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光安定性に優れた医薬製剤
説明

光安定性に優れた医薬製剤

【課題】HMG−CoA還元酵素阻害剤であるピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを含有する光安定性に優れた医薬製剤の提供。
【解決手段】ピタバスタチン又はその塩若しくはエステル、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を用いて製造された顆粒を錠剤化してなる錠剤(ただし、割線錠剤を除く)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HMG−CoA還元酵素阻害剤であるピタバスタチン、その塩又はそのエステルを含有する光安定性に優れた医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ピタバスタチン、その塩又はそのエステル(以下、ピタバスタチン類という)は優れたHMG−CoA還元酵素阻害活性を示し、高脂血症治療剤、高コレステロール血症治療剤、アテローム性動脈硬化症治療剤等として有用であることが知られており(特許文献1参照)、苦味防止のためピタバスタチンを内包した基剤にフィルムコーティングを施した固形製剤として上市されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−279866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、最近になってこのピタバスタチン類は光安定性が低く、後述のごとく、曝光によって分解物である閉環体1、閉環体2及び5−ケト体が生じることが発明者らの研究により判明した。そのため、例えば割線錠のように一錠を分割して使用することを前提にした製剤では、分割断面の曝光によりピタバスタチンの分解が起こり、基剤に対しても何らかの耐光性付与処理を施す必要があることが新たな知見として判明した。割線錠は、個々の患者の服用量管理を最適にし、処方の際の融通性を高めるため、いわゆるコンプライアンスの向上を目的として開発が求められている。
【0005】
光に対して不安定な薬物の固形製剤化に関しては、カプセルに内包させることやコーティングを施すことによる光安定性向上方法が知られている。例としては、タルクや硫酸バリウム等の遮光剤で被覆して耐光性を付与した製剤(特開2002−212104号公報)、酸化チタンを含む剤皮で素顆粒をコーティングしたセルチンドール含有製剤(国際公開97/39752号パンフレット)、固体分散化した製剤に遮光剤と着色剤を含むコート液でスプレーすることを特徴とするアラニジピン含有組成物(特開2003−104887号公報)等が挙げられる。
また、コーティングを施すのではなく、固形製剤の基剤に特定の物質を含有させることによる光安定性向上方法も知られている。この例としては、黄色又は赤色の色素を配合することによる光に不安定な脂溶性薬物の光安定性向上製剤(特開2000−7583号公報)が挙げられる。また、着色剤を添加することによる光に不安定な薬物の光安定性向上製剤(特開2000−191516号公報)が挙げられ、更に酸化チタンを配合することによって光安定性をより一層向上出来ることが報告されている。
しかし、錠剤のフィルムコーティング以外にピタバスタチン類の光分解を抑える方法は知られておらず、割線錠剤や、顆粒剤、細粒剤に適したピタバスタチン類を含有した医薬製剤またはその製剤の製造方法は全く知られていないのが現状であった。
【0006】
従って本発明は、ピタバスタチン類を含有する光安定性に優れた医薬製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前述のごとくピタバスタチン類は曝光により化学構造が変化し、下記の構造の分解化合物が生じることを見出した。
【0008】
【化1】

【0009】
具体的には、光の照射により、(3R,5S)−5−[(8R)−6−シクロプロピル−7,8−ジヒドロ−10−フルオロベンゾ[k]フェナントリジン−8−イル]−3,5−ジヒドロキシペンタン酸(以下、閉環体1とよぶ)、(3R,5S)−5−[(8S)−6−シクロプロピル−7,8−ジヒドロ−10−フルオロベンゾ[k]フェナントリジン−8−イル]−3,5−ジヒドロキシペンタン酸(以下、閉環体2とよぶ)及び(3R,6E)−7−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]−3−ヒドロキシ−5−オキソ−6−ヘプテン酸(5−ケト体とよぶ)の3種の分解物が生成することが判明した。
上記の分解物が生成されると、製剤中のピタバスタチンの含量を一定に保つことが不可能となり、十分な治療効果を得られないことが懸念される。
【0010】
そこで、本発明者らは、前記3種の分解物の生成防止手段について種々検討を行ったところ、光遮断剤として広く用いられている酸化チタンを配合すると閉環体の生成は防止できるが、5−ケト体の生成は十分に防止できないことを見出した。さらに検討したところ、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を配合した場合に、5−ケト体の生成が防止できることを見出した。そして、酸化チタンと400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を併用した場合にはじめて、ピタバスタチン類の閉環体及び5−ケト体の両方の生成が防止された医薬製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、ピタバスタチン又はその塩若しくはエステル、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を用いて製造された顆粒を錠剤化してなる錠剤(ただし、割線錠剤を除く)を提供するものである。
