説明

光源を駆動するための回路および方法

【課題】コントローラが、光源への電力を制御すること。
【解決手段】光源は、整流されたAC電圧を受け取り、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDを含む。コントローラは、整流されたAC電圧が第1の所定の範囲内であるとき、第1の複数のLEDを流れる電流を第1の所定のレベルに調整する。第2の複数のLEDは、整流されたAC電圧が第1の所定の範囲内であるとき、オフのままである。コントローラは、整流されたAC電圧が第2の所定の範囲内であるとき、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDを流れる電流を第1の所定のレベルよりも大きい第2の所定のレベルに調整し、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDは、整流されたAC電圧が第2の所定の範囲内であるとき、直列に結合され、第2の所定の範囲は、第1の所定の範囲外である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2010年11月23日に出願された同時係属の米国特許出願第12/953,353号の一部継続であり、本出願はまた、2011年8月26日に出願された同時係属の米国特許出願第13/218,755号の一部継続であり、それ自体は2010年12月14日に出願された米国特許出願第12/968,035号、現在では米国特許第8,040,071号の分割出願であり、そのすべてが参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、一般照明などの多数の用途に使用可能である。LEDは、蛍光ランプや白熱ランプなどの従来型光源を凌ぐいくつかの利点を提供する。例えば、LEDの電力消費ははるかに小さい。光を生成するのに十分に高い温度に金属フィラメントを加熱して多くの電流を変換する白熱灯電球などの従来型光源とは異なって、LEDは一般的に、ほとんど全く熱を発生させず、照明の等価なルーメンを生成するのにわずかなエネルギーしか利用しない。例えば、電球の用途では、概ね60ワットを消費する白熱光源と比較して、LED光源は同じ量の光度を生成するのに7ワット未満の消費でよい。
【0003】
さらには、LEDの稼働寿命は、白熱電球の平均寿命の例えば5,000時間や、蛍光ランプの平均寿命の例えば15,000時間よりもはるかに長い50,000時間超に延長可能である。その上、LEDは、水銀や他の有害ないずれの材料または化学物質を含んでおらず、白熱ランプまたは蛍光ランプとは異なって、紫外線(UV)放射の放出がゼロである。LEDの使用は、物質的に環境を改善し、エネルギーを保存する。
【0004】
従来から、AC/DC変換器は、AC電圧を実質的なDC電圧に変換して、LEDに電力供給する。図1は、光源、例えばLEDアレイ108を駆動するための一般的な駆動回路100を示している。駆動回路100は、AC電圧を、整流されたAC電圧に整流するためのブリッジ整流器104と、整流されたAC電圧をフィルタリングして、ほぼ一定のDC電圧VINを供給するための、ブリッジ整流器104に結合された相対的に大きいサイズの電解コンデンサCbulkとを含む。
【0005】
駆動回路100は、DC電圧VINをコンデンサ116の両端間のDC電圧VOUTに変換して、LEDアレイ108に電力供給するスイッチングモードDC/DC変換器122をさらに含む。動作中、コントローラ118は、スイッチ106を交互にオンおよびオフに完全にするようにON/OFF信号を生成して、LEDアレイ108向けの電力を制御する。しかし、スイッチ106のターンオンおよびターンオフは、電磁妨害(electromagnetic interference:EMI)雑音を発生させ、それにより、EMIフィルタ130は、電力線上の雑音を抑制することを要求される。加えて、スイッチングモードDC/DC変換器122は、通常、エネルギー貯蔵および/またはフィルタリング機能のためのインダクタ112およびコンデンサ116などの要素を含む。このような要素はまた、相対的にサイズが大きく、E12、E14、E17のLED電球、またはT-5およびT-8のLEDライトチューブなどの商用照明器具内への配置が困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
コントローラが、光源への電力を制御する。光源は、整流されたAC電圧を受け取り、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDを含む。コントローラは、整流されたAC電圧が第1の所定の範囲内であるとき、第1の複数のLEDを流れる電流を第1の所定のレベルに調整する。第2の複数のLEDは、整流されたAC電圧が第1の所定の範囲内であるとき、オフのままである。
【0007】
主張される主題の実施形態の特徴および利点は、以下の詳細な説明が進んでいくにつれて、かつ同様の符号が同様の部分を示している図面を参照すると、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】光源を駆動するための従来の駆動回路を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による駆動回路を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による整流されたAC電圧VRECの例を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態によるシステムの電力効率性と導通角との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態によるシステムの電力関数と導通角との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の別の実施形態による駆動回路を示す図である。
【図7】本発明の別の実施形態による整流されたAC電圧VREC1、および整流されたAC電圧VREC2の例を示すグラフである。
【図8】本発明の別の実施形態による駆動回路を示す図である。
【図8A】本発明の一実施形態による図8の駆動回路と関連する信号波形の例を示す波形図である。
【図9】本発明の別の実施形態による駆動回路を示す図である。
【図10】整流された電圧、および整流器からの電流の例を示すグラフである。
【図11】本発明の別の実施形態による駆動回路を示す図である。
【図12】本発明の別の実施形態による駆動回路を示す図である。
【図13A】図11および図12のTRIAC調光器の例を示す図である。
【図13B】図11および図12のTRIAC調光器の例を示す図である。
【図13C】図11および図12のTRIAC調光器の例を示す図である。
【図13D】図11および図12のTRIAC調光器の例を示す図である。
【図13E】図11および図12のTRIAC調光器の例を示す図である。
【図13F】図11および図12のTRIAC調光器の例を示す図である。
