bに挿通しベース板本体511の2つの取付用孔5115Cに螺合することで、ベース板本体511に固定される。
このように固定子接続部512をベース板本体511に固定した状態では、固定子接続部512の前記凹部に収納配置された前記電磁コイルは、ベース板本体511から光束射出側(絞りリング56から離間する側)にオフセットした位置に配置される。
【0054】
さらにまた、この固定子接続部512において、貫通孔5121の周縁部分には、図3に示すように、位置センサ59を位置決めするための2つの位置決め用突起5123と、位置センサ59を固定するための2つの固定用孔5124とが形成されている。
【0055】
4つの遮光羽根52は、金属製部材から構成され、図3に示すように、ベース板本体511の光束射出側端面における各領域RA〜RDにおいて、4つの回動軸53を介して各凹部5112に、入射する光束の光軸に直交する平面に沿って回動可能にそれぞれ軸支され、回動することで光束を透過可能とする開口面積を変更して第1レンズアレイ412から射出される光束の光量を調整する。なお、以下では、各領域RA〜RDに配置される遮光羽根52をそれぞれ、52A〜52Dとする。
これら遮光羽根52は、同一形状を有し、図3に示すように、羽根板521と、軸受け部522と、ピン状部523とでそれぞれ構成されている。
【0056】
羽根板521は、図3に示すように、端縁が曲線状に形成された平面視略L字形状を有し、入射光束を遮光する金属製の板体で構成される。そして、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、各羽根板521における各L字形状の内側部分が開口部5111内側に向き、開口部5111を囲うように配置される。また、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、各板面が入射する光束の光軸に直交するように配置される。
【0057】
軸受け部522は、羽根板521におけるL字形状の一端側に一体的に設けられ、羽根板521を回動可能とする回動軸53の軸受けである。
この軸受け部522は、具体的な図示は省略するが、羽根板521の光束入射側端面から光束入射側に突出し、回動軸53を挿通可能とする略円筒形状を有している。すなわち、軸受け部522における光束の光軸方向の厚み寸法は、羽根板521における光束の光軸方向の厚み寸法よりも大きく形成されている。そして、軸受け部522は、回動軸53が挿通された状態で回動軸53に対して回動可能とし、回動軸53に対して回動することで、羽根板521を回動させる。このように各羽根板521が回動することで、各羽根板521における各L字形状の内側端縁で形成される光束を通過可能とする開口の開口面積が変更される。
【0058】
そして、光学絞り装置5を組み立てた状態では、軸受け部522に回動軸53が挿通されるとともに、軸受け部522の光束入射側端面がベース板本体511の凹部5112の底部分に当接する。
また、羽根板521は、軸受け部522に対して略垂直となるように構成され、光学絞り装置5を組み立てた状態では、軸受け部522に挿通される回動軸53に対して略垂直となる。すなわち、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、ベース板本体511の板面に略平行な状態となる。
なお、各羽根板521は、軸受け部522に対して略垂直となる構成に限らず、各遮光羽根52の回動時に各羽根板521同士が接触しなければ、軸受け部522に対して略垂直以外の角度を有する構成を採用してもよい。すなわち、各遮光羽根52の回動時に各羽根板521同士が接触しなければ、各羽根板521がベース板本体511の板面に平行な平面に対して所定角度傾斜している構成を採用してもよい。
【0059】
ここで、軸受け部522が当接するベース板本体511の各凹部5112の底部分の高さ寸法は、具体的な図示は省略するが、光学絞り装置5を組み立てた状態、すなわち、各遮光羽根52の各軸受け部522の光束入射側端面が各凹部5112の底部分に当接した状態で、隣接する各羽根板521間に所定寸法の隙間が形成されているように設定されている。
具体的に、各凹部5112A〜5112Dのうち、対角位置にある凹部5112A,5112Cの底部分の高さ寸法は、同一寸法で形成されている。対角位置にある凹部5112B,5112Dの底部分の高さ寸法も同様に、同一寸法で形成されている。そして、各凹部5112A,5112Cの底部分の高さ寸法は、各凹部5112B,5112Dの底部分の高さ寸法よりも所定寸法、大きく設定されている。このような構成により、光学絞り装置5を組み立てた状態、すなわち、各遮光羽根52の各軸受け部522の光束入射側端面が各凹部5112の底部分に当接した状態では、各遮光羽根52A〜52Dにおいて、ベース板本体511からの各羽根板521の高さ位置が異なるものとなる。
すなわち、対角位置にある各遮光羽根52の各羽根板521がベース板本体511から同一の高さ位置に位置付けられ、隣接する各遮光羽根52の各羽根板521がベース板本体511から異なる高さ位置に位置付けられている。このように設定することで、隣接する各羽根板521間に所定寸法の隙間を形成し、各羽根板521を回動させた際に、各羽根板521同士が機械的に干渉することを回避している。
【0060】
ピン状部523は、軸受け部522の近傍であって、軸受け部522に対して羽根板521の他端側に設けられ、絞りリング56と係合し絞りリング56からの押圧力を受ける部分である。
このピン状部523は、図3に示すように、羽根板521の光束入射側端面から光束入射側に突出する。そして、ピン状部523は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、図3に示すように、ベース板本体511のトラック孔5114に挿通され、トラック孔5114を介してベース板本体511の光束入射側端面から突出し、絞りリング56の後述する長孔と係合する。
【0061】
4つの回動軸53は、略円柱形状を有する金属製部材から構成され、ベース板本体511および羽根押え部材54間に固定され、各遮光羽根52を回動可能に軸支する部分である。
羽根押え部材54は、図3に示すように、固定子接続部512と組み合わせることでベース板本体511と略同様の外形形状となり平面視略矩形形状を有し、合成樹脂製の板体から構成され、各遮光羽根52を回動可能にベース板51に対して押圧する部分である。
この羽根押え部材54において、平面視略中央部分には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の開口部5111と同様の、第1レンズアレイ412から射出された光束を透過可能とする平面視円形状の開口部541が形成されている。
また、この羽根押え部材54には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の各凹部5112に対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通して、回動軸53の他方の端部を嵌合固定する軸固定孔542がそれぞれ形成されている。
【0062】
さらに、この羽根押え部材54には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の各取付用孔5115Aに対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通した取付用孔543がそれぞれ形成されている。そして、各取付用孔543を介して固定ねじ5Bを挿通し、固定ねじ5Bを各取付用孔5115Aに螺合することで、ベース板本体511に対して各遮光羽根52を押圧した状態で羽根押え部材54が固定される。
【0063】
4つのコイルばね55は、図3に示すように、各回動軸53を挿通可能とし、各回動軸53の他方の端部側を挿通した状態で各遮光羽根52と羽根押え部材54の間に配設され、一端側が各遮光羽根52の光束射出側(軸受け部522近傍)に当接し、他端側が羽根押え部材54の光束入射側端面(軸固定孔542周縁部分)に当接する。そして、各コイルばね55は、ベース板本体511に対して羽根押え部材54を取り付けた際に、各遮光羽根52をベース板本体511に向けて付勢し、各遮光羽根52の各軸受け部522をベース板本体511の凹部5112の底部分に当接させる。
【0064】
絞りリング56は、ベース板本体511の凹部5118に回動可能に設置され、凹部5118に設置された状態で各遮光羽根52の各ピン状部523と係合し、回動することで各ピン状部523を押圧し、各遮光羽根52の各羽根板521を、各回動軸53を中心として回動させる。この絞りリング56は、合成樹脂から構成され、図3に示すように、リング本体561と、可動子接続部562とが一体的に形成されたものである。
リング本体561は、ベース板本体511のリング支持部5117を挿通可能とする円孔5611を有し平面視円形枠状の板体で構成される。
このリング本体561には、図3に示すように、ベース板本体511の各トラック孔5114に対応した位置に、各トラック孔5114から突出した各ピン状部523を挿通可能とし、開口部5111の略中心軸を中心とする円周方向と交差する方向に略直線状に延びる長孔5612がそれぞれ形成されている。
【0065】
可動子接続部562は、図3に示すように、リング本体561の外周縁からリング本体561の板面に沿って外側に延出し、電磁アクチュエータ58の後述する可動子をリング本体561に接続する部分である。そして、可動子接続部562は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、図3に示すように、ベース板本体511の上方端部側に対向するように配置される。
この可動子接続部562は、図3に示すように、ベース板本体511の円弧状孔5116の形状に対応し、光束射出側に向けて突出する平面視略矩形枠形状の突出部5621が形成されている。この突出部5621は、その内部において、電磁アクチュエータ58の後述する可動子である永久磁石を収納配置する部分である。そして、光学絞り装置5を組み立てた状態では、突出部5621内部に収納配置された前記永久磁石、および突出部5621の一部がベース板本体511の円弧状孔5116に挿通される。
ここで、突出部5621における絞りリング56の回動方向(入射光束の光軸を中心とする回動方向)の長さ寸法は、ベース板本体511の円弧状孔5116における絞りリング56の回動方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。このため、絞りリング56を回動させた場合であっても、円弧状孔5116と突出部5621とが機械的に干渉しないように構成されている。
【0066】
そして、光学絞り装置5を組み立てた状態で、絞りリング56が回動することで、リング本体561の各長孔5612が開口部5111の略中心軸を中心とする円周方向と交差する方向に略直線状に延びるように形成されているので、各長孔5612の端縁にて各遮光羽根52の各ピン状部523が押圧され、各ピン状部523が各長孔5612に沿って移動する。また、各ピン状部523は、各長孔5612に沿って移動する際、ベース板51の各トラック孔5114に機械的に干渉することなく、ベース板51の各凹部5112(各回動軸53)を中心として回動するように移動する。そして、各ピン状部523の移動により、各遮光羽根52の各羽根板521が各回動軸53を中心として回動する。
【0067】
リング押え部材57は、図3に示すように、ベース板本体511と略同様の外形形状で平面視略矩形形状を有し、金属製の板体から構成され、絞りリング56を回動可能にベース板51に対して押圧する部分である。
このリング押え部材57において、平面視略中央部分には、図3に示すように、ベース板本体511の開口部5111と同様の、第1レンズアレイ412から射出された光束を透過可能とする平面視円形状の開口部571が形成されている。
また、このリング押え部材57には、図3に示すように、ベース板本体511の各トラック孔5114に対応した位置に、各トラック孔5114と同様のトラック孔572が形成されている。これらトラック孔572は、各トラック孔5114と同様に、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52の各ピン状部523が挿通され、各ピン状部523の移動時に各ピン状部523と機械的に干渉しないように形成された逃げ孔である。
【0068】
さらに、このリング押え部材57には、図3に示すように、ベース板本体511の取付用孔5115Dに対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通した取付用孔573が形成されている。そして、各取付用孔573を介して固定ねじ5Cを挿通し、固定ねじ5Cを各取付用孔5115Dに螺合することで、ベース板本体511に対して絞りリング56を押圧した状態でリング押え部材57が固定される。
【0069】
図5は、電磁アクチュエータ58および位置センサ59の構造を模式的に示す図である。
電磁アクチュエータ58は、図3または図5に示すように、固定子としての電磁コイル581と、可動子としての永久磁石582とを備え、制御装置6による制御の下、電気的なエネルギを機械的なエネルギに変換して電磁コイル581に対して永久磁石582を移動させることで、絞りリング56を回動させるものである。
電磁コイル581は、図3に示すように、リング形状を有し、コイル軸が入射光束の光軸に略平行するように固定子接続部512の前記凹部に収納配置される。
【0070】
永久磁石582は、図3または図5に示すように、第1磁石部5821(図5)と第2磁石部5822(図5)とが一体化された構成を有し、絞りリング56の可動子接続部562の突出部5621内側に固定される。
第1磁石部5821は、図5に示すように、可動子接続部562側をN極とし、可動子接続部562側と離間する側(電磁コイル581と対向する側)をS極とするように突出部5621内側に嵌合固定される。
第2磁石部5822は、図5に示すように、第1磁石部5821と逆に、可動子接続部562側をS極とし、可動子接続部562から離間する側(電磁コイル581と対向する側)をN極とするように突出部5621内側に嵌合固定される。
【0071】
