説明

光学表示装置製造システム及び光学表示装置製造方法

【課題】より簡単な構成で液晶セルの両面に光学フィルムを良好に貼り合せることができる光学表示装置製造システム及び光学表示装置製造方法を提供する。
【解決手段】幅方向に対して直交方向に吸収軸B1が延びるように第1光学フィルムF11を巻回した第1ロール原反R1から、前記直交方向に第1光学フィルムF11を送り出し、切断して液晶セルWの一方の面に貼り合せる。幅方向に吸収軸B2が延びるように第2光学フィルムF21を巻回した第2ロール原反R2から、その幅方向に対して直交方向に第2光学フィルムF21を送り出し、切断して液晶セルWの他方の面に貼り合せる。これにより、液晶セルWを回転させるための機構などを設けることなく、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21をクロスニコルの関係で貼り合せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムが巻回されることにより形成されたロール原反から前記光学フィルムを送り出し、液晶セルに貼り合せることにより光学表示装置を製造するための光学表示装置製造システム及び光学表示装置製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置に実装される光学表示装置の製造方法を図6に概念的に示す。まず、光学フィルム製造メーカーでは、長尺(帯状)の光学フィルムをロール原反として製造する(#1)。この具体的製造工程は公知の製造工程であり、説明は省略する。この長尺(帯状)の光学フィルムのロール原反として、例えば、液晶表示装置に用いられる偏光板原反、位相差板原反、偏光板と位相差板の積層フィルム原反等がある。次いで、ロール原反を所定サイズ(液晶セルのサイズに従ったサイズ)にスリットする(#2)。次いで、スリットされた長尺の原反を、貼り合わされる液晶セルのサイズに合わせて定尺切断する(#3)。次いで、定尺切断された枚葉の光学フィルムを外観検査する(#4)。この検査方法としては、例えば、目視による欠点検査、公知の欠点検査装置を用いた検査が挙げられる。欠点は、例えば、表面又は内部の汚れ、傷、異物をかみ込んだ打痕状のひねったような特殊状欠点(クニックと称されることがある)、気泡、異物等を意味している。次いで、完成品検査をする(#5)。完成品検査は、外観検査よりも良品判定の厳しい品質基準に従った検査である。次いで、枚葉の光学フィルムの4方の端面を端面加工する(#6)。これは、輸送中において、端面から粘着剤等がはみださないように防止するために行なわれる。次いで、クリーンルーム環境において、枚葉の光学フィルムをクリーン包装する(#7)。次いで、輸送のために包装(輸送梱包)する(#8)。以上のようにして枚葉の光学フィルムが製造され、パネル加工メーカーに輸送される。
【0003】
パネル加工メーカーでは、輸送されてきた枚葉の光学フィルムを梱包解体する(#11)。次いで、輸送中あるいは梱包解体時に生じた傷、汚れ等を検査するために外観検査をする(#12)。検査で良品判定された枚葉の光学フィルムは、次工程に搬送される。なお、この外観検査を省略する場合もある。枚葉の光学フィルムが貼り合わされる液晶セルは、予め製造され、液晶セルは貼り合わせ工程の前に洗浄される(#13)。
【0004】
枚葉の光学フィルムと液晶セルを貼り合わせる(#14)。枚葉の光学フィルムから粘着剤層を残して離型フィルムが剥離され、粘着剤層を貼り合わせ面として液晶セルの一方の面に貼り合わせる。さらに、液晶セルの他方の面にも同様に貼り合わせることができる。両面に貼り合わせる場合、液晶セルのそれぞれの面には、同一構成の光学フィルムが貼り合わせるように構成されてもよく、異なる構成の光学フィルムが貼り合わされるように構成されていてもよい。次いで、光学フィルムが貼り合わせられた状態の光学表示装置の検査および欠点検査を行なう(#15)。この検査で良品判定された光学表示装置は、実装工程に搬送され、光学表示装置に実装される(#16)。一方、不良品判定された光学表示装置には、リワーク処理が施される(#17)。リワーク処理で、液晶セルから光学フィルムが剥離される。リワーク処理された液晶セルは、新たに光学フィルムが貼り合わされる(#14)。
【0005】
以上の製造工程において、特に端面加工、枚葉の光学フィルムの包装、梱包解体等は、光学フィルム製造メーカーとパネル加工メーカーとが別々の場所に存在しているために必要な工程となっている。しかしながら、多工程による製造コストの上昇問題があり、また、多工程や輸送により生じる傷、埃、汚れ等の問題、それに伴う検査工程の必要性、さらに多種類の枚葉光学フィルムを在庫として保管・管理しなければならないという問題がある。
【0006】
これを解決する方法として、特開2007−140046号公報(特許文献1)が提案されている。この方法によれば、光学表示装置の部材である帯状の光学フィルムが巻き取られたロール原反から光学フィルムを引き出して供給する供給手段と、供給手段によって引き出された光学フィルムの欠陥を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて光学フィルムを切断し、個々の光学フィルムに加工する切断加工手段と、切断加工手段で切断加工された光学フィルムを貼合わせ加工を行うために移送する移送手段と、移送手段によって移送された光学フィルムと光学表示装置の部材である液晶セルを貼合わせる貼合わせ加工手段とを具備し、これら各手段を連続した製造ライン工程上に配置したことを特徴とする。上記の構成においては、帯状の光学フィルムから直接、所望のサイズに切断加工して、この切断された光学フィルムを液晶セルに貼り合わせることができる。よって、従来であれば、帯状の光学フィルムを打ち抜き、打ち抜き後の光学フィルムを厳重に梱包し、パネル加工メーカーに納品していたところを、ロール原反に巻き付けた帯状の光学フィルムを直接梱包して納品することが可能となる。
【0007】
特開2005−37416号公報(特許文献2)には、上記のように帯状の光学フィルム(帯状フィルム)を切断し、液晶セル(基板)に貼り合せる技術の一例が開示されている。この技術では、透過軸がフィルム長手方向に対して平行に配向された偏光板や、透過軸がフィルム長手方向に対して直角に配向された偏光板が用いられている。
【0008】
特開2005−37417号公報(特許文献3)には、帯状の光学フィルム(帯状フィルム)を切断して、液晶セル(基板)の両面に貼り合せる際に、液晶セルの一方の面に貼り合せられるフィルム片の透過軸方向と、他方の面に貼り合せられるフィルム片の透過軸方向とを直角に配向した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−140046号公報
【特許文献2】特開2005−37416号公報
【特許文献3】特開2005−37417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図5は、液晶セルWに対する光学フィルムF11,F21の貼り合せ態様として考えられる態様の一例を示した模式図である。この例では、液晶セルWの一方の面に第1光学フィルムF11が貼り合せられるとともに、他方の面に第2光学フィルムF21が貼り合せられることにより、液晶セルWの両面に光学フィルムF11,F21が貼り合せられるようになっている。
【0011】
第1光学フィルムF11は、当該第1光学フィルムF11が巻芯A1を中心に巻回されることにより形成された第1ロール原反R1から、当該第1光学フィルムF11の幅方向に対して直交方向に送り出される。同様に、第2光学フィルムF21は、当該第2光学フィルムF21が巻芯A2を中心に巻回されることにより形成された第2ロール原反R2から、当該第2光学フィルムF21の幅方向に対して直交方向に送り出される。第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21は、それぞれ幅方向に対して直交方向、すなわち各光学フィルムF11,F21の搬送方向に延びる吸収軸B1,B2を有しており、当該吸収軸B1,B2に沿って振動する光のみを吸収させることができるようになっている。
【0012】
液晶セルWには、まず、その一方の面に第1光学フィルムF11が貼り合せられる。第1光学フィルムF11の巻芯A1に沿った幅は、液晶セルWの短辺に対応しており、当該第1光学フィルムF11が、液晶セルWの長辺に対応する間隔で幅方向に切断されることにより、液晶セルWに対応する形状の第1光学フィルムF11が形成される。そして、切断された第1光学フィルムF11が液晶セルWの一方の面に貼り合せられた後、当該液晶セルWがパネル回転機構により水平方向に90°回転され、他方の面に第2光学フィルムF21が貼り合せられる。
【0013】
第2光学フィルムF21の巻芯A2に沿った幅は、液晶セルWの長辺に対応しており、当該第2光学フィルムF21が、液晶セルWの短辺に対応する間隔で幅方向に切断されることにより、液晶セルWに対応する形状の第2光学フィルムF21が形成される。このようにして切断された第2光学フィルムF21が液晶セルWの他方の面に貼り合せられることにより、両面に光学フィルムF11,F21が貼り合せられた液晶セルWが得られる。
【0014】
上記のように、液晶セルWの一方の面に第1光学フィルムF11を貼り合せた後、当該液晶セルWをパネル回転機構により水平方向に90°回転させ、他方の面に第2光学フィルムF21を貼り合せることにより、液晶セルWの両面にそれぞれ貼り合せられた光学フィルムF11,F21の吸収軸を互いに直交させ、クロスニコルの関係にすることができる。
【0015】
しかし、上記のような態様では、パネル回転機構を設けなければならないため、システムが複雑化するといった問題がある。また、液晶セルWの両面に同時に光学フィルムF11,F21を貼り合せることができないため、効率が悪いといった問題もある。特に、上記の例における第1光学フィルムF11のように、液晶セルWの長辺に対応する間隔で切断する場合には、切断された第1光学フィルムF11を1枚得るために第1ロール原反R1から第1光学フィルムF11を送り出す時間が、液晶セルWの短辺に対応する間隔で切断する場合よりも長くなるため、効率がさらに悪い。
【0016】
