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光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物及びLED光拡散成型体
説明

光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物及びLED光拡散成型体

【課題】耐候性に優れ、全光線透過率と光拡散性を両立した硬化物を与える光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物、及び該組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体を提供する。
【解決手段】ジメチルポリシロキサン又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤とウエッターとからなる透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に、平均粒径が0.5〜100μmで、かつフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子からなる光拡散剤0.1〜100質量部を添加、分散してなることを特徴とする光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明カバー、照明看板、液晶ディスプレイのバックライト光拡散板やバックライト導光板、透過型スクリーン、LED照明光源等のLED光の散乱を目的とした部材(例えば、LED照明カバー、携帯電話のボタンやバックライト、集光又は拡散用シリコーンレンズ、LEDチップ封止材など)に好適な光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物及び該組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光拡散性樹脂組成物としては、透明性の高い(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱可塑性バインダー樹脂やエポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、ガラス等の無機系微粒子を添加、分散した樹脂が用いられていたが、その硬化物は全光線透過率が大きく低下してしまうという問題点があった。
【0003】
また、全光線透過率を損なわずに高い光拡散性を得る光拡散剤として、架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリスチレン、架橋メチルメタクリレート・スチレンコポリマー、シリコーン樹脂等の有機系樹脂粉体が提案されている(特許文献1〜9:特開平1−172801号公報、特開2005−247999号公報、特開2005−298710号公報、特開2005−320380号公報、特開2006−339581号公報、特開2006−37008号公報、特開2006−84927号公報、特開2008−192880号公報、特開2009−103892号公報参照)。
【0004】
しかしながら、従来の光拡散性樹脂のバインダー樹脂は硬質の熱可塑性樹脂であり、柔らかいゴム質のバインダー樹脂を用いたものは開示されていない。照明器具やディスプレイに硬質樹脂からなる光拡散性樹脂成型物を適用した場合、衝撃による破損で身体に危害を及ぼしてしまう可能性を否定できないが、シリコーンゴムからなる光拡散性樹脂成型物であれば危険性が大きく低減する。
【0005】
また、光拡散性微粉末材として、架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリスチレン、架橋メチルメタクリレート・スチレンコポリマー等の樹脂粉末を使用する光拡散シリコーンゴム組成物は、−60℃程度の低温から200℃程度の高温まで使用可能な光拡散性樹脂成型物が得られるが、高温領域での連続使用や紫外線領域の光源を使用する場合には添加した樹脂が劣化してしまい、変色(黄変)や光透過率の低下等を引き起こす可能性を排除できない。また、上記樹脂粉末はゴム弾性を持たないため、光拡散性シリコーンゴムの成型時のゴム伸長(強制的に伸ばされる)や折り曲げ等の力が加わった場合にゴムの変形に追従できず、光拡散樹脂とシリコーンゴム間で隙間(クラック)ができたり、光の散乱が安定しない等の不具合があった。
【0006】
一方、ジメチルシリコーン樹脂に光拡散微粒子としてジメチルシリコーン微粒子を使用した場合は、上記変形や耐熱性、耐光性に優れるものの、同一屈折率の樹脂であるために必要な光散乱が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−172801号公報
【特許文献2】特開2005−247999号公報
【特許文献3】特開2005−298710号公報
【特許文献4】特開2005−320380号公報
【特許文献5】特開2006−339581号公報
【特許文献6】特開2006−37008号公報
【特許文献7】特開2006−84927号公報
【特許文献8】特開2008−192880号公報
【特許文献9】特開2009−103892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐候性に優れ、全光線透過率と光拡散性を両立した硬化物を与える光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物、及び該組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、比較的透明性の高い(透明又は半透明な)未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物に、フェニル基含有シロキサン単位(即ち、ケイ素原子に結合したフェニル基を1〜3個含有する、1〜3価のシロキサン単位)を含む特定粒径のシリコーン弾性体粒子からなる光拡散剤を添加、分散することにより、耐候性に優れ、全光線透過率と光拡散性を両立した硬化物を与える光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を得ることができ、該組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体は、シリコーンゴムの柔らかさを有し、使用可能温度範囲が極めて広いものであることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、下記に示す光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物及びLED光拡散成型体を提供する。
