光治療装置
【課題】被験者の肉体的又は精神的ないやしあるいは治癒を促すような光を発し得る光治療装置を提供する。
【解決手段】
1又は複数のケーシングと、外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、受け付けた音声信号が示す音声の音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの視覚認識可能な光量変化に変換するパターン制御部とを備えるようにした。
【解決手段】
1又は複数のケーシングと、外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、受け付けた音声信号が示す音声の音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの視覚認識可能な光量変化に変換するパターン制御部とを備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体にLEDから出た光をあてることにより、その生体に治療効果を与える光治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、患部または「つぼ」に光を照射することにより治療を施す光治療が注目されつつある。この光治療によれば、肩こり、腰痛などの痛み治療から、アトピー性皮膚炎の治療に至るまで、広範囲の症状に効果があることが認められている。そしてこのような光治療に用いる装置として、ガスレーザや半導体レーザ光を用いた光源、その光源を制御する制御装置、前記光源からでた光を導光する光ファイバ及びその光ファイバの先端に取り付けられた光照射プローブで構成されたものが知られている。
【0003】
一方、このような光治療用の装置は大がかりで高価なうえ、安全管理も必要であることから、一般家庭でも使用できるものとして、特許文献1に示すように、光源にLEDや半導体レーザ等の小型のものを用い、パッケージ内に一体に収容した非常にコンパクトで一般家庭でも手軽にかつ安全に使用できる光治療装置も開発されてきている。
【特許文献1】特開平9−201422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の光治療装置においては、外観に考慮が払われておらず、光は単に患部に照射されるためにのみ用いられているため、この光による視覚的な作用から得られる「いやし」といった精神的な面での治療効果を得ることはできない。また従来のものは、光源からでる光を直接乃至レンズやライトガイドといった単純な導光体を介して照射するのみで、光の質を考えて治療効果を高めるといった発想は全くなされていない。このようなことから従来の光治療による効果の程度は、被験者によりまちまちで、あまり効かない場合も多々あるのが実情である。
【0005】
そこで本発明は、一般家庭でも手軽にかつ安全に使用できるのはもちろんのこと、光による物理的な効果に加えて、光源であるLEDからでる光による視覚的な効果(カラーセラピー効果)を併せて得られ、さらには光の質にまで考慮することにより、非常に高い治療効果を期待できる光治療装置を提供することをその主たる所期課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る光治療装置は、1又は複数のケーシングと、外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、受け付けた音声信号が示す音声の音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの光量変化に変換するLED制御部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
ここで、「青色乃至緑色光」とは、波長にして約400nmから約560nmまでの光のことをいい、一般に紫色と言われる波長域も含む。特に効果が顕著となるのは、波長にして約450nm〜約530nmの光を発するLEDを用いた場合である。また「治療」とは、痛み抑制や炎症鎮静などの物理的な目的のみならず、いわゆる「いやし」や入眠促進といった精神的な目的のために行うものも含む。「多角錐状体」には、四角錐や五角錐が含まれ、さらには、その先端を丸めたりカットするなどして、安全性や製作容易性を考慮したものも含まれる。
【0008】
また、LEDは黄色乃至赤色(波長約560nm〜約800nm)の可視光を発するものであっても使用可能である。
【0009】
多角錐状体の先端が生体に直接あたるのを防止するとともに、この光治療装置を生体に好適に密着させ、光照射を良好に行えるようにするには、前記光射出口を覆う光透過性を有したキャップをさらに備え、そのキャップが生体所要箇所に密着させた場合に撓み変形を伴う弾性部材で構成されたものであることが望ましい。特にこのキャップの表面に、シリコーンシート等の粘着性を有する部材を添付しておけばなお好ましい。
【0010】
被験者の体内リズムと照射される光のリズムとをマッチングできるようにし、効果をより高めるには、前記LEDから発される光の強弱を制御する制御装置をさらに備え、その制御装置が、音楽やお経などの音声を示す音声信号を受け付ける音声信号受付部と、その音声信号の示す音声の音量、音色、音程の少なくとも一つに合わせて前記LEDから発される光の発光パターンを制御するパターン制御部とを備えているものであることが好ましい。
【0011】
具体的な実施態様としては、前記ケーシングが一端面を閉塞した筒状をなすものであり、他端面の開口を前記光射出口としたものを挙げることができる。
【0012】
視覚的な効果を考慮した具体的態様としては、前記ケーシングの少なくとも一部を透明壁で構成し、その透明壁を介して前記多角錐状体を外部から視認可能に構成しているものを挙げることができる。
【0013】
特に、前記多角錐状体が四角錐、五角錐、乃至六角錐であるものが好ましく、特には正多角錐体がよい。またその素材としては、水晶が好適である。
【0014】
一方、特にいやしやリラクゼーション等の精神的な治療或いは治癒に着目すれば、1又は複数のケーシングと、外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、受け付けた音声信号が示す音声の音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの光量変化に変換するLED制御部とを備えているものでも構わない。光量変化は視覚認識可能にしておくことが望ましい。
【0015】
前記変換パターンとして簡単には音量等の変化波形をそのまま光量変化波形に変換するものが考えられる。ところがこのような変換では、揺らぎを小さくすべく、光量変換への増幅率を下げると、光量が全体として小さくなり、暗いイメージを与える。一方、揺らぎを大きくすべく光量変換への増幅率を上げると、光量が大きくなりすぎたり、あるいはLEDの許容最大光量で波形がカットされ、所期の変換波形と大きく異なってしまう場合が生じ得る。これらの不具合を回避する一具体例としては、揺らぎ幅調整手段と全体光量調整手段とをさらに備え、揺らぎ幅調整手段を操作することにより、光量変化の振幅量を設定可能に構成するとともに、全体光量調整手段を操作することにより、全体光量(或いは平均値)を設定可能に構成したものを挙げることができる。
【0016】
このようなものであれば、全体光量と揺らぎ量とを別個に操作できるため、前記不具合を回避できるうえ、例えば揺らぎ幅を小さくすることでかすかな揺らぎになり、光治療装置としてではなく、通常の照明装置としても十分に使用できることとなり、使い勝手が格段に向上する。
【0017】
一方、音声信号の大きさがあまりに大きいと、光量変換への増幅率を上げたと同様に、LEDの許容最大光量で波形がカットされ、所期の変換波形と大きく異なってしまう場合が生じ得る。これを使用者が知り、音声入力量を適切な量に調整できるようにするには、音声信号受付部からLED制御部に出力される音声信号の大きさが、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値の近傍又はそれを超えた時に発光する1又は複数のインジケータをさらに備えているものが好ましい。
【0018】
生音声など、入力側で音声信号の大きさを調整できない場合には、外部音声を音声信号に変換するマイクと、音声信号受付部に入力された音声信号に対して出力される音声信号のゲインを調整するための音声ゲイン調整手段とをさらに備え、前記音声ゲイン調整手段を操作することにより、LEDの許容最大光量を超えない範囲で音声信号をLEDの光量に変換できるように構成しているものが好ましい。
【0019】
その他、LEDの光量を十分に得つつ、しかも音量等の変化にある程度対応した光量変化を得ることができる具体的態様としては、前記LED制御部が、前記音量、音程又は音質の変化が増大から減少に転じるポイントで常に一定の上限光量になるように、光量を変化させるものであることが望ましい。
【0020】
ユーザが複数の変換パターンから好みのものを選択できるようにするには、前記変換パターンを複数種類記憶している変換パターン格納部と、前記各変換パターンのうちから所望の変換パターンを選択するための選択入力部とをさらに備えているものがよい。
【0021】
光の色を音声信号に合わせて変えるようにしても良い。具体的には、前記LED制御部が、受け付けた音声信号が示す音声を構成する音量、音程、音質のいずれか1つの変化に対応させて前記LEDからでる光の色を視覚認識可能に変化させるものを挙げることができる。
【0022】
光量変化を容易に行え、寿命や光量安定性等にも優れたLEDとしては、LEDを利用したものを挙げることができる。
【0023】
神社仏閣のように複数のケーシングを並べて設ける場合には、各ケーシングから射出される光の揺らぎを同期させることや、これとは逆に異ならせることができるようにしておくことがユーザの要求に応えるうえで望ましい。
【0024】
具体的な形状としては、前記ケーシングが多角錐状体であるものが望ましい。このようなものであれば、室内や枕元において室内インテリアとしても用いることができる。また、多角錐状体は、例えばピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであり、その暗示乃至明示的な治療効果や、この多角錐状体に光を通過させることによる光質変換による効果をも期待できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、LEDから多角錐状体を介して青色乃至緑色等の可視光が射出されるため、非常に美しく、光による物理的な治療効果に併せて、視覚による精神的な効果を相乗して得ることができる。また、多角錐状体は、例えばピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであり、その暗示乃至明示的な治療効果や、この多角錐状体に光を通過させることによる光質変換による治療効果をも期待できる。さらに、LEDを用いているため、小型化が可能で安全性にも富み、家庭でも手軽に扱うことができるものを容易に提供できる。
【0026】
また本発明によれば、LEDからの光が、音声信号に合わせて独特に揺らぐため、その揺らぎによる光質の変化や、或いは例えば視覚による揺らぎ認識によって、精神的な治療効果、すなわちいやしやリラクゼーション効果等を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<第1実施形態>
【0028】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る光治療装置100は、図1〜図4に示すように、生体治療光を発する治療装置本体1と、その治療装置本体1を介して電力を供給するとともに前記生体治療光の発光態様を制御する制御装置6とを備えたものである。
【0030】
各部を詳述する。
【0031】
各部を説明すると、治療装置本体1は、図1〜図3に示すように、複数のLED2と、それらLED2の前方に配置した透明中実の多角錐状体である正六角錐体3と、それらLED2及び六角錐体3を収容するケーシング4とを備えている。
【0032】
LED2は、例えば発光素子を砲弾型の樹脂でモールドしたタイプのもので、青色光(波長約470nm)を発する。そして円形配線基板21上に複数が敷き詰められるように配設してある。
【0033】
六角錐体3は、例えば、天然水晶や人工水晶等を素材として形成した透明中実のものであり、もちろんその他にガラスや樹脂等でも形成することは可能である。
【0034】
