光書込装置
【課題】 ロッドレンズの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを検出し、透明基板の位置合わせを行う光書込装置を提供すること。
【解決手段】 ガラス基板62には、主走査方向に複数の発光素子を設けた発光素子ラインが形成されている。ガラス基板62を通し図示を省略したCCDにより、ロッドレンズ84を観察する。封止部材1の幅(副走査方向の長さ)Waは、ガラス基板62の幅Wbよりも狭く形成されている。このため、ガラス基板62を透過した光により、ロッドレンズ84を検出することができる。この際に、封止部材1の両側の縁部もCCDにより検出されるので、制御部において、ロッドレンズ84の中心線の位置と、発光素子ラインとの位置ずれを算出することができる。
【解決手段】 ガラス基板62には、主走査方向に複数の発光素子を設けた発光素子ラインが形成されている。ガラス基板62を通し図示を省略したCCDにより、ロッドレンズ84を観察する。封止部材1の幅(副走査方向の長さ)Waは、ガラス基板62の幅Wbよりも狭く形成されている。このため、ガラス基板62を透過した光により、ロッドレンズ84を検出することができる。この際に、封止部材1の両側の縁部もCCDにより検出されるので、制御部において、ロッドレンズ84の中心線の位置と、発光素子ラインとの位置ずれを算出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドレンズの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを検出し、透明基板の位置合わせを行う光書込装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、露光装置として走査光学系を設ける方式と、発光素子アレイを用いる方式が知られている。発光素子アレイを用いる方式では、発光素子とレンズの位置合わせが必要になる。例えば特許文献1には、複数の発光体を配置した画像アレイと単眼レンズの位置決めのために、レンズホルダーにレンズの中心位置を示すためのマークを設けた例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−186444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光素子アレイのような光学系を用いる場合に、ラインヘッドの結像光学系としては、図14の説明図に示すような2列のロッドレンズを有するロッドレンズアレイを用いた等倍光学系が一般的に用いられる。図14において、84、84は2列に配置されたロッドレンズである。このロッドレンズアレイでは、主走査方向と平行なロッドレンズアレイの中心線と発光素子の位置を副走査方向において一致させる必要があるが、この位置がずれる場合がある。
【0005】
図14において、C.Lはロッドレンズアレイの中心線、Aは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.1mmずれた例、Bは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.2mmずれた例を示している。このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、光量バラツキが生じる。図15(a)は主走査方向の光量バラツキを示す特性図、図15(b)は、副走査方向の光量分布データを示す特性図である。図15(b)に示すように、副走査方向に発光素子の位置がずれた場合の光量ばらつきは、ずれ量の正負対称に生じる。
【0006】
図14の例では、ロッドレンズの直径を0.56mmとする。このときの図15(a)における主走査方向の光量バラツキは、発光素子の位置とロッドレンズアレイの中心線とのずれが0であれば、特性Daのように光量むら周期がロッドレンズの直径の1/2の0.28である。前記両者のずれ量が0.1mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径の1/2の0.28mmと直径の0.56mmの和となる。この際の光量むら周期は、ずれ量が0の場合の2倍となる。前記両者のずれ量が0.2mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径0.56mmとなる。
【0007】
このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、次のような問題が生じる。(1)ロッドレンズを通過する光量ムラの周期が2倍となり、光量ムラが認識しやすくなり画質の劣化が明瞭になる。(2)ロッドレンズを通過する光量の光量ムラが増加する。(3)ロッドレンズを通過する光量が低下する。(4)結像性能が劣化して、スポット径が大きくなったり、ばらついたりする。
【0008】
従来の発光素子として特許文献1記載されているようなLEDを用いたラインヘッドでは、基板上に画像アレイを実装してラインヘッドを構成している。このため、実装誤差により発光部の画素列が直線にならず、全ての発光画素に対してレンズアレイの中心線を合わせる事が困難であった。さらに、発光部自身の光量ムラの方がレンズアレイの透過光量ムラよりも大きく、これを補正するためにヘッド通過後の光量に基づき発光素子1個1個に対して光量補正制御を行い、発光部自身の光量ムラとレンズアレイの透過光量ムラの両方を補正する必要があった。また、スポット径は補正することができないという問題があった。
【0009】
複数の発光素子で形成されるラインヘッドにおいては、このように、発光素子の中心とレンズの中心とを正確に位置合わせする事が問題となっているが、前記のように種々の問題があった。前記のように特許文献1に記載のLEDを用いたラインヘッドにおいては、発光素子アレイごとに中心検出位置、各レンズ毎に中心位置を示すためのマーキングを設ける方法が提案されている。
【0010】
このようなマーキングを設ける方法においては、アレイの中心と基板の中心を検出し、これらの中心とレンズの中心が一致するように個々のレンズ位置の調整を行っていた。しかしながら、特許文献1に記載の方式では、複数のレンズがアレイ状になったレンズを使用する場合には、レンズ毎の調整を行う事ができないという問題があった。また、この方式では電極の形状によって中心位置を検出しているため、電極の形状が制約されるという問題があった。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロッドレンズの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを検出し、透明基板の位置合わせを簡単な手段で行う光書込装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の光書込装置は、発光素子を主走査方向に複数配列した発光素子ラインおよび各発光素子の共通電極を形成した透明基板と、前記発光素子の出射光を被照射面に結像させるレンズアレイと、前記透明基板に形成される前記発光素子の封止部材とを備えた光書込装置であって、前記封止部材の副走査方向の幅を前記の透明基板の幅よりも狭く設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材に遮断されることなく透明基板を透過する光量が増大するので、レンズアレイの中心線の検出が容易になるという利点がある。
【0013】
また、本発明の光書込装置は、前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれを検出する検出手段を設けたことを特徴とする。この構成によれば、レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれに関する情報が取得できるので、基板の位置合わせに反映させることができる。