上記特許文献2には、液晶セルの一方の面に貼り合せる偏光板における吸収軸の配向方向について記載されているが、液晶セルの両面に偏光板を貼り合せる場合に関する記載はなく、それらの両面に貼り合せられる偏光板の各吸収軸の関係は考慮されていない。そのため、液晶セルの両面に偏光板を貼り合せる場合には、上記特許文献2のような技術を用いたとしても、吸収軸の配向方向に関して必ずしも良好に貼り合せることができるとは限らない。
【0017】
上記特許文献3には、液晶セルの一方の面に貼り合せられるフィルム片の吸収軸方向と、他方の面に貼り合せられるフィルム片の吸収軸方向とを直角に配向した構成が開示されているが、各フィルム片における吸収軸方向は、光学フィルムの幅方向、及び、当該幅方向に直交する方向に対してそれぞれ交差している(図3を参照)。このように光学フィルムの幅方向、及び、当該幅方向に直交する方向に対して吸収軸が交差するように延伸(斜め延伸)する場合には、左右のテンターの速比、倍率を精密にコントロールする必要があり、軸精度が出し難い。このため、軸精度の低い偏光板を液晶セルの短辺又は長辺に揃えるように貼り合せた場合には、吸収軸がずれた状態で貼り合せられる可能性が非常に高くなり、吸収軸のずれに起因する光学表示装置のコントラスト異常が発生しやすくなる。
【0018】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、より簡単な構成で液晶セルの両面に光学フィルムを良好に貼り合せることができる光学表示装置製造システム及び光学表示装置製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、液晶セルの両面に光学フィルムを効率よく貼り合せることができる光学表示装置製造システム及び光学表示装置製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至ったものである。
【0020】
第1の本発明に係る光学表示装置製造システムは、偏光子を含む光学フィルムが巻回されることにより形成されたロール原反から前記光学フィルムを送り出し、幅方向に前記光学フィルムを切断することによって、所定サイズに切断して液晶セルに貼り合せることにより光学表示装置を製造するための光学表示装置製造システムであって、前記液晶セルの長辺又は短辺に対応する幅の第1光学フィルムを前記幅方向に対して直交方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第1ロール原反から、前記直交方向に前記第1光学フィルムを送り出す第1搬送装置と、前記第1ロール原反に対して幅方向が互いに平行になるように配置され、前記第1光学フィルムと同一の幅を有する第2光学フィルムを前記幅方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第2ロール原反から、その幅方向に対して直交方向に前記第2光学フィルムを送り出す第2搬送装置と、前記第1搬送装置により送り出される第1光学フィルムを前記所定サイズである前記液晶セルの短辺又は長辺に対応する間隔で切断する第1切断装置と、前記第2搬送装置により送り出される第2光学フィルムを前記第1光学フィルムと同一の間隔で切断する第2切断装置と、前記切断された前記第1光学フィルムを前記液晶セルの一方の面に貼り合せる第1貼合装置と、前記切断された前記第2光学フィルムを前記液晶セルの他方の面に貼り合せる第2貼合装置とを備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、第1ロール原反から送り出されて切断された第1光学フィルムと、第2ロール原反から送り出されて切断された第2光学フィルムとが、それぞれの吸収軸が互いに直交するように液晶セルの両面に貼り合せられる。これにより、液晶セルを回転させるための機構などを設けることなく、液晶セルの両面にそれぞれ貼り合せられる第1光学フィルムと第2光学フィルムをクロスニコルの関係にすることができるので、より簡単な構成で液晶セルの両面に光学フィルムを良好に貼り合せることができる。
【0022】
特に、第1光学フィルムが幅方向に対して直交方向に吸収軸が延びるように巻回され、第2光学フィルムが幅方向に吸収軸が延びるように巻回されているので、各光学フィルムの吸収軸と液晶セルの長辺又は短辺とを位置合わせしやすい。このため、液晶セルに光学フィルムを貼り合せる際に吸収軸がずれる可能性が低くなり、吸収軸のずれに起因する光学表示装置のコントラスト異常がほとんど発生しなくなるので、液晶セルの両面に光学フィルムをより良好に貼り合せることができる。
【0023】
第2の本発明に係る光学表示装置製造システムは、前記第1貼合装置が前記液晶セルの前記一方の面に前記第1光学フィルムを貼り合わせる期間と、前記第2貼合装置が当該液晶セルの前記他方の面に前記第2光学フィルムを貼り合わせる期間とが、少なくとも一部重複していることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、第1光学フィルム及び第2光学フィルムを、液晶セルの両面に少なくとも一定期間だけ並行して貼り合せることができる。これにより、液晶セルの位置合わせを行った状態で、第1光学フィルム及び第2光学フィルムを同時に、又は、連続して貼り合せることができるので、第1光学フィルム及び第2光学フィルムを別々に貼り合せる場合のように、それぞれの貼り合せの際に液晶セルの位置合わせを行う必要がない。したがって、位置合わせ装置を削減することができ、より簡単な構成で液晶セルの両面に光学フィルムを良好に貼り合せることができる。
【0025】
第3の本発明に係る光学表示装置製造システムは、前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの長辺に対応する長さであることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、第1光学フィルム及び第2光学フィルムを、それぞれ液晶セルの短辺に対応する間隔で切断し、切断された各光学フィルムを液晶セルの両面に貼り合せることにより、第1光学フィルムと第2光学フィルムをクロスニコルの関係にすることができる。これにより、切断された第1光学フィルムを1枚得るために第1ロール原反から第1光学フィルムを送り出す時間、及び、切断された第2光学フィルムを1枚得るために第2ロール原反から第2光学フィルムを送り出す時間を、液晶セルの長辺に対応する間隔で切断する場合よりも短くすることができるので、液晶セルの両面に光学フィルムを効率よく貼り合せることができる。
【0027】
この場合、前記第1切断装置が前記第1光学フィルムを切断する間隔と、前記第2切断装置が前記第2光学フィルムを切断する間隔とが等しく、前記間隔が前記幅よりも短いことが好ましい。
【0028】
第4の本発明に係る光学表示装置製造システムは、前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの短辺に対応する長さであることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、第1光学フィルム及び第2光学フィルムを、それぞれ液晶セルの長辺に対応する間隔で切断し、切断された各光学フィルムを液晶セルの両面に貼り合せることにより、第1光学フィルムと第2光学フィルムをクロスニコルの関係にすることができる。このように、第1光学フィルム及び第2光学フィルムの幅は、互いに同一であれば、それぞれ液晶セルの長辺に対応する長さであってもよいし、短辺に対応する長さであってもよい。
【0030】
第5の本発明に係る光学表示装置製造システムは、前記液晶セルに対して、前記第1光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に表側となる面に貼り合せられ、前記第2光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に裏側となる面に貼り合せられることを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、光学表示装置のコントラストを効果的に向上することができる。
【0032】
第6の本発明に係る光学表示装置製造システムは、前記第1光学フィルムと前記第2光学フィルムとの相対的な位置合わせを行うフィルム位置合わせ装置を備えたことを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、第1光学フィルムと第2光学フィルムとの相対的な位置合わせを行い、それらをより精度よくクロスニコルの関係で液晶セルに貼り合せることができる。したがって、液晶セルの両面に光学フィルムをより良好に貼り合せることができる。
【0034】
第7の本発明に係る光学表示装置製造方法は、偏光子を含む光学フィルムが巻回されることにより形成されたロール原反から前記光学フィルムを送り出し、幅方向に前記光学フィルムを切断することによって、所定サイズに切断して液晶セルに貼り合せることにより光学表示装置を製造するための光学表示装置製造方法であって、前記液晶セルの長辺又は短辺に対応する幅の第1光学フィルムを前記幅方向に対して直交方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第1ロール原反から、前記直交方向に前記第1光学フィルムを送り出す第1搬送ステップと、前記第1ロール原反に対して幅方向が互いに平行になるように配置され、前記第1光学フィルムと同一の幅を有する第2光学フィルムを前記幅方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第2ロール原反から、その幅方向に対して直交方向に前記第2光学フィルムを送り出す第2搬送ステップと、前記第1搬送ステップにより送り出される第1光学フィルムを前記所定サイズである前記液晶セルの短辺又は長辺に対応する間隔で切断する第1切断ステップと、前記第2搬送ステップにより送り出される第2光学フィルムを前記第1光学フィルムと同一の間隔で切断する第2切断ステップと、前記切断された前記第1光学フィルムを前記液晶セルの一方の面に貼り合せる第1貼合ステップと、前記切断された前記第2光学フィルムを前記液晶セルの他方の面に貼り合せる第2貼合ステップとを備えたことを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、第1の本発明に係る光学表示装置製造システムと同様の効果を奏する光学表示装置製造方法を提供することができる。
【0036】
