説明

光源ユニット及びプロジェクタ

【課題】 輝度を向上させることのできる光源ユニット及び該光源ユニットを備えたプロジェクタを提供する。
【解決手段】 光源ユニット60は、蛍光発光部と拡散透過部とを有する蛍光板と、蛍光体を励起可能な波長帯域の光を射出する第一光源71と、蛍光光と第一光源71から射出される光とは異なる波長帯域の光を射出する第二光源121と、蛍光板から射出される各色波長帯域光を所定の一面に導光する導光光学系と、第一光源71及び第二光源121の発光を個別に制御する光源制御手段と、を備え、蛍光板は第一光源71及び第二光源121の光路上に配置され、当該光源ユニット60は蛍光板における第一光源71からの光の照射位置と第二光源121からの光の照射位置とが異なるように構成され、光源制御手段が第一光源71及び第二光源121を同時又は別々に発光させる制御を実行することで、合成光又は単色光を射出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニットと、この光源ユニットを備えたプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、更にメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)や液晶板などの表示素子に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示する。
【0003】
このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源として発光ダイオードやレーザーダイオード、或いは、有機EL、蛍光体発光等を用いる開発や提案が多々なされている。例えば、特開2004−341105号公報(特許文献1)では、励起光源としての固体光源と、この固体光源から射出される励起光としての紫外光を受けて可視光に変換する蛍光体層が配設された円板状の透明基材から成る蛍光ホイールと、を有する光源ユニットについての提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−341105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の提案は、ホイール面に形成された蛍光体層に励起光としての紫外光を照射して赤色、緑色、青色波長帯域の蛍光光を発光させることができるが、赤色蛍光体の発光効率が他の蛍光体の発光効率に比べて低いため、ホイール円周方向に対する各蛍光体層の配置割合を同程度にすると、赤色の輝度が不足してしまうといった問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、蛍光体を励起させる光源と、発光効率の良好な種類の蛍光体を有する蛍光板と、発光効率の比較的低い種類の蛍光体に対応する波長帯域光を発光する単色光源と、を備えることで、画面の輝度を向上させることのできる光源ユニットと、この光源ユニットを備えたプロジェクタと、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光源ユニットは、複数色の波長帯域光を射出する光源ユニットであって、励起光を受けて蛍光光を発する蛍光体の層が形成された蛍光発光部と、光を拡散して透過する拡散透過部と、を有する蛍光板と、前記蛍光体を励起可能な波長帯域の光を射出する第一光源と、前記蛍光体から射出される蛍光光と前記第一光源から射出される光とは異なる波長帯域の光を射出する第二光源と、前記蛍光板から射出される各色波長帯域光を所定の一面に導光する導光光学系と、前記第一光源及び第二光源の発光を個別に制御する光源制御手段と、を備え、前記蛍光板は、前記第一光源及び第二光源の光路上に配置され、当該光源ユニットは、前記蛍光板における前記第一光源からの光の照射位置と前記第二光源からの光の照射位置とが異なるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の光源ユニットは、前記光源制御手段が、前記第一光源及び第二光源を同時に発光させる制御と、前記第一光源及び第二光源を別々に発光させる制御と、を実行する構成とすることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明の光源ユニットは、前記光源制御手段が、前記第一光源からの光を受けて前記蛍光発光部から射出される蛍光光と、前記拡散透過部を拡散透過した前記第二光源からの光と、が所定時間だけ合成されるように前記第一光源及び第二光源を同時に発光させる制御を実行する構成とされることもある。
【0010】
また、本発明の光源ユニットにおいて、前記蛍光板は、ホイールモータにより回転駆動される基材から成る蛍光ホイールであることが好ましい。
【0011】
そして、本発明の光源ユニットは、前記蛍光発光部に光を反射する反射面が形成され、該反射面上に励起光を受けて蛍光光を発する蛍光体の層が形成されていることがより好ましい。
【0012】
また、本発明の光源ユニットにおいて、前記第一光源は、青色波長帯域の光を発するレーザー発光器とすることができる。
【0013】
さらに、本発明の光源ユニットにおいて、前記光源制御手段は、前記拡散透過部を拡散透過した前記第一光源からの光と、前記拡散透過部を拡散透過した前記第二光源からの光と、が所定時間だけ合成されるように前記第一光源及び第二光源を同時に発光させる制御を実行する構成とすることができる。
【0014】
そしてまた、本発明の光源ユニットにおいて、前記第二光源は、赤色波長帯域の光を発するレーザー発光器であり、前記蛍光体は、前記第一光源からの励起光を受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する蛍光体であることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の光源ユニットにおいて、前記光源制御手段は、当該光源ユニットから赤色、緑色及び青色波長帯域の光を別々に射出させる期間を含むように、前記第一光源及び前記第二光源を別々に発光させる制御を実行する構成とすることができる。
【0016】
そして、本発明のプロジェクタは、上記の光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットからの光を前記表示素子に集光する光源側光学系と、前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源ユニットや表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、蛍光体を励起させる光源と、発光効率の良好な種類の蛍光体を有する蛍光板と、発光効率の比較的低い種類の蛍光体に対応する波長帯域光を発光する単色光源と、を備えることで、画面の輝度を向上させることのできる光源ユニットと、この光源ユニットを備えたプロジェクタと、を提供することができる。
【0018】
そして、この光源ユニットの蛍光板には、蛍光発光部と拡散透過部とが形成されており、この蛍光板に第一光源からの励起光と第二光源からの単色光とを照射させることで複数色の波長帯域光を射出することができるため、シンプルな構成の光源ユニットと、この光源ユニットを備えた小型のプロジェクタと、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るプロジェクタの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るプロジェクタの機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図5】本発明の実施例に係る蛍光ホイールの正面模式図及び一部断面を示す平面模式図である。
