説明

光拡散性不燃複合部材

【課題】 不燃性及びフレキシブル性を両立させ、且つ優れた光拡散性を有する光拡散性不燃複合部材を提供する。
【解決手段】 本発明の光拡散性不燃複合部材は、縮合反応性シリコーン樹脂をガラス繊維シートの少なくとも一方の面上に塗工、若しくはガラス繊維シートに含浸させた複合部材であって、該複合部材の全光線透過率が60%以上、ヘイズ値が80%以上である。前記縮合反応性シリコーン樹脂は、縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂中に分散した無機酸化物粒子と該ポリシロキサン樹脂とが化学結合により架橋した架橋構造体からなる無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光拡散性不燃複合部材、より詳しくは、ガラス繊維シートと縮合反応性シリコーン樹脂から形成される光拡散性不燃複合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明用の光源からの光を均一に拡散させる光拡散性部材として、ガラス繊維シートに無機コーティング剤を適用したものが知られている。しかし、一般的な無機コーティング剤をガラス繊維シートに塗工、若しくは含浸させたものは、バインダーが有機成分を含む場合には、不燃性が低いという問題があり、バインダーが無機成分の場合は、フレキシブル性が低く、割れやすいという欠点がある。
【0003】
特許文献1には、特定の物性を有するガラス繊維織物の少なくとも一方の面側にフッ素樹脂からなる樹脂被覆層が形成され、全光線透過率が50%以上であり、平行光線透過率が5%以下である光拡散用ガラス繊維シートが開示されている。しかし、この光拡散用ガラス繊維シートは、不燃性のレベルがさほど高くなく、また、フレキシブル性も低い。なお、この文献には、樹脂被覆層はフッ素樹脂又はシリコーン樹脂からなると記載されているが、明細書中にはシリコーン樹脂についての説明はなく、実施例においてもシリコーン樹脂を用いた例はない。汎用のシリコーン樹脂であるシリコーンオイルやシリコーンゴムを樹脂被覆層として用いると、不燃性に劣るとともに、透明性も十分でない。
【0004】
特許文献2には、少なくとも1枚のガラス繊維織物と、このガラス繊維織物を挟む一対の樹脂層とを含む光拡散シートであって、前記樹脂層がビニルエステル等の熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂で構成された光拡散シートが開示されている。また、特許文献3には、少なくとも1枚のガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物に含浸、固化して形成された熱硬化性樹脂からなる樹脂被覆層と、この樹脂被覆層の少なくとも片面にビーズ層とを備えたガラス繊維シートが開示されている。しかし、これらの光拡散シートは、いずれも不燃性が十分でなく、フレキシブル性も低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4359967号公報
【特許文献2】特許第4491778号公報
【特許文献3】特許第4539349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、不燃性及びフレキシブル性(曲げやすさ)をともに備え、且つ優れた光拡散性を有する光拡散性不燃複合部材、及び該光拡散性不燃複合部材を備えた照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、縮合反応性シリコーン樹脂をガラス繊維シートに塗工又は含浸させると、不燃性とフレキシブル性とを兼ね備え、しかも優れた光拡散性を有する光拡散性不燃シートが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、縮合反応性シリコーン樹脂をガラス繊維シートの少なくとも一方の面上に塗工、若しくはガラス繊維シートに含浸させた複合部材であって、該複合部材の全光線透過率が60%以上、ヘイズ値が80%以上である光拡散性不燃複合部材を提供する。
【0009】
前記縮合反応性シリコーン樹脂は、縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂中に分散した無機酸化物粒子と該ポリシロキサン樹脂とが化学結合により架橋した架橋構造体からなる無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂であってもよい。
【0010】
前記無機酸化物粒子含有シリコーン樹脂において、縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂として、(i)基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン、又は(ii)該基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとともに、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンが用いられていることが好ましい。
【0011】
前記光拡散性不燃複合部材は、輸送機用内装部材として好ましく用いられる。前記輸送機用内装部材として、照明カバーが挙げられる。
【0012】
前記光拡散性不燃複合部材の厚みは、好ましくは10〜1000μmである。
【0013】