〔請求項1〕
ジメチルポリシロキサン又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤とウエッターとからなる透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に、平均粒径が0.5〜100μmで、かつフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子からなる光拡散剤0.1〜100質量部を添加、分散してなることを特徴とする光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項2〕
透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物が、厚さ2mmのシート状硬化物について測定した全光線透過率が70%以上の硬化物を与えるものである請求項1記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項3〕
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の2mm厚硬化成型品にHe−Neレーザー光を照射させた場合の光散乱スポット径が入力ビーム径の5倍以上に光散乱されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項4〕
上記シリコーン弾性体粒子が、フェニル基含有シロキサン単位中のケイ素原子に結合するフェニル基の含有量が該シリコーン弾性体粒子を構成する全シロキサン単位中のケイ素原子に結合する1価炭化水素基の合計に対して3mol%以上の球状微粒子であり、かつ該シリコーン弾性体粒子のデュロメータタイプA硬度が70以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項5〕
更に、帯電防止剤を未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に対して0.001〜10質量部添加、分散させてなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項6〕
LED用である請求項1〜5のいずれか1項記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項7〕
更に、LED光を吸収し、該LED光とは異なる波長の光に波長変換することが可能な蛍光体を未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物と光拡散剤との合計量100質量部に対して0.1〜50質量部添加、分散させてなるものであることを特徴とする請求項6記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
〔請求項8〕
請求項6又は7記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体。
【発明の効果】
【0011】
本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物は、上記透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物に、平均粒径が0.5〜100μmのフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子を光拡散剤として添加、分散したことにより、耐候性に優れ、全光線透過率と光拡散性を両立した硬化物となり得るものであり、該組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体は、シリコーンゴムの柔らかさを持ち、使用可能温度範囲が極めて広いという特徴を持つ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物は、ジメチルポリシロキサン又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤とウエッターとからなる透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物と、平均粒径が0.5〜100μmで、かつフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子からなる光拡散剤とを含有してなるものである。
【0013】
本発明に使用される透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物は、比較的透明性の高いもの、具体的には厚さ2mmの硬化シートで測定した全光線透過率が70%以上(即ち、70〜100%)、特に80%以上(80〜100%)のものを使用することが好ましい。
【0014】
未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物は、主剤(ベースポリマー)としてのジメチルポリシロキサンと、必要に応じて微粉末シリカ等の無機質充填剤と、この無機質充填剤に加えて更に必要に応じてウエッター(無機質充填剤を分散するための分散剤)を含有してなるもので、この配合物に硬化タイプに応じた硬化剤(あるいは架橋剤と硬化触媒)を適宜配合することができ、具体的には、未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物に、硬化剤(あるいは架橋剤と硬化触媒の組み合わせ)が配合された形態として、ジメチルシリコーンレジン組成物、ミラブル型ジメチルシリコーンゴム組成物、液状ジメチルシリコーンゴム組成物等が挙げられる。
【0015】
