説明

光源ユニットの取付構造

【課題】車両用内装材に対して容易に取り付けることが可能な光源ユニットの取付構造を提供する。
【解決手段】車両用ドアトリム10に対する光源ユニット60の取付構造であって、LED61と、LED61からの光が入射される端面63Aと、端面63Aから入射された光を出射させる外周面63Dと、を有する導光体63と、
LED61が収容されるLED収容部材71と、端面63Aが設けられた導光体63の端部を保持する導光体保持部材81と、車両用ドアトリム10に設けられ、LED収容部材71及び導光体保持部材81が個別に取り付けられる一対の被取付リブ90と、を備え、LED収容部材71と導光体保持部材81とは互いに接続可能な構成とされ、LED収容部材71と導光体保持部材81とが接続されることで、LED61と端面63Aとが対向配置される構成であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニットの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材に設けられる光源ユニットとしては、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のものでは、LEDユニット(光源)と、LEDユニットからの光を導光することで、周囲を照明する導光体を備えている。特許文献1においてはLEDはLEDユニット内に収容されており、導光体の端部がLEDユニットにおける接続部に挿入される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−143425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような、光源と、導光体とを備えた光源ユニットにおいては、光源と導光体とを一体化した状態で車両用内装材に組み付ける構成のものが多い。しかしながら、光源と導光体とを一体化した状態では、光源ユニット自体のサイズが比較的大きいものとなり、その取り扱いが困難となる結果、取付に係る作業性が低下する。また、光源と導光体とを一体化した後に車両用内装材に取り付ける構成のため、組み付け手順が制限されてしまう。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光源と導光体とを個別に車両用内装材に取り付けることができるとともに、光源と導光体とを車両用内装材に取り付けることで、光源及び導光体をユニット化することができる光源ユニットの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用内装材に対する光源ユニットの取付構造であって、光源と、前記光源からの光が入射される光入射部と、前記光入射部から入射された光を出射させる光出射部と、を有する導光体と、前記光源が収容される光源収容部材と、前記光入射部が設けられた前記導光体の端部を保持する導光体保持部材と、前記車両用内装材に設けられ、前記光源収容部材及び前記導光体保持部材が個別に取り付けられる被取付部と、を備え、前記光源収容部材と前記導光体保持部材とは互いに接続可能な構成とされ、前記光源収容部材と前記導光体保持部材とが接続されることで、前記光源と前記光入射部とが対向配置される構成であることに特徴を有する。
【0007】
本発明によれば、光源収容部材と導光体保持部材とは、個別に被取付部に取り付けられる構成となっている。これにより、光源と導光体とを個別に車両用内装材に対して取り付けることができる。また、光源収容部材と導光体保持部材とが接続されることで、光源と光入射部とが対向配置される構成とされる。これにより、光源と導光体とを車両用内装材に取り付けることで、光源及び導光体をユニット化することができるとともに、光源と光入射部との位置ずれをより確実に抑制できる。
【0008】
上記構成において、前記被取付部は、前記車両用内装材から立設され、互いに対向配置される一対の被取付リブとされ、前記光源収容部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第1被係合部に係合可能な第1係合部をそれぞれ備え、前記導光体保持部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第2被係合部に係合可能な第2係合部をそれぞれ備え、前記光源収容部材が、前記一対の被取付リブの間に挿通されることで、前記第1被係合部と前記第1係合部とがそれぞれ係合され、前記導光体保持部材が、前記一対の被取付リブの間に挿通されることで、前記第2被係合部と前記第2係合部とがそれぞれ係合される構成とすることができる。
【0009】
このような構成とすれば、光源収容部材及び前記導光体保持部材の双方を、一対の被取付リブの間に配置する(挿通させる)ことで、車両用内装材に取り付けることができ、より確実に光源ユニットを固定することができる。このように本発明においては、他の取付部品を用いることなく簡易な構成にて、光源ユニットを取り付けることができる。
【0010】
また、前記一対の被取付リブのうち、少なくとも一方の被取付リブにおいて、前記第1被係合部及び前記第2被係合部は、共通の被係合孔とされ、前記第1係合部は、前記被係合孔に挿通可能な第1係合突部とされ、前記第2係合部は、前記被係合孔に挿通可能な第2係合突部とされるものとすることができる。
【0011】
このような構成とすれば、第1係合突部及び第2係合突部の双方が被係合孔に挿通されることで、光源収容部材及び導光体保持部材の双方が、一対の被取付リブに対して取り付けられる。仮に、第1係合突部及び第2係合突部に対応して被係合孔をそれぞれ設ける構成の場合は、両被係合孔同士の位置ずれなどに起因して、光源収容部材と導光体保持部材とが位置ずれを起こす事態が懸念される。この点、本発明のように第1係合突部及び第2係合突部の双方を共通の被係合孔に挿通させる構成とすれば、一つの被取付リブに対して、光源収容部材と導光体保持部材とをより確実に位置決めすることができる。
【0012】
また、前記光源収容部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第1ガイド部にガイドされる第1被ガイド部をそれぞれ備え、前記第1被ガイド部が前記第1ガイド部にガイドされることで、前記一対の被取付リブの間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされ、前記導光体保持部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第2ガイド部にガイドされる第2被ガイド部をそれぞれ備え、前記第2被ガイド部が前記第2ガイド部にガイドされることで、前記一対の被取付リブの間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされるものとすることができる。
