光情報記録再生装置、光情報記録再生方法、光情報記録媒体
【課題】
ホログラフィを利用した光情報記録再生装置において、装置間の参照光角度のゼロ点及び単位量のばらつきを補正し、装置間で互換性の高い記録再生を行うことができる光情報記録再生装置とその方法、及び光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】
光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生するために適した参照光角度を検出し、該検出角度情報を基に記録あるいは再生時の参照光角度のゼロ点及び単位量を補正する。
ホログラフィを利用した光情報記録再生装置において、装置間の参照光角度のゼロ点及び単位量のばらつきを補正し、装置間で互換性の高い記録再生を行うことができる光情報記録再生装置とその方法、及び光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】
光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生するために適した参照光角度を検出し、該検出角度情報を基に記録あるいは再生時の参照光角度のゼロ点及び単位量を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィを用いて光情報記録媒体に情報を記録再生する装置、方法、及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、青紫色半導体レーザを用いたBlu−ray Disc(TM)規格により、民生用においても100GB程度の記録密度を持つ光ディスクの商品化が可能となっている。今後は、光ディスクにおいても500GBを超える大容量化が望まれる。しかしながら、このような超高密度を光ディスクで実現するためには、従来の短波長化と対物レンズ高NA化による高密度化技術とは異なる新しい方式による高密度化技術が必要である。
【0003】
次世代のストレージ技術に関する研究が行われる中、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録技術が注目を集めている。ホログラム記録技術として、例えば特開2004−272268号公報(特許文献1)がある。本公報には、参照光の光情報記録媒体への入射角度を変えながら異なるページデータを空間光変調器に表示して多重記録を行う、いわゆる角度多重記録方式が記載されている。さらに本公報には、信号光をレンズで集光してそのビームウエストに開口(空間フィルタ)を配することにより、隣接するホログラムの間隔を短くする技術が記載されている。
【0004】
また、ホログラム記録技術として、例えばWO2004−102542号公報(特許文献2)がある。本公報には、1つの空間光変調器において内側の画素からの光を信号光、外側の輪帯状の画素からの光を参照光として、両光束を同じレンズで光情報記録媒体に集光し、レンズの焦点面付近で信号光と参照光を干渉させてホログラムを記録するシフト多重方式を用いた例が記述されている。
【0005】
ホログラム再生時の再生用レーザの調整技術として、例えば特開2007−256949号公報(特許文献3)がある。本公報には、「ホログラフィックメモリ媒体に、ラジアルチルト方向の基準入射角度を規定するための基準チルトホログラムを記録しておく。記録/再生動作時には、まず、基準チルトホログラムの記録位置に参照光を照射し、その受光状態から、ラジアルチルト方向における参照光の基準入射角度(基準角度Sr)を検出する。そして、ホログラフィックメモリ媒体をラジアルチルト方向に変位させるチルトアクチュエータ19を駆動制御して、参照光のラジアルチルト方向の入射角度を基準角度Srに整合させる。しかる後、ホログラフィックメモリ媒体に信号光および参照光を照射して、記録/再生動作を実行する。」と記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−272268号公報
【特許文献2】WO2004−102542号公報
【特許文献3】特開2007−256949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ホログラフィを利用した光情報記録再生装置においては、情報を記録再生する際に参照光の角度を制御することが重要であるが、異なる装置間では参照光角度のゼロ点及び単位量にばらつきがあり、装置間で互換性の高い記録再生を行うことが難しいという問題がある。
【0008】
特許文献3に記載の技術では、予め基準ホログラムを参照し参照光角度を調整することにより、ディスクチルトあるいは装置間の参照光角度のゼロ点の違いに対応することは可能であるが、装置間の参照光角度の単位量のばらつきに対応することは出来ない。
【0009】
本発明は上記問題を鑑みなされたものであり、互換性の高い記録再生を行うことができる光情報記録再生装置とその方法、及び光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため、本発明では一例として特許請求の範囲記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置間で互換性の高い記録再生が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の概要を表す模式図
【図2】光情報記録再生装置の実施例を表す構成図
【図3】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す図
【図4】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す図
【図5】光情報記録再生装置の動作フローの実施例を表す図
【図6】光情報記録媒体の実施例を表す図
【図7】角度補正用データ再生時の再生光強度と参照光角度の関係の例を表す図
【図8】光情報記録再生装置の媒体装着時の実施例を表すフローチャート
【図9】光情報記録再生装置の参照光角度補正の動作の実施例を表すフローチャート
【図10】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す図
【図11】角度補正用データに対応した参照光角度検索時における回折光角度と検出位置の関係の例を表す概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明における第1の実施例について図1から図9を用いて説明する。
【0015】
図2はホログラフィを利用してデジタル情報を記録および/または再生する光情報記録媒体の記録再生装置を示すブロック図である。
【0016】
光情報記録再生装置10は、入出力制御回路92を介して外部制御装置93と接続されている。記録する場合には、光情報記録再生装置10は外部制御装置93から記録する情報信号を入出力制御回路92により受信する。再生する場合には、光情報記録再生装置10は再生した情報信号を入出力制御回路92により外部制御装置93に送信する。
【0017】
光情報記録再生装置10は、ピックアップ11、再生用参照光光学系12、キュア光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14、及び回転モータ50を備えており、光情報記録媒体1は回転モータ50によって回転可能な構成となっている。
【0018】
ピックアップ11は、参照光と信号光を光情報記録媒体1に出射してホログラフィを利用してデジタル情報を記録媒体に記録する役割を果たす。この際、記録する情報信号はコントローラ89によって信号生成回路86を介してピックアップ11内の空間光変調器に送り込まれ、信号光は空間光変調器によって変調される。
【0019】
光情報記録媒体1に記録した情報を再生する場合は、ピックアップ11から出射された参照光を記録時とは逆の向きに光情報記録媒体に入射させる光波を再生用参照光光学系12にて生成する。再生用参照光によって再生される再生光をピックアップ11内の後述する光検出器によって検出し、信号処理回路85によって信号を再生する。
【0020】
光情報記録媒体1に照射する参照光と信号光の照射時間は、ピックアップ11内のシャッタの開閉時間をコントローラ89によってシャッタ制御回路87を介して制御することで調整できる。
【0021】
キュア光学系13は、光情報記録媒体1のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する役割を果たす。プリキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録する際、所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する前工程である。ポストキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録した後、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する後工程である。