ケーシング4は、一端面を光射出口4aとして開放し他端面を閉塞した例えば円筒状をなす中空のもので、前記光射出口4a側の略半分をガラスや樹脂等の透明壁41で構成する一方、他端側の残りの部分を金属等の熱伝導性に富む非透明壁42で構成している。そしてこのケーシング4の他端側に前記LED2を配線基板とともに収容し、側方からは前記非透明壁42に遮られてLED2が見えないように構成するとともに、LED2で発生する熱をその非透明壁42を介して外部に有効に放熱できるようにしている。一方、六角錐体3は、その先端を前記光射出口4a側に向けるとともにその底面をLED2に近接又は当接させてケーシング4の内部に収容してある。そして、この六角錐体3の先端側一部を、側方から前記透明壁41を介して視認できるように構成している。
【0035】
さらに本実施形態では、このケーシング4の光射出口4aに光透過性を有したキャップ5を取り付け、この光射出口4aを覆うようにしている。このキャップ5は、円盤状をなす樹脂製の弾性部材であり、生体所要箇所に密着させた場合に撓み変形を伴い得るものである。
【0036】
一方、前記制御装置6は、ケーブルCAを介して前記LED2に発光のための電力を供給するものであり、図1に示すように、筐体60内に設けたディスクリート回路乃至CPUを利用した電気的ハードウェアによって、前記LED2から発される光の強弱を制御可能に構成してある。
【0037】
この制御装置6は、図5に内部機能ブロックを示すように、前記ハードウェアを適宣構成することによって、供給されたAC電流を直流化する直流変換部63や、ボリュームや外部からの光量信号を受け付ける光量信号受付部66、あるいは受け付けた光量信号に基づいて前記直流電流の電圧を変化させ、或いはPWM変換する等してLED2に供給する電流を制御する光量制御部64等を備えている。しかして本実施形態では、お経や音楽などの音声を示す音声信号を受け付ける音声信号受付部61と、受け付けた音声信号を記憶し格納する音声信号格納部65と、その音声信号の示す音声の音量、音色、音程の少なくとも一つ(この実施形態では音量)に合わせて前記LED2から発される光の発光パターンを制御するパターン制御部62とをさらに設けている。
【0038】
音声信号受付部61は、例えば、図示しない音声入力端子を備え、その音声入力端子とCDプレーヤやビデオデッキの音声出力端子とをケーブルで接続することにより、ユーザの好みの音楽等をデジタル又はアナログの音声信号として受け付けることができるものである。
【0039】
音声信号格納部65は、受け付けた音声信号を記憶するもので、複数の音声信号を記憶できるようにしてもよい。
【0040】
パターン制御部62は、図13に示すように、例えば音声信号の振動波形に応じて、LEDの発光パターン、すなわちLEDに与える電流信号のデューティ比を変化させるものである。この実施形態では、光量制御部64で、パルスの高さ(電圧)が設定され、パターン制御部62でパルスのデューティ比が設定されるようにしてある。
【0041】
もちろん、図14に示すように、パターン制御部62で音声信号の振動波形に追随するようにパルスの高さを変える一方、光量制御部64では、デューティ比を変えて光量を制御するようにするなど、種々の変形は可能である。
【0042】
このように構成した光治療装置100は、以下のように動作する。LED2を点灯すると、そこから出た青色の光は、六角錐体3の底面から内部に導入され、その先端側から生体治療光として射出される。そしてその生体治療光は、ケーシング4の光射出口4aを通って外部に射出される。一方、音楽やお経等の音声信号を音声信号受付部61に入力することで、その音声に併せて前記LED2から発される光の発光パターンを変化させることもできる。
【0043】
この光治療装置100を用いて、例えば精神的なリラックス効果やいやし効果、あるいは入眠効果等を得たい場合には、図1に示すように、額中央に光射出口4aを近接させるか、密着させ、所定時間LED2を点灯すればよい。本発明者等の実験では、胸部中央に生体治療光を照射することも同様の効果を得る上で有効である。また、鎮痛や消炎作用を得るには、患部にこの光治療装置100からの生体治療光を照射することが有効である。また、好みの音楽やお経等の音声を入力することにより、さらに治療の効果を上げることも可能である。
【0044】
次に、具体的な効果を示す実験データに関して以下に説明する。
【0045】
この実験は、比較も含めたデータを取得するために、被験者Mに対し、以下に示す(1)〜(5)の各条件下で脳波(α波及びβ波)、指先皮膚抵抗値等を測定したものである。条件とは、
【0046】
(1)何もしない
【0047】
(2)六角錐体3のみを被験者Mの額中央に近接させる
【0048】
(3)LED2からの光を直接被験者Mの額中央に照射する
【0049】
(4)本光治療装置100の光射出口4a(キャップ5)を被験者Mの額中央に密着させて光を照射する
【0050】
(5)光治療装置100の照射後、何もしない
【0051】
という5つである。
【0052】
なお各条件でのデータ測定時間はそれぞれ約10分間である。また、各測定の時間を横軸にとった波形データを図12に示す。
【0053】
ここではます脳波の波形を各条件で比較し、解析した結果を説明する。光治療装置100を用いていない(1)、(2)及び(3)の条件下では、α波及びβ波は、図6〜図8に示すように、それらの平均値を比較するといずれが優位とも言えず、ほとんど同じレベルである。ところが、光治療装置100で光を照射している(4)と、その後の(5)では、図9、図10に示すように、α波がβ波に比して明らかに優位となっている。また、α波自体の絶対レベルも、図6〜図10の平均値データをグラフ化した図11に示すように、(1)、(2)、(3)に比べ(4)、(5)の方が明らかに高くなっている。なお、この図11では、条件(1)での値を1とし、残りの条件下での値を条件(1)に対する比率で示している。これらのことから被験者Mが、この光治療装置100での治療によって、リラックス状態になっていることがわかる。特に注目すべきは(5)のデータである。すなわち光治療装置100を用いた後、これを取り外しても、その効果が持続することがわかる。なお、前記図11では、条件(1)での値を1とし、残りの条件下での値を条件(1)に対する比率で示している。
【0054】
次に皮膚抵抗値のデータを各条件で比較し、解析した結果を説明する。皮膚抵抗は、副交感神経優位、すなわちリラックス状態になってくるとその値が低下することが知られている。そこで、皮膚抵抗値の平均データを見ると、前記図11に示すように、(1)の状態に比して、(4)(5)の状態では、抵抗値が大きく低下していることがわかる。特に、特に(5)においてその傾向が顕著となる。つまり、被験者Mが光治療装置100で治療されることによってリラックス状態になることは、皮膚抵抗値のデータからも判断できる。さらには、脳波データからも導かれたように、光治療装置100を取り外した後もその治療効果が持続することがわかる。
【0055】
このように、本実施形態に係る光治療装置100によれば、物理的な治療効果に併せて、精神的な治療効果を相乗して得ることができる。これは、LED2から六角錐体3を介して青色の非常に美しい光が射出され、なおかつそれを被験者Mがケーシング4の透明壁41を介して外部から視認できるため、カラーセラピー効果を同時に得られるということがその原因の一つであると考えられる。
【0056】
また、多角錐状体は、例えばピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであり、本実施形態のように六角錐体3に光を通過させることによる光質変換効果や、暗示的乃至明示的な治療効果が得られるためであるとも考えられる。
【0057】
さらに、LED2を用いているため、小型化が可能で安全性にも富み、家庭でも手軽に扱うことができる。
【0058】
なお、本実施形態は種々の変形が可能である。
【0059】
例えば、全てのLEDが同一の光を発するものである必要はなく、赤色や黄色、赤外線、紫外線等を射出するLEDを混在させてもよいし、フルカラーLEDを用いてもよい。その場合、例えば各LEDの発光光量を制御することで、生体治療光の全体としての色彩を時系列的に変化させ、カラーセラピー効果をより高めるようにしてもよい。さらにこの色彩の変化を前記音声信号に基づいて行うようにしても構わない。
【0060】
特には青色乃至緑色光(波長にして約400nmから約560nmまでの光)を射出するものが好ましく、より好ましくは波長にして約450nm〜約530nmの光がよい。
【0061】
また、LEDは、砲弾型のものに限られず、チップタイプのものでもよいし、さらには単数でも構わない。単数の場合は、連続して200mA以上の電流を流すことができ、大光量の光を射出できるパワーLEDを用いることが好ましい。
【0062】
ケーシングは、全部透明でも構わないし、全部不透明でもよい。もちろんその形態は円筒状に限られず、用途に応じて他の種々の形態にしても前記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0063】
さらに言えば、治療装置本体を生体に装着固定するための装着具を設けるようにしてもよい。装着具の一例としては、ケーシングに取り付けられたベルトを挙げることができる。このベルトを例えば被験者の頭部に巻くことにより、治療装置本体を額に装着することができる。
【0064】
また、治療装置本体は必ずしも生体に密着させる必要はなく、若干離間させるようにしてもよい。その場合は、治療装置本体を空中の所望位置で保持する例えばフレキシブルアームを設けておくことが好ましい。
【0065】
加えて、例えば制御装置にタイマー機能を持たせ、所定時刻でのLEDの入切ができるようにすればなおよい。入眠後、一定時間で電源を切ること等ができるからである。
【0066】
<第2実施形態>
【0067】
以下に本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態での符号は前記第1実施形態で付した符号と独立している。
【0068】
この実施形態における光治療装置100’は、図15に示すように、システム化された灯籠型の照明システムとして神社仏閣等に配置し得るようにしたものである。このものは、同図に示すように、例えば通路Rの両側に沿って並び設けた複数のケーシングたる灯籠本体1’と、各灯籠本体1’に収容した発光器2’及び制御装置3’とを備えている。
【0069】
灯籠本体1’は、図16に示すように、例えば円筒状のもので、戸外の地面に設置した柱状の基礎部11’と、その基礎部11’の上端に設けた照明部12’とからなる。
【0070】
基礎部11’は上方に開口する中空のもので、後述する発光器2’や制御装置3’、或いは図示しない電源を内部に収容している。なお、電源には電池(太陽電池や乾電池等どのような種類のものであってよい)を用いている。もちろんAC電源を用いても良いが、敷設に手間がかかること等の理由からこの実施形態では電源を電池としている。
【0071】
照明部12’は、前記基礎部と同径の下方に開口する中空のもので、透光性及び光散乱性を有する等厚の部材(例えば防水膜を有した和紙等)で形成した外周壁12a’と、その外周壁12a’の上端面を覆うように設けた光反射性を有する頂板12b’とを備えている。
【0072】
発光器2’は、図16、図17に示すように、例えば前記基礎部11’の上端部に水平に配置した配線基板21’と、その配線基板21’に上向きに光を射出するように配置した複数のLED22’とを備えている。この図では各LED22’が平面視略正方形状をなすように配置されている。これらLED22’から上方に射出された光は、基礎部11’の上端開口を通過して照明部12’内に導かれ、直接又は前記頂板12b’で反射して照明部12’の外周壁12a’に到達し、その外周壁12a’で散乱して外部に射出されるように構成してある。
【0073】
制御装置3’は、図18に示すように、例えばCPU101’、メモリ102’、スイッチ等の入力手段103’、AD変換器104’、PWM部105’、入出力インタフェース106’等を有した1チップマイコンと、その1チップマイコンに接続した増幅器107’等を備えたもので、前記基礎部11’における発光器2’の下方に配置してある。この制御装置3’は、前記メモリ102’に記憶させたプログラムにしたがって、前記CPU101’とその周辺機器とを協働させることにより、音声信号受付部6’、LED制御部4’、変換パターン格納部D1’、選択入力部5’等としての機能を発揮する(図19参照)。以下に各部を詳述する。
【0074】
音声信号受付部6’は、図示しないバッファや前記AD変換器104’等を利用して構成したものであり、例えばテープレコーダの出力端子等から入力される所定形式の外部音声信号を受け付け、所定のサンプリング間隔でAD変換し、各サンプリング時刻での音量に対応する値が複数、時系列に並んでなるデジタルデータを生成するものである。なお、この音声信号受付部6’は、入力手段103’の一つである外部/内部切替スイッチ(図示しない)が外部側に設定されている場合にのみ外部音声信号を受け付けてデジタルデータ化し、後述する発光体制御部4’に伝送する。外部音声信号はユーザの好みのものでよく、例えば、音楽やお経等を示すものが挙げられる。