【0013】
光源収容部材及び導光体保持部材をそれぞれ所定の取付位置までガイドすることができ、取付作業が容易となる。
【0014】
また、前記導光体保持部材は、前記車両用内装材に形成された挿通孔に挿通可能な挿通片部を備え、前記挿通孔に対する前記挿通片部の挿通方向は、前記一対の被取付リブの間に対する前記導光体保持部材の挿通方向と一致するものとすることができる。
【0015】
このような構成とすれば、一対の被取付リブの間に対する導光体保持部材の挿通作業に伴って、挿通片部を挿通孔に挿通させることができ、導光体保持部材をより確実に位置決めすることができる。
【0016】
また、前記光源収容部材又は前記導光体保持部材のうち、一方における他方との対向面には、前記他方に向かって突設されるとともにU字状に延びるU字状突部が形成され、前記他方における前記一方との対向面には、前記U字状突部が嵌合可能な嵌合孔が形成され、前記嵌合孔は、その孔縁の一部が開口されることで、内周面がU字状をなすものとされ、前記U字状突部及び前記嵌合孔は、互いの開口側を対向させた状態で、前記U字状突部を前記嵌合孔の開口側から前記嵌合孔内に進入させることで互いに嵌合可能な構成とされ、前記嵌合孔に対する前記U字状突部の進入方向は、前記光源収容部材又は前記導光体保持部材の前記車両用内装材に対する取付方向に沿うものとされ、前記U字状突部が前記嵌合孔に対して嵌合されることで、前記光源収容部材と前記導光体保持部材とが接続されるものとすることができる。
【0017】
本発明においては、U字状突部が嵌合孔に対して嵌合されることで、光源収容部材と導光体保持部材とが接続される。このように、光源収容部材と導光体保持部材の接続箇所を、U字状突部と嵌合孔との嵌合構造とすることで、光源収容部材と導光体保持部材との相対位置をより確実に固定でき、光源と光入射部との位置ずれをより確実に規制できるとともに、光源収容部材と導光体保持部材との接続箇所から光源の光が漏れる事態を抑制できる。また、嵌合孔に対するU字状突部の進入方向を、光源収容部材又は導光体保持部材の車両用内装材に対する取付方向に沿うものとすることで、光源収容部材又は導光体保持部材を車両用内装材に取り付ける過程において、U字状突部と嵌合孔との嵌合を行うことも可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光源と導光体とを個別に車両用内装材に取り付けることができるとともに、光源と導光体とを車両用内装材に取り付けることで、光源及び導光体をユニット化することができる光源ユニットの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る光源ユニットが取り付けられた車両用ドアトリムの要部を示す正面図
【図2】図1の光源ユニットを示す断面図(図1のD−D線で切断した図)
【図3】図1の車両用ドアトリムを示す断面図(図1のA−A線で切断した図)
【図4】図1の車両用ドアトリムを示す断面図(図1のB−B線で切断した図)
【図5】図1の光源ユニットを車室外側から視た状態を示す図
【図6】図1の光源ユニットを示す分解斜視図
【図7】光源ユニット及び被取付リブの構成を示す図(下側パネルを上方から視た状態)
【図8】被取付リブに対して光源ユニットが取り付けられた状態を示す図
【図9】被取付リブに対して導光体保持部材が取り付けられた状態を示す図(図8のE−E線で切断した図に対応)
【図10】他の実施形態を示す図
【図11】他の実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態を図1ないし図9によって説明する。図1は、本実施形態の光源ユニット60が取り付けられた車両用ドアトリム10(車両用内装材)の要部を示す正面図である。車両用ドアトリム10は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる内装材であって、インナパネルとともに車両用ドアを構成するものである。
【0021】
車両用ドアトリム10は、車室内の見栄えや居住性を向上させるためのもので、トリムボード11と、加飾パネル41と、を備えている。図1に示すように、トリムボード11は、本体部12と、本体部12の上部に取り付けられるアッパーボード13を少なくとも備えている。なお、トリムボード11は、本体部12とアッパーボード13から分割構成されず、一体部品として成形されるものであってもよい。
【0022】
本体部12とアッパーボード13との結合は、例えば、一方に形成された取付用ボス(図示せず)を他方に形成された貫通孔(図示せず)に挿通した後で、超音波溶着などの溶着手段によって取付用ボスの先端部を溶着することで行われる。なお、本体部12とアッパーボード13の結合は、ビス止めや爪嵌合など様々な結合方法によって行うことができる。
【0023】
トリムボード11は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。また、トリムボード11の車室内側には、表皮材15(図示せず)が一部または全部に貼着されている。
【0024】
本体部12には、図1に示すように、乗員の肘掛けとして使用されるアームレスト14が車室内側に張り出す形で形成されている。このアームレスト14の上面14Bは、例えば、水平方向に沿って延びている。また、上面14Bには、上方へ開口する開口部14Aが形成され、この開口部14Aは、乗員が指を差し入れることによって車両用ドアを開閉操作するためのプルハンドル(図示せず)として使用される。
【0025】
アッパーボード13と本体部12との接合部付近には、ハンドル収容部30が設けられており、その内部には車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル31(より正確にはインサイドハンドル31における把持部31A)が収容されている。また、アームレスト14の上面14Bにおいて、ハンドル収容部30の下方に位置する箇所には、スイッチ操作部(図示せず)を有するスイッチベース16が設けられている。
【0026】
本実施形態の光源ユニット60は、ハンドル収容部30及び本体部12(より具体的には、本体部12の被照射面22)を照らすためのもので、図1、図2、図5に示すように、加飾パネル41(下側パネル50)の車室外側(裏側、図2では下側)に取り付けられている。なお、図5は、加飾パネル41及び光源ユニット60を車室外側から視た状態を示している。