【0022】
ディスク回転角度検出用光学系14は、光情報記録媒体1の回転角度を検出するために用いられる。光情報記録媒体1を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学系14によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてコントローラ89によってディスク回転モータ制御回路88を介して光情報記録媒体1の回転角度を制御する事が出来る。
【0023】
光源駆動回路82からは所定の光源駆動電流がピックアップ11、キュア光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14内の光源に供給され、各々の光源からは所定の光量で光ビームを発光することができる。
【0024】
また、ピックアップ11、そして、ディスクキュア光学系13は、光情報記録媒体1の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路81を介して位置制御がおこなわれる。
【0025】
角度検出回路90は、情報の記録あるいは再生前に、光情報記録媒体1内の角度補正用領域内に記録された角度補正用データを再生した信号及び対応する参照光角度をピックアップ11から取り込み、該角度補正用データを再生するために適した参照光角度を検出し、角度補正回路91に出力する。参照光角度の検出方法の詳細例については後に説明する。
【0026】
角度補正回路91は、角度補正用データを再生するために適した参照光角度を角度検出回路90から取り込み、該参照光角度及び理論的に予想される参照光角度から、参照光角度のゼロ点及び単位量の補正値を算出し、コントローラ89に出力する。参照光角度のゼロ点及び単位量の補正値の算出方法の詳細例については後に説明する。
【0027】
ところで、ホログラフィの角度多重の原理を利用した記録技術は、参照光角度のずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向がある。
【0028】
従って、ピックアップ11内に、参照光角度のずれ量を検出する機構を設けて、サーボ信号生成回路83にてサーボ制御用の信号を生成し、サーボ制御回路84を介して該ずれ量を補正するためのサーボ機構を光情報記録再生装置10内に備えることが必要となる。
【0029】
また、ピックアップ11、キュア光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14は、いくつかの光学系構成または全ての光学系構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0030】
図3は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の基本的な光学系構成の一例における記録原理を示したものである。光源201を出射した光ビームはコリメートレンズ202を透過し、シャッタ203に入射する。シャッタ203が開いている時は、光ビームはシャッタ203を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子204によってp偏光とs偏光の光量比が所望の比になるようになど偏光方向が制御された後、PBS(Polarization Beam Splitter)プリズム205に入射する。
【0031】
PBSプリズム205を透過した光ビームは、信号光206として働き、ビームエキスパンダ208によって光ビーム径が拡大された後、位相マスク209、リレーレンズ210、PBSプリズム211を透過して空間光変調器212に入射する。
【0032】
空間光変調器212によって情報が付加された信号光は、PBSプリズム211を反射し、リレーレンズ213ならびに空間フィルタ214を伝播する。その後、信号光は対物レンズ215によって光情報記録媒体1に集光する。
【0033】
一方、PBSプリズム205を反射した光ビームは参照光207として働き、偏光方向変換素子216によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー217ならびにミラー218を経由してガルバノミラー219に入射する。ガルバノミラー219はアクチュエータ220によって角度を調整可能のため、レンズ221とレンズ222を通過した後に光情報記録媒体1に入射する参照光の入射角度を、所望の角度に設定することができる。なお、参照光の入射角度を設定するために、ガルバノミラーに代えて、参照光の波面を変換する素子を用いても構わない。
【0034】
このように信号光と参照光とを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、光情報記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを光情報記録媒体に書き込むことで情報を記録する。また、ガルバノミラー219によって光情報記録媒体1に入射する参照光の入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0035】
以降、同じ領域に参照光角度を変えて記録されたホログラムにおいて、1つ1つの参照光角度に対応したホログラムをページと呼び、同領域に角度多重されたページの集合をブックと呼ぶことにする。
【0036】
図4は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の基本的な光学系構成の一例における再生原理を示したものである。記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光を光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームを、アクチュエータ223によって角度調整可能なガルバノミラー224にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0037】
この位相共役光によって再生された信号光は、対物レンズ215、リレーレンズ213ならびに空間フィルタ214を伝播する。その後、信号光はPBSプリズム211を透過して光検出器225に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0038】
図5は、光情報記録再生装置10における記録、再生の動作フローを示したものである。ここでは、特にホログラフィを利用した記録再生に関するフローを説明する。
【0039】
図5(a)は、光情報記録再生装置10に光情報記録媒体1を挿入した後、記録または再生の準備が完了するまでの動作フローを示し、図5(b)は準備完了状態から光情報記録媒体1に情報を記録するまでの動作フロー、図5(c)は準備完了状態から光情報記録媒体1に記録した情報を再生するまでの動作フローを示したものである。
【0040】
図5(a)に示すように媒体を挿入すると(401)、光情報記録再生装置10は、例えば挿入された媒体がホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する媒体であるかどうかディスク判別を行う(402)。
【0041】
ディスク判別の結果、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する光情報記録媒体であると判断されると、光情報記録再生装置10は光情報記録媒体に設けられたコントロールデータを読み出し(403)、例えば光情報記録媒体に関する情報や、例えば記録や再生時における各種設定条件に関する情報を取得する。
【0042】
コントロールデータの読み出し後は、コントロールデータに応じた各種調整やピックアップ11に関わる学習処理(404)を行い、光情報記録再生装置10は、記録または再生の準備が完了する(405)。
【0043】
準備完了状態から情報を記録するまでの動作フローは図5(b)に示すように、まず記録するデータを受信して(411)、該データに応じた情報をピックアップ11内の空間光変調器に送り込む。
【0044】
その後、光情報記録媒体に高品質の情報を記録できるように、必要に応じて例えば光源301のパワー最適化やシャッタ303による露光時間の最適化等の各種記録用学習処理を事前に行う(412)。
【0045】
その後、シーク動作(413)ではアクセス制御回路81を制御して、ピックアップ11ならびにキュア光学系13の位置を光情報記録媒体の所定の位置に位置づけする。光情報記録媒体1がアドレス情報を持つ場合には、アドレス情報を再生し、目的の位置に位置づけされているか確認し、目的の位置に配置されていなければ、所定の位置とのずれ量を算出し、再度位置づけする動作を繰り返す。
【0046】
