説明

光学要素切替機構およびこれを備えた撮像装置

【課題】複数の光学要素のうちの所望の光学要素を選択的に撮像光路上に迅速かつ円滑に位置させることが可能であり、かつ、撮像装置全体の大型化を抑制しつつ撮像素子の大型化に対応させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】撮像装置のレンズ群17と撮像素子14との間に配置され、レンズ群17を透過した画像光の撮像光路上に複数の光学要素のうちの所望の光学要素を選択的に位置させる光学要素切替機構1であって、帯状のフィルム2の表面に、当該フィルム2の長さ方向に沿って並列して配置される複数の光学フィルタ7および開口部8と、複数の光学フィルタ7および開口部8のうちの一つが、撮像素子14の撮像面に対し平行に対面するように支持すると共に、直線的に移動させるようにフィルム2を送り出し、あるいは、巻き取ることで、所望の光学要素を撮像面に対面する位置に選択的に位置させるフィルム送り機構と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置(特に、テレビカメラ)に装備される光学要素切替機構およびこの光学要素切替機構を備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体の像を撮影する場合、実際に目視したときと同じような自然な色を再現したり、あるいは、意識的に色を強調したりするなど、適切な色状態で撮影するためのCC(Color Compensating:色補正)フィルタや、明るい屋外から暗い屋内へ、又は暗い屋内から明るい屋外へ撮影を継続しながら移動する際に、受光量過不足に起因する映像品質の劣化を防止するためのND(Neutral Density:減光)フィルタなどの光学フィルタ(光学要素)が用いられている。このような光学フィルタは、撮像装置に外付けあるいは内蔵され、手動あるいは自動制御により、その都度、適切なフィルタに切り替えられて撮像光路上に配置されるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図7(a)に示すように、撮像装置100の本体部112に内蔵され、光学的にレンズ部111の後方であって、撮像素子114の光学的に前方に配置される光学要素切替機構101が記載されている。
特許文献1に記載の光学要素切替機構101は、図7(b)に示すように、透過率が異なる複数のNDフィルタ107が搭載された円盤状のフィルタターレット102が、円盤の中心を通り、円盤表面に垂直であって、光軸Oと位置をずらして配置された回転軸105を中心として回転するように構成されている(図7(a)参照)。そして、この光学要素切替機構101によれば、駆動制御部113(図7(a)参照)により、フィルタターレット102を動作させることで、複数のNDフィルタ107の中の所望のフィルタを撮像光路上に選択的に位置づけて画像光の透過エリア107に画像光を透過させるようになっている。
【0004】
また例えば、特許文献2には、円盤状に形成された透明板の円周方向に、光透過率が段階的に異なる2つ以上の領域が連続して形成されたグラデーションNDフィルタを2枚備え、当該2枚のグラデーションNDフィルタのグラデーションが逆相となるように重ねて配置されるとともに、その中心を回転中心として回転自在に配置されたフィルタユニット(光学要素切替機構)が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、撮像装置のレンズの前面に手動で着脱可能に構成されたフィルム状の光量調整カバーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−299250号公報
【特許文献2】特開2007−243928号公報
【特許文献3】特開2004−198854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、撮像装置および表示装置の高精細化が進んでおり、動画像の高解像化技術が研究されている。いわゆる8Kシステムと呼ばれるスーパーハイビジョン(SHV)のような超高精細映像、又は4Kシステムと呼ばれるデジタルシネマのような高精細映像は、従来のハイビジョン(HV)映像の16倍ないし4倍の画素数を有するに至っている。
【0008】
このような撮像装置および表示装置の高精細化に伴い、撮像装置のイメージセンサ(撮像素子)が、従来のハイビジョン映像を撮影するための撮像装置のイメージセンサと比較して大型化している。このようにイメージセンサが大型化することで、画像光の透過エリアが拡大することになるので、この透過エリアの全面をカバーするために、光学要素も大型化する必要がある。
【0009】
しかしながら、前記した特許文献1,2に記載の光学要素切替機構は、光学要素が搭載されたターレットを、回転軸を中心として所定量回転させることで、所望の透過率あるいは色温度の光学要素を撮像光路上に配置する構成となっている。
したがって、光学要素を大型化すると、必然的に光学要素を搭載するターレットを径方向に大型化しなければならなくなるため、光学要素切替機構の全体が大型化してしまうことになる。そして、光学要素切替機構を大型化すると、この光学要素切替機構を内蔵するカメラ本体が大型化することになる。このようにカメラ本体が大型化すると、撮影時において、ユーザがカメラ本体を持ち運びながらスムーズに移動するのが困難となったり、狭い場所での撮影ができないなどの制約が生じたりしてしまう。また、カメラ本体が大型化することに伴ってカメラ本体の重量が増えることで、撮影時におけるユーザの負担が大きくなってしまう。さらに、カメラ本体が大型化することで、運搬や保管の際に場所をとってしまうという問題がある。
【0010】
また、前記した特許文献3に記載の光量調整カバーは、カメラ本体のレンズの前方に外付けされるものであるため、カメラ本体の大型化は抑制できるが、光量調整カバーを、その都度、手動で着脱することによって光量を調整しなければならない、言い換えれば、カメラ本体に内蔵して光量の調整を電気的に制御することができない。このため、光量の調整が煩雑となってしまい、テレビカメラで撮影した映像をリアルタイムで放送する場合など、迅速かつ円滑な光量の切り替えを要する場面に対応させることができない。
【0011】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、複数の光学要素のうちの所望の光学要素を選択的に撮像光路上に迅速かつ円滑に位置させることが可能であり、かつ、撮像装置全体の大型化を抑制しつつ撮像素子の大型化に対応させることが可能な、光学要素切替機構およびこれを備えた撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決する本発明の光学要素切替機構は、撮像装置のレンズ部と撮像素子との間に配置され、前記レンズ部を透過した画像光の撮像光路上に複数の光学要素のうちの所望の光学要素を選択的に位置させる光学要素切替機構であって、複数の光学要素と、フィルム送り機構と、を有することを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、帯状のフィルムの表面に当該フィルムの長さ方向に沿って、複数の光学要素を同一平面上に並列して配置した。このように、複数の光学要素を配置することで、光学要素切替機構の周方向への大型化が抑制される。
【0014】