【0027】
光源ユニット60は、図2及び図6に示すように、LED61(光源)と、LED61から出射された光を導光可能な導光体63(発光体)と、LED61が収容されるLED収容部材71と、導光体63の端部を固定する導光体保持部材81と、を備えている。
【0028】
LED61は、図2に示すように、LED基板62に実装された状態でLED収容部材71に収容されている。また、LED61は、図5及び図6に示す電線62Aを介して、車両に搭載されたバッテリ等の電源装置(図示せず)に接続されている。
【0029】
導光体63は、断面が略円形に形成され、可撓性を有する長尺状(棒状)の導光材料により構成されている。ここでいう「導光材料」とは、例えばアクリル系樹脂などの光を透過させる材料のことであり、その内部において光を導光可能な構成のものである。このような導光材料としては、例えば、公開特許公報である特開2005−306233や特開平6−75120号等に開示された公知の導光材料を使用することが可能である。
【0030】
図2に示すように、導光体63における長手方向の一端部(光入射部が設けられた端部)は、導光体保持部材81に取り付けられており、一端部側(LED61側)の端面63AがLED61の発光面61Aと対向して配されている。これにより、この一端部側の端面63Aは、LED61から出射された光が入射される光入射面(光入射部)とされる。
【0031】
導光体63の外周面63D(側面)は、例えば、フッ素系樹脂を被覆するなどの処理がなされており、導光体63の内部に導入された光を外部に向かって放出させる構成とされている。導光体63の端面63Aから入射された光は、導光体63内部で全反射を繰り返すことで導光された後、外周面63Dの全面から出射されることが可能となっている。これにより、導光体63全体が線状光源となり、その周囲を照らすことが可能となっている。つまり、導光体63の外周面63Dは、端面63Aから導光体63内部に入射された光を外部に出射させる光出射面(光出射部)とされる。
【0032】
本実施形態においては、図1に示すように、LED収容部材71及び導光体保持部材81(ひいては、LED61)は、加飾パネル41の車室内側において、車両前端部に配されている。また、インサイドハンドルベゼル32(ひいてはハンドル収容部30)と本体部12の被照射面22とは車両前後方向に沿って配列されている。そして、導光体63は、加飾パネル41の延設方向(車両前後方向)に沿う形で、ハンドル収容部30及び被照射面22の全長に亘って延びている。これにより、導光体63からの出射光によって、ハンドル収容部30及び被照射面22を、その全長に亘って照らすことが可能となっている。なお、ここで言う被照射面22とは、本体部12の車室内側の面において、光源ユニット60(ひいては導光体63)からの光が照射される面(受光部)のことである。
【0033】
次に、加飾パネル41の構成について説明を行う。加飾パネル41は、図3及び図4に示すように、インサイドハンドル31及び本体部12における被照射面22の上方に配されている。加飾パネル41は、アッパーボード13において車室外側に凹む段差状をなす下端部13Aと、ベゼル32において車室外側に凹む段差状をなす上端部32Aとが重なることで形成された収容部(アッパーボード13とベゼル32との接合箇所)に、その一部が収容される形で取り付けられている。
【0034】
加飾パネル41は、図1に示すように、車両前後方向に沿って延び、加飾パネル41の上部を構成する上側パネル42と、加飾パネル41の下部を構成する下側パネル50から分割構成されている。上側パネル42は、図3に示すように、車室外側(図3の右側)に向かうにつれて上方に湾曲する形状をなしている。また、下側パネル50は、上側パネル42とベゼル32(又は本体部12の被照射面22)との間に配置されている。
【0035】
上側パネル42における車室外側の面からは、図3に示すように、フランジ部43が延設されており、このフランジ部43には、略円筒状の取付ボス44が車室外側に向かって突設されている。一方、アッパーボード13の下端部13Aには、車幅方向に貫通された挿通孔13Bが、ベゼル32の上端部32Aには、車幅方向に貫通された挿通孔32Bが、それぞれ形成されている。また、下側パネル50の上端部51には車幅方向に貫通された挿通孔51Aが形成されている。
【0036】
挿通孔51A、挿通孔32B、挿通孔13Bには、取付ボス44が挿通可能とされる。また、取付ボス44には、車室外側に開口するビス取付孔44Aが、取付ボス44の中心軸に沿って形成されている。取付ボス44を車室内側から、挿通孔51A、挿通孔32B、挿通孔13Bの順に挿通させた後、ビス取付孔44Aに対して、ビス45を車室内側から挿通させることで、加飾パネル41(上側パネル42及び下側パネル50)が、アッパーボード13及びベゼル32に対して取り付けられる構成となっている。なお、取付ボス44、各挿通孔51A、32B、13Bは、車両前後方向において複数個所に設けられている。
【0037】
また、図4に示すように、取付ボス44は、本体部12における被照射面22の上方にも設けられており、本体部12の上端部21には、取付ボス44が挿通可能な挿通孔21Aが形成されている。取付ボス44は、挿通孔51A、挿通孔21A、挿通孔13Bの順に挿通された後、車室外側からビス45が挿通されることで固定されている。
【0038】
下側パネル50は、図3に示すように、上述した上端部51の下端から車室内側に向かって略水平に延びる上壁部52と、上壁部52における車室内側の端部から下方に延びる側壁部53と、側壁部53における下端部から車室外側に向かって延びる下壁部54とを備えている。
【0039】
上壁部52の先端部52A(上壁部52において、ベゼル32の上壁部32Dよりも車室内側の部分)、側壁部53及び下壁部54によって、ベゼル32の上壁部32Dよりも車室内側へ突き出す形状をなす突出壁部55が形成されている。突出壁部55は、車室外側に開口された断面視略U字状をなすとともに、車両前後方向に沿って延びる形状をなしている。突出壁部55の内部(突出壁部55によって囲まれた空間)には、上述した長尺状の導光体63が突出壁部55の延設方向(車両前後方向)に沿って延びる形で収容されている。
【0040】