その後、キュア光学系13から出射する光ビームを用いて所定の領域をプリキュアし(414)、ピックアップ11から出射する参照光と信号光を用いてデータを記録する(415)。
【0047】
データを記録した後は、キュア光学系13から出射する光ビームを用いてポストキュアを行う(416)。必要に応じてデータをベリファイしても構わない。
【0048】
準備完了状態から記録された情報を再生するまでの動作フローは図5(c)に示すように、まずシーク動作(421)で、アクセス制御回路81を制御して、ピックアップ11ならびに再生用参照光光学系12の位置を光情報記録媒体の所定の位置に位置づけする。光情報記録媒体1がアドレス情報を持つ場合には、アドレス情報を再生し、目的の位置に位置づけされているか確認し、目的の位置に配置されていなければ、所定の位置とのずれ量を算出し、再度位置づけする動作を繰り返す。
【0049】
その後、ピックアップ11から参照光を出射し、光情報記録媒体に記録された情報を読み出し(422)、再生データを送信する(413)。
【0050】
図6は光情報記録媒体の実施例を表している。光情報記録媒体1内には、情報記録用領域とは別に角度補正用領域2がある。該角度補正用領域2には予め決まったパターンの角度補正用データが、予め決まった参照光角度で記録される。これらの角度補正用データのパターンや記録参照光角度等の角度補正用データに関する情報は光情報記録媒体自身に保存されていても良いし、装置あるいは装置を制御する機器あるいは光情報記録媒体を格納するカートリッジに保存されていても構わない。
【0051】
なお、該角度補正用データは媒体出荷時に予め記録しておいても良いし、最初に光情報記録媒体を記録する装置が記録しても良い。また、該角度補正用データに含まれるページデータはデータ部と同様のパターンでも良いし、ブラッグ選択性の強くでる部分にのみデータを配置しても良い。なお、ブラッグ選択性の強くでる部分でページを構成する方法としては、例えば、参照光と信号光のなす角度が光情報記録媒体中でなるべく大きくなるようなページパターンとする方法が考えられる。ブラッグ選択性の強くでる部分のみでページを構成することで、再生光強度の参照光角度に対する半値幅が狭くなるため、正確な参照光角度の検出が可能となる。図6では、角度補正用領域2が光情報記録媒体1の中央部に描かれているが、角度補正用領域2はこの位置に限定されるものでは無く、内周部、外周部等の任意の位置で構わなく、複数個用意されていても構わない。光情報記録媒体の中央部に配置する利点としては、例えば、隣接記録部からの膨張収縮やクロストークの影響が等方的であるため、外乱の影響による参照光角度の検出誤差を抑えることができる点がある。内周部や外周部に配置する利点としては、角度補正用データを管理領域等に配置することが出来るため、ユーザーデータと角度補正用データの区別が用意になり再生中の処理が煩雑にならないという点が挙げられる。
【0052】
図7は角度補正用データ再生時の再生光強度と参照光角度の関係の例を表している。角度補正用データを再生する際は、例えば参照光角度を微小に変えながら再生光強度を検出する。このとき、参照光角度を横軸に、再生光強度を縦軸にグラフ化すると図示されるように、記録ページ数と同一数のN本のピークが観察される。該角度補正用データNページを再生するために適した参照光角度θ1からθNは、例えば参照光角度範囲をN個に分割した各領域で再生光強度が最大となる参照光角度とすれば良いし、再生光強度が所定の閾値を超える参照光角度としてもよい。
【0053】
参照光角度のゼロ点及び単位量を補正する際は例えば次のように行う。Nページの角度補正用データを再生するために適した参照光角度をθ1からθNとし、理論的に予想される検出予想角度をφ1からφNとする。検出予想角度は光情報記録媒体あるいは媒体を格納するカートリッジに設けられたメモリ、装置のメモリまたは装置を制御する機器のメモリに保存されている角度補正用データに関する情報から算出する。本検出予想角度は、記録時の参照光角度としても良いし、ポストキュアによる媒体収縮や温度変化による媒体の膨張収縮の影響を考慮して算出しても構わない。このとき、参照光角度の単位量の補正係数αは例えば次式で表される。
【0054】
【数1】
【0055】
記録再生する際には参照光角度θの値をα倍する。一方、参照光角度のゼロ点補正値Δθは例えば次式で表される。
【0056】
【数2】
【0057】
参照光角度θの補正後の値は、これらのα及びΔθを用いてαθ+Δθとなる。なお、α及びΔθは上式に限定されるものでは無く、例えばα=(φN-φ1)/(θN-θ1)、Δθ=φN/2-αθN/2として平均を取らない式を用いても良い。
【0058】
なお、所定の角度領域に分けて、参照光角度のゼロ点及び単位量の補正を行なってもよい。これにより、角度領域に応じて参照光角度のずれが大きく異なる場合の影響を考慮して、本補正を行なうことが出来る。
【0059】
また、参照光角度の単位量を補正する必要がない場合は、補正係数αを1とすればよい。
【0060】
図8は、光情報記録再生装置の媒体装着時の実施例を表すフローチャートを示している。光情報記録再生装置に光情報記録媒体を装着時は、まず501により未記録媒体かの判断を行う。媒体への情報記録に関する情報は、例えば媒体自体や媒体を格納するカートリッジに設けられたコントロールデータ領域に記録することで管理し、501では該コントロールデータ領域を参照することで判断する。未記録媒体の場合は502により角度補正用データを光情報記録媒体内の角度補正用領域に記録する。その後、503により情報の記録再生を実施する。501により未記録媒体ではない場合は、504により参照光の角度補正を実施した後、503の情報の記録再生を実施する。なお、参照光の角度補正を行う際は、図7に示すように参照光角度を微小に変化させた際の再生光強度の情報が必要となるが、例えばガルバノミラーを低角度側から高角度側に走査可能範囲内で微小に変化させながら参照光を媒体に照射し、再生された信号光の強度を光検出器により検出することで該参照光角度と再生光強度の関係を求めることができる。
【0061】
図9は、光情報記録再生装置の参照光角度補正の動作の実施例を表すフローチャートを示している。参照光の角度補正実行時は、601により角度補正用領域にディスク位置を合わせる。その後、602により光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生し、本再生データを基に603により角度補正量の学習を行う。最後に、604により参照光角度のゼロ点及び単位量の補正を行う。
【0062】
図1は、本発明の概要を表す模式図を示している。光情報記録媒体1内の角度補正用領域には、該光情報記録媒体に最初に記録を行う装置Aが角度補正用データを記録する。その後、他の装置で同一の光情報記録媒体を取り扱う場合には、まず該角度補正用データを参照し、参照光角度のゼロ点及び単位量を最初に記録した装置Aに合わせた上で記録再生を行う。
【0063】
なお、角度補正用データはページ中の全領域がONピクセルで構成されるホワイトページにしても良いし、管理情報や検出予想角度等のデータを変調して作成したページとしても構わない。ホワイトページとする利点は、ONピクセル、OFFピクセルの配置ばらつきが存在しないため、ページ中の全ピクセルに対して平等な条件で記録可能という点が挙げられる。管理情報や検出予想角度等のデータを変調して作成したページを使用する利点は、角度補正用領域にも情報を記録するため、記録密度の点から無駄が少ないという点が挙げられる。
【0064】
以上の構成により本発明の第1の実施例では、光情報記録媒体に記録された角度補正用データを参照することにより、装置間での参照光角度のゼロ点及び単位量を補正することができ、装置間で互換性の高い記録再生が可能となる。また、本実施例では、装置構成を従来の光情報記録再生装置とほぼ同等の構成のままで実施可能であるという利点がある。
【実施例2】
【0065】
本発明における第2の実施例について図10、図11を用いて説明する。本実施例では、参照光の角度補正用データを参照する際に、信号光経路から角度補正用データを付加した光を入射し、再生された参照光を検出する所謂光相関の技術を利用する。なお、前述の実施例と共通する部分は説明を省略する。
【0066】
図10は、光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を示したものである。本実施例においては、図3の基本的な光学系構成に加えて、光情報記録媒体1から回折した参照光をガルバノミラー231で反射した後に、レンズ232に入射させて、光検出器233に集光する構成としたものである。
【0067】
角度補正用データを再生するために適した参照光角度を検索する場合は、空間光変調器212のピクセルに角度補正用データに対応するON及びOFFの2次元パターンを表示し、光ビームを信号光の光路より光情報記録媒体1に照射することにより、回折光を再生させる。
【0068】
