説明

光強度制御装置

【課題】本発明は、光バースト信号のGTを狭くしても光強度を制御可能である光強度制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光強度制御装置301は、入力される複数のフレームからなる入力バースト信号の光強度を電気信号として検出する検出部10と、前記入力バースト信号の光強度をフレーム毎に調整して出力バースト信号として出力する光出力部20と、検出部10で検出した前記入力バースト信号の光強度の電気信号から前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、前記出力バースト信号のフレーム毎の光強度が所定の値となるようにフレーム毎に調整量を算出して光出力部20へ調整信号として送信する制御部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光バースト信号の各フレームの光強度を一定にする光強度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光加入者ネットワークでは、PON(Passive Optical Network)方式が広く採用されている。IEEEでは、すでに商用化されているG−EPON(Gigabit Ethernet(登録商標) PON)はもとより、次世代システムである10G−EPONの標準化を終えている。またITU−Tでは、すでに商用化されているB−PON(Broadband PON)、およびG−PON(Gigabit−capable PON)の標準化を終えており、次世代システムであるXG−PONの標準化を進めている。
【0003】
図1に、PONシステムの構成を示す。PONは、収容局と複数の加入者が、所外に配置された光スプリッタを介して、一本の光ファイバで結合されるネットワーク構成であり、上り信号と下り信号が異なる波長により、同一光ファイバ上を双方向に伝送される。下り信号は、加入者ごとの信号が、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)技術を用いて多重された連続信号であり、加入者に配置される送受信装置(ONU:Optical Network Unit)は、光スプリッタにおいて分岐された連続信号から、自身に必要なタイムスロットの信号を取り出す。また、上り信号は、ONUから間欠的に送信されるバースト信号であり、光スプリッタで結合されてTDM信号となり、収容局に送られる。本システムでは、収容局から光スプリッタまでの光ファイバ、および収容局に配置される送受信装置(OLT:Optical Line Terminal)を、複数の加入者で共用化できることから、ギガを超える高速の光アクセスサービスを、経済的に提供することができる。
【0004】
PONにおける大きな課題の一つが、上り信号を受信する光受信器の実現である。上り信号は、加入者から光スプリッタまでの距離の違い、ONU内の送信器出力の個体差などにより、OLTに送られるバースト信号の強度にばらつきが生じる。B−PON、G−EPON、G−PONは、商用システムであり、強度ばらつきの大きなバースト信号が入力された場合であっても、電気段において受信信号の振幅を一定に制御し、エラーフリー動作を行う光受信器がすでに実現されている。以下、光受信器が対応することのできる強度ばらつきの範囲をダイナミックレンジと呼ぶ。それに対して10G−EPONでは、受信信号の振幅をより高速に制御する必要があることから、ダイナミックレンジの広い光受信器の実現が課題となっている。
【0005】
一方、高速に変動する光信号の強度を、光段においてフィードバック回路を用いて一定に制御する光強度制御装置が提案されている(例えば、非特許文献1を参照。)。図2に、その構成を示す。本装置は、光強度減衰器、分岐器、光電気変換器、制御回路、駆動回路から構成される。分岐器は、光強度減衰器の後段に配置され、分岐された光信号の一部をタップし、光電気変換器において電気信号に変換される。制御回路は、電気信号の振幅から光信号の強度を読み取り、光信号の目標値とのずれを算出する。駆動回路は、算出された目標値とのずれに応じた駆動信号を送出し、光強度減衰器を駆動する。本手法は、光加入者ネットワークを対象として開発されたものではないが、図1の光スプリッタとOLT間のいずれかの位置に配置することにより、光受信器の前記課題を解決するものと期待できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「電気光学型可変光減衰器を用いた高速光オートレベルコントローラの開発」2006年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会(C−3−24)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、強度の異なるバースト信号が次々に入力されることは、光受信器の場合と同様である。