説明

光放出装置

本発明の実施例は時間的に可変に調整設定可能な輝度を有する光放出装置に関する。この装置は、第1の電極面に被着されている導電性の導体路によって実現される。導体路は異なっている高さの電流によって時間的に可変にドライブ制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの光放出機能層を備えた光放出装置に関する。
【0002】
この特許出願はドイツ連邦共和国特許出願102006044852.9および102006052029.7号の優先権を主張しており、その開示内容はこれを以て参照により本明細書に取り込まれる。
【0003】
例えばOLEDのような光放出装置はその平坦な構造により規定されるフラットな、大抵はランバート放射プロフィールを呈している。これらの平坦な光放出装置から例えば大面積の照射ユニット(パネル)を組み立てることができる。均一な放射面は人間の目に対して惑わせる作用をする可能性がある。というのは、空間深度が失われるもしくは光印象が単調に作用するからである。
【0004】
本発明の課題は、光放出装置に対して上に述べた欠点を低減するための可能性を提供することである。
【0005】
この課題は、請求項1に記載の光放出装置によって解決される。特別有利な実施形態および改良された光放出装置はその他の請求項の対象である。
【0006】
本発明の1実施形態による光放出装置において、少なくとも1つの電極面と電気的にコンタクトされている導電性の導体路が使用される。
【0007】
これら導電性の導体路は光放出装置の電極面と組み合わされかつ時間的に可変のおよび/または異なっている高さの電流によってドライブ制御される。これにより時間的に可変に調整設定可能な輝度を有する光放出装置が実現される。この装置は、第1の電極面が被着されている基板を有している。この上に少なくとも2つの導電性の導体路が存在し、これら導体路は第1の電極面と電気的にコンタクトされている。導電性の導体路の上に少なくとも1つの光放出機能層がおよびその上に第2の電極面が存在している。その際少なくとも2つの導電性の導体路は、これらが時間的に可変および/または異なっている高さの電流によってドライブ制御され、結果的に変化する輝度が生じるようにアレンジもしくはセットアップされている。印加される電流のパルス形状、急峻度、高さおよびタイミングにより、輝度の存在している非線形の依存性を照明のダイナミック制御のために利用することができる。個別の電子的なドライブ制御により、所望の活性(Belebtheit)に対する整合が可能になる。
【0008】
照明のこの活性もしくはバイタリティは輝きの局所的な変動によって生成することができる。変動は局所的にスタチックまたはダイナミックに引き起こすことができる。これにより目は空間深度を解像しかつ付加的に生き生きとした室内照明を体現することができる。
【0009】
可変のドライブ制御が行われるこの光放出装置では、本発明の有利な実施形態において装置はOLED、有利には大面積のOLEDであってよい。
【0010】
OLEDはカソードおよびアノードとして接続することができる第1の電極面および第2の電極面を含んでおり、これらの間に少なくとも1つの組織機能層が存在している。機能層は例えば放出層、電子搬送層および正孔搬送層を含んでいることができる。電圧を印加すると放出層に、カソードから電子が注入されかつアノードから正の電荷(所謂正孔)が注入される。放出層におけるこれら電荷の再結合により光が生成される。
【0011】
その際有利には、少なくとも2つの導電性の導体路は5μm乃至10cm、有利には500μm乃至1cmの間隔をおいて電極面に配置されているが、場合によっては異なった長さにおいて配置されていてもよい。これらは相互に別個に電気的にドライブ制御することができる。このために本発明の有利な実施形態において導体路は1つの電流源に導電接続されており、ここで電流源の出力信号はそれぞれの導体路に対して個別の変調周波数に調整設定されるようにすることができる。この変調周波数は有利には200Hzを、有利には00Hzを下回っている。統計学的に変動する周波数および/または振幅も考えられる。
【0012】
本発明の1実施形態によれば、導体路は電流源とコンタクト形成するための電気的な接続部を有しており、ここで接続部は導体路の種々異なっている端部に存在していてよい。本発明の別の有利な実施形態において、導体路は少なくとも2つのグループにまとめられており、各グループの導体路は相互に導電接続されている。その際、それぞれのグループが別の電流源に電気的に接続されておりかつ電流源の出力信号が相互に独立して変調可能であるようにすれば有利である。これにより、グループの時間的にずれた輝き変調が可能である。各グループが共通の電流源に電気的に接続されていて、電流源の出力信号を変調できるようにしてもよい。これにより位置に結びついて輝く点灯を生成することができる。この実施形態の利点は、導体路がグループにまとめられているとき、導体路のコンタクト形成が容易になることである。
