説明

光源ユニット

【課題】組み立て時に反射鏡の焦点と光源の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡の焦点と光源の位置ずれを防止することができる光源ユニットを提供する。
【解決手段】発光素子および前記発光素子を実装した実装基板を備える光源モジュールと、前記光源モジュールが上面に載置され、設置面又は/及び取付器具に取り付けられる取付部が底面側に設けられた取付台と、前記取付台の上面に固定され、前記光源モジュールの配光を制御する反射鏡と、を備え、前記発光素子に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタを前記実装基板の裏面に突設し、前記取付台の上面には前記底面側に貫通し前記実装基板が載置されたときに前記コネクタが入り込む貫通孔を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、反射鏡と、を備える光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED等の発光素子を光源とし、この光源を基板に実装し、更に、光源の前方に配置されるレンズを含むレンズ体とを備え、当該レンズ体で、光源の配光特性を制御している光源ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−304904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光源、及び、実装基板を含む実装電子部品がレンズ体で常に覆われた状態となるため、光源を含む実装電子部品からの発熱がレンズ体によってユニット内部に籠りやすくなるという問題がある。レンズ体によってユニット内部に熱が籠るのを防止するためには、光源の配光特性をレンズ体ではなく、反射鏡を用いて制御する構成が考えられる。反射鏡を用いることによって、光源が露出するため、光源の発熱がユニット内部に籠るのを防止することはできるが、反射鏡の焦点と光源の位置合わせを高精度に行う必要があり、組み立てを容易に行うことができなかった。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、組み立て時に反射鏡の焦点と光源の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡の焦点と光源の位置ずれを防止することができる光源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、発光素子および前記発光素子を実装した実装基板を備える光源モジュールと、前記光源モジュールが上面に載置され、設置面又は/及び取付器具に取り付けられる取付部が底面側に設けられた取付台と、前記取付台の上面に固定され、前記光源モジュールの配光を制御する反射鏡と、を備え、前記発光素子に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタを前記実装基板の裏面に突設し、前記取付台の上面には前記底面側に貫通し前記実装基板が載置されたときに前記コネクタが入り込む貫通孔を設けたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記の光源ユニットにおいて、前記取付台には前記反射鏡の下端部が挿入固定され、前記反射鏡の下端と前記取付台の間には、挿入された反射鏡の下端を押圧する弾性部材を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の光源ユニットにおいて、前記反射鏡、及び前記取付台が高熱伝導性材から形成され、前記反射鏡の下端部には前記取付台に挿入されて前記取付台と面で接触するフランジ部を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の光源ユニットにおいて、前記反射鏡の下端部を前記取付台にねじ込み固定したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の光源ユニットにおいて、前記取付台の取付部には、前記設置面又は/及び前記取付器具に設けられた保持アダプターに係合して保持される係合部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発光素子および前記発光素子を実装した実装基板を備える光源モジュールと、前記光源モジュールが上面に載置され、設置面又は/及び取付器具に取り付けられる取付部が底面側に設けられた取付台と、前記取付台の上面に固定され、前記光源モジュールの配光を制御する反射鏡と、を備え、前記発光素子に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタを前記実装基板の裏面に突設し、前記取付台の上面には前記底面側に貫通し前記実装基板が載置されたときに前記コネクタが入り込む貫通孔を設けたため、リード線は、反射鏡が備えられた光源モジュールの表面ではなく、取付台の貫通孔を通して、実装基板の裏面のコネクタに接続することができ、反射鏡を取付台の上面に固定することで反射鏡の焦点を光源モジュールに合わせて配置するとともに、コネクタを貫通孔に入り込ませることで、光源モジュールを取付台に対して位置決めすることができ、組み立て時に反射鏡の焦点と光源の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡の焦点と光源の位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る光源ユニットを示す斜視図である。
