説明

光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置

【課題】より低コスト且つ高速に紙葉類から複数種類の光を検出することができる光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る光検出装置は、紙葉類に対して光を照射する照明部と、光を検出し、信号を生成するセンサと、前記紙葉類からの光を前記センサに結像させるレンズと、前記照明部から発せられて前記紙葉類を照明した光の拡散反射光、正反射光、拡散透過光、及び直接透過光のうちの2つを前記レンズにより前記センサの異なる領域に結像させるように配置された反射部材と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の紙葉類の検査を行う紙葉類処理装置が実用化されている。紙葉類処理装置は、紙葉類の画像を読み取る光検出装置を有する。紙葉類処理装置は、投入部に投入された紙葉類を1枚ずつ取り込み、光検出装置に搬送する。
【0003】
光検出装置は、搬送される紙葉類から、紙葉類の光学的な特徴(特徴量)を検知する。紙葉類処理装置は、予め設定される種々のパラメータと、検知された特徴量との比較を行うことにより、紙葉類を識別する。例えば、紙葉類処理装置は、紙葉類の種類(category)、券種(denomination)、汚損の度合の識別、紙葉類の真偽(authentication)の識別、及び/または紙葉類が再流通可能であるか否かの正損(fitness)の識別を実行する。
【0004】
例えば、光検出装置は、紙葉類に光を照射し、拡散反射光(拡散反射成分)、または正反射光(正反射成分)を受光する。また、例えば、光検出装置は、紙葉類に光を照射し、紙葉類を透過した透過光を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−245918号公報
【特許文献2】特開2004−102562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、拡散反射光と正反射光とを取得する為に、拡散反射光を受光する為の光学系と、正反射光を受光する為の光学系とを個別に配置する必要がある。この為、コスト及び設置スペースが嵩むという課題がある。
【0007】
また、拡散反射光と正反射光とを1つの受光系で受光する場合、拡散反射用の照明と、正反射用の照明とを切り替える必要がある。しかし、紙葉類処理装置は、高速で紙葉類を搬送する為、拡散反射光と正反射光とを取得することが困難であるという課題がある。
【0008】
そこで、より低コスト且つ高速に紙葉類から複数種類の光を検出することができる光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係る光検出装置は、紙葉類に対して光を照射する照明部と、光を検出し、信号を生成するセンサと、前記紙葉類からの光を前記センサに結像させるレンズと、前記照明部から発せられて前記紙葉類を照明した光の拡散反射光、正反射光、拡散透過光、及び直接透過光のうちの2つを前記レンズにより前記センサの異なる領域に結像させるように配置された反射部材と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図2】図2は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図3】図3は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図4】図4は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図5】図5は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図6】図6は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図7】図7は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図8】図8は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図9】図9は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図10】図10は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図11】図11は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図12】図12は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図13】図13は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図14】図14は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図15】図15は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図16】図16は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図17】図17は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図18】図18は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【図19】図19は、一実施形態に係る光検出装置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置について詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置100の外観を示す。
図1に示すように、紙葉類処理装置100は、装置外部に、投入部112、操作部136、操作表示部137、ドア138、取出口139、及びキーボード140を備えている。
【0013】
投入部112は、例えば紙幣などの紙葉類16を投入するための構成である。投入部112は、重ねられた状態の紙葉類16をまとめて受け入れる。操作部136は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける。操作表示部137は、オペレータに対して各種の操作案内、及び処理結果などを表示する。なお、操作表示部137は、タッチパネルとして構成されていてもよい。この場合、紙葉類処理装置100は、操作表示部137に表示されるボタンと、操作表示部137に対するオペレータによる操作と、に基づいて、各種の操作入力を検知する。
【0014】
ドア138は、投入部112の投入口を開閉する為のドアである。取出口139は、紙葉類処理装置100により再流通不可と判断された紙葉類16がスタックされる集積部から紙葉類16を取り出す為の構成である。キーボード140は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける入力部として機能する。
【0015】
図2は、図1に示された紙葉類処理装置100の構成例を示す。
紙葉類処理装置100は、装置内部に、投入部112、取出部113、吸着ローラ114、搬送路115、検査部116、ゲート120乃至125、排除搬送路126、排除集積部127、集積・結束部128乃至131、裁断部133、及びスタッカ134を備える。また、紙葉類処理装置100は、主制御部151を備える。主制御部151は、紙葉類処理装置100の各部の動作を統合的に制御する。
【0016】
取出部113は、投入部の上部に設けられる。取出部113は、吸着ローラ114を備えている。吸着ローラ114は、投入部112にセットされた紙葉類16を集積方向の上端に接するように設けられている。即ち、吸着ローラ114は、回転することにより、投入部112にセットされた紙葉類16を集積方向の上端から1枚ずつ装置内部に取り込む。吸着ローラ114は、たとえば、1回転するごとに1枚の紙葉類16を取り込むように機能する。これにより、吸着ローラ114は、紙葉類16を一定のピッチで取り込む。吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類16は、搬送路115に導入される。
【0017】
搬送路115は、紙葉類16を紙葉類処理装置100内の各部に搬送する搬送手段である。搬送路115は、図示しない搬送ベルト及び駆動プーリ(搬送ローラ)などを備えている。搬送路115は、図示しない駆動モータ及び駆動プーリにより搬送ベルトを動作させる。搬送路115は、吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類16を搬送ベルトにより一定速度で搬送する。なお、搬送路115における取出部113に近い側を上流側、スタッカ134に近い側を下流側として説明する。
【0018】
取出部113から延びた搬送路115上には、検査部116が設けられている。検査部116は、画像読取装置117、画像読取装置118、光検出装置135、及び厚み検査部119を備えている。検査部116は、紙葉類16の光学的特徴情報、機械的特徴、及び磁気的特長情報を検出する。これにより、紙葉類処理装置100は、紙葉類16の種類、汚損度、及び真偽などを検知する。
【0019】
画像読取装置117、及び118は、それぞれ搬送路115を挟んで対面するように設けられている。画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類16の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、それぞれ、Charge Coupled Device(CCD)カメラを備える。紙葉類処理装置100は、画像読取装置117、及び118により撮像した画像に基づいて、紙葉類16の表面及び裏面の模様画像を取得する。
【0020】
画像読取装置117、及び118は、読み取った画像を検査部116内の図示しないメモリに一時的に記憶する。紙葉類処理装置100は、このメモリに記憶されている画像を操作入力に応じて操作表示部137に表示する。
【0021】
光検出装置135は、搬送される紙葉類16に対して光を照射する。さらに光検出装置135は、搬送される紙葉類16から光を検出する。
【0022】
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類16の厚みを検査する。例えば、検出した厚みが規定値以上である場合、紙葉類処理装置100は、紙葉類16の2枚取りを検出する。