【0013】
本発明の別の実施形態の別の有利な特徴は、多数の光エレメントを含んでおりかつ光放出機能層の光路に配置されている付加的な光出力結合層である。その際光エレメントは有利には、この光出力結合層の主表面に存在している。光エレメントは有利には、表面にわたって異なっている分布および/または異なっている幾何学形状を有している。これらは有利には、レンズ、プリズム、円柱レンズ、光フィルタユニットおよび散乱粒子から成るグループから選択されている。光出力結合層および光放出装置のこの種の組み合わせは輝きの局所的な、スタチックな変化を生成するために用いられる。というのは、プレーナ形の光出力結合層は空間的に異なって構造化されておりかつ従って、異なって構造化されておりかつ表面にわたって異なって分布されている光エレメントが結果的に輝度の位置的な、スタチックな変化を引き起こすからである。色位置も光出力結合層により、例えばプリズムの尖端角度によりまたは光フィルタユニットにより周期的に変調することができる。輝きのこのスタチックな変化は上述したように、ダイナミックな変化と組み合わせることができる。
【0014】
本発明の別の実施形態の別の有利な特徴は付加的に、第1の電極面と少なくとも1つの光放出機能層との間に存在しておりかつ異なっている導電率を有している部分領域を有している第1の電荷搬送層である。その際有利にはそれは、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有しているラテラルに交番的に変化する領域である。この特徴の利点は、空間的なドーピング変化が導電率を局所的に変化する点にある。有利な発展形態において、光放出機能層と第2の電極面との間に第2の電荷搬送層が存在しており、ここで第2の電荷搬送層も異なっている導電率を有する部分領域を有している。有利にはそれは、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有しているラテラルに交番する領域である。第2の電荷搬送層も、分布が電荷搬送層の異なっている部分領域において変化するドープ剤を有している。第1の電荷搬送層および第2の電荷搬送層は電子搬送層および正孔搬送層から選択されている。その際空間的なドーピング変化により導電率の局所的な変化が生じ、このために輝度の局所的な変化も生じることになる。これにより、観察者は一層生き生きとした照明もしくは場所に依存した強度変化を知覚することになる。
【0015】
更に付加的に、ラテラル方向に変化する、第1の電極面の表面の導電率は本発明の別の特徴と言える。その際第1の電極面の表面はラテラル方向に変化する表面変化を有している。この特徴の利点は、電極の表面導電率の局所的な変化がキャリア密度の相応の局所的な変化を引き起こすことである。有利には付加的に、第2の電極面の表面はラテラル方向に変化する導電率を有することができ、この場合このことはラテラル方向に変化する表面変化によって実現される。ラテラル方向の表面変化は例えば、プラズマ処理によって生成することができかつこうして局所的に変化されるキャリア出射動作もしくは局所的に変化される表面抵抗が生じる。電極の表面でのキャリア密度の局所的な変化のためにラテラル方向に変化する導電率が生じ、これが原因でラテラル方向に変化する輝度が生じ、これを観察者は生き生きした照明と知覚する。これにより、上述した、輝度のダイナミックな変化に対して付加的に、輝度のスタチックな変化が生じる。
【0016】
本発明は別の実施形態によれば、基板と、第1の電極面と、少なくとも1つの光放出機能層と、第2の電極面と、前記光放出機能層の光路に光出力結合層とを含んでいる、変化する輝度を有する光放出装置に関する。その際光出力結合層は、表面にわたって異なっている分布および/または幾何学的な形状および/または透光性を有している多数の光エレメントを有している。有利には光エレメントは、レンズ、プリズム、円柱レンズ、光フィルタユニットおよび散乱粒子から選択されておりかつ光出力結合層の主表面もしくは光出射面に配置されている。この光放出装置は有利にはOLEDである。光出力結合層および光放出装置のこの種の組み合わせは、輝きの局所的な、スタチックな変化を生成するために用いられる。というのは、プレーナ形状の光出力結合層は空間的に異なって構造化されておりかつ従って結果的に、異なって構造化されておりかつ表面にわたって異なって分布している光エレメントに基づいて、出力結合される放射の局所的に異なっている強度に基づいた輝度の局所的にスタチックな変化が生じるようにすることができるからである。色位置も光出力結合層により周期的に変調することができる。このことは例えば、プリズムの尖端角度または光フィルタユニットによって行うことができる。