【図14】整流された電圧、および整流器からの電流の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態を詳細に参照する。本発明をこれらの実施形態とともに説明するが、それらが本発明をこれらの実施形態に限定すると意図されるものでないことは理解されるであろう。逆に、本発明は、代替形態、修正形態、および均等形態をカバーすると意図され、それらは、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲内に含まれ得る。
【0010】
さらには、以下の本発明の詳細な説明において本発明の完全な理解を可能にするために、多くの具体的な詳細を述べる。しかし、本発明が、これらの具体的な詳細なしで実施可能であることは当業者には理解されるであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、構成要素、および回路について、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないように、詳細には説明しない。
【0011】
本発明による実施形態は、発光ダイオード(LED)光源などの1つまたは複数の光源を駆動するための回路および方法を提供する。例として、本発明の実施形態による回路および方法は、E12、E14、E17の電球、またはT-5およびT-8のチューブを含むが、それらに限定されない照明器具において使用可能である。一実施形態においては、回路は、AC/DC線形変換器を含む。有利には、本発明の実施形態によるAC/DC線形変換器は、相対的に高い電力効率、ならびに相対的に高い電力因子を達成することが可能である。一実施形態においては、AC/DC線形変換器は、相対的に薄い、例えば、厚さが6.0mm未満であるプリント回路基板(PCB)上に取付け可能であり、E12、E14、E17の電球、またはT-5およびT-8のチューブなどの照明器具内への嵌合をより容易にする。その上、スイッチングモードDC/DC変換器と協働する従来のAC/DC変換器とは異なって、本発明の実施形態によるAC/DC線形変換器は、電磁妨害(EMI)雑音を発生させず、したがって、EMIフィルタを必要としない。加えて、従来のスイッチングモードDC/DC変換器におけるインダクタなどの大型の回路構成要素は省略可能である。そのため、本発明の実施形態による1つまたは複数の光源を駆動するための回路および方法は、効率性の改善、および費用の削減を達成する。
【0012】
図2は、本発明の実施形態による駆動回路200を示している。図2の例においては、駆動回路200は、AC電圧を受け取り、光源を流れる電流を制御するためのAC/DC線形変換器240を含む。例示を目的として、図2の光源は、複数のLED列を有するLEDアレイ210を含む。光源は、他のタイプの光源であってよい。図2の例においては、AC/DC線形変換器240は、AC電圧VACを整流されたAC電圧VRECに整流するための整流器(例えば、ブリッジ整流器204)と、所定の電流基準により、LEDアレイ210内の電流を制御するためのLEDアレイ210に直列に結合されたスイッチQ1と、スイッチQ1を線形に制御するための制御回路(例えば、演算増幅器206)と、光源を流れる電流を検知し、検知信号220を制御回路に供給するための電流センサ(例えば、検知抵抗器RSET)とを含む。一実施形態においては、スイッチQ1は、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(power metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:MOSFET)である。
【0013】
図3は、VACの周期0から2πの間の整流されたAC電圧VRECの例を示し、図2と組み合わせて説明される。一実施形態においては、整流されたAC電圧VRECは、周期電圧信号である。整流されたAC電圧VRECは、ピーク電圧VPを有する。LEDアレイ210の順電圧VOは、整流されたAC電圧VRECと交わる。LEDアレイ210は、LEDアレイ210の両端間の電圧がLEDアレイ210の順電圧VOよりも大きいとき、その定格に電源をオンにされる。より具体的には、図3の例においては、LEDアレイ210は、整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順電圧VOよりも大きいとき、その定格に電源をオンにされ、調整される。一実施形態においては、検知抵抗器RSETの両端間の電圧低下は、相対的に小さく、無視してよい。
【0014】
したがって、動作中、LEDアレイ210は、整流されたAC電圧VRECのレベルに応じて、電源をオンにされ、調整される。LEDアレイ210が電源をオンにされるとき、例えば、整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順電圧VOよりも大きいとき、制御回路は、LEDアレイ210内の電流を示す検知信号220を、所定の電流基準を示す基準信号ADJと比較することによって、スイッチQ1を線形に制御し、それにより、LEDアレイ210内の電流は、所定の電流基準に調節される。例として、演算増幅器206は、検知信号220を基準信号ADJと比較し、エラー信号を生成して、スイッチQ1を線形に制御する。電流センサ、例えば、検知抵抗器RSETは、LEDアレイ210に直列に結合され、検知信号220を供給するためである。
【0015】
図3の例においては、整流されたAC電圧VRECは、半波正弦波電圧信号である。しかし、整流されたAC電圧VRECは、図3の例に限定されない。検知抵抗器RSETの両端間の電圧低下は無視してよいと仮定すれば、整流されたAC電圧は、光源、例えばLEDアレイ210の順電圧VOが整流されたAC電圧と交わる限り、他の周期信号であってよい。したがって、整流されたAC電圧は、光源の順電圧VOよりも大きいピーク電圧VPを有し、光源の順電圧VOよりも小さいバレー電圧を有する。
【0016】
一実施形態においては、LEDアレイ210を流れる電流IOは、
IO=ADJ/RSET (1)
で与えられ、ただし、ADJは、基準信号ADJの電圧レベルを表し、RSETは、検知抵抗器RSETの抵抗を表す。LEDアレイ210の順電圧VOは、
VO=VP×Sinθ (2)
で与えられ、ただし、VPは、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧を表し、θは、整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順電圧VOと実質的に等しい導通角である。一実施形態においては、「と実質的に等しい」は、導通角θにおいて、整流されたAC電圧VRECが、スイッチQ1と検知抵抗器RSETとの両端間の電圧低下、および実践上の適用例における回路構成要素の非理想性により、順電圧VOとはわずかに異なる場合があることを意味する。
【0017】
そのため、周期0からπの間の平均入力電力Pinは、
【0018】
【数1】

