説明

光源および光断層画像化装置

【課題】光源において、小型で低コストに製作可能であり、高い光利用効率と高速の波長掃引ならびに高い波長選択性を実現する。
【解決手段】線形共振器型の光源1は、光増幅媒体であるSOA2と、光増幅媒体を出射した光が発散光7として入射され、特定波長の光を透過させるとともに特定波長以外の光を反射するファブリーペロー共振器5と、帰還手段である凹面鏡6とを備える。ファブリーペロー共振器5は、反射された特定波長の光が発散光7の発散中心Oに入射しないように線形共振器の光軸Zに対し傾いて配置された2つの反射面3、4を有する。帰還手段は、ファブリーペロー共振器5を透過した光が発散中心Oへ収束するように、この透過した光を帰還させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定波長の光を出射可能な光源、および該光源を用いて測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出力光の波長掃引が可変な波長可変光源としては、ファブリーペロー共振器に基づくファブリーペローチューナブルフィルター(Fabry Perot − Tunable Filter、以下FP−TFと称する)を用いた波長掃引レーザ光源が知られている。FP−TFは、干渉により選択された波長の光のみを透過させ、それ以外の波長の光を反射する機能を有し、さらにその選択波長を変更可能に構成したものである。FP−TFを用いたこの種の光源は、共振器の光路の構成から、光ファイバ等によるループ状の周回光路を形成するリング共振器型(例えば、特許文献1参照)と、往復光路を形成する線形共振器型(例えば、非特許文献1参照)に大別することができる。
【0003】
図7に、FP−TFを用いたリング共振器型のレーザ光源70の構成を示す。レーザ光源70は、光ファイバF20によりリング状の光路の共振器を構成し、該共振器中に光増幅媒体としてのSOA(Semiconductor Optical Amplifier:半導体光増幅器)71と、波長選択および波長掃引素子としてのFP−TF72を配置したものである。FP−TF72は、制御手段73を用いて干渉に用いる反射面間の距離を変更することにより、選択波長を変更することができる。この共振器で発振されたレーザ光はリング状の光路の一部に設けられた光カプラ74により出力される。
【0004】
リング共振器型のレーザ光源では、リング状の光路を右回りと左回りの両方向に発振するモードが可能であるため、左右両方向のモードが同時に発振する場合は、両方向の発振モード間にモード競合が起こる。このとき、一方向の発振モードのみを見ると発振光の出力が不安定な状態となる。これを避けるには左右どちらか一方向のみを発振させることが望ましく、図7に示すように、リング共振器型の光路内に一方向に進行する光を通過させ、逆方向の光を遮断する光アイソレータ75a、75bを配置することが望ましい。
【0005】
このような光アイソレータとしては一般に、ファラデー素子と、これに磁界を印加する磁石と、偏光素子とから構成されるものが多用されている。ファラデー素子は、YIG(イットリウム−鉄−ガーネット)結晶やBi置換ガーネット結晶等の磁性ガーネット結晶等を材質としたものが知られている。
【0006】
次に図8に、FP−TFを用いた線形共振器型のレーザ光源80の構成を示す。このレーザ光源80は、一直線上に配置された、SOA81と、レンズ82と、FP−TF83と、ミラー84とを有する。FP−TF83は、内側に反射面が形成された2枚の平行平板状の透明電極85a、85bと、その間に挟まれた液晶86からなり、電源87が液晶86に印加する電圧を変化させることにより、液晶の屈折率を変化させ、これによりFP−TF83を透過する波長を変化させる。
【0007】
図8に示すレーザ光源80において、SOA81から出射した光はレンズ82により収束光に変換された後、FP−TF83に入射し、そのうち選択波長の光のみがFP−TF83を透過し、選択波長以外の光は反射される。透過した光は、共振器端を構成するミラー84で反射されて、同一光路を戻り、FP−TF83およびレンズ82を透過して再びSOA81に入射し、SOA81のレンズ82と逆側の端面81aで反射されて、SOA81により増幅される。FP−TF83で反射された光は、FP−TF83が入射光の光軸に対して傾けて配置されているため、共振器の光路から除外され、SOA81に帰還することはない。以上より、線形共振器型のレーザ光源80において、選択波長の光が共振器内を往復してレーザ発振することになる。
【0008】
一方、上記のような波長可変レーザ光源の重要な用途として、SS−OCT(Swept source OCT)計測を利用した光断層画像化装置が知られている。光断層画像化装置は、光源から射出されたコヒーレンス光を測定光と参照光とに分割した後、測定光が測定対象に照射されたときの反射光と参照光とを合波し、反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得するものである。SS−OCT計測による光断層画像化装置では、光源から射出される光の波長を時間的に変化させながら、波長の時間変化に対応した信号の時間波形を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機にてフーリエ変換に代表される周波数解析を行うことで、深さ位置に対応した反射光強度分布を取得する。
【特許文献1】特許第2648417号公報