図11は角度補正用データに対応した参照光角度検索時における回折光角度と検出位置の関係の例を表す概略図を示したものである。例えば、図示されるように、検索対象となる光情報記録媒体1内のホログラムからレンズ232の焦点距離fの位置にレンズ232を配置し、さらにfの位置に光検出器233をレンズ232と平行となるように配置する。光検出器233の中心位置はレンズ232の軸上に合わせ、軸からの回折光の角度をbとした場合、光検出器上の輝点の位置xは例えば式(3)で表される。
【0069】
x=fsinb ・・・ (3)
また、情報記録媒体1と回折光の角度aと上記bの関係は、レンズ232の光軸に垂直な面と光情報記録媒体1の回転軸に垂直な面とのなす角度をcとしたとき、例えば式(4)で表される。
【0070】
a=b+c ・・・ (4)
したがって、光検出器233によって輝点の位置xを検出することによって、再生された回折光の角度情報を得ることができ、本情報から再生に最適な参照光角度を算出することができる。
【0071】
ここで、光検出器233はCMOSイメージセンサーに代表されるような2次元的に光情報を検出可能な光検出器を用いても良いし、ラインセンサーのような1次元的に光情報を検出可能な光検出器を用いても良い。光検出器233の画素サイズは参照光の角度を最適に制御するために必要な角度分解能に対応する画素サイズとしても良いし、光検出器233の各々の画素の位置情報と輝度情報を用いて輝点の重心を算出することにより必要な角度分解能が得られるのであればそれよりも大きな画素サイズにしても良い。また、必要に応じてレンズ232の焦点距離を大きくして拡大系にすることによって角度情報検出の分解能を上げても構わない。
【0072】
以上の構成により本発明の第2の実施例では、光情報記録媒体に記録された角度補正用データを参照することにより、装置間での参照光角度のゼロ点及び単位量を補正することができ、互換性の高い記録再生が可能となる。また、本実施例では、角度補正用データを参照する際に、参照光角度を微小にスキャンする必要が無いため、高速な補正が可能であるという利点がある。
【0073】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0074】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0075】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1・・・光情報記録媒体、2・・・角度補正用領域、
10・・・光情報記録再生装置、11・・・ピックアップ、
12・・・位相共役光学系、13・・・ディスクキュア光学系、
14・・・ディスク回転角度検出用光学系、15・・・ディスクキュア光学系、
16・・・ディスクキュア光学系、17・・・光情報記録再生装置、
50・・・回転モータ、
81・・・アクセス制御回路、82・・・光源駆動回路、
83・・・サーボ信号生成回路、84・・・サーボ制御回路、
85・・・信号処理回路、86・・・信号生成回路、
87・・・シャッタ制御回路、88・・・ディスク回転モータ制御回路、
89・・・コントローラ、90・・・角度検出回路、91・・・角度補正回路、
92・・・入出力制御回路、93・・・外部制御装置、
201・・・光源、202・・・コリメートレンズ、203・・・シャッタ、
204・・・1/2波長板、205・・・偏光ビームスプリッタ、
206・・・信号光、207・・・参照光、
208・・・ビームエキスパンダ、209・・フェーズ(位相)マスク、
210・・・リレーレンズ、211・・・偏光ビームスプリッタ、
212・・・空間光変調器、213・・・リレーレンズ、
214・・・空間フィルタ、215・・・対物レンズ、
216・・・偏光方向変換素子、217・・・ミラー、
218・・・ミラー、219・・・ミラー、220・・・アクチュエータ、
221・・・レンズ、222・・・レンズ、223・・・アクチュエータ、
224・・・ミラー、225・・・光検出器、
230・・・アクチュエータ、231・・・ミラー、232・・・レンズ、
233・・・光検出器
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィを用いて光情報記録媒体に情報を記録再生する装置、方法、及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、青紫色半導体レーザを用いたBlu−ray Disc(TM)規格により、民生用においても100GB程度の記録密度を持つ光ディスクの商品化が可能となっている。今後は、光ディスクにおいても500GBを超える大容量化が望まれる。しかしながら、このような超高密度を光ディスクで実現するためには、従来の短波長化と対物レンズ高NA化による高密度化技術とは異なる新しい方式による高密度化技術が必要である。
【0003】
次世代のストレージ技術に関する研究が行われる中、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録技術が注目を集めている。ホログラム記録技術として、例えば特開2004−272268号公報(特許文献1)がある。本公報には、参照光の光情報記録媒体への入射角度を変えながら異なるページデータを空間光変調器に表示して多重記録を行う、いわゆる角度多重記録方式が記載されている。さらに本公報には、信号光をレンズで集光してそのビームウエストに開口(空間フィルタ)を配することにより、隣接するホログラムの間隔を短くする技術が記載されている。
【0004】
また、ホログラム記録技術として、例えばWO2004−102542号公報(特許文献2)がある。本公報には、1つの空間光変調器において内側の画素からの光を信号光、外側の輪帯状の画素からの光を参照光として、両光束を同じレンズで光情報記録媒体に集光し、レンズの焦点面付近で信号光と参照光を干渉させてホログラムを記録するシフト多重方式を用いた例が記述されている。
【0005】
ホログラム再生時の再生用レーザの調整技術として、例えば特開2007−256949号公報(特許文献3)がある。本公報には、「ホログラフィックメモリ媒体に、ラジアルチルト方向の基準入射角度を規定するための基準チルトホログラムを記録しておく。記録/再生動作時には、まず、基準チルトホログラムの記録位置に参照光を照射し、その受光状態から、ラジアルチルト方向における参照光の基準入射角度(基準角度Sr)を検出する。そして、ホログラフィックメモリ媒体をラジアルチルト方向に変位させるチルトアクチュエータ19を駆動制御して、参照光のラジアルチルト方向の入射角度を基準角度Srに整合させる。しかる後、ホログラフィックメモリ媒体に信号光および参照光を照射して、記録/再生動作を実行する。」と記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−272268号公報
【特許文献2】WO2004−102542号公報
【特許文献3】特開2007−256949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ホログラフィを利用した光情報記録再生装置においては、情報を記録再生する際に参照光の角度を制御することが重要であるが、異なる装置間では参照光角度のゼロ点及び単位量にばらつきがあり、装置間で互換性の高い記録再生を行うことが難しいという問題がある。
【0008】
特許文献3に記載の技術では、予め基準ホログラムを参照し参照光角度を調整することにより、ディスクチルトあるいは装置間の参照光角度のゼロ点の違いに対応することは可能であるが、装置間の参照光角度の単位量のばらつきに対応することは出来ない。
【0009】
本発明は上記問題を鑑みなされたものであり、互換性の高い記録再生を行うことができる光情報記録再生装置とその方法、及び光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため、本発明では一例として特許請求の範囲記載の構成を用いる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置間で互換性の高い記録再生が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の概要を表す模式図
【図2】光情報記録再生装置の実施例を表す構成図
【図3】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す図
【図4】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す図
【図5】光情報記録再生装置の動作フローの実施例を表す図
【図6】光情報記録媒体の実施例を表す図
【図7】角度補正用データ再生時の再生光強度と参照光角度の関係の例を表す図
【図8】光情報記録再生装置の媒体装着時の実施例を表すフローチャート
【図9】光情報記録再生装置の参照光角度補正の動作の実施例を表すフローチャート
【図10】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す図