【図2】光源ユニットの分解斜視図である。
【図3】反射鏡の取付台への固定構造を示す部分拡大図。
【図4】反射鏡の取付台への挿入状態を示す部分拡大断面図であり、図4(A)は挿入の途中を示し、(B)は挿入の完了時を示す。
【図5】光源モジュールを上面に載置した取付台の平面図である。
【図6】光源ユニットの断面図である。
【図7】光源ユニットと保持アダプターの斜視図である。
【図8】保持アダプターの分解斜視図である。
【図9】保持アダプターと光源ユニットの係合構造を示す平面図である。
【図10】光源ユニットを保持アダプターに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】別の実施形態の保持アダプターと光源ユニットの斜視図である。
【図12】光源モジュールを内蔵させた照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本構成に係る光源ユニット1は、図1、図2に示すように、光源モジュール(光源)10と、反射鏡20と、取付台30と、を備える。光源ユニット1は、光源モジュール10、及び、反射鏡20を、取付台30に固定して、取付台30を設置面又は/及び取付器具に取り付けて用いられる。光源モジュール10の配光は、反射鏡20で制御されて、反射鏡20の形状で、所望の配光を形成することができる。なお、以下の説明において、上下等の方向は、光源ユニット1の照射方向を上とした場合に対応する方向である。
【0013】
光源モジュール10は、発光素子(光源)11と、発光素子11を実装した実装基板12と、発光素子11、取付台30間の絶縁を保持する絶縁板13と、を備える。発光素子11には、例えばLED等、面発光する発光ダイオードを好適に用いることができる。発光素子11は、発光面11Aを上に向けて配置され、実装基板12の裏面12Aに実装される。つまり、実装基板12は、裏面12Aが実装面として構成され、当該実装面12Aを下に向けて配置される。実装基板12の略中央には、発光素子11の発光面11Aが臨む開口12Bが形成される。実装基板12の実装面12Aには、発光素子11に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタ14が略垂直に突設される。発光素子11は、絶縁板13を間に挟んで取付台30の上面31に載置される。絶縁板13は、セラミック等の絶縁性と熱伝導性に優れた材料を用いて形成される。
【0014】
取付台30の上面31には、反射鏡20が固定される。反射鏡20は、焦点が発光素子11の位置に合うように構成されて、発光素子11の配光、例えば、光が広がる角度、を制御する。光源ユニット1は、詳細については、後述するが、取付台30に光源モジュール10及び反射鏡20を固定した際に、反射鏡20の焦点が発光素子11の位置に合うように構成されている。反射鏡20は、熱伝導性に優れた、高熱伝導性材を用いて、例えば、アルミニウムダイキャスト等によって、形成され、内周面が鏡面の反射部21と、反射部21の下端に設けられたフランジ部24と、を備える。反射部21の上端には、放射開口22が設けられ、放射開口22には、カバー40が取り付けられる。放射開口22には、周縁部にカバー40が係止される係止孔23が周方向に並べて複数設けられている。反射鏡20の下端部側に設けられたフランジ部24は、取付台30に挿入固定される。
【0015】
取付台30は、熱伝導性に優れた高熱伝導性材を用いて、例えば、アルミニウムダイキャスト等によって形成され、上面31側には、周壁32に、反射鏡20を固定する固定部33が備えられる。固定部33は、周壁32の周方向に180度間隔で2箇所に設けられる。固定部33は、周壁32の2箇所に固定される他に、例えば、120度間隔で、或いは、90度間隔で複数設けられる構成であっても良い。
図3は、固定部33の拡大図であり、固定部33は、取付台30の周壁32を上縁から上下方向に切り欠いた縦溝33Aと、この縦溝33Aの下端部から横に延びる横溝33Bと、横溝33Bの端部を上側にわずかに拡径したロック溝33Cとを備える。反射鏡20のフランジ部24には、下端部25に凸部26が設けられる。反射鏡20は、図3中に破線矢印Xで示すように、取付台30に、固定部33の縦溝33Aと、フランジ部24の凸部26と、の位置を合わせて、固定部33に挿入される。次に、反射鏡20は、凸部26を、横溝33Bに沿って、凸部26がロック溝33Cに引っ掛かるまで、固定部33に対して回転させられて、取付台30にねじ込み固定される。
【0016】
