説明

光検出装置及び光記録再生装置

【目的】複数の分割受光器の受光部間の接続を自由に切り換え、所望の組合せの受光信号を得ることが可能で、簡便で低消費電力の光検出装置(OEIC)及び光記録再生装置を提供する。
【解決手段】主受光器及び第1、第2の副受光器の複数の受光部の出力信号線間の電気的接続モードを指定する接続モード指定信号を受信する受信部と、上記接続モード指定信号に基づいて、主受光器及び第1、第2の副受光器の出力信号線間の接続切替えをなすスイッチング回路と、を有し、上記スイッチング回路は、第1の接続モードにおいて、第1の副受光器の受光部からの受光信号に第2の副受光器の対応する受光部からの受光信号をそれぞれ加算するように出力信号線間の接続をなし、第2の接続モードにおいて、第1及び第2の副受光器の対応する受光部間の接続を遮断するようにスイッチングをなす。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、光検出装置、及び光記録又は光再生をなす光記録再生装置に関し、特に、複数の光ビームを用いてサーボ制御をなす光ピックアップ装置の光検出装置、及び光記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式記録媒体として、例えばDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが実用化されている。近年のデジタル映像技術や情報通信技術の進展に伴い、更なる高密度・大容量の情報記録媒体及びその記録再生装置の研究開発が精力的に進められている。このような大容量の次世代光ディスクとして、青紫色レーザを光源に用いたBlu−rayディスクやHD DVDと称される光ディスクがある。
【0003】
かかる次世代光ディスクにおいては、従来の光ディスク(DVD等)に比べ、記録ピットが小さく、トラック幅やトラックピッチがより狭くなるため、高精度なビーム調整が要求される。
【0004】
従来、光ディスクへの照射ビームを制御するためのサーボ信号を検出する方式として、例えば、差動非点収差法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来の3ビーム方式を用いた従来の光検出装置においては、主ビーム及び2つの副ビームを用いてトラッキングエラー信号、及びフォーカスエラー信号等のサーボ信号が生成される。
【0005】
図1は、光ディスクに照射された主ビームMBのビームスポット及び2つの副ビームSB1,SB2のビームスポットを模式的に示している。ここで、記録/再生時に光ビームが光ディスクに対して相対的に移動する方向(トレース方向又はタンジェンシャル方向)に関して先行するビームをSB1とし、後行ビームをSB2として示している。なお、光ディスクの記録トラックT(トラック幅Tw、トラックピッチTp)についてはハッチングを施して模式的に示している。
【0006】
かかる光検出装置において、各ビームの光ディスクからの反射光を受光するため、ビームの各々に対し、複数の受光領域を有する光電素子である受光器(フォトディテクタ)が用いられる。例えば4つの受光領域を有する4分割受光器(4象限受光器)が用いられる(例えば、特許文献1参照)。従来の光検出装置において、当該分割受光器の受光領域の各々からの光電変換(OE変換)信号は光検出装置(以下、OEICともいう。)内で電流加算されている。
【0007】
図2は、従来の光検出装置(OEIC)の回路構成の一例を示している。主ビーム受光用の分割受光器(主受光器:DM)110の受光領域(A,B,C,D)からの受光信号はそれぞれ電流/電圧変換(I/V変換)回路120A〜120Dによって変換され、受光電圧信号A〜Dが外部回路に出力される。また、2つの副ビーム受光用の分割受光器(副受光器:DS1,DS2)111,112の受光領域は予め定められた回路を構成するように電気的に接続されている。例えば、受光器DS1の受光領域Ej(j=1〜4)には、当該受光領域の各々に位置的に対応する受光器DS2の受光領域Fjが接続され、所定の組合せの電流加算信号E1+F1,E2+F2,E3+F3,E4+F4が得られるように配線されている。また、これらの電流加算信号は電流/電圧変換回路121〜124によって電圧変換され、外部回路に出力される。なお、説明の簡便さ、及び理解の容易さのため、受光器の受光領域A〜D,Ej,Fj(j=1〜4)等の受光信号(電流信号、電圧信号)についても同一の符号A〜D,Ej、Fj等を用いて説明する。
【0008】
そして、かかる受光信号を用い、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は下記のように求められる。なお、K1,K2は所定の係数である。
【0009】
フォーカスエラー: FE=(A+C)-(B+D)+K1[(E1+F1+E3+F3)-(E2+F2+E4+F4)]
トラッキングエラー:TE=(A+D)-(B+C)-K2[(E1+F1+E4+F4)-(E2+F2+E3+F3)]
しかしながら、上記したように、受光器の各受光領域は予め定められた回路配線によって接続されているため、当該回路配線による所定の組合せの受光信号しか得られなかった。また、組合せ可能な配線も限られ、所望の組合せの受光信号を得ることはできなかった。例えば、図2に示す回路配線を用いた場合、ビーム位置調整のために、E1+E4,F1+F4,E2+E3,又はF2+F3などの受光信号を得ようとしても当該回路配線と矛盾するため不可能である。このような従来のOEICを用いた場合、主受光器(DM)及び副受光器(DS1,DS2)の各受光領域からの受光電圧信号を演算することによって所望の組合せの受光信号を得ることは可能であるが、OEICのサイズ、消費電力、及び製造コストの増大を招来することとなり、好ましくない。また、OEICからの信号に基づいて信号処理を行う外部回路の複雑化、部品点数の増大、をも招来する等のデメリットが生じる。