【図11】角度補正用データに対応した参照光角度検索時における回折光角度と検出位置の関係の例を表す概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明における第1の実施例について図1から図9を用いて説明する。
【0015】
図2はホログラフィを利用してデジタル情報を記録および/または再生する光情報記録媒体の記録再生装置を示すブロック図である。
【0016】
光情報記録再生装置10は、入出力制御回路92を介して外部制御装置93と接続されている。記録する場合には、光情報記録再生装置10は外部制御装置93から記録する情報信号を入出力制御回路92により受信する。再生する場合には、光情報記録再生装置10は再生した情報信号を入出力制御回路92により外部制御装置93に送信する。
【0017】
光情報記録再生装置10は、ピックアップ11、再生用参照光光学系12、キュア光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14、及び回転モータ50を備えており、光情報記録媒体1は回転モータ50によって回転可能な構成となっている。
【0018】
ピックアップ11は、参照光と信号光を光情報記録媒体1に出射してホログラフィを利用してデジタル情報を記録媒体に記録する役割を果たす。この際、記録する情報信号はコントローラ89によって信号生成回路86を介してピックアップ11内の空間光変調器に送り込まれ、信号光は空間光変調器によって変調される。
【0019】
光情報記録媒体1に記録した情報を再生する場合は、ピックアップ11から出射された参照光を記録時とは逆の向きに光情報記録媒体に入射させる光波を再生用参照光光学系12にて生成する。再生用参照光によって再生される再生光をピックアップ11内の後述する光検出器によって検出し、信号処理回路85によって信号を再生する。
【0020】
光情報記録媒体1に照射する参照光と信号光の照射時間は、ピックアップ11内のシャッタの開閉時間をコントローラ89によってシャッタ制御回路87を介して制御することで調整できる。
【0021】
キュア光学系13は、光情報記録媒体1のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する役割を果たす。プリキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録する際、所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する前工程である。ポストキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録した後、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する後工程である。
【0022】
ディスク回転角度検出用光学系14は、光情報記録媒体1の回転角度を検出するために用いられる。光情報記録媒体1を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学系14によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてコントローラ89によってディスク回転モータ制御回路88を介して光情報記録媒体1の回転角度を制御する事が出来る。
【0023】
光源駆動回路82からは所定の光源駆動電流がピックアップ11、キュア光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14内の光源に供給され、各々の光源からは所定の光量で光ビームを発光することができる。
【0024】
また、ピックアップ11、そして、ディスクキュア光学系13は、光情報記録媒体1の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路81を介して位置制御がおこなわれる。
【0025】
角度検出回路90は、情報の記録あるいは再生前に、光情報記録媒体1内の角度補正用領域内に記録された角度補正用データを再生した信号及び対応する参照光角度をピックアップ11から取り込み、該角度補正用データを再生するために適した参照光角度を検出し、角度補正回路91に出力する。参照光角度の検出方法の詳細例については後に説明する。
【0026】
角度補正回路91は、角度補正用データを再生するために適した参照光角度を角度検出回路90から取り込み、該参照光角度及び理論的に予想される参照光角度から、参照光角度のゼロ点及び単位量の補正値を算出し、コントローラ89に出力する。参照光角度のゼロ点及び単位量の補正値の算出方法の詳細例については後に説明する。
【0027】
ところで、ホログラフィの角度多重の原理を利用した記録技術は、参照光角度のずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向がある。
【0028】
従って、ピックアップ11内に、参照光角度のずれ量を検出する機構を設けて、サーボ信号生成回路83にてサーボ制御用の信号を生成し、サーボ制御回路84を介して該ずれ量を補正するためのサーボ機構を光情報記録再生装置10内に備えることが必要となる。
【0029】
また、ピックアップ11、キュア光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14は、いくつかの光学系構成または全ての光学系構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0030】
図3は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の基本的な光学系構成の一例における記録原理を示したものである。光源201を出射した光ビームはコリメートレンズ202を透過し、シャッタ203に入射する。シャッタ203が開いている時は、光ビームはシャッタ203を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子204によってp偏光とs偏光の光量比が所望の比になるようになど偏光方向が制御された後、PBS(Polarization Beam Splitter)プリズム205に入射する。
【0031】
PBSプリズム205を透過した光ビームは、信号光206として働き、ビームエキスパンダ208によって光ビーム径が拡大された後、位相マスク209、リレーレンズ210、PBSプリズム211を透過して空間光変調器212に入射する。
【0032】
空間光変調器212によって情報が付加された信号光は、PBSプリズム211を反射し、リレーレンズ213ならびに空間フィルタ214を伝播する。その後、信号光は対物レンズ215によって光情報記録媒体1に集光する。
【0033】
一方、PBSプリズム205を反射した光ビームは参照光207として働き、偏光方向変換素子216によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー217ならびにミラー218を経由してガルバノミラー219に入射する。ガルバノミラー219はアクチュエータ220によって角度を調整可能のため、レンズ221とレンズ222を通過した後に光情報記録媒体1に入射する参照光の入射角度を、所望の角度に設定することができる。なお、参照光の入射角度を設定するために、ガルバノミラーに代えて、参照光の波面を変換する素子を用いても構わない。
【0034】
このように信号光と参照光とを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、光情報記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを光情報記録媒体に書き込むことで情報を記録する。また、ガルバノミラー219によって光情報記録媒体1に入射する参照光の入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0035】
以降、同じ領域に参照光角度を変えて記録されたホログラムにおいて、1つ1つの参照光角度に対応したホログラムをページと呼び、同領域に角度多重されたページの集合をブックと呼ぶことにする。
【0036】
図4は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の基本的な光学系構成の一例における再生原理を示したものである。記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光を光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームを、アクチュエータ223によって角度調整可能なガルバノミラー224にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0037】