【図6】本発明の実施例に係る拡散透過部の別の構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明の実施例に係る光源制御手段の第一光源及び第二光源の点滅タイミングを示すタイムチャートである。
【図8】本発明の実施例に係る光源ユニットから各色光を射出させるための、第一光源及び第二光源の発光制御並びに蛍光ホイールの回転駆動制御を説明する模式図である。
【図9】上記蛍光ホイールを備える光源ユニットにおける光源制御手段の第一光源及び第二光源の点滅タイミングを示すタイムチャートである。
【図10】本発明の変形例に係る蛍光ホイールの正面模式図である。
【図11】本発明の変形例に係る光源制御手段の第一光源及び第二光源の点滅タイミングを示すタイムチャートである。
【図12】本発明の別の変形例に係る蛍光ホイールの正面模式図である。
【図13】本発明の別の変形例に係る光源制御手段の第一光源及び第二光源の点滅タイミングを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。プロジェクタ10は、光源ユニット60と、表示素子51と、光源ユニット60からの光を表示素子51に集光する光源側光学系170と、表示素子51から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系220と、光源ユニット60や表示素子51を制御するプロジェクタ制御手段と、を備える。このプロジェクタ制御手段には、光源ユニット60における第一光源71及び第二光源121の発光を個別に制御する光源制御手段が備えられている。
【0021】
そして、この光源ユニット60は、青色光源装置70と、蛍光発光装置100と、赤色光源装置120と、導光光学系140と、を備える。青色光源装置70は、青色波長帯域の光を発するレーザー発光器である第一光源71を複数有している。赤色光源装置120は、赤色波長帯域の光を発するレーザー発光器である第二光源121を複数有している。
【0022】
また、蛍光発光装置100は、円板状の基材から成る蛍光ホイール101と、蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、を備えている。蛍光ホイール101は、第一光源71又は第二光源121から射出される光を拡散して透過する拡散透過部104と、第一光源71からの射出光を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103と、を有する。この蛍光発光部103には、光を反射する反射面が形成され、該反射面上に励起光を受けて蛍光光を発する蛍光体の層が形成されている。
【0023】
そして、蛍光ホイール101は、第一光源71及び第二光源121の光路上に配置されている。さらに、蛍光ホイール101における第一光源71からの光の照射位置と、蛍光ホイール101における第二光源121からの光の照射位置と、が蛍光ホイール101の回転中心軸に対して点対称となるように、第一光源71及び第二光源121、蛍光ホイール101が配置されている。即ち、この光源ユニット60は、蛍光ホイール101における第一光源71からの光の照射位置と、第二光源121からの光の照射位置と、が異なるように構成されている。
【0024】
そして、第一光源71は、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104と蛍光発光部103に順次青色波長帯域のレーザー光を照射することができるようになっており、第二光源121は、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104に赤色波長帯域のレーザー光を照射することができるようになっている。
【0025】
したがって、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104に青色波長帯域のレーザー光が照射されたときには青色波長帯域の光が拡散透過され、蛍光発光部103に青色波長帯域のレーザー光が照射されたときには緑色蛍光体から緑色波長帯域の蛍光光が発せられることになる。また、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104に赤色波長帯域のレーザー光が照射されたときには赤色波長帯域の光が拡散透過されることになる。
【0026】
つまり、この蛍光ホイール101は、回転する当該蛍光ホイール101に第一光源71又は第二光源121からのレーザー光が照射されることにより、蛍光発光部103に第一光源71からの青色波長帯域のレーザー光を励起光として受けることで緑色波長帯域の蛍光光を発し、拡散透過部104に第一光源71からの青色波長帯域のレーザー光を受けることで、この青色光を拡散して射出し、拡散透過部104に第二光源121からの赤色波長帯域のレーザー光を受けることで、この赤色光を拡散して射出する蛍光板として機能する。
【0027】
また、導光光学系140は、蛍光発光装置100から射出される赤色、緑色及び青色波長帯域の光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光するレンズやミラー等から構成される。つまり、蛍光ホイール101から射出される赤色、緑色及び青色光は、導光光学系140によりライトトンネル175の入射口に導光される。
【0028】
また、ライトトンネル175に導かれた各色光は、光学系ユニット160内の光源側光学系170により表示素子51に集光され、投影側光学系220によりスクリーンに投射されることとなる。
【0029】
つまり、光源ユニット60は、プロジェクタ制御手段における光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121を別々に発光させる制御を実行することで、1フレームにおいて当該光源ユニット60から赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を順次射出させることができる。そして、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
【0030】
また、光源制御手段は、第一光源71からの光を受けて蛍光発光部103から射出される緑色光と、拡散透過部104を拡散透過した第二光源121から射出される赤色光と、が所定時間だけ合成されるように第一光源71及び第二光源121を同時に発光させる制御を実行する構成とされる。
【0031】
さらに、光源制御手段は、拡散透過部104を拡散透過した第一光源71からの青色光と、拡散透過部104を拡散透過した第二光源121からの赤色光と、が所定時間だけ合成されるように第一光源71及び第二光源121を同時に発光させる制御を実行する構成とされている。
【0032】
つまり、光源ユニット60は、1フレームにおいて光の三原色である赤色、緑色及び青色の波長帯域光を別々に射出する期間を含むとともに、合成光を射出する期間を含むように制御されて、光の三原色の波長帯域光のみならず補色である黄色やマゼンタの波長帯域光を射出することができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0034】
