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光学部品用硬化性樹脂原料組成物、これを用いた光学部品、及びこれに用いられる新規化合物
説明

光学部品用硬化性樹脂原料組成物、これを用いた光学部品、及びこれに用いられる新規化合物

【課題】安定性を有し、かつ硬化物において透明性及び耐熱着色性に優れ、十分なガスバリア性を示し、クラックが生じにくい光学部品用硬化性樹脂原料組成物およびこれを用いた光学部品を提供する。
【手段】下記式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aを含有する光学部品用硬化性樹脂原料組成物。


(式中、A及びAは、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。ただしAとAとは異なる。Rは二重結合を含まない置換基を表す。nは0〜8の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂、光学部品用硬化性樹脂原料組成物、これを用いた光学部品、及びこれに用いられる新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDライトは、将来、白熱灯や蛍光灯に代わるものと期待されており、国内外で出力向上等の技術開発が活発に進められている。その照明としての適用範囲も多岐に渡ってきている。特に、近年、省エネへの意識の高まりを受けて、消費電力の低いLEDライトに注目が集まっており、照明業界各社がLED照明の商品開発にしのぎを削っている。
【0003】
LEDライトの種類を構造別にみると、砲弾型LED、表面実装型(SMD)、チップオンボード(COB)等が挙げられる。図1は表面実装型の1例を挙げたものである。この例では、セラミックや樹脂などで成型したリフレクターパッケージ基板2の中にLEDチップ7を実装している。そのキャビティは蛍光体を分散させたエポキシやシリコーンなどの樹脂(封止材)3で封止されている。キャビティ内側の面には反射板の機能を付与してあり、多くの光を取り出せる構造とされている。このLEDライトではさらにレンズ1が適用されており、集光された光が放射されるようになっている。
【0004】
上記の構造からも分かるとおり、LEDライトには、従来の白熱電球や蛍光灯とは異なる構造及び部材が必要であり、その開発は未だ十分にはなされているとはいえない。上述した封止材についても同様であり、現在エポキシ系もしくはシリコーン系の樹脂が主流であるが、さらなる性能向上のための開発検討、材料探索が求められている。例えば、特許文献1及び2には、アダマンタン系の化合物を用いた光学部品の樹脂原料組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−159410号公報
【特許文献2】特開2009−7304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LEDライトの封止材に求められる特性として、透明性、耐熱性、及びガスバリア性(外部からLED素子へのガスの浸入及び到達を防ぐ性質)が求められる。従来適用されてきたエポキシ系の樹脂では、高いガスバリア性を発揮しうるが耐熱性に劣る。逆にシリコーン系の樹脂では耐熱性は良いものの、ガスバリア性が低く、これらの特性の両立は難しい。
本発明者は、上記の各性能をバランス良く満たすことを前提に、さらにその上で液安定性が良く製造適正に優れ、しかも耐久性も改善された封止材の探索を行った。上記特性項目について様々な材料の性能評価を行ったが、上記特許文献1及び2に開示されたアダマンタン系の化合物を含む樹脂についてもやはり満足のいく性能の向上は見られなかった。
そこで、本発明は、安定性を有し、かつ硬化物において透明性及び耐熱着色性に優れ、十分なガスバリア性を示し、クラックが生じにくい光学部品用硬化性樹脂原料組成物およびこれを用いた光学部品の提供を目的とする。また、上記光学部品用材料として新規であり有用なアダマンタン誘導体化合物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は下記の手段により解決された。
(1)下記式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aを含有する光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【0008】
【化1】

(式中、A及びAは、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。ただしAとAとは異なる。Rは二重結合を含まない置換基を表す。nは0〜8の整数を表す。)
(2)さらに式(II)で表されるアダマンタン誘導体Bを含有し、式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aと下記式(II)で表されるアダマンタン誘導体Bとの含有量の合計が組成物全体の60質量%以上である(1)に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【0009】
【化2】

(式中、Aはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。Rは二重結合を含まない置換基を表す。mは0〜9の整数を表す。)
(3)さらに極性基を有する単官能性モノマーを含有するである(1)又は(2)に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
(4)前記アダマンタン誘導体Aが組成物全体の25質量%以上60質量%以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
(5)前記アダマンタン誘導体Aが組成物全体の25質量%以上60質量%以下であり、前記アダマンタン誘導体Bが組成物全体の0質量%超30質量%以下であり、さらに前記アダマンタン誘導体を含む単官能モノマーの割合が40質量%以上70質量%以下である(3)又は(4)に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
(6)前記アダマンタン誘導体Aとアダマンタン誘導体Bの含有量の合計が組成物全体の60質量%以上であり、さらに前記アダマンタン誘導体を含む単官能モノマーの割合が40質量%以上70質量%以下である(3)〜(5)のいずれか1項に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
(7)前記アダマンタン誘導体Aが下記式(III)で表される(1)〜(6)のいずれかのいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【0010】
【化3】