【非特許文献1】“Tunable Light Source Using a Liquid-Crystal Fabry-Perot Interferometer”、 IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS、 Vol.3、 No.6、 JUNE 1991
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、リング共振器型のレーザ光源では、その光路の構成故に光アイソレータが必要となる。従来の光アイソレータとしては、磁性ガーネット結晶等を材料としたファラデー素子を用いたものが一般的である。この素子は光通信で通常用いられる波長1.3〜1.55μmの光に対しては良好な特性を有するが、例えば光断層画像化装置で生体を測定対象とする場合はさらに短波長の光が好適であるとされており、その場合には種々の不具合が発生する。具体的には、1.3〜1.55μmよりも短波長の光を用いようとすると、良好な特性を有する磁性結晶が実用化されていない、光アイソレータに高コストの材質を使わざるを得ない、ファラデー素子のベルデ定数が小さくなるため印加磁界を大きくせざるをえず装置が大型化する、光散乱率が増加し光利用効率が低下する、等の問題が生じる。
【0010】
また、リング共振器型は、どうしても共振器長が長くなるため、共振器が大型化する上に、SOAにて生成されたASE光がレーザ発振に至るまでの光飽和時間が長くなるという不具合がある。通常、波長掃引レーザの波長掃引速度は光飽和時間で決まるため、共振器長の長い光源は、高速の波長掃引が困難である。
【0011】
そこで線形共振器型の光源を用いることが考えられるが、図8に示す線形共振器型の光源では、FP−TFに液晶を用いているため応答速度が低く、これもまた高速の波長掃引が困難であるという問題がある。
【0012】
また、図8に示すような共振器では、SOA81から出射した発散光を収束光に変換してFP−TF83へ入射させるために、FP−TF83の直前にレンズ82が用いられている。通常、レンズは収差を有する素子であり、波長可変光源から出射される光の全波長帯域で無収差になるようにレンズを設計、製作することは困難である。収差を伴うビームがFP−TFに入射すると、FP−TF内での波面の歪みを十分小さくすることができないため、高フィネスの共振、すなわち、高い波長選択性を実現することができないという問題が生じる。
【0013】
本発明は、上記問題点を鑑み、小型で低コストに製作可能であり、高い光利用効率と高速の波長掃引ならびに高い波長選択性を実現可能な光源、および該光源を備えた光断層画像化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の光源は、線形共振器型の光源であって、光増幅媒体と、光増幅媒体を出射した光が発散光として入射され、特定波長の光を透過させるとともに特定波長以外の光を反射し、この反射された光が発散光の発散中心に入射しないように線形共振器の光軸に対し傾いて配置された2つの反射面を有するファブリーペロー共振器と、ファブリーペロー共振器を透過した光が発散中心へ収束するように、透過した光を帰還させる帰還手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
ここで、「光増幅媒体を出射した光が発散光として入射され、〜ファブリーペロー共振器」は、光増幅媒体を出射した光が他の部材を介さずに直接ファブリーペロー共振器へ発散光として入射される場合、および光増幅媒体を出射した光が他の部材を介してファブリーペロー共振器へ発散光として入射される場合の双方を含むものである。
【0016】
また、上記の「線形共振器の光軸」は、線形共振器を往復可能な光がファブリーペロー共振器へ入射するときの光軸を意味するものとする。例えば、線形共振器の光路が一直線状ではなく、その一部が折り曲げられた形状や屈曲された形状である場合は、線形共振器の部分により光軸の方向が異なることになるが、本発明にかかる「線形共振器の光軸」としては上記のように考えることにする。
【0017】
「帰還手段」は、ファブリーペロー共振器を透過した光が発散中心へ収束するように、この透過した光を帰還させるものであればよく、1つの光学部材で構成してもよく、あるいは、複数の光学部材で構成してもよい。帰還手段としては、例えば、凹面鏡や、反射型の回折光学素子等の反射手段を用いることができる。
【0018】
上記本発明の光源においては、2つの反射面がともに、発散中心を中心とした曲面形状の反射面を線形共振器の光軸に対し傾けて配置したものであるように構成してもよい。
【0019】
さらに、本発明の光断層画像化装置は、上記本発明の光源と、光源から射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波する合波手段と、合波手段により合波された反射光と参照光との干渉光を検出する干渉光検出手段と、干渉光検出手段により検出された干渉光に基づき測定対象の断層画像を取得する画像取得手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の光源は、リング共振器型ではなく、線形共振器型の構成を採用しているため、ファラデー素子等からなる光アイソレータが不要となり、従来のリング共振器型の光源で問題となっていた装置の大型化や高コスト化、光利用効率の低下、共振器長の増大を回避することができ、小型で低コストに製作することが可能であり、高い光利用効率を実現することが可能となる。また、本発明の光源は、液晶を用いずに線形共振器型の光源を実現できるため、高速の波長掃引が可能である。さらに、従来の線形共振器型の光源では、ファブリーペロー共振器へ入射する光を収束光化または平行光化するためにレンズ等の収差を伴う光学素子が必要であったが、本発明の光源は、ファブリーペロー共振器へ発散光を入射させるものであり、ファブリーペロー共振器を透過した光が発散中心へ収束するように帰還させる帰還手段を備えるものであるため、上記用途のレンズ等の光学素子が不要となり、高フィネスの共振を実現することができ、ひいては高い波長選択性を実現することができる。