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0035】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0036】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15における背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0037】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2及び図3の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0038】
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0039】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0040】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束、即ち光源ユニット60の導光光学系により所定の一面に導光された光線束を光源側光学系を介して表示素子51に集光することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0041】
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
【0042】
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0043】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0044】
また、制御部38には光源ユニット駆動回路41が接続されており、この制御部38及び光源ユニット駆動回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60を制御する光源制御手段として機能する。具体的には、図3に示すように、制御部38は、光源駆動回路41aを制御して、光源ユニット60における青色光源装置の第一光源71及び赤色光源装置の第二光源121の発光を個別に制御する。また、制御部38は、回転モータ駆動回路41bを制御することで、ホイールモータ110を駆動して蛍光発光装置の蛍光ホイール101を所定の回転数で円周方向に回転させる。なお、蛍光ホイール101の回転に対する光源制御手段の発光制御の具体的な内容については後述する。
【0045】
そして、ホイールモータ110には、回転位置を検出できる回転位置検出手段56が接続されている。回転位置検出手段56は、蛍光ホイール101の面上の一部に設けられるマークを光検出する光センサ、又はホール素子などを用いた磁気センサであり、この光センサ又は磁気センサにより検出された回転位置データが制御部38に送出される。
【0046】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から複数個の冷却ファンの回転速度を個別に制御する。また、制御部38及び冷却ファン駆動制御回路43は、タイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0047】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図4は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図示するように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えて成る。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0048】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される青色光源装置70と、この青色光源装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、この蛍光発光装置100の右側に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100における蛍光ホイール101から射出される各色波長帯域光の光軸が同一の光軸となるように変換して、各色波長帯域光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光する導光光学系140と、を備える。
【0049】
青色光源装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の第一光源71から成る光源群、各第一光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する複数の反射ミラー75、複数の反射ミラー75で反射した各第一光源71からの射出光を集光する集光レンズ78、及び、第一光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81、冷却ファン261等を備える。
【0050】
光源群は、青色波長帯域の光を発する半導体発光素子である第一光源71がマトリクス状に配列されて成る。また、第一光源71としては指向性の高い光線束を射出可能な高出力レーザー発光器を採用することが好ましい。また、各第一光源71の光軸上における各第一光源71の射出側には、各第一光源71からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ73が夫々配置されている。そして、複数の反射ミラー75は、階段状に配列されて、各第一光源71から射出される光源光束同士の間隔を狭めることにより、光源群から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して、集光レンズ78に向けて反射する。
【0051】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって第一光源71が冷却される。さらに、反射ミラー75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー75や集光レンズ78、第一光源71が冷却される。
【0052】
赤色光源装置120は、第一光源71の光軸と平行となるように配置された複数の第二光源121から成る光源群を備えている。光源群は、赤色波長帯域の光を発する半導体発光素子である第二光源121がマトリクス状に配列されて成る。また、第二光源121としては、第一光源71と同じく、指向性の高い光線束を射出可能な高出力レーザー発光器を採用することが好ましい。また、各第二光源121の光軸上における各第二光源121の射出側には、各第二光源121からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ123が夫々配置されている。
【0053】
また、赤色光源装置120は、コリメータレンズ123からの光を集光する集光レンズ125と、集光レンズ125からの光を背面パネル13方向に90度変換する反射ミラー124と、を備える。さらに、赤色光源装置120は、第二光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって第二光源121が冷却される。
【0054】
蛍光発光装置100は、蛍光ホイール101と、ホイールモータ110と、を備える。この蛍光ホイール101は、円板形状であって、正面パネル12と平行となるように、つまり、青色光源装置70からの射出光の光軸と直交するように、且つ、赤色光源装置120からの射出光の光軸と直交するように配置される。これにより、第一光源71から射出される光は、蛍光ホイール101の一方の面(背面パネル13と対向する面)に照射され、第二光源121から射出される光は、蛍光ホイール101の他方の面(正面パネル12と対向する面)に照射されることになる。