【0014】
また、本発明の光書込装置は、前記検出手段は、前記透明基板の前記封止部材を形成した側から透過した光で前記レンズアレイを撮像することを特徴とする。この構成によれば、レンズアレイの中心線を検出すると共に、封止部材の両側の側縁部も検出するので、レンズアレイと封止部材が形成された透明基板との相対的な位置関係から、レンズアレイの中心線と発光素子ラインの中心との位置ずれを簡単に検出できる。
【0015】
また、本発明の光書込装置は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置合わせを行う調整手段を設けたことを特徴とする。この構成によれば、レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれに起因する結像性能の低下を防止することができる。
【0016】
また、本発明の光書込装置は、前記レンズアレイの主走査方向の長さを、前記封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする。この構成によれば、透明基板の両側端部を透過する光で、検出手段によりレンズアレイの中心線の位置を容易に検出することができる。
【0017】
また、本発明の光書込装置は、前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅と等しく設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材の両側縁部を検出することにより、レンズアレイの幅も検出されることになり、レンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心との位置ずれの検出が簡単に行える。
【0018】
また、本発明の光書込装置は、前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも狭く設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材の両側の側縁と、各レンズアレイの外接線間の副走査方向の長さから、演算によりレンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心との位置ずれの算出が可能となる。
【0019】
また、本発明の光書込装置は、前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも広く設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材の一方側縁部を副走査方向の位置ずれ検出の基準としているので、レンズアレイの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを算出する処理が簡単に行える。
【0020】
また、本発明の光書込装置は、前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする。この構成によれば、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を発光素子として用いているので、レンズアレイと発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。
【0021】
また、本発明の光書込装置は、前記発光素子ラインは、副走査方向に複数列配列されていることを特徴とする。この構成によれば、光書込装置を多様な用途に適用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の光書込装置によれば、透明基板を有しているので、透明基板を通してレンズアレイの位置確認を行う事ができる。このため、封止部材の幅を透明基板の幅以下にする事によって、レンズの位置確認を容易に行う事ができる。したがって、簡単な手段で透明基板の位置調整が行え、結像性能を向上させ高画質な画像を得る構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図を参照して本発明を説明する。図6は、光書込装置23を拡大して示す概略の斜視図である。図6においては、光書込装置23の細部が示されている。有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケースの対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0024】
光書込装置23は、ガラス基板(透明基板)62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。発光部63は、図示を省略した封止部材により覆われている。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ84を俵積みしている。60はハウジング、66はカバー、67は固定板バネである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ84から像担持体20に光線を射出する。したがって、屈折率分布型ロッドレンズ84は、発光素子の出射光を被照射面に結像させる手段として機能している。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0025】
図7は、光書込装置23の副走査方向の断面図である。光書込装置23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面から、その中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60の背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。91は像担持体に形成される像面(被照射面)である。発光部63は、カバーガラス(封止部材)64により被覆される。
【0026】
ケースの内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。83はガラス基板62をハウジング60に固定する接着剤である。
【0027】
図8は、光書込装置23の主走査方向の断面図である。ガラス基板62は、有機EL素子を用いた発光部63をカバーガラス64で被覆している。このようなガラス基板62をハウジング60に固定する。この際に、ガラス基板62は、発光部63の位置とロッドレンズアレイ65の中心との位置決めがなされている。カバー66でガラス基板62を覆い板バネ67でカバー66を固定する。
【0028】
図9は、図7に示した有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍の構成例を示す断面図である。有機EL発光素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスタ)71が、例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられている。ガラス基板62上にはそのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63の位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。
【0029】