なお、無機質充填剤としては、微粉末シリカ(例えば、表面疎水化処理又は未処理の、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、焼成シリカ、ゾル−ゲル法シリカ、結晶性シリカ等)、ケイソウ土、炭酸カルシウム等の補強性又は非補強性の無機質充填剤や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の熱伝導性無機質充填剤などから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤が用いられ、ウエッターとしては、ジフェニルシランジーオールや分子鎖両末端シラノール基封鎖オルガノシロキサンオリゴマーなどのシラノール基含有シラン及び/又はシロキサンオリゴマー等が用いられる。
ここで、該無機質充填剤の配合量としては、ベースポリマー100質量部に対し、0〜100質量部とすることが好ましく、より好ましくは0〜60質量部、更に好ましくは10〜50質量部の範囲の配合量とすることができる。また、ウエッターの配合量としては、ベースポリマー100質量部に対し、0〜25質量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜20質量部、更に好ましくは5〜15質量部の範囲の配合量とすることができる。
【0016】
硬化方法としては、加熱硬化型、室温硬化型、紫外線硬化型、あるいはこれらを組み合わせたものから選択でき、また架橋形態としては、付加(ヒドロシリル化)架橋型、縮合架橋型、有機過酸化物架橋型から選択できる。
【0017】
これらのうち、成型時間が短く、成型物(シリコーンゴム硬化物)の透明性経時変化(黄変、濁り等)が少ない点で有利である、ジメチルポリシロキサンをベースポリマーとし、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)と白金族金属化合物(硬化触媒)との組み合わせを硬化剤として含有し、付加(ヒドロシリル化)架橋により加熱硬化する付加硬化型液状ジメチルシリコーンゴム組成物が好ましく用いられる。
【0018】
この付加架橋を採用する場合、ベースポリマーのジメチルポリシロキサンとしては、一分子中に2個以上のビニル基、アリル基等のアルケニル基を分子鎖(両)末端及び/又は分子鎖途中(非末端)のケイ素原子上に有する、通常、直鎖状構造のアルケニル基含有ジメチルポリシロキサンを使用する。オルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)としては、一分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSiH基を分子鎖(両)末端及び/又は分子鎖途中(非末端)のケイ素原子上に有する、通常、直鎖状、環状、分岐状又は三次元網状構造のものを使用し、この場合、ベースポリマーのアルケニル基1モルに対し、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基を0.5〜5モル、特に0.8〜3モルの割合で使用することが好ましい。白金族金属化合物(硬化触媒)としては、白金化合物が好ましく、ベースポリマーに対して白金族金属(質量)として0.1〜1,000ppm、特に0.5〜500ppmの割合で使用することが好ましい。
【0019】
また、有機過酸化物架橋の場合は、ベースポリマーのジメチルポリシロキサンとして、一分子中に2個以上のビニル基、アリル基等のアルケニル基を分子鎖(両)末端及び/又は分子鎖途中(非末端)のケイ素原子上に有する、通常、直鎖状構造のものが好ましい。有機過酸化物(硬化剤)としては、従来からこの種の有機過酸化物架橋に用いられている有機過酸化物が使用し得、ベースポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.5〜5質量部の配合量とすることが好ましい。
【0020】
縮合架橋の場合は、分子鎖(両)末端が水酸基又はメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基で封鎖された、通常、直鎖状構造のジメチルポリシロキサンをベースポリマーとして使用し、オルガノキシシランやその部分加水分解縮合物等の架橋剤、更に必要により縮合触媒を配合した公知の組成とすることができる。
【0021】
未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物又はこれに硬化剤が配合されたものとしては、市場で一般に入手可能なものがそのまま使用できる。具体的には、例えばミラブル型シリコーンゴムコンパウンドKE−571−U、KE−1571−U、KE−951−U、KE−541−U、KE−551−U、KE−561−U、KE−961T−U、KE−1541−U、KE−1551−U、KE−941−U、KE−971T−U(いずれも信越化学工業(株)製)や、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE−1950−40A/B、KE−1950−50A/B、KE−1950−60A/B、KE−1950−70A/B、KEG−2000−40A/B、KEG−2000−50A/B、KEG−2000−60A/B、KEG−2000−70A/B(いずれも信越化学工業(株)製)や高透明液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE−1935A/B、X−34−1931A/B(いずれも信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0022】
なお、未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物は、上述したように、厚さ2mmの硬化シートの全光線透過率が70%以上の半透明乃至透明な硬化物を与えるものを使用することが好ましく、これは上記未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物として、その架橋形態に応じた硬化剤を用いて厚さ2mmのシートに硬化した場合の該シートの全光線透過率である。
【0023】
なお、本発明において、全光線透過率の測定方法・条件は、スガ試験機(株)製の直読ヘイズコンピューターHGM−2を使用し、C光源2度視野、光束φ13mmの条件で測定することができる。
【0024】