【0055】
ホイールモータ110は、蛍光ホイール101を円周方向に回転させる駆動装置である。さらに、この蛍光発光装置100は、青色光源装置70から射出される光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備えている。また、この蛍光発光装置100は、赤色光源装置120から射出される光線束を蛍光ホイール101に集光する集光レンズ116と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群112と、を備えている。
【0056】
そして、上記した青色光源装置70における各第一光源71から射出されたレーザー光が励起光として蛍光ホイール101の蛍光発光部に照射されると、蛍光発光部における緑色蛍光体が励起されて、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された緑色光が直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、上記した青色光源装置70における各第一光源71から射出された青色波長帯域のレーザー光が蛍光ホイール101の拡散透過部に照射されると、入射した青色レーザー光が微細凹凸によって拡散して透過され、集光レンズ115に入射する。さらに、上記した赤色光源装置120における各第二光源121から射出された赤色波長帯域のレーザー光が蛍光ホイール101の拡散透過部に照射されると、入射した赤色レーザー光が微細凹凸によって拡散して透過され、集光レンズ群112に入射する。
【0057】
このように、蛍光ホイール101は、第一光源71及び第二光源121の光路上に配置され、さらに、蛍光ホイール101における第一光源71からの光の照射位置と、蛍光ホイール101における第二光源121からの光の照射位置と、が蛍光ホイール101の回転中心軸に対して点対称となるように、第一光源71及び第二光源121、蛍光ホイール101が配置されている。即ち、この光源ユニット60は、蛍光ホイール101における第一光源71からの光の照射位置と、第二光源121からの光の照射位置と、が異なるように構成されている。
【0058】
したがって、この蛍光発光装置100は、青色及び緑色光と、赤色光と、をホイール面の異なる位置(ホイール回転中心軸に対して点対称となる位置)から射出することができる。なお、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光発光装置100等が冷却される。この蛍光ホイール101の具体的な構成については後述する。
【0059】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等から成る。具体的には、赤色光源装置120の反射ミラー124から射出され、蛍光ホイール101の拡散透過部を拡散透過した光の光軸上に、入射する赤色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する反射ミラー142が配置されている。そして、反射ミラー142で反射した赤色波長帯域光の光軸と青色光源装置70の集光レンズ78を通過する青色波長帯域光の光軸とが交差する位置に、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0060】
また、蛍光ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。さらに、第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光の光軸上であって光学系ユニット160の近傍には、この青色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二反射ミラー145が配置されている。
【0061】
また、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸及びこの光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と、第二反射ミラー145で反射した青色波長帯域光の光軸とが交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、赤色及び緑色波長帯域光を反射してこれら赤色及び緑色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、ダイクロイックミラーや反射ミラーの間には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、このライトトンネル175の入射口に各色波長帯域の光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
【0062】
光学系ユニット160は、青色光源装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0063】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に集光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とする導光装置としてのライトトンネル175や、このライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0064】
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0065】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0066】
このようにプロジェクタ10を構成することで、蛍光ホイール101を回転させるとともに青色光源装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を射出すると、赤色、緑色及び青色の波長帯域光を導光光学系140を介してライトトンネル175に順次入射させることができる。つまり、このプロジェクタ10に搭載される光源ユニット60は、プロジェクタ制御手段における光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121を別々に発光させる制御を実行することで、1フレームにおいて当該光源ユニット60から赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を順次射出させることができる。
【0067】
そして、光源ユニット60から射出される各色光が光源側光学系170を介して表示素子51に入射されるため、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、レンズ群を介して拡大したカラー画像をスクリーンに生成することができる。
【0068】
次に、蛍光ホイール101の具体的な構成について、図5を参照して説明する。蛍光ホイール101は、図5(a)、(b)に示すように、円板形状の銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材には円弧状の切欠き部102が設けられている。この切欠き部102は、基材の一方の面から他方の面、即ち第一光源71が配置される側の面から反対側の面までを貫通開口とするものである。
【0069】