(8)前記アダマンタン誘導体Bがアダマンチルメタクリレートである(2)〜(7)のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
(9)前記光学部品がLEDである(1)〜(8)のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物のアダマンタン誘導体からなる重合性成分を重合成形して得られた部材を有する光学部品。
(11)(1)〜(9)のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物からなるLED封止材。
(12)下記構造式(III)で表されるアダマンタン誘導体化合物。
【0011】
【化4】

【発明の効果】
【0012】
本発明の光学部品用硬化性樹脂原料組成物は、安定性を有し、かつその硬化物としたときの透明性及び耐熱着色性に優れ、十分なガスバリア性を示し、クラックが生じにくい。また、この樹脂原料組成物を用いた光学部品は耐熱性及びガスバリア性をバランスよく発揮し、しかも高い耐クラック性を示す。さらに、本発明のアダマンタン誘導体化合物は上記光学部品用材料として新規であり有用である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】LEDライトの一例を模式的に示した断面図である。
【図2】実施例で調製した化合物1のNMRチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の樹脂原料組成物は、左右非対称な重合性官能基をもつアダマンタン誘導体を含有する。これにより、例えば液組成物としたときの安定性が高く、硬化物としたときの耐熱着色性及びガスバリア性に優れ、しかも高い耐久性を実現する。この理由は以下のように推定される。
アダマンタン骨格はその剛直な構造により酸化劣化が起こりにくいが、低級炭素などの置換基部位がある場合、酸化着色の原因になることがある。したがってマトリクスを形成する上で必要最小限の重合性基を直接アダマンタン構造に導入することが耐熱着色性向上には好ましい。
一方、剛直なアダマンタン構造は分子間の絡み合いに乏しく、力学強度に優れる硬化物を得るのが難しい。架橋マトリクスを形成することが強度向上には有効であるが、架橋構造に不均質な粗密が多い場合には、これが破断の起点となるため強靭な硬化物を得ることが難しくなる。多官能モノマーの架橋反応では反応の進行とともに成長鎖の運動性が急激に低下(反応性が低下)して不均質な架橋構造を形成しやすい。これに対し、本発明は、成長末端の急激な運動性低下を抑止し、アダマンタン構造に反応性の異なる2つの重合性基を導入することで、より均質な架橋マトリクスを得られた、クラック耐性の高い強靭な硬化物が得られたものと考えられる。また、2つの同じ重合性基を導入したものに比べて未反応重合性基の量も低減し、耐熱着色性の向上に寄与したと推定される。さらに、非対称な構造となることによる結晶性低下のため、左右対称のものでは成しえない、液組成物における顕著な安定化の向上が達成されたものと考えられる。以下、本発明の好ましい実施態様を中心に詳細に説明する。
【0015】
[アダマンタン誘導体A]
本発明においては、下記式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aを用いる。
【0016】
【化5】

【0017】
・A,A
及びAは、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。好ましくは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基である。ここで、AとAとは異なる基である。本発明においては、このAとAとが異なる点が重要であり、これを非対称型アダマンタンと呼ぶこととする。これは、従来適用されてきた重合性官能基が複数あったとしてもそれらが同一の対称型アダマンタンとは異なるものである。本発明においては、このような非対称型アダマンタンを用いることにより、硬化物における耐熱着色性及び耐クラック性を高いレベルで達成し、良好な組成物の安定性と実装製(製造適正)を実現することができる。とりわけ、単官能のアダマンタンと所定量で組み合わせたときの液組成物としての安定化作用は顕著であり、対称型アダマンタンに対して、大幅な特性の向上を図ることができる。
【0018】
・R、n
は二重結合を含まない置換基を表す。置換基としては、後述する置換基Tが挙げられる。nは0〜8の整数を表し、0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、0が特に好ましい。なかでも好ましくは、Rがメチル基もしくは無置換(n=0)であり、無置換が特に好ましい。
【0019】
前記アダマンタン誘導体Aは、下記式(III)で表されるものであることが好ましい。
【0020】
【化6】