【特許文献1】特開2003−1784821号公報(第5頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の分割受光器の受光部間の接続を自由に切り換え、所望の組合せの受光信号を得ることが可能で、簡便で低消費電力の光検出装置(OEIC)及び光記録再生装置を提供することにある。また、サーボ制御用誤差信号に加えてビーム調整用の誤差信号を得ることが可能な光検出装置及び光記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光検出装置は、光源から射出され光記録媒体により反射された主ビーム及び第1、第2の副ビームをそれぞれ受光するとともに各々が複数の受光部に分割された主受光器及び第1、第2の副受光器を有する光検出装置であって、
主受光器及び第1、第2の副受光器の複数の受光部の出力信号線間の電気的接続モードを指定する接続モード指定信号を受信する受信部と、
上記接続モード指定信号に基づいて、主受光器及び第1、第2の副受光器の出力信号線間の接続切替えをなすスイッチング回路と、を有し、
上記スイッチング回路は、第1の接続モードにおいて、第1の副受光器の受光部からの出力信号線と、第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線との電気的接続をなし、第2の接続モードにおいて、第1及び前記第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線間の電気的接続を遮断するようにスイッチングをなすことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の光記録再生装置は、光記録媒体上に3つ以上の光ビームを照射するとともに、当該照射光ビームによる1つの主スポット及び第1、第2の副スポットの反射光を受光する光検出器を備えた光ピックアップを有し、上記光検出器からの出力信号によりデータの書込み又は読出し時に光ピックアップのトラッキング制御及びフォーカス制御をなす光記録再生装置であって、
上記光検出器は、
主スポット及び第1、第2の副スポットをそれぞれ受光するとともに各々が複数の受光部に分割された主受光器及び第1、第2の副受光器と、
主受光器及び第1、第2の副受光器の複数の受光部の出力信号線間の電気的接続モードを指定する接続モード指定信号を受信する受信部と、
上記接続モード指定信号に基づいて、主受光器及び第1、第2の副受光器の出力信号線間の接続切替えをなすスイッチング回路と、を有し、
上記スイッチング回路は、第1の接続モードにおいて、第1の副受光器の受光部からの出力信号線と、第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線との電気的接続をなし、第2の接続モードにおいて、第1及び前記第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線間の電気的接続を遮断するようにスイッチングをなすことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する図において、実質的に同等な部分には同一の参照符を付している。
【実施例1】
【0014】
図3は本発明による光検出装置(以下、OEICともいう。)を有する光ピックアップ10及び当該光検出装置が設けられた光記録再生装置3を示している。
【0015】
光記録再生装置3は、光記録媒体に記録されたデータを読み取って再生をなす光再生装置、あるいは光記録媒体に記録すべきデータを記録する光記録装置、又はその両者の機能を有する装置である。本実施例においては、光記録媒体として光ディスクを用いる光ディスク記録再生装置(以下、単に光ディスク装置3という。)の場合を例に説明する。
【0016】
光ピックアップ10は、光源である半導体レーザ11、回折ユニット12、ハーフミラー14、対物レンズ15、集光レンズ16、及び光検出装置(OEIC)17を有している。
【0017】
また、光ディスク装置3は、光ディスク装置3の全体の制御を行うコントローラ31を有している。コントローラ31は、光ディスク5からのデータ読み取りのためのレーザ駆動信号LDDあるいは光ディスク5に記録すべきデータ信号WDに対応したレーザ駆動信号LDDを生成し、レーザ・ドライバ32に供給する。レーザ・ドライバ32は、レーザ駆動信号LDDに応じて半導体レーザ11を駆動する。
【0018】
半導体レーザ11からのレーザビームは、マルチビーム生成素子として機能する回折ユニット12に入射される。回折ユニット12は、例えば液晶などの回折素子からなる。コントローラ31は、回折ユニット駆動信号DUDを回折ユニット・ドライバ33に供給する。回折ユニット12は、回折ユニット・ドライバ33によって駆動され、半導体レーザ11からのレーザビーム(光源ビーム)を少なくとも3つの光ビームに分割、生成して、ハーフミラー14に供給する。また、回折ユニット12にはアクチュエータ(図示しない)が結合され、当該アクチュエータは回折ユニット・ドライバ33によって駆動され、当該少なくとも3つの光ビームの生成及びビームの位置調整等のビーム調整がなされる。以下の説明においては、回折ユニット12が光源ビームを1つの主ビーム及び2つの副ビームに分割する場合を例に説明する。