【0023】
また、検査部116は、図示しない磁気センサなどを備えている。磁気センサは、紙葉類16の磁気的な特徴情報を検出する。
【0024】
主制御部151は、画像読取装置117、118、光検出装置135、厚み検査部119、及び磁気センサなどによる検出結果に基づいて、各種の判定を行う。例えば、主制御部151は、紙葉類16の種類(category)、及び/又は券種(denomination)を判定する。
【0025】
また、主制御部151は、紙葉類16の真偽(authentication)を判定する。すなわち、主制御部151は、紙葉類16が真券(genuine)であるか、偽券(counterfeit)であるかを判定する。
【0026】
また、主制御部151は、紙葉類16の正損(fitness)を検知する。即ち、主制御部151は、紙葉類16が再流通可能(recirculatable)な正券(fit sheet)であるか、再流通不可能(unrecirculatable)な損券(unfit sheet)であるかを判定する。
【0027】
さらに、主制御部151は、紙葉類16が排除券であるか否か判定する。すなわち、主制御部151は、偽券と判定された紙葉類16、または厚み検査部119により重なりが検知された紙葉類16を、排除券と判定する。すなわち、排除券は、正券及び損券に該当しない紙葉類16である。
【0028】
紙葉類処理装置100は、正券と判定した紙葉類16を集積・結束部128乃至131に搬送する。また、紙葉類処理装置100は、損券と判定した紙葉類16を裁断部133に搬送する。裁断部133は、搬送される損券を裁断する。なお、紙葉類処理装置100は、損券をスタッカ134に搬送し集積してもよい。スタッカ134は、集積した損券が例えば100枚に到達するごとに施封を行う。
【0029】
紙葉類処理装置100は、排除券と判定した紙葉類16を排除集積部127に搬送する。排除券は、例えば、2枚取り券などの搬送異常券、折れまたは破れなどが存在する不良券、及び適用外券種または偽券などの判別不能券を含む。
【0030】
検査部116の下流側の搬送路115上には、ゲート120乃至125が順に配設されている。ゲート120乃至125は、それぞれ、主制御部151により制御される。主制御部151は、検査部116による検査の結果に基づいて各ゲート120乃至125の動作を制御する。これにより、主制御部151は、搬送路115を搬送されている紙葉類16を所定の処理部に搬送するように制御する。
【0031】
検査部116の直後に配設されたゲート120は、搬送路115を排除搬送路126に分岐する。即ち、ゲート120は、検査部116による検査の結果、真券ではないと判定された排除券、または、検査部116による検査を行うことができない検査不能券等を排除搬送路126に搬送するように切り替えられる。
【0032】
排除搬送路126の終端部には、排除集積部(排除部)127が設けられている。排除集積部127は、取出部113にて取出した姿勢のまま、上記したような排除券、及び検査不能券を集積する。排除集積部127に集積された紙葉類16は、取出口139から取り出すことができる。
【0033】
また、ゲート121乃至124により分岐される先には、集積・結束部128乃至131(総じて集積結束部132と称する)がそれぞれ設けられている。集積・結束部132には、再流通可能であると判定された紙葉類16が種類及び表裏毎に区別されて集積される。集積・結束部132は、集積した紙葉類16を所定枚数毎に結束して格納する。
【0034】
ゲート125により分岐される先には、裁断部133が配設されている。裁断部133は、紙葉類16を裁断して収納する。ゲート125には、正規の紙葉類16であり、且つ、再流通が不可能であると判定された紙葉類16(損券)が搬送される。
【0035】
また、ゲート125により分岐される他方の搬送路の先には、スタッカ134が配設されている。主制御部151は、損券裁断モードが選択されている場合、紙葉類16を裁断部133に搬送するようにゲート125を制御する。また、主制御部151は、損券裁断モードが選択されていない場合、紙葉類16をスタッカ134に搬送するようにゲート125を制御する。
【0036】
なお、主制御部151は、集積・結束部132に集積された紙葉類16の枚数、及び、裁断部133により裁断された紙葉類16の枚数及び識別情報を逐次記憶する。
【0037】
図3は、図1及び図2に示された紙葉類処理装置100の制御系の構成例を示す。
【0038】
紙葉類処理装置100は、主制御部151、検査部116、搬送制御部152、集積・結束制御部153、裁断制御部156、操作表示部137、及びキーボード140などを備える。
【0039】
主制御部151は、紙葉類処理装置100の全体的な制御を司る。主制御部151は、操作表示部137により入力される操作、及び検査部116による検査結果に基づき、搬送制御部152及び集積・結束制御部153を制御する。
【0040】
例えば、紙葉類処理装置100を操作する操作員は、操作表示部137またはキーボード140により、処理する紙葉類16に対する各種の判定における閾値、紙葉類16の供給元の名称、及び処理方法などを入力する。
【0041】
検査部116は、画像読取装置117、及び118、厚み検査部119、光検出装置135、その他のセンサ類154、及びCPU155を備える。
【0042】
画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類16の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、例えばCCDなどの受光素子と光学系とを備える。画像読取装置117、及び118は、搬送される紙葉類16に対して光を投光し、反射光または透過光を光学系により受光する。画像読取装置117、及び118は、光学系により受光した光をCCDに結像させ、電気信号(画像)を取得する。
【0043】
主制御部151は、紙葉類16の基準となる画像(基準画像)を記憶部151aに予め記憶する。主制御部151は、紙葉類16から取得した画像と、記憶部151aに記憶される基準画像とを比較することにより、紙葉類16に対する各種の判定を行う。
【0044】
光検出装置135は、上記したように、搬送される紙葉類16に対して光を照射する。さらに光検出装置135は、搬送される紙葉類16から光を検出する。
【0045】
また、記憶部151aは、光検出装置135の検出結果と比較する閾値を予め記憶する。主制御部151は、光検出装置135の検出結果と記憶部151aに記憶されている閾値とに基づいて、紙葉類16に対する各種の判定を行う。
【0046】
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類16の厚みを検査する。その他のセンサ類154は、例えば、磁気センサなどである。磁気センサは、搬送路115を搬送される紙葉類16から磁気的な特徴情報を検出する。
【0047】
CPU155は、画像読取装置117、118、厚み検査部119、光検出装置135、及びその他のセンサ類154などの動作の制御を行う。また、CPU155は、主制御部151とデータの伝送を行う。すなわち、CPU155は、検査部116の各部における検知結果を主制御部151に伝送することができる。
【0048】
搬送制御部152は、主制御部151の制御に基づき、取出部113、搬送路115、排除搬送路126、及びゲート120乃至125を制御する。これにより、搬送制御部152は、紙葉類16の取り込み及び搬送を制御する。また、搬送制御部152は、判定した紙葉類16の種類毎に区分する区分処理(sorting)を行う。即ち、搬送制御部152は、区分処理部として機能する。
【0049】
例えば、搬送制御部152は、損券であると判定された紙葉類16を裁断部133、またはスタッカ134に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。また、搬送制御部152は、排除券であると判定された紙葉類16を排除集積部127に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。またさらに、搬送制御部152は、正券であると判定された紙葉類16を集積結束部132に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。
【0050】
集積・結束制御部153は、主制御部151の制御に基づき、排除集積部127及び集積・結束部128乃至131を制御する。これにより、集積・結束制御部153は、紙葉類16の集積、及び結束の制御を行なう。
【0051】
裁断制御部156は、主制御部151の制御に基づき、裁断部133の動作を制御する。これにより、裁断部133は、搬送される紙葉類16の裁断を行う。
【0052】
図4は、第1の実施形態に係る光検出装置135の構成例を示す。また、図5は、光検出装置135の一部を示す。また、図6は、図4に示されるX方向から光検出装置135を見た例を示す。
【0053】
光検出装置135は、例えば紙葉類処理装置100の搬送路115の近傍に設置される。図4に示すように、光検出装置135は、照明部(第1の照明部)1、照明部(第2の照明部)2、第1の検出部135a、第2の検出部135b、信号処理部13、及び画像処理部14を備える。なお、光検出装置135の近傍の搬送路115は、搬送ローラ15を備える。
【0054】
第1の検出部135aは、ミラー3、ミラー4、ミラー5、レンズ9、及びセンサ11を備える。また、第2の検出部135bは、ミラー6、ミラー7、ミラー8、レンズ10、及びセンサ12を備える。
【0055】
また、光検出装置135は、図示しない制御部を備える。制御部は、光検出装置135の各部の動作を統合的に制御する。制御部は、CPU、バッファメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備える。CPUは、種々の演算処理を行う。バッファメモリは、CPUにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。制御部は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。例えば、制御部は、照明部1及び2、並びに、センサ11及び12の動作のタイミングを制御する。
【0056】
なお、制御部は、図3に示す主制御部151と通信を行うことができる。制御部は、主制御部151から入力された制御信号に基づいて、照明部1及び2、並びに、センサ11及び12を動作させる信号を生成する。
【0057】