また、フィルム送り機構によって、フィルムを、その長さにかかわらず、常に一定の長さ以下となるように取り付けた状態で回転して、フィルムを、取り付け長さを変えずに撮像素子の撮像面に対し平行な面で直線的に移動させることで、撮像光路上に位置させる前記光学要素を切り替える。これによって、撮像光路上に位置させる光学要素を迅速に切り替えることができる。また、フィルムを、その長さにかかわらず常に一定の長さ以下となるように取り付けており、かつ、その取り付け長さを変えずに撮像光路上に位置させる光学要素を切り替えることができるので、撮像素子の大型化に伴って光学要素を大型化したことによりフィルムの長さが変わった(長くなった)場合であっても、光学要素切替機構および撮像装置本体を大型化する必要がない。
【0015】
また、請求項2に記載の光学要素切替機構は、請求項1に記載の光学要素切替機構において、前記フィルム送り機構は、一対の無端のガイドベルトと、一対のガイドリールと、を有することを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、光学要素切替機構は、一対の無端のガイドベルトが、フィルムの幅方向における両端部に対応する位置に配置され、周面にフィルムを掛け渡しており、撮像素子の撮像面に対し平行となる面で複数の光学要素のうちの一つを支持している。
また、光学要素切替機構は、一対のガイドリールが、一対の無端のガイドベルトを支持すると共に回転させ、フィルムを一対の無端のガイドベルトに沿って直線的に移動させる。
【0017】
ここで、一対の無端のガイドベルトは、フィルムの幅方向における両端部に間欠的に形成した貫通孔部に係合する係合突起を有するので、フィルムの貫通孔部にこの係合突起を係合することで、一対の無端のガイドベルトによって、フィルムを支持することができる。これにより、フィルムにたるみや歪みが生じるのを防止しながら、フィルムを直線的に移動させることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の光学要素切替機構は、請求項1に記載の光学要素切替機構において、前記フィルム送り機構は、一対の巻き取りリールと、一対の無端のガイドベルトと、一対のガイドリールと、を有することを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、光学要素切替機構は、一対の巻き取りリールが、フィルムの幅方向における両端部に間欠的に形成した貫通孔部に係合する係合突起を有し、フィルムの貫通孔部に係合突起を係合した状態で回転してフィルムを互いに巻き取り、あるいは、送り出すことで、フィルムを直線的に移動させる。つまり、一対の巻き取りリール間で、フィルムの取り付け長さを変えずに、フィルムを撮像素子の撮像面に平行な面内で直線的に移動させる。
【0020】
また、光学要素切替機構は、一対のガイドリールが、一対の巻き取りリールの間に配置され、一対の無端のガイドベルトを支持すると共に、一対の巻き取りリールの回転に連動させて回転させる。ここで、一対のガイドリールは、貫通孔部に係合する係合突起を有するので、フィルムの貫通孔部にこの係合突起を係合することで、一対の無端のガイドベルトによって、フィルムを支持することができる。これにより、フィルムにたるみや歪みが生じるのを防止しながら、フィルムを直線的に移動させることができる。
【0021】
また、請求項4に記載の光学要素切替機構は、請求項3に記載の光学要素切替機構において、前記フィルムが、幅方向における両端部が、幅方向における中央部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、フィルムの幅方向における両端部を、幅方向における中央部よりも肉厚に形成したため、フィルムを一対の巻き取りリールに巻き取ることによって、フィルムが周方向に重なり合ったときに、重なり合ったフィルムの中央部の間に隙間を形成することができる。このため、フィルムの表面に設けられた光学要素同士が互いに接触するのを防止することができる。
【0023】
また、請求項5に記載の光学要素切替機構は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学要素切替機構において、前記複数の光学要素として、同一平面上に配置される、それぞれ透過率の異なる複数の光学フィルタと、前記光学フィルタが設けられない開口部または透明なフィルタと、を有することを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、複数の光学要素として、同一平面上に配置される、それぞれ透過率の異なる複数の光学フィルタと、この光学フィルタが設けられない開口部または透明なフィルタと、を有することにより、画像光に対し光学的な調整を行う場合は、撮像光路上に複数の光学フィルタのうちの1つを配置し、この光学フィルタによって調光した画像光を撮像素子に入射させる。一方、画像光に対し光学的な調整を行わない場合は、撮像光路上に開口部または透明なフィルタを配置して、画像光を透過させることにより、画像光を、レンズ部を透過したときと光学的に同じ状態を維持したまま、撮像素子に入射させる。
【0025】
また、請求項6に記載の光学要素切替機構は、請求項5に記載の光学要素切替機構において、前記光学フィルタが、減光フィルタあるいは色補正フィルタであることを特徴とする。
【0026】
かかる構成によれば、光学フィルタとして減光フィルタあるいは色補正フィルタを備えることで、レンズ部を出射した画像光の光量を調整したり、色を調整したりすることができるので、画像光を、良好な画質で撮像素子に結像させることができる。
【0027】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学要素切替機構と、駆動制御部と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【0028】
かかる構成によれば、撮像装置は、駆動制御部により、入力手段からの入力により撮像光路上に光学要素切替機構における光学要素を選択して位置させるように光学要素切替機構におけるフィルム送り機構を駆動させる。これにより、光学要素切替機構のフィルム送り機構によるフィルムの移動を精密かつ迅速に制御することができるので、複数の光学要素のうちの所望の光学要素を撮像光路上に、正確、迅速かつ円滑に位置させることが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、高精細な映像を撮影可能な大型の撮像素子に合わせて光学要素を大型化したとしても、光学要素切替機構が大型化するのを抑制することができ、もって、撮像装置本体の大型化を抑制することができる。また、複数の光学フィルタのうちの所望の光学要素を撮像光路上に迅速かつ円滑に位置させることが可能となる。
請求項2,3に記載の発明によれば、フィルムのたるみや歪みを防止することができるので、撮像光路上に選択的に位置づけられた光学要素に画像光を透過させたときに、画質の劣化が生じるのを防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、フィルムが重ねあわされたときに、フィルムの表面に設けられた光学要素同士が互いに接触するのを防止することができるので、光学要素の光学特性の劣化を防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、撮像光路上に開口部または透明なフィルタを配置して、画像光を透過させることにより、画像光を、レンズ部を透過したときと光学的に同じ状態を維持したまま、撮像素子に入射させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、画像光を、良好な画質で撮像素子に結像させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、装置本体を大型化せずに、超高精細映像あるいは高精細映像を撮影可能な大型の撮像素子およびこれに対応した光学要素切替機構を搭載した撮像装置を実現することができる。また、複数の光学要素のうちの所望の光学要素を撮像光路上に、正確、迅速かつ円滑に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構を含む撮像装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構の全体構成を示す側断面図であり、(b)は、(a)におけるフィルム送り機構を正面から見た様子を示す図である。