本発明は、また、前記の光拡散性不燃複合部材を用いた照明装置であって、照明に用いられる光を発生させる光源と、前記光源を覆うように設置され、前記光拡散性不燃複合部材を備えた光拡散用カバーとを少なくとも有しており、前記光源からの光が前記光拡散性不燃複合部材によって透過、拡散されて出射されることを特徴とする照明装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光拡散性不燃複合部材は、縮合反応性シリコーン樹脂とガラス繊維シートとの複合部材であるため、不燃性とフレキシブル性とを両立でき、接炎時に延焼せず、好ましくは炭化もしない。また、複合部材とすることで強度も向上し、曲面への追従性が高く、該光拡散性不燃複合部材をロールとしても提供できる。さらに、ヘイズ値が高いため、光源からの光を効率よく拡散できる。そのため、特に、照明装置の光拡散用カバー(照明カバー)として好適に利用できる。また、不燃性が極めて高いため、特に、鉄道車両、航空機、自動車、船舶、エレベーター、エスカレーターなどの輸送機の内装部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の光拡散性不燃複合部材の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の光拡散性不燃複合部材の他の例を示す概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の光拡散性不燃複合部材のさらに他の例を示す概略断面図である。
【図4】図4は、実施例において、着火・延焼、炭化試験で用いた燃焼性試験装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の光拡散性不燃複合部材は、縮合反応性シリコーン樹脂をガラス繊維シートの少なくとも一方の面上に塗工、若しくはガラス繊維シートに含浸させた複合部材であって、該複合部材の全光線透過率が60%以上、ヘイズ値が80%以上である。全光線透過率は、好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。ヘイズ値は、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0017】
図1は本発明の光拡散性不燃複合部材の一例を示す概略断面図である。この例では、光拡散性不燃複合部材3は、ガラス繊維シート1の片面にシリコーン樹脂からなる被覆層2を有している。図2は本発明の光拡散性不燃複合部材の他の例を示す概略断面図である。この例では、光拡散性不燃複合部材3は、ガラス繊維シート1の両面にシリコーン樹脂からなる被覆層2を有している。図3は本発明の光拡散性不燃複合部材のさらに他の例を示す概略断面図である。この例における光拡散性不燃複合部材3では、ガラス繊維シート中にシリコーン樹脂が含浸されている。
【0018】
[縮合反応性シリコーン樹脂]
縮合反応性シリコーン樹脂としては、縮合反応性基を有するシリコーン樹脂であれば特に限定されず、例えば、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサン(以下、「D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン」と称する場合がある)、基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン(以下、「縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン」と称する場合がある)、基本構成単位がM単位及びQ単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記縮合反応性シリコーン樹脂のなかでも、複合部材にフレキシブル性を付与できる点で、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの組合せが好ましい。本発明では、特に、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン、又はD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの組合せが好ましい。
【0020】
前記縮合反応性基としては、シラノール基、アルコキシシリル基(例えば、C1-6アルコキシシリル基等)、シクロアルキルオキシシリル基(例えば、C3-6シクロアルキルオキシシリル基等)、アリールオキシシリル基(例えば、C6-10アリールオキシシリル基等)などが挙げられる。これらの中でも、アルコキシシリル基、シクロアルキルオキシシリル基、アリールオキシシリル基が好ましく、特にアルコキシシリル基が好ましい。
【0021】
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンは、具体的には、基本構成単位として、下記式(1)で表されるD単位と、下記式(2)で表されるT単位とを含有する。
【化1】

【0022】
上記式(1)中、R1は、同一又は異なって、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。式(2)中、R2は、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。
【0023】
前記R1、R2における飽和炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基などが挙げられる。また、前記R1、R2における芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基などが挙げられる。
【0024】
1、R2としては、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であり、さらに好ましくは、メチル基である。
【0025】
式(1)で表されるD単位は、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン中において、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。また、式(2)で表されるT単位は、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン中において、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
【0026】
また、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンは、対応するシリコーン単量体の部分縮合物[例えば、ジアルキル(又は、アリール)ジアルコキシシラン等の2官能のシリコーン単量体と、アルキル(又は、アリール)トリアルコキシシラン等の3官能のシリコーン単量体との部分縮合物]であって、その構成単位中に、D単位、T単位、及び下記式(3)