【0021】
その他の化合物を含め、アダマンタン誘導体Aとして下記のものを例示することができる。ただし、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
【0022】
【化7】

D−1は式(III)と同じ化合物を意味する。
【0023】
[アダマンタン誘導体B]
本発明の樹脂原料組成物は、さらに式(II)で表されるアダマンタン誘導体Bを含有することが好ましい。
【0024】
【化8】

【0025】
・A
はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。好ましくは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基である。
【0026】
・R、m
は二重結合を含まない置換基を表す。mは0〜8の整数を表す。R、mの好ましい範囲は、R、nと同義である。なかでも好ましくはRがメチル基もしくは無置換(m=0)であり、無置換が特に好ましい。
【0027】
中でも、前記アダマンタン誘導体Bは、無置換のアダマンチルメタクリレートであることが好ましい。
なお、本明細書において「化合物」という語を末尾に付して呼ぶとき、あるいは特定の名称ないし化学式で示すときには、当該化合物そのものに加え、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
【0028】
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
【0029】
[組成]
本発明においては、式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aと下記式(II)で表されるアダマンタン誘導体Bとの含有量の合計が組成物全体の60質量%以上であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましく、60〜70質量%であることが特に好ましい。前記アダマンタンの合計量が前記上限値以上であることで、高い要求レベルにも十分に応える耐熱着色性が得られ好ましい。上記上限値以下とすることがクラックの観点から実際的である。
【0030】
本発明においては、前記アダマンタン誘導体Aが組成物全体の25質量%以上60質量%以下であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましく、25〜40質量%であることが特に好ましい。この量が前記上記下限値以上であることで、硬化物強度が効果的に保たれるため好ましい。一方、上記上限値以下とすることで硬化収縮が効果的に抑えられ好ましい。
【0031】
本発明においては、前記アダマンタン誘導体Bが組成物全体の0質量%超30質量%以下であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが特に好ましい。この量が前記上記下限値超であることで、高い耐熱性が得られ好ましい。一方、上記上限値以下とすることでクラックの観点から実際的である。
【0032】
本発明においては、さらに前記アダマンタン誘導体を含む単官能モノマーの割合が40質量%以上70質量%以下であることが好ましく、40質量%以上60質量%であることがより好ましく、40質量%以上50質量%であることが特に好ましい。この量が前記上記下限値以上であることで、硬化収縮が効果的に抑えられ好ましい。一方、上記上限値以下とすることで硬化物強度が効果的に保たれ好ましい。
【0033】
なお、本発明において組成物とは、2以上の成分が特定の組成で実質的に均一に存在していることを言う。ここで実質的に均一とは発明の作用効果を奏する範囲で各成分が偏在していていもよいことを意味する。また、組成物とは上記の定義を満たす限り形態は特に限定されず、流動性の液体やペーストに限定されず、複数の成分からなる固体や粉末等も含む意味である。さらに、沈降物があるような場合でも、攪拌により所定時間分散状態を保つようなものも組成物に含む意味である。
【0034】
[その他の成分]
以下に、本発明の樹脂原料組成物に用いることができる任意成分について説明する。
・その他の単官能モノマー
本発明においては、上記以外の単官能モノマーを用いることができ、極性基を有する単官能モノマーを含有することが好ましい。極性基としてはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などが上げられるが、好ましくはヒドロキシル基である。極性基を有する単官能モノマーを含有することでクラック耐性が向上する。
極性基を有する単官能モノマーとしては、下記式(A)で表されるものが好ましい。

CH=CR−(C=O)O−R−(A・・・ (A)

