説明

光情報記録媒体及び光情報記録再生装置及び追記方法

【課題】空間記録媒体のリファレンス層に設けられたトラッキング情報をガイドビームで検出し、メインビームのトラック制御を行う際に、ラジアルチルトに起因するオフセットを補償してトラック制御を行う。
【解決手段】マーク対29A,29Bがトラックピッチで半径方向に配列された第1のマーク対列と、マーク対30A,30Bがトラックピッチで半径方向に配列された別のマーク対列とを形成する。別のマーク対列は、第1のマーク対列と半径方向に所定の距離ずらして配置する。複数のマーク対列から生成される複数のトラックエラー信号のうち1つを選択することにより、制御不能領域をなくして、トラック制御を行うことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リファレンス層を用いてトラック制御を行う光情報記録再生システムに関わる。
【背景技術】
【0002】
以下における説明中の用語の一部は、Blu-ray Disc(BD)で使用されるものを基本とする。ただし、本発明の適用範囲は、BDに限定されるものではない。
【0003】
光ディスクの記録容量の拡大は、光源の短波長化と対物レンズの開口数(NA)の増大に加えてディスク1枚当たりの記録層数を増やすことにより実現されてきた。BDでは青色半導体レーザと、NAが0.85という高NA対物レンズを用いて、2層で50GBの記録容量を実現している。更に、2010年には、記録層の数を3乃至4に増やすと同時に面記録密度も高めることにより100GB以上の記録容量を有するBDXLの実用化に至った。
【0004】
記録波長の短波長化や対物レンズの高NA化は限界に近く、今後、面記録容量を大幅に向上させるのは容易でない。よって、上記以上の記録容量を実現するためには、記録層の数をさらに増大させるのが有力な解決手段の一つである。
【0005】
しかし、従来の多層光ディスクと同様の構成で記録層数を増大させようとすると記録容量当たりのコスト低減が実現しにくい可能性が高い。何故なら、現行の多層光ディスクの製造コスト及び歩留まりは、専ら記録層の形成プロセスに関わるからである。即ち、層数の増大は工程数の増大に直結し、最終的な歩留まりは1層当たりのスタンパ工程の歩留まりの層数の冪乗で概ね決定される。
【0006】
そこで、非特許文献1に記載されているように、記録層形成時にスタンパ工程が不要な方式が検討されている。この方式では、各記録層とは別に、トラッキングに用いるグルーブを形成した層(以下、リファレンス層という)を設け、記録及び再生に用いるビームとは別のビームを用いてトラッキングを行うことを特徴とする。以下においては、これをグルーブレス多層方式と呼ぶこととする。
【0007】
また、従来の多層ディスクのように物理的に定義された記録層を有さない光ディスク及びその記録技術も検討されている。一例として、特許文献1に記載されている技術では、フォトリフラクティブ材料からなる記録領域中にマイクロホログラム、即ち微小な干渉縞を記録している。上記記録領域の中には、物理的に記録位置を規定する構造が無いので各マイクロホログラムの記録位置は、記録に用いる光(記録光)の焦点位置を間接的に制御することにより決定される。また、別の一例を挙げると、特許文献2中の記述にあるように、記録領域中にボイド(空隙)を形成することにより記録を行うものもある。これらの記録方法によれば、仮想的な記録層を比較的自由に増やすことが可能であり、ディスク1枚当たりの記録容量増大を図りやすい。なお、本明細書中では、以上のように記録領域中に物理的に記録位置を規定する層が無い方式について便宜上、空間記録と総称することとする。この方式においても、トラッキングはリファレンス層を用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−97723号公報
【特許文献2】特開2009−238285号公報
【特許文献3】特開平7−110958号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】ISOM10 Technical Abstract, Th-L-07, “16 Layers Write Once Disc with a Separated Guide Layer”
【非特許文献2】Japanese Journal of Applied Physics 48 (2009) 03A054
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記背景技術の項で説明したように、グルーブレス多層方式及び空間記録方式のいずれにおいても、記録を行う記録層若しくは記録位置においてはトラッキング信号を検出できる物理的な構造が存在しない。従って、少なくとも記録時のトラッキングはリファレンス層を用いて行う必要がある。しかしながら、非特許文献2などに記載があるように、ラジアルチルト(ディスク面の鉛直からの対物レンズ光軸の傾きの内、ディスク半径方向成分)の変化により記録面における記録及び再生を行う光スポットの当たる半径が変化してしまうという課題がある。
【0011】