各バースト信号間は、ガードタイム(GT)と呼ばれる信号の存在しない時間により分離されているが、スループットを大きくするためには、このGTを出来るだけ短くするのが望ましい。図2の構成では、フィードバック制御方式を用いているため、入力光強度が一定に制御されるまでに、光可変減衰器の応答速度の10倍以上の制御時間が必要である。GTを狭くすれば制御不能となり、逆に広くすればスループットが低下する。結局、実現困難であることは、光受信器の場合と同様である。すなわち、従来のフィードバック制御方式の光強度制御装置には、スループット向上が困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、光バースト信号のGTを狭くしても光強度を制御可能である光強度制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る光強度制御装置は、入力バースト光信号の強度を出力において一定の目標値となるようフィードフォワード制御することとした。
【0010】
具体的には、本発明に係る光強度制御装置は、入力される複数のフレームからなる入力バースト信号の光強度を電気信号として検出する検出部と、前記入力バースト信号の光強度をフレーム毎に調整して出力バースト信号として出力する光出力部と、前記検出部で検出した前記入力バースト信号の光強度の電気信号から前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、前記出力バースト信号のフレーム毎の光強度が所定の値となるようにフレーム毎に調整量を算出して前記光出力部へ調整信号として送信する制御部と、を備える。
【0011】
本光強度制御装置は、フィードフォワード制御を採用することでGTを短くすることができる。従って、本発明は、光バースト信号のGTを狭くしても光強度を制御可能である光強度制御装置を提供することができる。
【0012】
本発明に係る光強度制御装置の前記検出部後の前記入力バースト信号を遅延させ、前記入力バースト信号のフレームと該フレームに対する前記調整信号が前記光出力部へ到着するタイミングを調整する光遅延器をさらに備えることを特徴とする。本光強度制御装置はバースト信号のGTや制御部の応答時間に合わせることが容易になる。
【0013】
本発明に係る光強度制御装置の前記制御部は、前記入力バースト信号のフレームのプリアンブルの部分での光強度を前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度とすることを特徴とする。本光強度制御装置はプリアンブル部の“0”又は“1”が連続する区間が短いため出力バースト信号からデータ消滅することを防止できる。
【0014】
本発明に係る光強度制御装置の前記制御部は、前記入力バースト信号の光強度の電気信号の振幅を一定周期でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器の前記デジタル信号から前記入力バースト信号のフレームの立上りと立下りを検出することで前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、フレーム毎に前記調整量を算出するデジタル制御回路と、前記デジタル制御回路で算出したフレーム毎の前記調整量をアナログ信号に変換し、前記調整信号とするD/A変換器と、を有することを特徴とする。本光強度制御装置はデジタル信号処理を利用することでアナログ制御より電気回路を安価に構成することができる。
【0015】
本発明に係る光強度制御装置の前記デジタル制御回路は、前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得する際に、検出した前記入力バースト信号のフレームの立上り後の前記デジタル信号のサンプリングデータを所定量スキップすることを特徴とする。本光強度制御装置は立上りが緩やかなフレームのバースト信号にも対応できる。
【0016】
本発明に係る光強度制御装置の前記デジタル制御回路は、前記デジタル信号のサンプリングデータが所定数連続して予め設定した閾値を超える場合又は下回る場合に、それぞれ前記入力バースト信号のフレームの立上り又は立下りと判断することを特徴とする。本光強度制御装置はフレームの立上り及び立下りの誤認を防止できる。
【0017】
本発明に係る光強度制御装置の前記デジタル制御回路は、前記デジタル信号のN個(Nは3以上の整数)のサンプリングデータのうち、M個(Mは2以上N以下の整数)が予め設定した閾値を超える場合又は下回る場合に、それぞれ前記入力バースト信号のフレームの立上り又は立下りと判断することを特徴とする。本光強度制御装置はフレームの立上り及び立下りの誤認を防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、光バースト信号のGTを狭くしても光強度を制御可能である光強度制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】PONシステムの構成を示す図である。
【図2】従来の光強度制御装置を説明する図である。
