説明

光沢干渉顔料

本発明は、板状基材、SnO2の層、および/またはFe23、TiO2、ZrO2およびまたはHfO2から選択される金属酸化物層(前記の層はMoおよび/またはWをドープされている)、あるいは板状基材を含む顔料、Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層(前記の層はNbおよび/またはTaをドープされている)を含む(干渉)顔料、該(干渉)顔料の製造方法、および塗料、インクジェット印刷における、テキスタイルの染色のための、被覆物、印刷インク、プラスチック、化粧品、セラミックスおよびガラス用の上薬の顔料着色のためのそれらの使用に関する。本発明の顔料は非常に輝く色を有し、且つ、カラーフロップを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状基材、SnO2の層、および/またはFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層(前記の層はMoおよび/またはWをドープされている)、あるいは板状基材を含む顔料、Fe23、TiO2、ZrO2およびまたはHfO2から選択される金属酸化物層(前記の層はNbおよび/またはTaをドープされている)を含む(干渉)顔料、該(干渉)顔料の製造方法、および塗料、インクジェット印刷における、テキスタイルの染色のための、被覆物、印刷インク、プラスチック、化粧品、セラミックスおよびガラス用の上薬の顔料着色のためのそれらの使用に関する。
【0002】
透明な担体材料、例えば天然または合成マイカ、SiO2、またはガラスなどからなるコアを有する干渉顔料は公知である。例えば、Gerhard Pfaff and Peter Reynders,Chem.Rev.99(1999)1963〜1981が参照される。
【0003】
US6719838号は、(A) 屈折率n>1.8を有する着色被膜、(B) 屈折率n>1.8を有する無色の被膜、(C) 屈折率n≦1.8を有する無色の被膜、(D) 屈折率n>1.8を有する無色の被膜、および随意に(E) 外側の保護層を有する小薄板形(platelet−shaped)基材を含む着色干渉顔料を開示している。
【0004】
層(A)は、Fe23、Fe34、Ce23、Cr23、Ti亜酸化物、酸窒化チタン、チタン窒化物、モリブデン酸化物、CoO、Co34、VO2、V23、NiO、MoS2、WS2、V25、CuO、Cu2O、Ag2O、CeO2、MnO2、Mn23、Mn25、またはそれらの混合物(混合酸化物)を含有する。
【0005】
DE4319669号は、(a) 無色の金属酸化物の第一の層; (b) MoO2/MoO3および/またはWO2/WO3の混合酸化物の第二の層; および(c) 随意に無色の金属酸化物の第三の層で被覆された層状基材を含む光沢のある顔料を開示している。
【0006】
DE19647539号は、導電性の被膜を有するフレーク状または針状の基材を含む導電性顔料に関し、前記導電性被膜はニオブ(Nb)および/またはタンタル(Ta)をドープされた二酸化スズまたは二酸化チタン(SnO2またはTiO2)層である。SnO2またはTiO2中のNbおよび/またはタンタルTaの量は0.1〜20原子%である。DE19647539号の実施例1〜3において、以下の構造を有する顔料の製造が記載されている:マイカ/SnO2(Nb); SiO2フレーク/SnO2(Nb); マイカ/TiO2(Ta)。
【0007】
US4948631号(EP332071号)は、特定の青みがかったパールの光沢の顔料を、マイカ顔料で被覆された二酸化チタンを高められた温度にてアンモニアで還元することによって製造する方法を開示しており、ここではそのTiO2被膜が50〜100nmまたは300〜340nmの光学膜厚を有するマイカ顔料を使用し、アンモニアでの処理を750〜850℃で実施し、且つ還元の間、顔料の一定の攪拌を保持することを含む。
【0008】
還元による青色のさらなる補力は、TiO2被膜を異種のイオン、例えば六価のタングステン、六価のモリブデンおよび/または四価のスズの酸化物でドーピングすることによって得られる。それらの異種イオンを、TiO2で被覆されたマイカの製造の間に先に被覆されているTiO2内に取り込むか、あるいはタングステン(+6)、モリブデン(+6)またはスズ(+4)化合物の存在下で、出発材料を次に加熱することによってTiO2被膜中に拡散させる。
【0009】
US4948631号と対比して、本発明の方法は、高められた色強度(クロマ)を有する顔料を、二酸化チタンで被覆されたマイカ顔料をアンモニアで高温にて還元することなくもたらす。
【0010】
金属酸化物で被覆された透明基材の色強度を高める一般的な方法は、黒背景の使用である。観察者には顔料のフレークによって反射された光が見え、且つ、吸収性の背景によって反射された光は見えない。透明な効果顔料の色強度を高めるための第二の方法は、例えばEP0982376号内に記載される通り、フレークを炭素含有層で被覆することである。効果顔料のフレークを外部の炭素含有層で被覆することは、効果顔料の輝度の著しい損失をもたらす(もはやきらめかない)。
【0011】
表面上に設置した炭素含有層の他の欠点は、付着性の欠如および多くの遊離炭素を含有する粒子が頻繁に観察されることである。
【0012】
この最後の問題点は基材上に被覆された金属酸化物層の内部に炭素を設置することによって解決されている(WO08/104467)。前記のアプローチは、光吸収性背景の効果を得る一方、効果顔料の輝度を保持することを可能にする。
【0013】
しかしながら、金属酸化物層内の炭素の存在が、望ましくないことがある幾分かのわずかな追加的な茶色がかった色を与える。
【0014】
従って、効果顔料の色強度(クロマ)を高める一方、顔料の輝度を保持し、且つわずかに茶色がかる問題を避けることが本発明の課題である。
【0015】
前記の課題は、板状基材と、
(a) SnO2の層、および/またはFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層(前記の層はMoおよび/またはWをドープされている); または板状基材を含む顔料、および
(a’) Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層(前記の層はNbおよび/またはTaをドープされている、ただし、Nbおよび/またはTaをドープされた少なくとも2層が存在している)、
とを含む顔料によって解決される。
【0016】
SnO2の層は、SnO2の層中の金属のモルに対して0.1〜60モル%、特に0.1〜30モル%のMoおよび/またはWを含み、且つ、Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2の金属酸化物層は、該金属酸化物中の金属のモルに対して0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%のMoおよび/またはWを含む。Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2の金属酸化物層は、該金属酸化物中の金属のモルに対して0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%のNbおよび/またはTaを含む。
【0017】
TiO2の場合は、金属酸化物層のドーピングが改善された光安定性および高密度化をもたらし得ることが判明した。光安定性の効果は、MoがTiO2の最表面の20nmに取り込まれた場合に顕著である。
【0018】
金属酸化物層(a)がTiO2で、且つ1層だけの層(a)が存在する場合、板状基材と層(a)との間にSnO2のさらなる層が存在することが好ましい。
【0019】
層(a)の厚さは一般に10〜300nm、特に20〜200nmの範囲である。本発明によれば、光学的に変化する効果顔料を板状基材、例えばアルミニウム酸化物、パーライト、ガラスを、Moおよび/またはWから選択される元素をドープされた、SnO2、および/またはFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物の層で被覆することによって製造する。ドープされた金属酸化物層は、ドーピングされていない金属酸化物層と同一のX線回折パターンで特徴付けられる。
【0020】
ドープされた金属酸化物層を直接的に基材と接触させてよい。顔料は金属および誘電体材料、特に金属酸化物のさらなる層を含んでよい。ドープされた金属酸化物層は最も外側の層であってよい。ドーピングを層厚方向に徐々に変化させて、片側ではゼロ、且つ他の側では最大値であってもよい。随意に、顔料は外側の保護層を有してもよい。
【0021】
本発明の好ましい実施態様において、ドーピングは基材側で最大であり、そしてドーピングしていない層に隣接する界面ではその最大値の1/10未満であるように徐々に減少する。層が1層だけである場合、ドーピングが最大なのは(基材に対して)層の最も外側である。
【0022】
ドープされた層は、WO08/104467号内に記載される通りに得られる炭素を含有する粒子も含んでよい。金属酸化物層は好ましくはルチル改質のTiO2であり、且つドーピング元素はMoまたはWであり、例えばチタン酸モリブデンである。現在、最も好ましいドーピング剤はMoである。
【0023】
本発明の顔料を、板状基材を少なくとも2つの金属酸化物で、相応する水溶性金属化合物の加水分解による湿式法で被覆し、分離し、乾燥させ、そしてそのように得られた顔料を随意に焼成することによって製造でき、その際、第一の金属酸化物がSnO2、Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択され、且つ、第二の金属酸化物がMoおよびWから選択されるか、あるいは第一の金属酸化物がFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択され、且つ、第二の金属酸化物がNbおよびTaから選択される。
【0024】
Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2の金属酸化物層は、該金属酸化物中の金属のモルに対して0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%のMoおよび/またはWを含む。即ち、TiO2の金属酸化物層は、TiO2中のTiのモルに対して0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%のMoおよび/またはWを含む。SnO2の層は、SnO2層中の金属のモルに対して0.1〜60モル%、特に0.1〜30モル%のMoおよび/またはWを含む。
【0025】
Fe23とTiO2との混合物の場合、Fe23は通常、TiO2中のTiのモルに対して0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%の量のFeが含まれ、その際、Fe23とTiO2との質量比は好ましくは約1:9である。
【0026】
本発明の方法は、TiO2およびMoに基づいて説明されるが、しかしそこに限定されない。
【0027】
本発明の特に好ましい実施態様において、板状基材のフレークを密閉された反応器内で蒸留水と混合し、そして約90℃で加熱する。pHを約1.8〜2.2に設定し、そしてTiOCl2、HCl、MoCl5および蒸留水を含む調製物をゆっくりと添加する一方、1MのNaOHまたはKOH溶液の連続的な添加によってpHを一定(1.8〜2.2)に保持する。アミノ酸、例えばグリシンをTiO2の堆積の間に添加することによって、形成されるTiO2被膜の品質を改善することが可能である。WO08/104467号が参照される。
【0028】
有利には、MoCl5、TiOCl2、HCl、およびグリシンおよび蒸留水を含む調製物を水中の基材フレークに添加する。アミノ酸をチタン1モルに対して0.01〜5モル、特に0.01〜0.1モルの量で添加する。調製物中のグリシンの含有率は、時間とともにその最大値からゼロまで変化してよい。調製物中のグリシンの最大含有率は、堆積工程の初め、または最後であり得る。グリシンを他のアミノ酸、例えばアラニン、バリン、またはアスパラギン酸(α−、β−およびγ−型)などで置き換えてもよい。MoCl5の代わりに、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、またはモリブデン酸アンモニウムナトリウムを使用できる。モリブデン酸塩がMo源として使用される場合、その添加はpHを補償するために使用される塩基性成分(NaOHまたはKOH中)を経る。