搬送ローラ15は、所定の回転速度で回転する。搬送ローラ15は、紙葉類16を挟持しつつ、紙葉類16を所定の方向に移動させる。紙葉類16は、搬送路115により図4に示す矢印aの方向に搬送される。即ち、紙葉類16は、図4の左側から右側に搬送される。なお、紙葉類16が搬送される搬送路上の面を搬送面Pとする。
【0058】
図6に示されるように、照明部(第1の照明部)1は、搬送路115により搬送される紙葉類16に対して角度αで光が入射するように設置される。即ち、照明部1は、紙葉類16が搬送される搬送面Pに対して垂直な線と角度αを成す線上に設置される。
【0059】
また、照明部(第2の照明部)2は、搬送路115により搬送される紙葉類16に対して角度γで光が入射するように設置される。即ち、照明部1は、紙葉類16が搬送される搬送面Pに対して垂直な線と角度γを成す線上に設置される。
【0060】
照明部1及び2は、例えば、赤外線(赤外光)、または可視光を出力する。照明部1及び2は、例えば、LED、蛍光灯、または他の光源などを備える。
【0061】
図4及び図6に示されるように、第1の検出部135a及び第2の検出部135bは、搬送面Pを挟んで互いに対向する位置に設けられる。なお、図5は、光検出装置135の第1の検出部135aを示す図である。本例では、第1の検出部135aが、照明部1及び2と同じ側に設けられる。
【0062】
第1の検出部135aのミラー3、ミラー4、及びミラー5は、光を反射する反射部材である。ミラー3、ミラー4、及びミラー5は、光を反射する鏡面をそれぞれ有する。
【0063】
レンズ9は、所定の走査範囲から光を受光する。レンズ9は、受光した光をセンサ11に結像させる。
【0064】
センサ11は、レンズ9により結像された光に基づいて、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、センサ11は、入射する光の光強度を検出値として検出する。センサ11は、例えば、CMOS、フォトダイオード、またはCCDなどの受光素子が線状に配列されたラインイメージセンサを備える。
【0065】
例えば、センサ11は、3色(3つの波長帯域)の光を検出する3ラインカラーセンサなどを備える。さらに、センサ11は、3色に加え、さらに赤外波長の光を検出する4ラインカラーセンサなどを備えていても良い。
【0066】
4ラインセンサは、例えば、4ラインのそれぞれの受光素子にフィルタがオンチップされることにより構成される。また、4ラインセンサは、4板プリズムにより4色に分光された光が4ラインの受光素子にそれぞれ入射するように構成されていてもよい。
【0067】
また、例えば、照明部1及び2が赤外光を照射する構成である場合、センサ11は、赤外光を除く帯域の光を遮断するフィルタ(波長制限媒体)をさらに有する。なお、センサ11は、所定の帯域の波長を感度領域とするセンサを備える構成であってもよい。
【0068】
また、他の例として、照明部1及び照明部2は、可視光から赤外までの波長の光を照射し、センサ11及びセンサ12が4ラインセンサにより可視光から赤外光までの光を一度に取得するようにしても良い。
【0069】
このようにすることにより、透過光及び反射光を可視画像として取得し、さらに透過光及び反射光を赤外画像として取得することができる。これにより、センサ11及びセンサ12は、明るさ情報、色味(カラー)、及び光沢を一度に取得することができる。
【0070】
図6に示されるように、ミラー3は、照明部1から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散反射光Aを反射する。即ち照明部1は、紙葉類16に光を照射することにより、拡散反射光Aを発生させる。なお、拡散反射光Aは、紙葉類16に角度αで入射し、角度βで反射した光である。即ち、拡散反射光Aは、正反射光を除く反射光である。なお、図5に示されるように、ミラー3は、搬送される紙葉類16上の第1の走査範囲内で反射した拡散反射光Aを反射させる。
【0071】
ミラー4は、ミラー3により反射された拡散反射光Aを反射し、レンズ9に入射させる。ミラー4により反射されてレンズ9に入射した拡散反射光Aは、レンズ9によりセンサ11に結像される。
【0072】
なお、センサ11は、第1の受光領域(エリア)aと第2の受光領域(エリア)bとを備える。エリアa及びエリアbは、センサ11が有する複数の受光素子のうちの所定範囲に配置されている受光素子の群を示す。ミラー4により反射されてレンズ9に入射した拡散反射光Aは、レンズ9によりセンサ11のエリアaに結像される。
【0073】
即ち、ミラー3及びミラー4は、紙葉類16の表面で反射角β(β≠α)で反射した拡散反射光Aが、レンズ9を介してセンサ11のエリアaに結像するように配置される。
【0074】
また、図6に示されるように、ミラー5は、照明部2から角度γで紙葉類16に照射された光の正反射光Bを反射する。即ち照明部2は、紙葉類16に光を照射することにより、正反射光Bを発生させる。なお、正反射光Bは、紙葉類16に角度γで入射し、角度γで反射した光である。なお、図5に示されるように、ミラー5は、搬送される紙葉類16上の第2の走査範囲内で反射した正反射光Bを反射させる。
【0075】
ミラー4は、ミラー5により反射された正反射光Bを反射し、レンズ9に入射させる。ミラー4により反射されてレンズ9に入射した正反射光Bは、レンズ9によりセンサ11のエリアbに結像される。
【0076】
即ち、ミラー4及びミラー5は、紙葉類16の表面で入射角と等しい角度で反射した正反射光Bが、レンズ9を介してセンサ11のエリアbに結像するように配置される。
【0077】
この構成により、第1の検出部135aは、紙葉類16により反射された拡散反射光A及び正反射光Bを、1対のレンズ9及びセンサ11により検出することができる。
【0078】
なお、レンズ9の焦点をあわせる為に、拡散反射光Aの光路長(ワークディスタンス)と、正反射光Bの光路長とが等しい事が好ましい。例えば、ミラー3乃至ミラー5は、角度γと角度βとが等しい場合、拡散反射光Aの光路長と、正反射光Bの光路長とが等しくなるように設置される。また、ミラー3及びミラー5は、紙葉類16の搬送面Pと平行な長軸を有する。これにより、ミラー3及びミラー5の反射面と、紙葉類16との距離を一定にすることができる。
【0079】
なお、ミラー4は、ミラー3により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー5により反射された反射光を反射する鏡面とを備える。しかし、ミラー4は、ミラー3により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー5により反射された反射光を反射する鏡面との両方を備えていなくてもよい。ミラー4は、ミラー3により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー5により反射された反射光を反射する鏡面とがそれぞれ個別に配置されて構成されていてもよい。また、ミラー3乃至5は、一体に形成されていてもよい。
【0080】
センサ11は、エリアa及びbに結像された光に応じて電気信号を生成する。なお、センサ11は、連続的にエリアa及びbに結像された光に応じて電気信号を生成することにより、二次元的な画像を生成する。これにより、第1の検出部135aは、1つの受光系で拡散反射光Aと正反射光Bとを検出することができる。
【0081】
第2の検出部135bのミラー6、ミラー7、及びミラー8は、光を反射する反射部材である。ミラー6、ミラー7、及びミラー8は、光を反射する鏡面をそれぞれ有する。
【0082】
レンズ10は、所定の走査範囲から光を受光する。レンズ10は、受光した光をセンサ12に結像させる。
【0083】
センサ12は、レンズ10により結像された光に基づいて、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、センサ12は、センサ11と同様の構成を備える。
【0084】
図6に示されるように、ミラー6は、照明部1から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散透過光Cを反射する。即ち照明部1は、紙葉類16に光を照射することにより、拡散透過光Cを発生させる。なお、拡散透過光Cは、紙葉類16に角度αで入射し、角度αとは異なる角度βで紙葉類16を透過した光である。なお、ミラー6は、搬送される紙葉類16上の所定の走査範囲を透過した拡散透過光Cを反射させる。
【0085】
ミラー7は、ミラー6により反射された拡散透過光Cを反射し、レンズ10に入射させる。ミラー7により反射されてレンズ10に入射した拡散透過光Cは、レンズ10によりセンサ12に結像される。
【0086】
なお、センサ12は、第3の受光領域(エリア)cと第4の受光領域(エリア)dとを備える。エリアc及びエリアdは、センサ12が有する複数の受光素子のうちの所定範囲に配置されている受光素子の群を示す。ミラー7により反射されてレンズ10に入射した拡散透過光Cは、レンズ10によりセンサ12のエリアcに結像される。
【0087】
即ち、ミラー6及びミラー7は、紙葉類16を入射角と異なる角度β(β≠α)で透過した拡散透過光Cが、レンズ10を介してセンサ12のエリアcに結像するように配置される。
【0088】
また、図6に示されるように、ミラー8は、照明部2から角度γで紙葉類16に照射された光の直接透過光Dを反射する。即ち照明部2は、紙葉類16に光を照射することにより、直接透過光Dを発生させる。なお、直接透過光Dは、紙葉類16に角度γで入射し、角度γで紙葉類16を透過した光である。なお、ミラー8は、搬送される紙葉類16上の所定の走査範囲を透過した直接透過光Dを反射させる。
【0089】
ミラー7は、ミラー8により反射された直接透過光Dを反射し、レンズ10に入射させる。ミラー7により反射されてレンズ10に入射した直接透過光Dは、レンズ10によりセンサ12のエリアdに結像される。
【0090】
即ち、ミラー7及びミラー8は、入射角と等しい角度で紙葉類16を透過した直接透過光Dが、レンズ10を介してセンサ12のエリアdに結像するように配置される。
【0091】
この構成により、第2の検出部135bは、紙葉類16を透過した拡散透過光C及び直接透過光Dを、1対のレンズ10及びセンサ12により検出することができる。
【0092】
なお、レンズ10の焦点をあわせる為に、拡散透過光Cの光路長(ワークディスタンス)と、直接透過光Dの光路長とが等しい事が好ましい。例えば、ミラー6乃至ミラー8は、角度γと角度βとが等しい場合、拡散透過光Cの光路長と、直接反射光Dの光路長とが等しくなるように設置される。また、ミラー6及びミラー8は、紙葉類16の搬送面Pと平行な長軸を有する。これにより、ミラー6及びミラー8の反射面と、紙葉類16との距離を一定にすることができる。