そして、制御装置6は、電磁コイル581と電気的に接続され、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施し、永久磁石582からの磁束と該磁束に略直交する電磁コイル581に通流される電流(図3中、電磁コイル581における上下方向に延びる部分に通流される電流)との相互作用による電磁力の方向を変更する。そして、電磁力により、永久磁石582を、図5(A)、(C)に示す終端位置や、図5(B)に示す中立位置に移動させる。永久磁石582の移動に応じて、絞りリング56が回動し、該絞りリング56の回動に連動して各遮光羽根52が回動し、第1レンズアレイ412から射出された光束の光量が調整される。なお、本実施形態では、永久磁石582が図5(A)に示す終端位置に位置付けられた状態で各遮光羽根52による開口面積が最小開口面積Sminとなり、永久磁石582が図5(C)に示す終端位置に位置付けられた状態で各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxとなり、永久磁石582が図5(B)に示す中立位置に位置付けられた状態で各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxおよび最小開口面積Sminの中間である中間開口面積Smidとなるものとする。
【0072】
位置センサ59は、固定子接続部512に取り付けられ、電磁コイル581に対する永久磁石582の位置を検出する。そして、位置センサ59は、検出した位置に応じた信号を制御装置6に出力する。制御装置6は、位置センサ59から出力される信号に基づいて、上述したように電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、所定位置に永久磁石582(各遮光羽根52)を位置付ける。
この位置センサ59は、図3または図5に示すように、位置センサ本体591(図5)と、位置センサ本体591が実装される回路基板592(図3)とを備える。
位置センサ本体591は、図5に示すように、位置センサ59が固定子接続部512に取り付けられた状態で、電磁コイル581の内部でコイル軸に略一致する位置に配置される。すなわち、光学絞り装置5を組み立てた状態では、位置センサ本体591は、図5に示すように、永久磁石582に対向する位置に配設される。そして、この位置センサ本体591は、磁気素子としてのホール素子5911と、出力特性補正部5912と、補正パラメータ記憶部5913とを備える(図7参照)。これらホール素子5911、出力特性補正部5912、および補正パラメータ記憶部5913で構成される位置センサ本体591は、1チップのIC(Integrated Circuit)で構成される。
【0073】
ホール素子5911は、ホール効果を利用した磁気素子であり、永久磁石582からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する。
出力特性補正部5912は、補正パラメータ記憶部5913に記憶された補正パラメータ(オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータ)に基づいてホール素子5911の出力特性を補正する。
図6は、出力特性補正部5912の処理機能の一例を示す図である。具体的に、図6において、縦軸がホール素子5911から出力される出力値(電圧値)を示し、横軸が永久磁石582の位置(各遮光羽根52による開口面積)を示している。また、図6において、実線が出力特性補正部5912による出力特性の補正前でのホール素子5911の出力特性を示し、破線が出力特性補正部5912による出力特性の補正後でのホール素子5911の出力特性を示している。
出力特性補正部5912によるオフセット補正パラメータに基づくホール素子5911の出力特性の補正(以下、オフセット補正と記載する)では、例えば、図6(A)に示すように、ホール素子5911の出力特性が補正される。
より具体的に、オフセット補正では、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidとなる規定位置P1に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911がオフセット電圧値Vof(最大出力電圧値Vddの半分である電圧値Vdd/2)を出力するようにオフセット電圧値Vofに対する永久磁石582の位置をオフセットして出力特性が補正される。例えば、図6(A)に示すように、オフセット補正前において永久磁石582が所定の位置P2に位置している状態でホール素子5911からオフセット電圧値Vofが出力されているが、オフセット補正により、規定位置P1に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911がオフセット電圧値Vofを出力するように出力特性が補正される。すなわち、オフセット補正では、図6(A)に示すように、永久磁石582の位置に対するホール素子5911の出力値の傾きが一定の状態で、永久磁石582の位置がオフセットされる。
そして、本実施形態では、後述する補正パラメータ校正装置100により最適なオフセット補正パラメータに更新され、該オフセット補正パラメータを用いたオフセット補正により、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidの状態でホール素子5911がオフセット電圧値Vof(最大出力電圧値Vddの半分である電圧値Vdd/2)を出力するように補正される。
【0074】
また、出力特性補正部5912によるゲイン補正パラメータに基づくホール素子5911の出力特性の補正(以下、ゲイン補正と記載する)では、例えば、図6(B)に示すように、ホール素子5911の出力特性が補正される。
より具体的に、ゲイン補正では、ホール素子5911の出力特性は、図6(B)に示すように、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidの状態でホール素子5911が出力するオフセット電圧値Vofを基準として、傾きが補正される。
そして、本実施形態では、後述する補正パラメータ校正装置100により最適なゲイン補正パラメータに更新され、該ゲイン補正パラメータを用いたゲイン補正により、各遮光羽根52による開口面積が最小開口面積Sminとなる規定位置P3(第1の位置)に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911が最小出力電圧値0を出力し、各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxとなる規定位置P4(第2の位置)に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911が最大出力電圧値Vddを出力するように補正される。
すなわち、出力特性補正部5912は、図示は省略するが、オフセット補正を実施するオフセット回路部と、ゲイン補正を実施するゲイン回路部とで構成されている。
【0075】
補正パラメータ記憶部5913は、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを書換可能に記憶する。より具体的には、補正パラメータ記憶部5913は、後述する補正パラメータ校正装置100により、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータが適宜、書き換えられる。
すなわち、補正パラメータ記憶部5913は、図示は省略するが、オフセット補正パラメータを記憶するオフセット記憶部と、ゲイン補正パラメータを記憶するゲイン記憶部とで構成される。これらオフセット記憶部およびゲイン記憶部としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を採用できる。
そして、以上説明した位置センサ本体591としては、例えば、旭化成電子株式会社製のCM8201を採用できる。
【0076】
〔プロジェクタの制御構造〕
図7は、プロジェクタ1および補正パラメータ校正装置100の制御構造を模式的に示すブロック図である。
制御装置6は、プロジェクタ1全体を制御する。この制御装置6は、図7に示すように、インターフェース部61と、制御部本体62と、フレームメモリ63と、メモリ64等を備える。
インターフェース部61は、外部から信号線を介して入力される信号に対して予め設定されている入力インターフェース処理を実行し、制御部本体62にて処理可能な信号に変換して出力する。例えば、インターフェース部61は、各種外部機器から出力される画像信号等を入力し、制御部本体62にて処理可能な画像信号に変換して出力する。そして、インターフェース部61から出力された画像信号(デジタル画像信号)は、フレームメモリ63に一時的に記録される。また、例えば、インターフェース部61は、補正パラメータ校正装置100と信号線Si1を介して接続し、補正パラメータ校正装置100から出力される制御信号を入力し、制御部本体62にて処理可能な信号に変換して出力する。
【0077】
制御部本体62は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、図7に示すように、各液晶パネル441、光源装置411、および光学絞り装置5等を制御する。この制御部本体62は、図7に示すように、液晶パネル駆動制御部621と、ランプ駆動制御部622と、絞り駆動制御部623等を備える。
液晶パネル駆動制御部621は、所定のプログラムや、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、各液晶パネル441を駆動制御する。例えば、液晶パネル駆動制御部621は、所定のプログラムにしたがって、インターフェース部61から出力されフレームメモリ63に順次記憶されるデジタル画像信号を適宜読み出して、読み出したデジタル画像信号に対して所定の処理を施し、処理を施した画像に対応する画像情報としての駆動信号を各液晶パネル441に出力して所定の光学像を形成させる。この液晶パネル駆動制御部621における前記所定の処理としては、例えば、拡大・縮小等の画像サイズ調整処理、台形歪補正処理、画質調整処理、ガンマ補正処理等がある。これらの各処理は、周知の技術であるので詳細な説明は省略する。また、液晶パネル駆動制御部621は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、上記同様に、各液晶パネル441に所定の光学像を形成させる。
【0078】
ランプ駆動制御部622は、所定のプログラムや、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、所定の駆動周波数で光源ランプ416を駆動させる旨の制御指令をランプドライバ416Aに出力し、ランプドライバ416Aに所定の駆動周波数に応じた駆動信号を生成させ、光源ランプ416を駆動させる。
【0079】
絞り駆動制御部623は、所定のプログラムや、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、位置センサ59(ホール素子5911)から出力される出力値(電圧値)に基づいて、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、所定位置に各遮光羽根52を位置付ける。
より具体的に、絞り駆動制御部623は、所定のプログラムにしたがって、入力した画像情報を解析して画像情報に対応した画像の明るさ情報を生成する。この明るさ情報としては、例えば、画像情報に対応した画像の各画素に対応する各輝度値において、最大輝度値、最小輝度値、平均輝度値等に関する情報を採用できる。また、絞り駆動制御部623は、メモリ64に記憶された、明るさ情報と各遮光羽根52による開口面積とが関連付けられた明るさ−開口面積関連情報に基づいて、生成した明るさ情報に対応する開口面積を特定する。さらに、絞り駆動制御部623は、メモリ64に記憶された、開口面積とホール素子5911から出力される設計上の設計電圧値とが関連付けられた開口面積−電圧値関連情報に基づいて、特定した開口面積に関連付けられた設計電圧値を特定する。そして、絞り駆動制御部623は、位置センサ59から前記特定した設計電圧値が出力されるまで、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して各遮光羽根52を前記明るさ情報および前記開口面積に応じた所定位置に位置付ける。
また、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、位置センサ59から前記制御指令に含まれる指令電圧値が出力されるまで、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して各遮光羽根52を所定位置に位置付ける。
【0080】
メモリ64は、絞り駆動制御部623にて用いられる上述した明るさ−開口面積関連情報、および開口面積−電圧値関連情報を記憶する。これら明るさ−開口面積関連情報、および開口面積−電圧値関連情報としては、例えば、LUT(Look-Up-Table)等で構成されるデータ構造を採用できる。開口面積−電圧値関連情報としては、例えば、上述した最小開口面積Smin、中間開口面積Smid、および最大開口面積Smaxに関しては、最小開口面積Sminに対して最小出力電圧値0が関連付けられ、中間開口面積Smidに対してオフセット電圧値Vdd/2が関連付けられ、最大開口面積Smaxに対して最大出力電圧値Vddが関連付けられている。
【0081】
ところで、光学絞り装置5を製造するにあたって、永久磁石582の着磁位置の製造誤差、永久磁石582の実装位置の製造誤差、あるいは、位置センサ59の実装位置の製造誤差等が生じている場合には、絞り駆動制御部623による制御によって、各遮光羽根52を所望の開口面積に応じた位置に位置付けることができない。
【0082】
図8は、光学絞り装置5の製造誤差を模式的に示す図である。具体的に、図8(A)は、光学絞り装置5に製造誤差が生じていない場合を示す図である。図8(B)、(C)は、光学絞り装置5に製造誤差が生じている場合を示す図である。
光学絞り装置5に製造誤差が生じていない場合では、絞り駆動制御部623は、図8(A)に示すように、各遮光羽根52による開口面積を中間開口面積Smidとなる位置に各遮光羽根52を位置付ける際、開口面積−電圧値情報に基づいて、位置センサ59から中間開口面積Smidに対応したオフセット電圧値Vdd/2が出力される位置、すなわち、第1磁石部5821および第2磁石部5822の異極間位置P0が位置センサ本体591に対向するように、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して永久磁石582を位置付ける。