【0029】
しかしながら、少量のSnO2の添加によって、ルチル構造の形成を強化することが可能である。例えば、WO93/08237内に記載される通り、二酸化スズをTiO2(Mo)の沈着の前に堆積できる。前記の目的のために、SnCl4、HClおよび蒸留水を含む調製物をゆっくりと添加する一方、1MのNaOH、またはKOH溶液の連続的な添加によって、pHを一定(1.3〜1.7)に保持する。SnO2の堆積の間に、アミノ酸、例えばグリシンを添加することによって、形成されるSnO2被膜の品質を改善することが可能であり、それは隣接するTiO2またはTiO2(Mo)層の品質も改善する。
【0030】
該TiO2層はモリブデン(Mo)の他に、炭素、B23、Al23および/またはMgOを含むことができる。
【0031】
本発明の好ましい実施態様においては、SnO2とTiO2(Mo)との交互の層を、(透明な)板状基材上に沈着させる。
板状(透明)基材/[SnO2/TiO2(Mo)]n (n=1、2、3、4または5、特に2、3、4、または5)。
【0032】
本発明の他の好ましい実施態様においては、SnO2(Mo)とTiO2との交互の層を、(透明な)板状基材上に沈着させる。
板状(透明)基材/[SnO2(Mo)/TiO2n (n=1、2、3、4または5、特に2、3、4、または5)。
【0033】
本発明の他の好ましい実施態様においては、SnO2とTiO2(Nb)との交互の層を、(透明な)板状基材上に沈着させる。
板状(透明)基材/[SnO2/TiO2(Nb)]n (n=1、2、3、4または5、特に2、3、4、または5)。
【0034】
板状(透明)基材は好ましくは、天然マイカ、合成マイカ、SiO2フレーク、Al23フレーク、および天然ガラスフレーク、例えばパーライトフレーク、および合成ガラスフレークから選択される。
【0035】
TiO2(Mo)で被覆された製品を、500〜1000℃、特に600〜800℃の温度で、酸素含有雰囲気、例えば空気中、および/または無酸素雰囲気、例えばアルゴン、窒素、および/またはヘリウム中で、あるいは13Pa(10-1Torr)未満の減圧下で、焼成し、その際、酸素の存在または除外が異なる生成物をもたらすことができる。
【0036】
本発明の方法によって得られる顔料は非常に輝く色を有し、且つ、カラーフロップを示す。
【0037】
本発明の顔料は、小薄板状基材、およびSnO2の層、および/またはFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層であってMoおよび/またはWをドープされている層を含む。
【0038】
好ましくは、金属酸化物層は、該金属酸化物中の金属のモルに対して10モル%未満、特に5モル%未満のMoおよび/またはWを含む。
【0039】
好ましい金属酸化物は、TiO2である。好ましいドーピング剤はMoである。
【0040】
ドーピング剤の他に、該金属酸化物はさらなる金属酸化物を含むことができる。金属酸化物がTiO2である場合、該金属酸化物層はさらに、例えばB23、Al23および/またはMgOを含んでもよい。Fe23が存在する場合、Fe23とTiO2との比は好ましくは約1:9である。
【0041】
好ましい実施態様において、顔料は小薄板状基材と、(a)TiO2の層であってMoをドープされている層(TiO2(Mo))とを含む。
【0042】
層(a)の他に、本発明の顔料は金属、および誘電体材料、特に低屈折率および高屈折率の金属酸化物のさらなる層を含むことができる。
【0043】
半透明な金属層のために適した金属は、例えばCr、Ti、Mo、W、Al、Cu、Ag、AuまたはNiである。半透明の金属層は、典型的には5〜25nm、特に5〜15nmの厚さを有する。
【0044】
金属層は、湿式の化学的被覆によって、または化学気相成長、例えば金属カルボニルの気相成長によって得られる。基材を、媒体を含有する水性および/または有機溶剤中で、金属化合物の存在下で懸濁させ、そして還元剤を添加することによって基材上に堆積させる。該金属化合物は、例えば、硝酸銀またはアセチルアセトナトニッケル(WO03/37993号)である。
【0045】
US−B−3536520号によれば、金属化合物として塩化ニッケルを使用でき、且つ、還元剤として次亜リン酸塩を使用できる。EP−A−353544号によれば、以下の化合物を還元剤として湿式の化学的被覆のために使用できる:アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンザルアルデヒド)、ケトン(アセトン)、カルボン酸およびその塩(酒石酸、アスコルビン酸(ascorbinic acid))、レダクトン(イソアスコルビン酸(isoascorbinic acid)、トリオースレダクトン、レダクチン酸(reductine acid))、および還元糖(グルコース)。しかしながら、還元アルコール(アリルアルコール)、ポリオールおよびポリフェノール、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ジチオン酸塩、次亜リン酸塩、ヒドラジン、ホウ素と窒素との化合物、金属水素化物、およびアルミニウムとホウ素との水素化物の錯体を使用することも可能である。金属層の堆積をさらに、CVD法を用いて実施できる。この種の方法は公知である。この目的のために、流動床反応器が好ましく用いられる。EP−A−0741170号は、アルキルアルミニウム化合物を炭化水素を使用して不活性ガスの流れの中で還元することによるアルミニウム層の堆積を記載している。さらには、金属層を、EP−A−045851号内に記載の通り、加熱可能な流動床反応器内で、相応する金属カルボニルの気相分解によって堆積できる。この方法に関するさらなる詳細は、WO93/12182号内に提供されている。この場合、金属層の基材への適用に使用できる、薄い金属層の堆積のためのさらなる方法は、高真空中での金属の気相成長のための公知の方法である。それはVakuum−Beschichtung [真空被覆], 第1〜5巻;Frey, KienelおよびLoebl編集, VDI−Verlag,1995 内に詳細に記載されている。スパッタ法においては、担体と、板の形態での被覆材料(ターゲット)との間でガスの放電(プラズマ)を点火する。被覆材料はプラズマからの高エネルギーのイオン、例えばアルゴンイオンで照射され、それによって取り出されるか、または原子化される。原子化された被覆材料の原子または分子が担体上に沈着し、そして所望の薄い層を形成する。スパッタ法は、Vakuum−Beschichtung [真空被覆], 第1〜5巻;Frey, KienelおよびLoebl編集, VDI−Verlag,1995 内に記載されている。屋外での用途、特に車両用塗料における用途に使用するために、該顔料はさらなる天候安定化保護層、いわゆるポスト被覆と共に提供されてもよく、それは同時に結合剤系に対する最適な適合に影響する。この種のポスト被膜は、例えばEP−A−0268918号およびEP−A−0632109号内に記載されている。
【0046】
さらに好ましい実施態様において、該顔料は、小薄板状基材と、(a)層構造:TiO2(Mo)/TiO2、またはTiO2/TiO2(Mo)/TiO2; またはTiO2(Mo)/低屈折率の金属酸化物層、特にSiO2、Al23、AlOOH、B23、またはそれらの混合物(ここでアルカリまたはアルカリ土類金属酸化物は追加成分として含有される)/高屈折率の金属酸化物層、特にTiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23、ZnO、またはそれらの酸化物の混合物; またはTiO2(Mo)/低屈折率の金属酸化物層、特にSiO2、Al23、AlOOH、B23、またはそれらの混合物(ここでアルカリまたはアルカリ土類金属酸化物は追加成分として含有される)/TiO2(Mo)とを含む。
【0047】
適した小薄板形基材は、透明、部分的に反射性、または反射性である。それらの例は天然マイカ状鉄酸化物(例えばWO99/48634号内に記載)、合成およびドープされたマイカ状鉄酸化物(例えばEP−A−068311号内に記載)、マイカ(黒雲母、バーミキュライト、絹雲母、白雲母、金雲母、蛍光金雲母、カオリナイト、または関連物)、または任意の合成マイカ、例えば合成蛍光金雲母、塩基性炭酸鉛、フレーク状硫酸バリウム、MoS2、SiO2、Al23、TiO2、ガラス、ZnO、ZrO2、SnO2、BiOCl、クロム酸化物、BN、MgOフレーク、Si34、およびグラファイトである。特に好ましい基材は、マイカ、合成マイカ、SiO2フレーク、Al23フレーク、TiO2フレーク、およびガラスフレークである。
【0048】
他の好ましい実施態様は、平坦な金属粒子のコアとしての使用である。適した金属粒子の例は、Ag、Al、Au、Cu、Cr、Fe、Ge、Mo、Ni、Si、Ti、またはそれらの合金、例えば真鍮またはスチールのフレーク、好ましくはAlフレークである。材料に依存して、天然の光学的に非干渉の酸化物層を金属粒子の表面上に形成してよい。部分的に反射性のコアは、好ましくは、380〜800nmの範囲において、表面に垂直に当たる光の少なくとも35%の反射率を有する。
【0049】
前記の実施態様において、下記に示される構造を有する顔料が好ましい: Al/SiO2/TiO2(Mo)およびAl/SiO2/Fe23(Mo)。SiO2層の厚さは、10〜800nm、好ましくは50〜600nmの範囲であり、TiO2(Mo)およびFe23(Mo)層の厚さは、1〜500nm、好ましくは10〜150nmの範囲である。
【0050】
小薄板状基材のさらなる例は、小薄板状有機顔料、例えばキナクリドン、フタロシアニン、フルオロルビン、赤ペリレンまたはジケトピロロピロールである。
【0051】
本発明によれば、用語"アルミニウム"はアルミニウムおよびアルミニウム合金を含む。アルミニウム合金は、例えばG.WassermannのUllmanns Enzyklopaedie der lndustriellen Chemie, 4. Auflage, Verlag Chemie, Weinheim, Band 7、281〜292ページ内に記載されている。特に適しているのは、WO00/12634号の10〜12ページに記載されている腐食安定性のアルミニウム合金であり、それはアルミニウムの他に、ケイ素、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、ニッケル、バナジウム、鉛、アンチモン、スズ、カドミウム、ビスマス、チタン、クロムおよび/または鉄を20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で含む。
【0052】
本発明の1つの好ましい実施態様において、干渉顔料は、ここで約1.65よりも高い屈折率として定義される"高"屈折率を有する材料、および随意に、ここで約1.65以下の屈折率として定義される"低"屈折率を有する材料を含む。使用される様々な(誘電体)材料は、無機材料、例えば金属酸化物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属オキシハロゲン化物、金属硫化物、金属カルコゲナイド、金属窒化物、金属酸窒化物、金属炭化物、それらの組み合わせ、およびその種のもの、並びに有機誘電体材料を含む。それらの材料は、すぐに利用可能であり、且つ、物理または化学気相成長法によって、または湿式の化学的被覆法によって容易に適用できる。
【0053】