【0017】
本発明は更に、基板と、第1の電極面と、第1の電荷搬送層と、少なくとも1つの光放出機能層と、第2の電極面とを含んでいる、変化する輝度を有する光放出装置に関する。その際第1の電荷搬送層は異なっている導電率を有する部分領域を有している。その際それは有利には、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有しているラテラルに交番する領域である。有利には第1の電荷搬送層は、分布が第1の電荷搬送層の部分領域において変化するドープ剤を有している。この特徴の有利な発展形態において、少なくとも1つの光放出機能層と第2の電極面との間に、同じく異なった導電率を有している第2の電荷搬送層が存在しているようにすることができる。その際それは有利には、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有しているラテラルに交番する領域である。ラテラル方向に交番する領域は、分布が第2の電荷搬送層の部分領域において変化するドープ剤を有している。この特徴の利点は、空間的なドーピング変化が導電率の局所的な変化を招来することである。その際ドープ剤の分布は有利には、数パーセントの領域、有利にはドーピング濃度の最大値の15パーセントを下回っている。この光放出装置はOLEDである。
【0018】
本発明の別の実施形態は更に、基板と、第1の電極面と、少なくとも1つの光放出機能層と、第2の電極面とを含んでいる、変化する輝度を有する光放出装置に関し、ここでは第1の電極面および/または第2の電極面はラテラル方向に変化する導電率もしくは局所的に変形されるキャリア出射動作を有している。その際第1の電極面および/または第2の電極面の表面は有利にはラテラル方向に変化する表面変化を有している。有利にはこの光放出装置はOLEDである。電極の表面上のキャリア密度の局所的な変化はラテラル方向に変化する導電率を引き起こし、そのために結果的にラテラル方向に変化する輝度が生じ、観察者はそれを照明の活性と知覚する。
【0019】
各図および実施例に基づいて光放出装置を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】光放出装置の構成の横断面図
【図1b】図1aの光放出装置の変形された構成の横断面図
【図2a】可変にドライブ制御可能な導体路を備えた光放出機能層の平面図
【図2b】可変にドライブ制御可能な導体路を備えた図2aとは別の光放出機能層の平面図
【図2c】可変にドライブ制御可能な導体路を備えた図2aとも図2bとも別の光放出機能層の平面図
【図2d】図2cを変形した実施例の光放出機能層の平面図
【図3】光エレメントを備えた光出力結合層の平面図
【図4a】ラテラル方向に変化する導電率を有する層を有している光放出機能層の実施例の横断面図
【図4b】ラテラル方向に変化する導電率を有する層を有している光放出機能層の別の実施例の横断面図
【図4c】ラテラル方向に変化する導電率を有する層を有している光放出機能層の更に別の実施例の横断面図
【図4d】ラテラル方向に変化する導電率を有する層を有している光放出機能層の更にまた別の実施例の横断面図
【0021】
図1aには本発明の装置の実施例の横断面が図示されている。ここで基板400に導電性の導体路320が配置されており、導体路もしくは基板の上に第1の電極面300,その上に少なくとも1つの組織的な構造を持つ層もしくはオーガニック200および第2の電極面100が配置されている。層200は光放出機能層および/または電荷搬送層を含んでいることができる。導体路に電圧が印加されると、導体路は局所的に第1の電極面の導電率を高める。
【0022】
図1bは図1aの実施例の変形を示している。ここでは導体路320は、それが第1の電極面300、機能層200および第2の電極面100を貫いている厚さである。この実施例において、導体路は有利には機能層および第2の電極面に対する側方の縁部において絶縁層、例えば非導電性のポリマー層によって被覆されているようにする。一般に、導体路は可変の厚さを有していてよくかつ第1の電極面の表面の1つ、第1の電極面内または第1の電極面の厚さを越えて存在していることができる。
【0023】