より具体的に説明すると、導光体63は、突出壁部55における車室外側の面(下側パネル50の突出端)に配されている。側壁部53は、導光体63を車室内側から覆う形で配されており、加飾パネル41における車室内側の面を構成している。そして、下壁部54は、加飾パネル41における下側の面を構成するとともに、導光体63を下側から覆う形で配されている。また、下壁部54における車両前側の部分は、ベゼル32とともにハンドル収容部30を構成している。
【0041】
また、下側パネル50には、図3に示すように、導光体63を車室外側から押さえ付けて固定する導光体固定部材58(発光体固定部材)が取り付けられている。導光体固定部材58は、略板状をなし、導光体固定部材58における車室内側の端部は、導光体63に当接する当接部58Eとされる。導光体固定部材58(当接部58E)は、導光体63の延設方向(車両前後方向)に沿って延びる形状をなしており、導光体63をその長手方向に亘って車室外側から押さえ付ける構成となっている。
【0042】
当接部58Eにおいて、導光体63との対向面には、導光体63の外周面63Dに対応して凹む凹部58Fが形成されている。この凹部58Fに導光体63の一部が嵌合する構成となっており、導光体63をより確実に固定可能となっている。
【0043】
下側パネル50の下壁部54は、その基端側が車室内側へ向かうにつれて下降傾斜する傾斜部54Aを有している。そして、傾斜部54Aの車室外側の端部(下端部)からは、導光体63から出射された光をハンドル収容部30内に投光可能とする投光部54Bが略水平に延びる形で設けられている。つまり、投光部54Bは、突出壁部55におけるインサイドハンドル31と対向する壁部(下壁部54)に設けられている。
【0044】
本実施形態において、下側パネル50は、光透過性の高い(透明度の高い)合成樹脂材料(例えばアクリルやポリカーボネート等)からなる基材57Aと、基材57Aにおける車室内側の面を覆う遮光層57Bから構成されている。投光部54Bは、基材57Aにおいて遮光層57Bが形成されていない箇所とされ、光を透過することで、ハンドル収容部30内に投光可能な構成とされる。言い換えると、投光部54Bは、加飾パネル41における車室外側の端部の少なくとも一部を光透過性の高い材質とすることで形成されており、下側パネル50と一体的に形成されている。
【0045】
なお、上述した遮光層57Bは、例えば、基材57Aの表面に遮光性を有する塗装を施したり、遮光性を有するフィルムを貼り付けたりすることなどで形成することができる。遮光層57Bの一例として、例えば、意匠性の高いメッキ塗装などを例示することができるが、これに限定されるものではない。遮光層57Bは遮光性を有するものであれば適宜変更可能である。
【0046】
そして、本実施形態においては、図3に示すように、導光体63が下側パネル50において、投光部54Bよりも車室内側(図3の左側)に配されている。また、導光体63は、インサイドハンドル31に対して、車室内外方向(図3及び図4の左右方向)において同じ位置に配されている。つまり、導光体63とインサイドハンドル31との間には、遮光層57Bが介在されている。
【0047】
また、上述した導光体固定部材58は、その表面が例えば白色を呈しており、光反射面とされる。導光体固定部材58における当接部58Eは、導光体63を車室外側から覆う形で配されている。そして、導光体固定部材58における当接部58Eの下面と投光部54Bとは隙間を空ける形で配されている。
【0048】
これにより、導光体63の外周面63Dから出射された光(図3において光線L1で示す)は、当接部58Eと投光部54Bとの隙間を通過して、投光部54Bに達する構成となっている。そして投光部54Bに達した光は、投光部54Bを通過してハンドル収容部30内に投光される。
【0049】
また、投光部54Bは、インサイドハンドル31の延設方向(車両前後方向)に沿って形成されており、導光体63から出射される線状の光によって、インサイドハンドル31を全長(車両前後方向)に亘って視認することが可能な構成とされる。なお、図4に示すように、下側パネル50における投光部54Bは、本体部12における被照射面22の上方に達する形で延びている。これにより、導光体63から出射される光(図4において光線L2で示す)によって、本体部12の被照射面22を照らすことが可能な構成となっている。
【0050】
次に、本実施形態の光源ユニット60が備えるLED収容部材71及び導光体保持部材81の構成と、加飾パネル41に対する光源ユニット60の取付構造について説明を行う。
【0051】
LED収容部材71は、図2及び図6に示すように、その内部にLED61を収容可能な略箱状をなしている。LED収容部材71において、LED61の発光面61A側に配される壁部72(導光体保持部材81と対向する壁部)には、開口部73が貫通形成されている。開口部73は、LED61の発光面61Aと重なる位置に形成されており、開口部73を通じてLED61から導光体63に光が出射可能とされる。
【0052】
導光体保持部材81は、板状をなし、LED収容部材71の壁部72(ひいては、開口部73)を覆う形で配される板状部82と、板状部82から立設された円筒部86とを備えている。導光体63におけるLED61側の端部(光入射部が設けられた導光体の端部)は、円筒部86内(取付孔86A)に挿通(嵌合)される構成となっている。これにより、導光体保持部材81は、導光体63の端部を保持する構成となっている。また、図2に示すように、円筒部86の先端部においては、取付孔86Aの内径が先端に向かう程大きいものとされる。これにより、円筒部86内に導光体63を容易に挿通させることができる。
【0053】
下側パネル50の上端部51には、図5及び図7に示すように、車室外側に向かって立設された一対の被取付リブ90(被取付部)が設けられている。一対の被取付リブ90は、図5に示すようにLED収容部材71及び導光体保持部材81を挟む形で対向配置されている。LED収容部材71及び導光体保持部材81は、一対の被取付リブ90間に車室外側から挿通されることで、一対の被取付リブ90に対して個別に取り付けられる構成となっている(図9参照)。
【0054】
図7に示すように、被取付リブ90には、その板厚方向に貫通された被係合孔91が形成されている。被係合孔91は、LED収容部材71及び導光体保持部材81の配列方向(図7の左右方向)に長い方形状をなしている。一方、LED収容部材71の側面(被取付リブ90との対向面)には第1係合突部74(第1係合部)が突設され、導光体保持部材81(板状部82)の側面(被取付リブ90との対向面)には第2係合突部84(第2係合部)が突設されている。
【0055】