【図3】は、本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構における光学フィルタ(減光フィルタ)の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構における制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構の第1の変形例に係る光学要素切替機構の全体構成を示す側断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構の第2の変形例に係る光学要素切替機構の全体構成を示す側断面図である。
【図7】(a)は、従来の光学要素切替機構を含む撮像装置の全体構成を示す図であり、(b)は、従来の光学要素切替機構の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
以下、図1〜4を参照して、本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構1およびこれを備えた撮像装置10について説明する。以下の説明において、上下左右方向は、図面の紙面の方向と同じものとする。
撮像装置10は、超高精細映像や高精細映像を撮影可能なテレビカメラあるいはビデオカメラを示すものとする。ここでは、撮像装置10は、図1に示すように、放送スタジオ内で使用されるテレビカメラであって、支持台20の回転支軸21に着脱可能に支持されており、この回転支軸21が水平あるいは垂直方向に回転されることで、水平および垂直方向の撮影方向が変更可能となっている。ただし、撮像装置10は、このような放送スタジオ内で使用されるテレビカメラに限られるものではなく、例えば、前記したテレビカメラを支持台から取り外してユーザの肩に乗せて使用するタイプの報道用カメラとしてもよい。
【0032】
図1に示すように、撮像装置10は、レンズ部11と、被写体側から見てこのレンズ部11の後方に接続される本体部12とから構成されている。
レンズ部11は、内部に、光軸方向に沿って配置された複数のレンズ群(図示せず)を備えている。複数のレンズ群は、それぞれ1つのレンズで構成されていてもよいし、複数のレンズで構成されていてもよい。また、複数のレンズ群のうち、最も被写体側(図1における紙面手前側)に設けられたレンズ群は、レンズ部11本体に対する位置が固定されている。その他のレンズ群は、レンズ部11本体に対して相対的に、光軸方向に沿って移動可能に設けられている。最も被写体側に設けられたレンズ群を固定し、その他のレンズ群を、光軸方向に沿って被写体側、あるいは、接眼側へと移動させることで、焦点位置を調整可能となっている。図2では、複数のレンズ群のうち、最も接眼側(撮像素子14側)に設けられたレンズ群17を代表して記載している。
【0033】
本体部12は、筐体状であって、内部に、光学要素切替機構1と、駆動制御部13と、撮像素子14と、信号処理回路(図示せず)と、を少なくとも備えている。なお、信号処理回路(図示せず)は、撮像素子14から得られた撮像信号に所要の処理(ホワイトバランス、γ補正など)を施して、所定形式の映像信号を生成するものである。
【0034】
光学要素切替機構1は、光学的に、レンズ部11と撮像素子14との間に配置されており、後記する複数の光学要素のうちの所望の光学要素を撮像光路上に選択的に位置させるように、撮像光路に対する各光学要素の位置を切り替えている。レンズ部11から出射された画像光は、光学要素切替機構1を通過することにより調光され、撮像素子14に入射されて結像する。
【0035】
この光学要素切替機構1の詳細な構成について、図2を参照して説明する。
図2(a),(b)に示すように、光学要素切替機構1は、複数の光学フィルタ7(図3参照)と、光学フィルタ7が設けられない開口部8と、が設けられるフィルム2と、一対の巻き取りリール3,3と、一対のガイドリール4,4と、一対のガイドベルト5,5と、を主に備えている。この光学要素切替機構1の構成要素のうち、一対の巻き取りリール3,3と、一対のガイドリール4,4と、一対のガイドベルト5,5と、が特許請求の範囲における「フィルム送り機構」に相当する。
【0036】
フィルム2は、樹脂などの可撓性を有する素材で形成された薄肉の帯状部材であり、長さ方向におけるそれぞれの端部が、後記する一対の巻き取りリール3,3の外周面にそれぞれ取り付けられた状態で、一対の巻き取りリール3,3間におけるその表面が撮像素子14の撮像面に平行に対面している。このフィルム2の長さ方向におけるそれぞれの端部は、一対の巻き取りリール3,3の外周面に、例えば、接着剤などによってそれぞれ取り付けられている。フィルム2は、ここでは、一部が、一対の巻き取りリール3,3に巻き取られた状態で、他部が、撮像素子14の撮像面に対し平行な平面内に配置されている。これにより、フィルム2は、撮像素子14の撮像面に対し平行な平面内において直線的に移動可能となっている。
【0037】
ここで、フィルム2の詳細な構成について、図3を参照して説明する。
フィルム2は、表面に、光学要素として、複数の光学フィルタ7と、光学フィルタ7が設けられない開口部8と、を設けている。ここでは、フィルム2の表面に、長さ方向に沿って、開口部8と、3枚の光学フィルタ7と、がそれぞれ所定間隔で並列して配置されている。この複数の光学フィルタ7と、開口部8と、は、ここでは、それぞれ同寸法であり、かつ、撮像素子14よりも大きい寸法で形成されている。
【0038】
この光学フィルタ7は、例えば、フィルム2の表面の所定の位置に、光学フィルタ7よりも若干小さい寸法の開口を設け、この開口を覆うように光学フィルタ7を貼り付けることで、フィルム2の表面の所定の位置に配置される。また例えば、フィルム2を透明な素材で形成する場合、フィルム2の表面の所定の位置に光学フィルタ7をそのまま貼り付ければよい。一方、開口部8は、フィルム2の表面の一部を切り欠いて設けられている。なお、ここでは、画像光をそのまま透過させるための手段として開口部8を設けたが、例えば、フィルム2の表面の所定の位置に、光学フィルタ7よりも若干小さい寸法の開口を設け、この開口を覆うように透明なフィルタを設けてもよいし、フィルム2を透明な素材で形成する場合、フィルム2において光学フィルタ7が設けられない部分を透明なフィルタとして機能させてもよい。このようなフィルム2は、一対の巻き取りリール3,3により巻き取られ、あるいは、送り出されることで、図3に示した矢印方向に移動する。
【0039】
複数の光学フィルタ7は、ここでは、減光フィルタであり、各光学フィルタ7に入射される光量に対して、各光学フィルタ7を通過する光量を減少させるものである。
この複数の光学フィルタ7は、それぞれ異なる透過率を有している。例えば、図3において、開口部8の真下に設けた光学フィルタ7の透過率を75%とし、その下方に設けた光学フィルタ7の透過率を50%とし、そのさらに下方に設けた光学フィルタ7の透過率を25%とすることができる。このような複数の光学フィルタ7は、公知のフィルム状の光学フィルタと同様の製造方法により、製造することができる。
【0040】