図2は、空間記録の場合について、上記の課題を説明するための模式図で、記録媒体の半径方向の断面図である。この記録媒体は、透明かつ剛性を有する基板23と記録材料から構成される記録領域25からなる。記録領域と接する側の基板の面がリファレンス層になっていて、トラッキング用のグルーブが形成されている。特に、このようなリファレンス層をグルーブ式リファレンス層24と呼ぶこととする。ただし、以下においては、文脈上混乱を生じない範囲において単にリファレンス層と呼ぶこととする。なお、このグルーブのピッチは、0.64μmである。メインビーム21は、記録及び再生に用いる光で、波長405nmの青色レーザ光である。また、メインビームの位置決めに用いるガイドビーム20は、波長650nmの赤色レーザ光である。メインビームとガイドビームは、対物レンズ3を共用している。なお、この対物レンズの青色レーザ光に対するNAは、0.85である。従って、ガイドビームを用いてグルーブ式リファレンス層に設けられたグルーブをトラッキングすることによりメインビームもグルーブの形状に沿って移動する。
【0012】
図2中のトラック26は、メインビーム及びガイドビームの光軸がリファレンス層に鉛直な状態でグルーブ(入射側から見て凹んでいる)に対してトラッキングを掛けた状態で記録されたものである。従って、各トラックは、リファレンス層のグルーブの直下に整列して記録されている。ディスクの半径方向の断面から見ると、図2に図示したように、記録マーク列からなるトラックは、仮想的な記録層を構成しているように見える。以後、特に区別する必要が無い場合には、このような仮想的な記録層も単に記録層と呼ぶこととする。
【0013】
そして、図2は、ガイドビームをリファレンス層のグルーブでトラッキングを掛けている。ここで、何らかの理由により光軸がリファレンス層に対してラジアルチルトを生じると、図2に示したように、メインビーム21のスポットが照射される位置は記録済みのトラックに対してオフセットdを生じる。オフセットdは、ラジアルチルトの大きさと、リファレンス層からのメインビームの焦点位置までの距離に依存する。チルトの大きさが十分に小さいとすると、dの大きさは式(1)で近似的に与えられる。
【0014】
【数1】

【0015】
ここで、θはチルト角度、Lはリファレンス層からのメインビームの焦点位置までの距離、nは空気の屈折率、n’記録領域の屈折率をそれぞれ表す。
【0016】
仮に、チルトが0.1度、Lが100μm、n’=1.6である場合を考えると、オフセットは約0.11μmに達する。これは、トラックピッチの1/6近い大きなものである。このような大きなトラックオフセットが発生している場合、ガイドビームでリファレンス層のグルーブに対してトラッキングを掛けても記録済みのトラックを再生することは困難である。また、途中まで記録されている層に続けて記録を行う追記の場合に、このようなオフセットを生じていると、追記開始位置でトラックに不連続なずれを生じるだけでなく、オフセットの大きさが著しい場合は、既に記録済みのトラックの上に記録してしまい、ディスクを破壊する危険性すらあるという課題を有する。
【0017】
再生時に生じるオフセットに関しては、非特許文献2に記載があるように、記録済みのトラックからトラックエラー信号を検出することにより回避できる可能性がある。また、追記開始位置のずれに関しても、追記開始前に記録済みトラックに対するオフセットを記録済みトラックから検出したトラックエラー信号を用いて補正すれば良いということは当業者であれば類推可能であると考えられる。しかしながら、実際にはこの考え方は一般的には適用することができない。何故なら、連続したグルーブを用いてトラックエラー信号(プッシュプル信号)を検出する方式では、有効なトラックエラー信号を検出できない領域が必ず存在するからである。
【0018】
図3は、グルーブとこれを用いて検出されるトラックエラー信号(プッシュプル信号)との関係を説明するもので、上側にグルーブ断面の模式図を示し、それに対応するトラックエラー信号を下側に示した。ここでは、グルーブとランドの幅の比率は、1:1としている。グルーブのピッチをPとすると、トラックエラー信号も周期がPの正弦波状の信号となる。なお、プッシュプル信号の検出方法などに関しては、当業者であれば当然に承知していることなのでここでの説明は省略した。トラックエラー信号の0クロス点がグルーブの中心に対応することは容易に理解できよう。トラックエラー信号生成系は、図3に示したようにグルーブ中心におけるトラックエラー信号の勾配の符号が正であると定義されているとする。当然、この信号を用いてトラック制御を行う調節計への入力信号の符号定義もこれに従う。しかし、図3から明らかなように、プッシュプル信号は、正弦波状であるから、その一周期のおよそ1/2の領域においてはその傾きの符号が負になる。よって、このような領域(図3でグルーブ中心からの距離がP/4以上、3P/4以下の領域)においてはトラック制御を行うことができない。即ち、先に述べたオフセットの大きさがこの領域に相当する場合、オフセットを補償してトラック制御を行うことはできない。
【0019】