また、本発明は、上記の錠剤の外層に、酸化チタンを含有するコーティング液でフィルムコーティングを施してなるフィルムコーティング錠を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤と共に造粒して顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤と共に造粒し、次いで該造粒物を酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを造粒し、次いで該造粒物を400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングした後、さらに酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを酸化チタンと共に造粒し、次いで該造粒物を400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤の製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを造粒し、次いで該造粒物を酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングした後、さらに400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、製剤に含まれるピタバスタチン類の光安定性が維持される。従って、例えば服用前に分割する割線錠剤でも、ピタバスタチン類の曝光による分解が抑制され、有効性の高い高脂血症治療や高コレステロール血症治療が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明で用いるピタバスタチン類は、ピタバスタチン((3R,5S,6E)−7−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸):米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報)、その塩又はそのエステル(ラクトン環形成体も含む)を包含し、これらの水和物、医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も包含される。ピタバスタチン類は、前記のように優れたHMG−CoA還元酵素阻害剤であって、高脂血症や高コレステロール血症等の治療薬として有用であることが知られている。
ピタバスタチンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。また、そのエステルとしては、炭素数1〜6の低級アルキルエステルが挙げられ、例えばメチルエステル、エチルエステル、i−プロピルエステル、n−プロピルエステル等が挙げられる。これらのうち、ピタバスタチン類としては、ピタバスタチンの塩が好ましく、特にカルシウム塩が好ましい。
ピタバスタチン類は、米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報に記載の方法により製造することができる。
【0015】
ピタバスタチン類の本発明医薬製剤中の含有量は、特に限定されないが、製剤全量に対して0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量%であり、特に好ましくは0.5〜4質量%である。
【0016】
本発明で用いる酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型のどちらの結晶形でもよい。市販品としては、ルチル型では酸化チタンNA−65(東邦チタニウム社)、アナターゼ型では酸化チタンA−HR(TIOXIDE社)等が挙げられる。
酸化チタンの本発明医薬製剤中の含有量は、ピタバスタチン類の分解防止の面から、製剤全量に対して0.01〜25質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%である。
【0017】
本発明に使用される着色剤は、400nm〜500nmにUV吸収曲線の極大吸収波長を有するが、特に450nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤が好ましい。着色剤としては、例えば食用黄色5号(極大吸収波長482±2nm)、黄色4号(極大吸収波長428±2nm)等が挙げられ、特に食用黄色5号が好ましい。これらのUV吸収曲線における極大吸収波長は、分光光度計(U−3010:日立製作所製)等を用いて測定することができる。
【0018】
着色剤の本発明医薬製剤中の含有量は、ピタバスタチン類の分解防止の面から、製剤全量に対して0.001〜4質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。
【0019】
本発明の医薬製剤は、前記の如く、ピタバスタチン類と酸化チタンと400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有していればよく、その剤形としては経口固形製剤であれば特に限定されず、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル剤等が挙げられる。また、常法に従って、フィルムコーティングを施しフィルムコーティング剤としてもよい。錠剤としては、速溶錠及び徐放錠のいずれにもすることができるが、速溶剤とするのが好ましい。
例えば錠剤は、必要に応じて薬学的に許容される担体を加えて打錠することによって製造でき、カプセル剤は、カプセルに充填することによって製造できる。更に錠剤は、分割を容易にするため少なくとも一本の溝からなる割線を持ち、服用前に分割される割線錠剤としても良く、服用時に割線錠剤を分割した場合、割った錠剤表面が曝光されても錠剤内部の造粒物は上述のごとく光安定処理がなされていることになる。本発明においては、特に割線錠剤とするのが好ましい。
【0020】
本発明の医薬製剤は、ピタバスタチン類の安定性維持の点から、顆粒剤を製造した後に、カプセル剤、錠剤等の他の剤形にするのが好ましい。
【0021】
本発明の医薬製剤の例である顆粒としては、(1)ピタバスタチン類、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有する造粒物(顆粒);(2)ピタバスタチン類及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有する造粒物と、該造粒物の外層に、酸化チタンを含有するコーティング層を有する顆粒;(3)ピタバスタチン類を含有する造粒物と、該造粒物の外層に、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有する中間層と、該中間層の外層に、酸化チタンを含有するコーティング層を有する顆粒;(4)ピタバスタチン類及び酸化チタンを含有する造粒物と、該造粒物の外層に、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング層を有する顆粒;(5)ピタバスタチン類を含有する造粒物と、該造粒物の外層に、酸化チタンを含有する中間層と、該中間層の外層に、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング層を有する顆粒が挙げられる。
【0022】
これらの顆粒のうち(1)の顆粒は、ピタバスタチン類を酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤と共に造粒することにより製造できる。