図4は、反射鏡20の取付台30への挿入状態を示す部分拡大断面図であり、反射鏡20は、図4(A)、及び、図4(B)に示すように、フランジ部24の外周の径寸法R1が、取付台30の周壁32の内周径寸法R2よりも僅かに大きく形成され、下端部25には、下方に向かい縮径する約2°程度の傾き(テーパ)αが形成される。また、フランジ部24の形状に対応させて、取付台30の周壁32にも同様に、上方に向かい拡径する約2°程度の傾き(テーパ)βが形成されている。そのため、反射鏡20のフランジ部24を取付台30に挿入する際に、挿入し易く、且つ、下端部25の周縁25Aは、取付台30の周壁32に面で接触可能となる。これにより、光源モジュール10の熱を、取付台30、及び、反射鏡20に伝熱させて、取付台30、及び、反射鏡20の表面から効率よく放熱させることができる。
【0017】
この構成によれば、反射鏡20を、取付台30にねじ等の固定具や、固定治具等を用いることなく簡単にねじ込み固定することができるため、光源ユニット1の組み立て時の作業性を向上することができる。また、反射鏡20を取付台30にねじ等の固定具で固定する場合には、ねじ孔などを形成するために、取付台30の外形寸法が大きくなることが考えられるが、本構成によれば、反射鏡20を、取付台30にねじ等の固定具で固定必要がないため、取付台30の小型化を図ることができ、発光素子11の発光部の外径と、取付台30の外径との比を、例えば、1対5以下に形成することができる。また、ねじ等の固定具を用いる必要がなく、コストの削減を図ることができる。
【0018】
取付台30は、底面37側に、取付部(下端部)34を備える。取付部34は、詳細については後述するが、光源ユニット1が設置される不図時の設置面又は取付器具に予め設けられた保持アダプター50に係合して保持される係合部35を備える。
【0019】
光源モジュール10は、図5に示すように、略矩形に形成された実装基板12を、略矩形に形成された絶縁板13に対して互いの各頂点が45度ずれるようにして構成される。実装基板12の頂点の1つには、コネクタ14が裏面12Aから突設される。実装基板12は、絶縁板13に、位相を45度ずらして設けられため、実装基板12の裏面12Aからコネクタ14を突設させても、コネクタ14を、絶縁板13に遮られることなく、下方に延ばすことができる。
取付台30は、上面31に、光源モジュール10の外形形状に合わせて形成され、光源モジュール10の位置決めをする溝31Aと、31Bと、を備える。溝31Aは、絶縁板13の外径形状に合わせて形成され、溝31Bよりも深く形成される。溝31Aの上面には絶縁板13が載置される。溝31Bは、実装基板12の外形形状に合わせて形成される。溝31Aと、溝31Bとは、溝31Aの上面に絶縁板13を載置した際に、溝31Bの上面に実装基板12が載置されるように構成されている。
【0020】
取付台30は、図6に示すように、上面31に、底面37側に貫通する貫通孔36を備える。貫通孔36には、光源モジュール10を取付台30の上面31に載置した際に、実装基板12の裏面12Aに突設されたコネクタ14が入り込むように構成されている。この構成によれば、発光素子11に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタ14を実装基板12の裏面12Aから突設させて、このコネクタ14を取付台30の上面31から底面37側に貫通する貫通孔36に入り込ませて、光源モジュール10を、取付台30に取り付けることができる。これにより、リード線を貫通孔36を通して配線することができ、光源ユニット1の配線を、光源ユニット1の上側、或いは、横側に出す必要が無い為、光源ユニット1の外径内で配線を行うことができる。また、光源モジュール10の配線を気にすることなく、光源モジュール10と反射鏡20との固定を行うことができる。これにより、組み立て時に反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡の焦点と光源の位置ずれを防止することができる。
【0021】
また、この構成によれば、配線によって反射鏡20の焦点位置が、発光素子11の位置からずれることを気にすることなく、組み立て時に反射鏡20の焦点と発光素子11の位置合わせを簡単に高精度に行うことができる。また、光源モジュール10の配線を貫通孔36を介して行うことができるため、電線を光源ユニット1を設置面又は/及び取付器具に取り付ける取付部34を備える取付台30の底面37側から配線することができ、配線時に、部品との接触によって電線に傷などの影響が及ぶのを防止することができ、品質の安定化を図ることができる。また、リード線を光源ユニット1の底面側から引き出されて、外径内で配線することができるため、光源モジュール10と、反射鏡20と、取付台30とで一体に構成された光源ユニット1の配線を光源ユニット1の組み立て後に、電源に電気接続することができるため、光源ユニット1を、例えば既存の照明装置の光源の代替として用いる等、様々な用途で使用することが可能となる。
【0022】