【0021】
本発明の光源の2つの反射面がともに、発散中心を中心とした曲面形状の反射面を線形共振器の光軸に対し傾けて配置したものであるように構成した場合は、2つの反射面を単純に平面で構成した場合とは異なり、発散光の光軸近傍を進む光線の2つの反射面間の光路長と、発散光の周辺近傍を進む光線の2つの反射面間の光路長とをほぼ等しくすることができるため、ファブリーペロー共振器を透過する光の波長選択性を高くすることができる。
【0022】
本発明の光断層画像化装置は、本発明の光源を備え、該光源から射出された光を用いて断層画像を取得するものであるため、装置の大型化を抑制して低コストに製作可能であり、高い光利用効率で波長選択性の高い光を用いて高速の波長掃引による計測が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の光源および該光源を備えた光断層画像化装置の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態による光断層画像化装置100の構成を示す図である。光断層画像化装置100は、マッハツェンダー型干渉計を用いて、例えば体腔内の生体組織や細胞等の測定対象の断層画像を前述のSS−OCT計測により取得するものである。
【0024】
光断層画像化装置100は、発振波長を一定の周期で掃引させながらレーザ光Lを射出する光源ユニット110と、光源ユニット110から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段101と、光分割手段101により分割された参照光L2の光路長を調整する光路長調整手段120と、光分割手段101により分割された測定光L1を測定対象Sまで導波するプローブ130と、プローブ130から測定光L1が測定対象Sに照射されたとき測定対象Sで反射した反射光L3と参照光L2とを合波する合波手段104と、合波手段104により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4a、L4bを検出する干渉光検出手段140と、干渉光検出手段140により検出された干渉光に基づき測定対象Sの断層画像を取得する画像取得手段150とを有している。
【0025】
光源ユニット110は、発振波長を一定の周期で掃引させながら光Lを射出する線形共振器型の波長可変レーザ装置であり、本発明の実施形態にかかる光源からなるものである。光源ユニット110の詳細構成については後で詳述する。光源ユニット110からの光Lは光ファイバF1により出力され、光ファイバF1に接続された光分割手段101に入射する。
【0026】
光分割手段101は、例えば2×2の光ファイバカプラから構成されており、光源ユニット110から光ファイバF1を介して導波した光Lを測定光L1と参照光L2に分割する。光分割手段101は、2本の光ファイバF2、F3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバF2により導波され、参照光L2は光ファイバF3により導波される。
【0027】
光ファイバF2にはサーキュレータ102が接続されており、サーキュレータ102には光ファイバF4、F5が接続されている。光ファイバF4には測定光L1を測定対象Sまで導波するプローブ130が接続されている。
【0028】
光プローブ130は、例えば内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、不図示のコネクタにより光ファイバF4に対し着脱可能に取り付けられている。プローブ130から射出した測定光L1は測定対象Sに照射される。そして、測定対象Sで反射された反射光L3は、光ファイバF4により導波されて、サーキュレータ102に入射し、サーキュレータ102から光ファイバF5側に射出され、光ファイバF5に接続されている合波手段104に入射する。
【0029】
一方、光ファイバF3にはサーキュレータ103が接続されており、サーキュレータ103には光ファイバF6、F7が接続されている。光ファイバF6には、断層画像の取得領域を調整するために参照光L2の光路長を変更する光路長調整手段120が接続されている。
【0030】
光路長調整手段120は、光ファイバF6から射出された参照光L2を平行光化するコリメートレンズ120aと、直交する2つの反射面を有し、この2つの反射面でコリメートレンズ120aにより平行光化された参照光L2を反射する反射ミラー120bと、反射ミラー120bの2つの反射面で反射された参照光L2を再び反射ミラー120bへ帰還させて入射光と逆方向に同一光路を進行させる光ターミネータ120cを有している。反射ミラー120bは、不図示の可動ステージ上に固定されており、この可動ステージを移動させることにより反射ミラー120bがコリメートレンズ120aの光軸方向(図1の矢印Aの方向)へ移動し、これにより、参照光L2の光路長が変更する。なお、光路長調整手段120は、上記構成のものに限定されず、参照光L2の光路長を変更可能であればその他の構成を採用してもよい。