"高"屈折率を有する誘電体材料は、約1.65よりも高い、好ましくは約2.0よりも高い、最も好ましくは約2.2よりも高い屈折率を有する材料である。かかる誘電体材料の例は、亜鉛硫化物(ZnS)、亜鉛酸化物(ZnO)、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、炭素、インジウム酸化物(In23)、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、クロム酸化物(Cr23)、セリウム酸化物(CeO2)、イットリウム酸化物(Y23)、ユーロピウム酸化物(Eu23)、鉄酸化物、例えば酸化鉄(ll)/酸化鉄(lll) (Fe34) および酸化鉄(lll)(Fe23)、ハフニウム窒化物(HfN)、ハフニウム炭化物(HfC)、ハフニウム酸化物(HfO2)、ランタン酸化物(La23)、マグネシウム酸化物(MgO)、ネオジム酸化物(Nd23)、プラセオジム酸化物(Pr611)、サマリウム酸化物(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレニウム(Se23)、スズ酸化物(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)、またはそれらの組み合わせである。該誘電体材料は好ましくは金属酸化物である。該金属酸化物が、吸収特性を有する、または有さない、単独の酸化物または酸化物の混合物であることが可能であり、例えば、TiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23、またはZnOであって、TiO2を有するものは特に好ましい。
【0054】
使用される、適した低率(low index)の誘電体材料の限定されない例は、二酸化ケイ素(SiO2)、アルミニウム酸化物(Al23)、および金属フッ化物、例えばマグネシウムフッ化物(MgF2)、アルミニウムフッ化物(AlF3)、セリウムフッ化物(CeF3)、ランタンフッ化物(LaF3)、ナトリウムアルミニウムフッ化物(例えば、Na3AlF6またはNa5Al314)、ネオジムフッ化物(NdF3)、サマリウムフッ化物(SmF3)、バリウムフッ化物(BaF2)、カルシウムフッ化物(CaF2)、リチウムフッ化物(LiF)、それらの組み合わせ、または約1.65以下の屈折率を有する任意の他の低率材料を含む。例えば、ジエンまたはアルケン、例えばアクリレート(例えばメタクリレート)、ペルフルオロアルケンのポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)のポリマー、パリレン、p−キシレン、それらの組み合わせ、およびその種のものを含む有機モノマーおよびポリマーを低率材料として使用できる。さらに、先述の材料は、蒸着され、縮合され、且つ架橋した透明なアクリレート層を含み、それはUS−B−5877895号内に記載の方法によって堆積され、その明細書はここで参照を持って開示されるものとする。
【0055】
さらには、TiO2(Mo)を被覆された基材フレークを、EP−A−0982376号内に記載の通り、窒素ドープされた炭素層で被覆してもよい。EP−A−0982376号内に記載される方法は以下の工程を含む:
(a) TiO2(Mo)を被覆された基材フレークを液体中に懸濁させる工程、
(b) 適宜、表面改質剤および/または重合触媒を添加する工程、
(c) 工程(b)の前または後に、窒素および炭素原子を含む1つまたはそれより多くのポリマー、またはかかるポリマーを形成できる1つまたはそれより多くのモノマーを添加する工程、
(d) フレークの表面上にポリマーの被膜を形成する工程、
(e) 被覆されたフレークを単離する工程、および
(f) 被覆されたフレークを気体雰囲気中で100〜600℃の温度に加熱する工程。
【0056】
該ポリマーは、ポリピロール、ポリアミド、ポリアニリン、ポリウレタン、ニトリルゴムまたはメラミンホルムアルデヒド樹脂、好ましくはポリアクリロニトリル、または該モノマーはピロール誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはクロトンアミド、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはクロトンニトリル、最も好ましくはアクリロニトリルであってよい。
【0057】
好ましくは、該フレークを工程(f)において最初に100℃〜300℃に酸素含有雰囲気中で加熱し、そしてその後、200〜600℃に不活性ガス雰囲気中で加熱する。
【0058】
従って、本発明は透明な板状基材、
(a) SnO2層、および/またはFe23、TiO2、ZrO2、および/またはHfO2から選択され、Moおよび/またはWをドープされている金属酸化物層;および
(b) 層(a)の全表面上に、50〜95質量%の炭素、5〜25質量%の窒素、および0〜25質量%の水素、酸素および/または硫黄元素からなる層 (質量パーセントのデータは層(b)(PAN)の総質量に対する)
を含む顔料にも関する。
【0059】
窒素をドープされた炭素層の厚さは、一般に10〜150nm、好ましくは30〜70nmである。前記の実施態様において、好ましい顔料は以下の層構造を有する:
透明な板状基材/TiO2/PAN、透明の板状基材/TiO2/PAN/TiO2、透明な板状基材/TiO2/PAN/SiO2/PAN。
【0060】
低屈折率の金属酸化物、例えばSiO2、Al23、AlOOH、B23またはそれらの混合物、好ましくはSiO2を層(a)の上に適用することによって、および随意にさらなるTiO2層を前の層の上に適用することによって、色がより強く、且つより透明な顔料を得ることが可能である(EP−A−892832号、EP−A−753545号、WO93/08237号、WO98/53011号、WO9812266号、WO9838254号、WO99/20695号、WO00/42111号、およびEP−A−1213330号)。
【0061】
従って、好ましい干渉顔料は、層(a)の他に、さらに(b)低屈折率の金属酸化物を含み、その際、屈折率の差は少なくとも0.1である。さらに、高屈折率および低屈折率の金属酸化物の交互の層を含み、その際、少なくとも1層の高屈折率の層が層(a)である干渉顔料が好ましい。
【0062】
高屈折率の金属酸化物層の厚さは一般に10〜300nm、特に20〜200nmの範囲である。低屈折率の金属酸化物層の厚さは一般に1〜600nm、特に1〜400nmの範囲である。
【0063】
低屈折率を有する透明または半透明基材、特に天然または合成マイカ、他の層状シリケート、ガラス、Al23、SiOz、特にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)に基づき、基材の上に層(a)を有する小薄板状粒子が好ましい。
【0064】
以下の層構造を有する顔料が特に好ましい:
【表1】

(ここで、前記TRASUBは、低屈折率を有する透明または半透明基材であり、特に天然または合成マイカ、他の層状シリケート、ガラス、Al23、SiOz、特にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)であり、且つ、前記STLは半透明層、例えばCu、Ag、CrまたはSnの半透明金属層、または半透明炭素層であって、その際、二酸化スズを二酸化チタンおよび/またはTiO2(Mo)沈着の前に堆積できる)。30nmよりも厚いTiO2を有するTiO2層に隣接するSnO2層がルチル改質物を得るために有利である。
【0065】
板状基材は好ましくは、天然マイカ、合成マイカ、SiO2フレーク、Al23フレーク、および天然ガラスフレーク、例えばパーライトフレーク、および合成ガラスフレークから選択される。
【0066】
本発明の好ましい実施態様において、板状基材は合成マイカである。合成マイカがフルオロ金雲母であることが好ましい。フルオロ金雲母は、Shantou F.T.Z.Sanbao Pearl Luster Mica Tech Co., Ltd., (Guangdong、中国)から購入できる。フルオロ金雲母、KMg3AlSi3102は、湿式法の工程を使用して剥離される(exfoilated)。Sanbaoのフルオロ金雲母は、SEMで測定すると、平均厚さ0.4〜1.3ミクロンを有している。かかる湿式工程は中国特許公報CN1693200A号内に記載されている。中国特許公報CN1693199A号は、湿式法によって合成されたマイカ粉末を正確に分級するための方法を開示する関連特許である。両方の特許はSanbaoguangjing Mica Sci.&Tec.に挙げられ、且つ、ここで参照をもって開示されるものとする。該湿式工程は、多数の段階において水を媒体として使用する製造方法に関する。第一に、マイカ粉末を高圧の水ポンプを通過させて水圧式破砕を実施し、その後、脱水のために遠心分離した後、ローラーミルによって粉砕およびパルプ化する。マイカがローラーミルを通過した後、該マイカを分級プール内に、そして最終的に乾燥ストーブまたはオーブン内に供給してマイカの含水率が1%未満になるまでベークする。製造されたフルオロ金雲母は、合成マイカの有利な特性、例えば輝度、非腐食性(non−corrodibility)および有害物質、例えばHg、Pb、As等の不在を示す。他の明確な品質の特徴は高純度、特に低Fe含有率(<0.2%)を含む。
【0067】
背景上のきらめく銀パール色を有する顔料は、TiO2&Fe23(Mo)で合成マイカフレークを被覆することによって得られる。随意に、SnO2が基材とTiO2&Fe23(Mo)層との間に存在してよい。
【0068】
紫色に相応する、MoをドープされたTiO2層で被覆された合成マイカの粒子(フルオロ金雲母)、天然マイカ、パーライト等は赤外領域において興味深い高反射率を特徴とする。かかる粒子は例えば、以下の層構造を有する:
TRASUB/SnO2/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2、ここでTiO2層の総厚は90〜130nmの範囲内である。
【0069】
黒背景上で超白銀色を発する顔料は、SnO2/TiO2(Nb)/SnO2/TiO2(Nb)で合成マイカフレークを被覆することによって得られる。
【0070】
該顔料は、合成マイカフレークと蒸留水とを、密閉された反応器内で混合し、且つ約90℃に加熱し、pHを約1.8〜2.2に設定し、そしてTiOCl2、HCl、MoCl5、FeCl3および蒸留水を含む調製物をゆっくりと添加する一方、1MのNaOHまたはKOH溶液の連続的な添加によってpHを一定(1.8〜2.2)に保つことによって得られる。被覆された合成マイカフレークをろ過し、そして乾燥させる。
【0071】
TiO2&Fe23(Mo)で被覆された生成物を初めに500〜1000℃、特に600〜850℃の温度で、無酸素雰囲気、例えばアルゴン、窒素および/またはヘリウム中、または13Pa(10-1Torr)未満の減圧下で、そして次に、500℃〜1000℃、特に600〜850℃の温度で、酸素含有雰囲気、例えば乾燥空気などの中で焼成する。
【0072】
Fe23とTiO2との質量比は、1:1〜1:10、好ましくは約1:9である。
【0073】
MoはTiO2中のTiのモルに対して、0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%の量で含まれる。
【0074】
TiO2/Fe23(Mo)の厚さは一般に10〜300nm、特に20〜200nmの範囲である。
【0075】
本発明の他の好ましい実施態様においては、ガラスフレークを板状基材として使用できる。WO07/054379号が参照される。
【0076】
ガラスフレークは、例えばWO2004056716号内に記載される方法によって製造される。前記の方法によって、フレークは250nm未満の平均厚さ、且つ10パーセントの低さの厚さばらつきで製造され得る。
【0077】
屈折率を1.45〜1.65の間に調節するためのガラス組成物の改質が可能である。適したガラス材料の例は、Cガラス [SiO2 (65〜70%)、Al23 (2〜6%)、CaO (4〜9%)、MgO (0〜5%)、B23 (2〜7%)、Na2O&K2O (9〜13%)、ZnO (1〜6%)]、およびECRガラス [SiO2 (63〜70%)、Al23 (3〜6%)、CaO (4〜7%)、MgO (1〜4%)、B23 (2〜5%)、Na2O (9〜12%)、K2O (0〜3%)、TiO2 (0〜4%)、ZnO (1〜5%)]である。特に好ましいガラス材料は、>0.1%のTiO2、特に1%未満のTiO2を有するECRガラスである。ECRガラスのASTM C−338による軟化温度は、800℃未満、特に700℃未満である。ASTM C−338によれば、軟化点温度は、均質なガラス繊維(直径0.65mm、長さ23.5cmによる)が、その長さの上部10cmが特別な炉で1分あたり5℃の速度で加熱された場合に、それ自身の質量の下で1分あたり1.0ミリメートルの速度で伸長する温度である。
【0078】