【0093】
なお、ミラー7は、ミラー6により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー8により反射された反射光を反射する鏡面とを備える。しかし、ミラー7は、ミラー6により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー8により反射された反射光を反射する鏡面との両方を備えていなくてもよい。ミラー7は、ミラー6により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー8により反射された反射光を反射する鏡面とがそれぞれ個別に配置されて構成されていてもよい。また、ミラー6乃至8は、一体に形成されていてもよい。
【0094】
センサ12は、エリアc及びdに結像された光に応じて電気信号を生成する。なお、センサ12は、連続的にエリアc及びdに結像された光に応じて電気信号を生成することにより、二次元的な画像を生成する。これにより、第2の検出部135bは、1つの受光系で拡散透過光Cと直接透過光Dとを検出することができる。
【0095】
信号処理部13は、センサ11及びセンサ12により生成された画像に対して信号処理を施す。例えば、信号処理部13は、信号の増幅などの処理を施す。画像処理部14は、信号処理部13により処理された画像に対して画像処理を施す。画像処理部14は、例えば、エッジの強調、明るさの調整などを行い、種々の判定に用いられる画像を生成することができる。
【0096】
なお、センサ11のエリアaに入射する光と、エリアbに入射する光とは、光強度が異なる。また、センサ12のエリアcに入射する光と、エリアdに入射する光とは、光強度が異なる。光検出装置135は、例えば、照明部1の発光強度と照明部2の発光強度とを個別に制御することにより、各エリアに入射する光の強度を同程度に調整することができる。具体的には、光検出装置135は、照明部1の発光強度を照明部2の発光強度より強くすることにより、各光の強度を近づける事ができる。
【0097】
また、センサ11及びセンサ12が、出力を分割することができる例えばTAP式のセンサなどを備える場合、センサ11及びセンサ12は、各エリア毎に出力を分割する。さらに、信号処理部13は、分割された出力毎にゲインを制御することにより、出力信号の強度を同程度に調整することができる。
【0098】
なお、図4乃至図6に示された例では、光検出装置135は、2つの照明部を備える。しかし、光検出装置135は、1つの照明部を備える構成であってもよい。この場合、照明部1は、図7に示されるように、第1の走査範囲に対して光が角度αで入射し、且つ、第2の走査範囲に対して光が角度γで入射するように設置される。この場合、照明部1は、拡散反射光Aが正反射光にならないように設置される。即ち、照明部1は、角度βとαとが等しくならないように設置される。
【0099】
画像処理部14は、拡散反射光Aから得られた信号により、紙葉類16の画像(拡散反射画像)を取得する。画像処理部14は、この画像から紙葉類の明るさや色味の特徴量を抽出する。明るさと色味は、例えば、マンセル表色系(L*a*b*表色系)における明るさL*、色味a*、b*もしくはc*である。また、画像処理部14は、拡散反射画像からテクスチャ特徴(拡散反射テクスチャ特徴)を抽出する。
【0100】
また、画像処理部14は、正反射光Bから得られた信号により、紙葉類16の表面の光沢の特徴量を抽出する。紙葉類16の表面状態が艶やかであれば、反射率が高くなり、表面状態が荒れていれば、反射率は低くなる。
【0101】
また、画像処理部14は、拡散透過光Cから得られた電気信号により、紙葉類16の画像(拡散透過画像)を取得する。画像処理部14は、この拡散透過画像からテクスチャ特徴(拡散透過テクスチャ特徴)を抽出する。
【0102】
またさらに、画像処理部14は、直接透過光Dから得られた信号により、紙葉類16の画像(直接透過画像)を取得する。画像処理部14は、この直接透過画像からテクスチャ特徴(直接透過テクスチャ特徴)を抽出する。
【0103】
例えば、画像処理部14は、可視領域の波長(R,G,B)の画像、または近赤外領域の波長(IR)の画像に基づいてテクスチャ特徴を抽出する。画像処理部14は、IR画像に基づいてテクスチャ特徴を抽出する場合、紙葉類16上の汚れ、または印刷等の影響を受けにくくすることができる。これにより、画像処理部14は、紙葉類16の本来の繊維構造の特徴をテクスチャ構造として抽出することができる。
【0104】
上記したように、画像処理部14は、拡散反射光A、正反射光B、拡散透過光C、及び直接透過光Dなどに基づいて、拡散反射テクスチャ特徴、拡散透過テクスチャ特徴、直接透過テクスチャ特徴、明るさ、色味、及び光沢などを抽出する。
【0105】
さらに、光検出装置135は、さらに判定部を備える構成であってもよい。判定部は、は、画像処理部14により抽出された特徴量の複数、またはすべてを用いて、多次元的にマッピングを行う。これにより、判定部は、紙葉類16の紙質の識別、及び同定(identify)を行う事ができる。
【0106】
例えば、光検出装置135が、18種類(category)の各10枚ずつのサンプルの紙葉類16に対し、マッピングを行う例について説明する。図8は、直接透過テクスチャ特徴(低解像度)、直接透過テクスチャ特徴(高解像度)、及び明るさの3種の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて多次元マッピングが行われた例を示す。
【0107】
図8の縦軸は、明るさの特徴量を示す。また、図8の横軸は、直接透過テクスチャ特徴(低解像度)を示す。また、図8の奥行きの軸は、直接透過テクスチャ特徴(高解像度)を示す。また、図8にマッピングされたマーカは、種類ごとに異なるカテゴリーを示す。
【0108】
図8に示されるように、光検出装置135は、上記の処理により抽出された特徴量に基づいてマッピングを行うことにより、カテゴリー毎にグループ化を行うことができる。例えば、光検出装置135は、マッピングの結果に対して線形判別関数、または非線形判別関数を用いることにより、各グループを分離することが出来る。これにより、光検出装置135は、紙葉類16を分類することができる。
【0109】
上記したように、本実施形態に係る光検出装置135は、二つの異なる特性を持つ光を一つの光学系にて受光することができる。これにより、装置をコンパクトにすることが出来る。さらに、光検出装置135は、複数の特性を持つ光から複数の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいてマッピングを行う。これにより、光検出装置135は、紙葉類16をカテゴリー毎に分類することができる。この結果、より低コスト且つ高速に紙葉類から複数種類の光を検出することができる光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
【0110】
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る光検出装置135は、拡散反射光Aと正反射光Bとを検出する第1の検出部135aと、拡散透過光Cと直接透過光Dとを検出する第2の検出部135bとを備えるとして説明したが、この構成に限定されない。各ミラーの配置によっては、1つの検出部で検出する光の組み合わせを変えることが出来る。
【0111】
図9乃至図13は、第2の実施形態に係る光検出装置135の構成例を示す。図9及び図10は、それぞれ光検出装置135の一部を示す。また、図11は、図9及び図10に示されるX方向から光検出装置135を見た例を示す。また、図12は、図9及び図10に示されるZ方向から光検出装置135を見た例を示す。また、図13は、図9及び図10に示されるY方向から光検出装置135を見た例を示す。
【0112】
なお、第1の実施形態と同様の構成には同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2の実施形態に係る光検出装置135は、各ミラー、各レンズ、及び各センサの配置が第1の実施形態と異なる。
【0113】
光検出装置135は、照明部(第1の照明部)1、照明部(第2の照明部)2、第3の検出部135c、第4の検出部135d、信号処理部13、及び画像処理部14を備える。なお、光検出装置135の近傍の搬送路115は、図示されない搬送ローラを備える。
【0114】
搬送ローラ15は、所定の回転速度で回転する。搬送ローラ15は、紙葉類16を挟持しつつ、紙葉類16を所定の方向に移動させる。紙葉類16は、搬送路115により図9及び図10により示される矢印aの方向に搬送される。なお、紙葉類16が搬送される搬送路上の面を搬送面Pとする。
【0115】
第3の検出部135cは、ミラー23、ミラー24、ミラー25、ミラー26、ミラー27、ミラー28、ミラー29、ミラー30、ミラー31、レンズ32、及びセンサ11を備える。また、第4の検出部135dは、ミラー43、ミラー44、ミラー45、ミラー46、ミラー47、ミラー48、ミラー49、ミラー50、ミラー51、レンズ52、及びセンサ12を備える。
【0116】
図11に示されるように、照明部(第1の照明部)1は、搬送路115により搬送される紙葉類16に対して角度αで光が入射するように設置される。即ち、照明部1は、紙葉類16が搬送される搬送面Pに対して垂直な線と角度αを成す線上に設置される。
【0117】
また、照明部(第2の照明部)2は、搬送路115により搬送される紙葉類16に対して角度γで光が入射するように設置される。即ち、照明部1は、紙葉類16が搬送される搬送面Pに対して垂直な線と角度γを成す線上に設置される。
【0118】
図11に示されるように、第3の検出部135c及び第4の検出部135dは、搬送路115の上流側と下流側とに設けられる。なお、第3の検出部135c及び第4の検出部135dのどちらが上流側に設けられていても良い。
【0119】
第3の検出部135cのミラー23乃至31は、光を反射する反射部材である。ミラー23乃至31は、光を反射する鏡面をそれぞれ有する。
【0120】
レンズ32は、所定の走査範囲から光を受光する。レンズ32は、受光した光をセンサ11に結像させる。
【0121】
センサ11は、レンズ32により結像された光に基づいて、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、センサ11は、入射する光の光強度を検出値として検出する。
【0122】