被係合孔91には、第1係合突部74及び第2係合突部84がそれぞれ挿通可能される。図8に示すように、LED収容部材71が、一対の被取付リブ90の間に挿通されることで、被係合孔91に対して、第1係合突部74が挿通(係合)される構成となっている。
【0056】
また、図8及び図9に示すように、導光体保持部材81が、一対の被取付リブ90の間に挿通されることで、被係合孔91に対して、第2係合突部84が挿通(係合)される構成となっている。言い換えると、本実施形態においては、第1係合突部74が係合される被係合部(第1被係合部)及び、第2係合突部84が係合される被係合部(第2被係合部)が、共通の被係合孔91として構成されている。
【0057】
図8に示すように、被係合孔91に第1係合突部74が挿通されることで、被取付リブ90に対してLED収容部材71が取り付けられる。また、図8及び図9に示すように、被係合孔91に第2係合突部84が挿通されることで、被取付リブ90に対して導光体保持部材81が取り付けられる。
【0058】
また、被係合孔91は、一対の被取付リブ90の各々に設けられている。LED収容部材71は、各被係合孔91に係合可能な第1係合突部74をそれぞれ備え、導光体保持部材81は、各被係合孔91に係合可能な第2係合突部84をそれぞれ備えている。
【0059】
図9に示すように、一方の第1係合突部74の突出端から他方の第1係合突部74の突出端までの長さ(図9の左右方向の長さ)は、一対の被取付リブ90の対向間隔X1よりも、わずかに大きいものとされる。また、一方の第2係合突部84の突出端から他方の第2係合突部84の突出端までの長さ(図9の左右方向の長さ)は、一対の被取付リブ90の対向間隔X1よりも、わずかに大きいものとされる。
【0060】
また、第1係合突部74における車室内側の面は、図9に示すように、車室内側(図9では上側)に向かうにつれて第1係合突部74の基端側に向かう傾斜面74Aとされる。これにより、LED収容部材71を一対の被取付リブ90間に挿通させる過程においては、傾斜面74Aが被取付リブ90を押圧する結果、一対の被取付リブ90を、その対向間隔X1が広がる方向に撓み変形させることができ、LED収容部材71を一対の被取付リブ90間に挿通させることができる。
【0061】
また、第2係合突部84における車室内側の面も、第1係合突部74と同様に、車室内側(図9では上側)に向かうにつれて第2係合突部84の基端側に向かう傾斜面84Aとされる。これにより、導光体保持部材81を一対の被取付リブ90間に挿通させる過程においては、傾斜面84Aが被取付リブ90を押圧する結果、一対の被取付リブ90を、その対向間隔X1が広がる方向に撓み変形させることができ、導光体保持部材81を一対の被取付リブ90間に挿通させることができる。
【0062】
また、導光体保持部材81の板状部82には、下側パネル50側(車両用内装材側)に向かって突出する挿通片部83が設けられている。この挿通片部83は、図2及び図9に示すように、下側パネル50を構成する上端部51を車幅方向に貫通することで形成された挿通孔51Bに挿通される構成とされる。
【0063】
挿通孔51Bに対する挿通片部83の挿通方向は、一対の被取付リブ90に対する導光体保持部材81の挿通方向(一対の被取付リブの対向方向と交差する方向)と一致している。これにより、一対の被取付リブ90の間に導光体保持部材81を挿通させることで、挿通孔51Bに挿通片部83が挿通され、導光体保持部材81が車両前後方向(図2の左右方向)に対して位置決めされる構成となっている。
【0064】
また、被取付リブ90の先端部90A(立設方向における端部)には、図7に示すように、凹部92が形成されている。凹部92に対応して、LED収容部材71の側面(被取付リブ90との対向面)には、第1被ガイド突部75(第1被ガイド部)が突設されている。凹部92に第1被ガイド突部75が嵌合されることで、LED収容部材71が下側パネル50に対して、車両前後方向に位置決めされる。
【0065】
また、凹部92は、車室内側(下側パネル50側)に向かうにつれて、被係合孔91側に傾斜する第1傾斜面92A(第1ガイド部)を有している。第1被ガイド突部75は、第1傾斜面92Aと対向配置される傾斜面75Aを有している。言い換えると、凹部92の開口幅W1は、車室外側に向かうにつれて大きくなるものとされ、凹部92に対して第1被ガイド突部75を車室外側から嵌合させやすくなっている。
【0066】
これにより、一対の被取付リブ90間にLED収容部材71を挿通させる際には、第1傾斜面92Aに対して、傾斜面75Aが当接する結果、第1被ガイド突部75が第1傾斜面92Aによってガイドされる。この結果、LED収容部材71は、第1傾斜面92Aによって、一対の被取付リブ90の間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされる。
【0067】
なお、本実施形態において、LED収容部材71における所定の取付位置とは、第1係合突部74が被係合孔91に挿通された位置(図8に示す位置)のことを言う。また、凹部92は、一対の被取付リブ90の各々に設けられており、第1被ガイド突部75は、各凹部92に対応してそれぞれ設けられている。なお、図8においては、下側パネル50において被取付リブ90以外の部品を図示省略している。
【0068】
また、被取付リブ90の先端部90Aにおいて、車両後側(図7の左側)の端面は、車室内側に向かうにつれて、車両後側に傾斜する第2傾斜面92B(第2ガイド部)とされる。これに対して、導光体保持部材81の板状部82において、車室外側の端部には、第2被ガイド突部85(第2被ガイド部)が設けられている。
【0069】
これにより、一対の被取付リブ90間に導光体保持部材81を挿通させる際には、第2被ガイド突部85が第2傾斜面92Bによってガイドされる。その結果、導光体保持部材81が、一対の被取付リブ90の間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされる。
【0070】
なお、本実施形態において、導光体保持部材81における所定の取付位置とは、第2係合突部84が被係合孔91に挿通された位置(図8に示す位置)のことを言う。なお、第2傾斜面92Bは、一対の被取付リブ90の各々に設けられており、第2被ガイド突部85は、各第2傾斜面92Bに対応してそれぞれ設けられている。
【0071】
また、本実施形態においては、LED収容部材71と導光体保持部材81とが互いに接続可能な構成とされる。具体的には、上述したLED収容部材71の開口部73(嵌合孔)に対して、導光体保持部材81に設けられた接続用突部87(U字状突部)が嵌合することで、両部材71,81が接続される(互いに組み付けられる)構成となっている。