この位相共役光によって再生された信号光は、対物レンズ215、リレーレンズ213ならびに空間フィルタ214を伝播する。その後、信号光はPBSプリズム211を透過して光検出器225に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0038】
図5は、光情報記録再生装置10における記録、再生の動作フローを示したものである。ここでは、特にホログラフィを利用した記録再生に関するフローを説明する。
【0039】
図5(a)は、光情報記録再生装置10に光情報記録媒体1を挿入した後、記録または再生の準備が完了するまでの動作フローを示し、図5(b)は準備完了状態から光情報記録媒体1に情報を記録するまでの動作フロー、図5(c)は準備完了状態から光情報記録媒体1に記録した情報を再生するまでの動作フローを示したものである。
【0040】
図5(a)に示すように媒体を挿入すると(401)、光情報記録再生装置10は、例えば挿入された媒体がホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する媒体であるかどうかディスク判別を行う(402)。
【0041】
ディスク判別の結果、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する光情報記録媒体であると判断されると、光情報記録再生装置10は光情報記録媒体に設けられたコントロールデータを読み出し(403)、例えば光情報記録媒体に関する情報や、例えば記録や再生時における各種設定条件に関する情報を取得する。
【0042】
コントロールデータの読み出し後は、コントロールデータに応じた各種調整やピックアップ11に関わる学習処理(404)を行い、光情報記録再生装置10は、記録または再生の準備が完了する(405)。
【0043】
準備完了状態から情報を記録するまでの動作フローは図5(b)に示すように、まず記録するデータを受信して(411)、該データに応じた情報をピックアップ11内の空間光変調器に送り込む。
【0044】
その後、光情報記録媒体に高品質の情報を記録できるように、必要に応じて例えば光源301のパワー最適化やシャッタ303による露光時間の最適化等の各種記録用学習処理を事前に行う(412)。
【0045】
その後、シーク動作(413)ではアクセス制御回路81を制御して、ピックアップ11ならびにキュア光学系13の位置を光情報記録媒体の所定の位置に位置づけする。光情報記録媒体1がアドレス情報を持つ場合には、アドレス情報を再生し、目的の位置に位置づけされているか確認し、目的の位置に配置されていなければ、所定の位置とのずれ量を算出し、再度位置づけする動作を繰り返す。
【0046】
その後、キュア光学系13から出射する光ビームを用いて所定の領域をプリキュアし(414)、ピックアップ11から出射する参照光と信号光を用いてデータを記録する(415)。
【0047】
データを記録した後は、キュア光学系13から出射する光ビームを用いてポストキュアを行う(416)。必要に応じてデータをベリファイしても構わない。
【0048】
準備完了状態から記録された情報を再生するまでの動作フローは図5(c)に示すように、まずシーク動作(421)で、アクセス制御回路81を制御して、ピックアップ11ならびに再生用参照光光学系12の位置を光情報記録媒体の所定の位置に位置づけする。光情報記録媒体1がアドレス情報を持つ場合には、アドレス情報を再生し、目的の位置に位置づけされているか確認し、目的の位置に配置されていなければ、所定の位置とのずれ量を算出し、再度位置づけする動作を繰り返す。
【0049】
その後、ピックアップ11から参照光を出射し、光情報記録媒体に記録された情報を読み出し(422)、再生データを送信する(413)。
【0050】
図6は光情報記録媒体の実施例を表している。光情報記録媒体1内には、情報記録用領域とは別に角度補正用領域2がある。該角度補正用領域2には予め決まったパターンの角度補正用データが、予め決まった参照光角度で記録される。これらの角度補正用データのパターンや記録参照光角度等の角度補正用データに関する情報は光情報記録媒体自身に保存されていても良いし、装置あるいは装置を制御する機器あるいは光情報記録媒体を格納するカートリッジに保存されていても構わない。
【0051】
なお、該角度補正用データは媒体出荷時に予め記録しておいても良いし、最初に光情報記録媒体を記録する装置が記録しても良い。また、該角度補正用データに含まれるページデータはデータ部と同様のパターンでも良いし、ブラッグ選択性の強くでる部分にのみデータを配置しても良い。なお、ブラッグ選択性の強くでる部分でページを構成する方法としては、例えば、参照光と信号光のなす角度が光情報記録媒体中でなるべく大きくなるようなページパターンとする方法が考えられる。ブラッグ選択性の強くでる部分のみでページを構成することで、再生光強度の参照光角度に対する半値幅が狭くなるため、正確な参照光角度の検出が可能となる。図6では、角度補正用領域2が光情報記録媒体1の中央部に描かれているが、角度補正用領域2はこの位置に限定されるものでは無く、内周部、外周部等の任意の位置で構わなく、複数個用意されていても構わない。光情報記録媒体の中央部に配置する利点としては、例えば、隣接記録部からの膨張収縮やクロストークの影響が等方的であるため、外乱の影響による参照光角度の検出誤差を抑えることができる点がある。内周部や外周部に配置する利点としては、角度補正用データを管理領域等に配置することが出来るため、ユーザーデータと角度補正用データの区別が用意になり再生中の処理が煩雑にならないという点が挙げられる。
【0052】
図7は角度補正用データ再生時の再生光強度と参照光角度の関係の例を表している。角度補正用データを再生する際は、例えば参照光角度を微小に変えながら再生光強度を検出する。このとき、参照光角度を横軸に、再生光強度を縦軸にグラフ化すると図示されるように、記録ページ数と同一数のN本のピークが観察される。該角度補正用データNページを再生するために適した参照光角度θ1からθNは、例えば参照光角度範囲をN個に分割した各領域で再生光強度が最大となる参照光角度とすれば良いし、再生光強度が所定の閾値を超える参照光角度としてもよい。
【0053】
参照光角度のゼロ点及び単位量を補正する際は例えば次のように行う。Nページの角度補正用データを再生するために適した参照光角度をθ1からθNとし、理論的に予想される検出予想角度をφ1からφNとする。検出予想角度は光情報記録媒体あるいは媒体を格納するカートリッジに設けられたメモリ、装置のメモリまたは装置を制御する機器のメモリに保存されている角度補正用データに関する情報から算出する。本検出予想角度は、記録時の参照光角度としても良いし、ポストキュアによる媒体収縮や温度変化による媒体の膨張収縮の影響を考慮して算出しても構わない。このとき、参照光角度の単位量の補正係数αは例えば次式で表される。
【0054】
【数1】
【0055】
記録再生する際には参照光角度θの値をα倍する。一方、参照光角度のゼロ点補正値Δθは例えば次式で表される。
【0056】
【数2】
【0057】
参照光角度θの補正後の値は、これらのα及びΔθを用いてαθ+Δθとなる。なお、α及びΔθは上式に限定されるものでは無く、例えばα=(φN-φ1)/(θN-θ1)、Δθ=φN/2-αθN/2として平均を取らない式を用いても良い。
【0058】
なお、所定の角度領域に分けて、参照光角度のゼロ点及び単位量の補正を行なってもよい。これにより、角度領域に応じて参照光角度のずれが大きく異なる場合の影響を考慮して、本補正を行なうことが出来る。
【0059】
また、参照光角度の単位量を補正する必要がない場合は、補正係数αを1とすればよい。
【0060】
図8は、光情報記録再生装置の媒体装着時の実施例を表すフローチャートを示している。光情報記録再生装置に光情報記録媒体を装着時は、まず501により未記録媒体かの判断を行う。媒体への情報記録に関する情報は、例えば媒体自体や媒体を格納するカートリッジに設けられたコントロールデータ領域に記録することで管理し、501では該コントロールデータ領域を参照することで判断する。未記録媒体の場合は502により角度補正用データを光情報記録媒体内の角度補正用領域に記録する。その後、503により情報の記録再生を実施する。501により未記録媒体ではない場合は、504により参照光の角度補正を実施した後、503の情報の記録再生を実施する。なお、参照光の角度補正を行う際は、図7に示すように参照光角度を微小に変化させた際の再生光強度の情報が必要となるが、例えばガルバノミラーを低角度側から高角度側に走査可能範囲内で微小に変化させながら参照光を媒体に照射し、再生された信号光の強度を光検出器により検出することで該参照光角度と再生光強度の関係を求めることができる。
【0061】