図11に示されるように、ミラー23は、照明部1から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散反射光Aを反射する。なお、拡散反射光Aは、紙葉類16に角度αで入射し、角度βで反射した光である。さらにミラー24乃至ミラー26は、ミラー23により反射された拡散反射光Aがミラー27に入射するように光を反射する。
【0123】
ミラー27は、ミラー23乃至ミラー26により反射された拡散反射光Aを反射し、レンズ32に入射させる。ミラー27により反射されてレンズ32に入射した拡散反射光Aは、レンズ32によりセンサ11に結像される。
【0124】
なお、センサ11は、エリアaとエリアbとを備える。ミラー27により反射されてレンズ32に入射した拡散反射光Aは、レンズ32によりセンサ11のエリアaに結像される。
【0125】
即ち、ミラー23乃至ミラー27は、紙葉類16の表面で反射角β(β≠α)で反射した拡散反射光Aが、レンズ32を介してセンサ11のエリアaに結像するように配置される。
【0126】
また、図11に示されるように、ミラー28は、照明部1から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散透過光Cを反射する。なお、拡散透過光Cは、紙葉類16に角度αで入射し、角度βで紙葉類16を透過した光である。さらに、ミラー29乃至ミラー31は、ミラー28により反射された拡散透過光Cがミラー27に入射するように光を反射する。
【0127】
ミラー27は、ミラー28乃至ミラー31により反射された拡散透過光Cを反射し、レンズ32に入射させる。ミラー27により反射されてレンズ32に入射した拡散透過光Cは、レンズ32によりセンサ11のエリアbに結像される。
【0128】
即ち、ミラー27乃至ミラー31は、紙葉類16を入射角αとは異なる角度βで透過した拡散透過光Cが、レンズ32を介してセンサ11のエリアbに結像するように配置される。
【0129】
この構成により、第3の検出部135cは、紙葉類16により反射された拡散反射光Aと、紙葉類16を透過した拡散透過光Cとを、1対のレンズ32及びセンサ11により検出することができる。
【0130】
なお、レンズ32の焦点をあわせる為に、拡散反射光Aの光路長(ワークディスタンス)と、拡散透過光Cの光路長とが等しい事が好ましい。ミラー23乃至ミラー31は、角度βで反射された拡散反射光Aの光路長と、角度βで透過した拡散透過光Cの光路長とが等しくなるように設置される。また、ミラー23及びミラー28は、紙葉類16の搬送面Pと平行な長軸を有する。これにより、ミラー23及びミラー28の反射面と、紙葉類16との距離を一定にすることができる。
【0131】
なお、ミラー27は、ミラー26により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー31により反射された反射光を反射する鏡面とを備える。しかし、ミラー27は、ミラー26により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー31により反射された反射光を反射する鏡面との両方を備えていなくてもよい。ミラー27は、ミラー26により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー31により反射された反射光を反射する鏡面とがそれぞれ個別に配置されて構成されていてもよい。
【0132】
第4の検出部135dのミラー43乃至51は、光を反射する反射部材である。ミラー43乃至51は、光を反射する鏡面をそれぞれ有する。
【0133】
レンズ52は、所定の走査範囲から光を受光する。レンズ52は、受光した光をセンサ12に結像させる。
【0134】
センサ12は、レンズ52により結像された光に基づいて、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、センサ12は、入射する光の光強度を検出値として検出する。
【0135】
図11に示されるように、ミラー43は、照明部2から角度γで紙葉類16に照射された光の正反射光Bを反射する。なお、正反射光Bは、紙葉類16に角度γで入射し、角度γで反射した光である。さらにミラー44乃至ミラー46は、ミラー43により反射された正反射光Bがミラー47に入射するように光を反射する。
【0136】
ミラー47は、ミラー43乃至ミラー46により反射された正反射光Bを反射し、レンズ52に入射させる。ミラー47により反射されてレンズ52に入射した正反射光Bは、レンズ52によりセンサ12に結像される。
【0137】
なお、センサ12は、エリアcとエリアdとを備える。ミラー47により反射されてレンズ52に入射した正反射光Bは、レンズ52によりセンサ12のエリアcに結像される。
【0138】
即ち、ミラー43乃至ミラー47は、紙葉類16の表面で入射角と等しい角度で反射した正反射光Bが、レンズ52を介してセンサ12のエリアcに結像するように配置される。
【0139】
また、図11に示されるように、ミラー48は、照明部2から角度γで紙葉類16に照射された光の直接透過光Dを反射する。なお、直接透過光Dは、紙葉類16に角度γで入射し、角度γで紙葉類16を透過した光である。さらに、ミラー49乃至ミラー51は、ミラー48により反射された直接透過光Dがミラー47に入射するように光を反射する。
【0140】
ミラー47は、ミラー48乃至ミラー51により反射された直接透過光Dを反射し、レンズ52に入射させる。ミラー47により反射されてレンズ52に入射した直接透過光Dは、レンズ52によりセンサ12のエリアdに結像される。
【0141】
即ち、ミラー47及びミラー51は、入射角と等しい角度で紙葉類16を透過した直接透過光Dが、レンズ52を介してセンサ12のエリアdに結像するように配置される。
【0142】
この構成により、第4の検出部135dは、紙葉類16により反射された正反射光Bと、紙葉類16を透過した直接透過光Dとを、1対のレンズ52及びセンサ12により検出することができる。
【0143】
なお、レンズ52の焦点をあわせる為に、正反射光Bの光路長(ワークディスタンス)と、直接透過光Dの光路長とが等しい事が好ましい。ミラー43乃至ミラー51は、角度γで反射された正反射光Bの光路長と、角度γで透過した直接透過光Dの光路長とが等しくなるように設置される。また、ミラー43及びミラー48は、紙葉類16の搬送面Pと平行な長軸を有する。これにより、ミラー43及びミラー48の反射面と、紙葉類16との距離を一定にすることができる。
【0144】
なお、ミラー47は、ミラー46により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー51により反射された反射光を反射する鏡面とを備える。しかし、ミラー47は、ミラー46により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー51により反射された反射光を反射する鏡面との両方を備えていなくてもよい。ミラー47は、ミラー46により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー51により反射された反射光を反射する鏡面とがそれぞれ個別に配置されて構成されていてもよい。
【0145】
上記したように、本実施形態に係る光検出装置135は、二つの異なる特性を持つ光を一つの光学系にて受光することができる。これにより、装置をコンパクトにすることが出来る。この結果、より低コスト且つ高速に紙葉類から複数種類の光を検出することができる光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
【0146】
なお、図9乃至図13に示された例では、光検出装置135は、2つの照明部を備える。しかし、光検出装置135は、1つの照明部を備える構成であってもよい。この場合、照明部1は、図14に示されるように、第1の走査範囲に対して光が角度αで入射し、且つ、第2の走査範囲に対して光が角度γで入射するように設置される。この場合、照明部1は、拡散反射光Aが正反射光にならないように設置される。即ち、照明部1は、角度βとαとが等しくならないように設置される。
【0147】
また、図9乃至図13に示された例では、光検出装置135の第3の検出部135bが拡散反射光Aと拡散透過光Cとを検出し、第4の検出部135dが正反射光Bと直接透過光Dとを検出する構成として説明したがこの構成に限定されない。1つの検出部が、拡散反射光Aと直接透過光Dとを検出し、もう一つの検出部が正反射光Bと拡散透過光Cとを検出する構成であってもよい。この場合、1つの検出部に拡散反射光Aと直接透過光Dとを入射させるように複数のミラーが設置される。また、他方の検出部に正反射光Bと拡散透過光Cとを入射させるように複数のミラーが設置される。
【0148】
即ち、光検出装置135の1つの検出部は、拡散反射光A、正反射光B、拡散透過光C、及び直接透過光Dのうちの2つを検出することができるように配置される複数のミラー(反射部材)を備える。
【0149】
(第3の実施形態)
なお、第1の実施形態では、光検出装置135は、第1の走査範囲から出力される拡散反射光Aと第2の走査範囲から出力される正反射光Bとを1つの光学系で受光し、第1の走査範囲から出力される拡散透過光Cと第2の走査範囲から出力される直接透過光Dとを他の1つの光学系で受光する。これにより、光検出装置135は、二つの異なる特性を持つ光を1つの光学系で受光することができる。光検出装置135は、得られた光を基に複数の特徴量を抽出し、複数の特徴量を用いて媒体の同定を行う。
【0150】
しかし、光検出装置135は、異なる位置からの拡散反射光Aと正反射光Bとを1つの字光学系で受光する。即ち、光検出装置135は、同じ位置の拡散反射光A及び正反射光Bに対応する特徴量を取得する為に、時間的に異なるタイミングで受光した拡散反射光A及び正反射光Bに基づいて特徴量を抽出する必要がある。このように、同じ位置から同時に発せられた拡散反射光A及び正反射光Bを受光することができない為、搬送状態の変動によっては得たい情報が正確に取得できない可能性がある。
【0151】
そこで、図15及び図16により示されるようにミラー、レンズ、及びセンサを配置することにより、光検出装置135は、同じ位置から同時に発せられた拡散反射光Aと正反射光Bとを同時に取得することができる。
【0152】
図15及び図16は、第3の実施形態に係る光検出装置135の構成例を示す。図15は、光検出装置135の構成例を示す。また、図16は、図15により示されたX方向から光検出装置135を見た例を示す。
【0153】
光検出装置135は、照明部61、第5の検出部135e、第6の検出部135f、信号処理部13、及び画像処理部14を備える。
【0154】