−OR3 (3)
で表される基を含有する。式(3)で表される基はケイ素原子に結合しており、分子末端に存在する。
【0027】
前記R3は、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、上記式(1)中のR1における飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。R3としては、好ましくは飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0028】
このようなD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとしては、例えば、アルコキシシリル基(例えば、C1-6アルコキシシリル基)含有ポリメチルシロキサン、アルコキシシリル基(例えば、C1-6アルコキシシリル基)含有ポリメチルフェニルシロキサン、アルコキシシリル基(例えば、C1-6アルコキシシリル基)含有ポリフェニルシロキサンなどが挙げられる。これらのD・T単位アルコキシシリル基含有ポリシロキサンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの中でも、好ましくは、C1-6アルコキシシリル基含有ポリシロキサンであり、さらに好ましくは、メトキシシリル基含有ポリシロキサン又はエトキシシリル基含有ポリシロキサンであり、特に好ましくは、メトキシシリル基含有ポリメチルシロキサン又はエトキシシリル基含有ポリメチルシロキサンである。
【0030】
このようなD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量は、例えば、8〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは12〜25重量%である。縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量は、TGA(示差式重量減少測定装置)にて、室温から300℃まで昇温したときの重量減少の割合から求めることができる。
【0031】
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算)は、例えば、800〜6000の範囲であり、好ましくは1000〜5500、さらに好ましくは1200〜5300である。
【0032】
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとして、商品名「X−40−9246」、「X−40−9250」(以上、信越化学工業社製)などの市販品(D・T単位アルコキシシリル基含有ポリシロキサン)を用いることもできる。
【0033】
前記縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、具体的には、基本構成単位として、前記式(2)で表されるT単位を含有する。式(2)で表されるT単位は、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン中において、それぞれ、同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは、同一である。
【0034】
また、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、対応するシリコーン単量体の部分縮合物[例えば、アルキル(又は、アリール)トリアルコキシシラン等の3官能のシリコーン単量体の部分縮合物]であって、その構成単位中に、T単位、及び下記式(4)
−OR4 (4)
で表される基を含有する。式(4)で表される基はケイ素原子に結合しており、分子末端に存在する。
【0035】
前記R4は、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、上記式(1)中のR1における飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。R4としては、好ましくは飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0036】
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、ランダム型、ラダー型、カゴ型などのいずれであってもよいが、柔軟性の観点からは、ランダム型が最も好ましい。これらの縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの中でも、好ましくは、C1-6アルコキシシリル基含有ポリシルセスキオキサンであり、さらに好ましくは、メトキシシリル基含有ポリシルセスキオキサン又はエトキシシリル基含有ポリシルセスキオキサンであり、特に好ましくは、メトキシシリル基含有ポリメチルシルセスキオキサン又はエトキシシリル基含有ポリメチルシルセスキオキサンである。
【0038】
このような縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量は、例えば、10〜50重量%、好ましくは15〜48重量%、さらに好ましくは20〜46重量%である。縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量は、TGA(示差式重量減少測定装置)にて、室温から300℃まで昇温したときの重量減少の割合から求めることができる。
【0039】
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算)は、例えば、200〜6000の範囲であり、好ましくは300〜3500、さらに好ましくは400〜3000である。
【0040】
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとして、商品名「KR−500」、「X−40−9225」(以上、信越化学工業社製)などの市販品(アルコキシシリル基含有ポリシルセスキオキサン)を用いることもできる。