また、フィルム2は、図3の紙面下方の、フィルム2を上方から見た断面図に示すように、幅方向における両端部が、中央部よりも肉厚に形成されている。具体的には、フィルム2は、ここでは、幅方向における両端部が、中央部に対し、前後方向(厚さ方向)にそれぞれ均等に厚さを増やして形成されている。
このように、フィルム2の幅方向における両端部を中央部より肉厚に形成することで、図2に示すように、フィルム2が一対の巻き取りリール3,3に巻き取られて周方向に重なり合った状態で、それぞれのフィルム2の中央部の間に隙間Sが形成される。これにより、フィルム2の幅方向における中央部に設けられた複数の光学フィルタ7同士が接触することによって引き起こされる複数の光学フィルタ7の損傷による光学特性の劣化を防止することができる。
【0041】
なお、フィルム2の幅方向における両端部の厚さは、フィルム2が一対の巻き取りリール3,3に巻き取られて周方向に重なり合った状態で、それぞれのフィルム2の中央部の間に、適度な隙間Sが形成され、かつ、フィルム2が周方向に複数枚重なり合ったときの厚さが過度とならない範囲で適宜設定することができる。
【0042】
また、ここでは、フィルム2の幅方向における両端部を、中央部に対し、前後方向(厚さ方向)にそれぞれ均等に厚さを増やして形成しているが、これに限られるものではなく、フィルム2の幅方向における両端部を、中央部に対し、前側か後側のいずれかの一方の厚さを増やして形成しても同様の効果を得ることができる。
【0043】
さらに、フィルム2は、図3に示すように、幅方向における両端部(肉厚部)に、後記する一対の巻き取りリール3,3(図2参照)に設けられた係合突起3a(図2参照)あるいは一対のガイドベルト5,5(図2(b)参照)に設けられた係合突起5a(図2参照)を係合するための、水平断面視で横長矩形状の貫通孔部9が、フィルム2の長さ方向に間欠的に複数設けられている。
【0044】
再び図2に戻って、一対の巻き取りリール3,3は、フィルム2を、撮像素子14の撮像面に平行な平面内で直線的に移動(縦方向にスクロール)させることで、撮像光路上に位置させる光学要素を切り替えるものである。一対の巻き取りリール3,3は、垂直方向に互いに離間して配置される円柱状部材であり、軸心が、光軸Oに対して垂直となるように配置されている。一対の巻き取りリール3,3は、幅(円柱の高さ)が、フィルム2の幅と略同等か若干大きく形成されている。
この一対の巻き取りリール3,3は、その軸心に沿って、言い換えれば、光軸Oに対して垂直な方向に、駆動軸3bが設けられており、駆動モータ(図示せず)から伝えられる駆動力により、この駆動軸3bを回転中心として図2に示す矢印方向に回転可能となっている。
【0045】
一対の巻き取りリール3,3は、一方の巻き取りリール3と他方の巻き取りリール3との間で互いにフィルム2を巻き取り、あるいは、送り出すことで、フィルム2を撮像素子14の撮像面に平行な平面内で直線的に移動させて、撮像光路上に位置させる光学要素を切り替えるものである。このため、一方の巻き取りリール3と他方の巻き取りリール3とで、フィルム2を巻き取る正方向の回転方向と、フィルム2を送り出す逆方向の回転方向とが、互いに、軸心に対して反対となる。つまり、上側の巻き取りリール3において、フィルム2を巻き取る正方向の回転方向が時計回り方向であり、フィルム2を送り出す逆方向の回転方向が反時計回り方向である場合、下側の巻き取りリール3におけるフィルム2を巻き取る正方向の回転方向は反時計回り方向となり、フィルム2を送り出す逆方向の回転方向は時計回り方向となる。
【0046】
この一対の巻き取りリール3,3は、後記する駆動制御部13(図1参照)によって一対の巻き取りリール3,3間でのフィルム2の巻き取り、あるいは、送り出しの量が制御されるようになっている。
【0047】
一対の巻き取りリール3,3は、初期段階において、駆動制御部13(図1参照)による制御にしたがって、その外周面にフィルム2の両端部をそれぞれ取り付けた状態で、それぞれ正方向に所定量回転して、フィルム2をその外周面に沿ってそれぞれ所定量巻き取ることにより、光学要素のうちの一つを、撮像光路上に位置づけている。
【0048】
また、ここでは、一対の巻き取りリール3,3のうち、上側に位置する巻き取りリール3の駆動軸3bに、一対のガイドリール4,4のうち、上側に位置するガイドリール4の駆動軸3bに一端側が取り付けられた伝達手段6の他端側を取り付けている。伝達手段6について、詳しくは、後記する。
【0049】
また、一対の巻き取りリール3,3は、幅方向における両端部の外周面に、フィルム2の貫通孔部9を係合するための係合突起3aが複数突設されている。係合突起3aは、水平断面形状がフィルム2の貫通孔部9(図3参照)の水平断面形状と同等の横長矩形状に形成されている。また、係合突起3aは、周方向における設置間隔が、フィルム2の長さ方向における貫通孔部9(図3参照)の設置間隔と同等となっており、幅方向における設置間隔が、フィルム2の幅方向における貫通孔部9(図3参照)の設置間隔と同等となるように形成されている。
【0050】
一対の巻き取りリール3,3は、係合突起3aに、フィルム2の貫通孔部9(図3参照)を係合した状態で、一対の巻き取りリール3,3の回転に追従させてフィルム2を移動させるようになっている。
【0051】
この係合突起3aは、撮像素子14の撮像面と平行な平面外であって、かつ、当該平面内に配置されるフィルム2に最も近接する位置にある場合に、一対の巻き取りリール3,3が回転されると、この係合突起3aが撮像素子14の撮像面と平行な平面内に移動されて、当該平面内に配置されたフィルム2の貫通孔部9(図3参照)と係合する。一方、係合突起3aは、撮像素子14の撮像面と平行な平面内にある場合に、一対の巻き取りリール3,3が回転されると、この係合突起3aが撮像素子14の撮像面と平行な平面外に移動されたときに、フィルム2の貫通孔部9(図3参照)から外れることとなる。
【0052】
また、係合突起3aは、図2に示すように、フィルム2を一対の巻き取りリール3,3の外周面に沿って複数回(ここでは、2周)巻き取ったことにより、フィルム2が周方向に複数枚積み重なった場合であっても、積み重なったそれぞれのフィルム2の貫通孔部9(図3参照)を係合することができるように、一対の巻き取りリール3,3の外周面からの突出量(突出高さ)を、フィルム2の幅方向における両端部の厚さの少なくとも2倍以上とすると好ましい。
【0053】
一対のガイドリール4,4は、一対の巻き取りリール3,3の間に、垂直方向に互いに離間して配置される円柱状部材であり、軸心が、光軸Oに対して垂直となるように配置されている。図2に示すように、一対のガイドリール4,4の軸心と、一対の巻き取りリール3,3の軸心とは、同一平面内に位置している。
【0054】
この一対のガイドリール4,4は、それぞれの軸心に、光軸Oに対して垂直な駆動軸4b,4bが設けられており、駆動モータ(図示せず)から伝えられる駆動力により、この駆動軸4b,4bを回転中心として図2に示す矢印方向に回転可能となっている。この一対のガイドリール4,4は、一対の巻き取りリール3,3の回転に連動して回転するようになっている。ここでは、一対のガイドリール4,4のうち、上側に位置するガイドリール4の駆動軸4bに、一対の巻き取りリール3,3のうち、上側に位置する巻き取りリール3の駆動軸3bに一端側が取り付けられた伝達手段6の他端側を取り付けている。
【0055】
また、一対のガイドリール4,4は、幅が、一対の巻き取りリール3,3の幅と略同等であり、径が、一対の巻き取りリール3,3の径よりも小さく形成されており、この一対のガイドリール4,4の幅方向におけるそれぞれの端部には、外周面に沿って、一対のガイドベルト5,5がそれぞれ掛け渡されている。
【0056】