第5の検出部135eは、ミラー63、ミラー64、ミラー65、レンズ69、及びセンサ71を備える。また、第6の検出部135fは、ミラー66、ミラー67、ミラー68、レンズ70、及びセンサ72を備える。
【0155】
また、光検出装置135は、図示しない制御部を備える。制御部は、光検出装置135の各部の動作を統合的に制御する。制御部は、CPU、バッファメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備える。CPUは、種々の演算処理を行う。バッファメモリは、CPUにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。制御部は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。例えば、制御部は、照明部61、並びに、センサ71及び72の動作のタイミングを制御する。
【0156】
なお、制御部は、図3に示す主制御部151と通信を行うことができる。制御部は、主制御部151から入力された制御信号に基づいて、照明部61、並びに、センサ71及び72を動作させる信号を生成する。
【0157】
図16に示されるように、照明部61は、紙葉類16に対して角度αで光が入射するように設置される。即ち、照明部61は、紙葉類16の表面に対して垂直な線と角度αを成す線上に設置される。
【0158】
照明部61は、例えば、赤外線(赤外光)、または可視光を出力する。照明部61は、例えば、LED、蛍光灯、または他の光源などを備える。
【0159】
図15及び図16に示されるように、第5の検出部135e及び第6の検出部135fは、搬送面Pを挟んで互いに対向する位置に設けられる。なお、図5は、光検出装置135の第5の検出部135eを示す図である。本例では、第5の検出部135eが、照明部61と同じ側に設けられる。
【0160】
第5の検出部135eのミラー63、ミラー64、及びミラー65は、光を反射する反射部材である。ミラー63、ミラー64、及びミラー65は、光を反射する鏡面をそれぞれ有する。
【0161】
レンズ69は、所定の走査範囲から光を受光する。レンズ69は、受光した光をセンサ71に結像させる。
【0162】
センサ71は、レンズ69により結像された光に基づいて、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、センサ71は、入射する光の光強度を検出値として検出する。センサ71は、例えば、CMOS、フォトダイオード、またはCCDなどの受光素子がマトリクス状に配列されたエリアイメージセンサを備える。
【0163】
例えば、センサ71は、3色(3つの波長帯域)の光を検出するエリアイメージセンサなどを備える。即ち、センサ71は、可視領域の波長(R,G,B)の各色毎のエリアイメージセンサを備える。さらに、センサ71は、可視領域の波長(R,G,B)の3色に対応するエリアイメージセンサに加え、さらに赤外波長(IR)の光を検出するエリアイメージセンサなどを備えていても良い。
【0164】
また、例えば、照明部61が赤外光を照射する構成である場合、センサ71は、赤外光以外の帯域の光を遮断するフィルタ(波長制限媒体)をさらに有する。なお、センサ71は、所定の帯域(赤外光)の波長を感度領域とするセンサを備える構成であってもよい。
【0165】
また、他の例として、照明部61は、可視光から赤外までの波長の光を照射し、センサ71及びセンサ72が可視領域の波長及び赤外波長に対応するエリアイメージセンサにより可視光から赤外光までの光を一度に取得するようにしても良い。
【0166】
このようにすることにより、透過光及び反射光を可視画像として取得し、さらに透過光及び反射光を赤外画像として取得することができる。これにより、センサ71及びセンサ72は、明るさ情報、色味(カラー)、及び光沢を一度に取得することができる。
【0167】
図16に示されるように、ミラー63は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散反射光Aを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、拡散反射光Aを発生させる。即ち、紙葉類16に光が照射された場合、球状に拡散反射光Aが生じる。なお、図15に示されるように、ミラー63は、紙葉類16上の第3の走査範囲内で反射した拡散反射光Aを反射させる。なお、第3の走査範囲の中心を中心点Mとする。
【0168】
ミラー64は、ミラー63により反射された拡散反射光Aを反射し、レンズ69に入射させる。ミラー64により反射されてレンズ69に入射した拡散反射光Aは、レンズ69によりセンサ71に結像される。
【0169】
なお、センサ71は、第1の受光領域(エリア)aと第2の受光領域(エリア)bとを備える。センサ71のエリアa及びエリアbは、センサ71が有する複数の受光素子のうちの所定範囲に配置されている受光素子の群を示す。ミラー64により反射されてレンズ69に入射した拡散反射光Aは、レンズ69によりセンサ71のエリアaに結像される。
【0170】
また、図16に示されるように、ミラー65は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の正反射光Bを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、正反射光Bを発生させる。なお、正反射光Bは、紙葉類16に角度αで入射し、角度αで反射した光である。なお、図15に示されるように、ミラー65は、搬送される紙葉類16上の第3の走査範囲内で反射した正反射光Bを反射させる。
【0171】
ミラー64は、ミラー65により反射された正反射光Bを反射し、レンズ69に入射させる。ミラー64により反射されてレンズ69に入射した正反射光Bは、レンズ69によりセンサ71のエリアbに結像される。
【0172】
即ち、ミラー64及びミラー65は、紙葉類16の表面で入射角と等しい角度で反射した正反射光Bが、レンズ69を介してセンサ71のエリアbに結像するように配置される。
【0173】
なお、紙葉類16の表面で正反射する正反射光Bは、図17及び図18に示すように角度ωの広がりを有している。また、第5の検出部135eは、紙葉類16の鉛直方向に対して角度θで傾いている。即ち、第5の検出部135eは、第5の検出部135eのセンサ71の中心点と紙葉類16上の第3の走査範囲の中心点Mとを結ぶ直線(第5の検出部135eの光学系の軸)と、紙葉類16の表面に対して垂直な線とが角度θを成すように設置される。なお、第5の検出部135eのセンサ71の中心点は、例えば、センサ71のエリアaの中心と、エリアbの中心との中点を示す。
【0174】
また、拡散反射光Aの光軸と第5の検出部135eの光学系の軸とが角度φを成すようにミラー63及びミラー64が設置される。また、正反射光Bの光軸と、第5の検出部135eの光学系の軸とが角度φを成すようにミラー64及びミラー65が設置される。即ち、正反射光Bの光軸が第5の検出部135eの光学系の軸に対して拡散反射光Aと対称になるようにミラー63乃至65が設置される。
【0175】
なお、第5の検出部135eの光学系の軸の傾き角θは、照明部1からの光の入射角をαと、紙葉類16の表面で正反射する正反射光Bの広がり角をωとした場合、0<θ<α−ω/4の範囲内で設定される。
【0176】
また、第5の検出部135eの光学系の軸に対する拡散反射光Aの傾き角φは、ω/4 <φ<αの範囲内で設定される。なお、第5の検出部135eの光学系の軸に対する正反射光Bの傾き角φも同様である。
【0177】
なお、正反射光Bの広がり角ωは、一例として、フォング(Phong)の反射モデルにより決定される。フォングの反射モデルによると、入射光の強さをIiとし、正反射方向と視点との角をω/2とし、鏡面反射定数をkとし、材質の輝度定数をnとした場合、鏡面反射の強さIは、I=Ii×k×cos(ω/2)により表される。
【0178】
従って、正反射光Bの広がり角ωは、入射光Iiの強さと正反射光Bの強さIとの比により決定される。例えば、正反射光Bの広がり角ωは、ω=2cos−1{[I/(Ii×k)]1/n}により表される。
【0179】
この構成により、第5の検出部135eは、紙葉類16により反射された拡散反射光A及び正反射光Bを、1対のレンズ69及びセンサ71により検出することができる。
【0180】
なお、レンズ69の焦点をあわせる為に、拡散反射光Aの光路長(ワークディスタンス)と、正反射光Bの光路長とが等しい事が好ましい。上記したように、ミラー63乃至ミラー65は、第5の検出部135eの光軸と拡散反射光Aの光軸とが角度φを成し、且つ、第5の検出部135eの光軸と正反射光Bの光軸とが角度φを成すように設置される。この場合、紙葉類16上の第3の走査範囲の中心点Mと、センサ71の受光素子との距離(光路長)が拡散反射光Aと正反射光Bとで等しくなる。
【0181】
この結果、第5の検出部135eは、ひとつのレンズ69にて二つの異なる特性の光をセンサ71に結像することができる。センサ71に入射した光は、電気信号に変換され信号処理部13に送られ、画像処理部14に送られる。
【0182】
なお、ミラー64は、ミラー63により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー65により反射された反射光を反射する鏡面とを備える。しかし、ミラー64は、ミラー63により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー65により反射された反射光を反射する鏡面との両方を備えていなくてもよい。ミラー64は、ミラー63により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー65により反射された反射光を反射する鏡面とがそれぞれ個別に配置されて構成されていてもよい。また、ミラー63乃至65は、一体に形成されていてもよい。
【0183】
センサ71は、エリアa及びbに結像された光に応じて電気信号を生成する。なお、上記したように、センサ71は、光を電気信号に変換する受光素子がマトリクス状に形成された構成を備える。即ち、センサ71は、エリアa及びbに結像された光に応じて二次元的な画像を生成することができる。これにより、第5の検出部135eは、紙葉類16により同時に反射された拡散反射光Aと正反射光Bとを1つの受光系で検出することができる。
【0184】
第6の検出部135fのミラー66、ミラー67、及びミラー68は、光を反射する反射部材である。ミラー66、ミラー67、及びミラー68は、光を反射する鏡面をそれぞれ有する。
【0185】
レンズ70は、所定の走査範囲から光を受光する。レンズ70は、受光した光をセンサ72に結像させる。
