説明

光源、露光装置、画像表示装置及び医療装置

【課題】基板上に有機電界発光素子からなる長短比の大きな、少なくとも2つの線状画素を平行に配列してなる光源、特に、発光輝度及び発光効率に優れるとともに、輝度ムラの発生を防止しうる光源、及びそれを有する露光装置、画像表示装置、及び、医療装置を提供すること。
【解決手段】基板上に、陽極及び陰極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有する有機電界発光素子からなる少なくとも2つの線状画素を平行に配列した光源であって、前記線状画素の長短比が200以上であり、前記陽極は複数の前記線状画素で共有され、前記陰極は前記線状画素に応じてパターニングされていることを特徴とする光源。該光源の陰極の膜厚としては、0.4μm以上2μm以下であることが好適な態様である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光する有機電界発光素子を有する光源に関する。また、本発明は、該光源を有する露光装置、画像表示装置及び医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光(EL)素子を用いた光源が知られている。有機電界発光素子は、低電圧での高輝度の発光、デバイスの薄型化、軽量化、小型化などの利点を有する。従来の管球、LEDなどを露光装置の光源として用いた場合、光源の体積が大きく、輝度の(空間的及び/又は位置的)均一性が得られにくい。また、無機ELを用いた場合、必要な輝度を得ることが難しく(特に青〜緑領域)、交流動作のため複雑な動作回路や、ノイズ対策が必要である。
【0003】
光媒体としてエレクトロルミネッセンスを用いた光源であって、エレクトロルミネッセンス層の幅が、電極層とリードとの接続点からの距離に応じた幅である画像読取装置の光源が、下記特許文献1に開示されている。
また、光源長手方向に沿って形成された線状自発光領域が有機電界発光素子から構成された線状光源であって、前記有機電界発光素子が形成された素子基板と、前記素子基板の前記有機電界発光素子形成側に接着材料によって接着され前記有機電界発光素子を封止する封止基板とを備え、前記素子基板と前記封止基板とは、光源長辺において端面が一致することを特徴とする線状光源が、下記特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2002−325162号公報
【特許文献2】特開2003−51380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有機EL素子を画素の長短比(画素の長手方向と短手方向の長さの比であり、以下、「アスペクト比」と称する。)が大きな線状画素を複数並べた光源は、電極抵抗が大きくなるため電圧降下による輝度ムラの発生が予期される。
通常、金属で構成される陰極よりも抵抗の大きい透明金属酸化物を用いる陽極での電圧降下が懸念されるが、陽極をパターンニングしないことで陽極での電圧降下は防止できる。一方、金属で構成される陰極は陽極に比べて電圧降下の問題が小さいように思えるが、線状画素の長短比に比例して電圧降下が増加する。従来では問題とならなかった陰極での電圧降下が、大きなアスペクト比を有する線状画素を有する光源では顕著になる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基板上に有機電界発光素子からなる長短比の大きな、少なくとも2つの線状画素を平行に配列してなる光源を提供することを目的とする。さらに、本発明は、本発明の光源を備えてなる、露光装置、画像表示装置、及び、医療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
(1) 基板上に、陽極及び陰極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有する有機電界発光素子からなる少なくとも2つの線状画素を平行に配列した光源であって、前記線状画素の長短比が200以上であり、前記陽極は複数の前記線状画素に共有され、前記陰極は前記線状画素に応じてパターニングされていることを特徴とする光源。
(2) 前記陰極の膜厚が、0.4μm以上2μm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の光源。
(3) 前記陰極が積層構造であり、該積層構造が、前記有機化合物層側から順に、仕事関数が4eV以下の材料である層、及び該仕事関数が4eV以下の材料である層より体積抵抗率が低い材料である層を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光源。
(4) 前記陰極が積層構造であり、該積層構造が、前記有機化合物層側から順に、アルミニウム層及び銀層、又は、アルミニウム層及び銅層で構成されていることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光源。
(5) 前記アルミニウム層の膜厚が、0.01μm以上0.05μm以下であり、前記銀層又は銅層の膜厚が0.4μm以上であることを特徴とする前記(4)に記載の光源。