【0041】
前記ポリシロキサン化合物全体に占める、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの総量の割合は、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
【0042】
本発明では、特に、柔軟性、強度、不燃性等の観点から、縮合反応性シリコーン樹脂として、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンを用いるか、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを併用するのが好ましい。この場合、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの割合[前者/後者(重量比)]は、好ましくは0〜4.9、さらに好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜1である。D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの比率が高くなりすぎると、有機基含量が増えるので、着火、延焼しやすくなる。
【0043】
本発明において、前記縮合反応性シリコーン樹脂としては、耐熱性及び強度の観点から、縮合反応性シリコーン樹脂が無機酸化物粒子と化学結合により架橋して形成された架橋構造体を用いるのが好ましい。例えば、縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂中に分散した無機酸化物粒子と該ポリシロキサン樹脂とが化学結合により架橋した架橋構造体からなる無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。以下、この無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂について説明する。
【0044】
縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂としては前記のものを使用できる。なかでも、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンか、又はD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの組合せが好ましい。
【0045】
前記無機酸化物粒子としては、粒子表面に反応性官能基を有する無機酸化物粒子であればよく、例えば、シリカ(SiO2あるいはSiO)、アルミナ(Al23)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化チタン(チタニア、TiO2)、ジルコニア(ZrO2)などが挙げられる。これらの中でも、特にシリカが好ましい。無機酸化物粒子は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】
前記反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、イソシアネート基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル型不飽和基、ハロゲン原子、イソシアヌレート基などが挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシル基が好ましい。シリカ粒子表面のヒドロキシル基はシラノール基として存在する。
【0047】
無機酸化物粒子の平均粒子径(一次粒子径)は、一般に、1〜1000nm、好ましくは1〜500nm、さらに好ましくは1〜200nm、特に好ましくは1〜100nmである。なお、平均粒子径は、動的光散乱法などにより測定することができる。
【0048】
無機酸化物粒子の粒度分布は狭い方が望ましく、また、一次粒子径のまま分散している単分散状態であることが望ましい。さらに、無機酸化物粒子の表面電位は、酸性領域(例えば、pH2〜5、好ましくはpH2〜4)にあるのが好ましい。ポリシロキサン樹脂との反応時にそのような表面電位を有していればよい。
【0049】
前記無機酸化物粒子としては、コロイド状の上記無機酸化物粒子を用いるのが好ましい。コロイド状の無機酸化物粒子としては、例えば、コロイド状シリカ(コロイダルシリカ)、コロイド状アルミナ(アルミナゾル)、コロイド状酸化スズ(酸化スズ水分散体)、コロイド状酸化チタン(チタニアゾル)などが挙げられる。
【0050】
コロイダルシリカとしては、例えば、特開昭53−112732号公報、特公昭57−9051号公報、特公昭57−51653号公報などにも記載されるように、二酸化ケイ素(無水ケイ酸)の微粒子(平均粒子径が、例えば、5〜1000nm、好ましくは、10〜100nm)のコロイドなどが挙げられる。
【0051】
また、コロイド状シリカは、必要により、例えば、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含有することができ、また、必要により、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や、有機塩基(例えば、テトラメチルアンモニウムなど)などの安定剤を含有することもできる。
【0052】
このようなコロイド状シリカは、特に制限されず、公知のゾル−ゲル法など、具体的には、例えば、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62−69(1968)、Rickey D.Badley et al;Langmuir 6, 792−801(1990)、色材協会誌,61 [9] 488−493(1988)などに記載されるゾル−ゲル法などにより、製造することができる。
【0053】
コロイダルシリカは表面処理を施していない裸の状態であることが好ましい。コロイダルシリカには、表面官能基としてシラノール基が存在する。
【0054】