次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなる隔壁75が設けられる。その隔壁75の穴76内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及び隔壁75の外面を覆うように、厚さ100nmのCuからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜されている。
【0030】
そして、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64で被覆されて、有機EL発光素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、公知の種々のものが利用でき、詳細な説明は省略する。このような有機EL発光素子は、発光素子をガラス基板上に容易に作製することができるので、製造コストを低減することができる。
【0031】
図10は、光書込装置を位置決めする際の工程を示す説明図である。図10(a)で、ハウジング60の中央部に形成した開口部60aにロッドレンズアレイ65を挿入し、開口部60aに設けられている段差部60xでロッドレンズアレイ65の先端部を係止して、ハウジング60に固定する。(b)でガラス基板62に実装された発光部(図示を省略)をカバーガラス64で封止し、ガラス基板62をハウジング60内に挿入し、ハウジング60の内部に形成した段差部60yに載置する。
【0032】
この状態でCCDカメラ90により、ガラス基板62上に実装されている発光部の位置と、ロッドレンズアレイ65の中心線C.Lとの位置ずれを検出する。カバーガラス64の副走査方向の幅は、ガラス基板62の幅よりも狭く設定されているので、前記位置ずれ検出を容易に行える。位置ずれ検出結果に基づいて、後述する位置調整手段によりガラス基板62の位置決めを行う。この際、ガラス基板62は矢視X方向(副走査方向)に移動して位置決めを行う。前記位置決めが終了すると、(c)ガラス基板62を接着剤83でハウジング60に固定する。次に、(d)カバー66を取り付け、固定板バネ67でカバー66を押圧し、固定板バネ67の先端に形成した鉤部67aをハウジング60の外部に形成した段差部60zに係止して固定する。ハウジング60は、ロッドレンズアレイ65の保持手段として機能する。
【0033】
図11は、位置ずれ検出の具体例を示す断面図である。図11は、図10(b)と対応している。図11において、ロッドレンズアレイ65はハウジング60に保持されており、ガラス基板62は位置ずれ調整後に接着剤83でハウジング60に固定される。ロッドレンズアレイの中心線をC.Lとするときに、ガラス基板62に形成された発光部63の中心の位置が、前記ロッドレンズアレイの中心線からΔLずれているものとする。この位置ずれは、CCDカメラ90により検出される。LaはCCDカメラ90の光路である。CCDカメラ90により検出された位置ずれ量は、図13に示されているメモリ103に記憶される。
【0034】
図12は、本発明の光書込装置23の位置調整の例を示す平面図である。画像形成装置本体側のケースと固定するために、光書込装置23の基台89の両端には、ねじ挿入孔68a、68bが設けられている。図12の例では、屈折率分布型ロッドレンズ84は、副走査方向に2列に配列されている。
【0035】
基台89の中央部には、開口部89aが形成されており、ガラス基板62をこの開口部89aに挿入する。開口部89aの長手方向の一方側縁には、板バネ85a、85bが設けられている。ガラス基板62の長手方向の一方側縁を当該板バネ85a、85bで押圧する。そして、図10(b)で説明したCCDカメラ90で、ロッドレンズアレイの中心線を観察し、ガラス基板62を調整用ネジ86a、86bで調整しながら副走査方向に移動して、ロッドレンズアレイの中心線との位置決めを行う。
【0036】
なお、この際に発光部63とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれ量をCCDカメラ90で検出し、光量補正を行うためのデータを取得することができる。光量補正を行う場合には、図12のようなガラス基板62の位置調整は行わずに、図13のブロック図に示されているような制御手段により発光部の電圧または電流を制御して、電気的な手段により光量補正を行う。
【0037】
このように、図12の実施形態例においては、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を1ラインに複数配列して、発光部63とした光書込装置23に対して、ハウジングに対する取り付け誤差が少ないロッドレンズアレイの中心線を基準として位置ずれを検出する。このため、発光部63とロッドレンズアレイとの位置ずれを精度良く検出し、正確にガラス基板の位置合わせをすることができる。
【0038】
また、本発明の実施形態においては、ロッドレンズアレイとガラス基板、すなわち発光部との位置ずれ検出は、ガラス基板の後ろ側(有機EL素子の出力光の照射側とは反対側)から、ロッドレンズアレイを観察して行っている。このため、有機EL素子の出力光の影響を受けずに、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれ検出を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0039】
図13は、光書込装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。図13において、101はラインヘッドの制御部、102は位置ずれ検出部、103はメモリ、104は制御回路、105はTFTからなる駆動回路である。106は発光素子が1ライン(主走査方向)に複数配列されている発光部である。
【0040】
100は本体コントローラである。本体コントローラ100は、印刷データを形成してラインヘッドの制御部101に送信する。位置ずれ検出部(図11のCCDカメラに相当する)102は、封止部材とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれを検出する。メモリ103には、位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量を記憶させている。
【0041】
制御回路104は、当該位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量の特性をメモリ103から読み出し、発光部106の中心とロッドレンズの中心線との位置ずれを算出する。また、制御回路104は、駆動回路104に信号を送出し、発光部106の印加電圧、または駆動電流を制御する。
【0042】
図1は、本発明の実施形態を示す図である。図1(a)は平面図、図1(b)は正面図である。図1において、ガラス基板62を通して図11で説明したCCDカメラ90により、ロッドレンズ84を観察する。10は主走査方向に複数の発光素子を配列した発光素子ライン、11はドライバ(図6のTFT71に相当する)である。封止部材1(図7の図示番号64に対応する)の幅(副走査方向の長さ)Waは、ガラス基板62の幅Wbよりも狭く形成されている。このため、封止部材1に遮断されることなくガラス基板(透明基板)62を透過する光量が増大するので、ロッドレンズアレイの中心線の検出が容易になるという利点がある。
【0043】
この際に、封止部材1の両側の縁部もCCDカメラ90により検出されるので、制御部において、ロッドレンズアレイの中心線の位置と、発光素子ライン10との位置ずれを算出することができる。したがって、図12で説明した調整ねじ86a、86b、調整ばね85a、85bを用いて、ガラス基板62の副走査方向の位置を調整し、ロッドレンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心位置との位置合わせを行うことができる。