かかるECRガラスフレークは例えば、GlassFlake Ltd.から入手可能である:
GF10は平均厚さ 約210nm、およびBET 2.2m2/gを有している。
GF350は、平均厚さ 約390nm、およびBET 1.2m2/gを有している。
両方の製品は、ASTM C338による軟化温度約688℃を有するECRガラスに基づいている。
【0079】
他の好ましい実施態様において、本発明の顔料は均一な層厚を有する合成SiO2フレークに基づき、且つ、好ましくはWO93/08237号に従って連続ベルト上での水ガラス溶液の凝固および加水分解によって製造される。均一な層厚の用語は、ここでは、粒子の乾燥層厚全体の約10%未満、例えば3〜10%、好ましくは3〜5%の層厚許容差を意味するとして理解されるべきである。フレーク形態の二酸化ケイ素粒子は一般に、アモルファス形態である。この種の合成フレークは天然材料、例えばマイカよりも有利であり、その層厚は所望の効果に関して調整でき、且つ層厚の許容差が限定的である。SiO2フレークの直径は通常、1〜250μm、好ましくは2〜100μmである。それらの厚さは200nm〜2μmである。WO03/068868号およびWO04/035693号は物理気相成長によるSiOz(0.7≦z≦2.0)フレークの製造を記載している。該SiOzフレークは高い平面平行度、および平均厚さの±10%、特に±5%の範囲に規定された厚さを有する。該SiOyフレークは、20〜2000nm、特に20〜500nm、最も好ましくは50〜350nmの厚さを有し、該フレークの直径は、5〜40μmのより好ましい範囲を有する約1〜60μmの好ましい範囲内である。
【0080】
他の好ましい実施態様において、本発明による顔料はAl23基材に基づいている。好ましくは、その構造と製造がEP0763573号内に記載されるAl23基材である。それらは0.1〜4質量%のチタン酸化物を含み、且つ、好ましくは5〜60μmの平均粒径、1μm未満の厚さ、および20より大きい形状因子を有する。しかしながら、特に好ましいのはEur.Coat.J., 04/99, pp.90〜96内に記載されている基材である。アルミナフレークとしても知られている、この種のAl23基材粒子は結晶成長法によって塩の溶融物から合成される。この方法で形成された小薄板形粒子は、抜群になめらかな表面を有し、且つ、非常に規則的な結晶の形を有している。基材粒子の平均直径は、本質的に決定的ではない。それは通常、1〜250μm、好ましくは2〜200μm、および特に5〜60μmの範囲である。基材粒子の形状因子は20より大きいが、より好ましくは50〜200の間である。
【0081】
他の好ましい実施態様において、本発明による顔料はパーライトフレークに基づいている。PCT/EP2008/058160号が参照される。パーライトは典型的には、72〜75%のSiO2、12〜14%のAl23、0.5〜2%のFe23、3〜5%のNa2O、4〜5%のK2O、0.4〜1.5%のCaO(質量に対して)、および低濃度の他の金属元素を含有する水和された天然ガラスである。パーライトは他の天然ガラスから、化学的に結合された水のより高い含有率(2〜10質量%)、ガラス質の真珠光沢の存在、および特徴的な同心または弓状のタマネギ状(即ち真珠状)の割れ目によって識別される。パーライトフレークを、粉砕、スクリーニング、および熱膨張を含み得る、WO02/11882号内に開示される方法によって調整してよい。制御された粒径分布、低い浮遊物含有率、および高い青色光輝度を有するパーライトフレークが好ましい。
【0082】
50ミクロン未満の中央粒径を有するパーライトフレークが好ましい。15〜50ミクロンの中央粒径を有するパーライトフレークが好ましく、且つ、20〜40ミクロンの中央粒径を有するパーライトフレークが最も好ましい。該パーライトフレークは10容積パーセント未満の浮遊物含有率、特に5容積パーセント未満の浮遊物含有率、非常に特に2容積パーセント未満の浮遊物含有率を有する。該パーライトフレークは80より高い、特に82より高い、非常に特に85より高い青色光輝度を有する。該パーライトフレークは<2μm、特に200〜1000nm、特に200〜600nmの平均厚さを有する。現在、フレークの直径(中央粒径(d50))が、約20〜40μmのより好ましい範囲を有する約15〜50μmの好ましい範囲内であることが好まれている。
【0083】
パーライトのFe23含有率は、好ましくは2%未満、特に0%である。
【0084】
現在のところ、最も好ましいパーライトはOptimat(商標)2550(World Minerals)である。10μm未満の粒径を有する粒子が例えば沈殿または遠心分離によって除去されていれば、パーライト、例えばOptimat(商標)1735(World Minerals)を使用してもよい。
【0085】
金属酸化物層をCVD(hemical apour eposition、化学気相成長)または湿式の化学的被覆によって適用できる。金属酸化物層は、水蒸気の存在中(比較的低分子量の金属酸化物、例えばマグネタイト)、あるいは酸素、および適宜、水蒸気の存在中(例えばニッケル酸化物およびコバルト酸化物)での金属カルボニルの分解によって得られる。金属酸化物層は特に、金属カルボニル(例えば、鉄ペンタカルボニル、クロムヘキサカルボニル;EP−A−45851号)の酸化性気相分解によって、金属アルコレート(例えば、チタンおよびジルコニウム テトラ−n−および−イソ−プロパノレート; DE−A−4140900号)、または金属ハライド(例えば、四塩化チタン; EP−A−338428号)の加水分解性気相分解によって、有機スズ(organyl tin)化合物(特にアルキルスズ化合物、例えばテトラブチルスズおよびテトラメチルスズ; DE−A−4403678号)の酸化性分解によって、またはEP−A−668329号内に記載される、有機ケイ素(organyl silicon)化合物(特にジ−tert−ブトキシアセトキシシラン)化合物の気相加水分解によって適用され、その塗布作業を流動床型反応器内で実施することが可能である(EP−A−045851およびEP−A−106235)。Al23層(B)は有利には、アルミニウム被覆顔料の冷却の間に、制御された酸化によって得られ、別な方法では不活性ガス下で実施される(DE−A−19516181号)。
【0086】
ホスフェート、クロメート、および/またはバナデートを含有する金属酸化物層、および同様にホスフェートおよびSiO2を含有する金属酸化物層をDE−A−4236332号およびEP−A−678561号内に記載されるパッシベーション法に従って、金属の酸化物ハライド(例えばCrO2Cl2、VOCl3)、特にリンオキシハライド(例えばPOCl3)、リン酸および亜リン酸エステル(例えばジ−およびトリ−メチル、およびジ−およびトリ−エチルホスフィット)の、およびアミノ基含有有機ケイ素化合物(例えば3−アミノプロピル−トリエトキシおよびトリメトキシ−シラン)の加水分解性または酸化性気相分解によって適用できる。
【0087】
ジルコニウム、チタン、鉄および亜鉛の金属酸化物層、それらの金属の酸化物の水和物、チタン酸鉄、チタン亜酸化物、またはそれらの組み合わせが湿式の化学的方法による沈殿によって好ましく適用される。湿式の化学的被覆の場合、真珠箔顔料の製造のために開発された湿式の化学的被覆法を使用してよい; それらは例えばDE−A−1467468号、DE−A−1959988号、DE−A−2009566号、DE−A−2214545号、DE−A−2215191号、DE−A−2244298号、DE−A−2313331号、DE−A−2522572号、DE−A−3137808号、DE−A−3137809号、DE−A−3151343号、DE−A−3151354号、DE−A−3151355号、DE−A−3211602号、およびDE−A−3235017号、DE1959988号、WO93/08237号、WO98/53001号、およびWO03/6558号内に記載されている。
【0088】
高屈折率の金属酸化物は、好ましくはTiO2および/または鉄酸化物であり、且つ、低屈折率の金属酸化物は好ましくはSiO2である。TiO2の層は、ルチルまたはアナターゼ改質されていてよく、その際、ルチル改質物が好ましい。
【0089】
被覆の目的のために、基材粒子を水中に懸濁させ、且つ1つまたはそれより多くの加水分解可能な金属塩を、加水分解に適したpHで添加し、それは金属酸化物または金属酸化物の水和物が、副次的な沈着を生じることなく、直接的に粒子上へ沈着するように選択される。該pHは通常、同時に塩基を計量供給することによって一定に保たれる。該顔料をその後、分離し、洗浄し、乾燥させ、そして適宜、焼成する。焼成温度をその被覆に関して最適化することが可能である。所望の場合、個々の被膜を適用した後、該顔料を分離し、乾燥させ、そして適宜焼成し、そしてその後、再度、さらなる層を沈着させる目的で再懸濁させる。
【0090】
例えば、金属酸化物層を、DE−A−19501307号内に記載される方法と類似して、金属酸化物層を、1つまたはそれより多くの金属酸エステルの制御された加水分解によって、適宜、有機溶剤および塩基性触媒の存在中で、ゾル−ゲル法によって製造することによって得ることもできる。適した塩基性触媒は例えば、アミン、例えばトリエチルアミン、エチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、およびメトキシプロピルアミンである。有機溶剤は、水混和性有機溶剤、例えばC1〜C4−アルコール、特にイソプロパノールである。
【0091】
適した金属酸エステルは、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウムおよびホウ素の、アルキルおよびアリールアルコレート、カルボキシレート、およびカルボキシル基またはアルキル基またはアリール基置換アルキルアルコレートまたはカルボキシレートから選択される。トリイソプロピルアルミネート、テトライソプロピルチタネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラエチルオルソシリケートおよびトリエチルボレートの使用が好ましい。さらに、上述の金属のアセチルアセトナトおよびアセトアセチルアセトナトを使用できる。この種の金属酸エステルの好ましい例は、ジルコニウムアセチルアセトナト、アルミニウムアセチルアセトナト、チタンアセチルアセトナトおよびジイソブチルオレイルアセトアセチルアルミネートまたはジイソプロピルオレイルアセトアセチルアセトナトおよび金属酸エステルの混合物、例えばDynasil(登録商標)(Huels)、混合されたアルミニウム/ケイ素金属酸エステルである。
【0092】
高屈折率を有する金属酸化物として、二酸化チタンが好ましく使用され、US−B−3553001号内に記載される方法が、本発明の実施態様による二酸化チタン層の適用のために使用される。
【0093】
チタン塩水溶液をゆっくりと被覆される材料の懸濁液に添加する。その懸濁液は約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱されており、且つ、同時に塩基、例えばアンモニア水溶液、またはアルカリ金属水酸化物水溶液を計量供給することによって、本質的に一定のpH値、約0.5〜5、特に約1.2〜2.5に維持されている。沈着したTiO2の所望の層厚が達成されたらすぐに、チタン塩および塩基の添加を停止する。出発溶液中へのAl23またはMgOの前駆体の添加は、TiO2層のモフォロジーを改善する手段である。
【0094】
"滴定法"としても示されるこの方法は、過剰なチタン塩が避けられるという事実によって識別される。それは単位時間あたりの加水分解で水和されるTiO2での一様な被覆に必要であり、且つ、被覆される粒子の利用可能な表面によって単位時間あたりに吸収される量のみを供給することによって達成される。原理的に、アナターゼ型のTiO2が出発顔料の表面上に形成される。しかしながら、少量のSnO2の添加によって、ルチル構造の形成を強化することが可能である。例えば、WO93/08237号内に記載される通り、二酸化スズを二酸化チタンの沈着の前に堆積でき、且つ、二酸化チタンで被覆された生成物を800〜900℃で焼成できる。
【0095】