第8の本発明に係る光学表示装置製造方法は、前記第1貼合ステップで前記液晶セルの前記一方の面に前記第1光学フィルムを貼り合わせる期間と、前記第2貼合ステップで当該液晶セルの前記他方の面に前記第2光学フィルムを貼り合わせる期間とが、少なくとも一部重複していることを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、第2の本発明に係る光学表示装置製造システムと同様の効果を奏する光学表示装置製造方法を提供することができる。
【0038】
第9の本発明に係る光学表示装置製造方法は、前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの長辺に対応する長さであることを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、第3の本発明に係る光学表示装置製造システムと同様の効果を奏する光学表示装置製造方法を提供することができる。
【0040】
第10の本発明に係る光学表示装置製造方法は、前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの短辺に対応する長さであることを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、第4の本発明に係る光学表示装置製造システムと同様の効果を奏する光学表示装置製造方法を提供することができる。
【0042】
第11の本発明に係る光学表示装置製造方法は、前記液晶セルに対して、前記第1光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に表側となる面に貼り合せられ、前記第2光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に裏側となる面に貼り合せられることを特徴とする。
【0043】
この構成によれば、第5の本発明に係る光学表示装置製造システムと同様の効果を奏する光学表示装置製造方法を提供することができる。
【0044】
第12の本発明に係る光学表示装置製造方法は、前記第1光学フィルムと前記第2光学フィルムとの相対的な位置合わせを行うフィルム位置合わせステップを備えたことを特徴とする。
【0045】
この構成によれば、第6の本発明に係る光学表示装置製造システムと同様の効果を奏する光学表示装置製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態1の光学表示装置の製造方法のフローチャート
【図2】第1、第2光学フィルムの積層構造の一例について説明するための図
【図3】液晶セルに光学フィルムを貼り合せるための一構成例を示した概略図
【図4】液晶セルに対する光学フィルムの貼り合せ態様について説明するための模式図
【図5】液晶セルに対する光学フィルムの貼り合せ態様として考えられる態様の一例を示した模式図
【図6】従来の光学表示装置の製造方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0047】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について以下に説明する。図1に実施形態1の光学表示装置の製造方法のフローチャートを示す。実施形態1の製造システムの別実施形態として、第1・第2欠点検査装置を備えていない構成も例示できる。
【0048】
(液晶セル)
まず、本発明に用いられる液晶セルは、例えば、ガラス基板ユニット、有機EL発光体ユニット等を含むものが挙げられる。液晶セルは、例えば長方形状に形成される。
【0049】
(光学フィルム)
液晶セルに貼り合せられる光学フィルムは、偏光子(偏光子フィルム)を含むものであれば、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどの他のフィルムが組み合わせられた積層フィルムであってもよい。光学フィルムの表面には、保護用の透明フィルムが積層される場合がある。また、光学フィルムの一方表面には、液晶セルに貼り付けられるように、粘着剤層が形成され、この粘着剤層を保護するための離型フィルムが設けられる。また、光学フィルムのその他方表面には、粘着剤層を介して表面保護フィルムが設けられる。これらフィルムの具体的構成は後述する。以下において、表面保護フィルムおよび離型フィルムが粘着剤層を介して積層された光学フィルムをシート製品と称することがある。
【0050】
(製造フローチャート)
(1)第1ロール原反準備工程(図1、S1)。長尺の第1シート製品を第1ロール原反として準備する。第1ロール原反の幅は、液晶セルの貼り合わせサイズに依存している。図2に示すように、第1シート製品F1の積層構造は、第1光学フィルムF11と、第1離型フィルムF12と、表面保護フィルムF13とを有する。第1光学フィルムF11は、第1偏光子F11aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第1フィルムF11bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第2フィルムF11cとで構成されている。
【0051】
第1、第2フィルムF11b、F11cは、例えば、偏光子保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等)である。第2フィルムF11cは、第1粘着剤層F14を介して液晶セル面側に貼り合わされる。第1フィルムF11bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第1離型フィルムF12は、第2フィルムF11cと第1粘着剤層F14を介して設けられている。また、表面保護フィルムF13は、第1フィルムF11bと粘着剤層F15を介して設けられている。第1、第2フィルムF11b、F11cの具体的構成は後述する。以下において、偏光子と偏光子保護フィルムとの積層構造を偏光板と称することがある。
【0052】
第1ロール原反の幅、又は、後述する第2ロール原反の幅が、「液晶セルの貼り合わせサイズに依存している」とは、液晶セルの長辺又は短辺のいずれかのサイズに合わせることを意味している。この「液晶セルの長辺又は短辺のいずれかのサイズに合わせる」とは、液晶セルの長辺又は短辺の長さに対応する光学フィルムの貼り合わせの長さ(露出部分を除いた長さ)とすることを指し、液晶セルの長辺又は短辺の長さと第1ロール原反又は第2ロール原反ムの幅とが同じである必要はない。
【0053】
以下の各工程は、工場内において隔離された隔離構造内において行なわれ、清浄度が維持されている。特に光学フィルムを液晶セルに貼り合わせる貼合工程において清浄度が維持されることが好ましい。
【0054】
(2)搬送工程(図1、S2:第1搬送ステップ)。準備され設置された第1ロール原反から第1シート製品F1を繰り出し、下流側に搬送する。
【0055】
(3)第1検査工程(図1、S3)。第1シート製品F1の欠点を第1欠点検査装置を用いて検査する。ここでの欠点検査方法としては、第1シート製品F1の両面に対し、透過光、反射光による画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の吸収軸とクロスニコルとなるように配置(0度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の吸収軸と所定角度(例えば、0度より大きく10度以内の範囲)になるように配置(x度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法が挙げられる。なお、画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
【0056】
透過光による画像撮影・画像処理方法では、第1シート製品F1内部の異物が検出できる。反射光による画像撮影・画像処理方法では、第1シート製品F1表面の付着異物が検出できる。0度クロスによる画像撮影・画像処理方法では、主に、表面異物、汚れ、内部の異物等が輝点として検出できる。x度クロスによる画像撮影・画像処理方法では、主に、クニックを検出することができる。
【0057】
第1欠点検査装置で得られた欠点の情報は、その位置情報(例えば、位置座標)とともに紐付けされて、制御装置に送信され、後述する第1切断装置による切断方法に寄与させることができる。
【0058】
(4)第1切断工程(図1、S4:第1切断ステップ)。第1切断装置は、第1離型フィルムF12を切断せずに、表面保護フィルムF13、粘着剤層F15、第1光学フィルムF11および第1粘着剤層F14を所定サイズに切断する。切断手段としては、例えば、レーザ装置、カッター、その他の公知の切断手段等が挙げられる。第1欠点検査装置で得られた欠点の情報に基づいて、液晶セルWに貼り合わせられる領域内に欠点を含まないように、欠点を避けて切断するように構成される。これにより、第1シート製品F1の歩留まりが大幅に向上する。このように、液晶セルWに貼り合わせられる領域内に欠点を含まないように、欠点を避けて切断する方式をスキップカットと称するが、切断の際の欠点情報は、インラインの欠点検査装置で得られたものでも、予めロール原反に付されたものでもよい。欠点を含む第1シート製品F1は、後述する第1排除装置によって排除され、液晶セルWには貼り付けされないように構成される。
【0059】
これら、第1ロール原反準備工程、第1検査工程、第1切断工程のそれぞれの工程は連続した製造ラインとされることが好ましい。以上の一連の製造工程において、液晶セルWの一方面に貼り合せるための切断された第1光学フィルムF11が形成される。以下では、液晶セルWの他面に貼り合せるための切断された第2光学フィルムF21を形成する工程について説明する。なお、これらの切断された第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21をそれぞれ形成する工程は、並行して行われるようになっている。
【0060】
(5)第2ロール原反準備工程(図1、S11)。長尺の第2シート製品F2を第2ロール原反として準備する。図2の示すように、第2シート製品F2の積層構造は、第1シート製品と同様の構成であるが、これに限定されない。第2シート製品F2は、第2光学フィルムF21と、第2離型フィルムF22と、表面保護フィルムF23とを有する。第2光学フィルムF21は、第2偏光子21aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介した第3フィルムF21bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介した第4フィルムF21cとで構成されている。