【0044】
図2は、本発明の他の実施形態を示す図である。図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。図2において、封止部材2の主走査方向の長さは、ガラス基板62の長さよりも短くしている。この例では、ガラス基板62の両側端部を透過する光でCCDカメラ90によりロッドレンズアレイの中心線の位置を検出することができる。
【0045】
また、封止部材2もCCDカメラ90により検出される。図2の例においても、制御部によりロッドレンズアレイの中心線の位置と、発光素子ラインとの位置ずれを算出する。次に、図12の機構を用いてロッドレンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心位置との位置合わせを行うことができる。
【0046】
図3は、本発明の他の実施形態を示す図である。図3(a)は平面図、図3(b)は側面図である。図3において、封止部材3の副走査方向の幅は、ロッドレンズ84の幅と同じ寸法としている。図3の例では、CCDカメラ90により封止部材3の両側縁部を検出することにより、ロッドレンズ84の幅も検出されることになる。この場合には、封止部材3の幅寸法の1/2がロッドレンズアレイの中心線となるので、ロッドレンズアレイの中心線の位置と、発光素子ラインとの位置ずれを算出する処理が簡略化される。
【0047】
図4は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図4において、封止部材4の副走査方向の幅は、ロッドレンズ84a、84bの幅よりも狭くしている。ガラス基板62は、表示を省略している。10a、10bは、主走査方向に複数の発光部(発光素子)を配列した発光素子ラインである。Y1は、封止部材4の一方の側縁とロッドレンズ84aの外接線間の長さ、Y2は、封止部材4の他方の側縁とロッドレンズ84bの外接線間の長さである。
【0048】
CCDカメラ90により、Y1、Y2を検出することにより、ロッドレンズアレイの中心線CLと封止部材4との位置ずれが検出できる。封止部材4の両側縁部から、各発光素子ライン10a、10bの中心との長さは予め設定されており既知であるので、ロッドレンズアレイの中心線CLと、発光素子ライン10a、10bの中心との位置ずれを算出することができる。図4の構成は、発光素子ライン10a、10bを副走査方向に複数列配列しているので、光書込装置を多重露光のような多様な用途に適用することができる。なお、本発明の実施形態においては、図1、図2に示したように、発光素子ラインがガラス基板に1ライン形成される場合にも適用される。
【0049】
図5は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図5において、封止部材5の幅は、ロッドレンズ84の幅よりも広く形成している。Y3は、封止部材5の一方の側縁部5aと、ロッドレンズ84bの外接線間の長さである。封止部材5の一方の側縁部5aから、各発光素子ライン10a、10bの中心との長さは予め設定されており既知である。
【0050】
図5の例では、Y3の長さ、すなわち、2ライン配列されているロッドレンズの中で、一方のロッドレンズ84bの外接線から陰極5の側縁部5a間の長さを検出することにより、発光素子ライン10a、10bの位置ずれを検出することができる。このため、ロッドレンズアレイの中心線CLと各発光素子ライン10a、10bの中心との位置ずれが検出できる。図5の例では、封止部材5の一方側縁部5aを副走査方向の位置ずれ検出の基準としているので、ロッドレンズアレイの中心線CLと、発光素子ライン10a、10bの中心との位置ずれを算出する処理が簡単に行える。
【0051】
光書込装置の発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光画素列は単一の基板上に半導体プロセスを用いて製造されるため、その直線性は、従来のLEDに比べて極めて高精度に構成することが可能となる。さらに、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。本発明は、このような有機EL素子の特性に着目して、光書込装置の位置ずれを検出すものである。
【0052】
以上、本発明の光書込装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図6】光書込装置の斜視図である。
【図7】光書込装置の副走査方向の断面図である。
【図8】光書込装置の主走査方向の断面図である。
【図9】発光部近傍の構成例を示す断面図である。
【図10】ガラス基板の位置決めの例を示す説明図である。
【図11】位置ずれ検出例の説明図である。
【図12】位置合わせ例の説明図である。
【図13】本発明の制御部を示すブロック図である。
【図14】発光部の位置ずれの例を示す説明図である。
【図15】光量バラツキを示す特性図である。
【符号の説明】
【0054】
1〜5・・・封止部材、10、10a、10b・・・発光素子ライン、11・・・ドライバ、23・・・光書込装置、61・・・有機EL素子アレイ、62・・・ガラス基板(透明基板)、63・・・発光部、64・・・カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、84・・・屈折率分布型ロッドレンズ、85a、85b・・・板バネ、86a、86b・・・調整用ネジ、88・・・駆動回路、90・・・CCDカメラ、100・・・本体コントローラ、101・・・制御部、102・・・位置ずれ検出部、103・・・メモリ、104・・・制御回路、105・・・駆動回路、106・・・発光部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドレンズの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを検出し、透明基板の位置合わせを行う光書込装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、露光装置として走査光学系を設ける方式と、発光素子アレイを用いる方式が知られている。発光素子アレイを用いる方式では、発光素子とレンズの位置合わせが必要になる。例えば特許文献1には、複数の発光体を配置した画像アレイと単眼レンズの位置決めのために、レンズホルダーにレンズの中心位置を示すためのマークを設けた例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−186444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光素子アレイのような光学系を用いる場合に、ラインヘッドの結像光学系としては、図14の説明図に示すような2列のロッドレンズを有するロッドレンズアレイを用いた等倍光学系が一般的に用いられる。図14において、84、84は2列に配置されたロッドレンズである。このロッドレンズアレイでは、主走査方向と平行なロッドレンズアレイの中心線と発光素子の位置を副走査方向において一致させる必要があるが、この位置がずれる場合がある。
【0005】
図14において、C.Lはロッドレンズアレイの中心線、Aは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.1mmずれた例、Bは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.2mmずれた例を示している。このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、光量バラツキが生じる。図15(a)は主走査方向の光量バラツキを示す特性図、図15(b)は、副走査方向の光量分布データを示す特性図である。図15(b)に示すように、副走査方向に発光素子の位置がずれた場合の光量ばらつきは、ずれ量の正負対称に生じる。