一対のガイドベルト5,5は、図2(b)に示すように、一対のガイドリール4,4に掛け渡された無端のベルト部材であって、撮像光路と干渉しないように、一対のガイドリール4,4の幅方向の両端部に配置されている。また、一対のガイドベルト5,5は、幅が、少なくともフィルム2の幅方向におけるそれぞれの端部の幅と略同等の幅を有するように形成されている。一対のガイドリール4,4に支持されている。一対のガイドベルト5,5は、一対のガイドリール4,4の外周面に沿ってそれぞれ掛け渡されて、一対のガイドリール4,4の回転に伴って回転するようになっている。
【0057】
また、一対のガイドベルト5,5は、表面に、フィルム2の貫通孔部9が係合される係合突起5aが所定間隔で複数設けられている。係合突起5aは、断面形状がフィルム2の貫通孔部9の断面形状と同等の横長矩形状に形成されている。
この一対のガイドベルト5,5に設けられる係合突起5aと、前記した一対の巻き取りリール3,3に設けられる係合突起3aとは、幅方向および周方向の設置間隔、および、表面からの突出高さが互いに一致している。
【0058】
この一対のガイドベルト5,5の厚さと、一対のガイドリール4,4の径とを加えた長さが、一対の巻き取りリール3,3の径と略同等となっている。そして、一対のガイドベルト5,5において、撮像素子14の撮像面と平行な平面内に位置する係合突起5aの頂部と、一対の巻き取りリール3,3において、撮像素子14の撮像面と平行な平面内に位置する係合突起3aの頂部とが同一平面内に位置する。
【0059】
前記した一対のガイドベルト5,5と、前記した一対のガイドリール4,4と、により、フィルム2のガイド機構が構成されている。フィルム2のガイド機構とは、フィルム2を、撮像素子14の撮像面に対して平行な平面内において、所定の張力を維持したままで直線的に移動させるものである。
【0060】
このガイド機構によれば、一対の巻き取りリール3,3の間の撮像素子14の撮像面に対して平行な平面内に位置するフィルム2の貫通孔部9(図3参照)が、一対のガイドベルト5,5の係合突起5aに係合されることで、一対の巻き取りリール3,3の間で、フィルム2を撮像素子14の撮像面に対して平行な平面内において所定の張力で支持することができる。さらに、ガイド機構によれば、一対の巻き取りリール3,3の回転に連動して一対のガイドリール4,4が回転し、この回転に伴って、一対のガイドベルト5,5が回転することで、フィルム2を、撮像素子14の撮像面に対して平行な平面内において、所定の張力を保った状態で、一方の巻き取りリール3から他方の巻き取りリール3へと送ることができる。
【0061】
このように、ガイド機構によれば、フィルム2にたるみや歪みが生じるのを防止することができるので、フィルム2の表面に設けられた複数の光学フィルタ7あるいは開口部8の面を、画像光の光軸Oに対し垂直に配置することができる。これにより、レンズ部11のレンズ群17を透過した画像光を、当該画像光の撮像光路上に選択的に位置させた光学フィルタ7あるいは開口部8に垂直に入射および透過させることができるので、画像光を、良好な画質で撮像素子14に結像させることができる。
【0062】
ガイド機構は、伝達手段6を介して、一対の巻き取りリール3,3の回転に連動して回転するようになっている。
伝達手段6は、一対の巻き取りリール3,3のうち、上側の巻き取りリール3の駆動軸3bと、一対のガイドリール4,4のうち、上側のガイドリール4の駆動軸4bと、の間に介在され、駆動モータ(図示せず)により付与された駆動力による駆動軸3bの回転を、駆動軸4bに伝達するものである。
上側のガイドリール4は、駆動軸4bに、伝達手段6により駆動軸3bの回転が伝えられることにより、駆動軸3bの回転に連動して回転する。そして、上側のガイドリール4の回転に伴って一対のガイドベルト5,5が回転し、これに伴い、下側のガイドリール4が回転される。
【0063】
したがって、このような伝達手段6を設けることにより、一対の巻き取りリール3,3の回転に一対のガイドリール4,4の回転を連動させることができる。一対のガイドリール4,4は、一対の巻き取りリール3,3の回転と同じタイミングで同じ量だけ回転する。前記したように、一対のガイドリール4,4の径と一対のガイドベルト5,5の厚さとを合わせた長さが、一対の巻き取りリール3,3の径と略等しくなるので、一対のガイドリール4,4を、一対の巻き取りリール3,3の回転と同じタイミングで同じ量だけ回転させることで、一対の巻き取りリール3,3間で巻き取られ、あるいは、送り出されるフィルム2を、一対のガイドベルト5,5で支持しながら円滑に移動させることができるので、フィルム2のたるみや歪みを防止することができる。
【0064】
駆動制御部13は、撮像光路(図2参照)上に該光学要素切替機構1における光学要素を選択して位置させるように光学要素切替機構1におけるフィルム送り機構を駆動させるものであり、図4に示すように、選択入力受付部131と、位置検出部132と、回転量算出部133と、モータ駆動制御部134と、を備えている。
【0065】
選択入力受付部131は、ここでは、ユーザが、入力手段(図示せず)を介して複数の光学要素(複数の光学フィルタ7および開口部8〔図2参照〕)の中から選択した、1つの光学要素の入力を受け付けるものである。ユーザが光学要素の選択を入力する手段(入力手段)としては、例えば、本体部12(図1参照)に図示しない光学要素の選択スイッチを設けたり、選択入力受付部131と無線又は有線で通信可能なリモコンに光学要素の選択ボタンを設けたりすることができる。選択スイッチとしては、例えば、各光学要素に対応するスイッチや、各光学要素に対応する角度にダイヤルを合わせることで各光学要素を選択可能なダイヤル式のスイッチを用いることができる。選択入力受付部131は、ユーザによる光学要素の選択の入力を受け付けると、光学要素が選択されたことを位置検出部132に通知するとともに、選択された光学要素を検出して検出結果を回転量算出部133に出力するようになっている。
【0066】
位置検出部132は、フィルム2における、ユーザにより選択された光学要素の現在の位置を検出するものである。
位置検出部132は、基準位置と、この基準位置での、各光学要素のフィルム2上における位置と、を図示しない記憶手段に予め記憶しているものとする。ここで、基準位置は、例えば、フィルム2の開口部8が撮像光路上に位置するときの、一対の巻き取りリール3,3のそれぞれの位置、あるいは、一対の巻き取りリール3,3にそれぞれ取り付けられたフィルム2のそれぞれの端部の位置とすることができる。位置検出部132は、この基準位置を図示しない記憶手段に予め記憶しているものとする。
【0067】
位置検出部132は、例えば、一対の巻き取りリール3,3にそれぞれ取り付けられたフィルム2のそれぞれの端部の現在の位置をフォトインタラプタによって検出し、基準位置からの移動量を算出することにより、この移動量と、図示しない記憶手段に記憶された基準位置でのユーザにより選択された光学要素のフィルム2上における位置と、に基づいて、ユーザにより選択された光学要素のフィルム2上における現在の位置を求めることができる。また例えば、位置検出部132は、ステッピングモータとエンコーダを組み合わせて、一対の巻き取りリール3,3の基準位置からのそれぞれの回転量を計測し、この回転量をフィルム2の移動量に換算して、ユーザにより選択された光学要素のフィルム2上における現在の位置を求めることができる。
【0068】
さらに例えば、フィルム2の表面における各光学要素の近傍に、それぞれパターンの異なる反射部を設け、この反射部を、反射型の光センサで検出して反射パターンを解析することによって、各光学要素の位置を個別に検出することにより、ユーザにより選択された光学要素のフィルム2上における現在の位置を求めてもよい。位置検出部132により検出された、ユーザにより選択された光学要素のフィルム2上における現在の位置は、回転量算出部133に出力される。