【0061】
第3、第4フィルムF21b、F21cは、例えば、偏光子保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム。PETフィルム等)である。第4フィルムF21cは、第2粘着剤層F24を介して液晶セル面側に貼り合わされる。第3フィルムF21bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第2離型フィルムF22は、第4フィルムF21cと第2粘着剤層F24を介して設けられている。また、表面保護フィルムF23は、第3フィルムF21bと粘着剤層F25を介して設けられている。
【0062】
(6)搬送工程(図1、S12:第2搬送ステップ)。準備され設置された第2ロール原反から第2シート製品F2を繰り出し、下流側に搬送する。
【0063】
(7)第2検査工程(図1、S13)。第2シート製品F2の欠点を第2欠点検査装置を用いて検査する。ここでの欠点検査方法は、上述した第1欠点検査装置による方法と同様である。
【0064】
(8)第2切断工程(図1、S14:第2切断ステップ)。第2切断装置は、第2離型フィルムF22を切断せずに、表面保護フィルムF23、粘着剤層F25、第2光学フィルムF21および第2粘着剤層F24を所定サイズに切断する。切断手段としては、例えば、レーザ装置、カッター、その他の公知の切断手段等が挙げられる。第2欠点検査装置で得られた欠点の情報に基づいて、液晶セルWに貼り合わせられる領域内に欠点を含まないように、欠点を避けて切断するように構成される。これにより、第2シート製品F2の歩留まりが大幅に向上する。欠点を含む第2シート製品F2は、後述する第2排除装置によって排除され、液晶セルWには貼り付けされないように構成される。
【0065】
上記のような切断された第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21をそれぞれ形成する工程と並行して、液晶セルWを搬送する工程が行われる。液晶セルWには、その搬送中に下記のような処理が行われる。
【0066】
(9)洗浄工程(図1、S6)。液晶セルWは、研磨洗浄、水洗浄等によって、その表面が洗浄される。
【0067】
(10)液晶セル位置合わせ工程(図1、S5)。液晶セルWは、パネル位置合わせ装置により、予め定められた位置を搬送されるように位置合わせされる。
【0068】
本実施形態では、上記のようにして搬送されてきた液晶セルWの両面に、それぞれ切断された第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21が、下記のような態様で貼り合せられるようになっている。
【0069】
(11)光学フィルム位置合わせ工程(図1、S15:フィルム位置合わせステップ)。第1光学フィルムF11は第1フィルム位置合わせ装置により、第2光学フィルムF21は第2フィルム位置合わせ装置により、それぞれ予め定められた位置を搬送されるように位置合わせされる。この工程により、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21との相対的な位置合わせが実現される。なお、光学フィルム位置合わせ行程は、第1切断行程及び第2切断行程の後に行われるような構成に限らず、第1切断行程及び第2切断行程よりも前に、又は、並行して行われるような構成であってもよい。
【0070】
(12)光学フィルム貼合工程(図1、S16:第1貼合ステップ、第2貼合ステップ)。切断された第1光学フィルムF11は、第1剥離装置により第1離型フィルムF12が除去された後、第1貼合装置により第1粘着剤層F14を介して液晶セルWの一方の面に貼り合せられる(第1貼合ステップ)。また、切断された第2光学フィルムF21は、第2剥離装置により第2離型フィルムF22が除去された後、第2貼合装置により第2粘着剤層F24を介して液晶セルWの他方の面に貼り合せられる(第2貼合ステップ)。言い換えれば、第1貼合装置及び第2貼合装置を含む貼合装置により、第1貼合ステップ及び第2貼合ステップを含む貼合ステップが実行される。これにより、液晶セルWの両面に光学フィルムF11,F21が貼り合せられる。
【0071】
(13)光学表示装置の検査工程(図1、S17)。検査装置は、液晶セルWの両面に光学フィルムが貼着された光学表示装置を検査する。検査方法としては、光学表示装置の両面に対し、反射光による画像撮影・画像処理する方法が例示される。また他の方法として、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に設置する方法も例示される。なお、画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
【0072】
(14)検査装置で得られた欠点の情報に基づいて、光学表示装置の良品判定がなされる。良品判定された光学表示装置は、次の実装工程に搬送される。不良品判定された場合、リワーク処理が施され、新たに光学フィルムが貼られ、次いで検査され、良品判定の場合、実装工程に移行し、不良品判定の場合、再度リワーク処理に移行するかあるいは廃棄処分される。
【0073】
以上の一連の製造工程において、第1光学フィルムF11の貼合工程と第2光学フィルムF21の貼合工程とを連続した製造ラインとすることによって、光学表示装置を好適に製造することができる。
【0074】
(スキップカットの別実施形態)
また、上記第1切断工程および第2切断工程の別実施形態を以下に説明する。第1および第2ロール原反の幅方向の一方の端部には、所定ピッチ単位(例えば1000mm)に第1、第2シート製品の欠点情報(欠点座標、欠点の種類、サイズ等)がコード情報(例えばQRコード、バーコード)として付されている場合がある。このような場合、切断する前段階で、このコード情報を読み取り、解析して欠点部分を避けるように、第1、第2切断工程において所定サイズに切断する。そして、欠点を含む部分は除去あるいは液晶セルではない部材に貼り合わせるように構成し、所定サイズに切断された良品判定の枚葉のシート製品を液晶セルに貼り合わされるように構成する。これにより、光学フィルムF11,F21の歩留まりが大幅に向上される。
【0075】
(実施形態1の製造方法を実現する好適な製造システム)
以下に、実施形態1の製造方法を実現する好適な製造システムの一例について説明する。
【0076】
実施形態1の製造方法を実現する各種装置は、隔離構造によって外部と隔離されている。隔離構造で囲まれた内部は、外部に比較し清浄に保たれている。隔離構造は透明材料の壁と骨組み構造とで構成される。隔離構造の天井には、送風装置が設置される。送風装置は、HEPAフィルターを備え、清浄度の高い空気を隔壁構造内部に送風する。隔壁構造の壁面下部には、内部空気を外部に排出させるための空気排出開口部が設けられている。また、外部からの侵入物を防ぐために開口面にはフィルターを設けることもできる。この隔壁構造、送風装置によって、製造システム全体を清浄環境に維持でき、外部からの異物混入を好適に防ぐことができる。また、製造システムのみを隔壁構造で外部から隔離しているために、工場全体をいわゆるクリーンルームにする必要がない。
【0077】
先ず、研磨洗浄装置について説明する。収納箱から液晶セルWを取り出し、搬送機構に載置させる。液晶セルWが洗浄位置に到達したら、搬送を停止し、液晶セルWの端部を保持手段で保持する。研磨手段を垂直上方から液晶セルWの上面に接触させ、別の研磨手段を垂直下方から液晶セル下面に接触させる。それぞれの研磨手段を液晶セルWの両表面において回転させる。これによって、液晶セルWの両表面の付着異物が除去される。付着異物としては、例えば、ガラスの微小片、繊維片等が例示される。
【0078】
次に、水洗浄装置について説明する。研磨洗浄された液晶セルWは、搬送機構によって水浴に搬送され、ここで水洗浄される。水浴の内部は純水が流れている。水浴から搬送された液晶セルWの両面は、流水パイプから流出される純水によって洗浄される。次いで、液晶セルWは乾燥装置による清浄空気の送風によって水切りがなされる。なお、別実施形態として、純水に代えて、エタノール水溶液を用いて洗浄することもできる。また、他の別実施形態として、水浴を省略することもできる。
【0079】
図3は、液晶セルWに光学フィルムF11,F21を貼り合せるための一構成例を示した概略図である。以下、この図3を適宜参照しながら、各種装置について順に説明する。
【0080】
上記のようにして洗浄された液晶セルWは、搬送される過程でパネル位置合わせ装置10により位置合わせが行われた後、その両面に光学フィルムF11,F21が貼り合せられる。パネル位置合わせ装置10は、例えば、液晶セルWを搬送するための1または複数のローラと、液晶セルWのエッジを検出するためのエッジ検出部とを備えている。このパネル位置合わせ装置10は、エッジ検出部による液晶セルWのエッジの検出結果に基づいて、上記ローラを傾斜させることにより、液晶セルWを蛇行させ、当該液晶セルWが予め定められた位置を搬送されるように位置合わせする。
【0081】
長尺の第1シート製品F1の第1ロール原反R1は、自由回転あるいは一定の回転速度で回転するようにモータ等と連動されたローラ架台装置に設置される。制御装置によって回転速度が設定され、駆動制御される。
【0082】
第1搬送装置12は、第1シート製品F1を下流側に搬送する搬送機構である。この第1搬送装置12は、多数の搬送ローラを備えており、これらの搬送ローラにより形成される搬送路に沿って第1シート製品F1が搬送される。当該搬送路は、第1ロール原反R1から第1貼合装置18まで延びている。第1搬送装置12は制御装置によって制御されている。
【0083】
第1欠点検査装置14は、第1離型フィルムF12の剥離後に、欠点検査をする。第1欠点検査装置14は、CCDカメラで撮像された画像データを解析して欠点を検出し、さらにその位置座標を算出する。この欠点の位置座標は、後述の第1切断装置16によるスキップカットに提供される。
【0084】