【0075】
LED制御部4’は、前記第1実施形態におけるパターン制御部及び光量制御部の機能を併せ持つもので、前記音声信号受付部6’で受け付けた外部音声信号を取得し、その音声信号が示す音声の音量変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LED22’の視覚認識できるような光量変化に変換するものである。このLED制御部4’は前記PWM部105’、増幅器107’等を含んで構成してあり、光量変化はPWM方式で行っている。なお、前記外部/内部切替スイッチが内部側に設定されている場合には、RAM等の書換可能なメモリ102’の所定領域に設定してある音声信号格納部D2’から内部音声信号を取得する。この音声信号格納部D2’には、例えば前記第1実施形態同様、予め音声信号を1又は複数記憶させてある。記憶させるにあたっては、例えば図示しない記録スイッチを入れた状態で音声信号を入力したり、あるいは、図示しない記録専用の別端子から音声信号を入力したりするようにしている。
【0076】
前記変換パターンは、具体的には、複数種類が用意してあって、メモリ102’の所定領域に設定した変換パターン格納部D1’に記憶させてある。そしてこのLED制御部4’は、選択入力部5’で受け付けた値に基づいて前記変換パターン格納部D1’から変換パターンを取得し、その取得した変換パターンに基づいて、前記音声信号の示す音量変化を、発光器2’の光量を変化させるための光量変化信号に変換する。なお、選択入力部5’は、入力手段103’の一つであるパターン切替スイッチ(図示しない)を利用して構成してある。
【0077】
この実施形態において前記光量変化信号はPWM部105’が出力するパルス波のON/OFF時間の比の時間変化を示す信号であり、この光量変化信号は、PWM部105’でそのON/OFF時間比を有した数百Hz以上のパルス波に変換され、増幅器107’を介してLED22’の光量に変化される。LED22’の光量を電流値又は電圧値で制御している場合には、前記光量変化信号を、駆動電流値又は駆動電圧値の変化を示すものにすればよい。
【0078】
しかして前記変換パターンには、図20に示すように、例えば以下の4種類が用意してある。
【0079】
1.音声信号の示す音量変化波形に比例する形状の波形で発光器2’の光量を変化させる。このとき発光器2’の光量変化波形は、発光量の許容最大値と最小値との間に収まるように拡縮又はオフセットされる。
【0080】
2.音声信号の示す音量変化波形に比例する形状の波形で発光器2’の光量を変化させる。このとき発光器2’の光量変化波形は、増大方向にオフセットされ、発光量の許容最大値を超える部分はその最大値でカットされる。
【0081】
3.音声信号の示す音量変化波形に比例する形状の波形で発光器2’の光量を変化させる。このとき発光器2’の光量変化波形は、減少方向にオフセットされ、発光量の許容最小値を下回る部分はその最小値でカットされる。
【0082】
4.前記音量変化が増大から減少に転じるポイントで常に一定の上限光量となるように、光量を変化させる。音量変化波形と、光量変化波形とは形状が比例しない。具体的には図21に示すように、以下のような処理を行う。
【0083】
(1)音量変化波形データの山の頂点を特定する。すなわち音量変化波形データのある時刻の値(現在値という)を次のサンプリング時刻での値(次の値という)から引いた値がプラスからマイナスに転じた時点での前記現在値を特定する。
【0084】
(2)次に、予め定めた上限値から前記現在値を引いた差分値を算出し、その山を構成する音量変化波形データの各値に前記差分値を加える。このようにして算出されたデータが光量変化波形を形成する。前記山を構成するデータは、現在値を次の値から引いた値がマイナスからプラスに転じる時点を最初として、次に再びマイナスからプラスに転じる時点までの間のデータのことである。
【0085】
(3)次の山の頂点を特定し、同様のことを最後まで繰り返す。
【0086】
このように構成した本実施形態に係る灯籠システム10の動作の一例を以下に説明する。
【0087】
まず電源が入れられると、初期化処理が行われる(ステップS1)。
【0088】
次に音声信号受付部6’が、外部/内部切替スイッチの値を読み込む(ステップS2)。
【0089】
前記スイッチが「外部」に設定されていれば、外部音声信号を読み込み(ステップS3)、AD変換処理してその音声信号をデジタルデータ化する(ステップS4)。一方、前記スイッチが「外部」に設定されていれば、音声信号格納部D2’に予め格納されている内部音声信号を読み込む(ステップS5)。
【0090】
次にLED制御部4’が、選択入力部5’で読み込まれたパターン切替スイッチの示す値を取得し(ステップS6)、その値に応じて前記変換パターン格納部D1’から変換パターンを抽出する(ステップS7)。そしてその変換パターンに基づいて音量変化を光量変化に変換し、LED22’を駆動する(ステップS8)。
【0091】
終了(例えば電源が切られる)まで前記ステップS2〜ステップS8を繰り返す。
【0092】
このように構成した本実施形態に係る光治療装置100’によれば、特にいやしやリラクゼーション等の精神的な治療或いは治癒効果を期待することができる。
【0093】
なお、本実施形態は種々の変形が可能である。
【0094】
例えば、前記実施形態では各灯籠本体1’にそれぞれ独立して制御装置3’を組み込み、それら制御装置3’にそれぞれ入力された音声信号により各発光器2’を独立して駆動できるように構成してあるが、1つの制御装置のみで複数の灯籠本体の発光器を制御するようにしてもよい。この場合、各発光器からでる光を同期させて揺らがせる場合と独立して揺らがせる場合とをスイッチ等で選択できるようにしたり、発光器毎に音声信号を異ならせる場合と全部同じ音声信号で駆動する場合とを、やはりスイッチ等で選択できるようにしておけば、多くの揺らぎバリエーションを実現でき、ユーザの種々の要求に応えられるものとなる。もちろん、同様の機能を各制御装置を有線乃至無線で互いに接続することにより実現しても構わない。
【0095】
また、発光器はLEDを利用したものに限られず、白熱球や、その他の光源を用いてもよい。
【0096】
さらに、音量の変化で発光量を変化させることのみならず、音程や音質の変化、或いはそれらの組み合わせで発光量を変化させるようにしても良い。具体的に音程の場合には、周波数解析装置を設けておき、入力された音程の変化、すなわち音声の基本周波数の変化に応じて光量を変化させるようにすればよい。音質の場合は、基本周波数に重畳する高調波の大きさや周波数の変化に応じて光量を変化させるようにすればよい。
【0097】
光量変化は視覚認識可能である必要はなく、FM変調のように、視覚では認識できない非常に速い揺らぎに変えても構わない。このようにすれば、仕事や勉強に用いる通常の照明にも適用できる。もちろん変換の手法として、第1実施形態の図13、図14で示したようなものを用いてもよい。
【0098】
加えて、発光器の色を音声信号によって視覚認識可能に変化させるようにしてもよい。発光器に例えば多色LEDを用いれば実現可能である。
【0099】
<第3実施形態>
【0100】
以下に第3実施形態を説明する。なお、この実施形態で、前記第2実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
【0101】
この第3実施形態に係る光治療装置100’は、前記第2実施形態同様、外部から入力された音声信号を受け付け、受け付けた音声信号が示す音量の変化を所定の変換パターンに基づいてLED(図示しない)の光量変化に変換するもので、単一のケーシング1’を有し、部屋の照明や枕元の照明等の屋内照明にも用いることができるようにしたものである。
【0102】
具体的にこのものは、図23に示すように、ケーシング1’の形状が、例えば多角錐状体(この例ではピラミッド型四角錐)をなす。そして、ケーシング1’の基礎部11’に種々の操作手段(スイッチやボリューム)71’〜77’、或いは図示しないコネクタ等が設けてあって、これらの操作を、基礎部11’に収容した制御装置(図示しない)が受け付け、その操作にしたがってLED(図示しない)の発光態様を制御するようにしている。LEDはケーシング1’の頂点から約1/3の高さのところに設置してあり、いわゆるピラミッドパワーとしての心理効果が得られるように構成している。
【0103】
内部の機能ブロック図を図25に示す。特にこの実施形態で特徴的なところは、操作手段に揺らぎ幅調整手段であるDEPTHボリューム71’と、全体光量調整手段であるLIGHTボリューム72’とを設けており、これらのボリューム71’、72’により音声−光量波形変換のゲイン等を独特の方法で定められるようにしている点にある。DEPTHボリューム71’は、その操作により光量変化の振幅量を設定することができ、LIGHTボリューム72’は、その操作により全体光量を設定することができる。詳細は後述する。
【0104】
加えてこの実施形態では、ケーシング1’の基礎部11’に音声信号の入力量(入力電圧)を示すインジケータ78’が複数個設けてある。これらインジケータ78’は、音声信号受付部6’からLED制御部4’に送信される音声信号の大きさを視覚的に示すもので、特のその一つ(図中一番上のもの)は、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値を超えた時に発光する。
【0105】
また、その他にRECスイッチ74’、PLAYスイッチ75’、セレクトスイッチ76’、音声出力ボリューム77’、パワースイッチ73’等が設けてある。
【0106】
簡単にこれらについて説明しておくと、RECスイッチ74’は、ONにすることにより、音声信号受付部6’で受け付けた音声信号を音声信号格納部D2’に格納させるものである。より具体的にはLED制御部4’がRECスイッチ74’の値を読み取って音声信号格納部D2’に音声信号を書き込ませる。
【0107】
PLAYスイッチ75’は、ONにすることにより、音声信号格納部D2’の中の音声信号をLED制御部4’に出力させるものである。より具体的にはLED制御部4’がPLAYスイッチ75’の値を読み取って外部/内部切替スイッチSW1を駆動し、内部側、すなわち音声信号格納部D2’をLED制御部4’に接続させる側に設定する。
【0108】
セレクトスイッチ76’は、音声信号格納部D2’に1又は複数格納されている音声信号のどれを出力させるかを設定する。この実施形態では、音声信号格納部D2’に使用者が任意の音声信号を書き込めるようになっているが、その一部に書換できない態様で、いやし効果等が高いと考えられる音声信号が予め格納してあるため、少なくともこの規定音声信号とその他の任意音声信号とをこのセレクトスイッチ76’で選択することができる。
【0109】
さらにこの実施形態では、入力された音声信号を内蔵したスピーカにより音声として出力できるよう構成してあり、音声出力ボリューム77’は、その音声出力の大きさを定めるものである。
【0110】
パワースイッチ73’は電源のON/OFFに用いられる。
【0111】
次に、DEPTHボリューム71’とLIGHTボリューム72’とを用いて行う波形変換の例を図25、図26に図示する。各ボリューム71’、72’の操作幅を例えば0〜100として、図25では、DEPTHボリューム71’を操作した場合の光量変化波形の変化を示している。図26では、LIGHTボリューム72’を操作した場合の光量変化波形の変化を示している。DEPTHボリューム71’を操作すると、光量は最大ポイント(LIGHTボリューム72’の値がMAX100であれば許容最大光量値)を固定点としてその振幅が増減する。LIGHTボリューム72’を操作すると、その最大ポイントの大きさが増減する。またDEPTHボリューム71’で設定した振幅量はLIGHTボリューム72’の操作量に比例して増減する。
【0112】
このように構成した光治療装置100’の操作方法を以下に説明する。
【0113】
まず音声信号を入力する。このときインジケータ78’のいずれかが音声信号の大きさに応じて点灯するが、そのうちの一つは音声信号受付部D2’からLED制御部4’に出力される音声信号の値が、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値の近傍又はそれを超えた時に発光するものであるため、これが発光しないように、あるいは発光するかどうかのぎりぎりのところになるように、音声信号の大きさを調整する。このことにより、音声信号から変換される光量がサチュレートしないことが担保される。この状態でDEPTHボリューム71’とLIGHTボリューム72’との値をそれぞれ100にして得られる光量変化波形を図27に示す。