【0019】
で与えられる。周期0からπの間のLEDアレイ210の出力電力Poutは、
【0020】
【数2】

【0021】
で与えられる。
【0022】
方程式(3)および(4)によれば、AC/DC線形変換器240の電力効率ηは、
【0023】
【数3】

【0024】
によって計算可能である。加えて、周期0からπの間の、例えば、スイッチQ1および検知抵抗器RSET上の全電力消散Plossは、
Ploss=Pin-Pout=[(1/η)-1]Pout (6)
で得られる。方程式(5)により、電力効率ηと導通角θとの関係を図4の例に示す。
【0025】
そのため、所与の電力効率ηにより、それに応じて、導通角θは方程式(5)に基づいて得られる。整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが知られている場合、順電圧VOは、方程式(2)により計算可能である。それに応じて、所定の出力電力、例えば、Pout=5Wを有するランプを設計するためには、LEDアレイ210を流れる電流IOは方程式(4)により計算可能である。したがって、5Wの出力電力を生成するために必要なLEDの数は、LEDの定格電流が知られている場合、計算可能である。
【0026】
例として、出力電流Pout5ワット、および電力効率η80%のLEDランプを設計するために、AC電源202が60Hz、110VのAC電圧VACを生成し、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vであると仮定すれば、導通角θは、方程式(5)により約0.81(46.43度)である。方程式(2)によれば、順電圧VOは、155*sin(0.81)≒112Vで与えられる。方程式(4)によれば、電流IOは約92mAである。LEDが順電圧3.2Vであると仮定すれば、LEDアレイ210のそれぞれのLED列におけるLEDの数は、112V/3.2V=35で与えられる。LEDが定格電流20mAである場合には、LEDアレイ210は、5つのLED列を含むことが可能であり、それぞれのLED列は、35個のLEDを含む。例えば電力スイッチQ1および検知抵抗器RSEN上の電力消散Plossは、Ploss=Pin-Pout=[(1/η)-1]Pout=1.25Wである。
【0027】
さらには、システムの電力因子PFは、
【0028】
【数4】

【0029】
によって計算可能であり、ただし、Pinは、方程式(3)により得られる平均入力電力を表し、Vrmsは、入力電圧VRECの二乗平均平方根を表し、Irmsは、LEDアレイ210への入力電流の二乗平均平方根を表す。VrmsおよびIrmsは、
【0030】
【数5】

【0031】
【数6】

【0032】
で与えられる。そのため、電力因子PFは、
【0033】
【数7】

【0034】
で得られる。図5は、電力因子PFと導通角θとの関係を本発明の一実施形態により示している。有利には、図4および図5に示すように、駆動回路は、適切な導通角θを選択することによって、相対的に高い電力効率η、また相対的に高い電力因子PFを達成することが可能である。例えば、導通角θが0.81である場合、電力効率ηは約80%であり、電力因子PFは約0.89である。その上、駆動回路は、インダクタ、電力スイッチ、および制御回路を含むことが可能な追加の電力因子訂正回路なしで、相対的に高い電力因子を達成することが可能である。
【0035】
一実施形態においては、スイッチQ1、および演算増幅器206は、コントローラを成し、集積回路230内に集積されてよい。その上、整流器204、集積回路230、および検知抵抗器RSETは、プリント回路基板(PCB)上に取付け可能である。図2に示すLEDアレイ210などの光源は、一実施形態においては、別個のPCB上に取付け可能である。
【0036】
図6は、本発明の別の実施形態による駆動回路600を示している。図2と同じ符号付けされた要素は、類似機能を有する。駆動回路600は、スイッチQ1を制御する制御回路をさらに含むAC/DC線形変換器640を含む。一実施形態においては、LED光源210は、整流されたAC電圧VRECを示す信号がDC電圧よりも大きいとき、電源をオンにされ、調整され、整流されたAC電圧VRECを示す信号がDC電圧よりも小さいとき、電源をオフにされる。
【0037】
より具体的には、演算増幅器206の出力は、整流されたAC電圧VRECを示す信号V1がDC電圧VDCよりも大きいとき、スイッチQ1を線形に制御する。演算増幅器206の出力は、一実施形態においては、整流されたAC電圧VRECを示す信号V1がDC電圧VDCよりも小さいとき、低電圧に保持され、それによって、スイッチQ1をオフにする。図6の例では、AC/DC線形変換器640は、信号V1をDC電圧VDCと比較して、演算増幅器206に結合されたスイッチQ3を制御するための比較器610をさらに含む。信号V1は、整流されたAC電圧VRECに比例する。例えば、駆動回路600は、整流されたAC電圧VRECを受け取り、信号V1を供給するための抵抗器R1およびR2を含む電圧分割器を含む。一実施形態においては、DC電圧VDCは、整流されたAC電圧VRECの平均レベルに比例する。例えば、駆動回路600は、抵抗器R3およびR4を含む電圧分割器を含む。平均フィルタリングコンデンサC1は、抵抗器R4に並列に結合されている。したがって、DC電圧VDCは、一実施形態においては、整流されたAC電圧VRECの平均レベルに比例する。本実施形態においては、電圧V1がDC電圧VDCよりも大きいとき、比較器610はスイッチQ3をオフにし、それにより、演算増幅器206の出力は、スイッチQ1を線形に制御する。電圧V1がDC電圧VDCよりも小さいとき、比較器610はスイッチQ3をオンにし、それにより演算増幅器206の出力は接地され、したがって、スイッチQ1はオフにされる。有利には、駆動回路600は、入力AC電圧VACが変動した場合でも、LEDアレイ210を制御して、実質的に一定の光度を発生させることが可能である。
【0038】
図7は、周期0から2πの間の整流されたAC電圧VREC1、および整流されたAC電圧VREC2の例を示し、図6と組み合わせて説明される。一実施形態においては、整流されたAC電圧VREC1およびVREC2は、周期電圧信号、例えば半波正弦波電圧信号である。例として、入力AC電圧VACがVAC1からVAC2まで変動する場合、それに応じて、整流されたAC電圧は、VREC1からVREC2まで変化する。整流されたAC電圧VREC1は、ピーク電圧VP1を有し、整流されたAC電圧VREC2は、ピーク値VP2を有する。DC電圧VDCは、整流されたAC電圧VRECの平均レベルに比例するので、それに応じて、DC電圧もVDC1からVDC2まで変化する。有利には、図7の例に示すように、整流されたAC電圧がVREC1であるか、VREC2であるかにかかわらず、スイッチQ3は、0〜θ、(π-θ)〜(π+θ)、および(2π-θ)〜2πの間、オンにされ、θ〜(π-θ)、および(π+θ)〜(2π-θ)の間、オフにされる。一実施形態においては、スイッチQ3がオンであるとき、スイッチQ1はオフであり、スイッチQ3がオフであるとき、スイッチQ1は、基準信号ADJを検知信号220と比較することによって、LEDアレイ210内の電流を調整するように線形に制御される。言い換えれば、入力されたAC電圧VACの変動によってもたらされる整流されたAC電圧VRECが変化した場合でも、スイッチQ1は、同じ導通角で伝導され、それにより、LEDアレイ210は、実質的に一定の光度を有する。
【0039】
図6の例においては、DC電圧VDCは、
【0040】
【数8】