適宜、SiO2(保護)層を二酸化チタン層表面に適用でき、そのために以下の方法を使用してよい:ソーダ水ガラス溶液を、被覆される材料の懸濁液中に計量供給する。その懸濁液は約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱されている。10%の塩酸を同時に添加することによって、pHを4〜10、好ましくは6.8〜8.5に維持する。水ガラス溶液の添加後、攪拌を30分間実施する。
【0096】
TiO2層の表面に"低"屈折率、即ち屈折率が約1.65よりも低い金属酸化物、例えばSiO2、Al23、AlOOH、B23またはそれらの混合物、好ましくはSiO2を適用すること、およびさらにFe23および/またはTiO2層を前の層の表面に適用することによって、色がより強く且つよりより透明な顔料を得ることが可能である。透明または半透明基材、および高屈折率と低屈折率との交互の金属酸化物層を含む、かかる多層被覆干渉顔料を、WO98/53011号およびWO99/20695号内に記載されている方法と類似して製造できる。
【0097】
さらに、さらなる層、例えば着色された金属酸化物、またはベルリンブルー、遷移金属、例えばFe、Cu、Ni、Co、Crの化合物、または有機化合物、例えば染料またはカラーレーキなどを適用することによって、顔料の粉末の色を修正することが可能である。
【0098】
さらに、本発明による顔料を、難溶性でしっかりと付着する無機または有機の着色剤で被覆してもよい。好ましいのは、カラーレーキ、および特にアルミニウムカラーレーキの使用である。その目的のために、第二の段階でカラーレーキを使用することによって染められた(laked)アルミニウム水酸化物を沈着させる(DE−A−2429762号およびDE−A−2928287号)。
【0099】
さらには、本発明による顔料は、錯塩顔料、特にシアノ鉄酸塩錯体を用いたさらなる被覆物を有してもよい(EP−A−141173号およびDE−A−2313332号)。
【0100】
天候および光安定性を強化するために、多層フレークを用途の分野に依存して表面処理に供することができる。有用な表面処理は、例えばDE−A−2215191号、DE−A−3151354号、DE−A−3235017号、DE−A−3334598号、DE−A−4030727号、EP−A−649886号、WO97/29059号、WO99/57204号、US−A−5759255号、WO08/068152および欧州特許出願第08155993.2号内に記載されている。前記の表面処理は、顔料の取り扱い、特に様々な用途の媒体内へのその取り込みを容易にすることもある。
【0101】
好ましい実施態様において、本発明はAl23&TiO2(Mo)の混合層を含む顔料を教示する。該混合層は、20モル%までのAl23を含有できる。Al23&TiO2(Mo)の混合層は、アルミニウム、モリブデン塩およびチタン塩水溶液をゆっくりと被覆される材料の懸濁液に添加することによって得られ、その懸濁液は約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱されており、且つ、同時に塩基、例えばアンモニア水溶液、またはアルカリ金属水酸化物水溶液を計量供給することによって、本質的に一定のpH値、約0.5〜5、特に約1.2〜2.5に維持されている。沈着したAl23&TiO2(Mo)の所望の層厚が達成されたらすぐに、チタンおよびアルミニウム塩溶液、および塩基の添加を停止する。
【0102】
Al23&TiO2(Mo)の混合層の厚さは一般に、20〜200nm、特に50〜150nmの範囲である。好ましくは、該顔料は1〜50nm、特に10〜20nmの厚さを有する、Al23&TiO2(Mo)の混合層の表面上のTiO2層を含む。Al23&TiO2(Mo)の混合層の厚さを変化させることによって、顔料のフロップを強化でき、且つ、望み通りに制御できる。
【0103】
他の好ましい実施態様において、本発明は、透明な板状基材のコアを含有し、且つ、SnO2とTiO2(Mo)との下記の層からなる顔料を教示する:
TRASUB/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)、
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)、
(ここで、前記TRASUBは低屈折率を有する透明または半透明の基材、特に天然または合成マイカ、他の層状シリケート、ガラス、Al23、SiOz、特にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.7≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)である)。
【0104】
他の好ましい実施態様において、本発明は以下の層構造を有する顔料を教示する:
TRASUB/Fe23(Mo)
TRASUB/TiO2&Fe23(Mo)
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
(ここで、前記TRASUBは上で定義された通りであり、且つTiO2&Fe23はTiO2とFe23との混合層を意味する)。
【0105】
他の好ましい実施態様において、本発明は以下の層構造を有する顔料を教示する:
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
(ここで、前記TRASUBは上で定義された通りである)。
【0106】
他の好ましい実施態様において、本発明は以下の層構造を有する顔料を教示する:
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2(Mo);
(ここで、前記TRASUBは上で定義された通りである)。
【0107】
TiO2(Mo)またはTiO2層の厚さは一般に、20〜200nm、特に50〜150nmの範囲である。SnO2層の厚さは一般に1〜20nm、特に1〜10nmの範囲である。
【0108】
透明な板状基材は、好ましくは天然または合成マイカ、他の層状シリケート、天然または合成ガラス、Al23、またはSiO2からなる。
【0109】
金属または非金属の、無機の小薄板形粒子または顔料は、効果顔料(特に金属効果顔料または干渉顔料)、即ち、適用媒体に色を付与する他に、さらなる特性、例えば色の角度依存性(フロップ)、ラスター(表面の光沢ではない)、または質感を付与する顔料である。金属効果顔料上では、方向性を持って配向した顔料粒子のところで、本質的に配向した反射が起きる。干渉顔料の場合、色の付与効果は、薄い高屈折率の層における光の干渉現象による。
【0110】
本発明による(効果)顔料を、全ての通例の目的、例えばかたまりの中のポリマーを着色し、被覆物(効果仕上げを含む、自動車分野のためのものを含む)、および印刷インク(オフセット印刷、凹版印刷、ブロンズ印刷およびフレキソ印刷を含む)のために、および同様に、例えば化粧品における、インクジェット印刷における用途のために、テキスタイルを染色するために、セラミックスおよびガラス用の上薬、並びに紙およびプラスチックのレーザーマーキングに使用できる。かかる用途は、参考文献、例えば"Industrielle Organische Pigmente" (W. HerbstおよびK. Hunger, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim/New York, 第二版, 完全改訂版, 1995)から公知である。本発明による顔料が干渉顔料(効果顔料)である場合、それらはゴニオクロマチック(goniochromatic)であってよく、且つ、光沢のある高く飽和した(艶のある)色をもたらす。従って、それらは通常の透明顔料、例えば有機顔料、例えばジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、イソインドリノン等との組み合わせに非常に特に適しており、透明顔料が効果顔料と同様の色を有することが可能である。しかしながら、特に興味深い組み合わせの効果は、例えばEP−A−388932号またはEP−A−402943号と類似して、透明顔料の色および効果顔料の色が相補的である場合に得られる。
【0111】
本発明による顔料を、高分子量有機材料の顔料着色について優れた結果で使用できる。
【0112】
本発明による顔料または顔料組成物の使用できる顔料着色のための高分子量有機材料は、天然または合成由来であってよい。高分子量有機材料は通常、約103〜108g/molまたはそれより高い分子量を有する。それらは例えば、天然樹脂、乾性油、ゴムまたはカゼイン、またはそれらに由来する天然物質、例えば塩化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルまたはエステル、例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセトブチレートまたはニトロセルロース、しかし特に完全に合成された有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチック)、重合、重縮合または重付加によって得られるものであってよい。重合樹脂の類から、特にポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイソブチレン、および同様に置換されたポリオレフィン、例えば塩化ビニルの重合生成物、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはブタジエン、および同様に前記のモノマーの共重合生成物、例えば特にABSまたはEVAが挙げられる。
【0113】
重付加樹脂および重縮合樹脂の系から、例えばホルムアルデヒドとフェノールとの縮合生成物、いわゆるフェノプラスト、およびホルムアルデヒドとウレア、チオウレアまたはメラミンとの縮合生成物、いわゆるアミノプラスト、および表面被覆樹脂として使用されるポリエステル(前記は飽和したもの、例えばアルキド樹脂、あるいは不飽和のもの、例えばマレイン酸樹脂のいずれか)、同様に、直鎖ポリエステルおよびポリアミド、ポリウレタンまたはシリコーンが挙げられる。
【0114】
前記の高分子量化合物は、単独または混合物で、プラスチックの塊または溶融物の形態で存在してよい。それらは、それらのモノマーの形態、または重合された状態で、溶解された形態で、被覆物または印刷インク用の膜形成剤または結合剤として存在してもよく、例えば煮あまに油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、およびウレアホルムアルデヒド樹脂、またはアクリル樹脂である。
【0115】
意図される目的に依存して、本発明による効果顔料または効果顔料組成物をトナーとして、または調製物の形態で使用することが有利であることが証明されている。高分子量有機材料、特にポリエチレンの着色のための効果顔料の使用に悪影響を及ぼさなければ、調整方法または意図されている用途に依存して、調整工程の前または後に、特定の量の質感改善剤を効果顔料に添加することが有利であることがある。適した薬剤は、特に、少なくとも18個の炭素原子を含有する脂肪酸、例えばステアリン酸またはベヘン酸、またはそれらのアミドまたは金属塩、特にマグネシウム塩、および同様に可塑剤、ワックス、樹脂酸、例えばアビエチン酸、ロジン石鹸、アルキルフェノールまたは脂肪族アルコール、例えばステアリルアルコール、または8〜22個の炭素原子を含有する脂肪族の1,2−ジヒドロキシ化合物、例えば1,2−ドデカンジオール、および同様に変性コロホニウムマレイン酸樹脂またはフマル酸コロホニウム樹脂である。質感改善剤を、最終生成物に対して好ましくは0.1〜30質量%、特に2〜15質量%の量で添加する。
【0116】
本発明による(効果)顔料を、任意の着色に効果的な量で、顔料着色される高分子量有機材料に添加できる。高分子量有機材料と、該高分子量有機材料に対して0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜30質量%の本発明による顔料とを含む、顔料着色物質組成物が有利である。実際には、1〜20質量%、特に約10質量%の濃度がしばしば使用される。
【0117】
高濃度、例えば30質量%よりも高い濃度は通常、比較的低い顔料含有率を有する顔料着色材料を製造するための着色剤として使用できる濃縮物("マスターバッチ")の形態であり、本発明による顔料は通例の配合物内で抜群に低い粘度を有しているので、それらをまだ良好に加工できる。
【0118】