【0019】
ハーフミラー14は、回折ユニット12で分割生成された主ビームMB及び2つの副ビームSB1,SB2を対物レンズ15に導く。対物レンズ15は、これらのビームを集光して、光学式記録媒体であるBlu−rayディスクやHD−DVD等の光ディスク5の記録面に照射する。
【0020】
具体的には、上記主ビームMBのビームスポットが光ディスク5の記録トラック上に位置するように照射される。この際、光ディスク5により反射された3つの反射光ビームは、対物レンズ15、ハーフミラー14、集光レンズ16を介して光検出装置(OEIC)17に導かれる。OEIC17によって受光され、後述する加算処理等された受光信号は信号処理回路18に供給される。信号処理回路18は、位相比較回路を備え、OEIC17からの受光信号に基づいて、後述するフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、ビーム調整信号BA、読取信号RS等を生成する機能を有する。
【0021】
信号処理回路18からの読取信号RSは、読取信号RSの再生、記憶等の処理を行う回路(図示しない)に出力する。また、信号処理回路18からのビーム調整信号BAはコントローラ31に供給される。
【0022】
信号処理回路18からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEはイコライザ34に供給される。光ピックアップ10にはフォーカシング及びトラッキング調整を行うアクチュエータ(図示しない)が備えられている。イコライザ34は、コントローラ31の制御の下、当該アクチュエータの駆動信号を生成してピックアップ・ドライバ35に供給する。すなわち、当該アクチュエータは、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに基づいて駆動され、光ピックアップ10のフォーカシング及びトラッキング制御(サーボ制御)が行われる。
【0023】
なお、信号処理回路18はOEIC17内に設けられていてもよい。あるいは、上記した信号処理回路18の機能の内、所定の機能、例えばフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE及びビーム調整信号BAを生成する機能を有するようにOEIC17が構成されていてもよい。
【0024】
また、コントローラ31は、所定のアルゴリズム、設定等に従って、接続モード指定信号MCを生成して信号処理回路18に供給する。すなわち、後に詳述するように、コントローラ31は、フォーカス制御及びトラッキング制御を行うサーボ制御モードと、ビーム調整を行うビーム調整モードと、の間の切替えを指定する動作モード制御を行う。
【0025】
図4は、光検出装置(OEIC)17の回路構成を模式的に示す図である。OEIC17は、主ビームMB、及び2つの副ビームSB1,SB2の反射光ビームをそれぞれ受光する光電素子である受光器(フォトディテクタ)DM,DS1,DS2を有している。ここで、記録/再生時に光ビームが光ディスク5に対して相対的に移動する方向であるトレース方向に関して先行するビームをSB1とし、後行ビームをSB2とする。
【0026】
主受光器(DM)20及び副受光器(DS1,DS2)21,22は、それぞれ複数の受光領域を有する。以下においては、主受光器(DM)20及び副受光器(DS1,DS2)21,22の各々が4つの受光領域を有する4分割受光器である場合を例に説明する。図4に示すように、主受光器(DM)20は、光ディスク5のトレース方向(タンジェンシャル方向)及びそれに垂直な方向(ラジアル方向)に沿ってそれぞれ2分割(計4分割)されている。受光領域Aは受光領域Cに対して、また、受光領域Bは受光領域Dに対して対角位置にある。
【0027】
図4に示すように、副受光器(DS1,DS2)21,22は第1分割線(CL-CL')上で主受光器(DM)20の両サイドに配置されている。
【0028】
換言すれば、主受光器(DM)20はその中心を原点とする4象限受光器である。すなわち、当該第1分割線(CL-CL')をx軸として主受光器(DM)20から第1の副受光器(DS1)に向かう方向を+x方向とし、主受光器(DM)20の中心を通り当該x軸に垂直な方向の第2分割線を(主受光器(DM)20の)y軸としたとき、主受光器(DM)20の第1象限((+x, +y)領域),第2象限((-x, +y)領域),第3象限((-x, -y)領域)及び第4象限((+x, -y)領域)の受光領域がそれぞれ受光部A,B,C及びDに対応する。なお、図4は、主受光器(DM)20及び副受光器(DS1,DS2)21,22を受光面側から見た図であり、反射光ビームが主受光器(DM)20に入射する方向は−z方向である。
【0029】
副受光器(DS1,DS2)21,22についても同様である。すなわち、先行ビーム用の第1の副受光器(DS1)21については、第1の副受光器(DS1)21の中心を原点としてその受光領域が4分割されている。つまり、第1の副受光器(DS1)21の中心を通りx軸に垂直な方向を(第1の副受光器(DS1)21の)y軸としたとき、第1の副受光器(DS1)の第1,第2,第3及び第4象限の受光領域がそれぞれ受光部E1〜E4に対応する。
【0030】