また(2)の顆粒は、ピタバスタチン類を400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤と共に造粒した後、その造粒物に酸化チタンを含むコーティング液でコーティングを施すことにより製造できる。
また(3)の顆粒は、ピタバスタチン類を造粒した後、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングし、さらに酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングを施すことにより製造できる。
また(4)の顆粒は、ピタバスタチン類を酸化チタンと共に造粒した後、その造粒物を400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングを施すことにより製造できる。
また(5)の顆粒は、ピタバスタチン類を造粒した後、酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングし、さらに400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングを施すことにより製造できる。
【0023】
造粒には公知の技術、例えば流動層造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法、噴霧造粒法等が利用でき、コーティングにはパンコーティング法、転動コーティング法、流動コーティング法等が利用できる。流動層造粒は同一の装置で造粒、コーティング及び乾燥の全てを行うことが出来るので、特に好ましい。
【0024】
顆粒は、必要に応じて薬学的に許容される担体を含んでいてもよく、斯かる担体は、ピタバスタチン類、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤のうちの1つ又は2つ以上と適宜混合して加えることができる。
【0025】
上記の顆粒はそれ自体顆粒剤として用いることが出来るが、顆粒を薬学的に許容される担体と適宜混合し、常法により前記の種々の剤形に製剤化することができる。
【0026】
本発明において、ピタバスタチン類、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤のうちの1つ又は2つ以上と混合できる担体、あるいは顆粒と混合できる担体としては、乳糖、コーンスターチ、変性コーンスターチ、木材セルロース、微結晶セルロース、炭酸カルシウム等の賦形剤(増量剤);ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)等の結合剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルボキシスターチナトリウム、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク等の滑沢剤等が挙げられ、これらを単独または組み合わせて使用できる。更に必要に応じて、他の成分、例えば甘味剤、矯味剤、着色剤、香料等を配合してもよい。
【0027】
また、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、マルトース、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、トレハロース、フルクトース、シクロデキストリン、エリスリトール、還元パラチノース、ラクチトール等の糖類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール(部分けん化物)等のポリビニル誘導体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレンオキシド重合体;ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40等の油脂類などを配合しても良い。
【0028】
本発明の医薬製剤には、ピタバスタチン類の経時安定性を向上させる目的で、顆粒の水溶液又は水分散液のpHを6.8以上、特に6.8〜7.8にし得る塩基性物質を配合するのが好ましい。塩基性物質としては、例えばメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び炭酸水素ナトリウムのような制酸剤;L−アルギニン、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、クエン酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウム、塩化アンモニウム及び安息香酸ナトリウムのようなpH調節剤などを挙げることができる。これらのうちメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、L−アルギニン、リン酸水素二カリウムの使用が特に好ましい。
ここでいうpHは、本発明の製剤の単位投与量の5w/v%懸濁液のpH値である。
【0029】
本発明において、造粒物をコーティングするのに用いられるコーティング液、あるいは製剤にフィルムコーティングを施すのに用いられるコーティング液の成分としては、例えば生分解性ポリマー、セルロース誘導体、(メタ)アクリル酸系(共)重合体、アルキレンオキシド重合体、油脂類、シリコーン類、キチン、キトサン、カゼイン、トラガントガム、グアガム、ジェランガム及びアラビアゴム等が挙げられる。
生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリオルソエステル、ポリアミノ酸、ゼラチン等が挙げられる。
【0030】
セルロース誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、セルロースアセチルフタレート、セルロースジアセチルフタレート、セルローストリアセチルフタレート、ポリオキシエチルセルロースフタレート、ヒドロキシエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、酢酸セルロース、及びこれらの塩等が挙げられる。
【0031】
(メタ)アクリル酸系(共)重合体としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸重合体、アクリル酸メチル重合体、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエーテル重合体等が挙げられる。
【0032】
アルキレンオキシド重合体としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0033】