第1切断装置16は、第1搬送装置12により送り出される第1光学フィルムF11を切断するものであり、この例では、第1離型フィルムF12を切断せずに、第1光学フィルムF11、表面保護フィルムF13、第1粘着剤層F14、粘着剤層F15を所定サイズに切断する。第1切断装置16は、例えばレーザ装置である。第1欠点検査処理で検出された欠点の位置座標に基づいて、第1切断装置16は、液晶セルWに貼り合わせられる領域内に欠点を含まないように、欠点部分を避けて所定サイズに切断する。すなわち、欠点部分を含む切断品は不良品として後工程で第1排除装置によって排除される。あるいは、第1切断装置16は、欠点の存在を無視して、連続的に所定サイズに切断してもよい。この場合、後述の貼り合せ処理において、当該部分を貼り合せずに除去するように構成できる。この場合の制御も制御装置の機能による。
【0085】
第1フィルム位置合わせ装置19は、第1光学フィルムF11の位置合わせを行う。第1フィルム位置合わせ装置19は、例えば、第1光学フィルムF11を搬送するための1または複数のローラと、切断された当該第1光学フィルムF11のエッジを検出するためのエッジ検出部とを備えている。この第1フィルム位置合わせ装置19は、エッジ検出部による第1光学フィルムF11のエッジの検出結果に基づいて、上記ローラを傾斜させることにより、第1光学フィルムF11を蛇行させ、当該第1光学フィルムF11が予め定められた位置を搬送されるように位置合わせする。
【0086】
第1光学フィルムF11の位置合わせを良好に行うためには、上記エッジ検出部は、第1光学フィルムF11の先端のエッジを検出するのが好ましく、上記ローラは、上記第1光学フィルムF11の先端よりもある程度手前側で当該第1光学フィルムF11を蛇行させることが好ましい。したがって、上記エッジ検出部が第1切断装置16よりも後に設けられ、上記ローラが第1切断装置16よりも前に設けられていることが好ましい。
【0087】
第1貼合装置18は、第1切断装置16により切断され、第1剥離装置17によって第1離型フィルムF12が剥離された第1シート製品F1(第1光学フィルムF11)を、第1粘着剤層F14を介して液晶セルWの一方の面(この例では、上面)に貼り合せる。貼り合せる場合には、押さえローラ、案内ローラによって、第1光学フィルムF11を液晶セルW面に圧接しながら貼り合わせる。押さえローラ、案内ローラの押さえ圧力、駆動動作は、制御装置によって制御される。
【0088】
第1剥離装置17の剥離機構としては、第1離型フィルムF12を反転移送することにより、第1離型フィルムF12を剥離すると共に、第1離型フィルムF12を剥離した後の第1シート製品F1(第1光学フィルムF11)を液晶セルW面に送り出すように構成される。この際に、第1離型フィルムF12に150N/m以上1000N/m以下の張力をかけた状態および/または、第1光学フィルムF11を第1離型フィルムF12が剥離されてから液晶セルW面に圧接するまでの時間を3秒以内で行なうことにより、第1光学フィルムF11の貼り合わせ精度を向上させることができる。張力が150N/mより小さいと第1光学フィルムF11の送り出し位置が安定せず、1000N/mより大きいと第1離型フィルムF12が伸びて破断するおそれがあり、圧接するまでの時間が3秒よりも長いと、第1離型フィルムF12から剥離された第1光学フィルムF11端部が湾曲して折れや気泡が発生するおそれがある。剥離された第1離型フィルムF12はロールに巻き取られる。ロールの巻取り制御は、制御装置によって制御される。
【0089】
貼合せ機構としては、押さえロ一ラとそれに対向して配置される案内ローラとから構成されている。案内ローラは、モータにより回転駆動するゴムローラで構成され、昇降可能に配備されている。また、その直上方にはモータにより回転駆動する金属ローラからなる押さえローラが昇降可能に配備されている。液晶セルWを貼合せ位置に送り込む際には押さえローラはその上面より高い位置まで上昇されてローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラおよび押さえローラは、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。液晶セルWは、上述したように各種洗浄装置によって洗浄され、搬送機構によって搬送される構成である。搬送機構の搬送制御も制御装置の制御による。
【0090】
図3には図示していないが、欠点を含む第1シート製品F1を排除する第1排除装置について説明する。欠点を含む第1シート製品F1が貼り合わせ位置に搬送されてくると、案内ローラが垂直下方に移動する。次いで、除去用フィルムが掛け渡されたローラが案内ローラの定位置に移動する。押さえローラを垂直下方に移動させて、欠点を含む第1シート製品F1を除去用フィルムに押さえつけて、第1シート製品F1を除去用フィルムに貼り付け、除去用フィルムとともに欠点を含む第1シート製品F1をローラに巻き取る。除去用フィルムは、第1シート製品F1の第1粘着剤層F14の粘着力を利用して、欠点を含む第1シート製品F1を貼着することができるが、除去用フィルムとして粘着テープを使用することも可能である。
【0091】
上記のようにして一方の面に第1光学フィルムF11が貼り合せられた液晶セルWの他方の面には、同様の態様で第2光学フィルムF21(第2シート製品F2)が貼り合せられる。以下において、同様の装置構成については、その説明を簡単に説明する。
【0092】
長尺の第2シート製品F2の第2ロール原反R2は、自由回転あるいは一定の回転速度で回転するようにモータ等と連動されたローラ架台装置に設置される。制御装置によって回転速度が設定され、駆動制御される。
【0093】
第2搬送装置22は、第2シート製品F2を下流側に搬送する搬送機構である。この第2搬送装置22は、多数の搬送ローラを備えており、これらの搬送ローラにより形成される搬送路に沿って第2シート製品F2が搬送される。当該搬送路は、第2ロール原反R2から第2貼合装置28まで延びている。第2搬送装置22は制御装置によって制御され、その搬送速度は、第1搬送装置12の搬送速度と同一に設定されている。
【0094】
第2欠点検査装置24は、第2離型フィルムF22の剥離後に、欠点検査をする。第2欠点検査装置24は、CCDカメラで撮像された画像データを解析し、欠点を検出し、さらにその位置座標を算出する。この欠点の位置座標は、後述の第2切断装置26によるスキップカットに提供される。
【0095】
第2切断装置26は、第2搬送装置22により送り出される第2光学フィルムF21を切断するものであり、この例では、第2離型フィルムF22を切断せずに、第2光学フィルムF21、表面保護フィルムF23、第2粘着剤層F24、粘着剤層F25を所定サイズに切断する。第2切断装置26は、例えばレーザ装置である。第2欠点検査処理で検出された欠点の位置座標に基づいて、第2切断装置26は、液晶セルWに貼り合わせられる領域内に欠点を含まないように、欠点部分を避けて所定サイズに切断する。すなわち、欠点部分を含む切断品は不良品として後工程で第2排除装置によって排除される。あるいは、第2切断装置26は、欠点の存在を無視して、連続的に所定サイズに切断してもよい。この場合、後述の貼り合せ処理において、当該部分を貼り合せずに除去するように構成できる。この場合の制御も制御装置の機能による。
【0096】
第2フィルム位置合わせ装置29は、第2光学フィルムF21の位置合わせを行う。第2フィルム位置合わせ装置29は、例えば、第2光学フィルムF21を搬送するための1または複数のローラと、切断された当該第2光学フィルムF21のエッジを検出するためのエッジ検出部とを備えている。この第2フィルム位置合わせ装置29は、エッジ検出部による第2光学フィルムF21のエッジの検出結果に基づいて、上記ローラを傾斜させることにより、第2光学フィルムF21を蛇行させ、当該第2光学フィルムF21が予め定められた位置を搬送されるように位置合わせする。
【0097】
第2光学フィルムF21の位置合わせを良好に行うためには、上記エッジ検出部は、第2光学フィルムF21の先端のエッジを検出するのが好ましく、上記ローラは、上記第2光学フィルムF21の先端よりもある程度手前側で当該第2光学フィルムF21を蛇行させることが好ましい。したがって、上記エッジ検出部が第2切断装置26よりも後に設けられ、上記ローラが第2切断装置26よりも前に設けられていることが好ましい。
【0098】
第2貼合装置28は、第2切断装置26により切断され、第2剥離装置27によって第2離型フィルムF22が剥離された第2シート製品F2(第2光学フィルムF21)を、第2粘着剤層F24を介して液晶セルWの他方の面(この例では、下面)に貼り合せる。貼り合せる場合には、押さえローラ、案内ローラによって、第2光学フィルムF21を液晶セルW面に圧接しながら貼り合わせる。押さえローラ、案内ローラの押さえ圧力、駆動動作は、制御装置によって制御される。
【0099】
第2剥離装置27の剥離機構としては、第2離型フィルムF22を反転移送することにより、第2離型フィルムF22を剥離すると共に、第2離型フィルムF22を剥離した後の第2シート製品F2(第2光学フィルムF21)を液晶セルW面に送り出すように構成される。この際に、第2離型フィルムF22に150N/m以上1000N/m以下の張力をかけた状態および/または、第2光学フィルムF21を第2離型フィルムF22が剥離されてから液晶セルW面に圧接するまでの時間を3秒以内で行なうことにより、第2光学フィルムF21の貼り合わせ精度を向上させることができる。張力が150N/mより小さいと第2光学フィルムF21の送り出し位置が安定せず、1000N/mより大きいと第2離型フィルムF22が伸びて破断するおそれがあり、圧接するまでの時間が3秒よりも長いと、第2離型フィルムF22から剥離された第1光学フィルムF21端部が湾曲して折れや気泡が発生するおそれがある。剥離された第2離型フィルムF22はロールに巻き取られる。ロールの巻取り制御は、制御装置によって制御される。
【0100】
貼合せ機構としては、押さえローラとそれに対向して配置される案内ローラとから構成されている。案内ローラは、モータによる回転駆動するゴムローラで構成され昇降可能に配備されている。また、その直下方にはモータにより回転駆動する金属ローラからなる押さえローラが昇降可能に配備されている。液晶セルWを貼合せ位置に送り込む際に、押さえローラは、下方位置まで移動されてローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラおよび押さえローラは、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。
