説明

光学部品及び光学モジュール

【課題】短波長かつ大出力のレーザ素子を利用した光学モジュールにおいて、気密封止されない光学部品の汚染を防止する。
【解決手段】光学部品(10、20、30、40、50)は、波長460nm以下のレーザ光αを出射もしくは透過させるものであって、その表面上には少なくとも一部に誘電体膜からなる第1のコーティングAが施されており、第1のコーティングA上には、貴金属もしくは白金族元素を含有した誘電体膜からなる第2のコーティングBが施されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短波長のレーザ光を出射ないし透過する光学部品のコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー性や指向性の観点から、LED[light emitting diode]素子や半導体レーザ素子を種々の光源に用いることが注目を浴びている。例えば、窒化物半導体レーザ素子は、その発振波長の短さから蛍光体の励起光源としての期待が高く、青色から近紫外の領域に属する波長の光を蛍光体に照射することにより、三原色の光に変換して利用することができる。特に、プロジェクタやTVなどに用いられる次世代光源としては、窒化物半導体レーザによる短波長で大出力のレーザ光を用いることが期待されている。
【0003】
しかしながら、半導体レーザ素子、コリメータレンズ、集光レンズ、および、光ファイバ等が密閉容器に封止されてなるレーザモジュールにおいては、密閉容器内に残存する汚染物質が半導体レーザ素子の出射端面や、レンズおよび光ファイバ等の光学部品に付着して、レーザ特性を劣化させるという問題が知られている。汚染物質としては、駆動雰囲気中に存在する炭化水素化合物や珪素化合物が挙げられ、これらの化合物がレーザ光および熱により重合あるいは分解されて付着することが考えられる。
【0004】
従来より、この問題を解決するために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1においては、400nm以下のレーザ光の出力低下を防止するためには、雰囲気中の炭化水素化合物量を0.1%以下にすることが効果的であり、これにより炭化水素化合物の光分解による光学部品等への堆積を防止できることが記載されている。
【0005】
また、特許文献2においては、炭化水素系ガスの光分解による半導体レーザ素子端面への炭化水素系化合物の付着を防止するために、このガスを分解することを目的とした酸素を100ppm以上、雰囲気ガスに混入させることが記載されている。
【0006】
さらに、特許文献3においては、炭化水素系化合物のみならず、シロキサン等を由来とする有機珪素化合物の付着を防止するために、密閉容器内にガス吸着機能を有する物質を配置することが記載されている。
【0007】
また、特許文献4においては、そのメカニズムは明らかでないものの、Pd等の貴金属もしくは白金族により、珪素化合物の付着を抑制する効果があることが記載されている。
【0008】
また、特許文献5においては、半導体レーザモジュール部の内壁面、半導体レーザモジュール部内の光通過領域、光ファイバの光入射端面、或いは、光ファイバの光出射端面の少なくとも一つに、半導体レーザから発した光により活性化する光触媒層をコーティングすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−167132号公報
【特許文献2】米国特許第5392305号明細書
【特許文献3】特開2004−14820号公報
【特許文献4】特開2009−21548号公報
【特許文献5】特開2004−179595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の従来技術は、いずれも雰囲気を封止した上での対策であるため、気密封止されていない光学部品については、製品の駆動環境によっては汚染の具合が左右されるという課題があった。
【0011】
また、半導体レーザ素子そのものについても、光を出射する端面においては、光密度及び温度が極めて高くなるために、上記の問題が大きくなるという課題があった。特に、酸素の存在下において、珪素化合物の付着は大きな問題と考えられる。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、短波長かつ大出力のレーザ素子を利用した光学モジュールにおいて、気密封止されない光学部品の汚染を防止する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る光学部品は、波長460nm以下のレーザ光を出射もしくは透過させるものであって、その表面上には、少なくとも一部に誘電体膜からなる第1のコーティングが施されており、前記第1のコーティング上には、貴金属もしくは白金族元素を含有した誘電体膜からなる第2のコーティングが施されている構成(第1の構成)とされている。