油脂類としては、硬化油、モノグリセライド、トリグリセライド、ワックス、高級脂肪酸、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、シリコーン油やジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、シリコーン消泡剤、シリコーン樹脂エマルジョン等のジメチルポリシロキサンの混合物等が挙げられる。
【0034】
また、コーティング液には、混合用徐放性成分を配合してもよい。混合用徐放性成分としては、生分解性ポリマー、デンプン類、デキストラン類、セルロース誘導体、(メタ)アクリル酸系(共)重合体、アルキレンオキシド重合体、油脂類、カラギーナン、キチン、キトサン、カゼイン、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、パラフィン、シリコーン類、アラビアゴム、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリリジン、ポリアルギニン、アルギン酸、ペクチン酸、キサンタンガム等が挙げられる。
【0035】
生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリオルソエステル、ポリアミノ酸、ゼラチン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルブミン、カゼイン、グロブリン、グルテン等が挙げられる。
【0036】
デンプン類としては、α化アミロデンプン、ゼラチン化デンプン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシエチルデンプン、リン酸化デンプン、酸処理デンプン、酸化デンプン、ジアルデヒドデンプン、シンポイリングスターチ、デキストリン等が挙げられる。
デキストラン類としては、デキストラン、デキストラン硫酸、カルボキシメチルデキストラン等が挙げられる。
【0037】
セルロース誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、セルロースアセチルフタレート、セルロースジアセチルフタレート、セルローストリアセチルフタレート、ポリオキシエチルセルロースフタレート、ヒドロキシエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、酢酸セルロース、及びこれらの塩等が挙げられる。
【0038】
(メタ)アクリル酸系(共)重合体としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸重合体、アクリル酸メチル重合体、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエーテル重合体等が挙げられる。
【0039】
アルキレンオキシド重合体としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0040】
油脂類としては、硬化油、硬化ヒマシ油、オリーブ油、モノグリセライド、トリグリセライド、ワックス、高級脂肪酸、ショ糖脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸グリセリンエステル等が挙げられる。
【0041】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、シリコーン油やジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、シリコーン消泡剤、シリコーン樹脂エマルジョン等のジメチルポリシロキサンの混合物等が挙げられる。
【0042】
本発明の医薬製剤の投与量は、患者の体重、年齢、性別、疾患の種類及び症状によって適宜に選択されるが、ピタバスタチン類としては、1日あたり0.1〜40mg、好ましくは1〜20mgを1日1回から数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
実施例1
ピタバスタチンカルシウム200g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム250g、乳糖4778g、D−マンニトール5000g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース1200g、酸化チタン240g(酸化チタンNA−65:東邦チタニウム)を混合し、均質な粉末混合物を調製し、予め精製水4000mLに溶解したヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 200g、サンセットイエローFCF 12g(黄色5号:三栄源エフ・エフ・アイ)を噴霧する流動層造粒法にて顆粒化した。この顆粒にステアリン酸マグネシウム120gを混合して打錠し、ピタバスタチンカルシウムを含有する割線錠剤(1錠120mg、直径7.0mm)を得た。この割線錠剤に、精製水6000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 480g、クエン酸トリエチル100gを溶解させ、更に酸化チタン60g、含水二酸化ケイ素60gを分散した溶液にて常法によるフィルムコーティングを施し、フィルムコーティング錠(1錠127mg、直径7.1mm)を得た。
【0045】
実施例2
サンセットイエローFCFの配合量を1.2g、乳糖4788.8gとして、実施例1と同様に調製した。
【0046】
実施例3
サンセットイエローFCFの配合量を120g、乳糖4670gとして、実施例1と同様に調製した。
【0047】
実施例4
酸化チタンの配合量を60g、乳糖4958gとして、実施例1と同様に調製した。
【0048】
実施例5
酸化チタンの配合量を120g、乳糖4898gとして、実施例1と同様に調製した。
【0049】
実施例6
酸化チタンの配合量を600g、乳糖4418gとして、実施例1と同様に調製した。
【0050】
実施例7
酸化チタンの配合量を1200g、乳糖3818gとして、実施例1と同様に調製した。
【0051】
実施例8
酸化チタンをアナターゼ型(酸化チタンA−HR:TIOXIDE)にして使用し、実施例1と同様に調製した。
【0052】
実施例9