【0101】
図3には図示していないが、欠点を含む第2シート製品F2を排除する第2排除装置について説明する。欠点を含む第2シート製品F2が貼り合わせ位置に搬送されてくると、案内ローラが垂直上方に移動する。次いで、除去用フィルムが掛け渡されたローラが案内ローラの定位置に移動する。押さえローラを垂直上方に移動させて、欠点を含む第2シート製品F2を除去用フィルムに押さえつけて、第2シート製品F2を除去用フィルムに貼り付け、除去用フィルムとともに欠点を含む第2シート製品F2をローラに巻き取る。
【0102】
第1、第2シート製品が液晶セルWに貼り合わせされることにより形成された光学表示装置は、検査装置に搬送される。検査装置は、搬送されてきた光学表示装置の両面に対し検査を実行する。光源が、ハーフミラーによって、光学表示装置の上面に垂直に照射し、その反射光像をCCDカメラによって画像データとして撮像する。また、別の光源が、所定角度で光学表示装置表面を照射し、その反射光像をCCDカメラによって画像データとして撮像する。光学表示装置の反対面の検査も光源およびCCDカメラを用いて同様に実行される。これら画像データから欠点が画像処理解析され、良品判定される。
【0103】
それぞれの装置の動作タイミングは、例えば、所定の位置にセンサーを配置して検知する方法で算出され、または、搬送装置や搬送機構の回転部材をロータリーエンコーダ等で検出するようにして算出される。制御装置は、ソフトウエアプログラムとCPU、メモリ等のハードウエア資源との協同作用によって実現されてもよく、この場合プログラムソフトウエア、処理手順、各種設定等はメモリが予め記憶されている。また、専用回路やファームウエア等で構成できる。
【0104】
本実施形態において、第1フィルム位置合わせ装置19及び第2フィルム位置合わせ装置29は、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21との相対的な位置合わせを行うフィルム位置合わせ装置を構成している。この例では、切断された第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21の各先端が、平面視で同じ位置に同時に導かれるように位置合わせされることにより、液晶セルWに対して第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21が同時に貼り合せられるようになっている。
【0105】
ただし、第1貼合装置18が液晶セルWの一方の面に第1光学フィルムF11を貼り合せる期間と、第2貼合装置28が液晶セルWの他方の面に第2光学フィルムF21を貼り合せる期間とが、少なくとも一部重複していれば、上記のように同時に貼り合せられるような構成でなくてもよい。上記各期間が一部重複するような構成によれば、第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21を、液晶セルWの両面に少なくとも一定期間だけ並行して貼り合せることができる。これにより、液晶セルWの位置合わせを行った状態で、第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21を同時に、又は、連続して貼り合せることができるので、第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21を別々に貼り合せる場合のように、それぞれの貼り合せの際に液晶セルWの位置合わせを行う必要がない。したがって、位置合わせ装置を削減することができ、より簡単な構成で液晶セルWの両面に光学フィルムF11,F21を良好に貼り合せることができる。なお、上記各期間が一部重複するような構成に限らず、上記各期間が重複しないような構成とすることも可能である。
【0106】
(製造システムの別実施形態)
欠点検査は公知の欠点検査方法が適用できる。自動検査装置は、シート製品の欠点(欠陥とも称される)を自動で検査する装置であり、光を照射し、その反射光像や透過光像をラインセンサーや2次元TVカメラなどの撮像部を介して取得し、取得された画像データに基づいて、欠点検出を行う。また、光源と撮像部の間の光路中に検査用偏光フィルタを介在させた状態で画像データを取得する。通常、この検査用偏光フィルタの吸収軸は、検査対象である偏光板の吸収軸と直交する状態(クロスニコル)となるように配置される。クロスニコルに配置することで、仮に欠点が存在しなければ撮像部から全面黒の画像が入力されるが、欠点が存在すれば、その部分が黒にならない(輝点として認識される)。従って、適宜のしきい値を設定することで、欠点を検出することができる。このような輝点検出では、表面付着物、内部の異物等の欠点が輝点として検出される。また、この輝点検出のほかに、対象物に対して透過光画像をCCD撮像し画像解析することで異物検出する方法もある。また、対象物に対して反射光画像をCCD撮像し画像解析することで表面付着異物を検出する方法もある。
【0107】
上記切断工程において、離型フィルムを切断せずに、シート製品のその他の部材を切断する方式(ハーフカット方式)について説明した。このような構成によれば、光学フィルムに粘着剤層を介して貼り合せられた離型フィルムを切断せずに、当該光学フィルムおよび粘着剤層を切断し、液晶セルに対する貼り合せ処理の前に、光学フィルムから離型フィルムを剥離することができる。すなわち、光学フィルムの貼り合せ面である粘着剤層が、貼り合せ直前まで露出しない構成とすることができるため、光学フィルムの貼り合せ面に異物が混入するのを防止できる。
【0108】
特に、離型フィルムを切断せずに、光学フィルムおよび粘着剤層を切断することにより、離型フィルムをキャリアとして、切断された光学フィルムおよび粘着剤層を搬送することができる。したがって、光学フィルムの搬送装置をより簡易な構成とすることができるので、光学表示装置の製造コストをさらに低減することができる。
【0109】
図4は、液晶セルWに対する光学フィルムF11,F21の貼り合せ態様について説明するための模式図である。第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21は、それぞれ吸収軸B1,B2に沿って振動する光のみを通過させることができるように延伸された延伸フィルムからなる。
【0110】
第1ロール原反R1は、巻芯A1に沿った幅方向に対して直交方向に吸収軸B1が延びるように第1光学フィルムF11(第1シート製品F1)を巻回することにより形成されている。当該第1ロール原反R1の巻芯A1に沿った第1光学フィルムF11の幅は、液晶セルWの長辺に対応する長さとなっている。第1搬送装置12は、この第1ロール原反R1から、その幅方向に対して直交方向に第1光学フィルムF11を送り出す。そして、送り出された第1光学フィルムF11が、液晶セルWの短辺に対応する間隔で、幅方向に切断されることにより、液晶セルWに対応する長方形状に切断された第1光学フィルムF11が形成される。
【0111】
一方、第2ロール原反R2は、巻芯A2に沿った幅方向に対して平行方向、すなわち第1光学フィルムF11の吸収軸B1に対して直交方向に吸収軸B2が延びるように第2光学フィルムF21(第2シート製品F2)を巻回することにより形成されている。当該第2ロール原反R2の巻芯A2に沿った第2光学フィルムF21の幅は、第1光学フィルムF11の幅と同一であり、液晶セルWの長辺に対応する長さとなっている。第1ロール原反R1及び第2ロール原反R2は、各巻芯A1,A2が互いに平行になるように配置される。第2搬送装置22は、この第2ロール原反R2から、その幅方向に対して直交方向に第2光学フィルムF21を送り出す。そして、送り出された第2光学フィルムF21が、液晶セルWの短辺に対応する間隔で、幅方向に切断されることにより、液晶セルWに対応する長方形状に切断された第2光学フィルムF21が形成される。
【0112】
上記のようにしてそれぞれ切断された第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21は、その長辺及び短辺が液晶セルWの長辺及び短辺に対応するようにして、当該液晶セルWの両面にそれぞれ貼り合せられる。これにより、第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21が、それぞれの吸収軸B1,B2が互いに直交するように液晶セルWの両面に貼り合せられる。したがって、液晶セルWを回転させるための機構などを設けることなく、液晶セルWの両面にそれぞれ貼り合せられる第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21をクロスニコルの関係にすることができるので、より簡単な構成で液晶セルWの両面に光学フィルムF11,F21を良好に貼り合せることができる。
【0113】
特に、第1光学フィルムF11が幅方向に対して直交方向に吸収軸B1が延びるように巻回され、第2光学フィルムF21が幅方向に吸収軸B2が延びるように巻回されているので、各光学フィルムF11,F21の吸収軸B1,B2と液晶セルWの長辺又は短辺とを位置合わせしやすい。このため、液晶セルWに光学フィルムF11,F21を貼り合せる際に吸収軸B1,B2がずれる可能性が低くなり、吸収軸B1,B2のずれに起因する光学表示装置のコントラスト異常がほとんど発生しなくなるので、液晶セルWの両面に光学フィルムF11,F21をより良好に貼り合せることができる。
【0114】
また、本実施形態では、第1光学フィルムF11及び第2光学フィルムF21を、それぞれ液晶セルWの短辺に対応する間隔で切断し、切断された各光学フィルムF11,F21を液晶セルWの両面に貼り合せることにより、第1光学フィルムF11と第2光学フィルムF21をクロスニコルの関係にすることができる。これにより、切断された第1光学フィルムF11を1枚得るために第1ロール原反R1から第1光学フィルムF11を送り出す時間、及び、切断された第2光学フィルムF21を1枚得るために第2ロール原反R2から第2光学フィルムF21を送り出す時間を、液晶セルWの長辺に対応する間隔で切断する場合よりも短くすることができるので、液晶セルWの両面に光学フィルムF11,F21を効率よく貼り合せることができる。
【0115】