【0006】
図14の例では、ロッドレンズの直径を0.56mmとする。このときの図15(a)における主走査方向の光量バラツキは、発光素子の位置とロッドレンズアレイの中心線とのずれが0であれば、特性Daのように光量むら周期がロッドレンズの直径の1/2の0.28である。前記両者のずれ量が0.1mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径の1/2の0.28mmと直径の0.56mmの和となる。この際の光量むら周期は、ずれ量が0の場合の2倍となる。前記両者のずれ量が0.2mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径0.56mmとなる。
【0007】
このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、次のような問題が生じる。(1)ロッドレンズを通過する光量ムラの周期が2倍となり、光量ムラが認識しやすくなり画質の劣化が明瞭になる。(2)ロッドレンズを通過する光量の光量ムラが増加する。(3)ロッドレンズを通過する光量が低下する。(4)結像性能が劣化して、スポット径が大きくなったり、ばらついたりする。
【0008】
従来の発光素子として特許文献1記載されているようなLEDを用いたラインヘッドでは、基板上に画像アレイを実装してラインヘッドを構成している。このため、実装誤差により発光部の画素列が直線にならず、全ての発光画素に対してレンズアレイの中心線を合わせる事が困難であった。さらに、発光部自身の光量ムラの方がレンズアレイの透過光量ムラよりも大きく、これを補正するためにヘッド通過後の光量に基づき発光素子1個1個に対して光量補正制御を行い、発光部自身の光量ムラとレンズアレイの透過光量ムラの両方を補正する必要があった。また、スポット径は補正することができないという問題があった。
【0009】
複数の発光素子で形成されるラインヘッドにおいては、このように、発光素子の中心とレンズの中心とを正確に位置合わせする事が問題となっているが、前記のように種々の問題があった。前記のように特許文献1に記載のLEDを用いたラインヘッドにおいては、発光素子アレイごとに中心検出位置、各レンズ毎に中心位置を示すためのマーキングを設ける方法が提案されている。
【0010】
このようなマーキングを設ける方法においては、アレイの中心と基板の中心を検出し、これらの中心とレンズの中心が一致するように個々のレンズ位置の調整を行っていた。しかしながら、特許文献1に記載の方式では、複数のレンズがアレイ状になったレンズを使用する場合には、レンズ毎の調整を行う事ができないという問題があった。また、この方式では電極の形状によって中心位置を検出しているため、電極の形状が制約されるという問題があった。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロッドレンズの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを検出し、透明基板の位置合わせを簡単な手段で行う光書込装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の光書込装置は、発光素子を主走査方向に複数配列した発光素子ラインおよび各発光素子の共通電極を形成した透明基板と、前記発光素子の出射光を被照射面に結像させるレンズアレイと、前記透明基板に形成される前記発光素子の封止部材とを備えた光書込装置であって、前記封止部材の副走査方向の幅を前記の透明基板の幅よりも狭く設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材に遮断されることなく透明基板を透過する光量が増大するので、レンズアレイの中心線の検出が容易になるという利点がある。
【0013】
また、本発明の光書込装置は、前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれを検出する検出手段を設けたことを特徴とする。この構成によれば、レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれに関する情報が取得できるので、基板の位置合わせに反映させることができる。
【0014】
また、本発明の光書込装置は、前記検出手段は、前記透明基板の前記封止部材を形成した側から透過した光で前記レンズアレイを撮像することを特徴とする。この構成によれば、レンズアレイの中心線を検出すると共に、封止部材の両側の側縁部も検出するので、レンズアレイと封止部材が形成された透明基板との相対的な位置関係から、レンズアレイの中心線と発光素子ラインの中心との位置ずれを簡単に検出できる。
【0015】
また、本発明の光書込装置は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置合わせを行う調整手段を設けたことを特徴とする。この構成によれば、レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれに起因する結像性能の低下を防止することができる。
【0016】
また、本発明の光書込装置は、前記レンズアレイの主走査方向の長さを、前記封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする。この構成によれば、透明基板の両側端部を透過する光で、検出手段によりレンズアレイの中心線の位置を容易に検出することができる。
【0017】
また、本発明の光書込装置は、前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅と等しく設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材の両側縁部を検出することにより、レンズアレイの幅も検出されることになり、レンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心との位置ずれの検出が簡単に行える。
【0018】
また、本発明の光書込装置は、前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも狭く設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材の両側の側縁と、各レンズアレイの外接線間の副走査方向の長さから、演算によりレンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心との位置ずれの算出が可能となる。
【0019】
また、本発明の光書込装置は、前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも広く設定したことを特徴とする。この構成によれば、封止部材の一方側縁部を副走査方向の位置ずれ検出の基準としているので、レンズアレイの中心線と、発光素子ラインの中心との位置ずれを算出する処理が簡単に行える。
【0020】
また、本発明の光書込装置は、前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする。この構成によれば、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を発光素子として用いているので、レンズアレイと発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。
【0021】