【0031】
光路長調整手段120により光路長が変更された参照光L2は、光ファイバF6により導波されて、サーキュレータ103に入射し、サーキュレータ103から光ファイバF7側に射出され、光ファイバF7に接続されている合波手段104に入射する。
【0032】
合波手段104は、例えば2×2の光ファイバカプラからなり、光ファイバF5により導波された反射光L3と、光ファイバF7により導波された参照光L2とを合波するものである。合波手段104での合波により干渉光が生じ、この干渉光は合波手段104により二分されて2つの干渉光L4a、L4bとなり、それぞれ光ファイバF8、F9へ射出される。光ファイバF8、F9によりそれぞれ導波された干渉光L4a、L4bは、干渉光検出手段140に入射する。
【0033】
干渉光検出手段140は、干渉光L4aを検出する光検出部140aと、干渉光L4bを検出する光検出部140bと、光検出部140aにより検出された干渉光L4aと光検出部140bにより検出された干渉光L4bとの差分を増幅しバランス検波を行って干渉信号を得る演算手段140cとを有している。この機構により、光強度ゆらぎの影響を抑え、より鮮明な画像を得ることが出来る。
【0034】
干渉光検出手段140は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムからなる画像取得手段150に接続され、画像取得手段150はCRTや液晶表示装置等からなる表示装置160に接続されている。画像取得手段150は干渉光検出手段140から出力された干渉信号をフーリエ変換することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度等の反射情報を取得し、この情報を用いて測定対象Sの断層画像を生成する。表示装置160は、画像取得手段150により取得された断層画像を表示する。
【0035】
ここで、干渉光検出手段140および画像取得手段150における干渉光L4の検出および画像の生成について簡単に説明する。なお、この点の詳細については「武田 光夫、「光周波数走査スペクトル干渉顕微鏡」、光技術コンタクト、2003、Vol41、No7、p426−p432」に詳しい記載がなされている。
【0036】
測定光L1が測定対象Sに照射されたとき、測定対象Sの各深さからの反射光L3と参照光L2とがいろいろな光路長差をもって干渉しあう際の各光路長差lに対する干渉縞の光強度をS(l)とすると、干渉光検出手段140において検出される光強度I(k)は、
I(k)=∫S(l)[1+cos(kl)]dl ・・・(1)
で表される。ここで、kは波数、lは光路長差である。式(1)は波数kを変数とする光周波数領域のインターフェログラムとして与えられていると考えることができる。このため、画像取得手段150において、干渉光検出手段140が検出したスペクトル干渉縞をフーリエ変換にかけて周波数解析を行い、干渉光L4の光強度S(l)を決定することにより、測定対象Sの測定開始位置からの距離情報と反射強度情報とを取得し、断層画像を生成することができる。
【0037】
次に、上記構成を有する光断層画像化装置100の動作例について説明する。まず、光路長調整手段120において、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長の調整が行われる。その後、光源ユニット110から光Lが射出され、光Lは光分割手段101により測定光L1と参照光L2とに分割される。測定光L1はプローブ130により体腔内に導波され測定対象Sに照射される。そして、測定対象Sからの反射光L3が参照光L2と合波手段104により合波され、反射光L3と参照光L2との干渉光L4a、L4bが干渉光検出手段140により検出されて干渉信号として出される。この干渉信号が画像取得手段150において周波数解析されることにより断層画像が取得される。
【0038】
なお、プローブ130を回転させること等により、測定対象Sに対して測定光L1を1次元方向に走査させれば、この走査方向に沿った各部分において測定対象Sの深さ方向の情報が得られるので、この走査方向を含む断層面についての断層画像を取得することができる。また、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像をさらに取得することも可能である。
【0039】
なお、上記例ではマッハツェンダー型干渉計を用いた光断層画像化装置の構成例について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、マイケルソン型干渉計やフィゾー型干渉計等、別の種類の干渉計を用いた光断層画像化装置も可能である。
【0040】
以下、光源ユニット110に適用可能な本発明の光源の実施形態について詳細に説明する。図2に、本発明の第1の実施形態にかかる光源1の構成を示す。図2に示す光源1は、光路内を光が往復することによりレーザ発振が行われる線形共振器型(リニア共振器型ともいう)の構成を有する。光源1は、光路に沿って順に配置された、SOA(Semiconductor Optical Amplifier:半導体光増幅器)2と、2つの反射面3、4を有するファブリーペロー共振器5と、凹面鏡6とを有する。