図9は、光情報記録再生装置の参照光角度補正の動作の実施例を表すフローチャートを示している。参照光の角度補正実行時は、601により角度補正用領域にディスク位置を合わせる。その後、602により光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生し、本再生データを基に603により角度補正量の学習を行う。最後に、604により参照光角度のゼロ点及び単位量の補正を行う。
【0062】
図1は、本発明の概要を表す模式図を示している。光情報記録媒体1内の角度補正用領域には、該光情報記録媒体に最初に記録を行う装置Aが角度補正用データを記録する。その後、他の装置で同一の光情報記録媒体を取り扱う場合には、まず該角度補正用データを参照し、参照光角度のゼロ点及び単位量を最初に記録した装置Aに合わせた上で記録再生を行う。
【0063】
なお、角度補正用データはページ中の全領域がONピクセルで構成されるホワイトページにしても良いし、管理情報や検出予想角度等のデータを変調して作成したページとしても構わない。ホワイトページとする利点は、ONピクセル、OFFピクセルの配置ばらつきが存在しないため、ページ中の全ピクセルに対して平等な条件で記録可能という点が挙げられる。管理情報や検出予想角度等のデータを変調して作成したページを使用する利点は、角度補正用領域にも情報を記録するため、記録密度の点から無駄が少ないという点が挙げられる。
【0064】
以上の構成により本発明の第1の実施例では、光情報記録媒体に記録された角度補正用データを参照することにより、装置間での参照光角度のゼロ点及び単位量を補正することができ、装置間で互換性の高い記録再生が可能となる。また、本実施例では、装置構成を従来の光情報記録再生装置とほぼ同等の構成のままで実施可能であるという利点がある。
【実施例2】
【0065】
本発明における第2の実施例について図10、図11を用いて説明する。本実施例では、参照光の角度補正用データを参照する際に、信号光経路から角度補正用データを付加した光を入射し、再生された参照光を検出する所謂光相関の技術を利用する。なお、前述の実施例と共通する部分は説明を省略する。
【0066】
図10は、光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を示したものである。本実施例においては、図3の基本的な光学系構成に加えて、光情報記録媒体1から回折した参照光をガルバノミラー231で反射した後に、レンズ232に入射させて、光検出器233に集光する構成としたものである。
【0067】
角度補正用データを再生するために適した参照光角度を検索する場合は、空間光変調器212のピクセルに角度補正用データに対応するON及びOFFの2次元パターンを表示し、光ビームを信号光の光路より光情報記録媒体1に照射することにより、回折光を再生させる。
【0068】
図11は角度補正用データに対応した参照光角度検索時における回折光角度と検出位置の関係の例を表す概略図を示したものである。例えば、図示されるように、検索対象となる光情報記録媒体1内のホログラムからレンズ232の焦点距離fの位置にレンズ232を配置し、さらにfの位置に光検出器233をレンズ232と平行となるように配置する。光検出器233の中心位置はレンズ232の軸上に合わせ、軸からの回折光の角度をbとした場合、光検出器上の輝点の位置xは例えば式(3)で表される。
【0069】
x=fsinb ・・・ (3)
また、情報記録媒体1と回折光の角度aと上記bの関係は、レンズ232の光軸に垂直な面と光情報記録媒体1の回転軸に垂直な面とのなす角度をcとしたとき、例えば式(4)で表される。
【0070】
a=b+c ・・・ (4)
したがって、光検出器233によって輝点の位置xを検出することによって、再生された回折光の角度情報を得ることができ、本情報から再生に最適な参照光角度を算出することができる。
【0071】
ここで、光検出器233はCMOSイメージセンサーに代表されるような2次元的に光情報を検出可能な光検出器を用いても良いし、ラインセンサーのような1次元的に光情報を検出可能な光検出器を用いても良い。光検出器233の画素サイズは参照光の角度を最適に制御するために必要な角度分解能に対応する画素サイズとしても良いし、光検出器233の各々の画素の位置情報と輝度情報を用いて輝点の重心を算出することにより必要な角度分解能が得られるのであればそれよりも大きな画素サイズにしても良い。また、必要に応じてレンズ232の焦点距離を大きくして拡大系にすることによって角度情報検出の分解能を上げても構わない。
【0072】
以上の構成により本発明の第2の実施例では、光情報記録媒体に記録された角度補正用データを参照することにより、装置間での参照光角度のゼロ点及び単位量を補正することができ、互換性の高い記録再生が可能となる。また、本実施例では、角度補正用データを参照する際に、参照光角度を微小にスキャンする必要が無いため、高速な補正が可能であるという利点がある。
【0073】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0074】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0075】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1・・・光情報記録媒体、2・・・角度補正用領域、
10・・・光情報記録再生装置、11・・・ピックアップ、
12・・・位相共役光学系、13・・・ディスクキュア光学系、
14・・・ディスク回転角度検出用光学系、15・・・ディスクキュア光学系、
16・・・ディスクキュア光学系、17・・・光情報記録再生装置、
50・・・回転モータ、
81・・・アクセス制御回路、82・・・光源駆動回路、
83・・・サーボ信号生成回路、84・・・サーボ制御回路、
85・・・信号処理回路、86・・・信号生成回路、
87・・・シャッタ制御回路、88・・・ディスク回転モータ制御回路、
89・・・コントローラ、90・・・角度検出回路、91・・・角度補正回路、
92・・・入出力制御回路、93・・・外部制御装置、
201・・・光源、202・・・コリメートレンズ、203・・・シャッタ、
204・・・1/2波長板、205・・・偏光ビームスプリッタ、
206・・・信号光、207・・・参照光、
208・・・ビームエキスパンダ、209・・フェーズ(位相)マスク、
210・・・リレーレンズ、211・・・偏光ビームスプリッタ、
212・・・空間光変調器、213・・・リレーレンズ、
214・・・空間フィルタ、215・・・対物レンズ、
216・・・偏光方向変換素子、217・・・ミラー、
218・・・ミラー、219・・・ミラー、220・・・アクチュエータ、
221・・・レンズ、222・・・レンズ、223・・・アクチュエータ、
224・・・ミラー、225・・・光検出器、
230・・・アクチュエータ、231・・・ミラー、232・・・レンズ、
233・・・光検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィを利用して光情報記録媒体に情報を記録及び/または再生する光情報記録再生装置において、
前記光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生するために適した参照光角度に関する第1の角度情報を検出する角度検出部と、
前記角度検出部により検出された前記第1の角度情報と、前記角度補正用データが記録されたときの参照光角度に関する第2の角度情報を基に、記録あるいは再生時の参照光角度を補正する角度補正部と、を備えてなる光情報記録再生装置。
【請求項2】
前記角度補正部は、情報の記録あるいは再生前に参照光角度のゼロ点及び単位量の大きさを補正することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項3】
前記角度検出部は、参照光角度を変えながら前記角度補正用データを検出し、検出された再生光強度が最大値となるときの参照光角度を角度補正用データの再生のために適す参照光角度と設定することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項4】
前記角度検出部は、前記角度補正用データを付加した光を記録時の信号光の光路から照射し、回折光を光検出器により検出し、該光検出器上の該回折光の位置情報から角度補正用データの再生のために適す参照光角度を算出することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項5】