反射鏡20は、フランジ部24の下端部25が取付台30に挿入固定され、下端部25の周縁25Aは、取付台30の周壁32に面で接触する。また、フランジ部24の、下端25Bは、取付台30の上面31に面で接触する。これらの構成によれば、反射鏡20、及び、取付台30は、高熱伝導性材から形成され、取付台30の上面31に光源モジュール10を載置し、反射鏡20の下端部25と、取付台30とを面で接触させた。これにより、光源モジュール10の熱を、取付台30、及び、反射鏡20に伝熱させて、取付台30、及び、反射鏡20の表面から効率よく放熱させることができる。
【0023】
取付台30の上面31には、反射鏡20の光軸周りに環状の溝である環状溝36Bが形成される。環状溝36Bには、パッキンやOリング等の弾性部材41が、反射鏡20の光軸周りに均等に備えられている。弾性部材41は、高い熱伝導性を有するシリコンゴムなどから形成される。取付台30に反射鏡20を取り付ける際には、取付台30の上面31、及び/或いは、反射鏡20のフランジ部24の下端部25には、熱伝導性に優れた高熱伝導接着剤(シリコンシーリング材)が塗布される。次に、反射鏡20は、凸部26の位置を固定部33の縦溝33Aに合わせて、フランジ部24の下端部25を、取付台30に挿入する。続いて、凸部26が、ロック溝33Cに係合するまで、固定部33に沿って反射鏡20を回転させて、反射鏡20は、取付台30にねじ込み固定される。この際に、弾性部材41は、弾性変形し、反射鏡20を上方に押圧する。凸部26が、固定部33のロック溝33Cの位置まで来ると、反射鏡20は、弾性部材41の反発弾性作用によって押し上げられて、ロック溝33Cに係止される。
【0024】
この構成によれば、弾性部材41によって、反射鏡20の凸部26がロック溝33Cに係止されるため、反射鏡20を取付台30に接着固定する高熱伝導接着剤が硬化するまでの間、反射鏡20が取付台30に対して回転するのを防止することができるため、組み立て作業の効率化を図ることができる。また、反射鏡20の下端25Bを、弾性部材41で押圧して、接着剤が硬化するまで保持することができるため、反射鏡20を所望の位置に固定することができる。これにより、組み立て時に反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置ずれを防止することができる。
【0025】
光源ユニット1は、光源モジュール10と、フランジ部24の間に、発光素子11の発光を遮らないように発光素子11の上方に孔43を有し、弾性を有する材料から形成されたパッキン(弾性部材)42を備える。パッキン42は、高い絶縁性、及び熱伝導性を有するシリコン材等から形成される。パッキン42は、光源ユニット1を組み立てた際に、光源モジュール10の上面と、反射鏡20の下面との間に配置され、光源モジュール10を取付台30の上面31に対して押圧すると共に、反射鏡20を反発弾性作用により押圧する。
【0026】
この構成によれば、光源モジュール10、及び、反射鏡20は、パッキン42に押圧されて、所望の位置に固定されるため、組み立て時に反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置ずれを防止することができる。また、この構成によれば、光源モジュール10は、パッキン42を間に挟んで、反射鏡20によって取付台30の上面31に押さえつけて固定することができ、組み立て時の作業性を向上することができる。
【0027】
次に、光源ユニット1の設置面又は/及び取付器具への取付構造について説明する。取付台30は、図7に示すように、底面37側に、取付部34を備える。取付部34は、光源ユニット1を不図示の設置面又は/及び取付器具へ取り付けるために形成され、光源ユニット1の設置面又は/及び取付器具に設けられた保持アダプター50に挿入固定される。保持アダプター50は、上面50A側に、取付部34が挿入される環状の環状部54を備える。保持アダプター50の底面側には、保持アダプター50を保持アダプター50の底面側から嵌合されるねじ等で設置面又は/及び取付器具へ固定できる程度の深度を有するベース部59を備える。
【0028】
環状部54には、取付部34を環状部54に挿入固定する際に、取付部34に設けられたガイド凸部38をガイドするガイド溝51が備えられる。環状部54の内側には、図8に示すように、弾性鋼材で形成された弓状のバネ55が挿入されている。バネ55は、1本の棒状の弾性鋼材を任意の形状に曲げて形成される。バネ55は、図9に示すように、バネ55を環状部54に装着した際に、環状部54のスリット52に挿着される挿着部56を備える。バネ55は、周方向外側に突出する複数の挿着部56を備え、挿着部56間には、周方向内側に突出するように曲げられた突出部57を備える。
【0029】
取付部34は、保持アダプター50に挿着されたバネ55に係合する係合部35を備える。係合部35は、取付部34のガイド凸部38を、保持アダプター50のガイド溝51に沿って挿入しねじ込んだ際に、バネ55を弾性変形させて引きかけられる。図9(A)は、取付部34を、保持アダプター50に挿入した際のバネ55と、係合部35の構成を示すであり、図9(B)は、取付部34を保持アダプター50に対してねじ込んで、係合部35によってバネ55が変形している状態を示す図であり、図9(C)は、バネ55が弾性変形し、係合部35がバネ55に係止している状態を示す図である。