【0186】
センサ72は、レンズ70により結像された光に基づいて、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、センサ72は、センサ71と同様の構成を備える。
【0187】
図16に示されるように、ミラー68は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の直接透過光Dを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、直接透過光Dを発生させる。なお、直接透過光Dは、紙葉類16に角度αで入射し、角度αで紙葉類16を透過した光である。即ち、直接透過光Dは、照明部61と、紙葉類16上の光が入射する位置とを結ぶ直線上で検出される光である。ミラー68は、搬送される紙葉類16上の所定の走査範囲を透過した直接透過光Dを反射させる。
【0188】
なお、センサ72は、第3の受光領域(エリア)cと第4の受光領域(エリア)dとを備える。センサ72のエリアc及びエリアdは、センサ72が有する複数の受光素子のうちの所定範囲に配置されている受光素子の群を示す。ミラー67は、ミラー68により反射された直接透過光Dを反射し、レンズ70に入射させる。ミラー67により反射されてレンズ70に入射した直接透過光Dは、レンズ70によりセンサ72のエリアdに結像される。
【0189】
即ち、ミラー67及びミラー68は、入射角と等しい角度(透過角)αで紙葉類16を透過した直接透過光Dが、レンズ70を介してセンサ72のエリアdに結像するように配置される。
【0190】
なお、紙葉類16の表面に対して垂直な線は、第6の検出部135fのセンサ72の中心点と紙葉類16上の第3の走査範囲の中心点Mとを結ぶ直線に等しい。即ち、第6の検出部135fのセンサ72は、紙葉類16の表面に対して垂直な線上に設けられる。なお、第6の検出部135fのセンサ72の中心点は、例えば、センサ72のエリアcの中心と、エリアdの中心との中点を示す。
【0191】
また、図16に示されるように、ミラー66は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散透過光Cを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、拡散透過光Cを発生させる。即ち、紙葉類16に光が照射された場合、照明部61と反対側に球状に拡散透過光Cが生じる。なお、拡散透過光Cは、紙葉類16に角度αで入射し、直接透過光Dとは異なる角度αで紙葉類16を透過した光である。即ち、拡散反射光Cの光軸が紙葉類16の表面に対して垂直な線に対して直接透過光Dと対称になるようにミラー66乃至68が設置される。なお、ミラー66は、搬送される紙葉類16上の所定の走査範囲を透過した拡散透過光Cを反射させる。
【0192】
ミラー67は、ミラー66により反射された拡散透過光Cを反射し、レンズ70に入射させる。ミラー67により反射されてレンズ70に入射した拡散透過光Cは、レンズ70によりセンサ72に結像される。
【0193】
ミラー67により反射されてレンズ70に入射した拡散透過光Cは、レンズ70によりセンサ72のエリアcに結像される。
【0194】
センサ72は、エリアc及びdに結像された光に応じて電気信号を生成する。なお、センサ72は、光を電気信号に変換する受光素子がマトリクス状に形成された構成を備える。即ち、センサ72は、エリアc及びdに結像された光に応じて二次元的な画像を生成することができる。この構成により、第6の検出部135fは、紙葉類16を同時に透過した拡散透過光C及び直接透過光Dを、1対のレンズ70及びセンサ72により検出することができる。
【0195】
なお、レンズ70の焦点をあわせる為に、拡散透過光Cの光路長(ワークディスタンス)と、直接透過光Dの光路長とが等しい事が好ましい。上記したように、ミラー66乃至ミラー68は、第6の検出部135fの光軸と拡散透過光Cの光軸とが角度αを成し、且つ、第6の検出部135fの光軸と直接透過光Dの光軸とが角度αを成すように設置される。この場合、紙葉類16上の第3の走査範囲の中心点Mと、センサ72の受光素子との距離(光路長)が拡散透過光Cと直接透過光Dとで等しくなる。
【0196】
なお、ミラー67は、ミラー66により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー68により反射された反射光を反射する鏡面とを備える。しかし、ミラー67は、ミラー66により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー68により反射された反射光を反射する鏡面との両方を備えていなくてもよい。ミラー67は、ミラー66により反射された反射光を反射する鏡面と、ミラー68により反射された反射光を反射する鏡面とがそれぞれ個別に配置されて構成されていてもよい。また、ミラー66乃至68は、一体に形成されていてもよい。
【0197】
信号処理部13は、センサ71及びセンサ72により生成された画像に対して信号処理を施す。例えば、信号処理部13は、信号の増幅などの処理を施す。画像処理部14は、信号処理部13により処理された画像に対して画像処理を施す。画像処理部14は、例えば、エッジの強調、明るさの調整などを行い、種々の判定に用いられる画像を生成することができる。
【0198】
なお、センサ71のエリアaに入射する光と、エリアbに入射する光とは、光強度が異なる。また、センサ72のエリアcに入射する光と、エリアdに入射する光とは、光強度が異なる。センサ71及びセンサ72が、出力を分割することができる例えばTAP式のセンサなどを備える場合、センサ71及びセンサ72は、各エリア毎に出力を分割する。さらに、信号処理部13は、分割された出力毎にゲインを制御することにより、出力信号の強度を同程度に調整することができる。
【0199】
上記した処理により、光検出装置135は、種々の特徴量を抽出する。光検出装置135は、画像処理部14により抽出された特徴量の複数、またはすべてを用いて、多次元的にマッピングを行う。これにより、判定部は、紙葉類16の紙質の識別、及び同定(identify)を行う事ができる。例えば、光検出装置135は、18種類(category)の各10枚ずつのサンプルの紙葉類16に対し、マッピングを行う。このマッピング処理により、光検出装置135は、第1の実施形態と同様に、図8に示すような処理結果を取得することができる。光検出装置135は、マッピングの結果に対して線形判別関数、または非線形判別関数を用いることにより、各グループを分離することが出来る。これにより、光検出装置135は、紙葉類16を分類することができる。
【0200】
上記したように、本実施形態に係る光検出装置135は、ある点から同時に出力された二つの異なる特性を持つ光を一つの光学系にて受光することができる。これにより、さらに装置をコンパクトにすることが出来る。
【0201】
また、光検出装置135は、同じ位置から同時に発せられた拡散反射光Aと正反射光Bとを1つの光学系で同時に取得することができる。またさらに、光検出装置135は、同じ位置から同時に発せられた拡散透過光Cと直接透過光Dとを1つの光学系で同時に取得することができる。これにより、光検出装置135は、同じ位置から同時に発せられた拡散反射光A及び正反射光Bに基づいて特徴量を算出する為、搬送状態に因らず安定して特徴量を算出することができる。
【0202】
この結果、より安定して紙葉類から複数種類の光を検出することができる光検出装置、及び光検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
【0203】
なお、上記の第3の実施形態では、センサ71及びセンサ72は、エリアイメージセンサであるとして説明したが、この構成に限定されない。光検出装置135は、ラインイメージセンサにより紙葉類16から光を検出する構成であってもよい。
【0204】
図19は、第3の実施形態に係る光検出装置135の他の構成例を示す。第5の検出部135eがラインイメージセンサとしてのセンサ11を備え、第6の検出部135fがラインイメージセンサとしてのセンサ12を備える点が異なる。なお、センサ11及びセンサ12は、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明したセンサ11及びセンサ12と同様の構成である為、詳細な説明を省略する。なお、照明部61と各ミラー63乃至68と、紙葉類16との配置の関係は、図16に示された配置と同様である為、図16を参照し説明する。
【0205】
光検出装置135は、例えば紙葉類処理装置100の搬送路115の近傍に設置される。図19に示すように、光検出装置135は、照明部61、第5の検出部135e、第6の検出部135f、信号処理部13、及び画像処理部14を備える。なお、光検出装置135の近傍の搬送路115は、搬送ローラ15を備える。
【0206】
第5の検出部135eは、ミラー63、ミラー64、ミラー65、レンズ69、及びセンサ11を備える。
【0207】
ミラー63は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散反射光Aを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、拡散反射光Aを発生させる。即ち、紙葉類16に光が照射された場合、球状に拡散反射光Aが生じる。なお、図19に示されるように、ミラー63は、紙葉類16上のライン状の第4の走査範囲内で反射した拡散反射光Aを反射させる。
【0208】
ミラー64は、ミラー63により反射された拡散反射光Aを反射し、レンズ69に入射させる。ミラー64により反射されてレンズ69に入射した拡散反射光Aは、レンズ69によりセンサ11に結像される。
【0209】
なお、上記したように、センサ11は、第1の受光領域(エリア)aと第2の受光領域(エリア)bとを備える。センサ11のエリアa及びエリアbは、センサ11が有する複数の受光素子のうちの所定範囲に配置されている受光素子の群を示す。ミラー64により反射されてレンズ69に入射した拡散反射光Aは、レンズ69によりセンサ11のエリアaに結像される。
【0210】
また、ミラー65は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の正反射光Bを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、正反射光Bを発生させる。なお、正反射光Bは、紙葉類16に角度αで入射し、角度αで反射した光である。なお、図19に示されるように、ミラー65は、搬送される紙葉類16上の第4の走査範囲内で反射した正反射光Bを反射させる。