【図3】本発明に係る光強度制御装置を説明する図である。
【図4】出力バースト信号からデータ信号が消滅する場合を説明する図である。
【図5】プリアンブル部を利用した光強度の制御方法を説明する図である。
【図6】プリアンブル部を利用した光強度の制御方法を説明する図である。
【図7】プリアンブル部を利用した光強度の制御方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(構成)
図3は、本実施形態の光強度制御装置の構成例である。光強度制御装置301は、入力される複数のフレームからなる入力バースト信号の光強度を電気信号として検出する検出部10と、前記入力バースト信号の光強度をフレーム毎に調整して出力バースト信号として出力する光出力部20と、検出部10で検出した前記入力バースト信号の光強度の電気信号から前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、前記出力バースト信号のフレーム毎の光強度が所定の値となるようにフレーム毎に調整量を算出して光出力部20へ調整信号として送信する制御部30と、を備える。
【0021】
制御部30は、前記入力バースト信号の光強度の電気信号の振幅を一定周期でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器31と、A/D変換器31の前記デジタル信号から前記入力バースト信号のフレームの立上りと立下りを検出することで前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、フレーム毎に前記調整量を算出するデジタル制御回路32と、デジタル制御回路32で算出したフレーム毎の前記調整量をアナログ信号に変換し、前記調整信号とするD/A変換器33と、を有する。
【0022】
検出部10は、分岐器11と光電気変換器12を有する。分岐器11は、入力バースト信号の一部を分岐する。光電気変換器12は、分岐された入力バースト信号をバースト電気信号に変換する。
【0023】
制御部30は、バースト電気信号から入力バースト信号の光強度を読み取り、出力バースト信号の光強度の目標値とのずれを算出する。
【0024】
光出力部20は、駆動回路21と光強度調整器22を有する。駆動回路21は、算出されたずれに応じた駆動信号を送出する。光強度調整器22は、駆動信号により駆動され、入力バースト信号の光強度を調整して出力バースト信号として出力する。光強度調整器22として、光強度減衰器や光増幅器を用いることができる。光強度調整器22として光増幅器を用いれば、出力バースト信号の光強度を増幅でき、伝送距離を増加させることができる。
【0025】
光強度制御装置301は、検出部10後の入力バースト信号を遅延させ、入力バースト信号のフレームと該フレームに対する調整信号が光出力部20へ到着するタイミングを調整する光遅延器40をさらに備えてもよい。光遅延器40は、入力光強度を検出された光信号が光強度調整器22に入力されるタイミングと、駆動信号が光強度調整器22により駆動されるタイミングを一致させるために必要な長さを有する。
【0026】
光強度制御装置301は、検出部10、制御部30及び光出力部20からなるフィードフォワード制御方式を利用した構成により、入力バースト光信号の強度を、出力において一定の目標値となるよう制御することができる。
【0027】
(制御方法)
バースト信号は、受信に際して同期を取るためのプリアンブルが付加された複数フレームから成り、各フレーム間は、GTにより分離されている。バースト信号長は短いので、フレームごとの光強度を高速に検出する必要がある。具体的には、制御部30において以下のように行う。
【0028】
A/D変換器31は、バースト電気信号の振幅を一定周期でサンプリングしてデジタル信号に変換する。デジタル制御回路32は、サンプリングデータによりバースト電気信号を構成するフレームごとのエッジの立上り及び立下りを検出する。図4のように立上り及び立ち下がりは、サンプリングデータが、予め設定した閾値を越えるか、下回るかで判断する。立上り及び立下りの時刻の決定は、閾値を越える直前、または直後のサンプリングポイントの時間位置を立上り時刻(T)、閾値を下回った直後、または直前のサンプリングポイントの時間位置を立下り時刻(T)とするのが簡便であるが、その限りではない。図4では、それらの中間点で規定した場合を示している。
【0029】
また、デジタル制御回路32は、隣り合う複数サンプリングデータを平均化し、帯域を絞ることで、信号対雑音比を改善し、エッジ検出の誤りを防ぐことができる。
【0030】
制御部30は、入力バースト信号のフレームのプリアンブルの部分での光強度を入力バースト信号のフレーム毎の光強度とする。デジタル制御回路32は、フレームごとの光強度を立上り直後のプリアンブルにおけるサンプリングデータから判断する。プリアンブル内のデータであれば何れを用いることもできるが、複数データの平均値を取ることにより、信号対雑音比を改善することが望ましい。また、デジタル制御回路32は、検出された入力バースト信号のフレームの光強度と出力バースト信号のフレームの光強度の目標値とのずれを算出する。D/A変換器33は、算出結果をアナログ信号に変換する。