また後行ビーム用の(第2の)副受光器(DS2)22の受光領域F1〜F4についても同様である。すなわち、第2の副受光器(DS2)22の中心を原点としてその受光領域が4分割されている。つまり、第2の副受光器(DS2)22の中心を通りx軸に垂直な方向を(第2の副受光器(DS2)22の)y軸としたとき、第2の副受光器(DS2)22の第1,第2,第3及び第4象限の受光領域がそれぞれ受光部F1〜F4に対応する。つまり、第2の副受光器(DS2)22の受光領域F1〜F4は、それぞれ第1の副受光器(DS1)21の受光領域E1〜E4に対応する位置(第1〜第4象限)に配されている。
【0031】
主受光器(DM)20の受光部(A,B,C,D)からの受光電流信号はインターフェース回路23Mに供給される。インターフェース回路23Mは電流/電圧変換(I/V変換)回路24A〜24Dを有し、受光電流信号A〜Dはそれぞれ電流/電圧変換回路24A〜24Dによって電流/電圧変換される。変換後の受光電圧信号は信号処理回路18に供給される。
【0032】
なお、説明の簡便さ、及び理解の容易さのため、主受光器の受光部A〜D、及び副受光器(DS1,DS2)21,22の受光部E1〜E4,F1〜F4等の受光電流信号についても同一の符号A〜D,Ej、Fj(j=1〜4)等を用いて説明する。また、変換後の受光電圧信号についても同一の符号を用いて説明する。
【0033】
第1及び第2の副受光器(DS1,DS2)21,22からの受光電流信号E1〜E4,F1〜F4はスイッチ回路25に供給される。また、スイッチ回路25は、受光電流の出力信号線間の電気的接続状態を指定する接続指定信号を受信する。当該接続指定信号は、コントローラ31から供給される。本実施例において、スイッチ回路25は、入力された接続指定信号(以下、接続モード指定信号:MCという。)に基づいて、出力信号線間の接続切り替えをなし、サーボ制御用接続(第1接続モード)及びビーム調整用接続(第2接続モード)の間での接続モード変更を行う。
【0034】
スイッチ回路25は、入力された接続指定信号MCに応答して、受光電流信号E1〜E4,F1〜F4の信号線のスイッチングによって所定の電流加算信号S1〜S4を得る。当該電流加算信号S1〜S4はインターフェース回路23Sに供給される。インターフェース回路23Sは電流/電圧変換(I/V変換)回路26,27,28,29を有し、電流加算信号S1〜S4はそれぞれ電流/電圧変換回路26,27,28,29によって電流/電圧変換される。変換後の受光電圧信号は信号処理回路18に出力される。
【0035】
なお、必ずしもOEIC17にインターフェース回路23M、23Sを設ける必要はない。すなわち、OEIC17は単に電流加算信号S1〜S4を出力するように構成されていてもよい。この場合、外部回路、例えば信号処理回路18において電流加算信号S1〜S4の電流/電圧変換を行い、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、ビーム調整信号BA、読取信号RS等を生成するようにしてもよい。あるいは、外部回路において電流/電圧変換を行うことなく、当該信号FE、TE、BA、RS等を生成するように構成してもよい。
【0036】
あるいは、これとは逆に、OEIC17が、インターフェース回路23M、23Sのみならず、サーボ制御信号(フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等)、ビーム調整信号BA、読取信号RS等を生成する信号処理回路をも含むように構成することもできる。
【0037】
図5は、OEIC17の回路構成の一例を示す図である。主受光器(DM)20の受光部A〜Dからはそれぞれ第1〜第4信号線(L1〜L4)を介して受光電流信号(A〜D)が出力される。同様に、第1の副受光器(DS1)21の受光部E1〜E4からはそれぞれ第5〜第8信号線(L5−L8)を介して受光電流信号(E1〜E4)が出力される。また、第2の副受光器(DS2)22の受光部F1〜F4からはそれぞれ第9〜第12信号線(L9−L12)を介して受光電流信号(F1〜F4)が出力される。なお、かかる定義に対応させて、以下においては、主受光器(DM)20の受光部A〜Dをそれぞれ第1〜第4受光部、第1の副受光器(DS1)21の受光部E1〜E4をそれぞれ第5〜第8受光部、第2の副受光器(DS2)22の受光部F1〜F4をそれぞれ第9〜第12受光部として説明する場合がある。
【0038】
OEIC17のスイッチ回路25は第1〜第4のスイッチSW1〜SW4を有している。また、スイッチ回路25は、接続モード指定信号MCを受信する受信部25A及び受信した接続モード指定信号MCに基づいてスイッチ回路25に設けられたスイッチ(第1〜第4のスイッチSW1〜SW4)を制御するスイッチ制御部25Bを有している。
【0039】
より詳細には、第1スイッチSW1は、第9信号線(L9)を選択的に第5信号線(L5)に接続する。図5においては、第1スイッチSW1が「閉(ON)」となった場合に、第9信号線を第5信号線に接続することを模式的に示している。同様に、第2スイッチSW2は第10信号線(L10)を選択的に第6信号線(L6)に接続し、第3スイッチSW3は第11信号線(L11)を選択的に第7信号線(L7)に接続し、第4スイッチSW4は第12信号線(L12)を選択的に第8信号線(L8)に接続する。
【0040】
すなわち、スイッチ制御部25Bは、接続モード指定信号MCに基づいて、先行ビームを受光する第1の副受光器(DS1)21の受光信号E1〜E4に後行ビームを受光する第2の副受光器(DS2)22の受光信号F1〜F4をそれぞれ加算するよう接続をなすのである。なお、図5は、スイッチSW1〜SW4が開(OFF)状態である接続状態(第2モード)を模式的に示している。