トラッキング信号を生成する方式としては、グルーブ付きディスクとプッシュプル信号を用いる方式の他に所謂サンプルサーボ方式がある。サンプルサーボ方式に関しては、例えば特許文献3に詳述されているのでここでは簡単に述べる。この方式では、図4に示したように、グルーブの代わりにグルーブと同程度の深さを有するAピット27A及びBピット27Bがリファレンス層である基板表面に形成されている。AピットとBピットの大きさ及び深さは同一であるものの、これらは互いに各トラックの中心に対して等距離ずらされている。また、Aピットは必ずBピットよりも先に出現するように配置されている。図5は、リファレンス層72の構造を説明する図である。図5に示すように、先に述べたようなピットの組みが半径方向にトラックピッチで配置されている。以下においては、このような、半径方向に配置されたピット群71をスポーク70と呼ぶこととする。スポーク70は、角度方向(周方向)に等角度間隔で十分な数が設けられている。
【0020】
トラックエラー信号は、Aピットで検出される振幅(再生光強度変化)からBピットで検出される振幅を差し引くことにより生成する。このようにして得られたトラックエラー信号は、図4の下部に示したようにやはり周期Pの正弦波状となる。つまり、グルーブを用いた場合と同じ問題を生じる。
【0021】
以上で述べたように、グルーブレス多層方式や空間記録方式のようにリファレンス層に設けられたトラッキング情報をガイドビームにより検出し、メインビームのトラック制御を行う場合には、ラジアルチルトの変化により生じるオフセットが課題である。特に、記録中途の記録層に対して追記を行う場合に、記録済みのトラックを破壊する可能性があるのが問題である。そして、従来のグルーブやサンプルサーボ方式では、制御不能領域が存在するために、このオフセットを補償してトラック制御を行うのが不可能な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明に基づく光情報記録媒体は、反射光強度を変調する作用を有するマーク対が形成されたリファレンス層と記録層を有する。マーク対は、マーク対がトラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された第1のマーク対列と、マーク対がトラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された1つ以上の別のマーク対列とによりスポークを構成する。スポークは、媒体の周方向に複数個配列されている。
【0023】
スポークに含まれるマーク対列の数が3以上のとき、マーク対列におけるマーク対の配置周期は、マーク対列の数とトラックピッチの積に等しい。マーク対列の数が2のとき、第2のマーク対列は第1のマーク対列に対して半径方向にトラックピッチの1/2ずらして配列されている。
【0024】
一例の媒体は、第1から第3までの3つのマーク対列を有する。このとき、第1のマーク対列、第2のマーク対列、第3のマーク対列の各マーク対を構成する第1のマークは、トラック中心に対して半径外周方向にトラックピッチの3/4ずらして配列されるとともに、各マーク対列を構成する第2のマークはトラック中心に対して半径外周方向にトラックピッチの3/4ずらして配列されている。第1のマーク対列、第2のマーク対列、第3のマーク対列におけるマーク対の配置周期はトラックピッチの3倍に等しい。また、第1のマーク対列に対して第2のマーク対列は半径方向にトラックピッチだけずらして配置され、第2のマーク対列に対して第3のマーク対列は半径方向にトラックピッチだけずらして配置されている。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明に基づく光情報記録再生装置は、光源と、光源から出射された光束を対物レンズで本発明の光情報記録媒体の記録層に集光する光学系と、光情報記録媒体の記録層からの反射光からトラックエラー信号を検出する手段と、第2の光源と、第2の光源から出射された光を光情報記録媒体のリファレンス層に照射する光学系と、リファレンス層の複数のマーク対列からの反射光から複数のトラックエラー信号を検出する手段と、複数のトラックエラー信号の中から所望の性質を有するトラックエラー信号を選択する手段と、トラック制御用のフィードバック調節計と、第1又は第2の光源により検出されたトラックエラー信号のいずれかを選択する手段とを有する。
【0026】
また、本発明の追記方法は、本発明に基づく光情報記録媒体の記録中途の記録層へ追記を行う方法である。この追記方法は、記録用のメインビームを用いて記録済みトラックに対してトラック制御を行う工程と、ガイドビームをリファレンス層に照射してリファレンス層から得られるトラックエラー信号を記録する工程と、記録されたトラックエラー信号をメインビームのトラック制御駆動信号と比較し、相関性の高い時間変化を示すものを選択する工程と、選択したトラックエラー信号の中から、振幅の絶対値の平均が小さいものを選択する工程と、最終的に選定したトラックエラー信号の追記開始位置における値をオフセットとして選ぶ工程と、メインビームのトラック制御信号をリファレンス層から得たトラックエラー信号に切り替え、オフセットを目標値にしてトラック制御を行い、追記を開始する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、従来のグルーブやサンプルサーボ方式と異なり制御不能領域が存在しないために、ラジアルチルトの変化により生じるオフセットを補償してトラック制御を行うことが可能となる。その結果、グルーブレス多層方式や空間記録方式のようにリファレンス層に設けられたトラッキング情報をガイドビームで検出してメインビームのトラック制御を行う方式においても、記録中途の記録層に対して問題なく追記を行うことが可能となる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を実施した一例の説明図。