【0072】
接続用突部87は、図6及び図9に示すように、板状部82(光源収容部材又は導光体保持部材のうち、一方)における導光体保持部材81(他方)との対向面82A(円筒部86が形成される面とは反対側の面)から導光体保持部材81に向かって突設されている。
【0073】
接続用突部87は、図9に示すように、開口部73よりも一回り小さいU字状をなしており、その開口側が車室外側(一対の被取付リブ90に対する導光体保持部材81の挿通方向とは反対側、図9の下側)となる形で形成されている。また、接続用突部87は、図9に示すように、平面視において、円筒部86とほぼ重なる形で配されている。
【0074】
開口部73は、壁部72において接続用突部87と対向する箇所に形成されている。開口部73は、その孔縁の一部が下側パネル50側(下側パネル50に対するLED収容部材71の取付方向、図9の上側)に開口されており、その内周面73AがU字状をなしている。これにより、導光体保持部材81を下側パネル50に取り付けた後、LED収容部材71を下側パネル50に取り付ける際(図9の状態)には、接続用突部87は、その開口側を開口部73側に向けた状態(接続用突部87と開口部73が互いの開口側を対向させた状態)で、開口部73の開口側(図9では上側)から開口部73内に進入させることが可能となっている。なお、図9においては、LED収容部材71の取付方向を矢線T1で示してある。
【0075】
このため、導光体保持部材81が下側パネル50に取り付けられた状態で、下側パネル50にLED収容部材71を取り付ける(一対の被取付リブ90間に挿通させる)ことで、接続用突部87を開口部73に嵌合させることが可能となっている。つまり、開口部73に対する接続用突部87の進入方向は、LED収容部材71の下側パネル50(車両用内装材)に対する取付方向に沿うものとされる。なお、本実施形態においては、図7に示すように、LED収容部材71と導光体保持部材81とを接続した後、両部材71,81を下側パネル50に対して取り付けてもよい。
【0076】
そして、接続用突部87が開口部73に嵌合された状態では、接続用突部87の外周面87Aの一部が開口部73の内周面73Aの一部に当接する構成となっている。これにより、図9に示すように、LED収容部材71と導光体保持部材81とが接続された状態では、平面視において、接続用突部87の内周面87Bと開口部73の内周面73Aの一部によってLED61が囲む形で配される。なお、図9においては、開口部73に嵌合された状態の接続用突部87(符号88を付す)を2点鎖線で図示してある。また、接続用突部87が開口部73に嵌合された状態では、図2に示すように、LED61の発光面61Aと取付孔86Aとが重なる形で配される。つまり、発光面61Aと導光体63の端面63A(光出射面)とが対向配置する形で配される。
【0077】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態においては、LED収容部材71と導光体保持部材81とは、個別に一対の被取付リブ90に取り付けられる構成となっている。これにより、LED61と導光体63とを個別に車両用ドアトリム10に対して取り付けることができる。また、LED収容部材71と導光体保持部材81とが接続されることで、LED61と導光体63の端面63A(光入射部)とが対向配置される構成とされる。これにより、LED61と導光体63とを車両用ドアトリム10に取り付けることで、LED61及び導光体63をユニット化することができるとともに、LED61と端面63Aとの位置ずれをより確実に抑制できる。
【0078】
また、被取付部は、車両用ドアトリム10から立設され、互いに対向配置される一対の被取付リブ90とされ、LED収容部材71は、一対の被取付リブ90の各々に設けられた被係合孔91に係合可能な第1係合突部74をそれぞれ備え、導光体保持部材81は、一対の被取付リブ90の各々に設けられた被係合孔91に係合可能な第2係合突部84をそれぞれ備え、LED収容部材71が、一対の被取付リブ90の間に挿通されることで、被係合孔91と第1係合突部74とがそれぞれ係合され、導光体保持部材81が、一対の被取付リブ90の間に挿通されることで、被係合孔91と第2係合突部84とがそれぞれ係合される構成となっている。
【0079】
このような構成とすれば、LED収容部材71及び導光体保持部材81との双方を、一対の被取付リブ90の間に配置する(挿通させる)ことで、車両用ドアトリム10に取り付けることができ、より確実に光源ユニット60を固定することができる。このように本実施形態においては、他の取付部品を用いることなく簡易な構成にて、光源ユニット60を取り付けることができる。
【0080】
また、第1係合突部74及び第2係合突部84が係合される共通の被係合孔を有している。
【0081】
このような構成とすれば、第1係合突部74及び第2係合突部84の双方が被係合孔91に挿通されることで、LED収容部材71及び導光体保持部材81の双方が、一対の被取付リブ90に対して取り付けられる。仮に、第1係合突部74及び第2係合突部84に対応して被係合孔をそれぞれ設ける構成の場合は、両被係合孔同士の位置ずれなどに起因して、LED収容部材71と導光体保持部材81とが位置ずれを起こす事態が懸念される。この点、本実施形態のように第1係合突部74及び第2係合突部84の双方を共通の被係合孔91に挿通させる構成とすれば、LED収容部材71と導光体保持部材81とをより確実に位置決めすることができる。また、被係合孔の形成数を少なくすることができる。
【0082】
また、LED収容部材71は、一対の被取付リブ90の各々に設けられた第1傾斜面92Aにガイドされる第1被ガイド突部75をそれぞれ備え、第1被ガイド突部75が第1傾斜面92Aにガイドされることで、一対の被取付リブ90の間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされ、導光体保持部材81は、一対の被取付リブ90の各々に設けられた第2傾斜面92Bにガイドされる第2被ガイド突部85をそれぞれ備え、第2被ガイド突部85が第2傾斜面92Bにガイドされることで、一対の被取付リブ90の間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされる。
【0083】
LED収容部材71及び導光体保持部材81をそれぞれ所定の取付位置までガイドすることができ、取付作業が容易となる。