【0069】
回転量算出部133は、選択入力受付部131により入力を受け付けたユーザにより選択された光学要素と、位置検出部132により検出された、ユーザにより選択された光学要素のフィルム2における現在の位置と、に基づいて、ユーザにより選択された光学要素を撮像光路(図2参照)上に位置させるために必要な、一対の巻き取りリール3,3の回転量を算出するものである。回転量算出部133により算出された一対の巻き取りリール3,3の回転量は、モータ駆動制御部134に出力される。
【0070】
モータ駆動制御部134は、一対の巻き取りリール3,3に駆動力を付与する駆動モータ(図示せず)の駆動を制御するものであり、回転量算出部133により算出された一対の巻き取りリール3,3の回転量に応じた駆動力を算出し、この駆動力を一対の巻き取りリール3,3に付与するよう、駆動モータ(図示せず)に指示する。
【0071】
このようにして、駆動モータ(図示せず)が、モータ駆動制御部134により指示された駆動力を発生し、この駆動力を、一対の巻き取りリール3,3の駆動軸3b,3bに付与することで、一対の巻き取りリール3,3が回転される。このとき、上側の巻き取りリール3の駆動軸3bから伝達手段6を介して上側のガイドリール4の駆動軸4bに回転が伝達されることで、上側のガイドリール4が、上側の巻き取りリール3の回転に連動して回転する。そして、上側のガイドリール4の回転に伴って、一対のガイドベルト5,5が回転されると共に下側のガイドリール4が回転される。これにより、フィルム2を、撮像素子14の撮像面に平行な平面内において直線的に移動させることができるので、ユーザにより選択された光学要素を、撮像光路(図2参照)上に位置させることができる。
【0072】
なお、ここでは、一対の巻き取りリール3,3の回転量を算出し、この回転力に応じた駆動力を一対の巻き取りリール3,3の駆動軸3b,3bに付与して回転させると共に、伝達手段6を介して上側の巻き取りリール3の回転を上側のガイドリール4の駆動軸4bに伝達して、上側のガイドリール4を回転させることで、一対のガイドベルト5,5および下側のガイドリール4を動作させる場合を説明した。ただし、これに限られるものではなく、例えば、一対の巻き取りリール3,3と一対のガイドリール4,4のそれぞれについて、個別に回転量を算出し、この回転力に応じた駆動力を一対の巻き取りリール3,3の駆動軸3b,3bおよび一対のガイドリール4,4の駆動軸4b,4bにそれぞれ付与してもよい。この場合、一対の巻き取りリール3,3と一対のガイドリール4,4の回転が連動するように、タイミングを制御する手段を設けることとする。
【0073】
撮像素子14は、撮像用の光電交換素子であって、入射した画像光を光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力するものである。撮像素子14は、光学要素切替機構1の光学的に後側に配置されており、レンズ部11から出射され、光学要素切替機構1を透過して光量が調整された画像光を入射するようになっている。撮像素子14は、例えば、超高精細映像あるいは高精細映像を撮影可能な、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子によって実現することができる。
【0074】
以上説明した光学要素切替機構1と、駆動制御部13(図1,4参照)と、により光学要素切替システムが構成される。このような光学要素切替システムによれば、駆動制御部13によって、ユーザによる光学要素の選択の入力を受け付けると、当該光学要素を撮像光路上に位置させるために必要な、光学要素切替機構1の一対の巻き取りリール3,3および一対のガイドリール4,4の回転量をそれぞれ求め、この回転量に応じた駆動力を、駆動モータから一対の巻き取りリール3,3および一対のガイドリール4,4にそれぞれ付与させる。そして、光学要素切替システムによれば、光学要素切替機構1の一対の巻き取りリール3,3および一対のガイドリール4,4によって、駆動モータから付与された駆動力により互いに連動して回転し、フィルム2を撮像素子14の撮像面に対して平行な平面内で直線的に移動させて、ユーザの選択に係る光学要素を撮像光路上に位置させる。
【0075】
なお、ここでは、光量を手動で調整する場合を例にとって説明したが、自動で調整するようにしてもよい。この場合、本体部12(図1参照)に光量センサを設け、この光量センサで測定された撮影場所の明るさに基づいて、明るすぎる場合には受光量を下げ、暗すぎる場合には受光量を上げるように、光学要素切替機構1を自動制御してもよい。
【0076】
本実施形態に係る光学要素切替機構1および撮像装置10(図1参照)によれば、可撓性を有する樹脂などでフィルム2および光学要素を形成し、このフィルム2上に光学要素を縦方向に一列に配置し、このフィルム2を一対の巻き取りリール3,3、一対のガイドリール4,4および一対のガイドベルト5,5によって、撮像素子14の撮像面に平行な平面内において縦方向にスクロールさせることにより、撮像光路上に位置させる光学要素を選択的に切り替えることを可能とした。
【0077】
光学要素切替機構1によれば、光学要素をフィルム2上に縦方向に一列に配置し、使用しない光学要素は、一対の巻き取りリール3,3に巻き取っておくことができるので、光学要素を大型化しても光学要素切替機構1自体が周方向に大きくなることがない。
また、光学要素切替機構1の一対のガイドベルト5,5は、少なくとも撮像光路上に1つの光学要素を撮像素子14の撮像面に対し平行な平面内に配置できるだけの長さがあればよいので、一対のガイドベルト5,5の上下に一対の巻き取りリール3,3を配置する分を考慮しても、光学要素切替機構1を設けることにより、本体部12が縦方向に大型化することがない。
【0078】
したがって、従来技術のようにフィルタターレット上に光学要素を配置して、周方向に移動させて切り替える場合と比較して、本体部12(図1参照)の大きさを変えることなく、光学要素を大型化することができる。言い換えれば、撮像素子14の大型化に合わせて光学要素を大型化しても、撮像装置10(図1参照)本体の大型化を抑制することができる。
【0079】
これにより、前記した従来技術に記載された撮像装置の本体部の大きさを変えることなく、従来技術の光学要素切替機構を、第1実施形態に係る光学要素切替機構に置換することも可能となる。このようにして、装置本体を大型化せずに、超高精細映像あるいは高精細映像を撮影可能な大型の撮像素子14およびこれに対応した光学要素切替機構1を搭載した撮像装置10(図1参照)を実現することができる。
【0080】
また、第1実施形態に係る光学要素切替機構1によれば、一対のガイドベルト5,5により、フィルム2の表面に設けた光学要素を撮像素子14の撮像面に平行な平面内において、所定の張力で支持することができる、つまり、光軸Oに対し略垂直な状態で支持することができる。これにより、フィルム2およびフィルム2の表面に設けられた光学要素のたるみや歪みを防止することができるので、撮像光路上に選択的に位置づけられた光学要素にレンズ部11(レンズ群17)から出射された画像光を透過させたときに、画像光に歪みなどが生じるのを防止することができる。このようにして、画像光を、良好な画質で撮像素子14に結像させることができる。
【0081】
<変形例>
次に、本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構1の第1の変形例に係る光学要素切替機構1Aについて、図5を参照して説明する。