ピタバスタチンカルシウム200g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム250g、乳糖4778g、D−マンニトール5000g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース1200gを混合し、均質な粉末混合物を調製し、予め精製水2000mLに溶解したヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 100g、サンセットイエローFCF 12gを噴霧する流動層造粒法にて顆粒化した。この顆粒に、予め精製水2000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 100gを溶解した後、酸化チタン240gを分散した液を流動層造粒機にて噴霧し、打錠顆粒を得た。この打錠顆粒にステアリン酸マグネシウム120gを混合して打錠し、ピタバスタチンカルシウムを含有する割線錠剤(1錠120mg、直径7.0mm)を得た。この割線錠剤に、精製水6000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 480g、クエン酸トリエチル100gを溶解させ、更に酸化チタン60g、含水二酸化ケイ素60gを分散した溶液にて常法によるフィルムコーティングを施し、フィルムコーティング錠(1錠127mg、直径7.1mm)を得た。
【0053】
比較例1
市販のピタバスタチン類含有製剤(リバロ錠2mg(Lot:DC5A、製造販売元:興和株式会社))を用いた。
【0054】
比較例2
サンセットイエローFCFを配合せず、実施例1と同様に調製した。
【0055】
比較例3
サンセットイエローFCFをエリスロシン(極大吸収波長;526±2nm、赤色3号、癸巳化成)に変更して、実施例1と同様に調製した。
【0056】
比較例4
酸化チタンを配合せず、実施例1と同様に調製した。
【0057】
試験例
実施例1〜9及び比較例1〜4で得られた割線錠剤を中心線に沿って半分に分割した直後、それぞれの錠剤表面に白色蛍光灯下にて10万lx・h及び20万lx・hを照射させたときの閉環体1、閉環体2及び5−ケト体の含量(質量%)を測定した。分解物の含量は、HPLC法により測定した(LC2010C:島津製作所製)。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
白色蛍光灯を20万lx・h照射時に分解物が0.15%以上検出される場合を、光に不安定とした。
現行製剤(比較例1)、サンセットイエローFCF無配合製剤(比較例2)、サンセットイエローFCFにかえてエリスロシン(赤色3号:癸巳化成)を配合した製剤(比較例3)、酸化チタン無配合製剤(比較例4)はいずれも、20万lx・h照射後の製剤中の閉環体1、閉環体2及び5−ケト体含量は、いずれか1つ以上が0.15%を超えていた。すなわち、酸化チタンのみの配合では(比較例2)、閉環体の生成は防止できたが、5−ケト体の生成は防止できなかった。また、黄色5号のみの配合では(比較例4)、5−ケト体の生成は防止できたが、閉環体の生成は防止できなかった。また、酸化チタンと赤色3号の併用では(比較例3)、5−ケト体の生成が防止できなかった。
一方、実施例1〜8の製剤は、20万lx・h照射後の製剤中の閉環体1、閉環体2及び5−ケト体含量は、いずれも0.15%以下で、光安定性に優れていた。中でも、実施例9が最も優れた光安定性を示した製剤であった。
【0060】
製造例1
ピタバスタチンカルシウム200g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム250g、乳糖4778g、D−マンニトール5000g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース1200gを混合し、均質な粉末混合物を調製したのち流動層造粒法にて顆粒化した。これに、予め精製水2000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 100gを溶解した後、サンセットイエローFCF 12g(黄色5号:三栄源エフ・エフ・アイ)を分散した液を流動層造粒機にて噴霧し、コーティング顆粒を得た。更に、予め精製水2000mLに溶解したヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 100g、酸化チタン240g(酸化チタンNA−65:東邦チタニウム)を流動層造粒機にて噴霧し、打錠顆粒を得た。この顆粒にステアリン酸マグネシウム120gを混合して打錠し、ピタバスタチンカルシウムを含有する錠剤(1錠120mg、直径7.0mm)を得た。この錠剤に、精製水6000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 480g、クエン酸トリエチル100gを溶解させ、更に酸化チタン60g、含水二酸化ケイ素60gを分散した溶液にて常法によるフィルムコーティングを施し、フィルムコーティング錠(1錠127mg、直径7.1mm)を得た。
【0061】
製造例2
ピタバスタチンカルシウム200g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム250g、乳糖4778g、D−マンニトール5000g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース1200g、酸化チタン240g(酸化チタンNA−65:東邦チタニウム)を混合し、均質な粉末混合物を調製したのち流動層造粒法にて顆粒化した。この顆粒に、予め精製水2000mLに溶解したヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 200g、サンセットイエローFCF 12g(黄色5号:三栄源エフ・エフ・アイ)を噴霧する流動層造粒法にて打錠顆粒を得た。この顆粒にステアリン酸マグネシウム120gを混合して打錠し、ピタバスタチンカルシウムを含有する錠剤(1錠120mg、直径7.0mm)を得た。この錠剤に、精製水6000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 480g、クエン酸トリエチル100gを溶解させ、更に酸化チタン60g、含水二酸化ケイ素60gを分散した溶液にて常法によるフィルムコーティングを施し、フィルムコーティング錠(1錠127mg、直径7.1mm)を得た。
【0062】
製造例3