(6) 前記発光層の膜厚が0.06μm以上0.4μm以下であることを特徴とする前記(1)から(5)のいずれか一項に記載の光源。
(7) 前記有機電界発光素子が、前記陽極及び前記陰極間に二層以上の発光層を含む有機化合物層を有し、前記二層以上の発光層間に電荷発生層を有することを特徴とする前記(1)から(6)のいずれか一項に記載の光源。
(8) 前記(1)から前記(7)のいずれか一項に記載の光源を有することを特徴とする露光装置。
(9) 前記(1)から前記(7)のいずれか一項に記載の光源を像表示部に有することを特徴とする画像表示装置。
(10) 前記(1)から前記(7)のいずれか一項に記載の光源を有することを特徴とする医療装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、有機電界発光素子からなる長短比の大きな、少なくとも2つの線状画素を平行に配列してなる光源を提供することができる。また、本発明によれば、基板上に有機電界発光素子からなる長短比の大きな、少なくとも2つの線状画素を平行に配列した光源であって、発光輝度及び発光効率に優れるとともに、輝度ムラの発生を防止しうる光源を提供することができる。
【0008】
さらに、本発明によれば、高精細・高輝度な発光が得られるため、点灯ライン頻度での輝度階調制御が可能になり、電流/電圧制御を必要としない電源回路が可能になる。特に、本発明の好ましい態様では、陰極を厚膜化(0.4μm以上2μm以下)及び低抵抗な金属(銀、銅等)を用いて低抵抗化することにより、通常の陰極膜厚(約0.1〜0.2μm)で生じる輝度ムラ(薄い膜厚では陰極抵抗が大きくなり電圧降下が発生し輝度ムラが生じる)を防ぐことができる。
【0009】
本発明の光源を読み取り光源などに用いると、走査機械機構を必要とせず高精細に画像(反射原稿、透過原稿、電子潜像、等)を読み取ることが可能になる。また、サイン光源として、線状ライン画素を順次点灯したり、ランダム点灯して視覚効果を向上したりすることもできる。更に、本発明によれば、高精細・高輝度な発光を得られるため、点灯ライン頻度での輝度階調制御が可能になり、電流/電圧制御を必要としない電源回路が可能になる。
また、管球、LEDなどの従来の光源に比べて、高精細化、均一性,デバイスのコンパクト性に優れた光源とすることができる。
さらに、無機薄膜EL素子を用いた場合と比較しても、高輝度(特に青〜緑領域)、交流動作のため複雑な動作回路や、ノイズ対策も不要となる。
従って、本発明の光源は、露光装置、画像表示装置、及び、医療装置における光源として好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の光源について詳細に説明する。
本発明の光源は、基板上に、陽極及び陰極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有する有機電界発光素子からなる少なくとも2つの線状画素を平行に配列した光源であって、前記画素の長短比が200以上であり、前記陽極は複数の前記線状画素で共有され、前記陰極は前記線状画素に応じてパターニングされていることを特徴とする光源である。
【0011】
本発明における線状画素は、有機EL素子からなり、該線状画素は、基板上に少なくとも少なくとも2つ平行に配列される。読み取り用途の光源や、表示用途の光源を考えると、画素の配列数は、10以上が好ましく、100以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。
画素ピッチは、画素幅の1.1倍以上10倍以下が好ましく、1.5倍以上3倍以下がより好ましい。画素ピッチが、1.1倍以下であると隣接する画素との間隔が狭くなりすぎて画素間の分離や電気絶縁が困難となり、10倍以上であると隣接する画素との間隔が広くなりすぎて高精細な読み取りが困難となり、表示の視覚的効果を損なう場合がある。
【0012】
本発明における長短比(アスペクト比)とは、有機EL素子の長手方向の長さを、長手方向と直交する方向の長さで除した値である。
【0013】
前記線状画素の長短比(アスペクト比)の範囲は、200以上であることが必要であり、上限は特に制限はないが、16000以下であることが好ましい。アスペクト比の範囲は、好ましくは300以上16000以下、より好ましくは500以上16000以下、さらに好ましくは1000以上10000以下である。特に好ましくは2000以上10000以下であり、最も好ましくは。5000以上10000以下である。
【0014】
例えば、幅600mmのA1サイズのポスターの表示光源用途では、線状画素のアスペクト比は200から1000程度の範囲、ファックス等のA4サイズの原稿の読み取り光源用途では、1000から10000程度の範囲、フィルム等の読み取り光源用途では、2000から16000程度の範囲を用いることができる。
アスペクト比が200以下では、発光領域が大きくなりすぎて高精細読み取りが困難となり、表示の視覚的効果を損なう場合がある。また、アスペクト比が16000を超えると、陰極の電圧降下が大きくなりすぎて電圧降下による輝度ムラが許容範囲を超えてしまう場合がある。
【0015】