【0041】
で与えられ、ただし、R3は、抵抗器R3の抵抗を表し、R4は、抵抗器R4の抵抗を表す。例として、電圧分割器R3・R4は、比較器610の非反転入力における2.0VのDC電圧、例えば、VDC=2.0Vなどの集積回路設計に合うようなやり方で選択される。整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vであると仮定すれば、R3・R4分割器比例項は、以下の
【0042】
【数9】

【0043】
で得られる。整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順電圧VOよりも大きいとき、スイッチQ1がオンであることを知ると、比較器610の反転入力における電圧V1は、抵抗器R1およびR2を含む抵抗分割器を適切に選ぶことによりVRECの一部である。LEDアレイ210の順電圧VOが112Vであり、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vであると仮定すれば、R1・R2分割器比例項は、以下の
【0044】
【数10】

【0045】
で得られる。AC電圧VACの変化により、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPは、155Vから180Vまで変わる。方程式(11)によれば、DC電圧VDCは、
【0046】
【数11】

【0047】
に変わる。方程式(2)によれば、
【0048】
【数12】

【0049】
である。したがって、θ=0.81(46.43度)であり、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vと等しいとき、それは導通角と同じである。整流されたAC電圧VRECが変化した場合でも、同じ導通角θでスイッチQ1をスイッチオンすることによって、そのため、LEDアレイ210の光度は、実質的に一定に保たれる。
【0050】
図2を参照すると、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが、AC電圧VACの変化により155Vから180Vまで変わる場合には、導通角θは、以下の
VO=VP×Sinθ⇒112V=180V×sinθ⇒θ=0.67 (15)
により約0.67(38.48度)である。したがって、図2の駆動回路200が用いられる場合、出力電力Poutは、
【0051】
【数13】

【0052】
で与えられ、それは、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが、AC電圧VACの変化により155Vから180Vまで変わる場合、光度が変化することを示している。その上、電力消散は、
Ploss=Pin-Pout=[(1/η)-1]Pout=2.35ワット (17)
で得られる。図6の駆動回路600を用いることによって、電力効率はさらに高まる。例えば、図6の駆動回路を用いることによって、整流された電圧が、180Vのピーク電圧を有するVREC2であるとき、電力損失は、
【0053】
【数14】