【図2】ラジアルチルトによるオフセットの発生の様子を説明する模式図。
【図3】グルーブとこれを用いて検出されるトラックエラー信号との関係を説明する図。
【図4】サンプルサーボ方式で検出されるピット配置とトラックエラー信号との関係を説明する図。
【図5】リファレンス層の構造を説明する模式図。
【図6】本発明を実施した別の一例の説明図。
【図7】トラックエラー信号の生成手段の説明図。
【図8】トラックエラー信号の生成過程の説明図。
【図9】本発明を実施した装置の一例の説明図。
【図10】追記の手順を説明する図。
【図11】ディスクの周内でオフセットが一定でない場合の対処法を説明する図。
【図12】追記の際のオフセットの求め方を説明する図。
【図13】本発明を実施した装置の一例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
なお、先のサンプルサーボ方式の説明においては、リファレンス層からのトラックエラー信号の元はピットであるとした。しかし、ピットの代わりに反射率や屈折率が周囲と異なるマークであっても同様のトラックエラー信号を得ることができる。よって、本明細書中では、ピットを含めたこれらを単にマークと呼ぶこととする。ただし、以下においては、先の説明同様に、マークとしてピットを用いるものとして説明することとする。
【0030】
図1に、本発明を実施した一例の説明図を示す。図1の上段の図は、リファレンス層の構造を説明するものであり、図1の下段の図は、この構造から得られる原始トラックエラー信号の様子を説明する図である。ここで横軸は、ディスクの半径方向を表す。図1の上段で、ガイド光スポット34は、下から上へと移動するものとする。
【0031】
この例では、スポークは、半径方向に伸びた溝から構成される開始コード28とピット列から構成される。ピット列は、図1に示したように領域1及び領域2に2重に配列されているのが特徴である。領域1は、開始コードに隣接する領域で、領域2は、領域1の次に出現する。領域1及び領域2は、説明を容易にするために導入した仮想的な概念で、必ずしも明確な構造として認められるものではない。
【0032】
領域1には、ピット1A 29A及びピット1B 29Bが基板表面に形成されている。ピット1Aとピット1Bの大きさ及び深さは同一であるものの、これらは互いに各トラックのトラック中心線31に対して等距離ずらされている。また、ピット1Aは必ずピット1Bよりも先に出現するように配置されている。このようなピットの組みが半径方向にトラックピッチで配置されている。従って、先に発明が解決しようとする課題の項の中で説明したように、領域1のピット1A及びピット1Bを用いて検出されるトラックエラー信号は、図1下段に示したトラックエラー信号1 32のような正弦波状のものになる。
【0033】
領域2には、ピット2A 30A及びピット2B 30Bが基板表面に形成されている。これらの大きさ及び深さはピット1Aやピット1Bと同一であるものの配列方法が異なる。即ち、ピット2A及びピット2Bは、ピット1A及びピット1Bの配列を半径方向にトラックピッチの1/2ずらした配置となっている。従って、領域2のピット2A及びピット2Bを用いて領域1の場合と同様の方法で検出されるトラックエラー信号は、トラックエラー信号1に対してトラックピッチ即ち、1/2周期ずれたトラックエラー信号2 33となる。即ち、トラックエラー信号1の勾配が負である領域においては、トラックエラー信号2の勾配が正になっている。よって、この領域ではトラックエラー信号2を使用すればトラック制御が可能である。
【0034】
図1に示した例では、オフセットの大きさがP/4に極近い場合、トラックエラー信号の勾配が小さくなるために制御精度が低下するという問題が残っている。本発明に基づき、この問題を解消するピットの配置を図6に示す。この例の特徴は、3つの領域にそれぞれ配置された3組のピットを用いることにある。
【0035】
開始コード28に隣接する領域0には、ピット0A 35A及びピット0B 35Bが基板表面に形成されている。ピット0Aとピット0Bの大きさ及び深さは同一であるものの、これらは互いに各トラックのトラック中心線31に対して3P/4ずらされている。また、ピット0Aは必ずピット0Bよりも先に出現するように配置されている。このようなピットの組みが半径方向にトラックピッチの3倍の周期で配置されている。従って、先に発明が解決しようとする課題の項の中で説明したように、領域0のピット0A及びピット0Bを用いて検出されるトラックエラー信号は、図6下段に示したトラックエラー信号0 36のような正弦波状のものになる。
【0036】