有機材料の顔料着色の目的のために、本発明による効果顔料を単独で使用してよい。しかしながら、種々の色相または色の効果を達成するために、本発明による効果顔料に加えて、任意の所望の量の他の色付与成分、例えば白、着色、黒または効果顔料を高分子量有機物質に添加することもまた可能である。着色顔料が本発明による効果顔料との混合物で使用される場合、その総量は高分子量有機材料に対して好ましくは0.1〜10質量%である。特に、本発明による効果顔料と他の色、特に補色の着色顔料との好ましい組み合わせによって、高いゴニオクロマチック性が提供され、効果顔料を使用して得られる呈色および着色顔料を使用して得られる呈色は、測定角度10゜で、20〜340、特に150〜210の色相(ΔH*)の差を有する。
【0119】
好ましくは、本発明による効果顔料を透明な着色顔料と組みあわせ、透明な着色顔料が本発明による効果顔料と同一の媒体中に存在することも、あるいは近い媒体中に存在することも可能である。効果顔料と着色顔料とが有利に近い媒体中に存在する配置の例は、多層効果被覆物である。
【0120】
本発明による顔料を用いた高分子量有機物質の顔料着色を、例えばかかる顔料を、適宜マスターバッチの形態で、ロールミルまたは混合または粉砕装置を使用して、基材と混合することによって実施する。顔料着色された材料をその後、自体公知の方法、例えばカレンダー加工、圧縮成形、押出、塗布、流し込みまたは射出成形を使用して所望の最終形態にもたらす。プラスチック産業において通例の任意の添加剤、例えば可塑剤、充填剤または安定剤を通例の量で、顔料の取り込みの前または後に、ポリマーに添加できる。特に、非硬質の成形物品を製造するために、またはそれらの脆弱性を低減するために、可塑剤、例えばリン酸、フタル酸、またはセバシン酸のエステルを、成形に先だって高分子量化合物に添加することが望ましい。
【0121】
被覆物または印刷インクを顔料着色するために、高分子量有機材料および本発明による効果顔料を、適宜、通例の添加剤、例えば充填剤、他の顔料、乾燥剤または可塑剤などと共に、同一の有機溶剤または溶剤混合物中で微細に分散させるか、あるいは溶解させる。個々の化合物を別々に溶解または分散させるか、あるいは多数の成分を共に溶解または分散させることが可能であり、そしてそれ以降にのみ、全ての成分が一緒にされる。
【0122】
本発明による効果顔料を、顔料着色される高分子量有機材料中で分散させること、および本発明による顔料組成物を加工することは、効果顔料はより小さい部分へと崩壊しないように、好ましくは比較的弱い剪断力のみが生じる下の条件に供して実施される。
【0123】
プラスチックは、本発明の顔料を0.1〜50質量%、特に0.7〜7質量%の量で含む。被覆物の分野においては、本発明の顔料を0.1〜10質量%の量で用いる。結合剤系の顔料着色において、例えば凹版印刷、オフセット印刷またはスクリーン印刷のための塗料および印刷インクのためには、該顔料が印刷インク中に0.1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、および特に8〜15質量%の量で取り込まれる。
【0124】
例えばプラスチック、被覆物または印刷インク中で、特に被覆物または印刷インク中で、さらに特に被覆物中で得られる呈色は、優れた特性によって、特に極めて高い飽和、抜群の固着特性、高い色純度および高いゴニオクロマチック性によって識別できる。
【0125】
顔料着色される高分子量材料が被覆物である場合、それは特に特殊な被覆物、非常に特に自動車の仕上げである。
【0126】
本発明による効果顔料は、唇または肌のメイクアップ用に、および髪または爪のカラーリングのためにも適している。
【0127】
従って本発明は、化粧品調製物または配合物の総質量に対して0.0001〜90質量%の本発明による顔料、特に効果顔料と、10〜99.999質量%の化粧品に適した担体材料とを含む、化粧品調製物または配合物にも関する。
【0128】
かかる化粧品調製物または配合物は、例えば、リップスティック、ほお紅、ファンデーション、マニキュアおよび髪用シャンプーである。
【0129】
該顔料を、単独または混合物の形態で使用してよい。さらに、本発明による顔料を他の顔料、および/または着色剤、例えば上に記載された通りの組み合わせ、または公知の化粧品調製物と共に使用することが可能である。本発明による化粧品調製物および配合物は、好ましくは本発明による顔料を、その調製物の総質量に対して0.005〜50質量%の量で含有する。
【0130】
本発明による化粧品調製物および配合物に適した担体材料は、かかる組成物中で使用される通例の材料を含む。
【0131】
本発明による化粧品調製物および配合物は、例えば、スティック、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、分散液、粉末、または溶液の形態であってよい。それらは、例えばリップスティック、マスカラ調製物、ほお紅、アイシャドウ、ファンデーション、アイライナー、粉末またはマニキュアである。
【0132】
調製物がスティックの形態、例えばリップスティック、アイシャドウ、ほほ紅またはファンデーションである場合、該調製物は大部分が脂肪質の化合物で構成され、前記化合物は1つまたはそれより多くのワックス、例えばオゾケライト、ラノリン、ラノリンアルコール、水素化ラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリンろう、蜜ろう、カンデリラろう、微結晶ろう、カルナウバろう、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ココアバター、ラノリン脂肪酸、ペトロラタム、ペトロラタムゼリー、モノ−、ジ−またはトリ−グリセリド、または25℃で固体のそれらの脂肪エステル、シリコーンワックス、例えばメチルオクタデカン−オキシポリシロキサンおよびポリ(ジメチルシロキシ)−ステアロキシシロキサン、ステアリン酸モノエタノールアミン、松脂(colophane)およびそれらの誘導体、例えばグリコールアビエテートおよびグリセロールアビエテート、25℃で固体の水素化油、糖グリセリドおよびオレエート、ミリステート、ラノレート(lanolate)、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよびアルミニウムのステアレートおよびジヒドロキシステアレートからなってよい。
【0133】
脂肪成分は、少なくとも1つのワックスおよび少なくとも1つの油の混合物からなってもよく、その場合、例えば以下の油が適している: パラフィン油、パーセリン油(purcelline oil)、ペルヒドロスクアレン、甘扁桃油、アボカド油、カロフィルム油、ヒマシ油、ゴマ油、ホホバ油、約310〜410℃の沸点を有する鉱油、シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、オレイルアルコール、穀粒油、例えば麦芽油、イソプロピルラノレート(lanolate)、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、セチルミリステート、ヘキサデシルステアレート、ブチルステアレート、デシルオレエート、アセチルグリセリド、アルコールおよびポリアルコールの、例えばグリコールおよびグリセロールの、オクタノエートおよびデカノエート、アルコールおよびポリアルコールの、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコールのリシノレエート、イソセチルラノレート、イソプロピルアジペート、ヘキシルラウレートおよびオクチルドデカノール。
【0134】
スティックの形態のかかる調整物中での脂肪成分は、一般に調製物の総質量の99.91質量%までを構成してよい。
【0135】
本発明による化粧品調製物および配合物は追加的に、さらなる成分、例えばグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノアルカノールアミド、無着色ポリマーの、無機の、または有機の充填剤、保存剤、UVフィルタ、または化粧品において通例の他の補助剤および添加剤、例えば天然または合成または部分的に合成されたジ−またはトリ−グリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、ゲルベ(Guerbet)アルコールまたはそれらのエステル、日焼け防止フィルタを含む親油性の機能性化粧品有効成分、またはかかる物質の混合物などを含んでよい。
【0136】
肌用化粧品に適した親油性の機能性化粧品有効成分、有効成分組成物、または有効成分抽出物は、皮膚または局所的な適用のために認可された成分または成分の混合物である。例として以下のものを挙げることができる。
【0137】
・ 肌表面および髪の洗浄作用を有する有効成分; それらは肌の洗浄のためにはたらく全ての物質、例えばオイル、石鹸、合成洗浄剤、および固形物質を含む。
【0138】
・ 脱臭および発刊抑制作用を有する有効成分: それらはアルミニウム塩または亜鉛塩に基づく発汗抑制剤、殺菌性または静菌性脱臭物質、例えばトリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコールおよびカチオン性物質、例えば第四級アンモニウム塩などを含む脱臭剤、および匂い吸収剤、例えばGrillocin(登録商標) (リシノール酸亜鉛と様々な添加剤との組み合わせ)またはトリエチルシトレート(随意に酸化防止剤、例えばブチルヒドロキシトルエンなどとの組み合わせ)またはイオン交換樹脂を含む。
【0139】
・ 日光に対する保護を提供する有効成分(UVフィルタ):適した有効成分は、日光からのUV光線を吸収し、且つそれを熱に変換できるフィルタ物質(日焼け止め)である; 所望の作用に依存して、以下の遮光剤が好ましい:約280〜315nmの領域の日焼けを起こす高エネルギーUV光線を選択的に吸収し(UV−B吸収剤)、且つ、より長波長領域、例えば315〜400nm(UV−A領域)は透過させる遮光剤、並びに315〜400nmのUV−A領域のより長い波長の光線のみを吸収する遮光剤(UV−A吸収剤); 適した遮光剤は、例えばp−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフラン誘導体の類からの有機UV吸収剤、
1つまたはそれより多くのオルガノシラン基、ケイ皮酸誘導体、樟脳誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、フェニル−ベンズイミダゾールスルホン酸およびそれらの塩、メンチルアントラニレート、ベンゾトリアゾール誘導体、および/またはアルミニウム酸化物または二酸化ケイ素で被覆されたTiO2、亜鉛酸化物またはマイカから選択される無機の微細顔料を含む、ポリマーのUV吸収剤である。
【0140】
・ 虫に対する有効成分(忌避剤)は、虫が肌に触れ、且つそこで活性になることを防ごうとしている薬剤である; それらは虫を遠ざけ、そしてゆっくりと蒸発する; 最も頻繁に使用される忌避剤は、ジエチルトルアミド(DEET)である; 他の通例の忌避剤は、例えば"Pflegekosmetik" (W. RaabおよびU. Kindl, Gustav−Fischer−Verlag Stuttgart/New York, 1991)内の161ページに見出される。
【0141】
・ 化学的および機械的な影響に対して保護するための有効成分: それらは肌と外部の有害物質との間にバリアを形成する全ての物質、例えば水溶液に対する保護のためのパラフィン油、シリコーン油、植物油、PCL製品およびラノリン、有機溶剤の作用に対する保護のための膜形成剤、例えばナトリウムアルギネート、トリエタノールアミンアルギネート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールまたはセルロースエステル、または肌上の苛酷な機械的応力に対する保護のための"潤滑剤"としての鉱油、植物油、またはシリコーン油に基づく物質などを含む。
【0142】
・ 保湿物質: 以下の物質が、例えば保湿調整剤(保湿剤)として使用される: 乳酸ナトリウム、ウレア、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチンおよびヒアルロン酸。
【0143】
・ 角質軟化(keratoplastic)効果を有する有効成分: 過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、コロイド状硫黄、およびレソルシノール。