また、本発明の光書込装置は、前記発光素子ラインは、副走査方向に複数列配列されていることを特徴とする。この構成によれば、光書込装置を多様な用途に適用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の光書込装置によれば、透明基板を有しているので、透明基板を通してレンズアレイの位置確認を行う事ができる。このため、封止部材の幅を透明基板の幅以下にする事によって、レンズの位置確認を容易に行う事ができる。したがって、簡単な手段で透明基板の位置調整が行え、結像性能を向上させ高画質な画像を得る構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図を参照して本発明を説明する。図6は、光書込装置23を拡大して示す概略の斜視図である。図6においては、光書込装置23の細部が示されている。有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケースの対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0024】
光書込装置23は、ガラス基板(透明基板)62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。発光部63は、図示を省略した封止部材により覆われている。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ84を俵積みしている。60はハウジング、66はカバー、67は固定板バネである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ84から像担持体20に光線を射出する。したがって、屈折率分布型ロッドレンズ84は、発光素子の出射光を被照射面に結像させる手段として機能している。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0025】
図7は、光書込装置23の副走査方向の断面図である。光書込装置23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面から、その中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60の背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。91は像担持体に形成される像面(被照射面)である。発光部63は、カバーガラス(封止部材)64により被覆される。
【0026】
ケースの内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。83はガラス基板62をハウジング60に固定する接着剤である。
【0027】
図8は、光書込装置23の主走査方向の断面図である。ガラス基板62は、有機EL素子を用いた発光部63をカバーガラス64で被覆している。このようなガラス基板62をハウジング60に固定する。この際に、ガラス基板62は、発光部63の位置とロッドレンズアレイ65の中心との位置決めがなされている。カバー66でガラス基板62を覆い板バネ67でカバー66を固定する。
【0028】
図9は、図7に示した有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍の構成例を示す断面図である。有機EL発光素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスタ)71が、例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられている。ガラス基板62上にはそのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63の位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。
【0029】
次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなる隔壁75が設けられる。その隔壁75の穴76内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及び隔壁75の外面を覆うように、厚さ100nmのCuからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜されている。
【0030】
そして、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64で被覆されて、有機EL発光素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、公知の種々のものが利用でき、詳細な説明は省略する。このような有機EL発光素子は、発光素子をガラス基板上に容易に作製することができるので、製造コストを低減することができる。
【0031】
図10は、光書込装置を位置決めする際の工程を示す説明図である。図10(a)で、ハウジング60の中央部に形成した開口部60aにロッドレンズアレイ65を挿入し、開口部60aに設けられている段差部60xでロッドレンズアレイ65の先端部を係止して、ハウジング60に固定する。(b)でガラス基板62に実装された発光部(図示を省略)をカバーガラス64で封止し、ガラス基板62をハウジング60内に挿入し、ハウジング60の内部に形成した段差部60yに載置する。
【0032】
この状態でCCDカメラ90により、ガラス基板62上に実装されている発光部の位置と、ロッドレンズアレイ65の中心線C.Lとの位置ずれを検出する。カバーガラス64の副走査方向の幅は、ガラス基板62の幅よりも狭く設定されているので、前記位置ずれ検出を容易に行える。位置ずれ検出結果に基づいて、後述する位置調整手段によりガラス基板62の位置決めを行う。この際、ガラス基板62は矢視X方向(副走査方向)に移動して位置決めを行う。前記位置決めが終了すると、(c)ガラス基板62を接着剤83でハウジング60に固定する。次に、(d)カバー66を取り付け、固定板バネ67でカバー66を押圧し、固定板バネ67の先端に形成した鉤部67aをハウジング60の外部に形成した段差部60zに係止して固定する。ハウジング60は、ロッドレンズアレイ65の保持手段として機能する。
【0033】
図11は、位置ずれ検出の具体例を示す断面図である。図11は、図10(b)と対応している。図11において、ロッドレンズアレイ65はハウジング60に保持されており、ガラス基板62は位置ずれ調整後に接着剤83でハウジング60に固定される。ロッドレンズアレイの中心線をC.Lとするときに、ガラス基板62に形成された発光部63の中心の位置が、前記ロッドレンズアレイの中心線からΔLずれているものとする。この位置ずれは、CCDカメラ90により検出される。LaはCCDカメラ90の光路である。CCDカメラ90により検出された位置ずれ量は、図13に示されているメモリ103に記憶される。
【0034】
図12は、本発明の光書込装置23の位置調整の例を示す平面図である。画像形成装置本体側のケースと固定するために、光書込装置23の基台89の両端には、ねじ挿入孔68a、68bが設けられている。図12の例では、屈折率分布型ロッドレンズ84は、副走査方向に2列に配列されている。
【0035】
基台89の中央部には、開口部89aが形成されており、ガラス基板62をこの開口部89aに挿入する。開口部89aの長手方向の一方側縁には、板バネ85a、85bが設けられている。ガラス基板62の長手方向の一方側縁を当該板バネ85a、85bで押圧する。そして、図10(b)で説明したCCDカメラ90で、ロッドレンズアレイの中心線を観察し、ガラス基板62を調整用ネジ86a、86bで調整しながら副走査方向に移動して、ロッドレンズアレイの中心線との位置決めを行う。