【0211】
ミラー64は、ミラー65により反射された正反射光Bを反射し、レンズ69に入射させる。ミラー64により反射されてレンズ69に入射した正反射光Bは、レンズ69によりセンサ11のエリアbに結像される。
【0212】
即ち、ミラー64及びミラー65は、紙葉類16の表面で入射角と等しい角度で反射した正反射光Bが、レンズ69を介してセンサ11のエリアbに結像するように配置される。
【0213】
センサ11は、エリアa及びbに結像された光に応じて電気信号を生成する。なお、上記したように、センサ11は、連続的にエリアa及びbに結像された光に応じて電気信号を生成することにより、二次元的な画像を生成することができる。これにより、第5の検出部135eは、紙葉類16により同時に反射された拡散反射光Aと正反射光Bとを1つの受光系で検出することができる。
【0214】
また、第6の検出部135fは、ミラー66、ミラー67、ミラー68、レンズ70、及びセンサ12を備える。
【0215】
ミラー68は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の直接透過光Dを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、直接透過光Dを発生させる。なお、直接透過光Dは、紙葉類16に角度αで入射し、角度αで紙葉類16を透過した光である。即ち、直接透過光Dは、照明部61と、紙葉類16上の光が入射する位置とを結ぶ直線上で検出される光である。ミラー68は、搬送される紙葉類16上の所定の走査範囲を透過した直接透過光Dを反射させる。
【0216】
なお、センサ12は、第3の受光領域(エリア)cと第4の受光領域(エリア)dとを備える。センサ12のエリアc及びエリアdは、センサ12が有する複数の受光素子のうちの所定範囲に配置されている受光素子の群を示す。ミラー67は、ミラー68により反射された直接透過光Dを反射し、レンズ70に入射させる。ミラー67により反射されてレンズ70に入射した直接透過光Dは、レンズ70によりセンサ12のエリアdに結像される。
【0217】
即ち、ミラー67及びミラー68は、入射角と等しい角度(透過角)αで紙葉類16を透過した直接透過光Dが、レンズ70を介してセンサ12のエリアdに結像するように配置される。 なお、紙葉類16の表面に対して垂直な線は、第6の検出部135fのセンサ12の中心点と紙葉類16上の第3の走査範囲の中心点Mとを結ぶ直線に等しい。即ち、第6の検出部135fのセンサ12は、紙葉類16の表面に対して垂直な線上に設けられる。なお、第6の検出部135fのセンサ12の中心点は、例えば、センサ12のエリアcの中心と、エリアdの中心との中点を示す。
【0218】
また、ミラー66は、照明部61から角度αで紙葉類16に照射された光の拡散透過光Cを反射する。即ち照明部61は、紙葉類16に光を照射することにより、拡散透過光Cを発生させる。即ち、紙葉類16に光が照射された場合、照明部61と反対側に球状に拡散透過光Cが生じる。なお、拡散透過光Cは、紙葉類16に角度αで入射し、直接透過光Dとは異なる角度αで紙葉類16を透過した光である。即ち、拡散反射光Cの光軸が紙葉類16の表面に対して垂直な線に対して直接透過光Dと対称になるようにミラー66乃至68が設置される。なお、ミラー66は、搬送される紙葉類16上の所定の走査範囲を透過した拡散透過光Cを反射させる。
【0219】
ミラー67は、ミラー66により反射された拡散透過光Cを反射し、レンズ70に入射させる。ミラー67により反射されてレンズ70に入射した拡散透過光Cは、レンズ70によりセンサ12に結像される。
【0220】
ミラー67により反射されてレンズ70に入射した拡散透過光Cは、レンズ70によりセンサ12のエリアcに結像される。
【0221】
センサ12は、エリアc及びdに結像された光に応じて電気信号を生成する。なお、センサ12は、連続的にエリアc及びdに結像された光に応じて電気信号を生成することにより、二次元的な画像を生成することができる。この構成により、第6の検出部135fは、紙葉類16を同時に透過した拡散透過光C及び直接透過光Dを、1対のレンズ70及びセンサ12により検出することができる。
【0222】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0223】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0224】
また、上記実施形態では、搬送される紙葉類から光学的特徴を抽出する例を示したが、光検出装置135が、固定された紙葉類から光学的特徴を抽出することができることはもちろんである。
【符号の説明】
【0225】
1…照明部、2…照明部、3乃至8…ミラー、9…レンズ、10…レンズ、11…センサ、12…センサ、13…信号処理部、14…画像処理部、15…搬送ローラ、16…紙葉類、23乃至31…ミラー、32…レンズ、43乃至51…ミラー、52…レンズ、61…照明部、62…照明部、63乃至68…ミラー、69…レンズ、70…レンズ、71…センサ、72…センサ、100…紙葉類処理装置、112…投入部、113…取出部、114…吸着ローラ、115…搬送路、116…検査部、117…画像読取装置、118…画像読取装置、119…厚み検査部、132…集積結束部、133…裁断部、134…スタッカ、135…光検出装置、151…主制御部、151a…記憶部、152…搬送制御部、153…集積・結束制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類に対して光を照射する照明部と、
光を検出し、信号を生成するセンサと、
前記紙葉類からの光を前記センサに結像させるレンズと、
前記照明部から発せられて前記紙葉類を照明した光の拡散反射光、正反射光、拡散透過光、及び直接透過光のうちの2つを前記レンズにより前記センサの異なる領域に結像させるように配置された反射部材と、
を具備する光検出装置。
【請求項2】
前記照明部は、搬送される紙葉類に対して光を照射し、
前記センサは、結像された光に応じて連続的に電気信号を生成する、
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記センサは、入射する光を検出する第1の受光領域と、入射する光を検出する第2の受光領域と、を具備し、
前記反射部材は、前記拡散反射光、前記正反射光、前記拡散透過光、及び前記直接透過光のうちの1つを前記レンズにより前記センサの前記第1の受光領域に結像させ、他の1つを前記レンズにより前記センサの前記第2の受光領域に結像させる、
請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記照明部は、
前記紙葉類に対して光を照射し、前記拡散反射光と前記拡散透過光とを発生させる第1の光源と、
前記紙葉類に対して光を照射し、前記正反射光と前記直接透過光とを発生させる第2の光源と、
を具備する請求項3に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記照明部は、前記第1の光源の発光強度と、前記第2の光源の発光強度とを個別に制御する、請求項4に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記第1の光源及び前記第2の光源は、可視領域または、近赤外領域の波長特性の光を前記紙葉類に対して照射する、請求項4に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記センサは、3波長の光を検出する3ラインカラーセンサ、または、3波長の光と赤外波長の光を検出する4ラインカラーセンサを備える請求項3に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記照明部は、紙葉類に対して光を照射する単一の光源を具備し、
前記センサは、結像された光に応じて二次元的な画像を生成するエリアイメージセンサを具備する、
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記照明部の前記光源は、前記紙葉類に対して光を照射し、前記拡散反射光と前記正反射光とを発生させ、
前記センサは、光を検出する第1の受光領域と、光を検出する第2の受光領域と、を具備し、
前記反射部材は、前記拡散反射光を前記レンズにより前記第1の受光領域に結像させ、前記正反射光を前記レンズにより前記第2の受光領域に結像させる、
請求項8に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記センサの前記第1の受光領域により検出された信号と、前記第2の受光領域により検出された信号と、に対して個別に信号処理を行う信号処理部をさらに具備する請求項3または9に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記センサにより前記拡散反射光から検出された電気信号に基づいて明度、色味、及びテクスチャ特徴を抽出し、前記センサにより前記正反射光から検出された電気信号に基づいて光沢度を抽出し、前記センサにより前記拡散透過光から検出された電気信号に基づいてテクスチャ特徴を抽出し、前記センサにより前記直接透過光から検出された電気信号に基づいてテクスチャ特徴を抽出する画像処理部と、
前記画像処理部により抽出された明度、色味、光沢度、及びテクスチャ特徴のうちの1つ以上に基づいて前記紙葉類を同定する判定部と、
をさらに具備する請求項3または9に記載の光検出装置。
【請求項12】
紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された前記紙葉類に対して光を照射する照明部と、
光を検出し、信号を生成するセンサと、
前記紙葉類からの光を前記センサに結像させるレンズと、
前記照明部から発せられて前記紙葉類を照明した光の拡散反射光、正反射光、拡散透過光、及び直接透過光のうちの2つを前記レンズにより前記センサの異なる領域に結像させるように配置された反射部材と、
前記センサにより検出された信号に基づいて、前記紙葉類を同定する判定部と、
前記判定部の結果に基づいて、前記紙葉類を区分する区分処理部と、
を具備する紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−198188(P2012−198188A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183897(P2011−183897)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】