【0014】
なお、上記第1の構成から成る光学部品において、前記第2のコーティングは、貴金属もしくは白金族元素の含有率が5at%以上である構成(第2の構成)にするとよい。
【0015】
また、上記第1または第2の構成から成る光学部品において、前記第2のコーティングは、厚さが100Å以下である構成(第3の構成)にするとよい。
【0016】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る光学部品は、半導体レーザ素子である構成(第4の構成)にするとよい。
【0017】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る光学部品は、半導体レーザのキャップガラスである構成(第5の構成)にするとよい。
【0018】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る光学部品は、コリメートレンズである構成(第6の構成)にするとよい。
【0019】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る光学部品は、集光レンズである構成(第7の構成)にするとよい。
【0020】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る光学部品は、ビームスプリッタである構成(第8の構成)にするとよい。
【0021】
また、本発明に係る光学モジュールは、パッケージ内にマウントされてレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子により出射されたレーザ光を前記パッケージ外に導出するキャップガラスと、前記キャップガラスにより導出されたレーザ光を平行とするコリメートレンズと、前記コリメートレンズにより平行とされたレーザ光を分岐するビームスプリッターと、前記ビームスプリッタにより分岐されたレーザ光を集光する集光レンズと、を有するものであって、前記半導体レーザ素子、前記キャップガラス、前記コリメートレンズ、前記ビームスプリッタ、及び、前記集光レンズのうち、少なくとも一つの表面上には、少なくとも一部に誘電体膜からなる第1のコーティングが施されており、前記第1のコーティング上には、貴金属もしくは白金族元素を含有した誘電体膜からなる第2のコーティングが施されている構成(第9の構成)とされている。
【0022】
なお、上記第9の構成から成る光学モジュールにおいて、前記半導体レーザ素子は、波長460nm以下のレーザ光を出射する構成(第10の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光学部品のコーティング材料を工夫することにより、有機珪素化合物や炭化水素化合物による汚染を防止できる。このため、製品の駆動環境において汚染源があったとしても、より長寿命で信頼性の高い製品を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による光学モジュールの模式的な概略図
【図2】窒化物半導体レーザ素子の模式的な縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<事前調査>
本発明の創作に先立ち、発明者らが短波長(405nm帯)で大出力(ワットクラス)の窒化物半導体レーザを用いた光学モジュールについて、長時間駆動後の光学部品を調べたところ、珪素を含む物質の付着と思われる汚染が実際に確認された。このような汚染はレーザ光の波長が短いほど生じやすいため、少なくとも青色光の波長である460nm以下のレーザ光を出射もしくは透過させる光学部品においては、上記した汚染の問題が生じやすいと考えられる。
【0026】
以下では、上記の事前調査を踏まえて創作された本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
<光学モジュール>
図1は、本発明の一実施形態による光学モジュールの模式的な概略図である。本発明に係る光学モジュール(半導体レーザモジュール)1は、窒化物半導体レーザ素子10と、キャップガラス20と、コリメートレンズ30と、ビームスプリッタ40と、集光レンズ50と、フォトダイオード60と、CANパッケージ70と、を有する。なお、図1中の符号αは、光学モジュール1により生成されるレーザ光の様子(導光路)を示している。光学モジュール1は、プロジェクタなどの光源として利用することが考えられる。