【0083】
また、光学絞り装置5に製造誤差が生じている場合、すなわち、図8(B)に示すように、突出部5621内側に対する永久磁石582の実装位置に製造誤差が生じている場合でも上記同様に、絞り駆動制御部623は、各遮光羽根52による開口面積を中間開口面積Smidとなる位置に各遮光羽根52を位置付ける際、開口面積−電圧値情報に基づいて、位置センサ59から中間開口面積Smidに対応したオフセット電圧値Vdd/2が出力される位置、すなわち、第1磁石部5821および第2磁石部5822の異極間位置P0が位置センサ本体591に対向するように、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して永久磁石582を位置付ける。このため、本来、中間開口面積Smidとなる永久磁石582の位置(図8(C)に示す位置)から、ずれた位置(図8(B)に示す位置)に永久磁石582が位置付けられることとなる。
【0084】
なお、永久磁石582の実装位置に製造誤差が生じている場合には、中間開口面積Smidに限らず、その他の開口面積となる位置に永久磁石582を位置付ける場合にも同様に、ずれた位置に永久磁石582が位置付けられることとなり、所望の開口面積となる位置に各遮光羽根52を位置付けることができない。永久磁石582のNS極の境界バラツキ等着磁位置に製造誤差が生じている場合や、位置センサ59の実装位置に製造誤差が生じている場合も同様である。
したがって、光学絞り装置5に製造誤差が生じている場合であっても、絞り駆動制御部623による制御において、所望の位置に永久磁石582を位置付け、所望の開口面積となる位置に各遮光羽根52を位置付ける必要がある。
【0085】
〔補正パラメータ校正装置の構造〕
補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1の製造後、所望の開口面積となる位置に永久磁石582を位置付けた際に前記開口面積−電圧値情報に基づく前記所望の開口面積に対応する電圧値(設計電圧値)を位置センサ59が出力するように、補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを更新する。この補正パラメータ校正装置100は、図7に示すように、光束検出装置110と、CPUおよびハードディスクを備えたPC(Personal Computer)で構成される校正装置本体120とを備える。
【0086】
光束検出装置110は、校正装置本体120の制御の下、校正装置本体120からの制御指令によりプロジェクタ1が駆動されプロジェクタ1から拡大投射される光学像の光量を検出する。この光束検出装置110としては、例えば、照度計、光センサ、フォトセンサ、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成される二次元光センサ等を採用できる。そして、光束検出装置110は、校正装置本体120と信号線Si2(図7)を介して接続され、検出した光学像の光量に応じた信号を校正装置本体120に出力する。
【0087】
校正装置本体120は、図7に示すように、操作部121と、表示部122と、制御装置123とを備える。
操作部121は、例えば、キーボードやマウス等で入力操作される各種操作ボタンを有している。この操作ボタンの入力操作を実施することにより、制御装置123を適宜、動作させるとともに、例えば、表示部122に表示される情報に対して、制御装置123の動作内容の設定等が実施される。そして、作業者による操作部121の入力操作により、操作部121から適宜所定の操作信号を制御装置123に出力する。
なお、この操作部121としては、操作ボタンの入力操作に限らず、例えば、タッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作等により、各種条件を設定入力する構成としてもできる。
【0088】
表示部122は、制御装置123に制御され、所定の情報を表示する。例えば、制御装置123にて処理された情報の表示、または、操作部121の入力操作により、制御装置123の後述するメモリに格納する情報を設定入力または更新する際、制御装置123から出力されるメモリ内のデータを適宜、表示させる。この表示部122は、例えば、液晶や有機EL(Electroluminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)等が用いられる。
【0089】
制御装置123は、操作部121からの操作信号の入力に応じて、所定のプログラムを実行し、プロジェクタ1に所定の制御指令を出力してプロジェクタ1を駆動させ、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。この制御装置123は、図7に示すように、インターフェース部1231と、制御部本体1232と、メモリ1233とを備える。
インターフェース部1231は、プロジェクタ1のインターフェース部61と信号線Si1を介して接続し、制御部本体1232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行してプロジェクタ1に出力する。
また、インターフェース部1231は、光束検出装置110と信号線Si2を介して接続し、制御部本体1232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して光束検出装置110に出力する。
さらに、インターフェース部1231は、光束検出装置110から出力される信号を制御部本体1232にて処理可能な信号に変換して制御部本体1232に出力する。
【0090】
メモリ1233は、制御部本体1232にて実行されるプログラムや、制御部本体1232にて用いられる基準光量情報および基準出力値情報を記憶する。
具体的に、前記光量情報は、開口面積が中間開口面積Smidである場合にプロジェクタ1から拡大投射され光束検出装置110にて検出される設計上の中間光量に関する中間光量情報と、開口面積が最大開口面積Smaxあるいは最小開口面積Sminである場合にプロジェクタ1から拡大投射され光束検出装置110にて検出される設計上の最大光量あるいは最小光量に関する最大光量情報あるいは最小光量情報とで構成される情報である。また、これら中間光量情報、最大光量情報、最小光量情報は、設計上の中間光量Lmid、最大光量Lmax、最小光量Lminに対して所定の許容値Pが加味された所定の範囲に関する情報である。より具体的に、中間光量情報はLmid−P〜Lmid+Pの範囲に関する情報であり、最大光量情報はLmax−P〜Lmax+Pの範囲に関する情報であり、最小光量情報はLmin−P〜Lmin+Pの範囲に関する情報である。
また、前記基準出力値情報は、開口面積が中間開口面積Smidの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上のオフセット電圧値Vdd/2に関する設計オフセット電圧値情報、開口面積が最大開口面積Smaxの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最大出力電圧値Vddに関する設計最大出力電圧値情報、および、開口面積が最小開口面積Sminの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最小出力電圧値0に関する設計最小出力電圧値情報である。
すなわち、メモリ1233は、本発明に係る光量情報記憶部および出力値情報記憶部に相当する。
【0091】
制御部本体1232は、CPU等を含んで構成され、作業者による操作部121の入力操作に応じて、メモリ1233から所定のプログラムを読み出し所定の処理を実行して、プロジェクタ1に所定の制御指令を出力してプロジェクタ1を駆動させるとともに光束検出装置110から出力される信号に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。
そして、制御部本体1232は、本発明に係る光源駆動制御部、絞り駆動制御部、およびパラメータ更新部に相当する。
【0092】
〔補正パラメータ校正装置による補正パラメータ校正方法〕
次に、上述した補正パラメータ校正装置100を利用した補正パラメータ校正方法を図面に基づいて説明する。
図9は、補正パラメータ校正装置100を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャートである。
なお、以下の補正パラメータ校正方法を実施する前に、プロジェクタ1は、全て組み立てられた状態で、電源がONされ駆動しているものとする。また、補正パラメータ校正装置100およびプロジェクタ1間を信号線Si1にて接続している状態とする。さらに、光束検出装置110およびインターフェース部1231間を信号線Si2にて接続している状態とする。
先ず、作業者は、補正パラメータ校正装置100の操作部121によりプロジェクタ1における補正パラメータ(オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータ)を校正する旨の入力操作を実施する。そして、補正パラメータ校正装置100の制御部本体1232は、操作部121から出力される操作信号を入力し、所定のプログラムにしたがって、以下に示すように、補正パラメータを校正する。
【0093】
すなわち、制御部本体1232は、信号線Si1を介してプロジェクタ1に光源ランプ416を点灯させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1のランプ駆動制御部622は、前記制御指令にしたがって、ランプドライバ416Aに光源ランプ416を点灯させる(ステップS1:光束射出ステップ)。
ステップS1の後、制御部本体1232は、信号線Si1を介してプロジェクタ1に各液晶パネル441を白表示させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1の液晶パネル駆動制御部621は、前記制御指令にしたがって、各液晶パネル441に白表示の光学像をそれぞれ形成させる(ステップS2)。
【0094】
ステップS2の後、制御部本体1232は、オフセット補正パラメータを校正する(ステップS3)。
具体的に、図10は、オフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された設計オフセット電圧値情報を読み出し、信号線Si1を介してプロジェクタ1に、設計オフセット電圧値情報に基づくオフセット電圧値Vdd/2が位置センサ59から出力される位置に永久磁石582を位置付ける旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1の絞り駆動制御部623は、前記制御指令にしたがって、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力される基準位置(オフセット基準位置)に永久磁石582を位置付ける(ステップS3A:永久磁石位置決めステップ)。
【0095】
ステップS3Aの後、制御部本体1232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御信号を出力し、光束検出装置110にプロジェクタ1から拡大投射される光学像の光量LXを検出させる(ステップS3B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光学像の検出光量LXに応じた信号を制御部本体1232に出力する。
ステップS3Bの後、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された中間光量情報と、光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体1232は、検出光量LXが中間光量情報に基づくLmid−P以上であるか否かを判定する(ステップS3C)。
【0096】
ステップS3Cにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmid−P未満であると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にオフセット補正パラメータを増加させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを増加させる(ステップS3D)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、変更したオフセット補正パラメータを記憶する(ステップS3E)。
【0097】
より具体的に、ステップS3Cにおいて、検出光量LXがLmid−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidよりも小さい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS3DおよびステップS3Eにおいて、オフセット補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。すなわち、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からオフセット電圧値Vdd/2とは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0098】
ステップS3Eの後、再度、ステップS3Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS3Cにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmid−P以上であると判定されるまで、上述したステップS3A〜S3Eを繰り返し実施する。
【0099】
ステップS3Cにおいて、制御部本体1232は、「Y」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmid−P以上であると判定した場合には、次に、検出光量LXが中間光量情報に基づくLmid+P以下であるか否かを判定する(ステップS3F)。