【0144】
・ 抗菌物質、例えばトリクロサンまたは第四級アンモニウム化合物など。
【0145】
・ 油性または油溶性ビタミン、または皮膚に適用できるビタミン誘導体: 例えば、ビタミンA(遊離酸またはそれらの誘導体の形態でのレチノール)、パンテノール、パントテン酸、葉酸、およびそれらの組み合わせ、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF; 必須脂肪酸; またはナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)。
【0146】
・ ビタミンに基づく胎盤抽出物: 特にビタミンA、C、E、B1、B2、B6、B12、葉酸およびビオチン、アミノ酸、およびエンザイム、並びに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄または銅の化合物を含む有効成分組成物。
【0147】
・ 肌修復複合物: ビフィズス属のバクテリアの不活性化および分解された培養物から得られるもの。
【0148】
・ 植物および植物抽出物: 例えばアルニカ、アロエ、サルオガセ、キヅタ、イラクサ、ニンジン、ヘンナ、カミツレ、マリゴールド、ローズマリー、セージ、トクサまたはタイム。
【0149】
・ 動物抽出物: 例えばローヤルゼリー、蜂膠、タンパク質、または胸腺抽出物(thymus extract)。
【0150】
・ 皮膚に適用される化粧油: Miglyol812型の中性油、杏仁油、アボカド油、ババスー油、綿実油、ルリヂサ油、アザミ油、落花生油、ガンマオリザノール、ローズヒップシード油、ヘンプ油、ヘーゼルナッツ油、黒スグリシード油、ホホバ油、サクランボ種油(cherry−stone oil)、サケ油、あまに油、コーンシード油、マカダミアナッツ油、扁桃油、マツヨイグサ油、ミンク油、オリーブ油、ピーカンナッツ油、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、種もみ油(rice−seed oil)、ヒマシ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ひまわり油、チャノキ油、グレープシード油または麦芽油。
【0151】
スティックの形態の調製物は好ましくは無水物であるが、しかし特定の場合においては特定の量の水を含み、しかしながら一般には化粧品調製物の総質量に対して40質量%を上回らない。
【0152】
本発明による化粧品調製物および配合物が半固体の製品の形態、即ち軟膏またはクリームの形態である場合、それらは同様に無水物または水性であってよい。かかる調製物および配合物は、例えば、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、ほお紅、アイシャドウ、または目の下のクマを処理するための組成物である。
【0153】
他方、かかる軟膏またはクリームが水性である場合、それらは特に、顔料の他に1〜98.8質量%の脂肪相、1〜98.8質量%の水相、および0.2〜30質量%の乳化剤を含む、油中水型または水中油型のエマルションである。
【0154】
かかる軟膏およびクリームは、さらなる通常の添加物、例えば香料、酸化防止剤、保存剤、ゲル化剤、UVフィルタ、着色剤、顔料、真珠箔剤、無着色ポリマー、並びに無機または有機充填剤なども含んでよい。該調製物が粉末の形態である場合、それらは本質的に鉱物または無機または有機充填剤、例えば滑石、カオリン、デンプン、ポリエチレン粉末またはポリアミド粉末、並びに補助剤、例えば結合剤、着色剤等などからなる。
【0155】
かかる調製物は、同様に、化粧品中に通常用いられる様々な補助剤、例えば芳香剤、酸化防止剤、保存剤等を含んでよい。
【0156】
本発明による化粧品調製物および配合物がマニキュアである場合、それらは本質的に溶剤系中の溶液の形態のニトロセルロースおよび天然または合成ポリマーからなり、該溶液は他の補助剤、例えば真珠箔剤を含むことが可能である。
【0157】
本実施態様において、着色ポリマーが約0.1〜5質量%の量で存在する。
【0158】
本発明による化粧品調製物および配合物を、髪のカラーリングに使用してもよく、その場合、それらは通常、化粧品産業および本発明による顔料に用いられるベース物質で構成されるシャンプー、クリームまたはジェルの形態で使用される。
【0159】
本発明による化粧品調製物および配合物は、通常通りに、例えば成分を共に混合または攪拌し、混合物が溶融するように随意に加熱しながら製造される。
【0160】
本発明の様々な特徴および態様を以下の実施例においてさらに説明する。それらの実施例は当業者に対してどのように本発明の範囲を機能させるかを示すために与えられるが、それらは本発明の範囲の限定として提供されるのではなく、かかる範囲は請求項内にのみ定義される。以下の実施例および明細書内の他の場所および請求項において特段示されない限り、全ての部およびパーセントは質量に対するものであり、温度は摂氏度であり、且つ、圧力は大気圧またはその近傍である。
【0161】
実施例
実施例1
20gの天然マイカ(粒径10〜60ミクロン、比表面積3.5m2/g)を水中に90℃で懸濁させ、HClを用いてそのpHを1.5に設定する。
1) 9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、1gのグリシン、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、該懸濁液に1分あたり1.5mlの速度で添加する一方、1MのKOH溶液の添加によってpHを1.5に保持する。
2) その後、pHを1.8に設定し、且つ34gのTiOCl2、32gの37%HCl、5.11gのグリシン、0.5gのMoCl5および445gの蒸留水を含有する溶液を346.75ml、該懸濁液に1.5ml/分の速度で添加する一方、1MのKOHを用いてpHを1.8に保持する。
3) 工程1)を繰り返す。
4) 工程2)を繰り返す。
5) 工程1)を繰り返す。
6) 工程2)を繰り返す。
7) 工程1)を繰り返す。
8) 工程2)を繰り返す。
【0162】
その後、該懸濁液をろ過し、そして乾燥させて、25gの非常に輝く青緑色の粉末を得る。
【0163】
21gの乾燥粉末を750℃、3mbarのAr下で1時間加熱し、冷却の後、紫寄りのカラーフロップを有する、20gの非常に輝く暗い青緑色を得る。
【0164】
24gの乾燥粉末を750℃の空気下で加熱し、冷却の後、白または黒背景上で強い青緑色を特徴とする、24gのわずかに灰色の粉末を得る。
【0165】
実施例1の顔料を以下に記載の手順(メチレンブルー試験)に従って試験し、且つ、Moを用いないで(TiO2のみを用いて)製造された同様の試料に対して改善された光安定性を実証する。
【0166】
メチレンブルー試験
試料の光触媒活性を、メチレンブルーの光崩壊によって評価する: 5gの水中の50mgの効果顔料を、1滴のメチレンブルー溶液の存在中で磁気攪拌機によって攪拌し、そして光に曝す。比較試料を調製し、且つ同時に光を除外してかき混ぜる。比較試料に対する試料の色の変化を、半時間毎に評価する(4×)。
【0167】
実施例2
20gの天然マイカ(粒径10〜60ミクロン、比表面積3.5m2/g)を水中に90℃で懸濁させ、HClを用いてそのpHを1.5に設定する。
1) 9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、該懸濁液に1分あたり1.5mlの速度で添加する一方、1MのKOH溶液の添加によってpHを1.5に保持する。
2) その後、pHを1.8に設定し、且つ34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのMoCl5および445gの蒸留水を含有する溶液を346.75ml、該懸濁液に1.5ml/分の速度で添加する一方、1MのKOHを用いてpHを1.8に保持する。
3) 工程1)を繰り返す。
4) 工程2)を繰り返す。
5) 工程1)を繰り返す。
6) 工程2)を繰り返す。
7) 工程1)を繰り返す。
8) 工程2)を繰り返す。
【0168】
その後、該懸濁液をろ過し、そして乾燥させて、紫色寄りのカラーフロップを有する29gの非常に輝く青色の粉末を得る。
【0169】
実施例3
20gの天然マイカ(粒径10〜60ミクロン、比表面積3.5m2/g)を水中に90℃で懸濁させ、HClを用いてそのpHを1.5に設定する。
1) 9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、該懸濁液に1分あたり1.5mlの速度で添加する一方、1MのKOH溶液の添加によってpHを1.5に保持する。
2) その後、pHを1.8に設定し、且つ34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのMoCl5、4gのFeCl3・6H2O、および445gの蒸留水を含有する溶液を346.75ml、該懸濁液に1.5ml/分の速度で添加する一方、1MのKOHを用いてpHを1.8に保持する。
3) 工程1)を繰り返す。
4) 工程2)を繰り返す。
5) 工程1)を繰り返す。
6) 工程2)を繰り返す。
7) 工程1)を繰り返す。
8) 工程2)を繰り返す。
【0170】
その後、該懸濁液をろ過し、そして乾燥させて、31.9gの非常に輝くオレンジ色の粉末を得る。19gを750℃、Ar下で加熱し、17.77gの暗いオレンジ色の粉末をもたらす。22.9gを空気下、750℃で加熱し、非常に輝く、きらめくオレンジの粉末をもたらす。
【0171】
実施例4
合成マイカフレーク("40−160"、供給元Sanbao Pearl Luster Mica Co. Ltd, Chanping Rd., Shantou, GD,中国)を初めに乾式ふるいにかけ、56ミクロンよりも小さい全ての粒子および100ミクロンより大きい全ての粒子を除去する。ふるいにかけられた合成マイカフレーク20gを300mlの脱イオン水中、90℃で、500U/分に設定された攪拌速度で750mlのガラス製容器内で分散させる。1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し、且つ一定に保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HClおよび100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのMoCl5、4gのFeCl3・6H2O、および445gの脱イオン水を含有する溶液を150ml、1.5ml/分の速さで添加する。被覆されたフレークをろ過し、乾燥させ、850℃、窒素雰囲気下で0.5時間加熱し、そしてその後、乾燥空気下、850℃で0.5時間加熱する。加熱された材料を再度ふるいにかけて、56ミクロンよりも小さい全ての粒子を除去する。得られる生成物(9.13%Ti、0.45%Sn、0.46%Fe、0.31%Mo)は、肌または黒背景上に適用された場合にきらめく銀パール色を発する桃色がかった粉末である。
【0172】
実施例5
20gの合成マイカフレーク("平均粒径20ミクロンおよび40ミクロンよりも小さい90%の粒子を有する合成マイカ粉末"、供給元Sanbao Pearl Luster Mica Co. Ltd, Chanping Rd., Shantou, GD,中国)を、300mlの脱イオン水中、90℃で、500U/分に設定された攪拌速度で750mlのガラス製容器内で分散させる。1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し、且つ一定に保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HClおよび100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのNbCl5、および445gの脱イオン水を含有する溶液を200ml、1.5ml/分の速さで添加する。1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し直し、且つ一定に保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HClおよび100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し直し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのNbCl5、および445gの脱イオン水を含有する溶液を200ml、1.5ml/分の速さで添加する。被覆されたフレークをろ過し、乾燥させ、850℃、乾燥空気雰囲気下で1時間、加熱する。得られる生成物(15.4%Ti、0.99%Sn、0.47%Nb)は、黒背景上で超白銀色を発する白色がかった粉末である。