また、このようなコロイダルシリカとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、商品名「スノーテックス−XL」、「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−ZL」、「PST−2」、「スノーテックス−20」、「スノーテックス−30」、「スノーテックス−C」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−OL」、「スノーテックス−50」(以上、日産化学工業社製)、商品名「アデライトAT−30」、「アデライトAT−40」、「アデライトAT−50」(以上、日本アエロジル社製)などが挙げられる。これらの中でも、商品名「スノーテックス−O」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−OL」などが特に好ましい。
【0055】
また、上記のコロイダルシリカ以外のコロイド状の無機粒子としても、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、商品名「アルミナゾル100」、「アルミナゾル200」、「アルミナゾル520」(以上、日産化学工業製)などのアルミナゾル(ヒドロゾル)、例えば、商品名「TTO−W−5」(石原産業社製)や商品名「TS−020」(テイカ社製)などのチタニアゾル(ヒドロゾル)、例えば、商品名「SN−100D」、「SN−100S」(以上、石原産業社製)などの酸化スズ水分散体などが挙げられる。
【0056】
前記無機酸化物粒子含有縮合反応性縮合反応性シリコーン樹脂において、無機酸化物粒子の含有量は、例えば、2〜19重量%、好ましくは3〜17重量%、さらに好ましくは4〜15重量%である。無機酸化物粒子の含有量が少なすぎると、機械的強度が低下しやすく、無機酸化物粒子の含有量が多すぎると、ガラス繊維シートの少なくとも一方の面に塗工して被覆層を設ける場合、該被複層が脆くなりやすい。
【0057】
次に、前記無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂の製造法について説明する。
【0058】
前記無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂は、例えば、前記無機酸化物粒子と縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂(好ましくは、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン、又はD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン及び縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン)とを、溶媒中、好ましくは酸の存在下で反応させることにより製造できる。なお、ポリシロキサン樹脂は、無機酸化物粒子の粒子表面の反応性官能基と反応可能な官能基を有している。無機酸化物粒子の粒子表面の反応性官能基がシラノール基の場合は、前記縮合反応性基が該シラノール基と反応して架橋構造を形成する。
【0059】
前記溶媒としては、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール;これらの混合液などが挙げられる。これらのなかでも、水とアルコールの混合溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水と2−プロパノールとの混合溶媒、水と2−プロパノールと2−メトキシエタノールとの混合溶媒である。
【0060】
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。これらのなかでも、無機酸が好ましく、特に硝酸が好ましい。これらの酸は水溶液として使用することができる。酸の使用量は、反応系のpHを2〜5(好ましくは、2〜4)程度に調整できる量であればよい。
【0061】
反応の方法としては特に限定されず、例えば、(i)無機酸化物粒子と溶媒との混合液中にポリシロキサン樹脂と溶媒との混合液を添加する方法、(ii)ポリシロキサン樹脂と溶媒との混合液中に無機酸化物粒子と溶媒との混合液を添加する方法、(iii)溶媒中に、無機酸化物粒子と溶媒との混合液、及びポリシロキサン樹脂と溶媒との混合液をともに添加する方法等のいずれであってもよい。
【0062】
なお、ポリシロキサン樹脂として、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを併用する場合には、無機酸化物粒子と、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの混合物とを反応させてもよく、また、無機酸化物粒子に、まず、D・T単位縮合反応性基含有含有ポリシロキサンを反応させ、次いで、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンを反応させてもよく、さらには、無機酸化物粒子に、まず、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンを反応させ、次いで、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンを反応させてもよい。これらの中でも、無機酸化物粒子に、まず、縮合反応性基シリル基含有ポリシルセスキオキサンを反応させ、次いで、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンを反応させる方法を採用すると、ガラス繊維シートの少なくとも一方の面に塗工してシリコーン樹脂からなる被覆層を設ける場合、該被複層の柔軟性が大幅に向上する。
【0063】
反応温度は、例えば、40〜150℃、好ましくは50〜130℃である。また、反応時間は、例えば、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
【0064】