ステップS3Fにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmid+Pを超えると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にオフセット補正パラメータを減少させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを減少させる(ステップS3G)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、ステップS3Eにおいて、変更したオフセット補正パラメータを記憶する。
【0100】
より具体的に、ステップS3Fにおいて、検出光量LXがLmid+P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が中間開口面積Smidよりも大きい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS3GおよびステップS3Eにおいて、オフセット補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。すなわち、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からオフセット電圧値Vdd/2とは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0101】
ステップS3Gにおいてオフセット補正パラメータを減少させ、ステップS3Eにおいてオフセット補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS3Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS3Fにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmid+P以下であると判定されるまで、上述したステップS3A〜S3Gを繰り返し実施する。
【0102】
以上のオフセット補正パラメータの校正(ステップS3)により、検出光量LXがLmid−P以上でありかつLmid+P以下である範囲内に入ることで、光学絞り装置5に上述した製造誤差が生じている場合であっても、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力されるオフセット基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が略中間開口面積Smidとなる位置に位置付けられた状態となる。
【0103】
ステップS3の後、制御部本体1232は、ゲイン補正パラメータを校正する(ステップS4)。
具体的に、図11は、ゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された設計最大出力電圧値情報を読み出し、信号線Si1を介してプロジェクタ1に、設計最大出力電圧値情報に基づく最大出力電圧値Vddが位置センサ59から出力される基準位置(ゲイン基準位置)に永久磁石582を位置付ける旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1の絞り駆動制御部623は、前記制御指令にしたがって、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付ける(ステップS4A:永久磁石位置決めステップ)。
【0104】
ステップS4Aの後、制御部本体1232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御指令を出力し、光束検出装置110にプロジェクタ1から拡大投射される光学像の光量LXを検出させる(ステップS4B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光学像の検出光量LXに応じた信号を制御部本体1232に出力する。
ステップS4Bの後、制御部本体1232は、メモリ1233に記憶された最大光量情報と、光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体1232は、検出光量LXが最大光量情報に基づくLmax−P以上であるか否かを判定する(ステップS4C)。
【0105】
ステップS4Cにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmax−P未満であると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にゲイン補正パラメータを増加させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを増加させる(ステップS4D)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、変更したゲイン補正パラメータを記憶する(ステップS4E)。
【0106】
より具体的に、ステップS4Eにおいて、検出光量LXがLmax−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxよりも小さい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS4DおよびステップS4Eにおいて、ゲイン補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。すなわち、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911から最大出力電圧値Vddとは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0107】
ステップS4Eの後、再度、ステップS3Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS4Cにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmax−P以上であると判定されるまで、上述したステップS4A〜S4Eを繰り返し実施する。
【0108】
ステップS4Cにおいて、制御部本体1232は、「Y」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmax−P以上であると判定した場合には、次に、検出光量LXが最大光量情報に基づくLmax+P以下であるか否かを判定する(ステップS4F)。
ステップS4Fにおいて、制御部本体1232は、「N」と判定した場合、すなわち、検出光量LXがLmax+Pを超えると判定した場合には、信号線Si1を介してプロジェクタ1にゲイン補正パラメータを減少させる旨の制御指令を出力する。そして、プロジェクタ1は、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを減少させる(ステップS4G)。そして、補正パラメータ記憶部5913は、ステップS4Eにおいて、変更したゲイン補正パラメータを記憶する。
【0109】
より具体的に、ステップS4Fにおいて、検出光量LXがLmax+Pを超えると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が最大開口面積Smaxよりも大きい開口面積となる位置に位置付けられた状態である。
そして、ステップS4GおよびステップS4Eにおいて、ゲイン補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。すなわち、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911から最大出力電圧値Vddとは異なる電圧値が出力されることとなる。
【0110】
ステップS4Gにおいてゲイン補正パラメータを減少させ、ステップS4Eにおいてゲイン補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS4Aに戻る。すなわち、絞り駆動制御部623は、補正パラメータ校正装置100から出力される制御指令にしたがって、再度、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付ける。
そして、制御部本体1232は、ステップS4Fにおいて、「Y」と判定するまで、すなわち、検出光量LXがLmax+P以下であると判定されるまで、上述したステップS4A〜S4Gを繰り返し実施する。
【0111】
以上のゲイン補正パラメータの校正(ステップS4)により、検出光量LXがLmax−P以上でありかつLmax+P以下である範囲内に入ることで、光学絞り装置5に上述した製造誤差が生じている場合であっても、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力されるゲイン基準位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が略最大開口面積Smaxとなる位置に位置付けられた状態となる。また、上述したように、ゲイン補正では、ホール素子5911における出力特性の傾きがオフセット電圧値Vofを基準として変更されるので、位置センサ59から最小出力電圧値0が出力される位置に永久磁石582が位置付けられた場合に、各遮光羽根52による開口面積が略最小開口面積Sminとなる位置に位置付けられた状態となる。すなわち、ゲイン補正パラメータを校正することにより、ホール素子5911における出力特性が、メモリ64に記憶された開口面積−電圧値関連情報に対応した出力特性に補正されることとなる。
そして、上述したステップS3C〜S3G、S4C〜S4Gが本発明に係るパラメータ更新ステップに相当する。
【0112】
ステップS4の後、制御部本体1232は、信号線Si1を介してプロジェクタ1に補正パラメータの校正が終了した旨の信号を出力する。そして、プロジェクタ1のランプ駆動制御部622は、前記制御指令にしたがって、ランプドライバ416Aに光源ランプ416を消灯させる(ステップS5)。
以上のステップS1〜S5により、補正パラメータの校正が終了する。
【0113】
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、光学絞り装置5は、各遮光羽根52を回動させる駆動装置として電磁アクチュエータ58を備えているので、以下の効果がある。
すなわち、低電圧駆動が可能となり、光学絞り装置5の低消費電力化を図れる。
また、比較的に小さい大きさの領域で比較的に大きい力を出せ、絞りリング56を円滑に回動させ、遮光羽根52を円滑に回動させることができる。
さらに、高湿度等の悪い環境下でも使用でき、光学絞り装置5の長寿命化を図れる。
さらにまた、駆動応答特性が良好であり、遮光羽根52を高速応答させて円滑に回動させることができる。
したがって、駆動装置として電磁アクチュエータ58を用いることで、従来のように駆動装置としてパルスモータ等を用いる構成と比較して、電磁コイル581および永久磁石582の簡素な構造で駆動装置を構成でき、光学絞り装置5の構造の簡素化および小型化が可能となる。また、従来の構成と比較して、駆動時における振動を低減させることができ、光学絞り装置5の安定した駆動を実現できる。
【0114】
また、光学絞り装置5を駆動制御する絞り駆動制御部623は、メモリ64に記憶された開口面積−電圧値情報に基づいて、所定の開口面積となる位置に遮光羽根52を位置付ける際、前記所定の開口面積に関連付けられた設計電圧値を認識する。そして、絞り駆動制御部623は、認識した設計電圧値に位置センサ59から出力される出力値が略同一となるように、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施し、永久磁石582を所定位置に位置付ける。このような構成によれば、絞り駆動制御部623による処理負荷を軽減させ、制御装置6の制御構造の簡素化が図れる。
【0115】
さらに、位置センサ59は、ホール素子5911および出力特性補正部5912を備えているので、補正パラメータ(オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータ)を最適な補正パラメータに校正すれば、出力特性補正部5912が校正された補正パラメータに基づいてホール素子5911の出力特性を補正するので、光学絞り装置5に上述した製造誤差が生じている場合であっても、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石582を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値をホール素子5911から出力させることができる。このため、絞り駆動制御部623が所定の開口面積に対応した設計電圧値に位置センサ59からの出力値が略同一となるように電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施した場合に、前記所定の開口面積に対応した位置に永久磁石582を位置付けることができ、各遮光羽根52を前記所定の開口面積となる位置に高精度に位置付けることができる。したがって、絞り駆動制御部623の処理負荷を軽減させつつ、絞り駆動制御部623により遮光羽根52を高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0116】
ここで、補正パラメータがオフセット補正パラメータを含んでいるので、出力特性補正部5912がオフセット補正パラメータを用いてオフセット補正を実施することで、オフセット電圧値Vdd/2に対する永久磁石582の位置をオフセットさせて、中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に永久磁石582が位置している状態でホール素子5911にオフセット電圧値Vdd/2を出力させることができる。したがって、このように、オフセット補正パラメータを用いたオフセット補正を可能とする構成とすることで、ホール素子5911の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
さらに、補正パラメータがオフセット補正パラメータの他、ゲイン補正パラメータを含んでいるので、出力特性補正部5912がゲイン補正パラメータを用いてゲイン補正を実施することで、最小開口面積Sminとなる位置P3から最大開口面積Smaxとなる位置P4の範囲に永久磁石582が位置付けられている状態で永久磁石582における前記範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値をホール素子5911に出力させることができる。したがって、このように、ゲイン補正パラメータを用いたゲイン補正を可能とする構成とすることで、ホール素子5911の出力特性の補正を簡単な回路構成で実現できる。