【0054】
である。
【0055】
一実施形態においては、スイッチQ1およびQ3、演算増幅器206、比較器610、ならびに抵抗器R1、R2、R3、およびR4は、コントローラを成し、集積回路630内に集積されてよい。別の態様においては、抵抗器R1および/またはR3は、設計の柔軟性のため、集積回路の外側にあってよい。その上、整流器204、フィルタリングコンデンサC1、検知抵抗器RSET、および集積回路630は、プリント回路基板(PCB)上に取付け可能である。図6に示すLEDアレイ210などの光源は、一実施形態においては、別個のPCB上に取付け可能である。
【0056】
したがって、本発明による実施形態は、発光ダイオード(LED)光源などの1つまたは複数の光源を駆動するための回路および方法を提供する。有利には、駆動回路は、AC/DC線形変換器を用い、それは、相対的に高い電力効率および電力因子、また相対的に小さいサイズ、および低い費用を達成し、大型のインダクタ、コンデンサ、およびスイッチング素子を含むスイッチングモードDC/DC変換器を必要とする場合がある従来の光源駆動回路とは異なる。その上、本発明の実施形態によるAC/DC線形変換器は、電磁妨害(EMI)雑音を発生させず、したがって、EMIフィルタを必要としない。相対的に小さいサイズにより、本発明の実施形態による駆動回路は、E12、E14、E17の電球、またはT-5およびT-8のチューブを含むが、それらに限定されない照明器具において使用可能である。
【0057】
図8から図15は、光源、例えばLED光源を駆動するための回路を提供する本発明による追加の実施形態を説明する。
【0058】
図8は、本発明の別の実施形態による駆動回路800を示している。駆動回路800は、整流器204例えばブリッジ整流器、電流調整器820A〜820D、コントローラ840、および整流器204によって生成される整流されたAC電圧によって電力供給されるLEDアレイ812などの負荷を含む。
【0059】
整流器204は、AC電源202からAC入力電圧を受け取り、整流されたAC電圧VINを生成するために動作可能である。整流されたAC電圧VINは、ヘビサイドの正弦波形を有することが可能である。一実施形態においては、例えば0.1uのフィルタリングコンデンサは、整流された電圧VINを平滑にするために整流器204の出力に結合可能である。図8の例においては、LEDアレイ812は、整流されたAC電圧VINを受け取り、LED列810A〜810Dを含む。それぞれのLED列810A〜810Dは、複数の直列結合されたLEDを有することが可能である。例として、LED列810Aは、6個のLEDを有することが可能であり、LED列810Bは、12個のLEDを有することが可能であり、LED列810Cは、12個のLEDを有することが可能であり、LED列810Dは、8個のLEDを有することが可能である。それぞれのLED列810A〜810Dは、対応するスイッチ830A〜830Dに直列に結合されている。それぞれの電流調整器820A〜820Dは、検知抵抗器RSENを介して、対応するLED列を流れる電流を検知し、対応するスイッチを線形に制御することによって、対応するLED列内の電流を所定のレベルに調整する。コントローラ840は、電流調整器820A〜820Dを制御して、LEDアレイ812への電流IINを調整する。有利には、コントローラ840は、電流IINを波形整形するために動作可能であり、それにより、駆動回路800の電力因子は高まる。
【0060】
図10は、整流された電圧VIN、および整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINの例を示している。図10は、図8と組み合わせて説明される。動作中、対応するLED列の両端間の電圧が、そのLED列の対応する順電圧に達する前に、LED列を流れる電流は、LED電流/電圧特性により指数関数的に増加する。一実施形態においては、LED列の両端間の電圧は、そのLED列の対応する順電圧よりも大きいとき、対応する電流調整器820A〜820Dは、LED列内の電流を所定のレベルに調整する。
【0061】
LED列810Aは、整流されたAC電圧VINを受け取る。検知抵抗器RSENの抵抗、およびスイッチ830Aのオン抵抗を無視すれば、整流されたAC電圧VINが、LED列810Aの順電圧よりも小さいとき、LED列810A内の電流は、指数関数的に増加する。時間t1では、整流されたAC電圧VINは、LED列810Aの順電圧よりも大きい。コントローラ840は、スイッチ830Aを線形に制御するように電流調整器820Aをイネーブルして、LED列810A内の電流を第1の所定のレベルl1に調整する。それに応じて、LED列810Aのカソード端における電圧は上昇する。t1とt2との間の特定の点で、LED列810B内の電流が指数関数的に増加し始める。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、LED列810A内の調整された電流I1と、LED列810B内の指数関数的に増加した電流とを含む。
【0062】
時間t2では、整流されたAC電圧VINは、LED列810Aおよび810Bの順電圧よりも大きい。コントローラ840は、電流調整器820Aを制御して、スイッチ830Aをオフにし、スイッチ830Bを線形に制御するように電流調整器820Bをイネーブルして、直列結合されたLED列810Aおよび810B内の電流を第2の所定のレベルl2(l2>l1)に調整する。LED列810Bのカソード端における電圧が上昇するにつれて、LED列810C内の電流が、t2とt3との間の特定の点で、指数関数的に増加し始める。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、直列結合されたLED列810A〜810B内の調整された電流I2と、LED列810C内の指数関数的に増加した電流とを含む。
【0063】
時間t3では、整流されたAC電圧VINは、LED列810A、810B、および810Cの順電圧よりも大きい。コントローラ840は、電流調整器820Bを制御して、スイッチ830Bをオフにし、スイッチ830Cを線形に制御するように電流調整器820Cをイネーブルして、直列結合されたLED列810A、810B、および810C内の電流を第3の所定のレベルl3(l3>l2)に調整する。LED列810Cのカソード端における電圧が上昇するにつれて、LED列810D内の電流は、t3とt4との間の特定の点で、指数関数的に増加し始める。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、直列結合されたLED列810A〜810C内の調整された電流I3と、LED列810D内の指数関数的に増加した電流とを含む。
【0064】
時間t4では、整流されたAC電圧VINは、LED列810A、810B、810C、および810Dの順電圧よりも大きい。コントローラ840は、電流調整器820Cを制御して、スイッチ830Cをオフにし、スイッチ830Dを線形に制御するように電流調整器820Dをイネーブルして、直列結合されたLED列810A、810B、810C、および810D内の電流を第4の所定のレベルl4(l4>l3)に調整する。このために、すべてのLED列810A〜810Dがオンにされる。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、直列結合されたLED列810A〜810D内の調整された電流I4を含む。
【0065】
時間t5では、整流されたAC電圧VINは、LED列810A、810B、810C、および810Dの順電圧よりも低下する。したがって、コントローラ840は、電流調整器820Cをイネーブルして、スイッチ830Cをオンにし、スイッチ830Cを線形に制御するように電流調整器820Cをイネーブルして、直列結合されたLED列810A、810B、および810C内の電流を第3の所定のレベルl3に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、直列結合されたLED列810A〜810C内の調整された電流I3と、LED列810D内の指数関数的に減少した電流とを含む。
【0066】
時間t6では、整流されたAC電圧VINは、LED列810A、810B、および810Cの順電圧よりも低下する。したがって、コントローラ840は、電流調整器820Bをイネーブルして、スイッチ830Bをオンにし、スイッチ830Bを線形に制御して、直列結合されたLED列810A、および810B内の電流を第2の所定のレベルl2に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、直列結合されたLED列810A〜810B内の調整された電流I2と、LED列810C内の指数関数的に減少した電流とを含む。
【0067】