【0041】
上記したように、スイッチSW1〜SW4は接続モード指定信号(MC)に基づいて開閉(ON/OFF)制御されるが、図5はスイッチSW1〜SW4の各々の開閉状態を示すように模式的に表しており、スイッチ回路25の当該開閉制御を行う構成については具体的には図示していない。しかしながら、半導体集積回路の周知の技術によって当該開閉制御回路及び当該スイッチ回路を構成することができる。
【0042】
接続モード指定信号(MC)は、第1のモードである通常動作モード(以下、モードIともいう。)、及び第2のモードであるビーム調整モード(以下、モードIIともいう。)の何れかを指定する制御信号である。通常動作モード(モードI)は、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等のサーボ信号を得つつサーボ制御をなす動作モードである。他方、ビーム調整モード(モードII)は、光ビームの光記録媒体上の位置調整等の光ビーム調整のためのエラー信号を得るモードである。かかる光ビーム調整のためのエラー信号は種々考えられるが、以下においては、光ビームの位置調整の場合を例に説明する。
【0043】
図6は、動作モードI及びモードIIの場合における第1〜第4のスイッチSW1〜SW4のON/OFF状態、及びOEIC17の出力信号S1〜S4を表す表である。ここで、OEIC17の出力信号S1〜S4は、電流加算信号又は電圧変換後の加算信号S1〜S4である。
【0044】
通常動作(サーボ制御動作)モード(モードI)においては、図6に示すように、スイッチSW1〜SW4は閉(ON)状態である接続状態に設定される。すなわち、先行ビームを受光する第1の副受光器(DS1)21の受光信号E1〜E4に後行ビームを受光する第2の副受光器(DS2)22の受光信号F1〜F4をそれぞれ加算するよう接続をなす。従って、このとき、出力信号は、S1=E1+F1、S2=E2+F2、S3=E3+F3、S4=E4+F4である。
【0045】
なお、図6における括弧内には、信号線の番号(L5,L6,...等)を用いて信号線の接続を示している。例えば、S1=E1+F1(5+9)は第5信号線(L5)に第9信号線(L9)が接続され、第5受光部からの信号(E1)及び第9受光部(F1)からの信号が加算されていることを示している。
【0046】
従って、信号処理回路18は、当該出力信号S1〜S4及び主受光器(DM)20からの受光電圧信号(又は受光電流信号)A〜Dを用い、例えば、差動非点収差法によりフォーカスエラー信号を、差動プッシュプル法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。例えば、フォーカスエラー信号FE及びトラッキングエラー信号TEは下記の式に従って求めることができる。なお、ここでK1,K2は所定の係数である。
【0047】
FE=(A+C)-(B+D)+K1[(S1+S3)-(S2+S4)]
=(A+C)-(B+D)+K1[(E1+F1+E3+F3)-(E2+F2+E4+F4)]
TE=(A+D)-(B+C)-K2[(S1+S4)-(S2+S3)]
=(A+D)-(B+C)-K2[(E1+F1+E4+F4)-(E2+F2+E3+F3)]
一方、ビーム位置調整モード(モードII)においては、図6に示すように、スイッチSW1〜SW4は開(OFF)状態にスイッチングされる。このとき、出力信号は、S1=E1、S2=E2、S3=E3、S4=E4である。
【0048】
ビーム位置調整モード(モードII)において、信号処理回路18に設けられた位相比較器19は、OEIC17からの出力信号A〜D及びS1〜S4に基づいて位相比較をなす。具体的には、位相比較器19は、主受光器(DM)20の各受光部からの受光信号A〜Dの和信号と、先行ビームを受光する第1の副受光器(DS1)21の各受光部からの受光信号E1〜E4の和信号との位相を比較する。
【0049】
すなわち、位相比較器19は、信号(A+B+C+D)と信号(E1+E2+E3+E4)との位相を比較する。そして、その位相比較により得られた位相差を表す信号をビーム位置調整信号BAとしてコントローラ31に供給する。
【0050】
コントローラ31は、ビーム位置調整信号BAに基づいて、回折ユニット駆動信号DUDを生成して回折ユニット・ドライバ33に供給する。回折ユニット12は、回折ユニット駆動信号DUDに基づいて、回折ユニット12からの光ビーム、特に、副ビームの光記録媒体上における位置を調整するよう動作する。
【0051】
なお、上記したように、コントローラ31は、フォーカス制御及びトラッキング制御を行うサーボ制御モードと、ビーム調整を行うビーム調整モードと、の間の切替えを指定する動作モード制御を行う。すなわち、コントローラ31は、所定のアルゴリズムや設定等に基づいて動作モード制御を行う。例えば、コントローラ31は、所定のタイミングや周期によって位置調整するように接続モード指定信号MCを生成する。あるいは、コントローラ31は所定のアルゴリズム、例えば、前回の位相比較時における位相差の大きさに応じた時間間隔等を判別するアルゴリズムに応じて接続モード指定信号MCを生成するように構成することができる。
【0052】
以上説明したように、光検出装置(OEIC)17はスイッチ回路25を有し、副受光器(DS1,DS2)21,22の受光電流信号E1〜E4,F1〜F4の電流加算の組合せを切替えることが可能である。尚、スイッチ回路25は、主受光器(DM)20の受光電流信号A〜Dの電流加算の組合せを切替えることも可能なように構成されていてもよい。