また、ゲイン補正により、ホール素子5911が出力する電圧値を全ての範囲(位置P3〜P4)に亘って、各設計電圧値に補正することができるので、各遮光羽根52をより高精度に移動させて安定した駆動を実現できる。
【0117】
さらに、位置センサ59に設けられた補正パラメータ記憶部5913は、補正パラメータを書き換え可能に記憶するので、補正パラメータを適宜、校正して最適な補正パラメータに更新できる。したがって、出力特性補正部5912が更新された最適な補正パラメータを用いてホール素子5911の出力特性を補正することで、所定の開口面積に対応した位置に永久磁石582を位置付けた場合に、前記所定の開口面積に対応した設計電圧値をホール素子5911から出力させることができる。
【0118】
そして、プロジェクタ1は、光学絞り装置5により光源装置411から液晶パネル441に照射される光束の光量を調整することができるので、絞り駆動制御部623が画像の明るさ情報に応じて光学絞り装置5を制御して全体的に暗い場面の場合には光量を低減し、全体的に明るい場面の場合には光量を増加させることで、高コントラスト比の投影画像を実現できる。
また、プロジェクタ1は、構造の簡素化および小型化が可能な光学絞り装置5を備えているので、プロジェクタ1内部において、近接配置された第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の部材間に光学絞り装置5を容易に配設することができ、プロジェクタ1のレイアウトの自由度を向上できる。
さらに、プロジェクタ1は、駆動時において振動を抑制し安定した駆動を実現できる光学絞り装置5を備えているので、振動により投影画像に与える影響を抑制し、投影画像を良好に維持できる。
さらにまた、絞り駆動制御部623の処理負荷を低減させつつ、絞り駆動制御部623により各遮光羽根52を高精度に回動させることができるので、光源装置411から液晶パネル441に照射される光束の光量を高精度に調整でき、投影画像の画像品質を向上させることができる。
【0119】
そしてまた、補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1を組み立てた状態で、光源装置411から射出され光学絞り装置5を介し投射レンズ3にて拡大投射される光学像の光量、すなわち、実際に光学絞り装置5が光量調整する光束に基づいて、補正パラメータを更新するので、光源装置411から液晶パネル441に照射される光束の光量をより高精度に調整でき、投影画像の画像品質をより向上させることができる。
【0120】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1を組み立てた後、プロジェクタ1を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正している。
これに対して第2実施形態では、補正パラメータ校正装置200は、光学絞り装置5単体を用いて、光学絞り装置5を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正する。すなわち、本実施形態は、前記第1実施形態に対して、補正パラメータ校正装置200の構成が異なるのみであり、その他のプロジェクタ1の構成は前記第1実施形態と同様のものである。
【0121】
図12は、第2実施形態における補正パラメータ校正装置200の制御構造を模式的に示すブロック図である。
補正パラメータ校正装置200は、図12に示すように、前記第1実施形態で説明した補正パラメータ校正装置100に対して、補正用光源装置230を備える点、および制御装置123に対応する制御装置223の制御構造が異なるのみである。
補正用光源装置230は、制御装置223による制御の下、光学絞り装置5に向けて光束を射出する。この補正用光源装置230としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子、レーザダイオード、有機EL素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用できる。
【0122】
制御装置223は、操作部121からの操作信号の入力に応じて、所定のプログラムを実行し、光学絞り装置5を駆動させ、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。この制御装置223は、図12に示すように、前記第1実施形態で説明したメモリ1233の他、インターフェース部2231と、制御部本体2232とを備える。
【0123】
インターフェース部2231は、光学絞り装置5と信号線Si3を介して接続し、制御部本体2232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して光学絞り装置5(電磁コイル581、位置センサ59)に出力する。
また、インターフェース部2231は、光学絞り装置5(位置センサ59)から出力される信号を制御部本体2232にて処理可能な信号に変換して制御部本体2232に出力する。
さらに、インターフェース部2231は、光束検出装置110と信号線Si2を介して接続し、制御部本体2232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して光束検出装置110に出力する。
さらにまた、インターフェース部2231は、光束検出装置110から出力される信号を制御部本体2232にて処理可能な信号に変換して制御部本体2232に出力する。
【0124】
制御部本体2232は、CPU等を含んで構成され、作業者による操作部121の入力操作に応じて、メモリ1233から所定のプログラムを読み出し所定の処理を実行して、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施するとともに光束検出装置110から出力される信号に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。
そして、制御部本体2232は、本発明に係る光源駆動制御部、絞り駆動制御部、およびパラメータ更新部に相当する。
【0125】
次に、上述した補正パラメータ校正装置200を利用した補正パラメータ校正方法を図面に基づいて説明する。
図13は、第2実施形態における補正パラメータ校正装置200を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャートである。
なお、以下の補正パラメータ校正方法を実施する前に、光学絞り装置5は、全て組み立てられた状態で、光学絞り装置5とインターフェース部2231とが信号線Si3を介して接続されている状態とする。また、光束検出装置110とインターフェース部2231とが信号線Si2と介して接続されている状態とする。
先ず、補正パラメータ校正装置200の制御部本体2232は、操作部121に補正パラメータを校正する旨の入力操作が実施されると、所定のプログラムにしたがって、以下に示すように、補正パラメータを校正する。
【0126】
すなわち、制御部本体2232は、補正用光源装置230に所定の制御指令を出力し、補正用光源装置230から光束を射出させる(ステップS11:光束射出ステップ)。
ステップS11の後、制御部本体2232は、オフセット補正パラメータを校正する(ステップS12)。なお、オフセット補正パラメータの校正方法は、前記第1実施形態で説明したオフセット補正パラメータの校正方法と略同様であるため、以下では、図10を参照して説明する。
先ず、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された設計オフセット電圧値情報を読み出して設計オフセット電圧値情報に基づくオフセット電圧値Vdd/2を認識する。また、制御部本体2232は、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59からオフセット電圧値Vdd/2が出力される基準位置(オフセット基準位置)に永久磁石582を位置付ける(ステップS12A:永久磁石位置決めステップ)。
【0127】
ステップS12Aの後、制御部本体2232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御信号を出力し、補正用光源装置230から射出され光学絞り装置5を介した光束の光量LXを光束検出装置110に検出させる(ステップS12B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光束の検出光量LXに応じた信号を制御部本体2232に出力する。
ステップS12Bの後は、前記第1実施形態で説明したステップS3C〜S3Gと略同様の処理が実施される。すなわち、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された中間光量情報と光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較し(ステップS12C,S12F)、比較結果に応じて適宜、オフセット補正パラメータを変更し(ステップS12D,S12G)、変更したオフセット補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS12E)。
【0128】
ステップS12の後、制御部本体2232は、ゲイン補正パラメータを校正する(ステップS13)。なお、ゲイン補正パラメータの校正方法は、前記第1実施形態で説明した現補正パラメータの校正方法と略同様であるため、以下では、図11を参照して説明する。
先ず、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された設計最大出力電圧値情報を読み出して設計最大出力電圧値情報に基づく最大出力電圧値Vddを認識する。また、制御部本体2232は、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施して、位置センサ59から最大出力電圧値Vddが出力される基準位置(ゲイン基準位置)に永久磁石582を位置付ける(ステップS13A:永久磁石位置決めステップ)。
【0129】
ステップS13Aの後、制御部本体2232は、信号線Si2を介して光束検出装置110に所定の制御信号を出力し、補正用光源装置230から射出され光学絞り装置5を介した光束の光量LXを光束検出装置110に検出させる(ステップS13B:光束検出ステップ)。そして、光束検出装置110は、検出した光束の検出光量LXに応じた信号を制御部本体2232に出力する。
ステップS13Bの後は、前記第1実施形態で説明したステップS4C〜S4Gと略同様の処理が実施される。すなわち、制御部本体2232は、メモリ1233に記憶された最大光量情報と光束検出装置110にて検出された検出光量LXとを比較し(ステップS13C,S13F)、比較結果に応じて適宜、ゲイン補正パラメータを変更し(ステップS13D,S13G)、変更したゲイン補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS13E)。
そして、上述したステップS12C〜S12G、S13C〜S13Gが本発明に係るパラメータ更新ステップに相当する。
以上のステップS11〜S13により、補正パラメータの校正が終了する。
【0130】
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態の補正パラメータ校正装置200は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、補正用光源装置230から射出され光学絞り装置5を介した光束の光量に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ1に光学絞り装置5を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置5単体と補正パラメータ校正装置200とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。
【0131】
また、補正用光源装置230が固体発光素子で構成されているので、例えば、補正用光源装置230として放電発光型の光源ランプを採用した構成と比較して、補正パラメータ校正装置200の小型・軽量化が図れる。また、補正用光源装置230から安定した輝度の光束を射出させることができるので、安定した輝度の光束の光量に基づいて補正パラメータを更新することで、補正パラメータを高精度に校正できる。
【0132】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、補正パラメータ校正装置100は、プロジェクタ1を組み立てた後、プロジェクタ1を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正している。また、光束検出装置110にて検出した検出光量LXに基づいて、補正パラメータを校正している。
これに対して第3実施形態では、補正パラメータ校正装置300は、光学絞り装置5単体を用いて、光学絞り装置5を適宜、駆動させることにより、補正パラメータを校正する。また、補正パラメータ校正装置300は、光学絞り装置5と機械的に接続し、機械的に各遮光羽根52を所定の開口面積となる位置に位置付ける機械式絞り駆動装置340を備える。そして、機械式絞り駆動装置340にて所定の開口面積となる位置に各遮光羽根52を位置付けた状態で、前記所定の開口面積に対応する設計上の出力値を位置センサ59が出力するように、補正パラメータを校正する。すなわち、本実施形態は、前記第1実施形態に対して、補正パラメータ校正装置300の構成が異なるのみであり、その他のプロジェクタ1の構成は前記第1実施形態と同様のものである。
【0133】
図14は、第3実施形態における補正パラメータ校正装置300の制御構造を模式的に示すブロック図である。
補正パラメータ校正装置300は、図14に示すように、前記第1実施形態で説明した補正パラメータ校正装置100に対して、光束検出装置110が省略された点、機械式絞り駆動装置340を備える点、および制御装置123に対応する制御装置323の制御構造が異なるのみである。