【0041】
SOA2は、本発明の光増幅媒体に対応するものであり、所定の波長帯域の光を出射可能であり、また、入射された光を増幅して出射する機能を有する。本実施形態のSOA2は、ファブリーペロー共振器5とは逆側の端面2aに高反射コート(HRコート)が施されており、この面が線形共振器の1つの共振器端として機能する。SOA2において、端面2aと逆側の端面からは発散光7が出射され、この発散光7はファブリーペロー共振器5へ入射する。光源1においては、発散光7の発散中心OはSOA2の出射端上の発光点としている。
【0042】
ファブリーペロー共振器5は、2つの反射面3、4で起こる光の干渉により、選択された波長である特定波長の光のみ透過し、特定波長以外の光を反射するものであり、波長選択手段として機能するものである。
【0043】
ここで、波長選択手段として用いられるファブリーペロー共振器について説明する。ファブリーペロー共振器は、2つの反射面の間隔および反射率で決まる周期的で透過ピークを有する透過光スペクトル分布を有しており、透過できない光スペクトルは反射される。反射面の間隔に反比例してフリースペクトルレンジ値(以下、FSRという)が大きくなり、透過ピークの間隔はFSRで決まる間隔で繰り返される。また、反射率が大きいほど、透過ピークの幅は狭くなる。FSRを透過ピークスペクトルの半値全幅で割ったものがフィネスであり、高フィネスの光源ほど波長選択性が高い。
【0044】
ファブリーペロー共振器を構成する2つの反射面の間隔を十分狭くしてFSRを大きくすることで、SOAの光利得帯域内に1つの透過光スペクトル分布のみを存在させることができる。さらに、反射面の反射率を十分高くすることで、透過光スペクトル分布の幅を十分狭くすることができ、実質的にSOAの光利得帯域内において十分狭い1つの光スペクトル分布のみがファブリーペロー共振器を透過できるように設定することが可能になる。これにより、光源1を、十分狭い1つの光スペクトル分布のみで発振するようにすることが可能である。
【0045】
さらに、2つの反射面の間隔を変えることで透過光スペクトル分布の中心波長の位置を変えることが可能である。反射面の間隔を広げた場合は、透過光スペクトルは長波長側にシフトし、反射面の間隔を狭めた場合は、透過光スペクトルは短波長側にシフトする。2つの反射面3、4の間隔を連続的に変えることで、十分狭い光スペクトル分布を有するレーザ発振光スペクトル分布を連続的に掃引することが可能である。
【0046】
例えば、反射面3、4の間隔を拡大および縮小する方向に正弦波的に変更することで、光源1の発振波長が長波長側へのシフトおよび短波長側へのシフトを交互に繰り返し、光源1の発振波長を連続的に掃引して、光源1を波長可変光源とすることができる。
【0047】
本実施形態のファブリーペロー共振器5では、図2に示すように、2つの反射面3、4は略等しい間隔を保って配置された曲面ミラーからなる。また、2つの反射面3、4は、ファブリーペロー共振器5で反射された光が発散光7の発散中心Oに入射しないように線形共振器の光軸Zに対し傾いて配置されている。つまり、反射面4の中心に垂直な線Nと線形共振器の光軸Zとは一致せず、傾き角度θをなす。ここで、線形共振器の光軸Zは、ファブリーペロー共振器5を透過し、凹面鏡6で反射されて再びファブリーペロー共振器5を透過する光の光軸を意味している。本実施形態においては、発散光7は図2の紙面鉛直方向で対称的なものを想定しているため、線形共振器の光軸Zはこの発散光7の中心を通る光線の方向とする。
【0048】
なお、図2では図の明確化のために、θを大きな角度で図示しているが、ファブリーペロー共振器5で反射された光を発散光の発散中心Oに入射させないためには、反射面3、4を微小角度傾ければよく、角度θは非常に小さな値をとることができる。2つの反射面3、4を傾けることにより、ファブリーペロー共振器5で反射された特定波長以外の光が発散中心Oに入射するのを阻止することができる。よって、特定波長以外の光は、線形共振器の光軸から外れた光路を進行することになり、SOA2で増幅されることはない。
【0049】
好ましくは、2つの反射面3、4は、発散中心Oを中心とした曲面形状、例えば球面形状の反射面を線形共振器の光軸に対し傾けて配置したものである。発散光7は広がりを持つ光束であるから、発散光7には、発散光7の光束の中心近傍を進む光線(光軸Zとほぼ同方向の光線)と、発散光7の光束の周辺近傍を進む光線(光軸Zと角度をなす光線)とが含まれている。仮に、2つの反射面3、4を平面で構成した場合、上記の中心近傍を進む光線と周辺近傍を進む光線では2つの反射面間の光路長が異なってしまい、ファブリーペロー共振器を透過する光の波長選択性が低下する。これに対して、本実施形態では、上記のような曲面とすることで、中心近傍を進む光線と周辺近傍を進む光線の反射面3と反射面4との間の光路長をほぼ等しくすることができるため、ファブリーペロー共振器を透過する光の波長選択性を高くすることができる。
【0050】
さらには、反射面3、4は、発散光7の波面と略同一の形状を有する曲面であることが好ましい。この場合には、発散光7に含まれる各光線の発散中心Oから反射面3までの光路長を等しくすることができ、同様に発散光7に含まれる各光線の発散中心Oから反射面4までの光路長を等しくすることができ、結果として各光線の反射面3から反射面4までの光路長を等しくすることができる。これにより、ファブリーペロー共振器5の透過ピークスペクトルの幅を極めて狭くすることができ、非常に高い波長選択性を実現することができる。