図2aには図1の第1の電極面300が図示されているが、該電極面の上には電気的な接続端子310を有する導体路320が被着されている。導体路は電極面の表面に存在していてもよいし、電極面内にあってもよいしまたは第1の電極面の厚さを越えていてもよい。殊に導体路は図1に示されているように、基板400と第1の電極面300との間に配置されていてよいが、第1の電極面300と少なくとも1つの組織機能層200との間に配置されていてもよい。導体路の材料は導電性の金属を含んでいることができる。導体路は有利には500μm乃至1cmまでの間隔をおいて配置されておりかつ異なっている長さであってよく、すなわち導体路は電極面の面全体にわたって延在している必要がないが、有利にはできるだけ長くするとよい。これら導体路のそれぞれは独自の電気的な接続部を有しているので、導体路は個別にドライブ制御可能である。その際変調周波数は外部の観察者にとって視認効果が発揮されるようにするために、それぞれ100Hzを上回ってはならない。導体路の個別の、可変のドライブ制御により、所望の活性感に整合させることができるダイナミックな照明が行われる。
【0024】
図2bには同様に、電気的な接続端子310を備えた導体路320が被着されている第1の電極面300が平面にて示されている。この電極面は例えば図2aの電極面に代わって図1の装置の第1の電極面として存在していてよく、または図2bに図示の導体路の部分は図2aに図示の導体路の部分と1つの電極面に組み合わされてもよい。本発明のこの別の有利な形態において、それぞれ所属の接続部310を備えている導体路320は、接続部が電極面の両側に交番的に存在しているように配置されている。この形態は、導体路の、電流源に対する個々の接続が容易になるので有利である。
【0025】
図2cには、例えば図1の装置において、電気的な接続端子310を備えた導体路320が被着されている電極面として使用することができる第1の電極面300が平面にて示されている。導体路は電極面の表面に存在しているかまたは電極面内に存在していてよく、あるいは第1の電極面を越えていてもよい。殊に、導体路は、図1に示されているように、基板400と第1の電極面300との間に配置されていてよく、または第1の電極面300と少なくとも1つの組織機能層200との間に配置されていてよい。本発明の別の有利な形態において、相互に導電接続されている導体路320が電極面300上にグループを形成してまとめられている。図2cに示されているように、少なくとも2つのグループは例えば向かい合う櫛歯のように交互に入り込まれた配置形式のものであってよい。グループのそれぞれは1つのグループのすべての導体路に対して共通の独自の接続部310を有しており、該接続部は1つの電流源600によってドライブ制御される。時間tに依存した電圧Vの印加により、導体路のそれぞれのグループはパルス周波数によってドライブ制御することができ、その際輝度の非線形の依存性を利用して照明をダイナミック制御するように、パルス形状、急峻度、印加される電圧の高さおよびタイミングが選ばれる。
【0026】
図2dには、導体路を備えた電極面の別の有利な実施形態が示されている。ここには、導体路320および電気的な接続端子310を備えた図1の装置の第1の電極面300の別の実施形態が平面にて示されており、向かい合う櫛歯のように交互に入り込まれて第1の電極面300上に配置されている2グループの導体路320が同様に形成されている。導体路のグループはそれぞれ相互に導電接続されているが、その接続部310はこの実施形態においては1つの電流源600にのみ接続されている。ここでも時間tに依存しているパルス化された電圧Vが印加され、該電圧は時間的に種々に変化することができかつこうして輝きのダイナミック制御が行われるようにしている。
【0027】
図2a乃至図2dに図示の、電極面の種々の実施形態は例えば、1つの装置においても相互に組み合わせることができ、その場合例えばこれらの図に図示の電極面は装置の第1の電極面であると同時に、これらの図に図示の電極面は装置の第2の電極面でもある。更に、これらの種々の実施形態は1つの電極面においても相互に組み合わせることができる。
【0028】
図3には、輝度の受動変調に対する例が示されている。光出力結合層500の平面が図示されており、この層は有利には光放出層220の光路に配置されておりかつ多数の光エレメント510を含んでいる。この層500は図1において例えば所謂「ボトムエミッティング」(下方へ放出する)装置における基板400の、機能層200とは反対側の主表面に配置されていてよくまたは例えば、「トップエミッティング」(上方へ放出する)装置における図1に図示されていない、層列100、200および300のカプセル化上に存在していてもよい。これら光エレメントは光出力結合層の出射面に存在しておりかつ表面にわたってラテラルな分布を有している。出射面の幾何学形状も分布されていてよい。光エレメントはレンズ、プリズム、円柱レンズもしくはシリンダおよび散乱粒子またはこれらの任意の組み合わせを含んでいる。標準レンズの他にフレネルレンズの使用も考えられる。例えば合成樹脂粒子またはTiO粒子または光吸収材料であってよい散乱粒子の幾何学的変化を例えば、複数回のプリントまたは種々の粒子溶液を所望の幾何学形状で適当なマスクにより光放出装置上に塗布する(ドクター)ことによって実現することができる。この措置により、輝きの局所的な、統計学的な変化が生じる。というのは、光出力結合層が著しく構造化されるからである。色位置も例えばプリズムの尖端角度により周期的に変調することができる。分布密度並びに幾何学的変化は光出力結合層の幅および長さに沿って1次元および2次元に行うことができ、ここで分布変動は数センチメートル乃至メートルまでの領域にあってよい。図3に図示の光エレメントは、表面にわたって種々異なっているラテラルな分布を有している略示されているレンズである。択一的にまたは付加的に、別の光エレメントが光出力結合層上に存在しているようにすることもできる。