ピタバスタチンカルシウム200g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム250g、乳糖4778g、D−マンニトール5000g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース1200gを混合し、均質な粉末混合物を調製したのち流動層造粒法にて顆粒化した。これに、予め精製水2000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 100gを溶解した後、酸化チタン240g(酸化チタンNA−65:東邦チタニウム)を分散した液を流動層造粒機にて噴霧し、コーティング顆粒を得た。更に、予め精製水2000mLに溶解したヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 100g、サンセットイエローFCF 12g(黄色5号:三栄源エフ・エフ・アイ)を流動層造粒機にて噴霧し、打錠顆粒を得た。この顆粒にステアリン酸マグネシウム120gを混合して打錠し、ピタバスタチンカルシウムを含有する錠剤(1錠120mg、直径7.0mm)を得た。この錠剤に、精製水6000mLにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 480g、クエン酸トリエチル100gを溶解させ、更に酸化チタン60g、含水二酸化ケイ素60gを分散した溶液にて常法によるフィルムコーティングを施し、フィルムコーティング錠(1錠127mg、直径7.1mm)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステル、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を用いて製造された顆粒を錠剤化してなる錠剤(ただし、割線錠剤を除く)。
【請求項2】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステル、酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を造粒してなる顆粒を錠剤化したものである請求項1記載の錠剤。
【請求項3】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステル及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有する造粒物の外層に、酸化チタンを含有するコーティング層を有する顆粒を錠剤化したものである請求項1記載の錠剤。
【請求項4】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを含有する造粒物の外層に、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有する中間層と、該中間層の外層に、酸化チタンを含有するコーティング層を有する顆粒を錠剤化したものである請求項1記載の錠剤。
【請求項5】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステル及び酸化チタンを含有する造粒物の外層に、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング層を有する顆粒を錠剤化したものである請求項1記載の錠剤。
【請求項6】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを含有する造粒物の外層に、酸化チタンを含有する中間層と、該中間層の外層に、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング層を有する顆粒を錠剤化したものである請求項1記載の錠剤。
【請求項7】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを0.01〜15質量%、酸化チタンを0.01〜25質量%、400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を0.001〜4質量%含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項8】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルがピタバスタチンカルシウムである請求項1〜7のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項9】
400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤が食用黄色5号である請求項1〜8のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項10】
速溶錠である請求項1〜9のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項記載の錠剤の外層に、酸化チタンを含有するコーティング液でフィルムコーティングを施してなるフィルムコーティング錠。
【請求項12】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを酸化チタン及び400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤と共に造粒して顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤(ただし、割線錠剤を除く)の製造方法。
【請求項13】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤と共に造粒し、次いで該造粒物を酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤(ただし、割線錠剤を除く)の製造方法。
【請求項14】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを造粒し、次いで該造粒物を400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングした後、さらに酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤(ただし、割線錠剤を除く)の製造方法。
【請求項15】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを酸化チタンと共に造粒し、次いで該造粒物を400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤(ただし、割線錠剤を除く)の製造方法。
【請求項16】
ピタバスタチン又はその塩若しくはエステルを造粒し、次いで該造粒物を酸化チタンを含有するコーティング液でコーティングした後、さらに400nm〜500nmに極大吸収波長を有する着色剤を含有するコーティング液でコーティングして顆粒を製造した後、これを錠剤化する、錠剤(ただし、割線錠剤を除く)の製造方法。

【公開番号】特開2013−14610(P2013−14610A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205519(P2012−205519)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2007−542721(P2007−542721)の分割
【原出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】