式(A)中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキレン基(環状アルキレン基を含む)、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数6〜24のアリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜10の鎖状アルキレン基、さらに好ましくは水素原子又は炭素数1〜5の鎖状アルキレン基、最も好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の鎖状アルキレン基である。Aは、極性基であり、好ましくはカルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基であり、さらに好ましくはリン酸基、ヒドロキシ基であり、最も好ましくはヒドロキシ基である。kは0〜4の整数である。
【0035】
・溶媒
本発明の樹脂原料組成物においては、溶媒を用いないことが好ましい。すなわち、前記アダマンタン誘導体AないしBが流動性を有し、それ自身が媒体を兼ね、液組成物を構成していることが好ましい。特に、重合硬化した際の不純物の混入を避ける観点からも、溶媒を用いない形態とすることが好ましい。換言すると、本発明においては、前記アダマンタン誘導体Aを採用することにより、好ましくはアダマンタン誘導体Bと組み合わせたときに、低粘度の塗布加工性に富む液組成物を構成しうる点で好ましい。
【0036】
・酸化防止剤
本発明の光学部品用樹脂原料組成物には必要に応じて酸化防止剤を含有させる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、チオエーテル酸化防止剤、ビタミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0037】
フェノール系酸化防止剤としては、Irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox3114(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox3125(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、アデカスタブAO−20(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−50(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−80(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−30(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−40(株式会社ADEKA、商標)、BHT(武田薬品工業(株)製、商標)、Cyanox1790(サイアナミド社製、商標)、SumilizerGP(住友化学(株)製、商標)、SumilizerGM(住友化学(株)製、商標)、SumilizerGS(住友化学(株)製、商標)及び、SumilizerGA−80(住友化学(株)製、商標)などの市販品を挙げることができる。
【0038】
リン系化合物としてはIRAGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS12(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS38(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS P−EPQ(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS126(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、ADKSTAB 329K(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB PEP−36(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB PEP−8(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB HP−10(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 2112(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 260(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 522A(株式会社ADEKA、商標)、Weston 618(GE社製、商標)、Weston 619G(GE社製、商標)、及びWeston 624(GE社製、商標)などの市販品を挙げることができる。
【0039】
イオウ系酸化防止剤としては、DSTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、DLTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、DLTOIB〔吉富(株)製、商標〕、DMTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、Seenox 412S〔シプロ化成(株)製、商標〕、Cyanox 1212(サイアナミド社製、商標)及びTP−D、TPS、TPM、TPL−R[住友化学(株)製、商標]等の市販品を挙げることができる。ビタミン系酸化防止剤としては、トコフェロール〔エーザイ(株)製、商標〕及びIrganoxE201〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クマロン−6−オール〕などの市販品を挙げることができる。
【0040】
チオエーテル系酸化防止剤としては、アデカスタブAO−412S(株式会社ADEKA製、商標)、アデカスタブAO−503(株式会社ADEKA製、商標)などの市販品を挙げることができる。ラクトン系酸化防止剤としては、特開平7−233160号公報及び特開平7−247278号公報に記載されているものを使用することができる。また、HP−136〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン〕などの市販品を挙げることができる。
【0041】
アミン系酸化防止剤としては、IrgastabFS042〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕及びGENOX EP〔クロンプトン社製、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド〕などの市販品を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ る。
【0042】
酸化防止剤の含有量は、光学部品用樹脂材料の透明性、黄変性の低下を抑制する観点から、前記誘導体A又はBとの合計量100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜2質量部である。
【0043】
・ラジカル重合開始剤
本発明の光学部品用樹脂原料組成物には、必要に応じてラジカル重合開始剤を配合することができる。
熱によって開裂して開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びm−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン及び2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びジブチルペルオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート及び1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサンなどのパーオキシカーボネート類;1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン及び(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
【0044】
ラジカル重合開始剤として、上記の熱ラジカル重合開始剤の他に、光、電子線又は放射線で開始ラジカルを生成するラジカル重合開始剤を用いることができる。
このようなラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔IRGACURE651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔IRGACURE184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔DAROCUR1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔IRGACURE2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン〔IRGACURE127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モノホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔IRGACURE379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〔DAROCUR TPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〔IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム〔IRGACURE784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]〔IRGACURE OXE 01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)〔IRGACURE OXE 02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕などを挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
ラジカル重合開始剤の使用量は、前記誘導体A又はBとの合計量100質量部に対して、通常0.01〜10質量部程度、好ましくは0.05〜5質量部である。熱による開始重合の場合は、ラジカル重合開始剤を含む原料組成物を通常40〜200℃程度に加熱して重合させることができる。光による開始重合の場合は、水銀キセノンランプなどを光源として用い、紫外光、可視光を原料組成物に照射することにより重合させることができる。
【0046】
・光安定剤等
本発明の原料組成物には、前記の酸化防止剤の他に、必要に応じて、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、無機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分などを配合することができる。滑剤としては、高級ジカルボン酸金属塩及び高級カルボン酸エステル等を使用することができる。
【0047】
光安定剤としては、公知のものを使用することができるが、好ましくはヒンダードアミン系光安定剤である。ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ADKSTAB LA−77、同LA−57、同LA−52、同LA−62、同LA−67、同LA−68、同LA−63、同LA−94、同LA−94、同LA−82及び同LA−87〔以上、株式会社ADEKA製〕、Tinuvin123、同144、同440及び同662、Chimassorb2020、同119、同944〔以上、CSC社製〕、Hostavin N30(Hoechst社製)、Cyasorb UV−3346、同UV−3526(以上、Cytec社製)、Uval 299(GLC)及びSanduvorPR−31(Clariant)などを挙げることができる。これらの光安定剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
光安定剤の使用量は、前記誘導体A又はBとの合計量100質量部に対して、通常、0.005〜5質量部であり、好ましくは0.02〜2質量部である。
酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分としては、シラン化合物のメタクリオキシ基やアクリロキシ基を含むシランカップリング剤などが挙げられる。これを上記原料組成物に含有させ、光学部品を重合、成形しても良い。
【0049】
[光学部品]
本発明の光学部品は、上記の原料組成物を重合・成形することによって作製した光学部材を具備してなる。原料組成物の重合に際し、前記誘導体A又はBとを主成分とするモノマー成分に上記ラジカル重合開始剤を加えて予備重合を行なってもよい。このような予備重合を行うことにより、原料組成物の粘度を調整することができる。
【0050】
重合・成形法としては通常の熱硬化性樹脂の成形と同様の方法を用いることができる。例えば、上記の原料組成物又はその予備重合物を用い、これらの液状樹脂の射出成形、圧縮成形、トランスファー成形及びインサート成形などで、重合・成形する方法が挙げられる。また、ポッティング加工やコーティング加工で成形体を得ることもできる。さらに、例えばUV硬化成形など光硬化樹脂の成形と同様の方法によっても成形体を得ることができる。
【0051】
本発明の光学部品ないしその部材は、液状樹脂成形法により製造されることが好ましい。液状樹脂成形法としては、常温で液状の原料組成物又はその予備重合物を高温の金型に圧入して加熱硬化させる液状樹脂射出成形、液状の原料組成物を金型に入れ、プレスによって加圧し、硬化させる圧縮成形、加温した液状の原料組成物に圧力をかけて金型に圧入することにより原料組成物を硬化させるトランスファー成形などが挙げられる。
【0052】
本発明の光学部品は特に限定されないが、LEDライトもしくはその部品であることが好ましい。LEDライトの種類は特に問わないが、砲弾型LED、表面実装型(SMD)、チップオンボード(COB)等が挙げられ、中でも、図1に示したような表面実装型のLEDライトが代表的である。上記本発明の光学部品用樹脂原料組成物は、前記図1のLEDライトで言うと、封止材3又はレンズ1の材料として使用することが好ましく、封止材3として使用することがより好ましい。
本発明の光学部品としてのLEDライトは、耐熱着色性が高く耐クラック性に優れるため、屋内の照明はもとより、屋外の照明ないしは自動車や旅客機、鉄道等の輸送機器の照明としても好適に対応することができる。
【実施例】
【0053】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
<モノマー合成例1:モノマー1の合成>
【化9】