【0053】
かかる構成により、複数の分割受光器の受光部間の接続を自由に切り換え、所望の組合せの受光信号を得ることが可能であり、その組合せ方法によって所望の調整用信号を得ることができる。また、接続モード指定信号によって調整モードを容易に変更可能である。従って、簡便で低消費電力の光検出装置(OEIC)を提供することができる。また、当該光検出装置を搭載することにより、調整モードを容易に変更可能な高性能な光記録再生装置を提供することができる。
【実施例2】
【0054】
図7は、本発明の実施例2である光検出装置(OEIC)17の回路構成の一例を示している。
【0055】
実施例1においては、スイッチ制御部25Bは、先行ビームを受光する第1の副受光器(DS1)21の受光信号E1〜E4に後行ビームを受光する第2の副受光器(DS2)22の受光信号F1〜F4をそれぞれ加算するよう接続をなす場合について説明した。本実施例においては、スイッチ制御部25Bは、後行ビームを受光する第2の副受光器(DS2)22の受光信号F1〜F4に先行ビームを受光する第1の副受光器(DS1)21の受光信号E1〜E4をそれぞれ加算するよう接続をなす。
【0056】
スイッチSW1〜SW4は接続モード指定信号(MC)に基づいて開閉(ON/OFF)制御される。図7は、図5と同様、スイッチSW1〜SW4の各々の開閉状態を模式的に表している。その他の構成は、上記した実施例1と同様である。
【0057】
具体的には、第1スイッチSW1は、第5信号線(L5)を選択的に第9信号線(L9)に接続する。同様に、第2スイッチSW2は第6信号線(L6)を選択的に第10信号線(L10)に接続し、第3スイッチSW3は第7信号線(L7)を選択的に第11信号線(L11)に接続し、第4スイッチSW4は第8信号線(L8)を選択的に第12信号線(L12)に接続する。なお、図7は、スイッチSW1〜SW4が開(OFF)状態である接続状態(第2モード)を模式的に示している。また、その他の構成は、上記した実施例1と同様である。
【0058】
OEIC17は、通常動作モード(モードI)、及びビーム位置調整モード(モードII)の何れかを指定する接続モード指定信号(MC)に基づいてスイッチSW1〜SW4を含むスイッチ回路25の動作を制御する。
【0059】
図8は、動作モードI及びモードIIの場合におけるスイッチSW1〜SW4のON/OFF状態、及びOEIC17の出力信号を表す表である。ここで、OEIC17の出力信号は、電圧変換後の加算信号(又は電流加算信号)S1〜S4である。

通常動作モード(モードI)においては、図8に示すように、スイッチSW1〜SW4は閉(ON)状態である接続状態に設定される。すなわち、後行ビームを受光する第2の副受光器(DS2)22の受光信号F1〜F4に先行ビームを受光する第1の副受光器(DS1)21の受光信号E1〜E4をそれぞれ加算するよう接続をなす。従って、このとき、出力信号は、S1=F1+E1、S2=F2+E2、S3=F3+E3、S4=F4+E4である。
【0060】
従って、信号処理回路18は、当該出力信号S1〜S4及び主受光器(DM)20からの受光電圧信号(又は受光電流信号)A〜Dを用い、例えば、差動非点収差法によりフォーカスエラー信号FEを、差動プッシュプル法によりトラッキングエラー信号TEを得ることができる。例えば、フォーカスエラー信号FE及びトラッキングエラー信号TEを、上記した実施例1の場合と同様にして得ることができる。
【0061】
一方、ビーム位置調整モード(モードII)においては、スイッチSW1〜SW4は開(OFF)状態となるようスイッチングされる。このとき、出力信号は、S1=F1、S2=F2、S3=F3、S4=F4である。
【0062】
ビーム位置調整モード(モードII)において、信号処理回路18に設けられた位相比較器19は、OEIC17からの出力信号A〜D及びS1〜S4(F1〜F4)に基づいて位相比較をなす。具体的には、位相比較器19は、主受光器(DM)20の各受光部からの受光信号A〜Dの和信号と、後行ビームを受光する第2の副受光器(DS2)22の受光信号F1〜F4との位相を比較する。
【0063】
すなわち、位相比較器19は、信号(A+B+C+D)と信号(F1+F2+F3+F4)との位相を比較する。そして、その位相比較により得られた位相差を表す信号をビーム位置調整信号BAとしてコントローラ31に供給する。
【0064】
コントローラ31は、ビーム位置調整信号BAに基づいて、回折ユニット駆動信号DUDを生成し、回折ユニット・ドライバ33に供給して回折ユニット12からの光ビーム、特に、副ビームの光記録媒体上における位置を調整するよう動作する。
【0065】
以上説明したように、光検出装置(OEIC)17はスイッチ回路25を有し、副受光器(DS1,DS2)21,22の受光電流信号E1〜E4,F1〜F4の電流加算の組合せを切替えることが可能である。
【0066】
かかる構成により、複数の分割受光器の受光部間の接続を自由に切り換え、所望の組合せの受光信号を得ることが可能であり、その組合せ方法によって所望の調整用信号を得ることができる。また、接続モード指定信号によって調整モードを容易に変更可能である。
【0067】
特に、モード指定信号に応じて、主受光器(DM)20の各受光部からの受光信号と、先行ビーム及び後行ビームのいずれか一方を副受光器(DS1又はDS2)の各受光部からの受光信号との位相比較信号を容易に得られるように受光信号の切替えを行うことが可能である。
【0068】