前記光情報記録媒体内の角度補正用データ領域への情報記録の有無を光情報記録媒体内あるいは光情報記録媒体を格納するカートリッジ内の光情報記録媒体に関する情報を記録するコントロールデータ領域に記録することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項6】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に最初に記録する光情報記録再生装置により記録されることを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項7】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に工場出荷時に予め保存されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項8】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録媒体であって、該光情報記録媒体内に参照光の角度を補正するために利用する角度補正用データ領域が含まれることを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項9】
ホログラフィを利用して光情報記録媒体に情報を記録及び/または再生する光情報記録再生方法において、
前記光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生するために適した参照光角度に関する第1の角度情報を検出する角度検出工程と、
該角度検出工程により検出された角度情報と、前記角度補正用データが記録されたときの参照光角度に関する第2の角度情報を基に、記録あるいは再生時の参照光角度を補正する角度補正工程と、を備えてなる光情報記録再生方法。
【請求項10】
前記角度補正工程は、情報の記録あるいは再生前に参照光角度のゼロ点及び単位量の大きさを補正することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項11】
前記角度検出工程は、参照光角度を変えながら前記角度補正用データを検出し、検出された再生光強度が最大値となるときの参照光角度を角度補正用データの再生のために適す参照光角度と設定することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項12】
前記角度検出工程は、前記角度補正用データを付加した光を記録時の信号光の光路から照射し、回折光を光検出工程により検出し、該光検出工程での該回折光の検出位置の情報から角度補正用データの再生のために適す参照光角度を算出することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項13】
前記光情報記録媒体内の角度補正用データ領域への情報記録の有無を光情報記録媒体内あるいは光情報記録媒体を格納するカートリッジ内の光情報記録媒体に関する情報を記録するコントロールデータ領域に記録することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項14】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に最初に記録する光情報記録再生装置により記録されることを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項15】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に工場出荷時に予め保存されていることを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項1】
ホログラフィを利用して光情報記録媒体に情報を記録及び/または再生する光情報記録再生装置において、
前記光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生するために適した参照光角度に関する第1の角度情報を検出する角度検出部と、
前記角度検出部により検出された前記第1の角度情報と、前記角度補正用データが記録されたときの参照光角度に関する第2の角度情報を基に、記録あるいは再生時の参照光角度を補正する角度補正部と、を備えてなる光情報記録再生装置。
【請求項2】
前記角度補正部は、情報の記録あるいは再生前に参照光角度のゼロ点及び単位量の大きさを補正することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項3】
前記角度検出部は、参照光角度を変えながら前記角度補正用データを検出し、検出された再生光強度が最大値となるときの参照光角度を角度補正用データの再生のために適す参照光角度と設定することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項4】
前記角度検出部は、前記角度補正用データを付加した光を記録時の信号光の光路から照射し、回折光を光検出器により検出し、該光検出器上の該回折光の位置情報から角度補正用データの再生のために適す参照光角度を算出することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項5】
前記光情報記録媒体内の角度補正用データ領域への情報記録の有無を光情報記録媒体内あるいは光情報記録媒体を格納するカートリッジ内の光情報記録媒体に関する情報を記録するコントロールデータ領域に記録することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項6】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に最初に記録する光情報記録再生装置により記録されることを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項7】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に工場出荷時に予め保存されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
【請求項8】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録媒体であって、該光情報記録媒体内に参照光の角度を補正するために利用する角度補正用データ領域が含まれることを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項9】
ホログラフィを利用して光情報記録媒体に情報を記録及び/または再生する光情報記録再生方法において、
前記光情報記録媒体内に記録された角度補正用データを再生するために適した参照光角度に関する第1の角度情報を検出する角度検出工程と、
該角度検出工程により検出された角度情報と、前記角度補正用データが記録されたときの参照光角度に関する第2の角度情報を基に、記録あるいは再生時の参照光角度を補正する角度補正工程と、を備えてなる光情報記録再生方法。
【請求項10】
前記角度補正工程は、情報の記録あるいは再生前に参照光角度のゼロ点及び単位量の大きさを補正することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項11】
前記角度検出工程は、参照光角度を変えながら前記角度補正用データを検出し、検出された再生光強度が最大値となるときの参照光角度を角度補正用データの再生のために適す参照光角度と設定することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項12】
前記角度検出工程は、前記角度補正用データを付加した光を記録時の信号光の光路から照射し、回折光を光検出工程により検出し、該光検出工程での該回折光の検出位置の情報から角度補正用データの再生のために適す参照光角度を算出することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項13】
前記光情報記録媒体内の角度補正用データ領域への情報記録の有無を光情報記録媒体内あるいは光情報記録媒体を格納するカートリッジ内の光情報記録媒体に関する情報を記録するコントロールデータ領域に記録することを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項14】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に最初に記録する光情報記録再生装置により記録されることを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【請求項15】
前記角度補正用データは前記光情報記録媒体に工場出荷時に予め保存されていることを特徴とする請求項9記載の光情報記録再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−109794(P2013−109794A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252208(P2011−252208)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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