本発明は、上記ジメチルシリコーンゴム配合物に光拡散剤を配合する。本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物に使用される光拡散剤としては、フェニル基含有シロキサン単位(即ち、ケイ素原子に結合したフェニル基を1〜3個含有する、1〜3価のシロキサン単位)を含むシリコーン弾性体粒子が使用される。
【0025】
該フェニル基含有シロキサン単位としては、例えば、1価のシロキサン単位として、トリフェニルシロキシ基((C653SiO1/2)、メチルジフェニルシロキシ基((CH3)(C652SiO1/2)、ビニルジフェニルシロキシ基((CH2=CH)(C652SiO1/2)、ジメチルフェニルシロキシ基((CH32(C65)SiO1/2)、メチルビニルフェニルシロキシ基((CH3)(CH2=CH)(C65)SiO1/2)、2価のシロキサン単位として、ジフェニルシロキサン単位((C652SiO2/2)、メチルフェニルシロキサン単位((CH3)(C65)SiO2/2)、ビニルフェニルシロキサン単位((CH2=CH)(C65)SiO2/2)、3価のシロキサン単位として、フェニルシルセスキオキサン単位((C65)SiO3/2)等が挙げられる。
【0026】
一般に光拡散性の樹脂組成物は、バインダー樹脂(本発明の場合、未架橋あるいは硬化後のジメチルシリコーンゴム)と微粒子光拡散剤それぞれの屈折率の差が大きいほど光拡散効率が高いとされている。例えば、25℃におけるナトリウムD線に対する屈折率では、ジメチルシリコーンゴムの屈折率は1.40〜1.42である。そのため本発明に用いられるフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子の屈折率は、1.44以上であることが望ましい。フェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子の屈折率は、ケイ素原子に結合するフェニル基の割合が多くなると屈折率も上がる傾向があるため、上記フェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子は、該フェニル基含有シロキサン単位中のケイ素原子に結合するフェニル基の含有量がシリコーン弾性体粒子を構成する全シロキサン単位中のケイ素原子に結合する置換基の合計(即ち、全シロキサン単位中のケイ素原子に結合する1価炭化水素基の合計)に対して3mol%以上であることが好ましく、より好ましくは5mol%以上、更に好ましくは8〜50mol%であることが望ましい。8mol%以上のフェニル基を有するシリコーン弾性体粒子の上記屈折率は1.48以上となり、屈折率の差が大きくなる組み合わせを選択すると、光拡散効率の高い光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物が得られる。但し、フェニル基含有率が50mol%を超える場合はシリコーン弾性体粒子を製造する場合の架橋、ゴム弾性低下等の不具合を生じる場合があるので避けた方がよい。
【0027】
シリコーン弾性体粒子を構成する全シロキサン単位中のケイ素原子に結合する置換基(ケイ素原子に結合する1価炭化水素基)のうち、フェニル基以外の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基などの、通常、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4程度の飽和又は不飽和の脂肪族1価炭化水素基が挙げられるが、好ましくはアルキル基、より好ましくはメチル基である。
【0028】
また、本発明のフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子は球状微粒子であることが望ましい。ここで、“球状”又は“球形”とは、個々の粒子表面に鋭く尖ったエッヂ部分がなく、なめらかな形状であることを意味するもので、通常、長径/短径の比率(アスペクト比)が1.0〜1.4、好ましくは1.0〜1.2程度のものを示す。上記フェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子が、重合体樹脂の粉砕やフェニル基含有シロキサン単位を含む未架橋ポリマーやゲル物質では光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物中の分散状態が不定形微粒子となり、光線の微粒子内透過と表面での反射が非常に不規則となるため、光拡散効率が低下してしまう。これに対してシリコーン弾性体粒子が球状微粒子であると、光線の微粒子内透過と表面反射の規則性が比較的高いため、高い光拡散効率が期待できる。これらのシリコーン弾性体粒子(球状弾性体微粒子)は、O/Wエマルジョン架橋等によって製造することができる。また該球状弾性体微粒子中には、更に補強性を目的としてシリカ微粒子を、透明性を損なわない範囲の量(例えば、球状弾性体微粒子とシリカ微粒子との合計に対して20質量%以下)で添加してもよい。
【0029】
上記のシリコーン弾性体粒子の製造方法としては特に限定されるものではないが、エマルジョン下で付加架橋重合したもの(特公平5−13972号公報)、及びシリコーンゴムを粉末化したもの(特開昭62−270660号公報)等が挙げられる。
【0030】
特に本発明では、エマルジョン重合により得られる球状弾性体微粒子が好適に用いられる。例えば直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(フェニル基を側鎖に含む)とオルガノハイドロジェンポリシロキサンを白金系触媒の存在下でエマルジョン分散下にて付加反応させて硬化、乾燥させて得ることが可能である。また上記球状弾性体微粒子の表面に、凝集防止、分散性向上としてシランカップリング剤による表面処理や、シリカ、ポリオルガノシルセスキオキサンなどの微粒子の付着や被覆等の処理をしてもよい。
【0031】
また、本発明のシリコーン弾性体粒子は、デュロメータタイプA硬度が70以下であることが好ましく、より好ましくは60以下、更に好ましくは10以上45以下が望ましい。上記硬度が70より大きいとシリコーン弾性体粒子の架橋点が多く必要で、エマルジョン微粒子が凝集する等により製造が困難となるだけでなく、未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物に分散した場合に組成物表面に凹凸が目立ちやすくなる場合がある。また硬度が低すぎる場合にはシリコーン弾性体粒子表面の粘着による粉体の凝集により未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物への分散性が悪化するおそれがある。