【0055】
以下の反応は窒素雰囲気下で行った。
3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート80.0 g、トリエチルアミン51.4 gをテトラヒドロフラン1000.0 gに溶解させた。反応溶液を氷冷し、10℃以下を保ちつつ、アクリル酸クロリド46.0gを滴下した。室温に戻した後、2時間攪拌した。反応溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、MgSOを加え、ろ過、濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物D−1を84.6 gを得た(収率86.1%)。化合物D−1のNMRチャートは添付図2のとおりである。
【0056】
<硬化性樹脂組成物の調製>
全量が3.000 gとなるように表1に示すモノマーを混合し(必要に応じて加熱)、tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート(日本油脂(株)製 パーブチルO)を0.030 g加え、攪拌して均一にし、硬化性樹脂組成物を調製した。
【0057】
<耐熱着色性>
1mm厚みのガラス板をスペーサーとし、調整した組成物を2枚のガラス板で挟みこみ、ホットプレートにて90℃/10分、100℃/10分、110℃/10分、150℃/90分で加熱処理することで、ボタン状硬化物を得た。硬化物を200℃/16 時間オーブンで加熱し、加熱前後での400nmにおける透過率変化(UV可視分光計(島津製作所製 UV−1650PC)にて測定)を求めた。値が小さい方が、耐熱着色性に優れる。
【0058】
<液安定性>
上記の硬化性樹脂組成物の調製の際に、室温でモノマーが均一に溶解したものはA、50℃加熱が必要なものについてはB、溶液を1晩−25 ℃の冷凍庫保存することで析出するものについてはCとして評価した。
【0059】
<実装性>
3.0×2.0×1.0 mm(Al2O3)パッケージ(京セラ株式会社製 KD−V93B96−B)の凹部( 2.0×1.5×0.75 mmを、調整した硬化性樹脂組成物で充填し、130℃で30分、150℃で1時間30分硬化させ、該素子を封止した(n=10)。封止した素子を観察し、クラックが発生しているものの個数を数えた。
【0060】
<凹み>
レーザー変位計(キーエンス社製VK−9510)により、パッケージから樹脂との高さの差より凹み量を計算した。
【0061】
各項目の測定評価結果を下記表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
上表に記載のモノマーの構造は以下の通り。
c11の重合体:特開2010−84000号公報の具体例
c12の重合体:特開2010−159410号公報の実施例6
c13の重合体:特開2010−159410号公報の実施例5
c14の重合体:特開2010−159410号公報の実施例3
c15の重合体:特開2009−17304号公報の実施例1のモノマーを使用
【0064】
【化10】