【0114】
次に例えばDEPTHボリューム71’を操作して20に設定すると、光量は最大ポイントを固定点としてその振幅が20/100、すなわち20%に減少する(図28参照)。
【0115】
さらに例えばLIGHTボリューム72’を操作して70に設定すると、光量は最大ポイントが70になり、振幅もそれに比例して減少する。つまり、0.2×0.7=0.14となり、振幅は各ボリューム71’、72’の値がそれぞれ100であった場合と比べると14%に減少する(図29参照)。
【0116】
ちなみにここからDEPTHボリューム71’を操作して60に設定すると、LIGHTボリューム72’の値が70であるから、0.6×0.7=0.42となり、振幅は各ボリューム71’、72’の値がそれぞれ100であった場合と比べると42%になる(図30参照)。
【0117】
このようにして各ボリューム71’、72’を調整することにより、使用者の好みの光を得ることができる。例えば、DEPTHボリューム71’を大きくとることにより、光の揺らぎが大きくなり、大きな揺らぎを心地よいと感じる人に有効なものとなる。また逆に小さくとることにより揺らぎが小さくなるため、その揺らぎを視認できないほどのレベルにすることにより通常の照明と同じような使い方も十分できるようになる。
【0118】
なお、DEPTHボリューム71’をあまり小さくしすぎると前述したように揺らぎを視認できないため、出荷時のDEPTHボリューム71’のデフォルト値を例えば50程度に設定して揺らぎが確実に出るようにし、使用者が初期操作時にとまどいを覚えないようにしている。また、一旦使用者が自分で設定した各ボリューム71’、72’の値は、次の電源投入時にデフォールト値として記憶させるようにしている。
【0119】
また、インジケータ78’によって光量が上方にサチュレートしないように音声信号の大きさを調整することによって、音声信号から変換される光量の変化波形の歪みを防止することができる。
【0120】
さらに、DEPTHボリューム71’が最大ポイントを固定点として下方への振幅量を調整するものであるため、このことによっても光量の上方へのサチュレートを防止できる。一方、LIGHTボリューム72’の操作により全体光量が変動するが、その操作量に比例して光量振幅量も増減するため、例えばLIGHTボリューム72’を絞っていっても、光量が下方にサチュレートし波形が歪むことを防止できる。このように、光量変化波形の形状を、原波形である音量変化波形の形状にほぼ保つ(振幅は変わるにせよ)ことができる。
【0121】
加えて前記第1実施形態同様、ケーシング1’が四角錐状体であり、ピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであるため、四角錐状体に光を通過させることによる光質変換効果や、暗示的乃至明示的な治療効果が得られると考えられる。
【0122】
同様な例として、図示しないが、音声信号から光量信号に変換する際の上限値を定める上限設定ボリュームと、音声信号から光量信号に変換する際の下限値を定める下限設定ボリュームとを設けたものを以下に説明する。
【0123】
この例では、LED制御部において、上限設定ボリュームで設定された上限値と、下限設定ボリュームで設定された下限値が読み込まれ、それら上限値及び下限値の間に光量変化波形が略収まるように、音声信号の波形の振幅比を設定して、すなわち縦方向の幅のみを変えて光量変化波形に変換される。
【0124】
この具体的な波形変換を図31〜図33に図示する。例えば図31では上限値100、下限値0に設定しており、この場合には音声信号の波形がそのまま光量変化波形に変換される。図32では、例えば上限値100、下限値80に設定している。この場合には、同図に示すように、波形の変化幅、すなわち揺らぎが非常に小さくなるとともに平均光量が増大する。また、図33では、例えば上限値50、下限値0に設定している。この場合には、同図に示すように、波形の変化幅が半分程度になるとともに平均光量が減少する。
【0125】
このようなものであれば、上限設定ボリュームと下限設定ボリュームとで設定した上限値及び下限値の差を大きくとることにより、光の揺らぎが大きくなり、大きな揺らぎを心地よいと感じる人に有効なものとなる。また逆に小さくとることにより揺らぎが小さくなるため、その揺らぎを視認できないほどのレベルにすることにより通常の照明と同じような使い方もできるようになる。また、上限値及び下限値をそれぞれ大きな値或いは小さな値にすることにより光量の平均値を増減させることもできる。
【0126】
変換パターンも前記実施形態に限られず音声変化波形を逆転させるなど、いろいろなパターンを採用することができる。
【0127】
また、生音声など、入力側で音声信号の大きさを調整できない場合には、外部音声を音声信号に変換するマイクと、音声信号受付部に入力された音声信号に対して出力される音声信号のゲインを調整するための音声ゲイン調整手段とをさらに備え、前記音声ゲイン調整手段を操作することにより、LEDの許容最大光量を超えない範囲で音声信号をLEDの光量に変換できるように構成しても構わない。
【0128】
加えて、音量のみならず音程又は音質の変化を光量変化に変換するようにしてもよい。この場合は、視覚認識できないほどの速さで光量が変化するため、一見通常の照明装置と同様な感じを利用者に与え、通常の照明装置としても十分に使用できるが、光質が変わることによるいやしやリラクゼーション等の精神的な効果を期待することができる。もちろん、光量変化のみらず光色変化に変換するようにしてもよい。
【0129】
さらに各実施形態や変形例の一部又は全部を適宜組み合わせて構成することももちろん可能である。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上に詳述したように、本発明によれば、LEDからの独特の美しい可視光により、光による物理的な治療効果や視覚による精神的な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1実施形態における光治療装置の全体を示す全体図。
【図2】同実施形態における治療装置本体の斜視全体図。
【図3】同実施形態における治療装置本体の正面図。
【図4】図3におけるA−A線断面図。
【図5】同実施形態における制御装置の機能ブロック図。
【図6】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図7】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図8】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図9】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図10】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図11】図6から図10のデータをまとめたグラフ。
【図12】同実施形態における実験データを示す時系列グラフ。
【図13】同実施形態における光パターンの制御例を説明する光パターン制御説明図。
【図14】同実施形態における光パターンの他の制御例を説明する光パターン制御説明図。
【図15】本発明の第2実施形態における灯籠システムの全体を示す全体図。
【図16】同実施形態における灯籠本体を示す分解斜視図。
【図17】同実施形態における発光器を示す平面図。
【図18】同実施形態における制御装置の内部機器を模式的に示す内部機器模式図。
【図19】同実施形態における制御装置の機能ブロック図。
【図20】同実施形態における変換パターンを図示する変換パターン説明図。
【図21】同実施形態における変換パターン4の内容を説明する変換パターン説明図。
【図22】同実施形態の灯籠システムの動作を示すフローチャート。
【図23】本発明の第3実施形態における光治療装置を示す全体図。
【図24】同実施形態における制御装置の機能ブロック図。
【図25】同実施形態における光量変化波形の一例を示す波形図。
【図26】同実施形態における光量変化波形の一例を示す波形図。
【図27】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図28】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図29】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図30】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図31】同実施形態の変形例における上限設定ボリューム及び下限設定ボリュームを操作した場合の光量変化波形の一例を示す波形図。
【図32】同実施形態の変形例における上限設定ボリューム及び下限設定ボリュームを操作した場合の光量変化波形の一例を示す波形図。
【図33】同実施形態の変形例における上限設定ボリューム及び下限設定ボリュームを操作した場合の光量変化波形の一例を示す波形図。
【符号の説明】
【0132】
100・・・光治療装置
2・・・LED
3・・・多角錐状体(六角錐体)
4・・・ケーシング
4a・・・光射出口
41・・・透明壁
5・・・キャップ
6・・・制御装置
61・・・音声信号受付部
62・・・パターン制御部
M・・・生体(被験者)
100’・・・光治療装置(灯籠システム)
1’・・・ケーシング(灯籠本体)
2’・・・発光器
22’・・・LED
4’・・・LED制御部
5’・・・選択入力部
6’・・・音声信号受付部
D1’・・・変換パターン格納部D1’
71’・・・揺らぎ幅調整手段(DEPTHボリューム)
72’・・・全体光量調整手段(LIGHTボリューム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体にLEDから出た光をあてることにより、その生体に治療効果を与える光治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、患部または「つぼ」に光を照射することにより治療を施す光治療が注目されつつある。この光治療によれば、肩こり、腰痛などの痛み治療から、アトピー性皮膚炎の治療に至るまで、広範囲の症状に効果があることが認められている。そしてこのような光治療に用いる装置として、ガスレーザや半導体レーザ光を用いた光源、その光源を制御する制御装置、前記光源からでた光を導光する光ファイバ及びその光ファイバの先端に取り付けられた光照射プローブで構成されたものが知られている。
【0003】
一方、このような光治療用の装置は大がかりで高価なうえ、安全管理も必要であることから、一般家庭でも使用できるものとして、特許文献1に示すように、光源にLEDや半導体レーザ等の小型のものを用い、パッケージ内に一体に収容した非常にコンパクトで一般家庭でも手軽にかつ安全に使用できる光治療装置も開発されてきている。
【特許文献1】特開平9−201422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の光治療装置においては、外観に考慮が払われておらず、光は単に患部に照射されるためにのみ用いられているため、この光による視覚的な作用から得られる「いやし」といった精神的な面での治療効果を得ることはできない。また従来のものは、光源からでる光を直接乃至レンズやライトガイドといった単純な導光体を介して照射するのみで、光の質を考えて治療効果を高めるといった発想は全くなされていない。このようなことから従来の光治療による効果の程度は、被験者によりまちまちで、あまり効かない場合も多々あるのが実情である。
【0005】
そこで本発明は、一般家庭でも手軽にかつ安全に使用できるのはもちろんのこと、光による物理的な効果に加えて、光源であるLEDからでる光による視覚的な効果(カラーセラピー効果)を併せて得られ、さらには光の質にまで考慮することにより、非常に高い治療効果を期待できる光治療装置を提供することをその主たる所期課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る光治療装置は、1又は複数のケーシングと、外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、受け付けた音声信号が示す音声の音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの光量変化に変換するLED制御部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