線状画素の長手方向の長さ(画素長)は、光源の適用態様に応じて適宜設定しうるが、10mm〜1000mmが好ましく、100mm〜500mmがより好ましい。また、画素の長手方向と直交する方向の長さとしては、光源の適用態様に応じて適宜設定しうるが、5μm〜5000μmが好ましく、20μm〜1000μmがより好ましい。
【0016】
本発明では、陽極は複数の画素で共有され、陰極は画素に応じてパターニングされる。また、有機化合物層は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有して構成され、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などを有してもよい。
【0017】
本発明の光源の形成方法は、特に限定されないが、例えば、基板上に、電極(陽極)を形成し、この上に絶縁層を形成した後、線状画素の形成部分に対応する絶縁層をエッチング等により除去し、さらに有機化合物層、及び電極(陰極)を順次形成する方法が挙げられる。上記の形成方法によれば、基板上に設けられた陽極が複数の画素で共有されるとともに、陰極が画素に応じてパターニングされた形態にすることができる。また、線状画素に対応したシャドウマスクを用いて、電極(陽極)上に、有機化合物層、及び電極(陰極)を順次形成することもできる。
【0018】
本発明の光源の形状としては、特に限定されるものではないが、代表的には線状画素が平行で垂直に配列した長方形をとることができる。視覚的効果を高めるために、線状画素が傾斜して配列した平行四辺形をとることも可能である。これらは代表的には平面状であるが、プラテン上の原稿を読み取る場合などを考えると、曲面状でもよい。
また、光源の大きさとしては、特に限定されるものではないが、読み取りの対象物、例えば、35mmフィルム、Aサイズ及びBサイズ用紙、医療用フィルム及び放射線像変換パネル、看板、等の大きさに合わせて設定することができる。
【0019】
以下、本発明における線状画素を構成する有機EL素子の各構成要素について、さらに詳細に説明する。
【0020】
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。既述のごとく、本発明における陰極は、画素に応じてパターニングされている。
【0021】
陰極の膜厚としては、電圧降下を抑制して輝度ムラの発生を防止する観点から、0.4μm以上2μm以下であることが好ましく、0.6μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。陰極の膜厚が2μm以上では、陰極作製後の内部応力が大きくなりすぎて剥離などの故障を発生してしまう場合がある。
【0022】
陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。
これらの材料の中でも、アルミニウムが低仕事関数、化学的安定性、コスト、製造適性の観点で特に好ましい。
【0023】
本発明における陰極は、単層構造だけでなく、積層構造として形成することもできる。
電圧降下防止の観点からは、陰極の材料として、例えば、銀、銅などより体積抵抗率の低い材料を用いることが好ましいが、これらの材料は仕事関数の関係で、電子注入効率の低下による発光輝度及び発光効率の低下を招来する場合がある。かかる観点から、本発明においては、該積層構造が、前記有機化合物層側から順に、仕事関数が4eV以下の材料である層、及び該仕事関数が4eV以下の材料である層より体積抵抗率が低い材料である層を含むことが好ましい。具体的には陰極を積層構造とし、該積層構造を構成する層のうち、有機化合物層側に位置する層として、例えば、アルミニウム、などのより低仕事関数の材料を用いた層を形成し、当該層に隣接させて、銀、銅などのより体積抵抗率の低い材料を用いた層を形成することで、電圧降下防止と発光輝度及び発光効率との両立を図ることが好ましい。陰極を上記ごとき積層構造にすることにより、単一材料により陰極を形成した場合よりもより薄膜で、同等の電圧降下防止と高輝度及び高効率とを発揮することができる。
【0024】
本発明において、積層構造の陰極として特に好ましい態様は、該積層構造が、有機化合物層側から順に、アルミニウム層及び銀層、又は、アルミニウム層及び銅層である態様である。陰極が、アルミニウム層及び銀層、又は、アルミニウム層及び銅層である場合、これらの各層は以下の膜厚であることが好ましい。なお、前記アルミニウム層及び銀層、並びに前記アルミニウム層及び銅層において、本発明の効果を低下させない程度に無機物及び/又は有機物の不純物が含有していてもよい。アルミニウム層は、アルミニウムを主成分とする層であり、好ましくはアルミニウムからなる層である。銀層は、銀を主成分とする層であり、好ましくは銀からなる層である。銅層は、銅を主成分とする層であり、好ましくは銅からなる層である。
アルミニウム層の膜厚は、膜の均一性を維持できる程度の0.01μm以上0.05μmであることが好ましい。
銀層又は銅層の膜厚は、電圧降下防止の観点から、0.4μm以上2.0μmであることが好ましく、0.6μm以上1.5μm以下がより好ましい。
【0025】