機械式絞り駆動装置340は、例えば、モータ等により構成され、光学絞り装置5における絞りリング56と機械的に接続し、駆動することで絞りリング56を回動させる。すなわち、機械式絞り駆動装置340を駆動することで、絞りリング56が回動し、各遮光羽根52が所定の開口面積となる位置に位置付けられる。
【0134】
制御装置323は、操作部121からの操作信号の入力に応じて所定のプログラムを実行し、機械式絞り駆動装置340を適宜、駆動させ、位置センサ59から出力される出力値に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。この制御装置323は、図14に示すように、インターフェース部3231と、制御部本体3232と、メモリ3233とを備える。
【0135】
インターフェース部3231は、光学絞り装置5(位置センサ59)と信号線Si3を介して接続し、制御部本体3232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して位置センサ59に出力する。
また、インターフェース部3231は、位置センサ59から出力される信号を制御部本体3232にて処理可能な信号に変換して制御部本体3232に出力する。
さらに、インターフェース部3231は、機械式絞り駆動装置340と信号線Si4を介して接続し、制御部本体3232から入力される信号に対して予め設定されている出力インターフェース処理を実行して機械式絞り駆動装置340に出力する。
【0136】
メモリ3233は、制御部本体3232にて実行されるプログラムや、制御部本体3232にて用いられる基準出力値情報および駆動値情報を記憶する。
具体的に、前記基準出力値情報は、開口面積が中間開口面積Smidの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上のオフセット電圧値に関する設計オフセット電圧値情報、開口面積が最大開口面積Smaxの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最大出力電圧値に関する設計最大出力電圧値情報、および、開口面積が最小開口面積Sminの位置に永久磁石582が位置付けられた際に位置センサ59から出力される設計上の最小出力電圧値に関する設計最小出力電圧値情報である。また、これら設計オフセット電圧値情報、設計最大出力電圧値情報、および設計最小出力電圧値情報は、設計上のオフセット電圧値Vdd/2、最大出力電圧値Vdd、最小出力電圧値0に対して所定の許容値Pが加味された所定の範囲に関する情報である。より具体的に、設計オフセット電圧値情報は、Vdd/2−P〜Vdd/2+Pの範囲に関する情報であり、設計最大出力値情報は、Vdd−P〜Vdd+Pの範囲に関する情報であり、P以下の範囲に関する情報である。
すなわち、メモリ3233は、本発明に係る出力値情報記憶部に相当する。
【0137】
また、前記駆動値情報は、機械式絞り駆動装置340を駆動する際の駆動値(機械式絞り駆動装置340がパルスモータ等で構成されていればパルス値等)に関する情報である。より具体的に、前記駆動値情報は、開口面積が中間開口面積Smidとなる位置に各遮光羽根52を位置付けるための機械式絞り駆動装置340の中間駆動値に関する中間駆動値情報と、開口面積が最大開口面積Smaxあるいは最小開口面積Sminとなる位置に各遮光羽根52を位置付けるための機械式絞り駆動装置340の最大駆動値あるいは最小駆動値に関する最大駆動値情報あるいは最小駆動値情報とで構成される情報である。
【0138】
制御部本体3232は、CPU等を含んで構成され、作業者による操作部121の入力操作に応じて、メモリ3233から所定のプログラムを読み出し所定の処理を実行して、機械式絞り駆動装置340を駆動させて各遮光羽根52を所定の開口面積となる基準位置に位置付けるとともに、位置センサ59から出力される信号に基づいて、オフセット補正パラメータおよびゲイン補正パラメータを最適な値に更新する。
そして、制御部本体3232は、本発明に係る機械式絞り駆動制御部およびパラメータ更新部に相当する。
【0139】
次に、上述した補正パラメータ校正装置300を利用した補正パラメータ校正方法を図面に基づいて説明する。
図15は、第3実施形態における補正パラメータ校正装置300を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャートである。
なお、以下の補正パラメータ校正方法を実施する前に、光学絞り装置5は、全て組み立てられた状態で、絞りリング56と機械式絞り駆動装置340とが機械的に接続され、位置センサ59とインターフェース部3231とが信号線Si3を介して接続されている状態とする。また、機械式絞り駆動装置340とインターフェース部3231とが信号線Si4を介して接続されている状態とする。さらに、光学絞り装置5における絞りリング56は所定の回動位置に位置し、各遮光羽根52が所定の開口面積(例えば、最小開口面積Smin、最大開口面積Smax)となる位置に位置付けられているものとする。
先ず、補正パラメータ校正装置300の制御部本体3232は、操作部121に補正パラメータを構成する旨の入力操作が実施されると、所定のプログラムにしたがって、以下に示すように、補正パラメータを校正する。
【0140】
すなわち、先ず、制御部本体3232は、オフセット補正パラメータを校正する(ステップS21)。
具体的に、図16は、オフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された中間駆動値情報を読み出し、中間駆動値情報に基づく中間駆動値を機械式絞り駆動装置340に出力する。そして、機械式絞り駆動装置340は、絞りリング56を中間駆動値に応じた回動量だけ回動させ、各遮光羽根52を開口面積が中間開口面積Smidとなる基準位置(オフセット基準位置)に位置付ける(ステップS21A:遮光羽根位置決めステップ)。
【0141】
ステップS21Aの後、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された設計オフセット電圧値情報と、位置センサ59から出力される出力値Vとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体3232は、出力値Vが設計オフセット電圧値情報に基づくVdd/2−P以上であるか否かを判定する(ステップS21B)。
【0142】
ステップS21Bにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd/2−P未満であると判定した場合には、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを増加させ(ステップS21C)、変更したオフセット補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS21D)。
【0143】
より具体的に、ステップS21Bにおいて、出力値VがVdd/2−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に位置付けられた際、位置センサ59から設計上のオフセット電圧値Vdd/2に許容値Pを加味した値よりも小さい出力値が出力されている状態である。
そして、ステップS21Dの後、再度、ステップS21Bに戻り、ステップS21Cにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd/2−P以上であると判定されるまで、上述したステップS21B〜S21Dを繰り返し実施する。すなわち、ステップS21CおよびステップS21Dにおいて、オフセット補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。そして、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd/2−P以上となる出力値Vが出力されることとなる。
【0144】
ステップS21Bにおいて、制御部本体3232は、「Y」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd/2−P以上であると判定した場合には、次に、出力値Vが設計オフセット値情報に基づくVdd/2+P以下であるか否かを判定する(ステップS21E)。
ステップS21Eにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd/2+Pを超えると判定した場合には、補正パラメータ記憶部5913に記憶されたオフセット補正パラメータを減少させる(ステップS21F)。そして、ステップS21Dにおいて、変更したオフセット補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる。
【0145】
より具体的に、ステップS21Eにおいて、出力値VがVdd/2+Pを超えると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に位置付けられた際に、位置センサ59から設計上のオフセット電圧値Vdd/2に許容値Pを加味した値よりも大きい出力値が出力されている状態である。
ステップS21Fにおいてオフセット補正パラメータを減少させ、ステップS21Dにおいてオフセット補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS21Bに戻り、ステップS21Fにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd/2+P以下であると判定されるまで、上述したステップS21B〜S21Fを繰り返し実施する。すなわち、ステップS21FおよびステップS21Dにおいて、オフセット補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたオフセット補正パラメータに基づいて上述したオフセット補正を実施する。そして、このオフセット補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd/2+P以下となる出力値Vが出力されることとなる。
【0146】
以上のオフセット補正パラメータの校正(ステップS21)により、各遮光羽根52が中間開口面積Smidとなるオフセット基準位置に位置付けられている際に、ホール素子5911からの出力値VがVdd/2−P以上でありかつVdd/2+P以下である範囲内に入ることとなる。
【0147】
ステップS21の後、制御部本体3232は、ゲイン補正パラメータを校正する(ステップS22)。
具体的に、図17は、ゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャートである。
先ず、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された最大駆動値情報を読み出し、最大駆動値情報に基づく最大駆動値を機械式絞り駆動装置340に出力する。そして、機械式絞り駆動装置340は、絞りリング56を最大駆動値に応じた回動量だけ回動させ、各遮光羽根52を開口面積が最大開口面積Smaxとなる基準位置(ゲイン基準位置)に位置付ける(ステップS22A:遮光羽根位置決めステップ)。
【0148】
ステップS22Aの後、制御部本体3232は、メモリ3233に記憶された設計最大出力電圧値情報と、位置センサ59から出力される出力値Vとを比較する。
具体的に、先ず、制御部本体3232は、出力値Vが設計オフセット電圧値情報に基づくVdd−P以上であるか否かを判定する(ステップS22B)。
【0149】
ステップS22Bにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd−P未満であると判定した場合には、位置センサ59の補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを増加させ(ステップS22C)、変更したゲイン補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる(ステップS22D)。
【0150】
より具体的に、ステップS22Bにおいて、出力値VがVdd−P未満であると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に位置付けられた際に、ホール素子5911から設計上の最大出力電圧値Vddに許容値Pを加味した値よりも小さい出力値が出力されている状態である。
そして、ステップS22Dの後、再度、ステップS22Bに戻り、ステップS22Cにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd−P以上であると判定されるまで、上述したステップS22B〜S22Dを繰り返し実施する。すなわち、ステップS22CおよびステップS22Dにおいて、ゲイン補正パラメータが増加され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。そして、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd−P以上となる出力値Vが出力されることとなる。
【0151】
ステップS22Bにおいて、制御部本体3232は、「Y」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd−P以上であると判定した場合には、次に、出力値Vが設計最大出力電圧値情報に基づくVdd+P以下であるか否かを判定する(ステップS22E)。
ステップS22Eにおいて、制御部本体3232は、「N」と判定した場合、すなわち、出力値VがVdd+Pを超えると判定した場合には、補正パラメータ記憶部5913に記憶されたゲイン補正パラメータを減少させる(ステップS22F)。そして、ステップS22Dにおいて、変更したゲイン補正パラメータを補正パラメータ記憶部5913に記憶させる。
【0152】
より具体的に、ステップS22Eにおいて、出力値VがVdd+Pを超えると判定された状態としては、光学絞り装置5に生じている上述した製造誤差により、各遮光羽根52が最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に位置付けられた際に、ホール素子5911から設計上の最大出力電圧値Vddに許容値Pを加味した値よりも大きい出力値が出力されている状態である。