ここで、「青色乃至緑色光」とは、波長にして約400nmから約560nmまでの光のことをいい、一般に紫色と言われる波長域も含む。特に効果が顕著となるのは、波長にして約450nm〜約530nmの光を発するLEDを用いた場合である。また「治療」とは、痛み抑制や炎症鎮静などの物理的な目的のみならず、いわゆる「いやし」や入眠促進といった精神的な目的のために行うものも含む。「多角錐状体」には、四角錐や五角錐が含まれ、さらには、その先端を丸めたりカットするなどして、安全性や製作容易性を考慮したものも含まれる。
【0008】
また、LEDは黄色乃至赤色(波長約560nm〜約800nm)の可視光を発するものであっても使用可能である。
【0009】
多角錐状体の先端が生体に直接あたるのを防止するとともに、この光治療装置を生体に好適に密着させ、光照射を良好に行えるようにするには、前記光射出口を覆う光透過性を有したキャップをさらに備え、そのキャップが生体所要箇所に密着させた場合に撓み変形を伴う弾性部材で構成されたものであることが望ましい。特にこのキャップの表面に、シリコーンシート等の粘着性を有する部材を添付しておけばなお好ましい。
【0010】
被験者の体内リズムと照射される光のリズムとをマッチングできるようにし、効果をより高めるには、前記LEDから発される光の強弱を制御する制御装置をさらに備え、その制御装置が、音楽やお経などの音声を示す音声信号を受け付ける音声信号受付部と、その音声信号の示す音声の音量、音色、音程の少なくとも一つに合わせて前記LEDから発される光の発光パターンを制御するパターン制御部とを備えているものであることが好ましい。
【0011】
具体的な実施態様としては、前記ケーシングが一端面を閉塞した筒状をなすものであり、他端面の開口を前記光射出口としたものを挙げることができる。
【0012】
視覚的な効果を考慮した具体的態様としては、前記ケーシングの少なくとも一部を透明壁で構成し、その透明壁を介して前記多角錐状体を外部から視認可能に構成しているものを挙げることができる。
【0013】
特に、前記多角錐状体が四角錐、五角錐、乃至六角錐であるものが好ましく、特には正多角錐体がよい。またその素材としては、水晶が好適である。
【0014】
一方、特にいやしやリラクゼーション等の精神的な治療或いは治癒に着目すれば、1又は複数のケーシングと、外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、受け付けた音声信号が示す音声の音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの光量変化に変換するLED制御部とを備えているものでも構わない。光量変化は視覚認識可能にしておくことが望ましい。
【0015】
前記変換パターンとして簡単には音量等の変化波形をそのまま光量変化波形に変換するものが考えられる。ところがこのような変換では、揺らぎを小さくすべく、光量変換への増幅率を下げると、光量が全体として小さくなり、暗いイメージを与える。一方、揺らぎを大きくすべく光量変換への増幅率を上げると、光量が大きくなりすぎたり、あるいはLEDの許容最大光量で波形がカットされ、所期の変換波形と大きく異なってしまう場合が生じ得る。これらの不具合を回避する一具体例としては、揺らぎ幅調整手段と全体光量調整手段とをさらに備え、揺らぎ幅調整手段を操作することにより、光量変化の振幅量を設定可能に構成するとともに、全体光量調整手段を操作することにより、全体光量(或いは平均値)を設定可能に構成したものを挙げることができる。
【0016】
このようなものであれば、全体光量と揺らぎ量とを別個に操作できるため、前記不具合を回避できるうえ、例えば揺らぎ幅を小さくすることでかすかな揺らぎになり、光治療装置としてではなく、通常の照明装置としても十分に使用できることとなり、使い勝手が格段に向上する。
【0017】
一方、音声信号の大きさがあまりに大きいと、光量変換への増幅率を上げたと同様に、LEDの許容最大光量で波形がカットされ、所期の変換波形と大きく異なってしまう場合が生じ得る。これを使用者が知り、音声入力量を適切な量に調整できるようにするには、音声信号受付部からLED制御部に出力される音声信号の大きさが、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値の近傍又はそれを超えた時に発光する1又は複数のインジケータをさらに備えているものが好ましい。
【0018】
生音声など、入力側で音声信号の大きさを調整できない場合には、外部音声を音声信号に変換するマイクと、音声信号受付部に入力された音声信号に対して出力される音声信号のゲインを調整するための音声ゲイン調整手段とをさらに備え、前記音声ゲイン調整手段を操作することにより、LEDの許容最大光量を超えない範囲で音声信号をLEDの光量に変換できるように構成しているものが好ましい。
【0019】
その他、LEDの光量を十分に得つつ、しかも音量等の変化にある程度対応した光量変化を得ることができる具体的態様としては、前記LED制御部が、前記音量、音程又は音質の変化が増大から減少に転じるポイントで常に一定の上限光量になるように、光量を変化させるものであることが望ましい。
【0020】
ユーザが複数の変換パターンから好みのものを選択できるようにするには、前記変換パターンを複数種類記憶している変換パターン格納部と、前記各変換パターンのうちから所望の変換パターンを選択するための選択入力部とをさらに備えているものがよい。
【0021】
光の色を音声信号に合わせて変えるようにしても良い。具体的には、前記LED制御部が、受け付けた音声信号が示す音声を構成する音量、音程、音質のいずれか1つの変化に対応させて前記LEDからでる光の色を視覚認識可能に変化させるものを挙げることができる。
【0022】
光量変化を容易に行え、寿命や光量安定性等にも優れたLEDとしては、LEDを利用したものを挙げることができる。
【0023】
神社仏閣のように複数のケーシングを並べて設ける場合には、各ケーシングから射出される光の揺らぎを同期させることや、これとは逆に異ならせることができるようにしておくことがユーザの要求に応えるうえで望ましい。
【0024】
具体的な形状としては、前記ケーシングが多角錐状体であるものが望ましい。このようなものであれば、室内や枕元において室内インテリアとしても用いることができる。また、多角錐状体は、例えばピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであり、その暗示乃至明示的な治療効果や、この多角錐状体に光を通過させることによる光質変換による効果をも期待できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、LEDから多角錐状体を介して青色乃至緑色等の可視光が射出されるため、非常に美しく、光による物理的な治療効果に併せて、視覚による精神的な効果を相乗して得ることができる。また、多角錐状体は、例えばピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであり、その暗示乃至明示的な治療効果や、この多角錐状体に光を通過させることによる光質変換による治療効果をも期待できる。さらに、LEDを用いているため、小型化が可能で安全性にも富み、家庭でも手軽に扱うことができるものを容易に提供できる。
【0026】
また本発明によれば、LEDからの光が、音声信号に合わせて独特に揺らぐため、その揺らぎによる光質の変化や、或いは例えば視覚による揺らぎ認識によって、精神的な治療効果、すなわちいやしやリラクゼーション効果等を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<第1実施形態>
【0028】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る光治療装置100は、図1〜図4に示すように、生体治療光を発する治療装置本体1と、その治療装置本体1を介して電力を供給するとともに前記生体治療光の発光態様を制御する制御装置6とを備えたものである。
【0030】
各部を詳述する。
【0031】
各部を説明すると、治療装置本体1は、図1〜図3に示すように、複数のLED2と、それらLED2の前方に配置した透明中実の多角錐状体である正六角錐体3と、それらLED2及び六角錐体3を収容するケーシング4とを備えている。
【0032】
LED2は、例えば発光素子を砲弾型の樹脂でモールドしたタイプのもので、青色光(波長約470nm)を発する。そして円形配線基板21上に複数が敷き詰められるように配設してある。
【0033】
六角錐体3は、例えば、天然水晶や人工水晶等を素材として形成した透明中実のものであり、もちろんその他にガラスや樹脂等でも形成することは可能である。
【0034】
ケーシング4は、一端面を光射出口4aとして開放し他端面を閉塞した例えば円筒状をなす中空のもので、前記光射出口4a側の略半分をガラスや樹脂等の透明壁41で構成する一方、他端側の残りの部分を金属等の熱伝導性に富む非透明壁42で構成している。そしてこのケーシング4の他端側に前記LED2を配線基板とともに収容し、側方からは前記非透明壁42に遮られてLED2が見えないように構成するとともに、LED2で発生する熱をその非透明壁42を介して外部に有効に放熱できるようにしている。一方、六角錐体3は、その先端を前記光射出口4a側に向けるとともにその底面をLED2に近接又は当接させてケーシング4の内部に収容してある。そして、この六角錐体3の先端側一部を、側方から前記透明壁41を介して視認できるように構成している。
【0035】
さらに本実施形態では、このケーシング4の光射出口4aに光透過性を有したキャップ5を取り付け、この光射出口4aを覆うようにしている。このキャップ5は、円盤状をなす樹脂製の弾性部材であり、生体所要箇所に密着させた場合に撓み変形を伴い得るものである。
【0036】
一方、前記制御装置6は、ケーブルCAを介して前記LED2に発光のための電力を供給するものであり、図1に示すように、筐体60内に設けたディスクリート回路乃至CPUを利用した電気的ハードウェアによって、前記LED2から発される光の強弱を制御可能に構成してある。
【0037】
この制御装置6は、図5に内部機能ブロックを示すように、前記ハードウェアを適宣構成することによって、供給されたAC電流を直流化する直流変換部63や、ボリュームや外部からの光量信号を受け付ける光量信号受付部66、あるいは受け付けた光量信号に基づいて前記直流電流の電圧を変化させ、或いはPWM変換する等してLED2に供給する電流を制御する光量制御部64等を備えている。しかして本実施形態では、お経や音楽などの音声を示す音声信号を受け付ける音声信号受付部61と、受け付けた音声信号を記憶し格納する音声信号格納部65と、その音声信号の示す音声の音量、音色、音程の少なくとも一つ(この実施形態では音量)に合わせて前記LED2から発される光の発光パターンを制御するパターン制御部62とをさらに設けている。
【0038】
音声信号受付部61は、例えば、図示しない音声入力端子を備え、その音声入力端子とCDプレーヤやビデオデッキの音声出力端子とをケーブルで接続することにより、ユーザの好みの音楽等をデジタル又はアナログの音声信号として受け付けることができるものである。
【0039】
音声信号格納部65は、受け付けた音声信号を記憶するもので、複数の音声信号を記憶できるようにしてもよい。
【0040】
パターン制御部62は、図13に示すように、例えば音声信号の振動波形に応じて、LEDの発光パターン、すなわちLEDに与える電流信号のデューティ比を変化させるものである。この実施形態では、光量制御部64で、パルスの高さ(電圧)が設定され、パターン制御部62でパルスのデューティ比が設定されるようにしてある。
【0041】
もちろん、図14に示すように、パターン制御部62で音声信号の振動波形に追随するようにパルスの高さを変える一方、光量制御部64では、デューティ比を変えて光量を制御するようにするなど、種々の変形は可能である。
【0042】
このように構成した光治療装置100は、以下のように動作する。LED2を点灯すると、そこから出た青色の光は、六角錐体3の底面から内部に導入され、その先端側から生体治療光として射出される。そしてその生体治療光は、ケーシング4の光射出口4aを通って外部に射出される。一方、音楽やお経等の音声信号を音声信号受付部61に入力することで、その音声に併せて前記LED2から発される光の発光パターンを変化させることもできる。
【0043】
この光治療装置100を用いて、例えば精神的なリラックス効果やいやし効果、あるいは入眠効果等を得たい場合には、図1に示すように、額中央に光射出口4aを近接させるか、密着させ、所定時間LED2を点灯すればよい。本発明者等の実験では、胸部中央に生体治療光を照射することも同様の効果を得る上で有効である。また、鎮痛や消炎作用を得るには、患部にこの光治療装置100からの生体治療光を照射することが有効である。また、好みの音楽やお経等の音声を入力することにより、さらに治療の効果を上げることも可能である。