そして、この蛍光ホイール101は、第一光源71が配置される側の面である基材の一方の面に設けられる凹部に蛍光発光部103を有し、切欠き部102に拡散透過部104を有する。蛍光発光部103は、青色光源装置70の第一光源71からの射出光を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する緑色蛍光体が、耐熱性を有し且つ透光性の高いシリコン樹脂等のバインダに均一に混合されることで層を成し、円弧状を呈している。また、基材の第一光源71側の表面には、光を反射する反射面が形成されるように銀蒸着等によってミラー加工がなされており、このミラー加工された凹部の表面に蛍光体の層が形成されている。
【0070】
そして、拡散透過部104は、入射される光の波長帯域を変換することなく拡散効果を付与する光学部品である。この拡散透過部104は、例えば、ガラス材の一方の面にブラスト処理を施すことによって、光を拡散させる部分104aを微細凹凸により形成して成るものである。また、この拡散透過部104は、蛍光ホイール101の円弧状の切欠き部102に対応した円弧状であって、この円弧状の切欠き部102を塞ぐように配設される。つまり、この蛍光発光部103と、拡散透過部104と、は第一光源71が配置される側となる面において周方向に並設されている。なお、拡散透過部104における光を拡散させる部分104aを、上記したように第一光源71側に配置させる場合に限ることなく、図6(a)に示すように、第二光源121側に配置させることとしてもよい。また、図6(b)に示すように、第一光源71側及び第二光源121側の両面に、光を拡散させる部分104aを配置させることとしてもよい。そして、図6(c)に示すように、ガラスやプラスチック、樹脂などの透明な基材に光拡散性を有するフィラーを添加して成る光拡散性部材により光を拡散させる部分104aを形成し、この光拡散性部材を蛍光ホイール101の厚み方向における中央に配置させることもできる。また、図6(d)に示すように、切欠き部102に嵌め込まれる部材全体を光拡散性部材とする構成を採用することもできる。図6(c)及び図6(d)に示すような構成を採用すれば、第一光源71及び第二光源121からのそれぞれのレーザー光が互いに比較して均一に拡散透過されることになるため好適である。さらに、拡散透過されるレーザー光の減衰を考慮すると、図6(c)に示した構成がより好適である。
【0071】
したがって、この光源ユニット60は、第一光源71からのレーザー光を回転する蛍光ホイール101における蛍光発光部103と、拡散透過部104と、に入射させることができ、且つ、第二光源121からのレーザー光を回転する蛍光ホイール101における拡散透過部104に入射させることができるようになっている。
【0072】
このように、蛍光ホイール101を形成し、青色及び赤色レーザー光をホイール面の異なる位置に照射可能に構成することで、この光源ユニット60は、合成光又は単色光を射出することができる。以下、各色光を生成するための第一光源71及び第二光源121の発光制御について図7乃至図13を参照して説明する。
【0073】
図7は、第一光源71と第二光源121の点灯及び消灯のタイミングを示すタイムチャートであり、光源ユニット60から射出される光の色及びホイール角、蛍光ホイール101に対する第一光源71及び第二光源121の照射位置を合わせて示している。図中のホイール角について説明する。蛍光ホイール101は、図5に示したように、帯状の蛍光発光部103と拡散透過部104とを有している。そして、蛍光発光部103を第1領域1、第2領域2及び第3領域3の三つの領域に区分する。また、拡散透過部104を第4領域4とする。ここで、蛍光ホイール101における第1領域1と第4領域4の仮想の境界線の位置を基準(0度)としてホイール面上の位置(具体的には、第一光源71からの光の照射領域の中心に配置されるホイール面の位置)を角度で表したものであり、この位置は、蛍光ホイール101の回転とともに移動する。以下照射領域の中心とは、第一光源71からの光の照射領域の中心として述べる。
【0074】
光源制御手段は、図7及び図8(a)に示すように、ホイール角が0度〜90度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第1領域1(蛍光発光部103)に照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。
【0075】
そして、光源制御手段は、図7及び図8(b)に示すように、ホイール角が90度〜180度の間における90度〜135度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71及び第二光源121を共に点灯させる制御を実行する。これにより、第2領域2(蛍光発光部103)に第一光源71からの光が照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。さらに、第4領域4(拡散透過部104)に第二光源121からの光が照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。つまり、光源ユニット60からは、緑色光と赤色光とが合成された補色である黄色(Y)の波長帯域光が射出されることになる。
【0076】
また、光源制御手段は、図7及び図8(c)に示すように、ホイール角が90度〜180度の間における後半の135度〜180度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を消灯させ、第二光源121を点灯させる制御を実行する。これにより、第二光源121から射出された光は、蛍光ホイール101の第4領域4(拡散透過部104)に照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。
【0077】
さらに、光源制御手段は、図7及び図8(d)に示すように、ホイール角が180度〜270度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第3領域3(蛍光発光部103)に照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。
【0078】
そして、光源制御手段は、図7及び図8(e)に示すように、ホイール角が270度〜360度(0度)とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第4領域4(拡散透過部104)に照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した青色光(B)が光源ユニット60から射出される。
【0079】
つまり、この光源制御手段は、第一光源71及び第二光源121を同時又は別々に発光させる制御を実行する構成とされている。したがって、この光源ユニット60は、光の三原色である赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を別々に射出する期間を含み、さらに赤色光と緑色光とを所定時間だけ合成して射出する期間を含むように光源制御手段により制御される。また、ホイール角が90度〜180度の間におけるホイール位置での第一光源71の消灯と第二光源121の点灯との制御によっては、赤色の波長帯域光を射出する期間、補色である黄色の波長帯域光を射出する期間を任意に割り当てることができる。
【0080】