反応終了後、必要に応じて、溶媒を留去し、濃度及び粘度を調整することにより、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物を得ることができる。このシリコーン樹脂組成物の固形分濃度は、取扱性、塗工性、含浸性等の観点から、例えば、50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%である。このシリコーン樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒等の添加剤を添加してもよい。
【0065】
[ガラス繊維シート]
ガラス繊維シートとしては、特に限定されず、公知のガラス繊維シート、例えば、ガラス繊維織物(ガラスクロス)を使用できる。その素材であるガラス繊維としては、特に制限はなく、汎用の無アルカリガラス繊維、耐酸性の含アルカリガラス繊維、高強度・高弾性率ガラス繊維、耐アルカリ性ガラス繊維等のいずれであってもよい。ガラス繊維織物の織布方法も、平織り、綾織り、朱子織り、斜子織り、畦織り等のいずれであってもよい。ガラス繊維を構成するフィラメントの直径は、例えば、1〜20μm程度である。
【0066】
また、ガラス繊維織物の単位面積当たりの重量は、耐久性や縮合反応性シリコーン樹脂の含浸性の点から、例えば、10〜300g/m2程度であり、好ましくは10〜150g/m2である。
【0067】
ガラス繊維シートの厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、10〜1000μm、好ましくは20〜500μmである。
【0068】
[光拡散性不燃複合部材]
本発明の光拡散性不燃複合部材は、上記の縮合反応性シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物を、ガラス繊維シートの少なくとも一方の面上に塗工するか、又は上記の縮合反応性シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物をガラス繊維シートに含浸させることにより製造できる。
【0069】
縮合反応性シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物の塗工方法としては、特に制限はなく、例えば、キスコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、ワイヤーコーティングなどの公知の塗布方法により、直接塗布して、塗膜を形成し、必要に応じて、例えば、80〜150℃程度の温度で乾燥することにより、図1又は図2に示されるような、ガラス繊維シート1の片面又は両面にシリコーン樹脂からなる被覆層2を有する光拡散性不燃複合部材を得ることができる。被覆層2の厚みは、例えば、1〜200μm、好ましくは5〜100μmである。なお、被覆層2を形成する場合であっても、シリコーン樹脂の一部は図3のようにガラス繊維シートの内部に含浸される場合がある。
【0070】
また、縮合反応性シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物のガラス繊維シートへの含浸方法も、特に制限はなく、通常一般の方法を採用できる。含浸後、必要により、例えば、80〜150℃程度の温度で乾燥することにより、図3に示されるような、ガラス繊維シート中にシリコーン樹脂が含浸された形態の光拡散性不燃複合部材を得ることができる。
【0071】
本発明の光拡散性不燃複合部材の厚みは、用途に応じて適宜選択できるが、通常、10〜1000μm、好ましくは20〜500μmである。
【0072】
本発明の光拡散性不燃複合部材の全光線透過率は60%以上であり、且つヘイズ値は80%以上である。これらの数値は、縮合反応性シリコーン樹脂の種類や、ガラス繊維シートに対する縮合反応性シリコーン樹脂の使用量等により調整できる。
【0073】
ガラス繊維シートに対する縮合反応性シリコーン樹脂の使用量は、ガラス繊維シート100重量部に対して、例えば、5〜300重量部、好ましくは10〜200重量部である。この量が少なすぎると、全光線透過率が低くなり、不燃性、フレキシブル性も低下しやすくなる。また、この量が多すぎると、製膜性が難しくなり、乾燥工程に時間を要して生産性が低下したり、塗膜の平滑性が低下しやすくなる。
【0074】
本発明の光拡散性不燃複合部材は不燃性を有しており、社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準拠した試験において、延焼しない。また、好ましくは、表面に炭化も見られない。
【0075】
本発明の光拡散性不燃複合部材は、上記のように、不燃性とフレキシブル性とを併せ持ち、且つ光拡散性に優れるので、特に、鉄道車両、航空機、自動車、船舶、エレベーター、エスカレーターなどの輸送機の内装部材照明装置、とりわけ、光拡散用カバー(照明カバー)として好適に利用できる。
【0076】
本発明の照明装置は、上記の光拡散性不燃複合部材を用いた照明装置であって、照明に用いられる光を発生させる光源と、前記光源を覆うように設置され、前記光拡散性不燃複合部材を備えた光拡散用カバーとを少なくとも有しており、前記光源からの光が前記光拡散性不燃複合部材によって透過、拡散されて出射されることを特徴とする。
【0077】
この照明装置において、光拡散用カバーの取り付け方、光拡散用カバーの配置等は、特に制限はなく、公知の方法や配置を採用できる。
【実施例】
【0078】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
【0079】
実施例1
撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)15g、2−プロパノール15g、2−メトキシエタノール5gを加えた。濃硝酸を加えて液の酸性度(pH)を2〜4の範囲内に調整した。次いで60℃に昇温したのち、分子末端に反応性のメトキシシリル基を有するシルセスキオキサン化合物(商品名:X−40−9225、信越化学社製、メトキシ含有量24%)35gを2−プロパノール35gに溶解した液を、滴下ロートを用いて2時間かけて滴下し、シルセスキオキサン化合物とコロイダルシリカ粒子表面の反応を行った。100℃で1時間加熱撹拌を行った後、室温(25℃)まで冷却して、減圧下、溶媒を留去して濃縮した。その液に、触媒(商品名「CAT−AC」、信越化学社製)0.05gを加え、液状の透明樹脂組成物Aを得た。