時間t7では、整流されたAC電圧VINは、LED列810Aおよび810Bの順電圧よりも低下する。したがって、コントローラ840は、電流調整器820Aをイネーブルして、スイッチ830Aをオンにし、スイッチ830Aを線形に制御して、LED列810A内の電流を第1の所定のレベルl1に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流IINは、LED列810A内の調整された電流I1と、LED列810B内の指数関数的に減少した電流とを含む。
【0068】
時間t8では、整流されたAC電圧VINは、LED列810Aの順電圧よりも低下する。したがって、LED列810A内の電流は、指数関数的に低下する。
【0069】
それに応じて、電流調整器820A〜820Dは、整流されたAC電圧VINのレベルに応じて、順次にイネーブルされて、対応するスイッチを線形に調整して、スイッチを流れる電流をそれぞれの所定のレベルに制御する。整流されたAC電圧VINが第1の所定の範囲内(V1<VIN<V2)であるとき、コントローラ840は、電流調整器820Aを制御して、スイッチ830Aを線形に制御することによって、LED列810Aを流れる電流を第1の所定のレベルl1に調整する。LED列810B〜810Dはオフである。
【0070】
整流されたAC電圧VINが第2の所定の範囲内(V3<VIN<V4)であるとき、コントローラ840は、電流調整器820Bを制御して、スイッチ830Bを線形に制御することによって、直列結合されたLED列810Aおよび810Bを流れる電流を第2の所定のレベルl2に調整する。スイッチ830Aは、オフにされる。LED列810Cおよび810Dはオフである。
【0071】
整流されたAC電圧VINが第3の所定の範囲内(V5<VIN<V6)であるとき、コントローラ840は、電流調整器820Cを制御して、スイッチ830Cを線形に制御することによって、直列結合されたLED列810A〜810Cを流れる電流を第3の所定のレベルl3に調整する。スイッチ830Aおよび830Bは、オフにされる。LED列810Dはオフである。
【0072】
整流されたAC電圧VINが第4の所定の範囲内(V7<VIN<V8)であるとき、コントローラ840は、電流調整器820Dを制御して、スイッチ830Dを線形に制御することによって、直列結合されたLED列810A〜810Dを流れる電流を第4の所定のレベルl4に調整する。スイッチ830A、830B、および830Cは、オフにされる。このために、整流器204からの電流IINは、すべてのLED列810A〜810Dを流れる。
【0073】
一実施形態においては、コントローラ840は、整流されたAC電圧VINのレベルを示す監視信号880を整流器204から受け取る。それに応じて、コントローラ840は、監視信号880により、電流調整器820A〜820Dを制御することが可能である。代替の実施形態においては、コントローラ840は、監視信号880を受け取る必要がない。そうではなく、コントローラ840は、LED列810A〜810Dの状態(例えば、LED列の両端間の電圧は、LED列の順電圧を超えるかどうか)を監視して、電流調整器820A〜820Dを制御することが可能である。
【0074】
図8Aは、本発明の一実施形態による駆動回路800と関連する信号波形の例を示している。より具体的には、図8Aは、整流されたAC電圧VINと、整流器204からLEDアレイ812への電流IINと、LED列810A、810B、810C、および810Dの両端間のそれぞれの電圧V810A、V810B、V810C、およびV810Dと、LED列810A、810B、810C、および810Dを流れるそれぞれの電流I810A、I810B、I810C、およびI810Dと、入力電力PINと、LED列810A、810B、810C、および810Dによって消費されるそれぞれの電力P810A、P810B、P810C、およびP810Dとを示している。有利には、一実施形態においては、駆動回路800の電力因子は99%に達し、IINの全高調波歪みは9.26%である。
【0075】
図9は、本発明の別の実施形態による駆動回路900を示している。駆動回路900は、整流器204、電流調整器920A〜920D、コントローラ940、およびLEDアレイ912などの負荷を含む。
【0076】
図9の例においては、LEDアレイ912は、LED列910A〜910Dを含み、それぞれのLED列は、整流されたAC電圧VINを受け取る。一実施形態においては、LED列910BにおけるLEDの数は、LED列910Aのものよりも多く、LED列910CにおけるLEDの数は、LED列910Bのものよりも多く、LED列910DにおけるLEDの数は、LED列910Cのものよりも多い。例として、LED列910Aは、6個のLEDを有することが可能であり、LED列910Bは、18個のLEDを有することが可能であり、LED列910Cは、30個のLEDを有することが可能であり、LED列910Dは、38個のLEDを有することが可能である。それぞれのLED列910A〜910Dは、対応するスイッチ930A〜930Dに直列に結合されている。それぞれの電流調整器920A〜920Dは、検知抵抗器RSENを介して、対応するLED列を流れる電流を検知し、対応するスイッチを線形に制御することによって、対応するLED列内の電流を所定のレベルに調整する。コントローラ940は、電流調整器920A〜920Dを制御して、LEDアレイ912への電流IINを調整する。有利には、コントローラ940は、電流IINを波形整形するために動作可能であり、それにより、駆動回路900の電力因子は高まる。
【0077】
図9は、図10と組み合わせて説明される。検知抵抗器RSENの抵抗、およびスイッチ930Aのオン抵抗を無視すれば、整流されたAC電圧VINが、LED列910Aの順電圧よりも小さいとき、LED列910A内の電流は、指数関数的に増加する。時間t1では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Aの順電圧よりも大きい。コントローラ940は、スイッチ930Aを線形に制御するように電流調整器920Aをイネーブルして、LED列910A内の電流を第1の所定のレベルl1に調整する。LED列910B〜910Dは、より多くのLEDを有するので、LED列910B〜910Dは、なおもオフのままである。整流されたAC電圧VINが上昇するにつれて、t1とt2との間の特定の点で、LED列910B内の電流が指数関数的に増加し始める。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910A内の調整された電流I1と、LED列910B内の指数関数的に増加した電流とを含む。
【0078】
時間t2では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Bの順電圧よりも大きい。コントローラ940は、電流調整器920Aを制御して、スイッチ930Aをオフにし、スイッチ930Bを線形に制御するように電流調整器920Bをイネーブルして、LED列910B内の電流を第2の所定のレベルl2に調整する。LED列910C〜910Dは、より多くのLEDを有するので、LED列910C〜910Dは、なおもオフのままである。整流されたAC電圧VINが上昇するにつれて、LED列910C内の電流が、t2とt3との間の特定の点で、指数関数的に増加し始める。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910B内の調整された電流I2と、LED列910C内の指数関数的に増加した電流とを含む。
【0079】
時間t3では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Cの順電圧よりも大きい。コントローラ940は、電流調整器920Bを制御して、スイッチ930Bをオフにし、スイッチ930Cを線形に制御するように電流調整器920Cをイネーブルして、LED列910C内の電流を第3の所定のレベルl3に調整する。LED列910Dは、より多くのLEDを有するので、LED列910Dは、なおもオフのままである。整流されたAC電圧VINが上昇するにつれて、LED列910D内の電流が、t3とt4との間の特定の点で、指数関数的に増加し始める。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910C内の調整された電流I3と、LED列910D内の指数関数的に増加した電流とを含む。
【0080】
時間t4では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Dの順電圧よりも大きい。コントローラ940は、電流調整器920Cを制御して、スイッチ930Cをオフにし、スイッチ930Dを線形に制御するように電流調整器920Dをイネーブルして、LED列910D内の電流を第4の所定のレベルl4に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910D内の調整された電流I4を含む。