【0044】
次に、具体的な効果を示す実験データに関して以下に説明する。
【0045】
この実験は、比較も含めたデータを取得するために、被験者Mに対し、以下に示す(1)〜(5)の各条件下で脳波(α波及びβ波)、指先皮膚抵抗値等を測定したものである。条件とは、
【0046】
(1)何もしない
【0047】
(2)六角錐体3のみを被験者Mの額中央に近接させる
【0048】
(3)LED2からの光を直接被験者Mの額中央に照射する
【0049】
(4)本光治療装置100の光射出口4a(キャップ5)を被験者Mの額中央に密着させて光を照射する
【0050】
(5)光治療装置100の照射後、何もしない
【0051】
という5つである。
【0052】
なお各条件でのデータ測定時間はそれぞれ約10分間である。また、各測定の時間を横軸にとった波形データを図12に示す。
【0053】
ここではます脳波の波形を各条件で比較し、解析した結果を説明する。光治療装置100を用いていない(1)、(2)及び(3)の条件下では、α波及びβ波は、図6〜図8に示すように、それらの平均値を比較するといずれが優位とも言えず、ほとんど同じレベルである。ところが、光治療装置100で光を照射している(4)と、その後の(5)では、図9、図10に示すように、α波がβ波に比して明らかに優位となっている。また、α波自体の絶対レベルも、図6〜図10の平均値データをグラフ化した図11に示すように、(1)、(2)、(3)に比べ(4)、(5)の方が明らかに高くなっている。なお、この図11では、条件(1)での値を1とし、残りの条件下での値を条件(1)に対する比率で示している。これらのことから被験者Mが、この光治療装置100での治療によって、リラックス状態になっていることがわかる。特に注目すべきは(5)のデータである。すなわち光治療装置100を用いた後、これを取り外しても、その効果が持続することがわかる。なお、前記図11では、条件(1)での値を1とし、残りの条件下での値を条件(1)に対する比率で示している。
【0054】
次に皮膚抵抗値のデータを各条件で比較し、解析した結果を説明する。皮膚抵抗は、副交感神経優位、すなわちリラックス状態になってくるとその値が低下することが知られている。そこで、皮膚抵抗値の平均データを見ると、前記図11に示すように、(1)の状態に比して、(4)(5)の状態では、抵抗値が大きく低下していることがわかる。特に、特に(5)においてその傾向が顕著となる。つまり、被験者Mが光治療装置100で治療されることによってリラックス状態になることは、皮膚抵抗値のデータからも判断できる。さらには、脳波データからも導かれたように、光治療装置100を取り外した後もその治療効果が持続することがわかる。
【0055】
このように、本実施形態に係る光治療装置100によれば、物理的な治療効果に併せて、精神的な治療効果を相乗して得ることができる。これは、LED2から六角錐体3を介して青色の非常に美しい光が射出され、なおかつそれを被験者Mがケーシング4の透明壁41を介して外部から視認できるため、カラーセラピー効果を同時に得られるということがその原因の一つであると考えられる。
【0056】
また、多角錐状体は、例えばピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであり、本実施形態のように六角錐体3に光を通過させることによる光質変換効果や、暗示的乃至明示的な治療効果が得られるためであるとも考えられる。
【0057】
さらに、LED2を用いているため、小型化が可能で安全性にも富み、家庭でも手軽に扱うことができる。
【0058】
なお、本実施形態は種々の変形が可能である。
【0059】
例えば、全てのLEDが同一の光を発するものである必要はなく、赤色や黄色、赤外線、紫外線等を射出するLEDを混在させてもよいし、フルカラーLEDを用いてもよい。その場合、例えば各LEDの発光光量を制御することで、生体治療光の全体としての色彩を時系列的に変化させ、カラーセラピー効果をより高めるようにしてもよい。さらにこの色彩の変化を前記音声信号に基づいて行うようにしても構わない。
【0060】
特には青色乃至緑色光(波長にして約400nmから約560nmまでの光)を射出するものが好ましく、より好ましくは波長にして約450nm〜約530nmの光がよい。
【0061】
また、LEDは、砲弾型のものに限られず、チップタイプのものでもよいし、さらには単数でも構わない。単数の場合は、連続して200mA以上の電流を流すことができ、大光量の光を射出できるパワーLEDを用いることが好ましい。
【0062】
ケーシングは、全部透明でも構わないし、全部不透明でもよい。もちろんその形態は円筒状に限られず、用途に応じて他の種々の形態にしても前記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0063】
さらに言えば、治療装置本体を生体に装着固定するための装着具を設けるようにしてもよい。装着具の一例としては、ケーシングに取り付けられたベルトを挙げることができる。このベルトを例えば被験者の頭部に巻くことにより、治療装置本体を額に装着することができる。
【0064】
また、治療装置本体は必ずしも生体に密着させる必要はなく、若干離間させるようにしてもよい。その場合は、治療装置本体を空中の所望位置で保持する例えばフレキシブルアームを設けておくことが好ましい。
【0065】
加えて、例えば制御装置にタイマー機能を持たせ、所定時刻でのLEDの入切ができるようにすればなおよい。入眠後、一定時間で電源を切ること等ができるからである。
【0066】
<第2実施形態>
【0067】
以下に本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態での符号は前記第1実施形態で付した符号と独立している。
【0068】
この実施形態における光治療装置100’は、図15に示すように、システム化された灯籠型の照明システムとして神社仏閣等に配置し得るようにしたものである。このものは、同図に示すように、例えば通路Rの両側に沿って並び設けた複数のケーシングたる灯籠本体1’と、各灯籠本体1’に収容した発光器2’及び制御装置3’とを備えている。
【0069】
灯籠本体1’は、図16に示すように、例えば円筒状のもので、戸外の地面に設置した柱状の基礎部11’と、その基礎部11’の上端に設けた照明部12’とからなる。
【0070】
基礎部11’は上方に開口する中空のもので、後述する発光器2’や制御装置3’、或いは図示しない電源を内部に収容している。なお、電源には電池(太陽電池や乾電池等どのような種類のものであってよい)を用いている。もちろんAC電源を用いても良いが、敷設に手間がかかること等の理由からこの実施形態では電源を電池としている。
【0071】
照明部12’は、前記基礎部と同径の下方に開口する中空のもので、透光性及び光散乱性を有する等厚の部材(例えば防水膜を有した和紙等)で形成した外周壁12a’と、その外周壁12a’の上端面を覆うように設けた光反射性を有する頂板12b’とを備えている。
【0072】
発光器2’は、図16、図17に示すように、例えば前記基礎部11’の上端部に水平に配置した配線基板21’と、その配線基板21’に上向きに光を射出するように配置した複数のLED22’とを備えている。この図では各LED22’が平面視略正方形状をなすように配置されている。これらLED22’から上方に射出された光は、基礎部11’の上端開口を通過して照明部12’内に導かれ、直接又は前記頂板12b’で反射して照明部12’の外周壁12a’に到達し、その外周壁12a’で散乱して外部に射出されるように構成してある。
【0073】
制御装置3’は、図18に示すように、例えばCPU101’、メモリ102’、スイッチ等の入力手段103’、AD変換器104’、PWM部105’、入出力インタフェース106’等を有した1チップマイコンと、その1チップマイコンに接続した増幅器107’等を備えたもので、前記基礎部11’における発光器2’の下方に配置してある。この制御装置3’は、前記メモリ102’に記憶させたプログラムにしたがって、前記CPU101’とその周辺機器とを協働させることにより、音声信号受付部6’、LED制御部4’、変換パターン格納部D1’、選択入力部5’等としての機能を発揮する(図19参照)。以下に各部を詳述する。
【0074】
音声信号受付部6’は、図示しないバッファや前記AD変換器104’等を利用して構成したものであり、例えばテープレコーダの出力端子等から入力される所定形式の外部音声信号を受け付け、所定のサンプリング間隔でAD変換し、各サンプリング時刻での音量に対応する値が複数、時系列に並んでなるデジタルデータを生成するものである。なお、この音声信号受付部6’は、入力手段103’の一つである外部/内部切替スイッチ(図示しない)が外部側に設定されている場合にのみ外部音声信号を受け付けてデジタルデータ化し、後述する発光体制御部4’に伝送する。外部音声信号はユーザの好みのものでよく、例えば、音楽やお経等を示すものが挙げられる。
【0075】
LED制御部4’は、前記第1実施形態におけるパターン制御部及び光量制御部の機能を併せ持つもので、前記音声信号受付部6’で受け付けた外部音声信号を取得し、その音声信号が示す音声の音量変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LED22’の視覚認識できるような光量変化に変換するものである。このLED制御部4’は前記PWM部105’、増幅器107’等を含んで構成してあり、光量変化はPWM方式で行っている。なお、前記外部/内部切替スイッチが内部側に設定されている場合には、RAM等の書換可能なメモリ102’の所定領域に設定してある音声信号格納部D2’から内部音声信号を取得する。この音声信号格納部D2’には、例えば前記第1実施形態同様、予め音声信号を1又は複数記憶させてある。記憶させるにあたっては、例えば図示しない記録スイッチを入れた状態で音声信号を入力したり、あるいは、図示しない記録専用の別端子から音声信号を入力したりするようにしている。
【0076】
前記変換パターンは、具体的には、複数種類が用意してあって、メモリ102’の所定領域に設定した変換パターン格納部D1’に記憶させてある。そしてこのLED制御部4’は、選択入力部5’で受け付けた値に基づいて前記変換パターン格納部D1’から変換パターンを取得し、その取得した変換パターンに基づいて、前記音声信号の示す音量変化を、発光器2’の光量を変化させるための光量変化信号に変換する。なお、選択入力部5’は、入力手段103’の一つであるパターン切替スイッチ(図示しない)を利用して構成してある。
【0077】
この実施形態において前記光量変化信号はPWM部105’が出力するパルス波のON/OFF時間の比の時間変化を示す信号であり、この光量変化信号は、PWM部105’でそのON/OFF時間比を有した数百Hz以上のパルス波に変換され、増幅器107’を介してLED22’の光量に変化される。LED22’の光量を電流値又は電圧値で制御している場合には、前記光量変化信号を、駆動電流値又は駆動電圧値の変化を示すものにすればよい。
【0078】
しかして前記変換パターンには、図20に示すように、例えば以下の4種類が用意してある。
【0079】
1.音声信号の示す音量変化波形に比例する形状の波形で発光器2’の光量を変化させる。このとき発光器2’の光量変化波形は、発光量の許容最大値と最小値との間に収まるように拡縮又はオフセットされる。
【0080】
2.音声信号の示す音量変化波形に比例する形状の波形で発光器2’の光量を変化させる。このとき発光器2’の光量変化波形は、増大方向にオフセットされ、発光量の許容最大値を超える部分はその最大値でカットされる。
【0081】
3.音声信号の示す音量変化波形に比例する形状の波形で発光器2’の光量を変化させる。このとき発光器2’の光量変化波形は、減少方向にオフセットされ、発光量の許容最小値を下回る部分はその最小値でカットされる。
【0082】
4.前記音量変化が増大から減少に転じるポイントで常に一定の上限光量となるように、光量を変化させる。音量変化波形と、光量変化波形とは形状が比例しない。具体的には図21に示すように、以下のような処理を行う。
【0083】
(1)音量変化波形データの山の頂点を特定する。すなわち音量変化波形データのある時刻の値(現在値という)を次のサンプリング時刻での値(次の値という)から引いた値がプラスからマイナスに転じた時点での前記現在値を特定する。
【0084】