ステップS22Fにおいてゲイン補正パラメータを減少させ、ステップS22Dにおいてゲイン補正パラメータを書き換えた後、再度、ステップS22Bに戻り、ステップS22Fにおいて、「Y」と判定されるまで、すなわち、出力値VがVdd+P以下であると判定されるまで、上述したステップS22B〜S22Fを繰り返し実施する。すなわち、ステップS22FおよびステップS22Dにおいて、ゲイン補正パラメータが減少され書き換えられることで、出力特性補正部5912は、書き換えられたゲイン補正パラメータに基づいて上述したゲイン補正を実施する。そして、このゲイン補正により、ホール素子5911の出力特性が補正され、ホール素子5911からVdd+P以下となる出力値Vが出力されることとなる。
【0153】
以上のゲイン補正パラメータの校正(ステップS22)により、各遮光羽根52が最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に位置付けられた際に、ホール素子5911からの出力値VがVdd−P以上でありかつVdd+P以下である範囲内に入ることとなる。また、上述したように、ゲイン補正では、ホール素子5911における出力特性の傾きがオフセット電圧値Vofを基準として変更されるので、各遮光羽根52が最小開口面積Sminとなる位置に永久磁石582が位置付けられた際に、ホール素子5911から設計最小出力電圧値情報に基づくP以下の範囲に入る出力値Vが出力されることとなる。すなわち、ゲイン補正パラメータを校正することにより、前記第1実施形態と同様に、ホール素子5911における出力特性が、メモリ64に記憶された開口面積−電圧値関連情報に対応した出力特性に補正されることとなる。
そして、上述したステップS21B〜S21F、S22B〜S22Fが本発明に係るパラメータ更新ステップに相当する。
以上のステップS21、S22により補正パラメータが校正される。
【0154】
上述した第3実施形態においては、前記第1実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態の補正パラメータ校正装置300は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、機械式絞り駆動装置340を用いて各遮光羽根52を所定の基準位置に位置付け、位置センサ59から出力される出力値に基づいて、補正パラメータを更新するので、プロジェクタ1に光学絞り装置5を搭載した状態で補正パラメータを更新する必要がなく、光学絞り装置5単体と補正パラメータ校正装置300とを用いて補正パラメータを更新でき、補正パラメータを更新する際の作業スペースの効率化が図れる。また、光学絞り装置5に光束を射出し光学絞り装置5を介した光束に基づいて補正パラメータを更新する構成と比較して、作業環境に依存せずに、補正パラメータを良好に校正できる。
【0155】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、位置センサ59に補正パラメータ記憶部5913を設けていたが、これに限らず、例えば、プロジェクタ1の制御装置6に補正パラメータ記憶部5913と同様の補正パラメータ記憶部を設けた構成としても構わない。そして、位置センサ59の出力特性補正部5912は、制御装置6に設けられた補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを読み出して、オフセット補正またはゲイン補正を実施する。
【0156】
前記各実施形態において、光学絞り装置5の構成は、前記各実施形態で説明した構成に限らず、その他の構成の光学絞り装置を採用しても構わない。
前記第1実施形態および前記第2実施形態では、ゲイン補正パラメータを補正する際に、永久磁石位置決めステップS4A,S13Aにおいて、最大出力電圧値Vddが位置センサ59から出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付けている。また、ステップS4C,S13C,S4F,S13Fでは、最大光量情報と検出光量LXとを比較している。この構成に限らず、上記各ステップにおいて、最小出力電圧値0が位置センサ59から出力されるゲイン基準位置に永久磁石582を位置付けるとともに、最小光量情報と検出光量LXとを比較する構成としても構わない。
同様に、前記第3実施形態では、ゲイン補正パラメータを補正する際に、遮光羽根位置決めステップS22Aにおいて、最大開口面積Smaxとなるゲイン基準位置に各遮光羽根52を位置付けている。また、ステップS22B,S22Eでは、設計最大出力値情報と出力値Vとを比較している。この構成に限らず、上記各ステップにおいて、最小開口面積Sminとなるゲイン基準位置に各遮光羽根52を位置付けるとともに、設計最小出力値情報と出力値Vとを比較する構成としても構わない。
【0157】
前記各実施形態では、光学絞り装置5は、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配設されていたが、これに限らず、光源装置411と第1レンズアレイ412との間等の光源装置411から射出され各液晶パネル441に至る光束の光路中であれば、いずれの位置に配設しても構わない。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1を説明したが、これに限らない。例えば、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光学ユニット4は、平面視略L字状の形状を有していたが、その他の形状を採用してもよく、例えば、平面視略U字状の形状としてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを説明したが、本発明では、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【0158】
前記各実施形態では、光変調装置として透過型の液晶パネル441を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネル、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメント社の商標)、光の回折現象を利用したGLV(Grating Light Valve)デバイス(Silicon Light Machines社の商標)等を採用してもよい。
前記各実施形態では、光学絞り装置5をプロジェクタ1に搭載した構成を説明したが、光学絞り装置5は、プロジェクタ1に限らず、その他の光学機器、例えば、カメラ等に搭載した構成を採用しても構わない。また、光学絞り装置5をカメラに搭載した場合には、絞り装置として用いる構成の他、レンズシャッタ等として用いても構わない。
【0159】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明の光学絞り装置は、構造の簡素化が図れるとともに、遮光羽根を高精度に移動させて安定した駆動を実現できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタの光学絞り装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】第1実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。
【図2】前記実施形態における光学絞り装置の概略構成の一例を示す図。
【図3】前記実施形態における光学絞り装置の概略構成の一例を示す図。
【図4】前記実施形態におけるベース板本体を光束入射側から見た斜視図。
【図5】前記実施形態における電磁アクチュエータおよび位置センサの構造を模式的に示す図。
【図6】前記実施形態における出力特性補正部の処理機能の一例を示す図。
【図7】前記実施形態におけるプロジェクタおよび補正パラメータ校正装置の制御構造を模式的に示すブロック図。
【図8】前記実施形態における光学絞り装置の製造誤差を模式的に示す図。
【図9】前記実施形態における補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャート。
【図10】前記実施形態におけるオフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【図11】前記実施形態におけるゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【図12】第2実施形態における補正パラメータ校正装置の制御構造を模式的に示すブロック図。
【図13】前記実施形態における補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャート。
【図14】第3実施形態における補正パラメータ校正装置の制御構造を模式的に示すブロック図。
【図15】前記実施形態における補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法を説明するフローチャート。
【図16】前記実施形態におけるオフセット補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【図17】前記実施形態におけるゲイン補正パラメータの校正方法を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0162】
1・・・プロジェクタ、3・・・投射レンズ(投射光学装置)、5・・・光学絞り装置、6・・・制御装置(プロジェクタ側制御装置)、52・・・遮光羽根、58・・・電磁アクチュエータ、100,200,300・・・補正パラメータ校正装置、110・・・光束検出装置、123,223,323・・・制御装置(校正側制御装置)、230・・・補正用光源装置、340・・・機械式絞り駆動装置、411・・・光源装置、441・・・液晶パネル(光変調装置)、581・・・電磁コイル、582・・・永久磁石、1232,2232・・・制御部本体(光源駆動制御部、絞り駆動制御部、パラメータ更新部)、1233・・・メモリ(光量情報記憶部、出力値情報記憶部)、3232・・・制御部本体(機械式絞り駆動制御部、パラメータ更新部)、5911・・・ホール素子(磁気素子)、5912・・・出力特性補正部、5913・・・補正パラメータ記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光束の光量を調整する光学絞り装置であって、
移動自在に構成され、移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、
電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し、前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、
前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、および所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部を有する位置検出部とを備えていることを特徴とする光学絞り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学絞り装置において、
前記補正パラメータは、前記開口面積が所定の開口面積となる規定位置に前記永久磁石が位置している状態で前記磁気素子が所定の規定電圧値を出力するように前記規定電圧値に対する前記永久磁石の位置をオフセットして出力特性を補正するためのオフセット補正パラメータであることを特徴とする光学絞り装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光学絞り装置において、
前記補正パラメータは、前記開口面積が最小開口面積となる第1の位置から前記開口面積が最大開口面積となる第2の位置の範囲に前記永久磁石が位置付けられている際に、前記磁気素子が前記永久磁石における前記範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値を出力するように出力特性を補正するためのゲイン補正パラメータであることを特徴とする光学絞り装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学絞り装置において、
前記位置検出部は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、
前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することを特徴とする光学絞り装置。
【請求項5】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学絞り装置と、
前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御する制御装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
前記制御装置は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、
前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項7】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、
当該補正パラメータ校正装置は、前記プロジェクタ側制御装置に所定の制御指令を出力して前記プロジェクタを駆動制御する校正側制御装置と、前記プロジェクタから拡大投射された光学像の光量を検出して前記光量に関する検出光量情報を出力する光束検出装置とを備え、
前記校正側制御装置は、
基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、
基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、
前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、
前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項8】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に向けて光束を射出する補正用光源装置と、前記補正用光源装置から射出され前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出装置と、前記補正用光源装置および前記電磁アクチュエータを駆動制御する校正側制御装置とを備え、