【0084】
また、導光体保持部材81は、車両用ドアトリム10に形成された挿通孔51Bに挿通可能な挿通片部83を備え、挿通孔51Bに対する挿通片部83の挿通方向は、一対の被取付リブ90の間に対する導光体保持部材81の挿通方向と一致するものとされる。
【0085】
このような構成とすれば、一対の被取付リブ90の間に対する導光体保持部材81の挿通作業に伴って、挿通片部83を挿通孔51Bに挿通させることができ、導光体保持部材81をより確実に位置決めすることができる。
【0086】
また、本実施形態では、LED収容部材71と導光体保持部材81とをユニット化したものにおいて、挿通片部83が車室内側の端部に設けられる一方で、車室外側の端部には、第2被ガイド突部75や第2被ガイド突部85が設けられている。これにより、LED収容部材71及び導光体保持部材81は、少なくともその両端部(車室内外方向の両端部)の2点において、下側パネル50に対して固定されることとなり、より確実に固定することができる。
【0087】
また、導光体保持部材81における板状部82の対向面82Aには、LED収容部材71に向かって突設されるとともにU字状に延びる接続用突部87が形成され、LED収容部材71における接続用突部87との対向箇所には、接続用突部87が嵌合可能な開口部73が形成され、開口部73は、その孔縁の一部が開口されることで、内周面73AがU字状をなすものとされ、接続用突部87及び開口部73は、互いの開口側を対向させた状態で、接続用突部87を開口部73の開口側から開口部73内に進入させることで互いに嵌合可能な構成とされ、開口部73に対する接続用突部87の進入方向は、LED収容部材71又は導光体保持部材81の車両用ドアトリム10に対する取付方向に沿うものとされ、接続用突部87が開口部73に対して嵌合されることで、LED収容部材71と導光体保持部材81とが接続される構成とされる。
【0088】
本実施形態においては、接続用突部87が開口部73に対して嵌合されることで、LED収容部材71と導光体保持部材81とが接続される。このように、LED収容部材71と導光体保持部材81の接続箇所を、U字状の接続用突部87と開口部73との嵌合構造とすることで、LED収容部材71と導光体保持部材81との相対位置をより確実に固定でき、LED61と導光体63の端面63A(光入射部)との位置ずれをより確実に規制できるとともに、LED収容部材71と導光体保持部材81との接続箇所からLED61の光が漏れる事態を抑制できる。
【0089】
具体的に説明すると、本実施形態においては、LED収容部材71に形成された開口部73を通じてLED61から導光体63の端面63Aに光が出射される。このため、仮に、LED収容部材71と、導光体保持部材81の板状部82との間に隙間が生じると、この隙間からLED61の光が漏れてしまう事態が懸念される。この点、本実施形態においては、開口部73に接続用突部87を嵌合させることで、接続用突部87によって、導光体保持部材の板状部82との間に生じる隙間(例えば、図2の符号S1)を塞ぐことができ、光漏れを抑制できる。
【0090】
また、開口部73に対する接続用突部87の進入方向を、LED収容部材71又は導光体保持部材81の車両用ドアトリム10に対する取付方向に沿うものとすることで、LED収容部材71を車両用ドアトリム10に取り付ける過程において、接続用突部87と開口部73との嵌合を行うことも可能となる。
【0091】
また、本実施形態においては、開口部73に接続用突部87を嵌合させることができる。つまり、LED収容部材71において光出射部である開口部73を利用して、LED収容部材71と導光体保持部材81との接続を行うことができる。このため、接続用突部87を嵌合させるための開口部を別に形成する必要がなく、より簡易な構成とすることができる。
【0092】
また、接続用突部87は、U字状をなし、LED61を囲む形で配されている。これにより、LED61の発光面61Aを接続用突部87が覆うことがなく、発光面61Aからの光が導光体63に向かう事態を妨げることがない。
【0093】
また、U字状をなす接続用突部87の外周面87Aが、開口部73のU字状をなす内周面73Aに当接する構成となっている。これにより、開口部73に対する接続用突部87の位置決めをより確実に行うことができる。特に、接続用突部87において、その開口方向と直交する方向(図9の左右方向)における位置決めをより確実に行うことができる。
【0094】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0095】
(1)上記実施形態においては、光源ユニット60が取り付けられる車両用内装材として車両用ドアトリム10を例示したが、これに限定されない。車両用内装材としては、例えば、クォータトリム、デッキサイドトリムなどを挙げることができる。また、LED収容部材71及び導光体保持部材81の取り付け対象は、加飾パネル41に限定されず適宜変更可能である。
【0096】
(2)上記実施形態においては、光源ユニット60による照射対象として、ハンドル収容部30及び本体部12における被照射面22を例示したが、これに限定されない。光源ユニット60による照射対象は、適宜変更可能であり、例えば、スイッチベースやドアポケットなどを例示することができる。
【0097】
(3)上記実施形態では、光源としてLED61を例示したが、これに限定されない。光源としては、LED以外にも、例えば、白熱電球(バルブ)、蛍光管、ハロゲンランプなど、様々な種類の光源を使用することができる。
【0098】
(4)導光体63の形状は棒状に限定されず、例えば、平板状などとしてもよい。また、光入射部及び光出射部は上記実施形態で例示した面(端面63A、外周面63D)に限定されない。
【0099】
(5)被取付リブの形状は、上記実施形態で例示したものに限定されない。また、上記実施形態では、一対の被取付リブ90が同じ形状であるものを例示したが、これに限定されない。一対の被取付リブ90は、互いに異なる形状のものであってもよい。例えば、一対の被取付リブのうち、一方(又は両方)を図10に示すような形状としてもよい。
【0100】
上記実施形態では、閉じた孔状をなす被係合孔91を例示した。これに対して、図10に示す被取付リブ190においては、被係合孔191が開いた孔とされる。そして、被係合孔191の内周面のうち、下側パネル50との対向面191Aに、第1係合突部74及び第2係合突部84が係止する構成となっている。なお、図10においては、対向面191Aに係止された状態の第1係合突部74(符号74Bを付す)及び第2係合突部84(符号84Bを付す)を2点鎖線で図示してある。