(2)次に、予め定めた上限値から前記現在値を引いた差分値を算出し、その山を構成する音量変化波形データの各値に前記差分値を加える。このようにして算出されたデータが光量変化波形を形成する。前記山を構成するデータは、現在値を次の値から引いた値がマイナスからプラスに転じる時点を最初として、次に再びマイナスからプラスに転じる時点までの間のデータのことである。
【0085】
(3)次の山の頂点を特定し、同様のことを最後まで繰り返す。
【0086】
このように構成した本実施形態に係る灯籠システム10の動作の一例を以下に説明する。
【0087】
まず電源が入れられると、初期化処理が行われる(ステップS1)。
【0088】
次に音声信号受付部6’が、外部/内部切替スイッチの値を読み込む(ステップS2)。
【0089】
前記スイッチが「外部」に設定されていれば、外部音声信号を読み込み(ステップS3)、AD変換処理してその音声信号をデジタルデータ化する(ステップS4)。一方、前記スイッチが「外部」に設定されていれば、音声信号格納部D2’に予め格納されている内部音声信号を読み込む(ステップS5)。
【0090】
次にLED制御部4’が、選択入力部5’で読み込まれたパターン切替スイッチの示す値を取得し(ステップS6)、その値に応じて前記変換パターン格納部D1’から変換パターンを抽出する(ステップS7)。そしてその変換パターンに基づいて音量変化を光量変化に変換し、LED22’を駆動する(ステップS8)。
【0091】
終了(例えば電源が切られる)まで前記ステップS2〜ステップS8を繰り返す。
【0092】
このように構成した本実施形態に係る光治療装置100’によれば、特にいやしやリラクゼーション等の精神的な治療或いは治癒効果を期待することができる。
【0093】
なお、本実施形態は種々の変形が可能である。
【0094】
例えば、前記実施形態では各灯籠本体1’にそれぞれ独立して制御装置3’を組み込み、それら制御装置3’にそれぞれ入力された音声信号により各発光器2’を独立して駆動できるように構成してあるが、1つの制御装置のみで複数の灯籠本体の発光器を制御するようにしてもよい。この場合、各発光器からでる光を同期させて揺らがせる場合と独立して揺らがせる場合とをスイッチ等で選択できるようにしたり、発光器毎に音声信号を異ならせる場合と全部同じ音声信号で駆動する場合とを、やはりスイッチ等で選択できるようにしておけば、多くの揺らぎバリエーションを実現でき、ユーザの種々の要求に応えられるものとなる。もちろん、同様の機能を各制御装置を有線乃至無線で互いに接続することにより実現しても構わない。
【0095】
また、発光器はLEDを利用したものに限られず、白熱球や、その他の光源を用いてもよい。
【0096】
さらに、音量の変化で発光量を変化させることのみならず、音程や音質の変化、或いはそれらの組み合わせで発光量を変化させるようにしても良い。具体的に音程の場合には、周波数解析装置を設けておき、入力された音程の変化、すなわち音声の基本周波数の変化に応じて光量を変化させるようにすればよい。音質の場合は、基本周波数に重畳する高調波の大きさや周波数の変化に応じて光量を変化させるようにすればよい。
【0097】
光量変化は視覚認識可能である必要はなく、FM変調のように、視覚では認識できない非常に速い揺らぎに変えても構わない。このようにすれば、仕事や勉強に用いる通常の照明にも適用できる。もちろん変換の手法として、第1実施形態の図13、図14で示したようなものを用いてもよい。
【0098】
加えて、発光器の色を音声信号によって視覚認識可能に変化させるようにしてもよい。発光器に例えば多色LEDを用いれば実現可能である。
【0099】
<第3実施形態>
【0100】
以下に第3実施形態を説明する。なお、この実施形態で、前記第2実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
【0101】
この第3実施形態に係る光治療装置100’は、前記第2実施形態同様、外部から入力された音声信号を受け付け、受け付けた音声信号が示す音量の変化を所定の変換パターンに基づいてLED(図示しない)の光量変化に変換するもので、単一のケーシング1’を有し、部屋の照明や枕元の照明等の屋内照明にも用いることができるようにしたものである。
【0102】
具体的にこのものは、図23に示すように、ケーシング1’の形状が、例えば多角錐状体(この例ではピラミッド型四角錐)をなす。そして、ケーシング1’の基礎部11’に種々の操作手段(スイッチやボリューム)71’〜77’、或いは図示しないコネクタ等が設けてあって、これらの操作を、基礎部11’に収容した制御装置(図示しない)が受け付け、その操作にしたがってLED(図示しない)の発光態様を制御するようにしている。LEDはケーシング1’の頂点から約1/3の高さのところに設置してあり、いわゆるピラミッドパワーとしての心理効果が得られるように構成している。
【0103】
内部の機能ブロック図を図25に示す。特にこの実施形態で特徴的なところは、操作手段に揺らぎ幅調整手段であるDEPTHボリューム71’と、全体光量調整手段であるLIGHTボリューム72’とを設けており、これらのボリューム71’、72’により音声−光量波形変換のゲイン等を独特の方法で定められるようにしている点にある。DEPTHボリューム71’は、その操作により光量変化の振幅量を設定することができ、LIGHTボリューム72’は、その操作により全体光量を設定することができる。詳細は後述する。
【0104】
加えてこの実施形態では、ケーシング1’の基礎部11’に音声信号の入力量(入力電圧)を示すインジケータ78’が複数個設けてある。これらインジケータ78’は、音声信号受付部6’からLED制御部4’に送信される音声信号の大きさを視覚的に示すもので、特のその一つ(図中一番上のもの)は、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値を超えた時に発光する。
【0105】
また、その他にRECスイッチ74’、PLAYスイッチ75’、セレクトスイッチ76’、音声出力ボリューム77’、パワースイッチ73’等が設けてある。
【0106】
簡単にこれらについて説明しておくと、RECスイッチ74’は、ONにすることにより、音声信号受付部6’で受け付けた音声信号を音声信号格納部D2’に格納させるものである。より具体的にはLED制御部4’がRECスイッチ74’の値を読み取って音声信号格納部D2’に音声信号を書き込ませる。
【0107】
PLAYスイッチ75’は、ONにすることにより、音声信号格納部D2’の中の音声信号をLED制御部4’に出力させるものである。より具体的にはLED制御部4’がPLAYスイッチ75’の値を読み取って外部/内部切替スイッチSW1を駆動し、内部側、すなわち音声信号格納部D2’をLED制御部4’に接続させる側に設定する。
【0108】
セレクトスイッチ76’は、音声信号格納部D2’に1又は複数格納されている音声信号のどれを出力させるかを設定する。この実施形態では、音声信号格納部D2’に使用者が任意の音声信号を書き込めるようになっているが、その一部に書換できない態様で、いやし効果等が高いと考えられる音声信号が予め格納してあるため、少なくともこの規定音声信号とその他の任意音声信号とをこのセレクトスイッチ76’で選択することができる。
【0109】
さらにこの実施形態では、入力された音声信号を内蔵したスピーカにより音声として出力できるよう構成してあり、音声出力ボリューム77’は、その音声出力の大きさを定めるものである。
【0110】
パワースイッチ73’は電源のON/OFFに用いられる。
【0111】
次に、DEPTHボリューム71’とLIGHTボリューム72’とを用いて行う波形変換の例を図25、図26に図示する。各ボリューム71’、72’の操作幅を例えば0〜100として、図25では、DEPTHボリューム71’を操作した場合の光量変化波形の変化を示している。図26では、LIGHTボリューム72’を操作した場合の光量変化波形の変化を示している。DEPTHボリューム71’を操作すると、光量は最大ポイント(LIGHTボリューム72’の値がMAX100であれば許容最大光量値)を固定点としてその振幅が増減する。LIGHTボリューム72’を操作すると、その最大ポイントの大きさが増減する。またDEPTHボリューム71’で設定した振幅量はLIGHTボリューム72’の操作量に比例して増減する。
【0112】
このように構成した光治療装置100’の操作方法を以下に説明する。
【0113】
まず音声信号を入力する。このときインジケータ78’のいずれかが音声信号の大きさに応じて点灯するが、そのうちの一つは音声信号受付部D2’からLED制御部4’に出力される音声信号の値が、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値の近傍又はそれを超えた時に発光するものであるため、これが発光しないように、あるいは発光するかどうかのぎりぎりのところになるように、音声信号の大きさを調整する。このことにより、音声信号から変換される光量がサチュレートしないことが担保される。この状態でDEPTHボリューム71’とLIGHTボリューム72’との値をそれぞれ100にして得られる光量変化波形を図27に示す。
【0114】
次に例えばDEPTHボリューム71’を操作して20に設定すると、光量は最大ポイントを固定点としてその振幅が20/100、すなわち20%に減少する(図28参照)。
【0115】
さらに例えばLIGHTボリューム72’を操作して70に設定すると、光量は最大ポイントが70になり、振幅もそれに比例して減少する。つまり、0.2×0.7=0.14となり、振幅は各ボリューム71’、72’の値がそれぞれ100であった場合と比べると14%に減少する(図29参照)。
【0116】
ちなみにここからDEPTHボリューム71’を操作して60に設定すると、LIGHTボリューム72’の値が70であるから、0.6×0.7=0.42となり、振幅は各ボリューム71’、72’の値がそれぞれ100であった場合と比べると42%になる(図30参照)。
【0117】
このようにして各ボリューム71’、72’を調整することにより、使用者の好みの光を得ることができる。例えば、DEPTHボリューム71’を大きくとることにより、光の揺らぎが大きくなり、大きな揺らぎを心地よいと感じる人に有効なものとなる。また逆に小さくとることにより揺らぎが小さくなるため、その揺らぎを視認できないほどのレベルにすることにより通常の照明と同じような使い方も十分できるようになる。
【0118】
なお、DEPTHボリューム71’をあまり小さくしすぎると前述したように揺らぎを視認できないため、出荷時のDEPTHボリューム71’のデフォルト値を例えば50程度に設定して揺らぎが確実に出るようにし、使用者が初期操作時にとまどいを覚えないようにしている。また、一旦使用者が自分で設定した各ボリューム71’、72’の値は、次の電源投入時にデフォールト値として記憶させるようにしている。
【0119】
また、インジケータ78’によって光量が上方にサチュレートしないように音声信号の大きさを調整することによって、音声信号から変換される光量の変化波形の歪みを防止することができる。
【0120】
さらに、DEPTHボリューム71’が最大ポイントを固定点として下方への振幅量を調整するものであるため、このことによっても光量の上方へのサチュレートを防止できる。一方、LIGHTボリューム72’の操作により全体光量が変動するが、その操作量に比例して光量振幅量も増減するため、例えばLIGHTボリューム72’を絞っていっても、光量が下方にサチュレートし波形が歪むことを防止できる。このように、光量変化波形の形状を、原波形である音量変化波形の形状にほぼ保つ(振幅は変わるにせよ)ことができる。
【0121】
加えて前記第1実施形態同様、ケーシング1’が四角錐状体であり、ピラミッドに代表されるように、古来より特別の効果があると言われてきているものであるため、四角錐状体に光を通過させることによる光質変換効果や、暗示的乃至明示的な治療効果が得られると考えられる。
【0122】
同様な例として、図示しないが、音声信号から光量信号に変換する際の上限値を定める上限設定ボリュームと、音声信号から光量信号に変換する際の下限値を定める下限設定ボリュームとを設けたものを以下に説明する。
【0123】
この例では、LED制御部において、上限設定ボリュームで設定された上限値と、下限設定ボリュームで設定された下限値が読み込まれ、それら上限値及び下限値の間に光量変化波形が略収まるように、音声信号の波形の振幅比を設定して、すなわち縦方向の幅のみを変えて光量変化波形に変換される。
【0124】