領域1におけるピット1A及びピット1Bの配列の仕方は、開始コードからの距離と配置の中心とするトラックが領域0のものの右隣りのトラックであることを除いて領域0の場合と同様である。よって、領域1のピット1A及びピット1Bを用いて検出されるトラックエラー信号は、図6下段に示したトラックエラー信号1 32のような正弦波状のものになることは容易に理解できる。また、同様にして、領域2のピット2A及びピット2Bを用いて検出されるトラックエラー信号は、図6下段に示したトラックエラー信号2 33のような正弦波状のものになることは容易に理解できる。
【0037】
図6に示すように、上記のようにピットを配列することにより、トラックエラー信号0〜2の勾配が正である半径方向の範囲が互いに3P/4ずつオーバーラップすることになる。従って、オフセットの量に応じていずれかのトラックエラー信号を選択することにより先に述べた問題を解消することが可能であることが解る。
【0038】
なお、以上の例においては各領域中のピットの半径方向の間隔は全て等しいので、各領域のピットから得られるトラックエラー信号は正弦波状になっていた。しかし、例えば図6の例で、ピット0A及びピット0Bなどのトラック中心からの距離を共に(3/4)Pよりも僅かに増減させた場合、トラックエラー信号の形状が正弦波から少し変化するだけで、オフセットの量に応じていずれかのトラックエラー信号を選択することに対しては支障が無いことが理解できる。また、領域の数をN(ただし、3以上)とした場合、各領域におけるピット対の半径方向の配置周期は、NPである。
【0039】
次に、トラックエラー信号の検出について図7及び図8を用いて説明する。図7は、トラックエラー信号を生成するのに必要な要素と構成を示したものである。ただし、簡単のために、ガイド光とトラックエラー信号生成に関わる部分のみを抽出して示している。ガイド光の光源である赤色レーザダイオード19から放射されたレーザ光は、コリメータレンズ4で平行光線に変換された後に偏光ビームスプリッタ5と1/4波長板6を通過した後、対物レンズ3によって光ディスク1のリファレンス層上に焦点を結ぶ。レーザ光は、リファレンス層で反射される際に、その表面に形成されたピットの影響により反射光強度が変調される。リファレンス層で反射されたガイド光は、元の経路を偏光ビームスプリッタ5まで戻ると、そこで反射され集束レンズ8によってフォトダイオード9上に集光され電流信号に変換される。この電流信号は、電流電圧変換アンプ11によって電圧信号に変換される。電流電圧変換アンプ11の出力は、開始コード検出器12に入力される。開始コード検出器12は、入力信号のパターンを解析して予め指定された開始コードに対応する特定の信号パターンを検出すると開始パルスをタイマー13へと出力する。タイマー13は、予め指定された、開始パルスからの経過時間(ピットが出現するはずの時刻)に応じてゲート信号を生成し、ピーク検出器14へと出力する。ピーク検出器14は、ゲートが開いている間に、供給されている電流電圧変換アンプ11の出力のピーク値を検出し、算出器15へと出力する。算出器15は、開始パルスも受信する。開始パルスを受信すると、その時点からピーク検出器14から入力された値を用いてトラックエラー信号を算出し出力する。トラックエラー信号の値は、次の値を算出するまでの間保持される。
【0040】
図8は、以上の過程に関する信号の様子を模式的に示したものである。最上段は、ピットの配列図である。その直下の図は、ガイド光スポット34がガイド光スポット軌跡39を辿った際に観測されるガイド光スポットの反射光強度変化、即ち、電流電圧変換アンプ11の出力に相当するものである。先に説明したように、ガイド光スポット34は、まず、開始コードを通過する。開始コードは、図1では、簡単のために単純化して描かれていた。実際には開始コードは、図8に示したように、開始コードであることを識別するための識別コード37と識別コードの終了位置を示す終了マーク38とから構成される。
【0041】
開始コード検出器12は、開始コードに対応する特定の信号パターンを検出すると終了マーク38の出現に合わせて開始パルスを出力する。その様子を下から2番目の図に示す。タイマー13が生成するゲート信号を再下段の図に示す。ピーク検出器14は、ゲートが開いている間に、供給されている電流電圧変換アンプ11の出力のピーク値を検出し、算出器15へと出力する。
【0042】
次に、本発明に基づき、図9及び図10を用いて記録中途の記録層に追記を行う際の手順を説明する。
図9は、本発明に基づく光ディスク装置の構成例を示す図である。ただし、追記前にメインビームの焦点位置を校正する手順を説明するためのものなので、その説明に不要な構成要素は概ね省略されている。この例の特徴の一つは、フォーカシング及びトラッキングのフィードバック制御に用いるエラー信号の検出に、ガイドビームを用いるのかメインビームを用いるのかを選択することができることである。
【0043】