【0031】
なお、制御部30は、フレームごとの光強度を検出するために、バースト電気信号の包絡線に相当する波形を得る必要がある。このため、制御部30は、光電気変換器12からA/D変換器31に至るまでの間の帯域をアナログ的に制限するか、デジタル制御回路32においてA/D変換されたサンプリングデータをデジタルフィルタに透過させる必要がある。
【0032】
以上の構成によれば、次の効果を得ることができる。
【0033】
まず、光強度制御装置301は、デジタル信号処理を利用することで、アナログ制御を行うより電気回路を安価に構成することができる。アナログ回路に比べて、デジタル回路は、信号処理に要する時間が長くなるが、分岐器11と光強度調整器22との間に光遅延器40を挿入することで、その点を補うことができる。具体的には、光遅延器40が遅延する時間は、光電気変換器12から制御部30、駆動回路21、光強度調整器22の各構成において生じる遅延時間の合計によって決定される。
【0034】
次に、光強度制御装置301は、フレームの立上り及び立下りを検出することで、光強度調整器22の応答遅れによるフレーム波形の切り取られを防ぐことができる。具体的には、図4に示すように、光強度調整器22の応答速度を考慮して、立上りにおいてはそれ以前から、立下りにおいてはその後から光強度調整器22を動作させることで対応できる。
【0035】
さらには、光強度制御装置301は、光強度の検出を、プリアンブルにおけるサンプルデータを元に行うことにより、“0連続区間”、“1連続区間”が長く続く場合であっても、安定した出力を得ることができる。図4は、フレームが、長く続く“0連続区間”及び“1連続区間”により構成される場合を例示している。図に示されるように、各時刻におけるサンプリングデータにより、連続した制御を行うと、“0”と“1”のレベル差が小さくなるように制御が行われることから、出力波形からデータ信号が消えてしまうという問題が生じる。図5に示すように、一般に、プリアンブルには、“0”と“1”の交番など、ペイロードと比較して“0連続区間”及び“1連続区間”が長く続かないパターンが用いられる。光強度制御装置301は、これを利用して、光強度の検出をプリアンブルで行うことにより、出力波形からデータ信号が消滅するという問題を防ぐことが可能となる。プリアンブルで入力バースト信号のフレームの光強度を判断することは、64B/66B変換により、長い“0連続区間”及び“1連続区間”が現れる10G−EPONにおいて特に有効である。
【0036】
以上の説明は、バースト信号フレームの立上り及び立下りが急峻な場合を想定していたが、緩やかな場合もある。例えば、光送信器のバースト信号に対する応答速度が遅い場合や、エッジ検出において、隣り合う複数サンプリングデータを平均化した場合が該当する。この場合、図6のように、閾値を超えた直後、数点のサンプリングデータは、求められている入力光強度のレベルに至っていない。これらを用いて光強度の検出を行うと、出力バースト信号のフレームの光強度が目標値から大きくずれることになる。
【0037】
光強度制御装置301は、立上りの検出後、予め設定した点数のサンプリングデータをスキップし、フレーム波形が十分に立上がった位置のデータを用いることで、これを防ぐことができる。なお、立上り及び立下り時刻の決定を図3に例示した通りに行うと、実際のフレーム波形の立上り及び立下り時刻とのずれが生じる。このため、光強度制御装置301は、立上り及び立下り時間を決定する際の定義を適宜変更するか、このずれを考慮してスキップ数を決めるかにより対応する。
【0038】
GTのサンプルデータは値が小さいため信号対雑音比が悪く、時には閾値を超える値が検出され得る。そのため、特に、立上りの検出にエラーが生じやすくなる。先述の通り、隣り合う複数サンプリングデータを平均化することでこれを防ぐことができるが、バースト信号のエッジが緩やかになるため、その分だけ光強度検出に用いることのできるプリアンブルが短縮される。そこで、制御部30は、複数データを平均化するのではなく、複数のサンプリングデータが連続して予め設定した閾値を越える、もしくはそれ以上の場合に立上りを検出することで、エッジ検出のエラー、および光強度検出に用いることのできるプリアンブルの短縮を防ぐことができる。連続するデータ数が大きいほど、エッジ検出の精度が向上する。図7は、2番目のサンプリング点が、GTであるにも関わらず、閾値を越えた値と判断された場合を示している。前述のエッジ検出方法では、2番のサンプル点の位置で立上りを検出してしまい、エッジ検出にエラーが生じる。一方、本方式では、7番目と8番目のサンプル点が閾値を越えた時点で、立上りを正しく検出している。閾値を越えるサンプル点を連続して検出する必要はなく、N(3以上)個のデータうちM(2以上)個がそれに該当するといった検出手法でもよい。Mの値が大きいほど、エッジ検出の精度は向上する。