第1の変形例に係る光学要素切替機構1Aは、前記した本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構1に対し、一対の巻き取りリール3,3を設けない点のみが異なるので、その他の共通する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0082】
光学要素切替機構1Aは、図5に示すように、フィルム2と、一対のガイドリール4,4と、一対のガイドベルト5,5(奥側は図示せず)と、を備えている。この一対のガイドリール4,4と、一対のガイドベルト5,5(奥側は図示せず)と、が、特許請求の範囲における「フィルム送り機構」に相当する。
フィルム2は、一対のガイドベルト5,5(奥側は図示せず)の外周面に沿って、その端部が向かい合うように一周巻き回されて取り付けられている。フィルム2の両端部は、例えば、接着材などにより一対のガイドベルト5,5(奥側は図示せず)の外周面に取り付けられている。なお、一対のガイドベルト5,5は、図2(b)に示したように、撮像光路を避けるように、一対のガイドリール4,4の幅方向における両端部にそれぞれ配置されている。
【0083】
また、フィルム2は、ここでは図示しないが、表面に、光学要素(例えば、複数の光学フィルタ7および開口部8または透明なフィルタ)が設けられている。フィルム2に設けられた光学要素は、ここでは、撮像光路上に1つだけ配置されるように、光軸方向の位置が重ならないように配置されている。つまり、撮像光路上に光学要素を配置した場合において、フィルム2におけるこの光学要素と対向する位置には、光学フィルタ7が配置されておらず、光学要素を透過した光をそのまま透過させるようになっている。光学要素を透過した光をそのまま透過させる方法としては、撮像光路上に配置された光学要素と対向する位置のフィルム2上に開口部8を配置したり、撮像光路上に配置された光学要素と対向する位置のフィルム2に開口を設け、この開口を覆うように透明なフィルタを取り付けたりしてもよい。あるいは、フィルム2を透明な素材で形成して、フィルム2において光学フィルタ7が設けられない部分を開口部8として機能させてもよい。
【0084】
なお、例えば、光学要素を、フィルム2における撮像素子14の撮像面に平行な2つの平面内の撮像光路上にそれぞれ1つずつ配置し、画像光が、この2つの光学要素を順番に透過するようにすることで、段階的に画像光の光量を減衰させてもよい。この場合、光学要素の透過率は同じであっても、異なっていてもよい。
【0085】
このような光学要素切替機構1Aは、ユーザにより入力手段(図示せず)を介して光学要素が選択されると、駆動制御部13により一対のガイドリール4,4を回転させることにより、一対のガイドベルト5,5(奥側は図示せず)および一対のガイドベルト5,5(奥側は図示せず)に巻き回されたフィルム2を撮像素子14の撮像面に平行な平面内において直線的に移動させて、ユーザが選択した所望の光学要素を撮像光路上に位置させる。
【0086】
第1の変形例に係る光学要素切替機構1Aによれば、光学要素切替機構1と比較して、一対の巻き取りリール3,3を省略することができるので、構成が簡素となり、製造が容易となる。これにより、製造コストを低減することができる。さらに、一対の巻き取りリール3,3を省略することができるので、光学要素切替機構1Aを、光学要素切替機構1に比較してより小型化することができ、本体部12内におけるスペースの消費を効果的に抑制することができる。
【0087】
なお、ここでは、光学要素を、透過率のそれぞれ異なる2枚の光学フィルタ7、あるいは、1枚の光学フィルタ7および開口部8により構成したが、これに限られるものではない。例えば、長さ方向の4分の3の範囲内において、透過率が約1%〜約99%に連続的に変化するように形成され、残りの4分の1の範囲は、透過率が約100%の透明なフィルタで形成された1枚の光学フィルタ7を、フィルム2において、撮像素子14の撮像面に対して平行な2つの平面にそれぞれ配置してもよい。この場合、一方の平面と他方の平面とで、グラデーションが逆向きとなるように、光学フィルタ7をそれぞれ配置することとする。
【0088】
これによれば、一対のガイドベルト5,5が回転されて撮像光路上における光学フィルタ7の位置が変化された場合にも、光学フィルタ7が、撮像光路の全域において、濃度が常に均一になるような濃度変化をするため、光学フィルタ7を透過した画像光の濃度にムラが生じるのを防止することができ、画像光を、撮像素子14に良好な画質で結像させることができる。また、光学フィルタ7を透過率が連続的に変化するように構成することにより、撮像光路上に位置させる光学フィルタ7の透過率をより自然に切り替えることができる。
【0089】
次に、本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構1の第2の変形例に係る光学要素切替機構1Bについて、図6を参照して説明する。
第2の変形例に係る光学要素切替機構1Bは、前記した本発明の第1実施形態に係る光学要素切替機構1に対し、一対のガイドリール4,4、ガイドベルト5および伝達手段6を設けない点のみが異なるので、その他の共通する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0090】
光学要素切替機構1Bは、図6に示すように、フィルム2と、一対の巻き取りリール3,3と、を備えている。この一対の巻き取りリール3,3が、特許請求の範囲における「フィルム送り機構」に相当する。
一対の巻き取りリール3,3は、その外周面にフィルム2の一方あるいは他方の端部をそれぞれ取り付けるとともに、係合突起3aに、フィルム2の貫通孔部9(図3参照)を係合している。一対の巻き取りリール3,3は、駆動制御部13(図1参照)から駆動軸3b,3bに駆動力が付与されることによって、それぞれ正方向あるいは逆方向に所定量回転して、フィルム2をその外周面に沿ってそれぞれ所定量巻き取り、あるいは、送り出すことにより、光学要素のうちの一つを、撮像光路上に位置づけるようになっている。
一対の巻き取りリール3,3は、駆動制御部13(図2参照)によって、フィルム2における撮像装置14の撮像面に平行に対面する部分がたるまないように所定の張力で支持するよう調整されている。
【0091】
このような光学要素切替機構1Bは、ユーザにより入力手段(図示せず)を介して複数の光学要素のうちの一つが選択されると、駆動制御部13により駆動軸3b,3bに駆動力を付与して一対の巻き取りリール3,3を回転させることにより、一対の巻き取りリール3,3に巻き回されたフィルム2を撮像素子14の撮像面に平行な平面内において直線的に移動させて、ユーザが選択した所望の光学要素を撮像光路上に位置させる。
このとき、フィルム2は、一対の巻き取りリール3,3によって、撮像装置14の撮像面に平行に対面する部分がたるまないように所定の張力で支持されているので、レンズ群17を出射した画像光が、ユーザが選択した所望の光学要素に垂直に入射される。
【0092】
第2の変形例に係る光学要素切替機構1Bによれば、光学要素切替機構1と比較して、一対のガイドリール4,4、ガイドベルト5および伝達手段6を省略することができるので、構成が簡素となり、製造が容易となる。これにより、製造コストを低減することができる。また、構成が簡素となることで、管理が容易となり、管理コストを低減することができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態および変形例について説明したが、本発明は、前記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記した本発明の第1実施形態では、光学要素切替機構1のフィルム2の長手方向を上下方向に沿って配置すると共に、フィルム2の表面に光学要素を縦一列に並べて配置し、このフィルム2を縦方向にスクロールさせることで撮像光路上に光学要素を選択的に位置させる構成とした。しかし、これに限られるものではなく、光学要素切替機構1のフィルム2の長手方向を左右方向に沿って配置すると共に、フィルム2の表面に光学要素を横一列に並べて配置し、フィルム2を横方向にスクロールさせることで撮像光路上に光学要素を選択的に位置させる構成としてもよい。