メインビームの光源は、青色レーザダイオード2で、これを発した青色レーザ光は、コリメータレンズ4Aで平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ5Aを透過し、1/4波長板6Aで円偏光に変えられる。そして、ダイクロイックプリズム16を透過した後に、対物レンズ3によって光ディスク1の記録領域内に焦点を結ぶ。ここで、メインビームの焦点が記録済みの記録層にあれば、記録マークによりメインビーム光の一部が反射され、偏光ビームスプリッタ5Aまで戻っていく。その間、再度1/4波長板6Aを通過するために偏光の向きが往路とは90°異なっているので、偏光ビームスプリッタ5Aによって反射されて非対称収束レンズ8Aにより4分割フォトダイオード17A上に集光される。非対称収束レンズ8Aは、故意に非点収差を発生させることにより、4分割フォトダイオード17Aとの組み合わせにより非点収差方式にてフォーカスエラー信号を得る。非対称収束レンズは、球面レンズと円柱レンズの組み合わせでも同等の機能を実現できる。また、トラックエラー信号も同時に4分割フォトダイオード出力から得られることは当業者には周知のことである。
【0044】
ガイドビームの光源は、赤色レーザダイオード19で、これを発した赤色レーザ光は、コリメータレンズ4Bで平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ5Bを透過し、1/4波長板6Bで円偏光に変えられる。そして、ダイクロイックプリズム16で反射された後に、対物レンズ3によって光ディスク1のリファレンス面に焦点を結ぶ。リファレンス面でガイドビーム光の一部が反射され、偏光ビームスプリッタ5Bまで戻っていく。その間、再度1/4波長板6Bを通過するために偏光の向きが往路とは90°異なっているので、偏光ビームスプリッタ5Bによって反射されて非対称収束レンズ8Bにより4分割フォトダイオード17B上に集光される。非対称収束レンズ8Bは、故意に非点収差を発生させることにより、4分割フォトダイオード17Bとの組み合わせにより非点収差方式にてフォーカスエラー信号を得る。また、先に述べた方法により、リファレンス層上のピットからトラックエラー信号を得られることは明らかである。即ち、図9中のトラックエラー信号算出部61が図7の演算部分などに相当する。なお、この時点ではトラックエラー信号は、どの領域のピットを用いて算出するかは確定していない。そして、得られたトラックエラー信号は、トラックエラー信号記録選択部62へと送られ、ここでどの領域のピットを用いて算出するかを確定する。その方法に関しては以下において述べる。
【0045】
メインビーム或いはガイドビームを用いて検出されたエラー信号から必要に応じてセレクタ18によっていずれかを選択し、調節計40に送る。調節計40は、入力されたエラー信号を用いてアクチュエータ41を駆動することにより、レンズのフォーカス及びトラッキングのフィードバック制御を行う。
【0046】
追記時には、図10に示したように、まず、追記を行う点を含むトラック、或いは、その極近傍へシークする。その際は、セレクタ18をメインビーム側に切り替え、メインビームを用いて記録済みトラックに対してトラック制御を行う(S01)。次に、その状態においてアクチュエータのトラック制御駆動信号及びリファレンス層から得られるトラックエラー信号(全てのトラックエラー信号。図6の例では3種類)をトラックエラー信号記録選択部62へ送りこれらを記録する(S02)。記録されたトラックエラー信号をアクチュエータのトラック制御駆動信号と比較し、アクチュエータのトラック制御駆動信号と相関性の高い時間変化を示すものを選択する。この際、複数の候補を残すことを許容する(S03)。直前の手順で選択したトラックエラー信号の中から、振幅の絶対値の平均が小さいものを選択する(S04)。次に、最終的に選定したトラックエラー信号の追記開始位置における値をオフセットとして選ぶ(S05)。トラック制御調節計への入力をリファレンス層から得たトラックエラー信号に切り替え、その際にオフセットとしてステップS04で得た値を使用し、記録層への記録を開始する(S06)。
【0047】
温度変化によってディスクが変形することにより生じるチルトの変化は、ディスクの周内で均一に起こるとは限らない。この問題に対する対処法としては、ディスクの場所によりオフセットを変化させる方法がある。そのためには、スポークに角度の絶対座標を定義し、スポーク毎にトラックエラー信号生成に使用すべきオフセットの量を追記開始前に評価し、表を作成する必要がある。そのためには、図11の下段の表に示すように、スポーク毎に角度座標を割り当て、その識別コードを記録した角度コード73を開始コードの前に配置する必要がある。
【0048】
追記時には、前述のように、まず、追記を行う点を含むトラック、或いは、その極近傍へシークする。その際は、セレクタ18をメインビーム側に切り替え、メインビームを用いて記録済みトラックに対してトラック制御を行う。次に、その状態においてリファレンス層から得られる全ての領域からのトラックエラー信号(図6の例では3種類)をトラックエラー信号記録選択部62へ送り、これらを記録する。図12は、図6の一部を拡大し、そこに上記の条件の下におけるガイドビームの軌跡42の例を記したものである。図12の上部の図は、ディスク周回の極一部を示したものである。従って、ガイドビームの軌跡の位置を下部のグラフ中に示すと1点にしか表されない。しかし、ディスクを周回させた際の状況を考えると、ディスクの偏芯の影響は、記録済みトラックを追尾することにより解消されているものの、記録済みトラックには僅かな歪やとリファレンス層との間に僅かな偏芯がある。従って、ガイドビームは、半径方向に僅かに変動しながら進む。この変動により、ガイドビームが達する最も内側の半径をA、最も外側をBとする。