前記校正側制御装置は、
基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、
基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記補正用光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、
前記位置検出部から出力される出力値に基づいて前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、
前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項9】
請求項8に記載の補正パラメータ校正装置において、
前記補正用光源装置は、固体発光素子で構成されていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項10】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に機械的に接続し駆動することで前記遮光羽根を所定位置に位置付ける機械式絞り駆動装置と、前記機械式絞り駆動装置を駆動制御する校正側制御装置とを備え、
前記校正側制御装置は、
基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記機械式絞り駆動装置を駆動させ、前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける機械式絞り駆動制御部と、
前記位置検出部から出力される出力値が前記基準出力値情報に基づく基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項11】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に設けられ、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、前記補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、
当該補正パラメータ校正方法は、
前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光束射出ステップと、
前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、
前記プロジェクタから拡大投射される光学像の光量を検出する光束検出ステップと、
前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正方法。
【請求項12】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正方法は、
前記光学絞り装置に向けて光束を射出する光束射出ステップと、
前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、
前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出ステップと、
前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正方法。
【請求項13】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正方法は、
前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける遮光羽根位置決めステップと、
前記位置検出部から出力される出力値が基準となる基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正方法。
【請求項1】
入射した光束の光量を調整する光学絞り装置であって、
移動自在に構成され、移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、
電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し、前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、
前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、および所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部を有する位置検出部とを備えていることを特徴とする光学絞り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学絞り装置において、
前記補正パラメータは、前記開口面積が所定の開口面積となる規定位置に前記永久磁石が位置している状態で前記磁気素子が所定の規定電圧値を出力するように前記規定電圧値に対する前記永久磁石の位置をオフセットして出力特性を補正するためのオフセット補正パラメータであることを特徴とする光学絞り装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光学絞り装置において、
前記補正パラメータは、前記開口面積が最小開口面積となる第1の位置から前記開口面積が最大開口面積となる第2の位置の範囲に前記永久磁石が位置付けられている際に、前記磁気素子が前記永久磁石における前記範囲内の各位置に対応して設計上の各設計電圧値を出力するように出力特性を補正するためのゲイン補正パラメータであることを特徴とする光学絞り装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学絞り装置において、
前記位置検出部は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、
前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することを特徴とする光学絞り装置。
【請求項5】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学絞り装置と、
前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御する制御装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
前記制御装置は、前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を備え、
前記出力特性補正部は、前記補正パラメータ記憶部に記憶された前記補正パラメータを読み出し、読み出した前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項7】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に配設され、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、
当該補正パラメータ校正装置は、前記プロジェクタ側制御装置に所定の制御指令を出力して前記プロジェクタを駆動制御する校正側制御装置と、前記プロジェクタから拡大投射された光学像の光量を検出して前記光量に関する検出光量情報を出力する光束検出装置とを備え、
前記校正側制御装置は、
基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、
基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、
前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、
前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項8】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に向けて光束を射出する補正用光源装置と、前記補正用光源装置から射出され前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出装置と、前記補正用光源装置および前記電磁アクチュエータを駆動制御する校正側制御装置とを備え、
前記校正側制御装置は、
基準となる基準光量に関する基準光量情報を記憶する光量情報記憶部と、
基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記補正用光源装置から光束を射出させる光源駆動制御部と、
前記位置検出部から出力される出力値に基づいて前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から前記基準出力値情報に基づく基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける絞り駆動制御部と、
前記光束検出装置から出力される検出光量情報に基づく検出光量が前記基準光量情報に基づく基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項9】
請求項8に記載の補正パラメータ校正装置において、
前記補正用光源装置は、固体発光素子で構成されていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項10】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正装置は、前記光学絞り装置に機械的に接続し駆動することで前記遮光羽根を所定位置に位置付ける機械式絞り駆動装置と、前記機械式絞り駆動装置を駆動制御する校正側制御装置とを備え、
前記校正側制御装置は、
基準となる基準出力値に関する基準出力値情報を記憶する出力値情報記憶部と、
前記機械式絞り駆動装置を駆動させ、前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける機械式絞り駆動制御部と、
前記位置検出部から出力される出力値が前記基準出力値情報に基づく基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新部とを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正装置。
【請求項11】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置から射出され前記光変調装置に至る光束の光路中に設けられ、前記光源装置から前記光変調装置に照射される光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタ側制御装置とを備えたプロジェクタに用いられ、前記補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性変更部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
前記プロジェクタ側制御装置は、前記位置検出部からの出力値に基づいて、前記電磁アクチュエータを駆動制御し、
当該補正パラメータ校正方法は、
前記プロジェクタ側制御装置に前記光源装置を駆動制御させ、前記光源装置から光束を射出させる光束射出ステップと、
前記プロジェクタ側制御装置に前記電磁アクチュエータを駆動制御させ、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、
前記プロジェクタから拡大投射される光学像の光量を検出する光束検出ステップと、
前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正方法。
【請求項12】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正方法は、
前記光学絞り装置に向けて光束を射出する光束射出ステップと、
前記電磁アクチュエータを駆動制御し、前記位置検出部から基準となる基準出力値が出力される基準位置に前記永久磁石を位置付ける永久磁石位置決めステップと、
前記光学絞り装置を介した光束の光量を検出する光束検出ステップと、
前記光束検出ステップにて検出した検出光量が基準となる基準光量に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正方法。
【請求項13】
入射光束の光量を調整する光学絞り装置に用いられ、補正パラメータを校正する補正パラメータ校正装置を利用した補正パラメータ校正方法であって、
前記光学絞り装置は、移動自在に構成され移動することで前記光束を通過可能とする開口面積を変更して前記光束の光量を調整する遮光羽根と、電流が通流されるコイル、および磁束を発生させ前記コイルに通流される電流と前記磁束との相互作用による電磁力によって前記コイルに対して移動し前記遮光羽根に接続して前記遮光羽根を移動させる永久磁石を有する電磁アクチュエータと、前記永久磁石からの磁場の強さに応じて所定の電圧を出力する磁気素子、所定の補正パラメータを取得し前記補正パラメータに基づいて前記磁気素子の出力特性を補正する出力特性補正部、および前記補正パラメータを書き換え可能に記憶する補正パラメータ記憶部を有する位置検出部とを備え、
当該補正パラメータ校正方法は、
前記遮光羽根を所定の基準位置に位置付ける遮光羽根位置決めステップと、
前記位置検出部から出力される出力値が基準となる基準出力値に略同一となるように、前記補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新するパラメータ更新ステップとを備えていることを特徴とする補正パラメータ校正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−183304(P2007−183304A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380647(P2005−380647)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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