【0173】
実施例6
20gの天然マイカ(粒径10〜60ミクロン、比表面積3.5m2/g)を水中に90℃で懸濁させ、HClを用いてそのpHを1.5に設定する。
1) 9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、該懸濁液に1分あたり0.4mlの速度で添加する一方、1MのKOH溶液の添加によってpHを1.5に保持する。
2) その後、pHを1.8に設定し、且つ34gのTiOCl2、32gの37%HCl、および445gの蒸留水を含有する溶液を650ml、該懸濁液に1.5ml/分の速度で添加する一方、1MのKOHを用いてpHを1.8に保持する。
3) 9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2O、および2gのMoCl5を含有する溶液を5ml、該懸濁液に1分あたり0.4mlの速度で添加する一方、1MのKOH溶液の添加によってpHを1.5に保持する。
4) 工程2)を繰り返す。
【0174】
その後、該懸濁液をろ過し、そして乾燥させて、紫色寄りのカラーフロップを有する45gの非常に輝く青色の粉末を得る。その輝く青色の粉末をその後、窒素下、750℃で1時間加熱する。その結果は、高い不透明性を示す、いっそう輝く青色の粉末である。X線回折スペクトルはTiO2相がルチルであることを示す。元素分析を下記に示す:
【表2】

1)基材として使用された天然マイカは鉄を含有する。
【0175】
透過型電子顕微鏡写真は、130±10nmのTiO2層厚を示す。
【0176】
実施例7
20gの天然マイカフレークを300mlの脱イオン水中、90℃で、500U/分に設定された攪拌速度で750mlのガラス製容器内で分散させる。
【0177】
1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し、且つ保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのNbCl5、および445gの蒸留水を含有する溶液を200ml、1.5ml/分の速さで添加する。
【0178】
1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し直し、且つ一定に保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。
【0179】
その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し直し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのNbCl5、および445gの蒸留水を含有する溶液を350ml、1.5ml/分の速さで添加する。
【0180】
1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し直し、且つ一定に保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。
【0181】
その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのNbCl5、および445gの蒸留水を含有する溶液を350ml、1.5ml/分の速さで添加する。
【0182】
1モルのKOHを用いてpHを1.5に設定し直し、且つ一定に保持する一方、9gのSnCl4・5H2O、5gの37%HCl、および100gのH2Oを含有する溶液を5ml、0.4ml/分の速さで添加する。
【0183】
その後、1モルのKOHを用いてpHを1.8に設定し、且つ保持する一方、34gのTiOCl2、32gの37%HCl、0.5gのNbCl5、および445gの蒸留水を含有する溶液を412ml、1.5ml/分の速さで添加する。
【0184】
被覆されたフレークをろ過し、乾燥させ、850℃、乾燥空気雰囲気下で1時間加熱する。得られる生成物は、黒背景上で輝く青−マゼンタ色を発する青−マゼンタの粉末である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状基材と、
(a) SnO2の層、および/またはFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層 (前記の層はMoおよび/またはWをドープされており、その際、SnO2の層はSnO2層の金属のモルに対して0.1〜60モル%のMoおよび/またはWを含み、且つ、Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2の金属酸化物層は該金属酸化物の金属のモルに対して0.1〜10モル%のMoおよび/またはWを含む)、および
(a’) Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択される金属酸化物層 (前記の層はNbおよび/またはTaをドープされており、その際、Fe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2の金属酸化物層は該金属酸化物の金属のモルに対して0.1〜10モル%、特に0.1〜5モル%のNbおよび/またはTaを含み、ただし、Nbおよび/またはTaをドープされた少なくとも2層が存在している)
とを含む顔料。
【請求項2】
金属酸化物がTiO2、Fe23、またはFe23とTiO2との混合物である、請求項1に記載の顔料。
【請求項3】
金属酸化物がTiO2であり、且つ該金属酸化物層がTiO2中のTiのモルに対して0.1〜5モル%のMoおよび/またはWを含む、請求項2に記載の顔料。
【請求項4】
ドーピング剤がMoである、請求項3に記載の顔料。
【請求項5】
金属酸化物層が炭素の他にB23、Al23および/またはMgOを含む、請求項2に記載の顔料。
【請求項6】
顔料が以下の層構造:
Al/SiO2/TiO2(Mo);
Al/SiO2/Fe23(Mo);
TRASUB/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)、
TRASUB/TiO2(MO)/SnO2/TiO2(MO)/SnO2/TiO2(MO)/SnO2/TiO2(Mo)、
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo)/SnO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/TiO2(Mo);
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2/SnO2(Mo)/TiO2
TRASUB/SnO2(Mo)/TiO2(Mo);
TRASUB/Fe23(Mo);
TRASUB/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo);
TRASUB/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)/SnO2/TiO2&Fe23(Mo)
(ここで、前記TRASUBは低屈折率を有する透明または半透明の基材、特に天然または合成マイカ、他の層状シリケート、天然または合成ガラス、Al23、SiOz、特にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)である)
を有する; または
顔料が以下の層構造
【表1】

(ここで、前記TRASUBは、低屈折率を有する透明または半透明基材であり、特に天然または合成マイカ、他の層状シリケート、天然または合成ガラス、Al23、SiOz、特にSiO2、SiO2/SiOx/SiO2(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40-2.0/SiO0.70-0.99/SiO1.40-2.0、またはSi/SiOz(0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)であり、且つ、前記STLは半透明層、例えばCu、Ag、CrまたはSnの半透明金属層、または半透明炭素層であって、その際、二酸化スズを二酸化チタンおよび/またはTiO2(Mo)沈着の前に堆積できる)
を有する; または
顔料が小薄板状基材と、(a)層構造:
TiO2(Mo)/TiO2、またはTiO2/TiO2(Mo)/TiO2; またはTiO2(Mo)/低屈折率の金属酸化物層、特にSiO2、Al23、AlOOH、B23、またはそれらの混合物 (ここでアルカリまたはアルカリ土類金属酸化物は追加成分として含有されてよい)/高屈折率の金属酸化物層、特にTiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23、ZnOまたはそれらの酸化物の混合物; または
TiO2(Mo)/低屈折率の金属酸化物層、特にSiO2、Al23、AlOOH、B23、またはそれらの混合物(ここでアルカリまたはアルカリ土類金属酸化物は追加成分として含有されてよい)/TiO2(Mo)
とを含む、請求項1に記載の顔料。
【請求項7】
TiO2層が金属によって均質にドープされているか、またはドーピング金属の含有率が基材の隣で最も高く、且つTiO2層を横切って減少する; および/または該金属がTiO2層の最表面20nmに取り込まれている、請求項3に記載の顔料。
【請求項8】
顔料が、以下の層構造:
板状(透明)基材/[SnO2/TiO2(Mo)]n (n=1、2、3、4、または5、特に2、3、4、または5);または
板状(透明)基材/[SnO2(Mo)/TiO2n (n=1、2、3、4、または5、特に2、3、4、または5)
を有する、請求項1に記載の顔料。
【請求項9】
顔料が、以下の層構造:
板状(透明)基材/[SnO2/TiO2(Nb)]n (n=1、2、3、4、または5、特に2、3、4、または5);
を有する、請求項1に記載の顔料。
【請求項10】
板状基材を少なくとも2つの金属酸化物で、相応する水溶性金属化合物の加水分解による湿式法で被覆し、分離し、乾燥させ、そしてそのように得られた顔料を随意に焼成することにより、その際、第一の金属酸化物がSnO2; またはFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択され、且つ、第二の金属酸化物がMoおよびWから選択される; または第一の金属酸化物がFe23、TiO2、ZrO2および/またはHfO2から選択され、且つ、第二の金属酸化物がNbおよびTaから選択される、請求項1に記載の(干渉)顔料の製造方法。
【請求項11】
塗料、インクジェット印刷における、テキスタイルの染色のための、被覆物、印刷インク、プラスチック、化粧品、セラミックスおよびガラス用の上薬の顔料着色ための、請求項1から9までのいずれか1項に記載の顔料の使用。
【請求項12】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の顔料を用いて顔料着色された塗料、印刷インク、プラスチック、化粧品、セラミックスおよびガラス。
【請求項13】
高分子量有機材料を顔料着色するための方法において、請求項1に記載の顔料を、前記の高分子量有機材料内に、効果的な顔料着色量で取り込むことによる方法。

【公表番号】特表2011−504193(P2011−504193A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533542(P2010−533542)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065095
【国際公開番号】WO2009/062886
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】