【0101】
(6)上記実施形態では、第1係合突部74及び第2係合突部84が共通の被係合孔91に係合される構成を例示したが、これに限定されない。図11に示すように、被取付リブ90に、第1係合突部74が係合可能な被係合孔291A(第1被係合部)と、第2係合突部84が係合可能な被係合孔291B(第2被係合部)がそれぞれ形成されていてもよい。
【0102】
(7)接続用突部87は、U字状に限定されない。例えば、接続用突部87は、環状をなしていてもよい。また、開口部73も上記実施形態の形状に限定されず、例えば、円形状をなしていてもよい
【符号の説明】
【0103】
10…車両用ドアトリム(車両用内装材)、51B…挿通孔、60…光源ユニット、61…LED(光源)、63…導光体、63A…導光体の端面(光入射部)、63D…導光体の外周面(光出射部)、71…LED収容部材(光源収容部材)、73…開口部(嵌合孔)、73A…内周面(嵌合孔の内周面)、74…第1係合突部(第1係合部)、75…第1被ガイド突部(第1被ガイド部)、81…導光体保持部材、82A…板状部の対向面(一方における他方との対向面)、83…挿通片部、84…第2係合突部(第2係合部)、85…第2被ガイド突部(第2被ガイド部)、87…接続用突部(U字状突部)、90,190…一対の被取付リブ(被取付部)、91,191…被係合孔(第1被係合部及び第2被係合部)、92A…第1傾斜面(第1ガイド部)、92B…第2傾斜面(第2ガイド部)、291A…被係合孔(第1被係合部)、291B…被係合孔(第2被係合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用内装材に対する光源ユニットの取付構造であって、
光源と、
前記光源からの光が入射される光入射部と、前記光入射部から入射された光を出射させる光出射部と、を有する導光体と、
前記光源が収容される光源収容部材と、
前記光入射部が設けられた前記導光体の端部を保持する導光体保持部材と、
前記車両用内装材に設けられ、前記光源収容部材及び前記導光体保持部材が個別に取り付けられる被取付部と、を備え、
前記光源収容部材と前記導光体保持部材とは互いに接続可能な構成とされ、前記光源収容部材と前記導光体保持部材とが接続されることで、前記光源と前記光入射部とが対向配置される構成であることを特徴とする光源ユニットの取付構造。
【請求項2】
前記被取付部は、前記車両用内装材から立設され、互いに対向配置される一対の被取付リブとされ、
前記光源収容部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第1被係合部に係合可能な第1係合部をそれぞれ備え、
前記導光体保持部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第2被係合部に係合可能な第2係合部をそれぞれ備え、
前記光源収容部材が、前記一対の被取付リブの間に挿通されることで、前記第1被係合部と前記第1係合部とがそれぞれ係合され、
前記導光体保持部材が、前記一対の被取付リブの間に挿通されることで、前記第2被係合部と前記第2係合部とがそれぞれ係合される構成であることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニットの取付構造。
【請求項3】
前記一対の被取付リブのうち、少なくとも一方の被取付リブにおいて、前記第1被係合部及び前記第2被係合部は、共通の被係合孔とされ、
前記第1係合部の各々のうち、前記被係合孔と対向する前記第1係合部は、前記被係合孔に挿通可能な第1係合突部とされ、
前記第2係合部の各々のうち、前記被係合孔と対向する前記第2係合部は、前記被係合孔に挿通可能な第2係合突部とされることを特徴とする請求項2に記載の光源ユニットの取付構造。
【請求項4】
前記光源収容部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第1ガイド部にガイドされる第1被ガイド部をそれぞれ備え、前記第1被ガイド部が前記第1ガイド部にガイドされることで、前記一対の被取付リブの間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされ、
前記導光体保持部材は、前記一対の被取付リブの各々に設けられた第2ガイド部にガイドされる第2被ガイド部をそれぞれ備え、前記第2被ガイド部が前記第2ガイド部にガイドされることで、前記一対の被取付リブの間における所定の取付位置までガイド可能な構成とされることを特徴とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光源ユニットの取付構造。
【請求項5】
前記導光体保持部材は、前記車両用内装材に形成された挿通孔に挿通可能な挿通片部を備え、
前記挿通孔に対する前記挿通片部の挿通方向は、前記一対の被取付リブの間に対する前記導光体保持部材の挿通方向と一致することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の光源ユニットの取付構造。
【請求項6】
前記光源収容部材又は前記導光体保持部材のうち、一方における他方との対向面には、前記他方に向かって突設されるとともにU字状に延びるU字状突部が形成され、
前記他方における前記U字状突部との対向箇所には、前記U字状突部が嵌合可能な嵌合孔が形成され、
前記嵌合孔は、その孔縁の一部が開口されることで、内周面がU字状をなすものとされ、
前記U字状突部及び前記嵌合孔は、互いの開口側を対向させた状態で、前記U字状突部を前記嵌合孔の開口側から前記嵌合孔内に進入させることで互いに嵌合可能な構成とされ、
前記嵌合孔に対する前記U字状突部の進入方向は、前記光源収容部材又は前記導光体保持部材の前記車両用内装材に対する取付方向に沿うものとされ、
前記U字状突部が前記嵌合孔に対して嵌合されることで、前記光源収容部材と前記導光体保持部材とが接続されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光源ユニットの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−86534(P2013−86534A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225778(P2011−225778)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】