もちろん、この光源ユニット60は、補色である黄色の波長帯域光を射出しない構成とすることもできる。つまり、図9に示すように、光源制御手段が、ホイール角90度〜180度のホイール位置が照射領域の中心に位置しているときに第一光源71を点灯させることなく、第二光源121のみを点灯させる制御を実行することで、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)を光源ユニット60から射出させることができる。したがって、この光源ユニット60を搭載するプロジェクタ10は、様々な輝度モードで投影画像をスクリーンに投影することができる。
【0081】
したがって、本実施例によれば、蛍光体を励起させる第一光源71と、発光効率の良好な種類の蛍光体を有する蛍光ホイール101と、発光効率の比較的低い種類の蛍光体として例えば赤色蛍光体を蛍光ホイール101に形成することなく当該低発光効率の蛍光体に対応する赤色の波長帯域光を射出する単色光源である第二光源121と、を備えることで、画面の輝度を向上させることのできる光源ユニット60と、この光源ユニット60を備えたプロジェクタ10を提供することができる。
【0082】
また、この光源ユニット60は、第一光源71からのレーザー光と、第二光源121からのレーザー光と、が一枚の蛍光ホイール101に照射して各色光を順次生成するシンプルな構成とされているため、この光源ユニット60を備えるプロジェクタ10の小型化を図ることができる。
【0083】
さらに、第一光源71及び第二光源121をレーザー発光器としたため、画面の輝度を容易に向上させることができるとともに、光源ユニット60を小型なものとすることができる。なお、第一光源71及び第二光源121はレーザー発光器とする場合に限定されることなく、高出力発光ダイオードを多数設けるなどして、輝度の向上を図ることもできる。
【0084】
そして、本実施例における光源ユニット60を制御する光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121を同時又は別々に発光させる制御を実行可能に構成されているため、この光源ユニット60は、合成光又は単色光を射出することができる。
【0085】
また、光源制御手段が、第一光源71からの光を受けて蛍光発光部103から射出される蛍光光と、拡散透過部104を拡散透過した第二光源121からの光と、が所定時間だけ合成されるように、第一光源71及び第二光源121を所定のタイミングで所定時間だけ同時に発光させる制御を行うことで、光の三原色である赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光だけでなく、補色である黄色波長帯域の合成光を光源ユニット60から射出することができ、プロジェクタ10からの投影画像の輝度及び色再現性の向上を図ることができる。
【0086】
また、上記したように、第一光源71及び第二光源121を所定時間だけ同時に点灯させて補色である黄色の波長帯域光を生成するのみならず、マゼンタの波長帯域光を生成することのできるホイールを光源ユニット60に設けることもできる。
【0087】
このマゼンタの波長帯域光を生成する蛍光ホイール101の構成としては、例えば、図10に示すように、緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103とされる第1領域1と、拡散透過部104とされる第2領域2と、緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103とされる第3領域3と、拡散透過部104とされる第4領域4と、が周方向に並設してなる。
【0088】
そして、光源制御手段は、図11に示すように、ホイール角が0度〜90度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第1領域1(蛍光発光部103)に照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。
【0089】
そして、光源制御手段は、ホイール角が90度〜180度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を消灯させ、第二光源121を点灯させる制御を実行する。これにより、第二光源121から射出された光は、蛍光ホイール101の第4領域4(拡散透過部104)に照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。
【0090】
また、光源制御手段は、ホイール角が180度〜270度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第3領域3(蛍光発光部103)に照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。
【0091】
そして、光源制御手段は、ホイール角が270度〜360度の間における270度〜315度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71及び第二光源121を共に点灯させる制御を実行する。これにより、第4領域4(拡散透過部104)に第一光源71からの光が照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した青色光(B)が光源ユニット60から射出される。さらに、第2領域2(拡散透過部104)に第二光源121からの光が照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。つまり、光源ユニット60からは、青色光と赤色光とが合成された補色であるマゼンタ(M)の波長帯域光が射出されることになる。
【0092】
そして、光源制御手段は、ホイール角が270度〜360度の間における後半の315度〜360度(0度)とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第4領域4(拡散透過部104)に照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した青色光(B)が光源ユニット60から射出される。また、ホイール角が270度〜360度の間におけるホイール位置での第一光源71の点灯と第二光源121の消灯との制御によっては、青色の波長帯域光を射出する期間、補色であるマゼンタの波長帯域光を射出する期間を任意に割り当てることができる。
【0093】
つまり、この光源制御手段は、第一光源71及び第二光源121を同時又は別々に発光させる制御を実行する構成とされている。したがって、この光源ユニット60は、光の三原色である赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を別々に射出する期間を含み、さらに赤色光と青色光とを所定時間だけ合成して射出する期間を含むように光源制御手段により制御される。
【0094】
このように、光源制御手段が、拡散透過部104を拡散透過した第一光源71からの光と、拡散透過部104を拡散透過した第二光源121からの光と、が所定時間だけ合成されるように第一光源71及び第二光源121を所定のタイミングで所定時間だけ同時に発光させる制御を行うことで、光の三原色である赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光だけでなく、補色であるマゼンタ波長帯域の合成光を光源ユニット60から射出することができ、プロジェクタ10からの投影画像の輝度及び色再現性の向上を図ることができる。
【0095】
また、上記したように、第一光源71及び第二光源121を所定時間だけ同時に点灯させて黄色又はマゼンタの何れか一方の波長帯域光を生成するのみならず、1フレームにおいて補色である黄色及びマゼンタの波長帯域光の両方を生成することのできるホイールを光源ユニット60に配設することもある。
【0096】