【0028】
窒化物半導体レーザ素子10は、光学モジュール1に含まれる光学部品の一つであり、CANパッケージ70内にマウントされてレーザ光αを出射する。
【0029】
キャップガラス20は、光学モジュール1に含まれる光学部品の一つであり、窒化物半導体レーザ素子10により出射されたレーザ光αをCANパッケージ70外に導出する。
【0030】
コリメートレンズ30は、光学モジュール1に含まれる光学部品の一つであり、キャップガラス20により導出されたレーザ光αを平行とする。
【0031】
ビームスプリッタ40は、光学モジュール1に含まれる光学部品の一つであり、コリメートレンズ30により平行とされたレーザ光αを2系統に分岐する。
【0032】
集光レンズ50は、光学モジュール1に含まれる光学部品の一つであり、ビームスプリッタ40により分岐されたレーザ光αを集光する。
【0033】
フォトダイオード60は、光学モジュール1に含まれる光学部品の一つであり、ビームスプリッタ40により分岐されたレーザ光αを受光する。
【0034】
CANパッケージ70は、その内部に窒化物半導体レーザ素子10がマウントされる缶状部材である。
【0035】
上記構成から成る光学モジュール1は、キャップガラス20を備えたCANパッケージ70にマウントされた窒化物半導体レーザ素子10(レーザ光αの発振波長:405nm帯)をレーザ光源とし、コリメートレンズ30により平行とされたレーザ光αをビームスプリッタ40により集光レンズ50とフォトダイオード60とに分岐し、集光レンズ50により照射対象にレーザ光αを集める構成となっている。
【0036】
図2は、窒化物半導体レーザ素子10の模式的な縦断面図である。図2に示すように、活性層Xからレーザ光αを出射する窒化物半導体レーザ素子10の光出射端面には、405nm帯のレーザ光αを透過しやすくするために、誘電体膜(例えばSiO)からなる低反射層A(第1のコーティングに相当)が形成されている。また、低反射層Aの表面上には、光出射端面の汚染(珪素化合物の付着)を抑制するために、貴金属もしくは白金族(例えばPd)が5%添加された誘電体膜(例えばSiO)からなる汚染防止層B(第2のコーティングに相当)が形成されている。なお、窒化物半導体レーザ素子10の光出射端面に対して反対側の端面には、誘電体膜(例えばSiOとTiOの多層膜)または金属膜(例えばAl、Au、Ag)からなる高反射層Cが形成されている。なお、高反射層Cとして金属膜を用いる場合には、窒化物半導体レーザ素子10のP型層とN型層との短絡を防止するために、誘電体膜を下地として組み合わせる必要がある。
【0037】
また、図1に示すように、光学モジュール1の構成要素となるその他の光学部品についても、各々の光透過面(キャップガラス20の一方の面(外側の面)、コリメートレンズ30の両面、ビームスプリッタ40の両面、及び、集光レンズ50の両面)には、それぞれ、低反射層Aと汚染防止層Bが積層形成されている。
【0038】
<汚染防止層に関する考察>
本願の発明者らは、光学部品の最表面にPd等の貴金属もしくは白金族が存在すると、そのメカニズムは明らかでないものの、珪素化合物の付着を抑制する効果があるという知見を得た。そこで、各光学部品に対して貴金属もしくは白金族による珪素化合物付着防止策を施せば、光学モジュール1の信頼性を確保する上で大きな効果が期待できる。
【0039】
特に、各光学部品に対して貴金属もしくは白金族による珪素化合物付着防止策を施す構成であれば、気密封止されていない光学部品についても、製品の駆動環境によらずに汚染を抑制することが可能となる。また、半導体レーザ素子10の光出射端面は、レーザαの出力時に光密度や温度が極めて高くなるので、珪素化合物の付着を生じやすいと考えられる。そこで、半導体レーザ素子10の光出射端面に対して、貴金属もしくは白金族による珪素化合物付着防止策を施すことにより、上記の汚染を効果的に抑制することができる。
【0040】
なお、金属結合の組織は光を吸収する役割を果たす。そのため、各光学部品の最表面に形成される汚染防止層Bは、ある程度以下の厚さであることが望ましい。また、汚染防止効果を発揮するのは、汚染防止層Bの表層から10原子層程度までであると考えられる。そのため、汚染防止層B中における貴金属もしくは白金族の含有率(濃度)はある程度以上であることが望ましい。
【0041】
貴金属もしくは白金族による上記の汚染防止効果は、各光学部品の表面全体が貴金属もしくは白金族で覆われていない場合でも得られる。これは、汚染源となるシロキサン等の分子が金属原子に比べて大きいためであると考えられる。例えば、貴金属もしくは白金族の含有率(濃度)が5at%の汚染防止層Bであれば、汚染防止層Bが形成された表面の50%が貴金属もしくは白金族で被覆された状態であるということができる。そして、汚染防止層B中に貴金属もしくは白金族が均一に分布しているならば、原子1個分の隙間が交互に空いている程度となるので、シロキサン等の珪素化合物分子が付着する余地は小さくなると期待される。