本実施形態のような態様で製造された光学表示装置は、液晶表示装置などの画像表示装置に実装され、その表裏一方の面から視認されることとなるが、液晶セルWに対して、第1光学フィルムF11は、光学表示装置を視認する際に表側(視認側)となる面に貼り合せられ、第2光学フィルムF21は、光学表示装置を視認する際に裏側(バックライト側)となる面に貼り合せられることが好ましい。以下では、その参考例について説明する。
【0116】
(参考例1)
偏光板Aの作成:重合度2700、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを原反から繰り出し、30℃の水浴中で1分間膨潤させつつ搬送方向に1.2倍に延伸した後、30℃のヨウ化カリウム濃度0.03%、ヨウ素濃度0.3%の水溶液中で60秒間浸漬して染色しながら、フィルム搬送方向にトータルで3倍に延伸した。次いで、60℃のホウ酸濃度4%、ヨウ化カリウム濃度5%の水溶液中に30秒間浸漬しながらトータルで6倍に延伸した。最後に、30℃のヨウ化カリウム濃度2%の水溶液中に数秒浸漬することで洗浄し、得られた延伸フィルムを70℃で2分間乾燥することで偏光子を得た。得られた偏光子の両面に、偏光子保護フィルムとして「富士フィルム社製TD80UL」をPVA系接着剤を介して貼り合せて、幅方向に対して直交方向の吸収軸を有する偏光板Aを作成した。得られた偏光板Aの光学特性を「日本分光製分光光度計V7100」で測定したところ、透過率41.0%、偏光度99.997%であった。
【0117】
偏光板Bの作成:重合度2400、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを原反から繰り出し、前記PVAフィルムの幅方向の両端を把持手段により把持し、テンター延伸機で速度1m/分で前記PVAフィルムを長手方向に搬送した。30m/分で前記PVAフィルムの幅方向に往復運動する噴霧装置を用いて、16mL/分の流量で、前記PVAフィルムの両面に、気相中で、30℃の水(膨潤液)を30秒噴霧した。この際、前記把持手段により、前記PVAフィルムを原反の2.2倍の長さになるように幅方向に延伸した。前記噴霧装置を用いて、前記膨潤後のPVAフィルムの片面に、気相中で、0.2重量%のヨウ素を含む30℃の水溶液(染色液)を25秒噴霧した。この際、前記把持手段により、前記PVAフィルムを原反の3.3倍の長さになるように幅方向に延伸した。前記噴霧装置を用いて、前記染色処理後の前記PVAフィルムの片面に、気相中で、3重量%のホウ酸と3重量%のヨウ化カリウムとを含む30℃の水溶液(架橋液)を10秒噴霧した。この際、前記把持手段により、前記PVAフィルムを原反の3.6倍の長さになるように幅方向に延伸した。前記噴霧装置を用いて、前記架橋後の前記PVAフィルムの片面に、4重量%のホウ酸と5重量%のヨウ化カリウムとを含む60℃の水溶液(延伸液)を60秒噴霧した。この際、前記把持手段により、前記PVAフィルムを原反の5.9倍の長さになるように幅方向に延伸した。前記噴霧装置を用いて、前記延伸処理後の前記PVAフィルムの片面に、4重量%のヨウ化カリウムを含む30℃の水溶液(調整液)を10秒噴霧した。前記PVAフィルムを前記把持手段から開放すると同時に、前記PVAフィルムを長手方向にロールで搬送しながら、45℃の雰囲気下で1分間加熱乾燥処理を施すことで、前記PVAフィルムの含水率を減少させ、前記開放直後と比較して、前記PVAフィルムの長手方向の長さを85%に収縮した(収縮率15%)。前記ロールは、合計4本用い、前記PVAフィルムの進行方向の下流側に行くに従い、順次前記ロールの回転速度を遅くした。前記各ロールの回転速度は、前記PVAフィルムの進行方向の上流側から、それぞれ、1.00m/分、0.9m/分、0.875m/分および0.85m/分とした。前記収縮後の前記PVAフィルムに60℃で1分間乾燥処理を施して偏光子を得た。基材フィルムとして「富士フィルム社製TD80UL」を原反から繰り出し、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン≒6FDA及び2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル≒PFMB≒TFMBから合成された、ポリイミドを溶媒にシクロヘキサノンを用い15wt%で調製した溶液を30μmの厚みで塗布した。その後100℃で10min乾燥処理することで、厚み約4.5μmの薄膜を有する薄膜付基材フィルムを得た。得られた薄膜付基材フィルムの位相差を「王子計測製KOBRA(登録商標)21ADH」を使用して測定したところ、正面位相差1.5nm、厚み方向位相差242nmであった。この薄膜付基材フィルムを160℃で搬送方向に1.1倍に自由端1軸延伸(ロール間延伸)して、位相差付基材フィルムAを作成した。得られた位相差付基材フィルムAの位相差を「王子計測製KOBRA(登録商標)21ADH」を使用して測定したところ正面位相差54nm、厚み方向位相差272nmであった。なお、この位相差付基材フィルムAの遅相軸は、搬送方向であった。得られた偏光子の片面に、偏光子保護フィルムとして「富士フィルム社製TD80UL」をPVA系接着剤を介して貼り合せ、他方面に、位相差層付偏光子保護フィルムとして前記で作成した位相差付基材フィルムAをPVA系接着剤を介して貼り合せて、幅方向に対して平行方向の吸収軸を有する偏光板Bを作成した。得られた偏光板Bの光学特性を「日本分光製分光光度計V7100」で測定したところ、透過率42.6%、偏光度99.981%であった。
【0118】
実装評価:「ソニー社製32インチ液晶テレビBRAVIA(登録商標)KDL−32F1」から液晶セルを取り出し、上記偏光板A,Bを実装した。偏光板Aは前記セルの視認側で偏光子の吸収軸が水平方向になるように貼り合せた。また、前記セルのバックライト側には偏光板Bを吸収軸が垂直方向になるように貼り合せた。なお、このとき偏光板Bは位相差付基材フィルムA面がセル側になるように貼り合せた。得られたテレビのコントラストを「トプコン社製輝度計BM−5A」で測定した。コントラストは、「2546」であった。
【0119】
(参考例2)
偏光板Cの作成:基材フィルムとして「富士フィルム社製TD80UL」を原反から繰り出し、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン≒6FDA及び2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル≒PFMB≒TFMBから合成された、ポリイミドを溶媒にシクロヘキサノンを用い15wt%で調製した溶液を20μmの厚みで塗布した。その後100℃で10min乾燥処理することで、厚み約3μmの薄膜を有する薄膜付基材フィルムを得た。得られた薄膜付基材フィルムの位相差を「王子計測製KOBRA(登録商標)21ADH」を使用して測定したところ、正面位相差1.2nm、厚み方向位相差188nmであった。この薄膜付基材フィルムを160℃で幅方向に1.19倍に固定端1軸延伸(テンター延伸)して、位相差付基材フィルムBを作成した。得られた位相差付基材フィルムBの位相差を「王子計測製KOBRA(登録商標)21ADH」を使用して測定したところ正面位相差56nm、厚み方向位相差270nmであった。なお、この位相差付基材フィルムBの遅相軸は、幅方向であった。上記偏光板Aと同様に作成した偏光子の片面に、偏光子保護フィルムとして「富士フィルム社製TD80UL」をPVA系接着剤を介して貼り合せ、他方面に、位相差層付偏光子保護フィルムとして前記で作成した位相差付基材フィルムBをPVA系接着剤を介して貼り合せて、幅方向に対して直交方向の吸収軸を有する偏光板Cを作成した。得られた偏光板Cの光学特性を「日本分光製分光光度計V7100」で測定したところ、透過率41.0%、偏光度99.995%であった。
【0120】
偏光板Dの作成:上記偏光板Bと同様に作成した偏光子の両面に、偏光子保護フィルムとして「富士フィルム社製TD80UL」をPVA系接着剤を介して貼り合せて、幅方向に対して平行方向の吸収軸を有する偏光板Dを作成した。得られた偏光板Dの光学特性を「日本分光製分光光度計V7100」で測定したところ、透過率42.6%、偏光度99.983%であった。
【0121】
実装評価:「ソニー社製32インチ液晶テレビBRAVIA(登録商標)KDL−32F1」から液晶セルを取り出し、上記偏光板C,Dを実装した。偏光板Dは前記セルの視認側で偏光子の吸収軸が水平方向になるように貼り合せた。また、前記セルのバックライト側には偏光板Cを吸収軸が垂直方向になるように貼り合せた。なお、このとき偏光板Cは位相差付基材フィルムB面がセル側になるように貼り合せた。得られたテレビのコントラストを「トプコン社製輝度計BM−5A」で測定した。コントラストは、「2173」であった。この参考例2におけるコントラスト「2173」は、参考例1におけるコントラスト「2546」と比べて劣っていることが分かる。
【0122】
(光学フィルムの構成および製造方法の例)
まず、光学フィルムの一例として偏光板について説明する。偏光板は、予め製造しておいたポリビニルアルコール系フィルム(偏光子)の片面に例えばTAC(トリアセチルセルロース)フィルム(偏光子保護フィルム)を貼り合わせ、他方面にPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを貼り合せることで得られる。
【0123】
偏光板のロール原反は、例えば、以下の製造工程で製造される。前工程として、(A)偏光子を得る工程。ここでは、染色・架橋及び延伸処理を施したポリビニルアルコール(PVA)フィルムを乾燥して偏光子を得る。(B)偏光板を製造する工程。ここでは、偏光子の片面に接着剤を介してTACフィルムを貼り合わせ、その他面に、PETフィルムを貼り合せ、乾燥して偏光板を製造する。表示装置の視認側となるPETフィルムにはアンチグレア処理が予め施されていてもよい。(C)離型フィルム(セパレータ)及び保護フィルムを貼り合わせる工程。偏光板のTACフィルム面に強粘着剤層を介してセパレータを、PETフィルム面に弱粘着剤層を介して表面保護フィルムを貼り合わせる。ここで、セパレータには予め強粘着剤層が塗工され、表面保護フィルムには弱粘着剤層が塗工されている。セパレータに塗工された強粘着剤層は、セパレータを剥離後、TACフィルムに転写される。また、表面保護フィルムに塗工された弱粘着剤層は、表面保護フィルムを剥離しても表面保護フィルムに形成されたままであり、PETフィルムに実質的に転写されない。以上の前工程では、長尺のシート製品が製造され、ロール状に巻き取られ、後工程に提供される。