【0032】
シリコーン弾性体粒子のデュロメータタイプA硬度は、エマルジョン重合前の液状フェニルシリコーンをシート状に加工することにより硬度を測定することができる。簡易的な微粒子の硬度確認方法としては、シリコーンゴム組成物にシリコーン弾性体粒子を多量に添加した後、これをシート状に硬化させ、得られたゴムシートの硬度を測定して、微粒子添加無/有の硬度を測定することで、シリコーン弾性体粒子の硬度を確認する方法などが挙げられる。例えば、ゴム硬度規格が50の未架橋ゴムコンパウンドにシリコーン弾性体粒子を該コンパウンドの50質量%添加した後、これを硬化させて得られたシリコーンゴム硬化物の硬度が規格の硬度と変わらない場合はシリコーン弾性体粒子のデュロメータ硬度が50であると判断できる。
【0033】
本発明に用いるシリコーン弾性体粒子の平均粒径は0.5〜100μmであり、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは3〜12μmである。平均粒径が0.5μmよりも小さいシリコーン弾性体粒子では光拡散効率が低く、平均粒径が100μmよりも大きいシリコーン弾性体粒子では全光線透過率が低下してしまうという不都合が生じる。
ここで、平均粒径の測定は、レーザー光回折による粒度分布測定における累積重量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
【0034】
また、本発明では、透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に、光拡散剤であるシリコーン弾性体粒子を0.1〜100質量部、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.3〜30質量部、更に好ましくは0.5〜20質量部添加、分散させる。光拡散剤が0.1質量部未満では十分な光拡散効率が発揮されず、100質量部を超えると光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の粘度が上昇して混練性が悪化し、ゴム強度が低下してしまうという不都合が生じる。
【0035】
本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物には、更に光学特性及びシリコーンゴム物性を損なわない範囲で様々な添加剤を配合することが可能である。例えば、帯電防止剤、着色剤、酸化防止剤などが挙げられ、これらは一種類を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。帯電防止剤は光拡散性ジメチルシリコーンゴム成型物表面に静電気によるホコリが付着するのを防止するため、着色剤は光拡散性ジメチルシリコーンゴム成型物に色彩を付与して意匠性を向上させるため、酸化防止剤は光拡散剤であるシリコーン弾性体粒子の酸化劣化による着色を抑制するために配合するものである。
【0036】
本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物に、配合できる帯電防止剤としては、カーボン、導電性亜鉛華、過塩素酸リチウムやアミドリチウム等のリチウム塩含有イオン導電剤、イミダゾリウム塩類やピリジニウム塩類等のイオン液体、アルコール誘導体、グリコール誘導体、グリセリン誘導体、ポリエーテル誘導体等が挙げられる。帯電防止剤としては、特にリチウム塩が好ましく、具体的には、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiSO3CF3、LiN(SO2CF32、LiSO349、LiC(SO2CF33、LiB(C654などが少量の添加で大きな帯電防止効果が認められる。
【0037】
上記帯電防止剤は一種類を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよいが、固体の帯電防止剤は光透過を妨げる性質を持つことから、全光線透過率を低下させないために液体の帯電防止剤を用いることが好ましい。帯電防止剤を使用する場合の配合量は、ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
【0038】
ここで、帯電防止レベルについては、スタチックオネストメーター(シシド静電気(株)製)等を用いて、光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を硬化して得られる成型物の表面に、コロナ放電により静電気をチャージした後、その帯電圧が半分になる時間を測定することによって評価することができる。本発明の帯電性レベルについては、上記半減期時間が2分以下、特に1分以下であることが好ましい。
【0039】
着色剤としては、縮合アゾ、イソインドリノン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ジオキサジン、銅フタロシアニン、アリルアマイド等の有機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄(赤ベンガラ、黒ベンガラ)、群青、コバルトブルー、カーボン、バナジウム酸ビスマス等の無機顔料、アゾ、クロム錯体、コバルト錯体、アンスラキノン、フタロシアニン等の染料が挙げられるが、光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物への分散性、着色力、色調安定性から有機顔料や無機顔料が好ましく用いられる。これらは一種類を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。着色剤は、その多くが光透過を妨げる性質を持つことから、多量に配合すると全光線透過率を低下させてしまう。そこで、着色剤を使用する場合の配合量は、ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に対し、0.0001〜0.1質量部が好ましく、より好ましくは0.001〜0.01質量部である。