【0051】
反射面3、4は、図2の矢印Bで示すように、その間隔が制御手段8により変更可能なように構成されている。反射面3、4の間隔を変更することにより、ファブリーペロー共振器5を透過できる光の波長を変更することができる。
【0052】
凹面鏡6は、線形共振器のもう1つの共振器端であるとともに、ファブリーペロー共振器5を透過した光が発散中心Oへ収束するように、透過した光を帰還させる帰還手段として機能するものである。概略的には、凹面鏡6は、発散中心Oを中心とした曲面、例えば球面のミラーを、その中心軸が線形共振器の光軸Zと一致するように配置したものと考えることができる。
【0053】
より詳しくは、凹面鏡6は、凹面鏡6に入射する発散光7を構成する各光線に垂直な面形状を有する。この形状により、凹面鏡6で反射された光は、凹面鏡6に入射した光と同一の光路を逆向きに進行することができ、発散中心Oへ帰還することができる。さらに厳密には、凹面鏡6は、発散光7の波面と略同一の形状を有する曲面とすることが好ましい。
【0054】
なお、SOA2からの発散光7が、光軸Zに対して非軸対称な光である場合は、凹面鏡6の形状は、この非軸対称な光に応じた非軸対称な形状、例えば、アナモルフィックな形状とする必要があり、また、反射面3、4についても非軸対称な形状、例えば、アナモルフィックな形状とすることが好ましい。
【0055】
光源1の動作例について説明する。SOA2の発散中心Oから、特定波長の光および特定波長以外の光を含む発散光が出射され、ファブリーペロー共振器5に入射する。そのうち、特定波長以外の光は、ファブリーペロー共振器5で反射されて収束光となるが、反射面3、4が傾けて配置されているため、この反射光は図2の点線で示すように発散中心Oには入射せず、SOA2で増幅されることはない。
【0056】
一方、ファブリーペロー共振器5に入射した特定波長の光はファブリーペロー共振器5を透過し、凹面鏡6で反射されて収束光となり同一光路を逆向きに進行し、ファブリーペロー共振器5を再び透過し、発散中心Oに収束するように入射する。この発散中心Oに再入射した特定波長の光は、SOA2内を進行し、端面2aで反射される。以後、同様のことが繰り返されて、共振器内で特定波長の光が発振することになる。
【0057】
そして、制御手段8により反射面3、4の間隔を変更することにより、ファブリーペロー共振器5を透過できる特定波長を変更することができ、波長掃引されたレーザ光を得ることができる。
【0058】
光源1は、線形共振器型の構成を有するため、従来のリング共振器型の光源が有していた問題を回避することができる。光源1は、少ない部品数でコンパクトな構成となっているため低コストに作製可能であり、光量損失が少なく、高い光利用効率を実現できる。また、光源1では、図8に示すレーザ光源に比べて、収差を生じさせるレンズ等の光学素子を用いていないため高い波長選択性を実現できるとともに、液晶を用いていないため高速の波長掃引が可能である。
【0059】
光源1において発振光を外部出力するには、例えば、凹面鏡6を全反射ミラーではなく、部分反射ミラーとし、凹面鏡6に入射した光の一部を透過させて外部へ出力するようにしてもよい。
【0060】
あるいは、図3に示す光源10のように、光ファイバを用いて外部出力を行うようにしてもよい。図3に示す光源10は、図2に示す光源1と比べて、SOA2の代わりにSOA12を用い、SOA12のファブリーペロー共振器5とは逆側に結合用のレンズ11を介して光ファイバF10を配置した点が異なる。図3に示す光源10について、光源1との相違点について主に説明する。
【0061】
光源10が有するSOA12の図3に示す左側の端面、すなわちファブリーペロー共振器5と逆側の端面には高反射コートが施されていない。よって、光源10ではSOA12を出射してファブリーペロー共振器5を往復してSOA12に再入射した特定波長の光は、図3におけるSOA12の左側の端面から出射し、レンズ11を介して光ファイバF10に入射する。光ファイバF10は例えばシングルモードファイバにより構成可能である。光ファイバF10のレンズ11と逆側の端面F10aには高反射コートが施されており、この端面F10aが線形共振器の1つの共振器端として機能する。端面F10aの高反射コートは、入射した光の一部を透過可能であり、この透過した光が外部への出力光となる。
【0062】
このように光ファイバF10を用いることにより、外部への出力光の位置や方向をSOA12の位置によらず自由に設定することができ、装置設計の自由度を向上させることができる。また、導波手段に光ファイバを用いた場合には、通常のバルク素子を用いる場合に比べ、組立調整が容易になり、高い安定性を確保できるという利点がある。なお、光源10はレンズ11を有しているが、図8に示すレーザ光源がSOA81とFP−TF83の間にレンズ82が配置されているのに対し、光源10ではSOA12とファブリーペロー共振器5との間にはレンズは配置されていない点が異なる。図8に示すレーザ光源では、収束光が平行な反射面を有するファブリーペロー共振器に入射しているためフィネスが低下し波長選択性が低下する。これに比べ、図3に示す光源10では、発散光が上述した曲面を有するファブリーペロー共振器に入射しているため、波長選択性を改善することができる。
【0063】