【0081】
時間t5では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Dの順電圧よりも低下し、したがって、LED列910D内の電流は、指数関数的に低下する。コントローラ940は、電流調整器920Cをイネーブルして、スイッチ930Cをオンにし、スイッチ930Cを線形に制御して、LED列910C内の電流を第3の所定のレベルl3に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910C内の調整された電流I3と、LED列910D内の指数関数的に減少した電流とを含む。
【0082】
時間t6では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Cの順電圧よりも低下し、したがって、LED列910C内の電流は、指数関数的に低下する。コントローラ940は、電流調整器920Bをイネーブルして、スイッチ930Bをオンにし、スイッチ930Bを線形に制御して、LED列910B内の電流を第2の所定のレベルl2に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910B内の調整された電流I2と、LED列910C内の指数関数的に減少した電流とを含む。
【0083】
時間t7では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Bの順電圧よりも低下し、したがって、LED列910B内の電流は、指数関数的に低下する。コントローラ940は、電流調整器920Aをイネーブルして、スイッチ930Aをオンにし、スイッチ930Aを線形に制御して、LED列910A内の電流を第1の所定のレベルl1に調整する。そのため、整流器204からLEDアレイ912に流れる電流IINは、LED列910A内の調整された電流I1と、LED列910B内の指数関数的に減少した電流とを含む。
【0084】
時間t8では、整流されたAC電圧VINは、LED列910Aの順電圧よりも低下する。したがって、LED列910A内の電流は、指数関数的に低下する。
【0085】
それに応じて、電流調整器920A〜920Dは、整流されたAC電圧VINのレベルに応じて、順次にイネーブルされて、対応するスイッチを線形に調整して、スイッチを流れる電流をそれぞれの所定のレベルに制御する。整流されたAC電圧VINが第1の所定の範囲内(V1<VIN<V2)であるとき、コントローラ940は、電流調整器920Aを制御して、スイッチ930Aを線形に制御することによって、LED列910Aを流れる電流を第1の所定のレベルl1に調整する。LED列910B〜910Dはオフである。
【0086】
整流されたAC電圧VINが第2の所定の範囲内(V3<VIN<V4)であるとき、コントローラ940は、電流調整器920Bを制御して、スイッチ930Bを線形に制御することによって、LED列910Bを流れる電流を第2の所定のレベルl2に調整する。スイッチ930Aは、オフにされる。LED列910A、910C、および910Dはオフである。
【0087】
整流されたAC電圧VINが第3の所定の範囲内(V5<VIN<V6)であるとき、コントローラ940は、電流調整器920Cを制御して、スイッチ930Cを線形に制御することによって、LED列910Cを流れる電流を第3の所定のレベルl3に調整する。スイッチ930Aおよび930Bは、オフにされる。LED列910A、910B、および910Dはオフである。
【0088】
整流されたAC電圧VINが第4の所定の範囲内(V7<VIN<V8)であるとき、コントローラ940は、電流調整器920Dを制御して、スイッチ930Dを線形に制御することによって、LED列910Dを流れる電流を第4の所定のレベルl4に調整する。スイッチ930A、930B、および930Cは、オフにされる。LED列910A、920B、および910Cはオフである。
【0089】
一実施形態においては、コントローラ940は、整流されたAC電圧VINのレベルを示す監視信号980を整流器204から受け取る。それに応じて、コントローラ940は、監視信号980により、電流調整器920A〜920Dを制御することが可能である。代替の実施形態においては、コントローラ940は、監視信号980を受け取る必要がない。そうではなく、コントローラ940は、LED列910A〜910Dの状態(例えば、LED列の両端間の電圧は、LED列の順電圧を超えるかどうか)を監視して、電流調整器920A〜920Dを制御することが可能である。
【0090】
図11は、本発明の別の実施形態により、駆動回路1100を示している。図11の駆動回路1100は、駆動回路1100がAC電源202と整流器204との間に結合されたTRIAC調光器1104をさらに含むことを除いて、図8の駆動回路800と類似している。図12は、本発明の別の態様により、駆動回路1200を示している。図12の駆動回路1200は、駆動回路1200がAC電源202と整流器204との間に結合されたTRIAC調光器1104をさらに含むことを除いて、図9の駆動回路900と類似している。図13A〜図13Fは、TRIAC調光器1104の例を示している。
【0091】
図14は、TRIAC調光器1104が使用される場合の整流された電圧V'INと、整流器204からLEDアレイ812に流れる電流I'INとの例を示している。図14は、図11および図12と組み合わせて説明される。図14に示すように、整流されたAC電圧V'INは、TRIAC調光器1104の調節に応じて、切欠き切断形状を有する。図11の駆動回路1100は、時間0〜T1'の間、整流されたAC電圧V'INはゼロであり、電流がLEDアレイ812を流れないことを除いて、図8の駆動回路800と類似して動作する。図12の駆動回路1200は、時間0〜T1'の間、整流されたAC電圧V'INはゼロであり、電流がLEDアレイ912を流れないことを除いて、図9の駆動回路900と類似して動作する。有利には、本発明は、従来のTRIAC調光器が使用された場合でも、電力因子の改善をもたらす。
【0092】
有利には、駆動回路は、電解コンデンサ、またはインダクタなどの大型のエネルギー貯蔵構成要素なしで、整流されたAC電圧によって光源を駆動する。駆動回路は、追加の電力因子訂正回路なしで、駆動回路の電力因子を高める波形整形機能をもたらす。その上、スイッチングモードDC/DC変換器と協働する従来のAC/DC変換器とは異なり、本発明における駆動回路は、波形整形性能をもたらし、電磁妨害(EMI)雑音を回避する。
【0093】
前述の説明および図面は、本発明の実施形態を表しているが、様々な追加形態、修正形態、および置換形態が、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の原理の趣旨および範囲から逸脱することなく、その中でなし得ることが理解されるであろう。当業者は、本発明が、本発明の実施において使用される形態、構造、構成、比率、材料、要素、および構成要素、ならびにその他の多くの修正形態とともに使用可能であり、それらは、本発明の原理から逸脱することなく、特別な環境および動作要件に特に適合されることを理解するであろう。そのため、ここに開示された実施形態は、すべての点で、例示的であり、非制限的であると考えられ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびそれらの法的な均等物によって示され、前述の説明に限定されるものでない。
【符号の説明】
【0094】
100 駆動回路
104 ブリッジ整流器
106 スイッチ
108 LEDアレイ
112 インダクタ
116 コンデンサ
118 コントローラ
122 スイッチングモードDC/DC変換器
130 EMIフィルタ
200 駆動回路
204 ブリッジ整流器
206 演算増幅器
210 LEDアレイ
220 検知信号
230 集積回路
240 AC/DC線形変換器
600 駆動回路
610 比較器
630 集積回路
640 AC/DC線形変換器
800 駆動回路
810A LED列
810B LED列
810C LED列
810D LED列
812 LEDアレイ
820A 電流調整器
820B 電流調整器
820C 電流調整器
820D 電流調整器
830A スイッチ
830B スイッチ
830C スイッチ
830D スイッチ
840 コントローラ
880 監視信号
900 駆動回路
910A LED列
910B LED列
910C LED列
910D LED列
912 LEDアレイ
920A 電流調整器
920B 電流調整器
920C 電流調整器
920D 電流調整器
930A スイッチ
930B スイッチ
930C スイッチ
930D スイッチ
940 コントローラ
980 監視信号
1100 駆動回路
1104 TRIAC調光器