【0049】
記録されたトラックエラー信号から周回分の2乗和を算出し、その最も小さいものを選択する。これは、トラックエラー信号振幅が平均的に小さいもの、即ち、トラックエラー信号検出に適切な領域を選択することである。ただし、その差が小さい場合は、複数の候補を残すことを許容する。図12の例では、トラックエラー信号0 36が除かれるのは自明であるのに対し、トラックエラー信号1 32とトラックエラー信号2 33の差は小さいので、この段階ではトラックエラー信号1及び2を候補として残す。
【0050】
続いて、メインビームのトラッキングに適当な量の変位を印加する。それに伴い、ガイドビームもリファレンス層上で半径方向に変位する。その際のトラックエラー信号1及びトラックエラー信号2の変化を調べることにより、半径を変数にした場合のそれぞれの曲線の勾配を判定する。今の場合、トラッキングに用いるエラー信号の勾配の符号は正であると定めているので、図12の例では、トラックエラー信号1 32が選択される。また、図12が追記開始点の近傍に有るスポークであるとすると、トラックエラー信号の0交差点からガイドビーム軌跡42がオフセット43になる。
【0051】
追記開始する際には、セレクタ18をガイドビーム側に切り替え、図12中に示した追記オフセット44を目標値にしてトラック制御を行う。追記オフセット44は、オフセット43を生じた際に生じるトラックエラー信号振幅であるから、このようにすることにより、リファレンス層で検出したトラックエラー信号を用いて必要なオフセット43(図12中の二点鎖線で示す半径)を生じた状態でメインビームの半径位置を決定することができる。
【0052】
オフセットは、ディスクの全周回において一定であるとは限らない。そのような場合、全スポークに関して上記の追記オフセットを求め、これらの値を用いてフィードフォワード制御を行う。
【0053】
図13は、光ディスク装置の構成の一例を示したものである。光ディスク1は、スピンドルモータ52によって回転される。ピックアップ51は、例えば図9に示したような記録再生に用いる光源、対物レンズをはじめとする光学系などで構成されている。ピックアップ51は、スライダ53によりシークを行う。シーク及びスピンドルモータの回転などはメイン回路54からの指示によって行う。メイン回路には、信号処理回路やフィードバック調節計などの専用回路及びマイクロプロセッサ、メモリなどが搭載されている。光ディスク装置全体の動作を制御するのはファームウェア55である。ファームウェアは、メイン回路中のメモリに格納されている。先に述べた、追記時のメインビームのオフセット調整もファームウェアの指示に従って行う。
【0054】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1:光ディスク、2:青色レーザダイオード、3:対物レンズ、4,4A,4B:コリメータレンズ、5,5A,5B:偏光ビームスプリッタ、6,6A,6B:1/4波長板、8,8A,8B:非対称収束レンズ、9:フォトダイオード、10:AD変換器、11:電流電圧変換アンプ、12:開始コード検出器、13:タイマー、14:ピーク検出器、15:算出器、16:ダイクロイックプリズム、17A,17B:4分割フォトダイオード、18:セレクタ、19:赤色レーザダイオード、
20:ガイドビーム、21:メインビーム、23:基板、24:グルーブ式リファレンス層、25:記録領域、26:トラック、27A:Aピット、27B:Bピット、28:開始コード、29A:ピット1A、29B:ピット1B、30A:ピット2A、30B:ピット2B、31:トラック中心線、32:トラックエラー信号1、33:トラックエラー信号2、34:ガイド光スポット、35A:ピット0A、35B:ピット0B、36:トラックエラー信号0、37:識別コード、38:終了マーク、39:ガイド光スポット軌跡、40:調節計、41:アクチュエータ、42:ガイドビーム軌跡、43:オフセット、44:追記オフセット、
51:ピックアップ、52:スピンドルモータ、53:スライダ、54:メイン回路、55:ファームウェア、
61:トラックエラー信号算出部、62:トラックエラー信号記録選択部、70:スポーク、71:ピット群、72:リファレンス層、73:角度コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射光強度を変調する作用を有するマーク対が形成されたリファレンス層を有する光情報記録媒体であって、
前記マーク対がトラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された第1のマーク対列と、前記マーク対が前記トラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された1つ以上の別のマーク対列とによりスポークが構成され、