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでも良く、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割しても良い。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
【0026】
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよい、発光材料は1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよい、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
【0027】
発光層の膜厚としては、輝度ムラ、駆動電圧、輝度の観点から、0.03μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.06μm以上0.4μm以下であることが好ましい。発光層の膜厚が薄いと、高輝度で低い電圧での駆動が可能となるが、素子抵抗が小さくなることで、電圧低下による輝度変化の影響を受けやすくなり、輝度ムラの増加を招く結果となる。発光層の膜厚が厚いと、駆動電圧が高くなり、発光効率の低下を招き、用途を限定する原因となってしまう。
また、発光層が積層構造である場合については、積層構造を構成する各層の膜厚は特に限定されないが、各発光層の合計膜厚が前述の範囲になるようにすることが好ましい。
【0028】
本発明に使用できる蛍光発光材料の例としては、特に制限はなく、公知のものから適宜選択することができる。例えば、特開2004−146067号の段落番号(0027)、特開2004−103577号の段落番号(0057)等に記載のものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
また、本発明に使用できる燐光発光材料は、特に制限はなく、公知のものから適宜選択することができる。例えば、特開2004−221068号の段落番号(0051)から(0057)等に記載のものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
本発明の有機電界発光素子における、基板、電極、各有機層、その他の層、等の他の構成要素については、例えば、特開2004−221068号の段落番号(0013)から(0082)、特開2004−214178号の段落番号(0017)から(0091)、特開2004−146067号の段落番号(0024)から(0035)、特開2004−103577号の段落番号(0017)から(0068)、特開2003−323987号の段落番号(0014)から(0062)、特開2002−305083号の段落番号(0015)から(0077)、特開2001−172284号の段落番号(0008)から(0028)、特開2000−186094号の段落番号(0013)から(0075)、特表2003−515897号の段落番号(0016)から(0118)等に記載のものが本発明においても同様に適用することができる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
【0032】
本発明の有機EL素子は、発光効率を向上させるため、積層する複数の発光層の間に電荷発生層を設けた構成を採ることができる。また、このような構成を採ることで、有機EL素子の抵抗を増加し、電圧降下の影響を緩和することができるので好ましい。
前記電荷発生層は、電界印加時に電荷(正孔及び電子)を発生する機能を有すると共に、発生した電荷を電荷発生層と隣接する層に注入させる機能を有する層である。
【0033】
前記電荷発生層を形成する材料は、上記の機能を有する材料であれば何でもよく、単一化合物で形成されていても、複数の化合物で形成されていてもよい。
具体的には、導電性を有するものであっても、ドープされた有機層のように半導電性を有するものであっても、また、電気絶縁性を有するものであってもよく、例えば、特開平11−329748号、特開2003−272860号、特開2004−39617号の各公報に記載の材料が挙げられる。
更に具体的には、ITO、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などの透明導電材料、C60等のフラーレン類、オリゴチオフェン等の導電性有機物、金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、金属ポルフィリン類、無金属ポルフィリン類等などの導電性有機物、Ca、Ag、Al、Mg:Ag合金、Al:Li合金、Mg:Li合金などの金属材料、正孔伝導性材料、電子伝導性材料、及びそれらを混合させたものを用いてもよい。
【0034】
前記正孔伝導性材料としては、例えば、2−TNATA、NPDなどの正孔輸送有機材料にF4−TCNQ、TCNQ、FeCl3などの電子求引性を有する酸化剤をドープさせたものや、P型導電性高分子、P型半導体などが挙げられ、前記電子伝導性材料は電子輸送有機材料に4.0eV未満の仕事関数を有する金属もしくは金属化合物をドープしたものや、N型導電性高分子、N型半導体が挙げられる。N型半導体としては、N型Si、N型CdS、N型ZnSなどが挙げられ、P型半導体としては、P型Si、P型CdTe、P型CuOなどが挙げられる。