【0030】
取付部34は、図10に示すように、ガイド凸部38をガイド溝51に沿って、ガイド溝51の最も奥まで来るように環状部54に対してねじ込んだ際に、係合部35がバネ55に係止される位置となるように設定されている。この構成によれば、光源ユニット1は、取付部34に設けられたガイド凸部38を、保持アダプター50のガイド溝51に沿って挿入し、ねじ込むことで、バネ55の弾性変形を利用して、ねじ等を用いることなく、保持アダプター50に脱着自在に取り付けることができ、光源ユニット1は、設置面又は/及び取付器具へ取付/交換を、簡単に行うことができる。
【0031】
保持アダプター50は、ベース部59に、表裏に貫通しリード線を通す孔58を備える。この構成によれば、光源ユニット1に延びるリード線を保持アダプター50の孔58を通して、配線することができ、リード線を光源ユニット1、及び、保持アダプター50の外径内で配線することができる。また、保持アダプター50は、ベース部59に、設置面又は/及び取付器具から延びるアーム等の支持部材を保持アダプター50にねじ等で固定することができる固定孔53を備える構成であってもよい。光源ユニット1は、例えば、壁面等の設置面に保持アダプター50を直接固定して、スポットライト等の照明装置として用いることができる。
【0032】
保持アダプター50は、光源ユニット1の使用用途や、光源ユニット1を取り付ける設置面又は/及び取付器具の形状に基づいて、任意の形状に形成することができる。例えば、図11に示すように、環状部54に、環状部54を光源ユニット1の設置面又は/及び取付器具に固定するベース部59を備える保持アダプター60を用いても良い。ベース部59には、保持アダプター60を光源ユニット1の設置面又は/及び取付器具に不図示のねじで固定するためのねじ孔61が周方向に間隔をあけて複数設けられている。保持アダプター60は、上述の保持アダプター60と同様に、環状部54の内側には、バネ55が挿着されている。この構成によれば、設置面又は/及び取付器具に予め保持アダプター60を固定しておくだけで、光源ユニット1を、保持アダプター60にねじ込み固定して取り付けることができ、光源ユニット1の設置面又は/及び取付器具への取付/交換を、簡単に行うことができる。
【0033】
また、光源ユニット1は、図12に示すように、電源基板71を内部に備える照明装置70の灯具本体72内に挿入して、照明装置70の光源として用いることができる。照明装置70は、灯具本体72を、任意の設置面74にアーム73で指示して、例えばスポットライトとして用いることができる。照明装置70は、灯具本体72の端部がそれぞれ、前面カバー75、蓋体76で閉じられている。この構成において、照明装置70は、灯具本体72の内部に、上述の保持アダプター50,60を内蔵し、光源ユニット1を、この保持アダプター50,60にねじ込み固定可能に構成されていても良い。
また、図示は省略するが、照明装置70の灯具本体72に、光源ユニット1、および、実装基板12を内蔵する際に、前面カバー75と反射鏡20との間、および、電源基板71と蓋体76との間、に高い絶縁性、及び、熱伝導性を有するシリコン材等から形成される弾性部材(パッキン)を用いて支持する構成とし、灯具本体72への雨水等の浸入を防止し、屋外で使用可能にすることもできる。
【0034】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、発光素子11および発光素子11を実装した実装基板12を備える光源モジュール10と、光源モジュール10が上面31に載置され、設置面又は/及び取付器具に取り付けられる取付部34が底面37側に設けられた取付台30と、取付台30の上面31に固定され、光源モジュール10の配光を制御する反射鏡20と、を備え、発光素子11に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタ14を実装基板12の裏面12Aに突設し、取付台30の上面31には底面37側に貫通し実装基板12が載置されたときにコネクタ14が入り込む貫通孔36を設けた。
【0035】
この構成によれば、光源モジュール10に接続されるリード線は、反射鏡20が備えられた発光素子11の発光部の上側、つまり、光源モジュール10の表面からではなく、取付台30の貫通孔36を通して、実装基板12の裏面12Aのコネクタ14に接続することができる。これにより、光源モジュール10を取付台30の上面31で受けることができ、光源モジュール10を反射鏡20の焦点位置からずれることなく設けることができる。また、反射鏡20を取付台30の上面31に固定することで反射鏡20の焦点位置を光源モジュール10に簡単に合わせることができる。さらに、コネクタ14を貫通孔36に入り込ませることで、光源モジュール10を取付台30に対して位置決めすることができる。これらの構成により、光源ユニット1の組み立て時に反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置ずれを防止することができる。