この黄色及びマゼンタの波長帯域光を生成する蛍光ホイール101の構成としては、例えば、図12に示すように、緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103とされる第1領域1と、緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103とされる第2A領域2aと、拡散透過部104とされる第2B領域2bと、緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103とされる第3領域3と、拡散透過部104とされる第4領域4と、が周方向に並設してなる。
【0097】
そして、光源制御手段は、図13に示すように、ホイール角が0度〜90度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第1領域1(蛍光発光部103)に照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。
【0098】
そして、光源制御手段は、ホイール角が90度〜180度の間における90度〜135度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71及び第二光源121を共に点灯させる制御を実行する。これにより、第2A領域2a(蛍光発光部103)に第一光源71からの光が照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。さらに、第4領域4(拡散透過部104)に第二光源121からの光が照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。つまり、光源ユニット60からは、緑色光と赤色光とが合成された補色である黄色(Y)の波長帯域光が射出されることになる。
【0099】
また、光源制御手段は、ホイール角が90度〜180度の間における後半の135度〜180度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を消灯させ、第二光源121を点灯させる制御を実行する。これにより、第二光源121から射出された光は、蛍光ホイール101の第4領域4(拡散透過部104)に照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。
【0100】
そして、光源制御手段は、ホイール角が180度〜270度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第3領域3(蛍光発光部103)に照射されるため、蛍光ホイール101から発した緑色蛍光光(G)が光源ユニット60から射出される。
【0101】
また、光源制御手段は、ホイール角が270度〜360度の間における270度〜315度とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71を点灯させ、第二光源121を消灯させる制御を実行する。これにより、第一光源71から射出された光は、蛍光ホイール101の第4領域4(拡散透過部104)に照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した青色光(B)が光源ユニット60から射出される。
【0102】
そして、光源制御手段は、ホイール角が270度〜360度の間における後半の315度〜360度(0度)とされるホイール位置を照射領域の中心に位置させるときに第一光源71及び第二光源121を共に点灯させる制御を実行する。これにより、第4領域4(拡散透過部104)に第一光源71からの光が照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した青色光(B)が光源ユニット60から射出される。さらに、第2B領域2b(拡散透過部104)に第二光源121からの光が照射されるため、蛍光ホイール101を拡散透過した赤色光(R)が光源ユニット60から射出される。つまり、光源ユニット60からは、青色光と赤色光とが合成された補色であるマゼンタ(M)の波長帯域光が射出されることになる。
【0103】
このように、蛍光ホイール101に蛍光発光部103及び拡散透過部104を配置させ、第一光源71と第二光源121との点灯タイミングを様々に組み合わせて制御することで、種々の波長帯域光を射出可能な光源ユニット60を提供することができる。
【0104】
そして、光源制御手段は、第一光源71と第二光源121の点灯時間を各色光の射出時間が短くなるように制御して、輝度の調整を自由に行うこともできる。また、所定の波長帯域光を射出するときだけ、光源出力を抑えるように光源制御手段が第一光源71或いは第二光源121を制御する構成として、色合いを調整することもできる。
【0105】
そして、光源ユニット60は、蛍光板を円板形状の蛍光ホイール101として形成し、この蛍光ホイール101を回転させる構成としているため、シンプルな光源ユニット60であって、照射面積を拡張して熱の集中を避けることができる光源ユニット60を提供することができる。
【0106】
また、蛍光ホイール101における蛍光発光部103に反射面が形成されているため、蛍光体に吸収されずに反射面に照射された青色光は反射面により反射されて、再び蛍光体側に射出されて蛍光体を励起させることができるため、第一光源71からの青色光の利用効率を向上させて、一層明るく発光させることができる。さらに、緑色蛍光体から基材側に発せられた緑色光も反射面により反射して光源光として射出することができるため、蛍光光の利用効率を向上させることもできる。また、蛍光ホイール101の基材に熱伝導率の高い金属基材を採用することで、蛍光ホイール101を効率よく冷却することができる。
【0107】
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、蛍光ホイール101における蛍光発光部103及び拡散透過部104の領域は、それぞれの面積比率を自由に変更することができる。これにより、各色のデューティ比を任意に設定することができる。
【0108】
そして、緑色蛍光体に比べて赤色蛍光体の発光効率が高い場合などには、蛍光発光部103は、緑色蛍光体の層に代えて赤色蛍光体の層を形成させることもできる。この場合、第二光源121は、赤色波長帯域のレーザー光を発するレーザー発光器に代えて、緑色波長帯域のレーザー光を発するレーザー発光器として、輝度の高い各色光を射出できる光源ユニット60を提供することができる。なお、このような構成の光源ユニット60は、光の三原色である赤色、緑色及び青色波長帯域の光の他に、補色である黄色やシアンの波長帯域光を射出することができる。
【0109】
また、蛍光ホイール101は、金属基材により形成する場合に限ることなく、ガラスなどの透明基材により形成してもよい。この場合、図4に示した光学レイアウトにおいて、第一ダイクロイックミラー141は配置されず、第二ダイクロイックミラー148は、青色及び緑色波長帯域光を透過し、赤色光を反射する特性を有するものとされる。
【0110】
そして、光源ユニット60の光学レイアウトは、図示したものに限定されることなく、筐体内における各光源装置の配置構成に応じて種々の態様を採用することができる。例えば、図4では赤色光源装置120は、赤色光源装置120から射出される光源光が、反射ミラー124に反射されて集光レンズ116に入射される位置に構成されていたが、反射ミラー124を配設せず、直接集光レンズ116に入射できるよう赤色光源装置120を配置しても構わない。また、光源制御手段は、プロジェクタ10に設けずに、光源ユニット60に個別に設けることとしてもよい。