【0036】
なお、この際に発光部63とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれ量をCCDカメラ90で検出し、光量補正を行うためのデータを取得することができる。光量補正を行う場合には、図12のようなガラス基板62の位置調整は行わずに、図13のブロック図に示されているような制御手段により発光部の電圧または電流を制御して、電気的な手段により光量補正を行う。
【0037】
このように、図12の実施形態例においては、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を1ラインに複数配列して、発光部63とした光書込装置23に対して、ハウジングに対する取り付け誤差が少ないロッドレンズアレイの中心線を基準として位置ずれを検出する。このため、発光部63とロッドレンズアレイとの位置ずれを精度良く検出し、正確にガラス基板の位置合わせをすることができる。
【0038】
また、本発明の実施形態においては、ロッドレンズアレイとガラス基板、すなわち発光部との位置ずれ検出は、ガラス基板の後ろ側(有機EL素子の出力光の照射側とは反対側)から、ロッドレンズアレイを観察して行っている。このため、有機EL素子の出力光の影響を受けずに、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれ検出を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0039】
図13は、光書込装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。図13において、101はラインヘッドの制御部、102は位置ずれ検出部、103はメモリ、104は制御回路、105はTFTからなる駆動回路である。106は発光素子が1ライン(主走査方向)に複数配列されている発光部である。
【0040】
100は本体コントローラである。本体コントローラ100は、印刷データを形成してラインヘッドの制御部101に送信する。位置ずれ検出部(図11のCCDカメラに相当する)102は、封止部材とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれを検出する。メモリ103には、位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量を記憶させている。
【0041】
制御回路104は、当該位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量の特性をメモリ103から読み出し、発光部106の中心とロッドレンズの中心線との位置ずれを算出する。また、制御回路104は、駆動回路104に信号を送出し、発光部106の印加電圧、または駆動電流を制御する。
【0042】
図1は、本発明の実施形態を示す図である。図1(a)は平面図、図1(b)は正面図である。図1において、ガラス基板62を通して図11で説明したCCDカメラ90により、ロッドレンズ84を観察する。10は主走査方向に複数の発光素子を配列した発光素子ライン、11はドライバ(図6のTFT71に相当する)である。封止部材1(図7の図示番号64に対応する)の幅(副走査方向の長さ)Waは、ガラス基板62の幅Wbよりも狭く形成されている。このため、封止部材1に遮断されることなくガラス基板(透明基板)62を透過する光量が増大するので、ロッドレンズアレイの中心線の検出が容易になるという利点がある。
【0043】
この際に、封止部材1の両側の縁部もCCDカメラ90により検出されるので、制御部において、ロッドレンズアレイの中心線の位置と、発光素子ライン10との位置ずれを算出することができる。したがって、図12で説明した調整ねじ86a、86b、調整ばね85a、85bを用いて、ガラス基板62の副走査方向の位置を調整し、ロッドレンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心位置との位置合わせを行うことができる。
【0044】
図2は、本発明の他の実施形態を示す図である。図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。図2において、封止部材2の主走査方向の長さは、ガラス基板62の長さよりも短くしている。この例では、ガラス基板62の両側端部を透過する光でCCDカメラ90によりロッドレンズアレイの中心線の位置を検出することができる。
【0045】
また、封止部材2もCCDカメラ90により検出される。図2の例においても、制御部によりロッドレンズアレイの中心線の位置と、発光素子ラインとの位置ずれを算出する。次に、図12の機構を用いてロッドレンズアレイの中心線の位置と発光素子ラインの中心位置との位置合わせを行うことができる。
【0046】
図3は、本発明の他の実施形態を示す図である。図3(a)は平面図、図3(b)は側面図である。図3において、封止部材3の副走査方向の幅は、ロッドレンズ84の幅と同じ寸法としている。図3の例では、CCDカメラ90により封止部材3の両側縁部を検出することにより、ロッドレンズ84の幅も検出されることになる。この場合には、封止部材3の幅寸法の1/2がロッドレンズアレイの中心線となるので、ロッドレンズアレイの中心線の位置と、発光素子ラインとの位置ずれを算出する処理が簡略化される。
【0047】
図4は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図4において、封止部材4の副走査方向の幅は、ロッドレンズ84a、84bの幅よりも狭くしている。ガラス基板62は、表示を省略している。10a、10bは、主走査方向に複数の発光部(発光素子)を配列した発光素子ラインである。Y1は、封止部材4の一方の側縁とロッドレンズ84aの外接線間の長さ、Y2は、封止部材4の他方の側縁とロッドレンズ84bの外接線間の長さである。
【0048】
CCDカメラ90により、Y1、Y2を検出することにより、ロッドレンズアレイの中心線CLと封止部材4との位置ずれが検出できる。封止部材4の両側縁部から、各発光素子ライン10a、10bの中心との長さは予め設定されており既知であるので、ロッドレンズアレイの中心線CLと、発光素子ライン10a、10bの中心との位置ずれを算出することができる。図4の構成は、発光素子ライン10a、10bを副走査方向に複数列配列しているので、光書込装置を多重露光のような多様な用途に適用することができる。なお、本発明の実施形態においては、図1、図2に示したように、発光素子ラインがガラス基板に1ライン形成される場合にも適用される。
【0049】
図5は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図5において、封止部材5の幅は、ロッドレンズ84の幅よりも広く形成している。Y3は、封止部材5の一方の側縁部5aと、ロッドレンズ84bの外接線間の長さである。封止部材5の一方の側縁部5aから、各発光素子ライン10a、10bの中心との長さは予め設定されており既知である。
【0050】
図5の例では、Y3の長さ、すなわち、2ライン配列されているロッドレンズの中で、一方のロッドレンズ84bの外接線から陰極5の側縁部5a間の長さを検出することにより、発光素子ライン10a、10bの位置ずれを検出することができる。このため、ロッドレンズアレイの中心線CLと各発光素子ライン10a、10bの中心との位置ずれが検出できる。図5の例では、封止部材5の一方側縁部5aを副走査方向の位置ずれ検出の基準としているので、ロッドレンズアレイの中心線CLと、発光素子ライン10a、10bの中心との位置ずれを算出する処理が簡単に行える。