【0036】
また、本発明を適用した実施形態によれば、取付台30には反射鏡20の下端部25が挿入固定され、反射鏡20の下端25Bと取付台30の間には、挿入された反射鏡20の下端25Bを押圧する弾性部材41を備えた。これにより、反射鏡20の下端25Bと、取付台30の上面31との間の製造誤差等によるがたつきを弾性部材41で吸収し、反射鏡20の焦点が光源モジュール10に合うように、反射鏡20を取り付けることができ、るため、光源ユニット1の組み立て時に反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置合わせを高精度に行うことができ、反射鏡20の焦点と光源モジュール10の位置ずれを防止することができる。
【0037】
また、本発明を適用した実施形態によれば、反射鏡20、及び取付台30が高熱伝導性材から形成され、反射鏡20の下端部25には取付台30に挿入されて取付台30と面で接触するフランジ部24を備えたため、光源モジュール10の発熱は、光源モジュール10が載置された上面31を介して取付台30に伝導され、取付台30に面で接触するフランジ部24を介して反射鏡20に伝導される。これにより、取付台30、及び、反射鏡20の表面から光源モジュール10の発熱を光源ユニット1の外部に効率よく放熱させることができ、光源モジュール10の発熱が光源ユニット1の内部に籠るのを防止することができる。
【0038】
また、本発明を適用した実施形態によれば、反射鏡20の下端部34を取付台30にねじ込み固定したため、反射鏡20を取付台30にねじ等の固定具を用いて固定する必要がないため、組み立て時の作業の効率化を図ることができる。また、例えば反射鏡20を取付台30に上からねじ止めする場合には、取付台30にねじ孔を形成するため、取付台30の外径寸法が反射鏡20よりも大きくなるが、この構成によれば、反射鏡20を取付台30にねじ込み固定可能に構成したため、取付台30の小型化を図ることができる。
【0039】
また、本発明を適用した実施形態によれば、取付台30の取付部34には、設置面又は/及び取付器具に設けられた保持アダプター50,60に係合して保持される係合部35を備えたため、光源ユニット1をねじ止め等することなく、設置面又は/及び取付器具に簡単に取り付け・交換することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 光源ユニット
10 光源モジュール(光源)
11 発光素子
12 実装基板
12A 実装面(実装基板裏面)
14 コネクタ
20 反射鏡
24 フランジ部
25 下端部
30 取付台
31 上面
34 取付部
35 係合部
36 貫通孔
37 底面
41、42 弾性部材(パッキン)
50、60 保持アダプター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子および前記発光素子を実装した実装基板を備える光源モジュールと、
前記光源モジュールが上面に載置され、設置面又は/及び取付器具に取り付けられる取付部が底面側に設けられた取付台と、
前記取付台の上面に固定され、前記光源モジュールの配光を制御する反射鏡と、を備え、
前記発光素子に電気的に接続され、リード線が接続されるコネクタを前記実装基板の裏面に突設し、前記取付台の上面には前記底面側に貫通し前記実装基板が載置されたときに前記コネクタが入り込む貫通孔を設けた
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記取付台には前記反射鏡の下端部が挿入固定され、前記反射鏡の下端と前記取付台の間には、挿入された反射鏡の下端を押圧する弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記反射鏡、及び前記取付台が高熱伝導性材から形成され、
前記反射鏡の下端部には前記取付台に挿入されて前記取付台と面で接触するフランジ部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記反射鏡の下端部を前記取付台にねじ込み固定したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記取付台の取付部には、前記設置面又は/及び前記取付器具に設けられた保持アダプターに係合して保持される係合部を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光源ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−89580(P2013−89580A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232394(P2011−232394)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000126274)株式会社アイ・ライティング・システム (56)
【Fターム(参考)】