次に、図4を参照しながら、本発明の第2の実施形態にかかる光源20について説明する。光源20は実質的に、図3に示す光源10においてSOA12とファブリーペロー共振器との間を光ファイバで接続した構成を有するものである。光源20は、光路に沿って順に配置された、光ファイバF10と、光結合用のレンズ11と、SOA12と、光結合用のレンズ13と、導波用の光ファイバF11と、光ファイバF11の端部に接続された波長選択ユニット15とを備えてなる。このうち、レンズ11、13とSOA12とはモジュール14として構成されている。
【0064】
光ファイバF10、F11は光導波路として機能するものであり、例えばシングルモードファイバにより構成可能である。光ファイバF10のレンズ11と反対側の端面F10aには高反射コート(HRコート)が施されており、この端面F10aは共振器端として機能する。また、光ファイバF10へ入射した光の一部は端面F10aから外部へ出力可能なように構成されている。
【0065】
波長選択ユニット15は、ファブリーペロー共振器と本発明の帰還手段とを含むものである。図5に波長選択ユニット15の拡大断面図を示す。波長選択ユニット15は、図5に示すように、略円筒状で内部に光ファイバF11が挿入されたフェルール16と、フェルール16の先端に装着された固定反射部17と、固定反射部17と間隔を持って対向配置された移動反射部18と、略円筒形状で移動反射部18を移動させるアクチュエータ19と、フェルール16とアクチュエータ19とを保持する保持具29とを備えている。
【0066】
固定反射部17は、光ファイバF11の端面に対向するよう配置された曲面形状の反射面23と、反射面23を支持してフェルール16に固定するための薄肉で略円筒形状の外周部材21とからなる。外周部材の内部は空洞であり、光ファイバF11のコアの端面上の発散中心Oから発散光27が外周部材の内部を進行し、反射面23に入射する。
【0067】
移動反射部18は、反射面23に対向する反射面24と、反射面24から光軸Z方向に所定距離離れて位置する凹面鏡26と、反射面24と凹面鏡26を一体化するための薄肉で略円筒形状の外周部材22とからなる。
【0068】
発散中心O、反射面23、反射面24、凹面鏡26はそれぞれ、図2で示す光源1の発散中心O、反射面3、反射面4、凹面鏡6に対応するものであり、その形状や配置の位置関係は発散中心O、反射面3、反射面4、凹面鏡6と同様である。
【0069】
すなわち、反射面23、反射面24は、ファブリーペロー共振器25の2つの反射面を構成するものであり、発散中心Oを中心とした曲面形状の反射面を線形共振器の光軸Zに対し傾けて配置したものである。反射面23、反射面24の傾き角は、ファブリーペロー共振器25で反射された光が発散光27の発散中心Oに入射しないように設定されている。また、凹面鏡26は、ファブリーペロー共振器25を透過した光が発散中心Oへ収束するように、透過した光を帰還させる帰還手段として機能するものである。
【0070】
アクチュエータ19は、不図示の制御手段により光軸Zの方向(図5の矢印Cの方向)に駆動され、これにより、移動反射部18が光軸Zの方向に移動して反射面23と反射面24の間隔が変更され、ファブリーペロー共振器25を透過可能な光の波長を変更することができる。
【0071】
光源20においては、線形共振器の共振器端は光ファイバF10の端面F10aと、凹面鏡26とからなる。光源20において、SOA12から出射した光のうち、特定波長以外の光は、ファブリーペロー共振器25で反射されて図5に示す点線のように進行する。この光は、発散中心O、すなわち光ファイバF11のコアからずれた位置に集光することになり、線形共振器の光路から除外されて光ファイバF11で導波されないため、SOA12に帰還することなく、増幅されない。
【0072】
一方、SOA12から出射した光のうち、特定波長の光は、ファブリーペロー共振器25を透過し、凹面鏡26で発散中心Oへ収束するように反射されるため、光ファイバF11のコアに再入射することができ、光ファイバF11により導波されてSOA12に帰還し、増幅される。よって、光源20においても、特定波長の光のみが増幅されて発振することになる。また、アクチュエータ19を駆動させることにより、光源20の発振波長を連続的に掃引して、光源20を波長可変光源とすることができる。
【0073】
なお、SOAから出射される光は非軸対称であることが多く、その場合、図2、図3に示す光源1、10では凹面鏡6も非軸対称に作製しなくてはならない。これに対して、図4に示す光源20では、SOA12から非軸対称な光が出射されたとしても、軸対称な成分の光のみが光ファイバF11と結合するため、光ファイバF11を通過させることにより軸対称な光をファブリーペロー共振器25に入射させることができ、軸対称な形状の凹面鏡26を用いることができるので、低コストに製作することができる。さらに、レンズ13として、SOAからの非軸対称な光を軸対称な光に成形するようなレンズを選択すれば、光の利用効率を高めることができる。このようなレンズ13としては例えばアナモルフィックレンズを用いることができる。
【0074】
本実施形態の光源20は光ファイバとの結合用のレンズ11、13を含んではいるものの、波長選択ユニット15内にはレンズを用いていない。これは本発明が発散光をファブリーペロー共振器に入射させて波長選択を可能にしていることに起因する。図8に示すレーザ光源ではレンズ82がFP−TF83の直前に配置されており、このレンズ82の収差がフィネスを低下させ波長選択性が低下する。これに対して図4に示す光源20では、光源20に含まれるレンズ11,13の収差のためにフィネスが低下することはなく高い波長選択性を実現することができる。図8に示すレーザ光源を含め、従来の線形共振器型の光源では、平行光または収束光をファブリーペロー共振器に入射させるためにレンズが必要となるが、本発明ではこのような用途のレンズが不要であるため、従来の装置に比べてレンズ枚数を低減しつつ高い波長選択性を有することができる。