【0040】
酸化防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、これらは一種類を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。酸化防止剤を使用する場合の配合量は、ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に対し、0.001〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量部である。
【0041】
本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物は、波長変換を目的とした蛍光体を添加することで、入力したLED波長を効率よく変換する(LED光の色調を変化させる)ことが可能であり、例えば、LED照明カバー、携帯電話のボタンやバックライト、集光又は拡散用シリコーンレンズ、LEDチップ封止材などの各種のLED用部材として使用することができる。
【0042】
この場合、光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物には、蛍光体を配合することが好ましい。本発明で使用する蛍光体は、光源であるLEDの波長が特に430nm以上に発光ピークをもつ光を光拡散させる際に、LED光源からの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Y3Al512:Ce、(Y,Gd)3Al512:Ce、Y3(Al,Ga)512:Ce等で表されるCe等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類系アルミン酸塩蛍光体等を用いることができる。また、LEDの波長が、特に400nm以上に発光ピークをもつ近紫外光を波長変換する場合には、RGB蛍光体(3種以上)を用いることも可能である。これらの蛍光体は本発明の光拡散剤であるシリコーン弾性体粒子により複雑に光拡散されるため、少ない蛍光体添加量で効率的な光波長変換が可能である。蛍光体を使用する場合の配合量は、ジメチルシリコーンゴム配合物と光拡散剤との合計量100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部である。
【0043】
以上、本発明の形態について詳述したが、本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物によって得られる好ましい光学特性(厚さ2mmの硬化シートで測定)は、全光線透過率が50%以上、拡散光線透過率が40%以上、HAZEが90以上である。より好ましくは、全光線透過率が50%以上、拡散光線透過率が50%以上、HAZEが92以上である。なお、かかる光学特性は、比表面積の大きい(例えばBET法による比表面積が200〜380m2/g程度が好ましい)乾式シリカ(ヒュームドシリカ)を補強性シリカ充填剤として用いることによって得られる。
上記光学特性は、光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を120〜165℃で10分間で硬化させた厚さ2mmの硬化物シートを作製し、ヘイズメーターで全光線透過率、拡散光線透過率、HAZE値を測定して評価することができる。この際、光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の硬化シートの表面状態が荒れていると、そこで光の乱反射が起こり、正確な光学特性が得られなくなるので注意が必要である。光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の硬化シートを作製する金型表面を鏡面仕上げとするか、光沢面を持つライナーシートで挟んで成形することが好ましい。
【0044】
また、本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物は、He−Neレーザー光を、該組成物を硬化させた2mm厚成型品(硬化シート)に照射させた場合に、硬化シート表面に散乱された光散乱スポット径が入力ビーム径の5倍以上に光散乱することが好ましい。より好ましくは10倍以上、更に好ましくは30倍以上であることが望ましい。これは、近年のLED発光素子に対応するための必要特性で、光源が点発光(スポット)でかつ照度が高いLED素子の特徴を光拡散によって面発光的な光へと拡散させるものである。
具体的な測定方法としては、He−Neレーザー(ネオアーク社製波長632.8nm、発振出力0.6mW、ビーム径0.8mmφ)光を30cm離れた硬化シート(2mm厚)へ垂直に入射させ、硬化シート表面に赤色に広がったレーザー光のスポット径を測定する。光拡散性が良好な光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を硬化させた硬化シートは、レーザー光が光拡散され、硬化シート表面の赤色スポット径が広くなる。また、レーザー光は、光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の硬化シートをレーザー光が透過、貫通しない(入力ビーム径のまま貫通しない)ことが望ましい。
【0045】
なお、本発明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の硬化条件としては、付加架橋では、通常、100〜180℃で3〜15分間、好ましくは120〜150℃で5〜10分間の条件でプレス成型又は常圧熱気加硫(HAV)することができ、必要に応じてその後150〜200℃で1〜4時間程度の2次硬化(ポストキュア)を施すのが好ましく、有機過酸化物架橋では、通常、120〜200℃で3〜15分間、好ましくは150〜180℃で5〜10分間の条件でプレス成型又は常圧熱気加硫(HAV)することができ、その後、必要に応じて150〜200℃で1〜4時間程度の2次硬化(ポストキュア)を施すのが好ましい。
【実施例】
【0046】
以下、実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
[実施例1]