透明樹脂組成物Aを、ガラスクロス(商品名「E10T−4W」、厚さ100μm、ユニチカ社製)に含浸し、その後、熱風循環式オーブンで、130℃、5分間乾燥させて、光拡散性不燃複合部材(ガラス繊維シート−無機酸化物粒子含有シリコーン樹脂複合体)を得た。得られた光拡散性不燃複合部材の厚さは180μmであった。
【0080】
実施例2
シリコーンコーティング剤(オルガノポリシロキサンを主剤とした無溶剤無機質塗料、商品名「セラトンNP」、鈴木産業社製)を、ガラスクロス(商品名「E10T−4W」、厚さ100μm、ユニチカ社製)に含浸し、その後、熱風循環式オーブンで、130℃、5分間乾燥させて、光拡散性不燃複合部材(ガラス繊維シート−シリコーン樹脂複合体)を得た。得られた光拡散性不燃複合部材の厚さは190μmであった。
【0081】
比較例1
ガラスクロス(商品名「E10T−4W」、厚さ100μm、ユニチカ社製)単体を評価に供した。
【0082】
<評価>
実施例及び比較例で得られた光拡散性不燃複合部材等について、以下の評価を行った。
【0083】
(1)着火・延焼、炭化試験
図4に示す燃焼試験装置を用い、社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準じて燃焼試験を行った。図4において、11は供試体(182mm×257mm)、12はアルコール容器(鉄製17.5φ×7.1 0.8t)、13は容器受台(コルク等熱伝導率の低いもの)を示す。供試体下面中心から容器底面までの距離は25.4mm(1インチ)である。
上記で作製された光拡散性不燃複合部材(比較例1では、ガラスクロス)を、図4のように、45°傾斜に保持し、燃料容器(アルコール容器)12の底の中心が、供試体の下面中心の垂直下方25.4mmのところに来るように、燃料容器12をコルクの台(容器受台)13に乗せ、燃料容器12にエチルアルコール0.5ccを入れて、着火し、燃料が燃え尽きるまで放置した。光拡散性不燃複合部材(比較例では、ガラスクロス)の着火、延焼、及び炭化(エタノール燃焼後の状態)の有無を目視観察し、下記の基準で評価した。
<着火・延焼>
○:エタノール燃焼中に着火無し
△:エタノール燃焼中に着火するが、延焼せずエタノール燃焼中に消える
×:エタノール燃焼中に着火し、延焼してエタノール燃焼後も燃えている、又は供試体に穴が開く
<炭化>
○:炭化無し
△:供試体の上端に達しない程度の炭化あり
×:供試体の上端に達する炭化あり、又は供試体に穴が開く
【0084】
(2)透明性評価
ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、商品名「HM−150」)を用いて、JIS K7361に準じて、光拡散性不燃複合部材(比較例1では、ガラスクロス)の全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)を測定した。
【0085】
結果を表1に示す。
【0086】
【表1】

【符号の説明】
【0087】
1 ガラス繊維シート
2 シリコーン樹脂被覆層
3 光拡散性不燃複合部材
11 供試体
12 アルコール容器(燃料容器)
13 容器受台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縮合反応性シリコーン樹脂をガラス繊維シートの少なくとも一方の面上に塗工、若しくはガラス繊維シートに含浸させた複合部材であって、該複合部材の全光線透過率が60%以上、ヘイズ値が80%以上である光拡散性不燃複合部材。
【請求項2】
前記縮合反応性シリコーン樹脂が、縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂中に分散した無機酸化物粒子と該ポリシロキサン樹脂とが化学結合により架橋した架橋構造体からなる無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂である請求項1記載の光拡散性不燃複合部材。
【請求項3】
前記無機酸化物粒子含有シリコーン樹脂において、縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂として、(i)基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン、又は(ii)該基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとともに、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンが用いられている請求項2記載の光拡散性不燃複合部材。
【請求項4】
輸送機用内装部材として用いられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散性不燃複合部材。
【請求項5】
輸送機用内装部材が照明カバーである請求項4記載の光拡散性不燃複合部材。
【請求項6】
光拡散性不燃複合部材の厚みが10〜1000μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散性不燃複合部材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光拡散性不燃複合部材を用いた照明装置であって、照明に用いられる光を発生させる光源と、前記光源を覆うように設置され、前記光拡散性不燃複合部材を備えた光拡散用カバーとを少なくとも有しており、前記光源からの光が前記光拡散性不燃複合部材によって透過、拡散されて出射されることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−35939(P2013−35939A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173008(P2011−173008)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】