【0075】
次に、図6を参照しながら第2の実施形態の変形例について説明する。なお、以降の変形例の説明および図面においては、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0076】
図6に、変形例の構成を示す。図6に示す変形例の光源30は、光ファイバでループ状の光路を形成することにより共振器端を構成したものである。図6に示す例では、図4に示す光源20の光ファイバF10の代わりに、リングカプラ32でループ状にした光ファイバF12を用いている。光ファイバF12は例えばシングルモードファイバからなる。光源30では、光ファイバF12の一端から入射した光をループを伝播させて再び入射端と同じ光ファイバの一端に出射させることができる。また、リングカプラ32の分岐比を好適に設定することにより、発振したレーザ光を入射端とは異なる光ファイバ端から外部出力することができる。このようなループ状の光ファイバを用いることにより、光ファイバ端面に高反射コートを成膜する必要がなくなり、低コストに構成することができる。
【0077】
なお、図6で示したような共振器端がループ状のファイバからなる構成は、第2の実施形態だけでなく、図3に示す構成にも適用可能である。
【0078】
以上、本発明による光源および光断層画像化装置の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
【0079】
例えば、上記実施形態では帰還手段として1つの凹面鏡を用いた例について説明したが、本発明の帰還手段はこれに限定されず、反射型の回折光学素子を用いることも可能であり、また、複数の光学部材により帰還手段を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態による光断層画像化装置の概略構成図
【図2】本発明の第1の実施形態による光源の構成図
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる変形例の光源の構成図
【図4】本発明の第2の実施形態による光源の構成図
【図5】本発明の第2の実施形態による光源の波長選択ユニットの拡大断面図
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる変形例の波長可変光源の構成図
【図7】従来のリング共振器型の波長可変光源の概略構成図
【図8】従来の線形共振器型の波長可変光源の概略構成図
【符号の説明】
【0081】
1、10、20、30 光源
2、12 SOA
3、4、23、24 反射面
5、25 ファブリーペロー共振器
6、26 凹面鏡
7、27 発散光
15 波長選択ユニット
16 フェルール
17 固定反射部
18 移動反射部
19 アクチュエータ
100 光断層画像化装置
101 光分割手段
104 合波手段
110 光源ユニット
120 光路長調整手段
130 プローブ
140 干渉光検出手段
150 画像取得手段
160 表示装置
F10、F11 光ファイバ
F10a 端面
L 光
L1 測定光
L2 参照光
L3 反射光
L4 干渉光
、O 発散中心
S 測定対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線形共振器型の光源であって、
光増幅媒体と、
該光増幅媒体を出射した光が発散光として入射され、特定波長の光を透過させるとともに前記特定波長以外の光を反射し、この反射された光が前記発散光の発散中心に入射しないように前記線形共振器の光軸に対し傾いて配置された2つの反射面を有するファブリーペロー共振器と、
該ファブリーペロー共振器を透過した光が前記発散中心へ収束するように、前記透過した光を帰還させる帰還手段とを備えたことを特徴とする光源。
【請求項2】
前記2つの反射面がともに、前記発散中心を中心とした曲面形状の反射面を前記線形共振器の光軸に対し傾けて配置したものであることを特徴とする請求項1記載の光源。
【請求項3】
請求項1または2記載の光源と、
該光源から射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
前記測定光が測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
該合波手段により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光検出手段と、
該干渉光検出手段により検出された前記干渉光に基づき前記測定対象の断層画像を取得する画像取得手段と、を備えたことを特徴とする光断層画像化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−244082(P2009−244082A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90663(P2008−90663)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】