また、前記電荷発生層として、V25などの電気絶縁性材料を用いることもできる。
【0035】
前記電荷発生層は、単層でも複数積層させたものでもよい。複数積層させた構造としては、透明伝導材料や金属材料などの導電性を有する材料と正孔伝導性材料、または、電子伝導性材料を積層させた構造、上記の正孔伝導性材料と電子伝導性材料を積層させた構造の層などが挙げられる。
【0036】
前記電荷発生層は、一般に、可視光の透過率が50%以上になるよう、膜厚・材料を選択することが好ましい。また膜厚は、特に限定されるものではないが、0.5〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、3〜50nmがさらに好ましく、5〜30nmが特に好ましい。
前記電荷発生層の形成方法は、特に限定されるものではなく、有機化合物層の形成方法を用いることができる。
【0037】
前記電荷発生層は、積層する複数の発光層の間に形成するが、電荷発生層の陽極側及び陰極側には、隣接する層に電荷を注入する機能を有する材料を含んでいてもよい。陽極側に隣接する層への電子の注入性を上げるため、例えば、BaO、SrO、Li2O、LiCl、LiF、MgF2、MgO、CaF2などの電子注入性化合物を電荷発生層の陽極側に積層させてもよい。
以上で挙げられた内容以外にも、特開2003−45676号公報、米国特許第6337492号、同第6107734号、同第6872472号等の各明細書の記載を元にして、電荷発生層の材料を選択することができる。
【0038】
以下に、本発明の光源の一実施形態を示すが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の光源の一実施形態を現した図であり、図1(A)は上面図、図1(B)は図1(A)中のA−A線に沿った断面図である。
図1(A)において、光源10は、基板12、基板12上に平行に配列された有機EL素子からなる線状画素14、封止部材20を有する。
線状画素14は、その長手方向が基板12のX方向の端部に沿うように、Y方向に平行に配列される。線状画素の長短比(アスペクト比)は200以上である。
図1(B)に示すように、線状画素14は、基板12上に設けられた電極14A(陽極)と、対向電極(陰極)である電極14Cとの間に、有機化合物層14Bを有して構成される。
本実施形態は封止部材20を有する態様である。封止部材20は、逆凹状の封止部材であり、平行に配列された線状画素14の全体を覆って基板12に封止する。
【0039】
また、本発明の光源における有機EL素子として、複数の発光ユニット間に電荷発生層を有する層構成を適用した場合の有機EL素子の構成例を図2に示す。
図2において、30は本発明の光源における有機EL素子を示す。有機EL素子30は、基板32上に設けられた陽極34及び陰極40の間に、発光層を含む有機化合物層36A、36B、36C、及び36Dと、該発光層を含む有機化合物層の各々の間に電荷発生層38A、38B、及び38Cと、を有して構成される。陽極34及び陰極40は、電源42を介して連結される。
発光層を含む有機化合物層36A、36B、36C、及び36Dは、同一層構成であっても異なっていてもよい。電荷発生層38A、38B、及び38Cは、同一層構成であっても異なっていてもよい。
【0040】
本発明では、パッシブ駆動型の駆動方法が適用される。陽極を共通電極としているため、陰極が走査電極ラインに接続される。読み取り光源に用いる場合は、走査電極ラインを順次走査する。表示用途に用いる場合には、走査電極ラインをランダムに駆動することで、様々な視覚的効果を作り出すことができる。また、陽極を複数の画素を含むように分割した場合には、分割された陽極のブロックごとに走査するマルチスキャン方式をとることもできる。
【0041】
本発明においては、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルト、電荷発生層を挟んで発光層を積層した場合には、前記電圧の積層した発光層の段数倍)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
【0042】
有機EL素子の重要な特性値として、外部量子効率がある。外部量子効率は、「外部量子効率φ=素子から放出されたフォトン数/素子に注入された電子数」で算出され、この値が大きいほど消費電力の点で有利な素子と言える。
【0043】
また、有機EL素子の外部量子効率は、「外部量子効率φ=内部量子効率×光取り出し効率」で決まる。有機化合物からの蛍光発光を利用する有機EL素子においては、内部量子効率の限界値が25%であり、光取り出し効率が約20%であることから、外部量子効率の限界値は約5%とされている。
【0044】
有機EL素子の外部量子効率としては、消費電力を下げられる点、駆動耐久性を上げられる点で、6%以上が好ましく、12%以上が特に好ましい。
該外部量子効率の数値は、20℃で素子を定電圧駆動したときの外部量子効率の最大値での外部量子効率の値を用いることができる。