【0029】
図4aは、基板400上に、第1の電極面300、第1の電荷搬送層210、光放出機能層220、第2の電荷搬送層230および第2の電極面100が配置されている光放出装置、例えばOLEDの断面を示している。その際第1の電荷搬送層210および第2の電荷搬送層230および光放出機能層220は組織層列200の部分であってよい。第1の電荷搬送層はラテラルな濃度変動を有しているドープ剤240を含んでいる。ドーピング度のこの局所的な変動により、第1の電荷搬送層のラテラルに変化する導電性が生成され、このために輝きの修正つまり輝きの変化が生じる。ドーピング度の変動は例えばシェーディングマスクを用いた電荷搬送層の蒸着により実現することができる。変化するドーピングの領域はドーピング濃度の最大値の数パーセントにあり、それは典型的には電荷搬送層における10体積百分比より低いということになる。
【0030】
図4bにはこの形態の別の有利な実施形態が示されている。ここでは第2の電荷搬送層230も空間的に種々異なっているドープ剤240を備えており、このために導電率、ひいては輝きの局所的な変化が生じる。
【0031】
図4cには本発明の別の実施形態が示されている。ここでも光放出装置の断面が示されているが、この場合第1の電極面300の表面がラテラルな表面変形330を有している。これは例えば、電極面に被着されている構造化されたホトラッカ層であってよい。これにより、電圧が印加されると少なくとも1つの機能層に注入されるキャリア密度が局所的に変化される。表面変形は例えば、電極面のプラズマエッチングのようなホトリソグラフィープロセスによって実現することができる。表面変形によりキャリアの注入の局所的な変化、ひいてはキャリア密度の局所的な変化が引き起こされる。これにより更に、キャリア再結合、ひいては輝きの変化が引き起こされる。
【0032】
図4dには、図4cで説明した本発明の別の変形形態が示されている。ここでは第2の電極面100の表面も表面変形330を有しており、これによりこの場合も変形された表面導電率、ひいては電圧の印加時のキャリアの局所的に変化する注入を招来する。
【0033】
図4a乃至図4dで提案されているような体積中もしくは電極上の導電率の変化はラテラルに、例えば2、3乃至数10cmのオーダにおいて考えられる。
【0034】
図1乃至4に図示の例は任意に変化および組み合わされて光放出装置に使用することができる。更に、本発明はこれらの実施例に制限されておらず、別の、個々には説明しなかった形態も許容するものであることを断っておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的および/または局所的に可変に調整設定可能な輝度を有する光放出装置であって、該光放出装置は
基板(400)と、
該基板上の第1の電極面(300)と、
該第1の電極面に電気的に接触している少なくとも2つの導体路(320)と、
前記第1の電極面に少なくとも1つの光放出機能層(220)と、
該光放出機能層上に第2の電極面(100)と
を含んでおり、前記少なくとも2つの導体路は、該導体路が、時間的および/または局所的に可変のおよび/または異なっている高さの電流によってドライブ制御されて、結果的に変化する輝度が生じるようにアレンジされている
光放出装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの導体路は、該導体路が、時間的に可変および/または異なっている高さの電流によってドライブ制御されて、結果的に変化する輝度が生じるようにアレンジされている
請求項1記載の光放出装置。
【請求項3】
前記導体路(320)は5μm乃至10cm、有利には500μm乃至1cmの間隔において相互に前記第1の電極面(300)上に配置されておりかつ異なっている長さを有している
請求項1または2記載の光放出装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの導体路(320)は相互に切り離してドライブ制御可能である
請求項1から3までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項5】