【0124】
この前工程(A,B,C)では、それぞれの工程ごとに検査者による所定の検査が行なわれている。例えば、工程(A)の場合、PVA原反の搬送途中で、検査者が目視で欠点(異物、汚れ、ねじれ等)を確認する。また、工程(B)の場合、得られた偏光板原反をロール状に巻き取る際に、検査者が目視でロールの巻き始めと巻き終わりのタイミングで欠点(異物、汚れ、クニック、ねじれ、よれ等)を確認する。また、欠点検査装置(異物、汚れ等をカメラで撮影し、画像処理して欠点を判定する公知の装置)で貼り合わせ後の偏光板原反を自動的に検査し、モニターで欠点を確認する。
【0125】
また、工程(C)の場合、得られた帯状のシート製品をロール状巻き取る際に、検査者が目視でロールの巻き始めと巻き終わりのタイミングで欠点(異物、汚れ、ねじれ等)を確認し、この欠点を評価することでシート製品の格付け(良、不良、出荷可否)を行なう。
【0126】
次いで、後工程として、(D)ロール原反のスリット工程。ロール原反が幅広であるため、最終製品である光学表示装置のサイズに合わせて所定サイズにロール原反をスリットする。ロール原反の幅によってはこのスリット工程は省略される。次いで、(E)ロール原反の検査工程。ここでは、長尺のシート製品の外観検査として、ロール式自動検反装置及び/または検査者による目視検査が行なわれる。ロール式自動検反装置は、巻き不良、外観不良等をカメラで撮影し、画像処理して欠点を判定する公知の装置である。
【0127】
以上の工程において、製造されたロール原反は、梱包され、次の工程場所に輸送される。一方、液晶セルとの貼り合せ工程を同一の場所で行なう場合は、簡易包装あるいはそのままの状態で次の工程に搬送される。
【0128】
本発明により製造される光学表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に適用することができる。
【0129】
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される。液晶セルについては、例えばVAモード又はIPSモードの液晶セルである場合に本発明は有効である。
【0130】
液晶セルの片側又は両側に光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0131】
液晶表示装置は、光学フィルムを液晶セルの片側または両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。従って、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってもよい。
【0132】
また液晶セルの両側に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じ物であってもよいし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
【符号の説明】
【0133】
12 第1搬送装置
16 第1切断装置
18 第1貼合装置
19 第1フィルム位置合わせ装置
22 第2搬送装置
26 第2切断装置
28 第2貼合装置
29 第2フィルム位置合わせ装置
F11 第1光学フィルム
F21 第2光学フィルム
R1 第1ロール原反
A1 巻芯
B1 吸収軸
R2 第2ロール原反
A2 巻芯
B2 吸収軸
W 液晶セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子を含む光学フィルムが巻回されることにより形成されたロール原反から前記光学フィルムを送り出し、幅方向に前記光学フィルムを切断することによって、所定サイズに切断して液晶セルに貼り合せることにより光学表示装置を製造するための光学表示装置製造システムであって、
前記液晶セルの長辺又は短辺に対応する幅の第1光学フィルムを前記幅方向に対して直交方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第1ロール原反から、前記直交方向に前記第1光学フィルムを送り出す第1搬送装置と、
前記第1ロール原反に対して幅方向が互いに平行になるように配置され、前記第1光学フィルムと同一の幅を有する第2光学フィルムを前記幅方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第2ロール原反から、その幅方向に対して直交方向に前記第2光学フィルムを送り出す第2搬送装置と、
前記第1搬送装置により送り出される第1光学フィルムを前記所定サイズである前記液晶セルの短辺又は長辺に対応する間隔で切断する第1切断装置と、
前記第2搬送装置により送り出される第2光学フィルムを前記第1光学フィルムと同一の間隔で切断する第2切断装置と、
前記切断された前記第1光学フィルムを前記液晶セルの一方の面に貼り合せる第1貼合装置と、
前記切断された前記第2光学フィルムを前記液晶セルの他方の面に貼り合せる第2貼合装置とを備えたことを特徴とする光学表示装置製造システム。
【請求項2】
前記第1貼合装置が前記液晶セルの前記一方の面に前記第1光学フィルムを貼り合わせる期間と、前記第2貼合装置が当該液晶セルの前記他方の面に前記第2光学フィルムを貼り合わせる期間とが、少なくとも一部重複していることを特徴とする請求項1に記載の光学表示装置製造システム。
【請求項3】
前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの長辺に対応する長さであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学表示装置製造システム。
【請求項4】
前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの短辺に対応する長さであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学表示装置製造システム。
【請求項5】
前記液晶セルに対して、前記第1光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に表側となる面に貼り合せられ、前記第2光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に裏側となる面に貼り合せられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学表示装置製造システム。
【請求項6】
前記第1光学フィルムと前記第2光学フィルムとの相対的な位置合わせを行うフィルム位置合わせ装置を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学表示装置製造システム。
【請求項7】
偏光子を含む光学フィルムが巻回されることにより形成されたロール原反から前記光学フィルムを送り出し、幅方向に前記光学フィルムを切断することによって、所定サイズに切断して液晶セルに貼り合せることにより光学表示装置を製造するための光学表示装置製造方法であって、
前記液晶セルの長辺又は短辺に対応する幅の第1光学フィルムを前記幅方向に対して直交方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第1ロール原反から、前記直交方向に前記第1光学フィルムを送り出す第1搬送ステップと、
前記第1ロール原反に対して幅方向が互いに平行になるように配置され、前記第1光学フィルムと同一の幅を有する第2光学フィルムを前記幅方向に吸収軸が延びるように巻回することにより形成された第2ロール原反から、その幅方向に対して直交方向に前記第2光学フィルムを送り出す第2搬送ステップと、
前記第1搬送ステップにより送り出される第1光学フィルムを前記所定サイズである前記液晶セルの短辺又は長辺に対応する間隔で切断する第1切断ステップと、
前記第2搬送ステップにより送り出される第2光学フィルムを前記第1光学フィルムと同一の間隔で切断する第2切断ステップと、
前記切断された前記第1光学フィルムを前記液晶セルの一方の面に貼り合せる第1貼合ステップと、
前記切断された前記第2光学フィルムを前記液晶セルの他方の面に貼り合せる第2貼合ステップとを備えたことを特徴とする光学表示装置製造方法。
【請求項8】
前記第1貼合ステップで前記液晶セルの前記一方の面に前記第1光学フィルムを貼り合わせる期間と、前記第2貼合ステップで当該液晶セルの前記他方の面に前記第2光学フィルムを貼り合わせる期間とが、少なくとも一部重複していることを特徴とする請求項7に記載の光学表示装置製造方法。
【請求項9】
前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの長辺に対応する長さであることを特徴とする請求項7又は8に記載の光学表示装置製造方法。
【請求項10】
前記第1光学フィルムの幅と、前記第2光学フィルムの幅とが、それぞれ前記液晶セルの短辺に対応する長さであることを特徴とする請求項7又は8に記載の光学表示装置製造方法。
【請求項11】
前記液晶セルに対して、前記第1光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に表側となる面に貼り合せられ、前記第2光学フィルムが、前記光学表示装置を視認する際に裏側となる面に貼り合せられることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の光学表示装置製造方法。
【請求項12】
前記第1光学フィルムと前記第2光学フィルムとの相対的な位置合わせを行うフィルム位置合わせステップを備えたことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の光学表示装置製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−68641(P2012−68641A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217572(P2011−217572)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【分割の表示】特願2009−95562(P2009−95562)の分割
【原出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】