【0111】
そして、第一光源71が青色レーザー発光器とされているため、第一光源71からの光を拡散透過させて、そのまま明るい光源光として利用することができる。しかしながら、第一光源71は、青色波長帯域の光を発するレーザー発光器とする場合に限定されることなく、紫外領域の光(紫外線)を発するレーザー発光器とすることもできる。この場合、蛍光ホイール101には、青色蛍光体の層や緑色蛍光体の層から成る蛍光発光部103と、拡散透過部104が形成されている。そして、光源制御手段は、紫外レーザー発光器から拡散透過部104に光が照射されることのないように制御される。
【0112】
なお、光源ユニット60は、蛍光板(蛍光ホイール101)を上記のように円形板状として回転させる構成とした蛍光発光装置100を備える場合に限ることなく、矩形状に形成した蛍光板を固定した蛍光発光装置100を備えることとしてもよい。このように蛍光板を固定させる場合、第一光源71及び第二光源121と蛍光板との間に、第一光源71及び第二光源121の夫々から射出される光の照射方向を変化させる調整装置を配設する、あるいは、第一光源71及び第二光源121の位置及び/又は照射方向を変化させるように駆動する光源駆動装置を設けて、第一光源71及び第二光源121からの光の照射スポット位置を移動させることで、蛍光光及び拡散光を蛍光板から射出することができる。なお、調整装置としては、例えば、KTN結晶、音響光学素子、MEMSミラー等を用いた光偏光器を採用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 第1領域 2 第2領域
2a 第2A領域 2b 第2B領域
3 第3領域 4 第4領域
10 プロジェクタ
11 上面パネル 12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮伸長部
32 メモリカード 35 Ir受信部
36 Ir処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源ユニット駆動回路
41a 光源駆動回路 41b 回転モータ駆動回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 56 回転位置検出手段
60 光源ユニット
70 青色光源装置 71 第一光源
73 コリメータレンズ 75 反射ミラー
78 集光レンズ
81 ヒートシンク 100 蛍光発光装置
101 蛍光ホイール 102 切欠き部
103 蛍光発光部 104 拡散透過部
104a 光を拡散させる部分 110 ホイールモータ
111 集光レンズ群 112 集光レンズ群
115 集光レンズ 116 集光レンズ
120 赤色光源装置 121 第二光源
123 コリメータレンズ 124 反射ミラー
125 集光レンズ 130 ヒートシンク
140 導光光学系 141 第一ダイクロイックミラー
142 反射ミラー
143 第一反射ミラー 145 第二反射ミラー
148 第二ダイクロイックミラー 160 光学系ユニット
161 照明側ブロック 165 画像生成ブロック
168 投影側ブロック 170 光源側光学系
173 集光レンズ 175 ライトトンネル
178 集光レンズ 181 光軸変換ミラー
183 集光レンズ 185 照射ミラー
190 ヒートシンク 195 集光レンズ
220 投影側光学系 225 固定レンズ群
235 可動レンズ群 241 制御回路基板
261 冷却ファン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の波長帯域光を射出する光源ユニットであって、
励起光を受けて蛍光光を発する蛍光体の層が形成された蛍光発光部と、光を拡散して透過する拡散透過部と、を有する蛍光板と、
前記蛍光体を励起可能な波長帯域の光を射出する第一光源と、
前記蛍光体から射出される蛍光光と前記第一光源から射出される光とは異なる波長帯域の光を射出する第二光源と、
前記蛍光板から射出される各色波長帯域光を所定の一面に導光する導光光学系と、
前記第一光源及び第二光源の発光を個別に制御する光源制御手段と、を備え、
前記蛍光板は、前記第一光源及び第二光源の光路上に配置され、
当該光源ユニットは、前記蛍光板における前記第一光源からの光の照射位置と前記第二光源からの光の照射位置とが異なるように構成されていることを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記光源制御手段が、前記第一光源及び第二光源を同時に発光させる制御と、前記第一光源及び第二光源を別々に発光させる制御と、を実行する構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記光源制御手段が、前記第一光源からの光を受けて前記蛍光発光部から射出される蛍光光と、前記拡散透過部を拡散透過した前記第二光源からの光と、が所定時間だけ合成されるように前記第一光源及び第二光源を同時に発光させる制御を実行する構成とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記蛍光板は、ホイールモータにより回転駆動される基材から成る蛍光ホイールであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記蛍光発光部には、光を反射する反射面が形成され、該反射面上に励起光を受けて蛍光光を発する蛍光体の層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記第一光源は、青色波長帯域の光を発するレーザー発光器であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記光源制御手段が、前記拡散透過部を拡散透過した前記第一光源からの光と、前記拡散透過部を拡散透過した前記第二光源からの光と、が所定時間だけ合成されるように前記第一光源及び第二光源を同時に発光させる制御を実行する構成とされていることを特徴とする請求項6に記載の光源ユニット。
【請求項8】
前記第二光源は、赤色波長帯域の光を発するレーザー発光器であり、
前記蛍光体は、前記第一光源からの励起光を受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する蛍光体であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光源ユニット。
【請求項9】
前記光源制御手段は、当該光源ユニットから赤色、緑色及び青色波長帯域の光を別々に射出させる期間を含むように、前記第一光源及び前記第二光源を別々に発光させる制御を実行することを特徴とする請求項8に記載の光源ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットからの光を前記表示素子に集光する光源側光学系と、前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源ユニットや表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備えることを特徴とするプロジェクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−32634(P2012−32634A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172644(P2010−172644)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】