前記導体路(320)に導電接続されている少なくとも1つの電流源(600)を備え、ここで該電流源の出力信号は前記少なくとも2つの導体路に対する個別の変調周波数に調整設定可能である
請求項1から4までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの導体路(320)に対する個別の変調周波数は200Hzを下回っている、有利には100Hzを下回っている
請求項1から5までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項7】
前記導体路(320)は1つの電流源(600)とコンタクト形成するための電気的な接続部(310)を有しておりかつ
該電気的な接続部は前記導体路の異なっている端部に存在している
請求項1から6までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項8】
少なくとも第1のグループおよび第2のグループの導体路(320)を備え、ここで1つのグループの導体路は相互に電気的に接続されている
請求項1から7までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項9】
少なくとも2つのグループの導体路(320)のそれぞれは別の電流源(600)に導電接続されており、ここで電流源の出力信号は相互に独立して変調可能である
請求項8記載の光放出装置。
【請求項10】
少なくとも2つのグループの導体路(320)は共通の電流源(600)に導電接続されており、該電流源の出力信号は変調可能である
請求項8記載の光放出装置。
【請求項11】
前記光放出装置はOLEDである
請求項1から10までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項12】
付加的に、多数の光エレメント(510)を備えた光出力結合層(500)が前記光放出機能層(220)の光路に存在している
請求項1から11までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項13】
多数の光エレメント(510)が前記光出力結合層(500)の主表面に配置されておりかつ
該光エレメントは該表面にわたって異なっている分布および/または幾何学的な形状を有している
請求項12記載の光放出装置。
【請求項14】
前記光エレメント(510)は、レンズ、プリズム、円柱レンズ、光フィルタユニットおよび散乱粒子から成るグループから選択されている
請求項12または13記載の光放出装置。
【請求項15】
前記第1の電極面(300)と少なくとも1つの光放出機能層(220)との間に付加的に、第1の電荷搬送層(210)が存在しており、ここで第1の電荷搬送層は異なっている導電率を有する部分領域を有している
請求項1から14までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項16】
前記第1の電荷搬送層はラテラル方向において、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有している交番領域を有している
請求項15記載の光放出装置。
【請求項17】
前記第1の電荷搬送層(210)は、分布が電荷搬送層の部分領域において変化するドープ剤(240)を有している
請求項15または16記載の光放出装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光放出機能層(220)と前記第2の電極面(100)との間に付加的に、第2の電荷搬送層(230)が存在しており、ここで該第2の電荷搬送層は異なっている導電率を有する異なっている部分領域を有している
請求項15から17までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項19】
前記第2の電荷搬送層はラテラル方向において、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有している交番領域を有している
請求項18記載の光放出装置。
【請求項20】
前記第2の電荷搬送層(230)は、分布が前記電荷搬送層の部分領域において変化するドープ剤(240)を有している
請求項18または19記載の光放出装置。
【請求項21】
付加的に、前記第1の電極面(300)の表面はラテラル方向に変化する導電率を有している
請求項1から20までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項22】
前記第1の電極面(300)の表面はラテラル方向に変化する表面変形部(330)を有している
請求項21記載の光放出装置。
【請求項23】
付加的に、前記第2の電極面(100)の表面はラテラル方向に変化する導電率を有している