【0051】
光書込装置の発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光画素列は単一の基板上に半導体プロセスを用いて製造されるため、その直線性は、従来のLEDに比べて極めて高精度に構成することが可能となる。さらに、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。本発明は、このような有機EL素子の特性に着目して、光書込装置の位置ずれを検出すものである。
【0052】
以上、本発明の光書込装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図6】光書込装置の斜視図である。
【図7】光書込装置の副走査方向の断面図である。
【図8】光書込装置の主走査方向の断面図である。
【図9】発光部近傍の構成例を示す断面図である。
【図10】ガラス基板の位置決めの例を示す説明図である。
【図11】位置ずれ検出例の説明図である。
【図12】位置合わせ例の説明図である。
【図13】本発明の制御部を示すブロック図である。
【図14】発光部の位置ずれの例を示す説明図である。
【図15】光量バラツキを示す特性図である。
【符号の説明】
【0054】
1〜5・・・封止部材、10、10a、10b・・・発光素子ライン、11・・・ドライバ、23・・・光書込装置、61・・・有機EL素子アレイ、62・・・ガラス基板(透明基板)、63・・・発光部、64・・・カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、84・・・屈折率分布型ロッドレンズ、85a、85b・・・板バネ、86a、86b・・・調整用ネジ、88・・・駆動回路、90・・・CCDカメラ、100・・・本体コントローラ、101・・・制御部、102・・・位置ずれ検出部、103・・・メモリ、104・・・制御回路、105・・・駆動回路、106・・・発光部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を主走査方向に複数配列した発光素子ラインおよび各発光素子の共通電極を形成した透明基板と、前記発光素子の出射光を被照射面に結像させるレンズアレイと、前記透明基板に形成される前記発光素子の封止部材とを備えた光書込装置であって、前記封止部材の副走査方向の幅を前記透明基板の幅よりも狭く設定したことを特徴とする、光書込装置。
【請求項2】
前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれを検出する検出手段を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の光書込装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記透明基板の前記共通電極を形成した側から透過した光で前記レンズアレイを撮像することを特徴とする、請求項2に記載の光書込装置。
【請求項4】
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置合わせを行う調整手段を設けたことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の光書込装置。
【請求項5】
前記透明基板の主走査方向の長さを、前記封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項6】
前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅と等しく設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項7】
前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも狭く設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項8】
前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも広く設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項9】
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項10】
前記発光素子ラインは、副走査方向に複数列配列されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項1】
発光素子を主走査方向に複数配列した発光素子ラインおよび各発光素子の共通電極を形成した透明基板と、前記発光素子の出射光を被照射面に結像させるレンズアレイと、前記透明基板に形成される前記発光素子の封止部材とを備えた光書込装置であって、前記封止部材の副走査方向の幅を前記透明基板の幅よりも狭く設定したことを特徴とする、光書込装置。
【請求項2】
前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置ずれを検出する検出手段を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の光書込装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記透明基板の前記共通電極を形成した側から透過した光で前記レンズアレイを撮像することを特徴とする、請求項2に記載の光書込装置。
【請求項4】
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記レンズアレイの中心線と、前記発光素子ラインの中心との位置合わせを行う調整手段を設けたことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の光書込装置。
【請求項5】
前記透明基板の主走査方向の長さを、前記封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項6】
前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅と等しく設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項7】
前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも狭く設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項8】
前記封止部材の副走査方向の幅を前記レンズアレイの幅よりも広く設定したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項9】
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の光書込装置。
【請求項10】
前記発光素子ラインは、副走査方向に複数列配列されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の光書込装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−150715(P2006−150715A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343605(P2004−343605)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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