すなわち、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等のサーボ信号を得つつサーボ制御をなす通常の動作を行うと共に、必要に応じて適宜所望のビーム調整を行うために必要な信号を得るように受光信号の加算組合せを選択することが可能である。例えば、当該光ピックアップ装置を有する記録再生装置の出荷時において、接続モード指定信号を与え、ビーム調整を行うことができる。あるいは、記録再生装置のコントローラ(CPU)等に接続モード指定信号を生成し、供給する機能を加え、適宜ビーム調整を自動又は手動で行うよう構成することもできる。
【0069】
従って、高精度で高機能な光検出装置(OEIC)や光ピックアップ装置を提供することができる。かかる光検出装置は、当該光検出装置内でスイッチング及び/又は信号加算を行うため、小型、簡便で低消費電力であるという特徴も併有する。また、当該光検出装置を搭載することにより、調整モードを容易に変更可能な高性能で高機能な光ピックアップ装置、光記録・再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】光ディスクに照射された主ビームMBのビームスポット及び2つの副ビームSB1,SB2のビームスポットを模式的に示す図である。
【図2】従来の光検出装置(OEIC)の回路構成の一例を示す図である。
【図3】本発明による光検出装置(OEIC)及び当該光検出装置が設けられた光ディスク装置を示す図である。
【図4】本発明による光検出装置(OEIC)の回路構成を模式的に示す図である。
【図5】実施例1におけるOEICの回路構成の一例を示す図である。
【図6】図5に示す回路構成において、動作モードI及びモードIIの場合におけるスイッチ回路の開閉状態、及びOEICの出力信号を表す図である。
【図7】実施例2におけるOEICの回路構成の一例を示す図である。
【図8】図7に示す回路構成において、動作モードI及びモードIIの場合におけるスイッチ回路の開閉状態、及びOEICの出力信号を表す図である。
【主要部分の符号の説明】
【0071】
MB 主ビーム
SB1 先行ビーム
SB2 後行ビーム
3 光ディスク装置
10 光ピックアップ
17 光検出装置(OEIC)
18 信号処理回路
19 位相比較器
20 主受光器
21,22 副受光器
25 スイッチ回路
25B スイッチ制御部
31 コントローラ
32 レーザ・ドライバ
33 回折ユニット・ドライバ
34 イコライザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出され光記録媒体により反射された主ビーム及び第1、第2の副ビームをそれぞれ受光するとともに各々が複数の受光部に分割された主受光器及び第1、第2の副受光器を有する光検出装置であって、
前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器の前記複数の受光部の出力信号線間の電気的接続モードを指定する接続モード指定信号を受信する受信部と、
前記接続モード指定信号に基づいて、前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器の前記出力信号線間の接続切替えをなすスイッチング回路と、を有し、
前記スイッチング回路は、第1の接続モードにおいて、前記第1の副受光器の受光部からの出力信号線と、前記第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線との電気的接続をなし、第2の接続モードにおいて、前記第1及び前記第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線間の電気的接続を遮断するようにスイッチングをなすことを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
前記スイッチング回路は、前記接続モード指定信号が前記第1の接続モードを指定する場合には、差動非点収差法によるフォーカスエラー信号及び差動プッシュプル法によるトラッキングエラー信号を得るように前記出力信号線間の接続切替えをなし、前記接続モード指定信号が前記第2の接続モードを指定する場合には、前記主ビームと、前記第1又は第2の副ビームとの位相比較信号を得るように前記出力信号線間の接続切替えをなすことを特徴とする請求項2に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記第1、第2の副受光器は、前記光記録媒体のトレース方向及び前記トレース方向に垂直な方向に対応してそれぞれ2分割して得られた4領域に配された受光部を有する4象限受光器であることを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器は同一直線を共通分割線として同一直線上に配され、前記共通分割線をx軸、前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器の各中心を通り、前記x軸に垂直な方向の分割線をそれぞれ前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器のy軸とし、前記主受光器の第1〜第4象限に配された受光部からの出力信号線をそれぞれ第1〜第4信号線、前記第1及び第2の副受光器の第1〜第4象限に配された受光部からの出力信号線をそれぞれ第5〜第8信号線及び第9〜第12信号線としたとき、
前記スイッチング回路は、
前記第9信号線に対して前記第5信号線を選択的に接続する第1スイッチと、