【0039】
一方、閾値を越えて誤って値が検出されるのは、GTのサンプルデータのみであるとすれば、立下りの検出はサンプルデータが1点でも閾値を下回った場合に行えばよい。しかし、ペイロードには、長く続く“0連続区間”が含まれるため、誤って立下りを検出する可能性もある。図4では、閾値を十分に上回る光強度を有するフレームを例示しているが、閾値を若干上回る程度の光強度を有するフレームでは、“0連続区間”のサンプル点のうち幾つかが閾値を下回ることが予想される。そこで、制御部30は、フレームの複数のサンプリングデータが連続して予め設定した閾値を下回る、もしくはそれ以下の場合に立下りを検出することで、これを防ぐことができる。連続するデータ数が大きいほど、より長く続く“0連続区間”に対して、立下り検出の誤りを防ぐことができる。立上りの検出と同様、N(3以上)個のサンプリングデータのうちM(2以上)個が、閾値を下回る、もしくはそれ以下の場合に、立下りを検出してもよい。Mの値が大きいほど、“0連続区間”が長く続く場合であっても、立下りの検出に誤りが生じにくくなる。
【符号の説明】
【0040】
10:検出部
11:分岐器
12:光電気変換器
20:光出力部
21:駆動回路
22:光強度調整器
30:制御部
31:A/D変換器
32:デジタル制御回路
33:D/A変換器
40:光遅延器
301:光強度制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される複数のフレームからなる入力バースト信号の光強度を電気信号として検出する検出部と、
前記入力バースト信号の光強度をフレーム毎に調整して出力バースト信号として出力する光出力部と、
前記検出部で検出した前記入力バースト信号の光強度の電気信号から前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、前記出力バースト信号のフレーム毎の光強度が所定の値となるようにフレーム毎に調整量を算出して前記光出力部へ調整信号として送信する制御部と、
前記検出部後の前記入力バースト信号を遅延させ、前記入力バースト信号のフレームと該フレームに対する前記調整信号が前記光出力部へ到着するタイミングを調整する光遅延器とを備え、
前記制御部は、
前記入力バースト信号のフレームのプリアンブルの部分での光強度を前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度とすることを特徴とする光強度制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記入力バースト信号の光強度の電気信号の振幅を一定周期でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器の前記デジタル信号から前記入力バースト信号のフレームの立上りと立下りを検出することで前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得し、フレーム毎に前記調整量を算出するデジタル制御回路と、
前記デジタル制御回路で算出したフレーム毎の前記調整量をアナログ信号に変換し、前記調整信号とするD/A変換器と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光強度制御装置。
【請求項3】
前記デジタル制御回路は、
前記入力バースト信号のフレーム毎の光強度を取得する際に、検出した前記入力バースト信号のフレームの立上り後の前記デジタル信号のサンプリングデータを所定量スキップすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光強度制御装置。
【請求項4】
前記デジタル制御回路は、
前記デジタル信号のサンプリングデータが所定数連続して予め設定した閾値を超える場合又は下回る場合に、それぞれ前記入力バースト信号のフレームの立上り又は立下りと判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光強度制御装置。
【請求項5】
前記デジタル制御回路は、
前記デジタル信号のN個(Nは3以上の整数)のサンプリングデータのうち、M個(Mは2以上N以下の整数)が予め設定した閾値を超える場合又は下回る場合に、それぞれ前記入力バースト信号のフレームの立上り又は立下りと判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光強度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−38525(P2013−38525A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171490(P2011−171490)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504243718)株式会社トリマティス (24)
【Fターム(参考)】