透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物としてミラブル型ジメチルシリコーンゴムコンパウンドKE−571−U(信越化学工業(株)製、重合度が約5,000のジメチルポリシロキサンを主成分とし、BET法による比表面積が200m2/gの乾式シリカを40質量%以下、分子量700以下の両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー(シリカ分散剤)を10質量%以下含有し、コンパウンド中にフェニル基は含有していない)100質量部に、光拡散剤として平均粒径5μm、フェニル基含有量30mol%、屈折率1.52、デュロメータタイプA硬度30の球状フェニルメチルシリコーンゴムパウダー(パウダーA)を5.0質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加(ヒドロシリル化)反応系加硫剤C−25A/B(信越化学工業(株)製)をそれぞれ0.5/2.0質量部添加して二本ロールで混練した光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を表面光沢のPETフィルムに挟み、厚さ2mmのシートが得られるような金型を用いて、120℃で10分間プレス成形してシートを得た。更にこのシートを200℃/4時間の2次加熱(ポストキュア)を行い、得られた硬化シートについて「全光線透過率、HAZE値」、「レーザー光拡散性」、「帯電性」、「紫外線劣化性」を下記に示す方法により評価した。
【0048】
全光線透過率、HAZE値の測定
スガ試験機(株)製直読ヘイズコンピューターHGM−2で2mm厚の硬化シートの全光線透過率及びHAZE値を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0049】
レーザー光拡散性の測定
He−Neレーザー(ネオアーク社製波長632.8nm、発振出力0.6mW、ビーム径0.8mmφ)光を30cm離れた硬化シート(2mm厚)へ垂直に入射させ、シート表面に赤色に広がったレーザー光のスポット径を測定し、ビーム径倍率を求めた。またレーザー光がシリコーン光拡散シートを透過、貫通するかどうか(入力ビーム径のまま貫通しない)を観測し、「貫通なし=○」、「貫通=×」で評価した。これらの結果を表1に示す。
【0050】
帯電性の測定
スタチックオネストメーター(シシド静電気(株)製)を用いて、2mm厚の硬化シート表面に、コロナ放電により6kVの静電気をチャージした後、その帯電圧が半分になる時間を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
紫外線劣化性の測定
紫外線照射漕EYE SUPER UV TESTER SUV−W151(岩崎電気社製、照度100mW、温度50℃、湿度30%)に2mm厚の硬化シートを24時間放置して硬化シートの外観及び変色を色差計にて(L,a,b)値で表示して測定し、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
○:良好(黄変なし)(黄方向を表すb値が+5〜−5の範囲内)
△:やや黄変(黄方向を表すb値が+5を超え+15未満)
×:黄変(黄方向を表すb値が+15以上)
【0052】
[実施例2]
実施例1の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、架橋剤として有機過酸化物系加硫剤C−8B(信越化学工業(株)製)1.0質量部を添加して二本ロールで混練し、実施例1と同様にプレス成形して得られた厚さ2mmの硬化シートを用いて実施例1と同様に各種測定を行った。
【0053】
[実施例3]
実施例1において、光拡散剤(パウダーA)を1質量部に減量し、更に帯電防止剤としてのLiN(SO2CF32を添加しなかった以外は実施例1と同様に付加架橋にて2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0054】
[実施例4]
実施例1において、光拡散剤(パウダーA)を0.5質量部に減量した以外は実施例1と同様に付加架橋にて2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0055】
[実施例5]
実施例1において、光拡散剤(パウダーA)を10質量部に増量した以外は実施例1と同様に付加架橋にて2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0056】
[実施例6]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として平均粒径20μm、フェニル基含有量30mol%、屈折率1.59、デュロメータタイプA硬度50の球状フェニルメチルシリコーンゴムパウダー(パウダーB)を5.0質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0057】
[実施例7]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として平均粒径5μm、フェニル基含有量5mol%、屈折率1.44、デュロメータタイプA硬度15の球状フェニルメチルシリコーンゴムパウダー(パウダーC)を5.0質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0058】
[実施例8]
実施例1記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースに、更に蛍光体としてY3Al512:Ce粉末(粒径2μm)をKE−571−Uと光拡散剤との合計100質量部に対して1.0質量部添加、混練して光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
また、上記シートにGaInN基板の青色LED光(波長約450nm)を光拡散させたところ、拡散光が色変換されていることを目視にて確認した。
【0059】
[比較例1]
光拡散剤が配合されない例として、KE−571−U:100質量部に付加(ヒドロシリル化)反応系加硫剤C−25A/B(信越化学工業(株)製)をそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。なお、上記ゴムシート単独の屈折率は1.41であった。
【0060】