本発明においては、東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度はトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。一方、発光ピーク波長及び発光スペクトルの波形は、浜松ホトニクス社製のスペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定し、外部量子効率を算出する。
【0045】
また、有機EL素子の外部量子効率は、発光輝度、発光スペクトル、電流密度を測定し、その結果と比視感度曲線から算出することができる。すなわち、電流密度値を用い、入力した電子数を算出することができる。そして、発光スペクトルと比視感度曲線(スペクトル)を用いた積分計算により、発光輝度を発光したフォトン数に換算することができる。これらから外部量子効率(%)は、「(発光したフォトン数/素子に入力した電子数)×100」で計算することができる。
【0046】
有機EL素子の内部量子効率としては、内部量子効率=外部量子効率/光取り出し効率で算出される。通常の有機EL素子では光取り出し効率は約20%であるが、本発明においては、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能である。
【0047】
本発明の光源において、線状画素の端部と中央部の輝度ムラは、「(中央部の輝度/端部の輝度)×100」で計算される。ここで、「端部」と「中央部」とは、線状画素の長辺方向の位置を表し、「端部」は線状画素のエッジ部分の顕著な輝度ムラの影響を除くため、エッジ部分から線状画素の中央部に向かって5mm離れた位置、又は、長辺の5%の長さ離れた位置のいずれかを示し、「中央部」は線状画素の長辺の中点を示す。
輝度ムラは、サイン光源用途では大きな問題ではないが、読み取り光源用途においては、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、高精度の読み取りを要求される場合には、95%以上が特に好ましい。
輝度ムラが70%以下になると、読み取り光源の光量に対する検出器の出力信号の線形領域を外れてしまい、検出回路やソフトウェアでの補正が困難となる場合がある。
【0048】
本発明の光源の用途は特に限定されないが、スキャナー、ファックス、フィルム等の原稿読み取り光源、放射線像変換パネルの潜像読み取り光源、サイン光源、看板のバックライト光源、等の分野に好適に使用できる。
【0049】
本発明の露光装置は、所望のパターン等に照射する光源部に本発明の光源を有する露光装置である。このような本発明の露光装置は、既述した本発明の光源を有する以外は、原稿や記録媒体を搬送するための搬送機構、原稿からの反射光又は透過光を検出するためのアレイ状又は面状の光検出器、画像形成するためのドラム型感光体、光源からの発光を部分的に透過するための光シャッター、などの様々な部材を用いて一般的に構成することができる。本発明の光源を備えうる露光装置としては、例えば、特開平8−44163号公報、特開平8−298563号公報に記載のものが挙げられる。
【0050】
本発明の画像表示装置は、本発明の光源を像表示部分(ディスプレイ)に有する画像表示装置である。このような本発明の画像表示装置は、既述した本発明の光源を像表示部分(ディスプレイ)に有する以外は、画像媒体を保持するための保持機構、画像媒体を搬送するための搬送機構、光源からの発光を部分的に透過するための光シャッター、などの様々な部材を用いて一般的に構成することができる。本発明の光源を備えうる画像表示装置としては、例えば、特開平10−228250号公報、特表2003−507751号公報、特許2991425号公報に記載のものが挙げられる。
【0051】
本発明の医療装置は、医療用画像情報読取装置(好ましくは放射線像変換パネル用)の光源として、本発明の光源を有する医療装置である。このような本発明の医療装置は、既述した本発明の光源を有する以外は、放射線エネルギーを蓄積するための放射線像変換パネル、放射線像変換パネルを搬送するための搬送機構、放射線像変換パネルからの信号を検出する検出器、などの様々な部材を用いて一般的に構成することができる。本発明の光源を備えうる医療装置としては、例えば、特開2000−162726号公報、特許3360813号公報に記載のものが挙げられる。
【実施例】
【0052】
以下に、本発明について、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
[実施例1]
実施例1の光源を以下のように作製した。
<光源の構成>
線状画素の大きさ:40cm×50μm(アスペクト比:8000)、
画素数:4000、ピッチ:100μm、発光領域:40cm×40cm
線状画素(有機EL素子)の構成:
ITO/CuPc/NPD/mCP−Firpic(95:5、質量比)、膜厚:0.1μm)/Balq/Alq/LiF/Al(膜厚:0.4μm)
【0054】
<作製方法>