【0094】
また、前記した本発明の第1実施形態では、光学要素切替機構1を本体部12の内部に1つ設ける場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光学要素切替機構1を、本体部12の内部における撮像素子14よりも光学的に前方に、光軸方向に沿って2つ以上並設してもよい。例えば、本体部12の内部における撮像素子14よりも光学的に前方に、光軸方向に沿って2つの光学要素切替機構1を並設する場合、一方の光学要素切替機構1の光学フィルタ7をNDフィルタとし、他方の光学要素切替機構1の光学フィルタ7をCCフィルタとすることができる。
【0095】
さらに、前記した本発明の第1実施形態では、光学要素切替機構1のフィルム2の幅方向における両端部に、一対の巻き取りリール3,3あるいは一対のガイドリール4,4への係合部としての貫通孔部9を設け、一対の巻き取りリール3,3あるいは一対のガイドリール4,4に、貫通孔部9を係合する係合突起3a,5aをそれぞれ設けたが、これに限られるものではない。例えば、一対の巻き取りリール3,3あるいは一対のガイドリール4,4の外周面に、係合突起3a,5aに替えて、フィルム2の幅方向におけるそれぞれの端部(肉厚部)をそれぞれ係合する溝部を設けてもよい。
【0096】
またさらに、前記した本発明の第1実施形態では、撮像装置10の撮像素子14として、単板式のイメージセンサを用いる場合を例にとって説明したが、これに限られるものではなく、色分解プリズムを用いる三板式あるいは四板式のイメージセンサを用いてもよいことはもちろんである。
【0097】
さらに加えて、前記した本発明の第1実施形態では、光学要素切替機構1の駆動制御部13により、一対のガイドリール4,4およびこの一対のガイドリール4,4の外周面に沿って掛け渡された一対のガイドベルト5,5の回転と、一対の巻き取りリール3,3の回転とを連動させるように制御することとしたが、これに限られるものではない。例えば、光学要素切替機構1の一対の巻き取りリール3,3によって、フィルム2が、撮像素子14の撮像面に対して平行な平面内において直線的に移動されるのに伴い、係合突起5aによってフィルム2の貫通孔部9と係合される一対のガイドベルト5,5を、フィルム2により牽引して回転させてもよい。このようにしても、一対のガイドベルト5,5および一対のガイドリール4,4の回転と、一対の巻き取りリール3,3の回転とを連動させることができる。これによれば、駆動制御部113が、一対の巻き取りリール3,3の回転のみを制御すれば足りるため、駆動制御部113による制御を簡略化することができる。
【0098】
また、前記した本発明の第1実施形態では、光学要素を3枚の光学フィルタ7と、開口部8または透明なフィルタと、により構成したが、これに限られるものではなく、光学フィルタ7の枚数は適宜選択することができる。また、開口部8または透明なフィルタを設けずに、光学要素を光学フィルタ7のみで構成してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1,1A,1B 光学要素切替機構
2 フィルム
3,3 一対の巻き取りリール
3a 係合突起
3b 駆動軸
4,4 一対のガイドリール
4b 駆動軸
5,5 一対のガイドベルト
5a 係合突起
6 伝達手段
7 光学フィルタ
8 開口部
9 貫通孔部
10 撮像装置
11 レンズ部
12 本体部
13 駆動制御部
131 選択入力受付部
132 位置検出部
133 回転量算出部
134 モータ駆動制御部
14 撮像素子
17 レンズ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置のレンズ部と撮像素子との間に配置され、前記レンズ部を透過した画像光の撮像光路上に複数の光学要素のうちの所望の光学要素を選択的に位置させる光学要素切替機構であって、
帯状のフィルムの表面に、当該フィルムの長さ方向に沿って並列して配置される複数の光学要素と、
前記フィルムの前記複数の光学要素のうちの一つを前記撮像装置の撮像面に対し平行に対面した状態で支持すると共に、前記フィルムを、その長さにかかわらず、常に一定の長さ以下となるように取り付けた状態で回転して、前記フィルムを、取り付け長さを変えずに前記撮像素子の撮像面に対し平行な面で直線的に移動させることで、前記撮像光路上に位置させる前記光学要素を切り替えるフィルム送り機構と、を有することを特徴とする光学要素切替機構。
【請求項2】
前記フィルム送り機構は、
前記フィルムの幅方向における両端部に対応する位置にそれぞれ配置され、周面に前記フィルムを取り付けており、前記撮像素子の撮像面に対し平行となる面で前記複数の光学要素のうちの一つを支持する一対の無端のガイドベルトと、
前記一対の無端のガイドベルトを支持すると共に回転させ、前記フィルムを前記一対の無端のガイドベルトに沿って直線的に移動させる一対のガイドリールと、を有し、
前記一対の無端のガイドベルトは、前記フィルムの幅方向における両端部に間欠的に形成した貫通孔部に係合する係合突起を有することを特徴とする請求項1に記載の光学要素切替機構。
【請求項3】
前記フィルム送り機構は、
前記フィルムの幅方向における両端部に間欠的に形成した貫通孔部に係合する係合突起を有し、前記フィルムの貫通孔部に前記係合突起を係合した状態で回転して前記フィルムを互いに巻き取り、あるいは、送り出すことで、前記フィルムを直線的に移動させる一対の巻き取りリールと、
前記一対の巻き取りリールの間に配置され、前記貫通孔部に係合する係合突起を有する一対の無端のガイドベルトと、
前記一対の巻き取りリールの間に配置され、前記一対の無端のガイドベルトを支持すると共に、当該一対の無端のガイドベルトを前記一対の巻き取りリールの回転に連動させて回転させる一対のガイドリールと、を有することを特徴とする請求項1に記載の光学要素切替機構。
【請求項4】
前記フィルムは、幅方向における両端部が、幅方向における中央部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光学要素切替機構。
【請求項5】
前記フィルムは、前記複数の光学要素として、同一平面上に配置される、それぞれ透過率の異なる複数の光学フィルタと、前記光学フィルタが設けられない開口部または透明なフィルタと、を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学要素切替機構。
【請求項6】
前記光学フィルタは、減光フィルタあるいは色補正フィルタであることを特徴とする請求項5に記載の光学要素切替機構。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学要素切替機構と、入力手段からの入力により撮像光路上に該光学要素切替機構における前記光学要素を選択して位置させるように該光学要素切替機構における前記フィルム送り機構を駆動させる駆動制御部と、を備える撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−115635(P2013−115635A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260466(P2011−260466)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】