【0042】
一方、先にも述べたように、金属結合を形成する貴金属もしくは白金族は光を吸収する役割も果たす。金属材料の光吸収係数は、波長にもよるが5×10cm−3〜1×10cm−3程度である。従って、汚染防止層Bに含まれる貴金属もしくは白金族の光吸収作用が純金属と同等に働くと仮定すると、貴金属もしくは白金族の含有率(濃度)が5at%であって厚みが100Åである汚染防止層Bによる光吸収の割合は3〜5%となる。なお、汚染防止層Bの厚みが50Åの場合であれば、汚染防止層Bによる光吸収の割合は1〜2%程度とさらに小さくなるので、光学部品をたくさん組み込む場合には有利である。
【0043】
以上の考察から、汚染防止層Bに添加される貴金属もしくは白金族の含有率(濃度)については5at%以上であることが望ましく、また、汚染防止層Bの厚みについては100Å以下であることが望ましいと言える。
【0044】
なお、上記の例示では、汚染防止層Bの母体材料をSiOとしたが、汚染防止層Bの母体材料はこれに限定されるものではなく、AlやTa等の酸化物、SiNやAlN等の窒化物、MgF等のフッ化物など、種々の誘電体材料を選択することができる。これらの母体材料を用いることにより、光吸収量が小さく、かつ、汚染防止の効果に優れる汚染防止層Bを精度よく容易に作製することが可能となる。また、母体材料に添加する物質としては、上記で例示したPdのほか、NiやPtといった白金族を選んでもよいし、或いは、Au、Ag、Ir、Rh、Os、Ruといった貴金属を選んでもよい。
【0045】
<汚染防止層の形成方法>
続いて、汚染防止層Bの形成方法について図1を参照しながら説明する。まず、光学部品(半導体レーザ素子10、キャップガラス20、コリメートレンズ30、ビームスプリッタ40、及び、集光レンズ50)の母体材料の表面上に低反射層Aを形成する。低反射層Aは、1〜3種程の誘電体膜を組み合わせた単層もしくは複数層の構成とすることができ、その設計は所望の特性にあわせて自由に行うことができる。なお、誘電体膜の形成方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、あるいは、CVD[Chemical Vapor Deposition]法を採用することができる。
【0046】
次に、上記した低反射層Aの表面上に汚染防止層Bを形成する。汚染防止層Bの形成方法としては、電子ビーム法またはスパッタリング法を用いることができるが、膜組成の安定性を考慮するとスパッタリング法を採用することが好ましい。スパッタリング法においては、所望の組成(例えば5at%のPdを含有するSiO)を有するターゲット材を予め準備しておくか、或いは、母材(例えばSiO)の上に貴金属や白金族(例えばPd)を載せてスパッタリングを行うコスパッタ法を採用することができる。
【0047】
<変形例>
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、窒化物半導体レーザ素子10の光出射端面、キャップガラス20の一方の面(外側の面)、コリメートレンズ30の両面、ビームスプリッタ40の両面、及び、集光レンズ50の両面について、それぞれ、低反射層Aと汚染防止層Bが積層形成された構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、キャップガラス20の他方の面(内側の面)やフォトダイオード60の受光面についても、低反射層Aと汚染防止層Bが積層形成された構成とすることができる。
【0049】
CANパッケージ70の内部を予め清浄な状態にした上でCANパッケージ70を気密性の高い封止方法によって封止する場合、キャップガラス20の内側にはシロキサンがほとんど存在しないので、上記実施形態で示した通り、キャップガラス20の他方の面(内側の面)については、低反射層Aと汚染防止層Bのコーティングを省略することが可能である。一方、CANパッケージ70の内部を予め清浄な状態にすることなく気密性の高い封止方法によって封止した場合や、或いは、CANパッケージ70を気密性の低い封止方法によって封止する場合には、キャップガラス20の内側にもシロキサンが存在し得るので、キャップガラス20の一方の面(外側の面)だけでなく、他方の面(内側の面)についても、低反射層Aと汚染防止層Bのコーティングを施しておくことが望ましい。
【0050】