440×440×0.7mmのITO基板(ソーダガラス)上に、100μmピッチで40cm×50μmの隔壁を4001本形成した。基板上の隔壁と隔壁間の画素領域に、CuPC(10nm)、NPD(30nm)、mCP(95質量%):Firpic(5質量%)(100nm)、Balq(10nm)、Alq(40nm)、LiF(0.5nm)、Al(400nm)を抵抗加熱蒸着法により順次蒸着した。各画素の陰極に引出線を接続した後、乾燥剤を備えた封止部材で画素領域を封止した。
【0055】
以下に、CuPc、NPD、mCP、Firpic、Balq、及びAlqの構造を示す。
【0056】
【化1】

【0057】
[実施例2]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、Al(膜厚:1μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の光源を作製した。
【0058】
[実施例3]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、Al(膜厚:2μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の光源を作製した。
【0059】
[実施例4]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、Al(膜厚:0.01μm)/Ag(膜厚:0.4μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の光源を作製した。
【0060】
[実施例5]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、有機化合物層側から、Al(膜厚:0.05μm)/Ag(膜厚:0.4μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の光源を作製した。
【0061】
[実施例6]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、有機化合物層側から、Al(膜厚:0.05μm)/Ag(膜厚:0.8μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の光源を作製した。
【0062】
[実施例7]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、有機化合物層側から、Al(膜厚:0.05μm)/Cu(膜厚:0.8μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7の光源を作製した。
【0063】
[実施例8]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、有機化合物層側から、Al(膜厚:0.05μm)/Cu(膜厚:1.5μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例8の光源を作製した。
【0064】
[実施例9]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、Al(膜厚:0.2μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例9の光源を作製した。
【0065】
[実施例10]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、Ag(膜厚:0.4μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例10の光源を作製した。
【0066】
[実施例11]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の陰極を、Cu(膜厚:0.4μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例11の光源を作製した。
【0067】
[実施例12]
実施例1において、線状画素を構成する有機EL素子の発光層を、mCP−Firpic(95:5(質量比)、膜厚:30nm)として、陰極を、有機化合物層側から、Al(膜厚:0.05μm)/Ag(膜厚:0.4μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例12の光源を作製した。
【0068】
得られた各光源を用いて以下の評価を行った。なお、発光輝度及び外部量子効率の測定に用いた測定装置は前述の通りである。結果を表1に示す。
1.20Vでの発光輝度
2.外部量子効率
3.画素の端部と中央部との輝度比(端部はエッジ部分から5mm離れた位置)
【0069】
【表1】

【0070】
表1に示されるように、線状画素の長短比(アスペクト比)が200以上であり、陰極の膜厚のみが異なる実施例1〜3、及び9では、陰極の膜厚が大きい程、画素の端部と中央部との輝度比が向上しており、高輝度及び高効率を維持しつつ、輝度ムラの発生が防止されていることが判る。
実施例4〜8は、薄膜のAl層と厚膜のCu層又はAg層とを組み合わせた積層構造の陰極であり、陰極をこのような積層構造としたことで、実施例4〜8より厚膜のAl層を陰極とした実施例1〜3の場合と同等に、高輝度及び高効率を維持しつつ、輝度ムラの発生が防止されていることが判る。