前記第10信号線に対して前記第6信号線を選択的に接続する第2スイッチと、
前記第11信号線に対して前記第7信号線を選択的に接続する第3スイッチと、
前記第12信号線に対して前記第8信号線を選択的に接続する第4スイッチと、を有し、
差動非点収差法によるフォーカスエラー信号及び差動プッシュプル法によるトラッキングエラー信号を得る場合には、前記第1スイッチにより前記第9信号線に前記第5信号線を、前記第2スイッチにより前記第10信号線に前記第6信号線を、前記第3スイッチにより前記第7信号線に前記第11信号線を、前記第4スイッチにより前記第8信号線に前記第12信号線を接続し、
前記副ビームの位置調整を行う場合には、前記第1スイッチにより前記第5信号線の前記第9信号線への接続を遮断し、前記第2スイッチにより前記第6信号線の前記第10信号線への接続を遮断し、前記第3スイッチにより前記第7信号線の前記第11信号線への接続を遮断し、前記第4スイッチにより前記第8信号線の前記第12信号線への接続を遮断することを特徴とする請求項3に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器は第1分割線をx軸、前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器の各中心を通り、前記x軸に垂直な方向の第2分割線をそれぞれ前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器のy軸とし、前記主受光器の第1〜第4象限に配された受光部からの出力信号線をそれぞれ第1〜第4信号線、前記第1及び第2の副受光器の第1〜第4象限に配された受光部からの出力信号線をそれぞれ第5〜第8信号線及び第9〜第12信号線としたとき、
前記スイッチング回路は、
前記第5信号線に対して前記第9信号線を選択的に接続する第1スイッチと、
前記第6信号線に対して前記第10信号線を選択的に接続する第2スイッチと、
前記第7信号線に対して前記第11信号線を選択的に接続する第3スイッチと、
前記第8信号線に対して前記第12信号線を選択的に接続する第4スイッチと、を有し、
差動非点収差法によるフォーカスエラー信号及び差動プッシュプル法によるトラッキングエラー信号を得る場合には、前記第1スイッチにより前記第5信号線に前記第9信号線を、前記第2スイッチにより前記第6信号線に前記第10信号線を、前記第3スイッチにより前記第7信号線に前記第11信号線を、前記第4スイッチにより前記第8信号線に前記第12信号線を接続し、
前記副ビームの位置調整を行う場合には、前記第1スイッチにより前記第9信号線の前記第5信号線への接続を遮断し、前記第2スイッチにより前記第10信号線の前記第6信号線への接続を遮断し、前記第3スイッチにより前記第11信号線の前記第7信号線への接続を遮断し、前記第4スイッチにより前記第12信号線への前記第8信号線への接続を遮断することを特徴とする請求項3に記載の光検出装置。
【請求項6】
光記録媒体上に3つ以上の光ビームを照射するとともに、当該照射光ビームによる1つの主スポット及び第1、第2の副スポットの反射光を受光する光検出器を備えた光ピックアップを有し、前記光検出器からの出力信号によりデータの書込み又は読出し時に前記光ピックアップのトラッキング制御及びフォーカス制御をなす光記録再生装置であって、
前記光検出器は、
前記主スポット及び第1、第2の副スポットをそれぞれ受光するとともに各々が複数の受光部に分割された主受光器及び第1、第2の副受光器と、
前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器の前記複数の受光部の出力信号線間の電気的接続モードを指定する接続モード指定信号を受信する受信部と、
前記接続モード指定信号に基づいて、前記主受光器及び前記第1、第2の副受光器の前記出力信号線間の接続切替えをなすスイッチング回路と、を有し、
前記スイッチング回路は、第1の接続モードにおいて、前記第1の副受光器の受光部からの出力信号線と、前記第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線との電気的接続をなし、第2の接続モードにおいて、前記第1及び前記第2の副受光器の対応する受光部からの出力信号線間の電気的接続を遮断するようにスイッチングをなすことを特徴とする光記録再生装置。
【請求項7】
前記スイッチング回路は、前記接続モード指定信号が前記第1の接続モードを指定する場合には、差動非点収差法によるフォーカスエラー信号及び差動プッシュプル法によるトラッキングエラー信号を得るように前記出力信号線間の接続切替えをなし、前記接続モード指定信号が前記第2の接続モードを指定する場合には、前記主ビームと、前記第1又は第2の副ビームとの位相比較信号を得るように前記出力信号線間の接続切替えをなすことを特徴とする請求項6に記載の光記録再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−122803(P2007−122803A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312717(P2005−312717)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(503213291)パイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社 (25)
【Fターム(参考)】