[比較例2]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として未架橋のガム状フェニルメチルシリコーンポリマー(重合度5,000、フェニル基含有量10mol%、屈折率1.46、ビニル基量0.15mol%)を50質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0061】
[比較例3]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として未架橋のオイル状フェニルメチルシリコーンポリマー(重合度400、フェニル基含有量30mol%、屈折率1.52、ビニル基含まず)を10質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0062】
[比較例4]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として平均粒径4μm、屈折率1.59の球状架橋ポリスチレン微粒子からなるSBX−4(積水化成品工業(株)製)を1.0質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0063】
[比較例5]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として平均粒径8μm、屈折率1.49の球状架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子からなる光拡散剤MBX−8(積水化成品工業(株)製)を5.0質量部、及び帯電防止剤としてLiN(SO2CF32を前記コンパウンドに対して500ppm添加し、ニーダーで混練分散して乳白色の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0064】
[比較例6]
KE−571−U:100質量部に、光拡散剤として平均粒径4μm、屈折率1.41、デュロメータタイプA硬度20の球状100%ジメチルシリコーンゴムパウダー(パウダーD)を5.0質量部添加し、ニーダーで混練分散して半透明の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベースを得た。
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物ベース100質量部に、付加反応系加硫剤C−25A/Bをそれぞれ0.5/2.0質量部添加し、実施例1と同様に2mmシートを作製し、各種測定を行った。
【0065】
【表1】

【0066】
表1から明らかなように、フェニル基を含むシリコーンゴムパウダーからなる光拡散剤は良好な特性を有することがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジメチルポリシロキサン又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤又はジメチルポリシロキサンと無機質充填剤とウエッターとからなる透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に、平均粒径が0.5〜100μmで、かつフェニル基含有シロキサン単位を含むシリコーン弾性体粒子からなる光拡散剤0.1〜100質量部を添加、分散してなることを特徴とする光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項2】
透明又は半透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物が、厚さ2mmのシート状硬化物について測定した全光線透過率が70%以上の硬化物を与えるものである請求項1記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項3】
上記光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物の2mm厚硬化成型品にHe−Neレーザー光を照射させた場合の光散乱スポット径が入力ビーム径の5倍以上に光散乱されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項4】
上記シリコーン弾性体粒子が、フェニル基含有シロキサン単位中のケイ素原子に結合するフェニル基の含有量が該シリコーン弾性体粒子を構成する全シロキサン単位中のケイ素原子に結合する1価炭化水素基の合計に対して3mol%以上の球状微粒子であり、かつ該シリコーン弾性体粒子のデュロメータタイプA硬度が70以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項5】
更に、帯電防止剤を未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物100質量部に対して0.001〜10質量部添加、分散させてなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項6】
LED用である請求項1〜5のいずれか1項記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項7】
更に、LED光を吸収し、該LED光とは異なる波長の光に波長変換することが可能な蛍光体を未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物と光拡散剤との合計量100質量部に対して0.1〜50質量部添加、分散させてなるものであることを特徴とする請求項6記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物。
【請求項8】
請求項6又は7記載の光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物を成形、硬化してなるLED光拡散成型体。

【公開番号】特開2011−184625(P2011−184625A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53106(P2010−53106)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】