請求項1から22までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項24】
前記第2の電極面(100)の表面はラテラル方向に変化する上表面変形部(330)を有している
請求項23記載の光放出装置。
【請求項25】
変化する輝度を有する光放出装置であって、該光放出装置は
基板(400)と、
該基板に第1の電極面(300)と、
該第1の電極面に少なくとも1つの光放出機能層(220)と、
該光放出機能層に第2の電極面(100)と、
前記光放出機能層の光路に光出力結合層(500)と
を含んでおり、ここで該光出力結合層は表面にわたって異なっている分布および/または幾何学形状を有する多数の光エレメント(510)を有している
光放出装置。
【請求項26】
前記光エレメント(510)は、レンズ、プリズム、円柱レンズ、光フィルタユニットおよび散乱粒子から成るグループから選択されている
請求項25記載の光放出装置。
【請求項27】
前記光エレメント(510)は前記光出力結合層(500)の主表面に配置されている
請求項25または26記載の光放出装置。
【請求項28】
光放出装置はOLEDである
請求項25から27までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項29】
変化する輝度を有する光放出装置であって、該光放出装置は
基板(400)と、
該基板に第1の電極面(300)と、
該第1の電極面に第1の電荷搬送層(210)と、
該光放出機能層に第2の電極面(100)と
を含んでおり、
ここで前記第1の電荷搬送層は異なっている導電率を有する部分領域を有している
光放出装置。
【請求項30】
前記第1の電荷搬送層はラテラル方向において、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有している交番領域を有している
請求項29記載の光放出装置。
【請求項31】
前記第1の電荷搬送層(210)は、分布が前記第1の電荷搬送層の部分領域において変化するドープ剤(240)を有している
請求項29または30記載の光放出装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つの光放出機能層(220)と前記第2の電極面(100)との間に付加的に、第2の電荷搬送層(230)が存在しており、ここで該第2の電荷搬送層は異なっている導電率を有する異なっている部分領域を有している
請求項29から31までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項33】
前記第2の電荷搬送層はラテラル方向において、比較的高い導電率および比較的低い導電率を交番的に有している交番領域を有している
請求項32記載の光放出装置。
【請求項34】
前記第2の電荷搬送層(230)は、分布が前記第2の電荷搬送層の部分領域において変化するドープ剤(240)を有している
請求項32または33記載の光放出装置。
【請求項35】
前記ドープ剤(240)の分布は数パーセントの領域、有利にはドーピング濃度の最大値の15%を下回っている
請求項29から34までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項36】
光放出装置はOLEDである
請求項29から35までのいずれか1項記載の光放出装置。
【請求項37】
変化する輝度を有する光放出装置であって、該光放出装置は
基板(400)と、
該基板に第1の電極面(300)と、
該第1の電極面に少なくとも1つの光放出機能層(220)と、
該光放出機能層に第2の電極面(100)と
を含んでおり、
ここで前記第1の電極面および/または第2の電極面はラテラル方向に変化する導電率を有している
光放出装置。
【請求項38】
前記第1の電極面(300)および/または第2の電極面(100)はラテラル方向に変化する表面変形部(330)を有している
請求項37記載の光放出装置。
【請求項39】
光放出装置はOLEDである
請求項37または38記載の光放出装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【公表番号】特表2010−504606(P2010−504606A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528587(P2009−528587)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【国際出願番号】PCT/DE2007/001534
【国際公開番号】WO2008/034405
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】