また、発光層の膜厚が0.06μm以上0.4μm以下の範囲にある場合に、輝度ムラの発生の防止効果が顕著であることが判る。
【0071】
[実施例13]
実施例1において、有機EL素子の構成を以下の構成に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例13の光源を作製した。
ITO/CuPc(10nm)/NPD(30nm)/mCP(95質量%):Firpic(5質量%)(100nm)/Balq(10nm)/Alq(40nm)/MgAg(10:1)(5nm)、Ag(5nm)/ITO(20nm)/CuPc(10nm)/NPD(30nm)/mCP(95質量%):Firpic(5質量%)(100nm)/Balq(10nm)/Alq(40nm)/LiF(0.5nm)/Al(400nm)
【0072】
得られた光源を用いて、前記実施例1と同様の評価を行った。ただし、本実施例における有機EL素子は、電荷発生層を挟んで発光層が2段になる構成であるため、有機EL素子に印加する電圧を2倍の40Vとした。結果を表2に示す。
【0073】
【表2】

【0074】
表2に示すように、実施例13は、電荷発生層を挟んで発光層を2段重ねた構成としたことで、有機EL素子の素子抵抗が実施例1の約2倍になる。それによって、電極での電圧降下の影響がほぼ半減し、実施例1より輝度ムラが向上したことが判る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の上面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図2】本発明の光源に適用しうる、電荷発生層を有する態様の有機EL素子の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0076】
10 光源
12 基板
14 線状画素(有機EL素子)
14A 電極(陽極)
14B 有機化合物層
14C 電極(陰極)
20 封止部材
30 有機電界発光素子
32 基板
34 陽極
36A、36B、36C、36D 発光層を含む有機化合物層
38A、38B、38C 電荷発生層
40 陰極
42 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、陽極及び陰極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有する有機電界発光素子からなる少なくとも2つの線状画素を平行に配列した光源であって、
前記線状画素の長短比が200以上であり、前記陽極は複数の前記線状画素に共有され、前記陰極は前記線状画素に応じてパターニングされていることを特徴とする光源。
【請求項2】
前記陰極の膜厚が、0.4μm以上2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記陰極が積層構造であり、該積層構造が、前記有機化合物層側から順に、仕事関数が4eV以下の材料である層、及び該仕事関数が4eV以下の材料である層より体積抵抗率が低い材料である層を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源。
【請求項4】
前記陰極が積層構造であり、該積層構造が、前記有機化合物層側から順に、アルミニウム層及び銀層、又は、アルミニウム層及び銅層で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源。
【請求項5】
前記アルミニウム層の膜厚が、0.01μm以上0.05μm以下であり、前記銀層又は銅層の膜厚が0.4μm以上であることを特徴とする請求項4に記載の光源。
【請求項6】
前記発光層の膜厚が0.06μm以上0.4μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源。
【請求項7】
前記有機電界発光素子が、前記陽極及び前記陰極間に二層以上の発光層を含む有機化合物層を有し、前記二層以上の発光層間に電荷発生層を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光源。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光源を有することを特徴とする露光装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光源を像表示部に有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光源を有することを特徴とする医療装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−27698(P2007−27698A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159338(P2006−159338)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】