【0065】
【化11】

【0066】
上記の結果より、本発明の光学部品用硬化性樹脂原料組成物(実施例)によれば、従来のアダマンタン系の原料樹脂に比し、組成物としての安定性に優れ、大幅に改善された実装性を実現することができることが分かる。さらに、硬化物としたときの耐熱着色性に優れ、クラックが生じにくいことが分かる。
さらに個別に見ると、試験101,102とc11とから本発明の顕著な効果が読み取れる。すなわち、二官能モノマーとして対称形のもの(D−3)から、非対称型のもの(D−1)にすると、耐熱着色性、実装性、液安定性、成形性(凹み)が大幅に良化することが分かる。
試験101と102との対比から、特定のアダマンタン誘導体AないしBの含有量を好適化することで、耐熱着色性、実装性、成形性が高まることが分かる。さらに、上記特定のアダマンタン誘導体A及びBの量を調節したり、所定の単官能モノマーと組み合わせることで、上記所性能を良化することができることが分かる。
なお、上記本発明の光学部品用硬化性樹脂原料組成物(実施例)によれば、その硬化物が実用上十分なガスバリア性と透明性とを示すことも併せて確認した。
【符号の説明】
【0067】
1 レンズ
2 リフレクターパッケージ基材
3 封止材
4 電極
5 コーティング剤
6 ボンディングワイヤー
7 LED素子
10 LEDライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aを含有する光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【化1】

(式中、A及びAは、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。ただしAとAとは異なる。Rは二重結合を含まない置換基を表す。nは0〜8の整数を表す。)
【請求項2】
さらに式(II)で表されるアダマンタン誘導体Bを含有し、式(I)で表されるアダマンタン誘導体Aと下記式(II)で表されるアダマンタン誘導体Bとの含有量の合計が組成物全体の60質量%以上である請求項1に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【化2】

(式中、Aはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基から選ばれる基である。Rは二重結合を含まない置換基を表す。mは0〜9の整数を表す。)
【請求項3】
さらに極性基を有する単官能性モノマーを含有するである請求項1又は2に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【請求項4】
前記アダマンタン誘導体Aが組成物全体の25質量%以上60質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【請求項5】
前記アダマンタン誘導体Aが組成物全体の25質量%以上60質量%以下であり、前記アダマンタン誘導体Bが組成物全体の0質量%超30質量%以下であり、さらに前記アダマンタン誘導体を含む単官能モノマーの割合が40質量%以上70質量%以下である請求項3又は4に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【請求項6】
前記アダマンタン誘導体Aとアダマンタン誘導体Bの含有量の合計が組成物全体の60質量%以上であり、さらに前記アダマンタン誘導体を含む単官能モノマーの割合が40質量%以上70質量%以下である請求項3〜5のいずれか1項に記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【請求項7】
前記アダマンタン誘導体Aが下記式(III)で表される請求項1〜6のいずれかのいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【化3】

【請求項8】
前記アダマンタン誘導体Bがアダマンチルメタクリレートである請求項2〜7のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【請求項9】
前記光学部品がLEDである請求項1〜8のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物のアダマンタン誘導体からなる重合性成分を重合成形して得られた部材を有する光学部品。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の光学部品用硬化性樹脂原料組成物からなるLED封止材。
【請求項12】
下記構造式(III)で表されるアダマンタン誘導体化合物。
【化4】


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−28706(P2013−28706A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165356(P2011−165356)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】