1200 駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源への電力を制御するためのコントローラであって、前記光源は、整流されたAC電圧を受け取り、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDを備え、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が第1の所定の範囲内であるとき、前記第1の複数のLEDを流れる電流を第1の所定のレベルに調整し、前記第2の複数のLEDは、前記整流されたAC電圧が前記第1の所定の範囲であるとき、オフのままである、コントローラ。
【請求項2】
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が第2の所定の範囲内であるとき、前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDを流れる電流を前記第1の所定のレベルよりも大きい第2の所定のレベルに調整し、前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、直列に結合され、前記第2の所定の範囲は、前記第1の所定の範囲外である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記第1の複数のLEDは、スイッチに直列に結合され、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第1の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第1の複数のLEDを流れる前記電流を前記第1の所定のレベルに調整し、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチをオフにする、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記第2の複数のLEDは、スイッチに直列に結合され、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDを流れる前記電流を前記第2の所定のレベルに調整する、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記第2の複数のLEDを流れる電流を前記第1の所定のレベルよりも大きい第2の所定のレベルに調整し、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記第1の複数のLEDをオフにし、前記第2の所定の範囲は、前記第1の所定の範囲外である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記第1の複数のLEDは、スイッチに直列に結合され、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第1の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第1の複数のLEDを流れる前記電流を前記第1の所定のレベルに調整し、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチをオフにする、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記第2の複数のLEDは、スイッチに直列に結合され、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第2の複数のLEDを流れる前記電流を前記第2の所定のレベルに調整する、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記第2の複数のLEDにおけるLEDの数は、前記第1の複数のLEDにおけるLEDの数よりも大きい、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記整流されたAC電圧は、TRIAC調光器によって生成される、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDを備える光源に電力供給するための回路であって、前記回路は、
AC電圧を受け取り、整流されたAC電圧を前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDに供給する整流器と、
前記第1の複数のLEDに結合された第1の電流調整器と、
前記第2の複数のLEDに結合された第2の電流調整器と、
前記整流されたAC電圧が第1の所定の範囲内であるとき、前記第1の電流調整器をイネーブルして、前記第1の複数のLEDを流れる電流を第1の所定のレベルに調整するコントローラと
を備え、
前記第2の複数のLEDは、前記整流されたAC電圧が前記第1の所定の範囲内であるとき、オフのままである、
回路。
【請求項11】
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDを流れる電流を前記第1の所定のレベルよりも大きい第2の所定のレベルに調整し、前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、直列に結合され、前記第2の所定の範囲は、前記第1の所定の範囲外である、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
前記第1の複数のLEDに直列に結合されたスイッチをさらに備え、
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第1の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第1の複数のLEDを流れる前記電流を前記第1の所定のレベルに調整し、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチをオフにする、
請求項11に記載の回路。
【請求項13】
前記第2の複数のLEDに直列に結合されたスイッチをさらに備え、
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第1の複数のLEDおよび前記第2の複数のLEDを流れる前記電流を前記第2の所定のレベルに調整する、
請求項11に記載の回路。
【請求項14】
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記第2の複数のLEDを流れる電流を前記第1の所定のレベルよりも大きい第2の所定のレベルに調整し、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記第1の複数のLEDをオフにし、前記第2の所定の範囲は、前記第1の所定の範囲外である、請求項10に記載の回路。
【請求項15】
前記第1の複数のLEDに直列に結合されたスイッチをさらに備え、
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第1の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第1の複数のLEDを流れる前記電流を前記第1の所定のレベルに調整し、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチをオフにする、
請求項14に記載の回路。
【請求項16】
前記第2の複数のLEDに直列に結合されたスイッチをさらに備え、
前記第2の複数のLEDは、スイッチに直列に結合され、前記コントローラは、前記整流されたAC電圧が前記第2の所定の範囲内であるとき、前記スイッチを線形に制御して、前記第2の複数のLEDを流れる前記電流を前記第2の所定のレベルに調整する、
請求項14に記載の回路。
【請求項17】
前記第2の複数のLEDにおけるLEDの数は、前記第1の複数のLEDにおけるLEDの数よりも大きい、請求項14に記載の回路。
【請求項18】
前記整流されたAC電圧は、TRIAC調光器によって生成される、請求項10に記載の回路。
【請求項19】
前記第1の電流調整器は、前記第1の複数のLEDを流れる電流を検知し、前記第1の複数のLEDに直列に結合されたスイッチを線形に制御する、請求項10に記載の回路。
【請求項20】
前記第2の電流調整器は、前記第2の複数のLEDを流れる電流を検知し、前記第2の複数のLEDに直列に結合されたスイッチを線形に制御する、請求項10に記載の回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−45768(P2013−45768A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−166813(P2012−166813)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】