フォトダイオード60は、通常、レーザ光αの光量をモニタする部材であり、レーザ光αの一部が入射される。従って、フォトダイオード60に入射される光量は小さいので、フォトダイオード60の受光面の温度は上がりにくく、シロキサン分解物が付着するおそれも低い。従って、フォトダイオード60の受光面について、低反射層Aと汚染防止層Bのコーティングを省略しても、特段の問題は生じにくいと考えられる。ただし、コスト面で支障がないのであれば、フォトダイオード60の受光面についても低反射層Aと汚染防止層Bのコーティングを施しておくことは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、例えば、短波長で大出力のレーザ素子を利用した光学モジュールにおいて、気密封止されない光学部品の汚染を防止するための技術として利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 光学モジュール(半導体レーザモジュール)
10 窒化物半導体レーザ素子
20 キャップガラス
30 コリメーターレンズ
40 ビームスプリッタ
50 集光レンズ
60 フォトダイオード
70 CANパッケージ
A 低反射層(第1のコーティング)
B 汚染防止層(第2のコーティング)
C 高反射層
X 活性層
α レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長460nm以下のレーザ光を出射もしくは透過させる光学部品であって、
前記光学部品の表面上には、少なくとも一部に誘電体膜からなる第1のコーティングが施されており、
前記第1のコーティング上には、貴金属もしくは白金族元素を含有した誘電体膜からなる第2のコーティングが施されていることを特徴とする光学部品。
【請求項2】
前記第2のコーティングは、貴金属もしくは白金族元素の含有率が5at%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
【請求項3】
前記第2のコーティングは、厚さが100Å以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部品。
【請求項4】
前記光学部品が半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学部品。
【請求項5】
前記光学部品が半導体レーザのキャップガラスであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学部品。
【請求項6】
前記光学部品がコリメートレンズであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学部品。
【請求項7】
前記光学部品が集光レンズであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学部品。
【請求項8】
前記光学部品がビームスプリッタであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学部品。
【請求項9】
パッケージ内にマウントされてレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子により出射されたレーザ光を前記パッケージ外に導出するキャップガラスと、
前記キャップガラスにより導出されたレーザ光を平行とするコリメートレンズと、
前記コリメートレンズにより平行とされたレーザ光を分岐するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより分岐されたレーザ光を集光する集光レンズと、
を有する光学モジュールであって、
前記半導体レーザ素子、前記キャップガラス、前記コリメートレンズ、前記ビームスプリッタ、及び、前記集光レンズのうち、少なくとも一つの表面上には、少なくとも一部に誘電体膜からなる第1のコーティングが施されており、
前記第1のコーティング上には、貴金属もしくは白金族元素を含有した誘電体膜からなる第2のコーティングが施されていることを特徴とする光学モジュール。
【請求項10】
前記半導体レーザ素子は、波長460nm以下のレーザ光を出射することを特徴とする請求項9に記載の光学モジュール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−41005(P2013−41005A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176301(P2011−176301)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】