この具体的な波形変換を図31〜図33に図示する。例えば図31では上限値100、下限値0に設定しており、この場合には音声信号の波形がそのまま光量変化波形に変換される。図32では、例えば上限値100、下限値80に設定している。この場合には、同図に示すように、波形の変化幅、すなわち揺らぎが非常に小さくなるとともに平均光量が増大する。また、図33では、例えば上限値50、下限値0に設定している。この場合には、同図に示すように、波形の変化幅が半分程度になるとともに平均光量が減少する。
【0125】
このようなものであれば、上限設定ボリュームと下限設定ボリュームとで設定した上限値及び下限値の差を大きくとることにより、光の揺らぎが大きくなり、大きな揺らぎを心地よいと感じる人に有効なものとなる。また逆に小さくとることにより揺らぎが小さくなるため、その揺らぎを視認できないほどのレベルにすることにより通常の照明と同じような使い方もできるようになる。また、上限値及び下限値をそれぞれ大きな値或いは小さな値にすることにより光量の平均値を増減させることもできる。
【0126】
変換パターンも前記実施形態に限られず音声変化波形を逆転させるなど、いろいろなパターンを採用することができる。
【0127】
また、生音声など、入力側で音声信号の大きさを調整できない場合には、外部音声を音声信号に変換するマイクと、音声信号受付部に入力された音声信号に対して出力される音声信号のゲインを調整するための音声ゲイン調整手段とをさらに備え、前記音声ゲイン調整手段を操作することにより、LEDの許容最大光量を超えない範囲で音声信号をLEDの光量に変換できるように構成しても構わない。
【0128】
加えて、音量のみならず音程又は音質の変化を光量変化に変換するようにしてもよい。この場合は、視覚認識できないほどの速さで光量が変化するため、一見通常の照明装置と同様な感じを利用者に与え、通常の照明装置としても十分に使用できるが、光質が変わることによるいやしやリラクゼーション等の精神的な効果を期待することができる。もちろん、光量変化のみらず光色変化に変換するようにしてもよい。
【0129】
さらに各実施形態や変形例の一部又は全部を適宜組み合わせて構成することももちろん可能である。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上に詳述したように、本発明によれば、LEDからの独特の美しい可視光により、光による物理的な治療効果や視覚による精神的な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1実施形態における光治療装置の全体を示す全体図。
【図2】同実施形態における治療装置本体の斜視全体図。
【図3】同実施形態における治療装置本体の正面図。
【図4】図3におけるA−A線断面図。
【図5】同実施形態における制御装置の機能ブロック図。
【図6】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図7】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図8】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図9】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図10】同実施形態における実験データを示すデータ表。
【図11】図6から図10のデータをまとめたグラフ。
【図12】同実施形態における実験データを示す時系列グラフ。
【図13】同実施形態における光パターンの制御例を説明する光パターン制御説明図。
【図14】同実施形態における光パターンの他の制御例を説明する光パターン制御説明図。
【図15】本発明の第2実施形態における灯籠システムの全体を示す全体図。
【図16】同実施形態における灯籠本体を示す分解斜視図。
【図17】同実施形態における発光器を示す平面図。
【図18】同実施形態における制御装置の内部機器を模式的に示す内部機器模式図。
【図19】同実施形態における制御装置の機能ブロック図。
【図20】同実施形態における変換パターンを図示する変換パターン説明図。
【図21】同実施形態における変換パターン4の内容を説明する変換パターン説明図。
【図22】同実施形態の灯籠システムの動作を示すフローチャート。
【図23】本発明の第3実施形態における光治療装置を示す全体図。
【図24】同実施形態における制御装置の機能ブロック図。
【図25】同実施形態における光量変化波形の一例を示す波形図。
【図26】同実施形態における光量変化波形の一例を示す波形図。
【図27】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図28】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図29】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図30】同実施形態における設定操作の結果生じる光量変化波形の例示図。
【図31】同実施形態の変形例における上限設定ボリューム及び下限設定ボリュームを操作した場合の光量変化波形の一例を示す波形図。
【図32】同実施形態の変形例における上限設定ボリューム及び下限設定ボリュームを操作した場合の光量変化波形の一例を示す波形図。
【図33】同実施形態の変形例における上限設定ボリューム及び下限設定ボリュームを操作した場合の光量変化波形の一例を示す波形図。
【符号の説明】
【0132】
100・・・光治療装置
2・・・LED
3・・・多角錐状体(六角錐体)
4・・・ケーシング
4a・・・光射出口
41・・・透明壁
5・・・キャップ
6・・・制御装置
61・・・音声信号受付部
62・・・パターン制御部
M・・・生体(被験者)
100’・・・光治療装置(灯籠システム)
1’・・・ケーシング(灯籠本体)
2’・・・発光器
22’・・・LED
4’・・・LED制御部
5’・・・選択入力部
6’・・・音声信号受付部
D1’・・・変換パターン格納部D1’
71’・・・揺らぎ幅調整手段(DEPTHボリューム)
72’・・・全体光量調整手段(LIGHTボリューム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のケーシングと、
外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、
外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、
受け付けた音声信号が示す音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの光量変化に変換するLED制御部とを備えている光治療装置。
【請求項2】
前記光量変化が視覚認識可能なものである請求項1記載の光治療装置。
【請求項3】
揺らぎ幅調整手段と、全体光量調整手段とをさらに備え、揺らぎ幅調整手段を操作することにより光量変化の振幅量を設定可能に構成するとともに、全体光量調整手段を操作することにより全体光量を設定可能に構成している請求項1又は2記載の光治療装置。
【請求項4】
音声信号受付部からLED制御部に送信される音声信号の大きさが、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値の近傍又はそれを超えた時に発光する1又は複数のインジケータをさらに備えている請求項1、2又は3記載の光治療装置。
【請求項5】
音声信号受付部に入力された音声信号に対して出力される音声信号のゲインを調整するための音声ゲイン調整手段をさらに備え、
前記音声ゲイン調整手段を操作することにより、LEDの許容最大光量を超えない範囲で音声信号をLEDの光量に変換できるように構成している請求項4記載の光治療装置。
【請求項6】
前記LED制御部が、前記音量、音程又は音質の変化が増大から減少に転じるポイントで常に一定の上限光量となるように、光量を変化させるものである請求項1又は2記載の光治療装置。
【請求項7】
前記変換パターンを複数種類記憶している変換パターン格納部と、
前記各変換パターンのうちから所望の変換パターンを選択するための選択入力部とをさらに備えている請求項1、2、3、4、5又は6記載の光治療装置。
【請求項8】
前記LED制御部が、受け付けた音声信号が示す音量、音程、音質のいずれか1つの変化に対応させて前記LEDからでる光の色を視覚認識可能に変化させる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光治療装置。
【請求項9】
複数のケーシングを備えたものであって、各ケーシングから射出される光の揺らぎを同期させている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の光治療装置。
【請求項10】
複数のケーシングを備えたものであって、各ケーシングから射出される光の揺らぎを異ならせている請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の光治療装置。
【請求項11】
前記ケーシングが多角錐状体である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の光治療装置。
【請求項1】
1又は複数のケーシングと、
外部に光を射出可能に前記ケーシングに収容したLEDと、
外部から入力された音声信号を受け付ける音声信号受付部と、
受け付けた音声信号が示す音量、音程又は音質の変化を、所定の変換パターンに基づいて前記LEDの光量変化に変換するLED制御部とを備えている光治療装置。
【請求項2】
前記光量変化が視覚認識可能なものである請求項1記載の光治療装置。
【請求項3】
揺らぎ幅調整手段と、全体光量調整手段とをさらに備え、揺らぎ幅調整手段を操作することにより光量変化の振幅量を設定可能に構成するとともに、全体光量調整手段を操作することにより全体光量を設定可能に構成している請求項1又は2記載の光治療装置。
【請求項4】
音声信号受付部からLED制御部に送信される音声信号の大きさが、LEDの許容最大光量に応じて予め定めた所定値の近傍又はそれを超えた時に発光する1又は複数のインジケータをさらに備えている請求項1、2又は3記載の光治療装置。
【請求項5】
音声信号受付部に入力された音声信号に対して出力される音声信号のゲインを調整するための音声ゲイン調整手段をさらに備え、
前記音声ゲイン調整手段を操作することにより、LEDの許容最大光量を超えない範囲で音声信号をLEDの光量に変換できるように構成している請求項4記載の光治療装置。
【請求項6】
前記LED制御部が、前記音量、音程又は音質の変化が増大から減少に転じるポイントで常に一定の上限光量となるように、光量を変化させるものである請求項1又は2記載の光治療装置。
【請求項7】
前記変換パターンを複数種類記憶している変換パターン格納部と、
前記各変換パターンのうちから所望の変換パターンを選択するための選択入力部とをさらに備えている請求項1、2、3、4、5又は6記載の光治療装置。
【請求項8】
前記LED制御部が、受け付けた音声信号が示す音量、音程、音質のいずれか1つの変化に対応させて前記LEDからでる光の色を視覚認識可能に変化させる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光治療装置。
【請求項9】
複数のケーシングを備えたものであって、各ケーシングから射出される光の揺らぎを同期させている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の光治療装置。
【請求項10】
複数のケーシングを備えたものであって、各ケーシングから射出される光の揺らぎを異ならせている請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の光治療装置。
【請求項11】
前記ケーシングが多角錐状体である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の光治療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2008−178702(P2008−178702A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59618(P2008−59618)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2004−79040(P2004−79040)の分割
【原出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2004−79040(P2004−79040)の分割
【原出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
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