前記スポークが周方向に複数個に配列されている
ことを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の光情報記録媒体において
前記スポークに含まれる前記マーク対列の数が3以上であり、
前記マーク対列における前記マーク対の配置周期が、前記マーク対列の数と前記トラックピッチの積に等しい
ことを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項3】
請求項1に記載の光情報記録媒体において
前記別のマーク対列の数が1であり、
前記別のマーク対列は前記第1のマーク対列に対して半径方向に前記トラックピッチの1/2ずらして配列されている
ことを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の光情報記録媒体において
前記別のマーク対列は、第2のマーク対列と第3のマーク対列であり、
前記第1のマーク対列、前記第2のマーク対列、及び前記第3のマーク対列の各マーク対を構成する第1のマークはトラック中心に対して半径外周方向にトラックピッチの3/4ずらして配列されるとともに、各マーク対列を構成する第2のマークはトラック中心に対して半径外周方向にトラックピッチの3/4ずらして配列されており、
前記第1のマーク対列、前記第2のマーク対列、及び前記第3のマーク対列における前記マーク対の配置周期が前記トラックピッチの3倍に等しく、
前記第1のマーク対列に対して前記第2のマーク対列は半径方向に前記トラックピッチだけずらして配置されており、前記第2のマーク対列に対して前記第3のマーク対列は半径方向に前記トラックピッチだけずらして配置されている
ことを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項5】
請求項1に記載の光情報記録媒体において
前記スポークに角度座標を識別するマーク列を付加した
ことを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項6】
光源と、
反射光強度を変調する作用を有するマーク対が形成されたリファレンス層と記録層を有し、前記マーク対がトラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された第1のマーク対列と、前記マーク対が前記トラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された1つ以上の別のマーク対列とによりスポークが構成され、前記スポークが周方向に複数個配列されている光情報記録媒体に、前記光源から出射された光束を対物レンズで前記記録層に集光する集光光学系と、
前記光情報記録媒体の記録層からの反射光からトラックエラー信号を検出する手段と、
第2の光源と、
前記第2の光源から出射された光を前記光情報記録媒体のリファレンス層に照射する光学系と、
前記リファレンス層の前記複数のマーク対列からの反射光から複数のトラックエラー信号を検出する手段と、
前記複数のトラックエラー信号の中から所望の性質を有するトラックエラー信号を選択する手段と、
トラック制御用のフィードバック調節計と、
前記第1又は第2の光源により検出されたトラックエラー信号のいずれかを選択する手段と
を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
【請求項7】
反射光強度を変調する作用を有するマーク対が形成されたリファレンス層と記録層を有し、前記マーク対がトラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された第1のマーク対列と、前記マーク対が前記トラックピッチの整数倍のピッチで半径方向に配列された1つ以上の別のマーク対列とによりスポークが構成され、前記スポークが周方向に複数個配列されている空間記録型の光情報記録媒体の記録中途の記録層への追記方法であって、
記録用のメインビームを用いて記録済みトラックに対してトラック制御を行う工程と、
ガイドビームを前記リファレンス層に照射して前記リファレンス層から得られるトラックエラー信号を記録する工程と、
前記記録されたトラックエラー信号を前記メインビームのトラック制御駆動信号と比較し、相関性の高い時間変化を示すものを選択する工程と、
前記選択したトラックエラー信号の中から、振幅の絶対値の平均が小さいものを選択する工程と、
最終的に選定したトラックエラー信号の追記開始位置における値をオフセットとして選ぶ工程と、
前記メインビームのトラック制御信号を前記リファレンス層から得たトラックエラー信号に切り替え、前記オフセットを目標値にしてトラック制御を行い、追記を開始する工程と
を有することを特徴とする追記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−114715(P2013−114715A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260406(P2011−260406)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】