説明

光源位置決め補助装置およびこれを備えた光源装置

【課題】無影灯のような複数光源を有する光源装置の中心位置の把握を容易とし、正確かつ迅速に位置決めを行うための補助となる光源位置決め補助装置および光源位置決め補助装置を備えた光源装置を提供すること。
【解決手段】硬質素材により形成される外装と、直進性・指向性を有する光線を照射する光線光源とを備え、外装が、光線光源から照射される光線を透過する光透過部を有し、光線光源は、該光線光源から照射される光線が光透過部を通過するように、外装の内部に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば無影灯など複数光源を有する光源装置を用いる際に、光源装置の位置決めを補助し、正確な位置決めを行うことができる光源位置決め補助装置およびこれを備えた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設などに設けられた手術室などには、患者の手術対象となる部位に対して、無影灯など複数光源を有する光源装置を用いて照明がなされる。このような光源装置を用いた照明では、一般的に、手術を行う施術者が光源装置のハンドルを持って、任意の位置に移動させることによって、位置決めを行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば、無影灯のような複数光源を有する光源装置では、その中心位置の把握が困難なため、手術中の術野視野を確保するために手間取る場合があった。
本発明はこのような現状に鑑み、例えば、無影灯のような複数光源を有する光源装置の中心位置の把握を容易とし、正確かつ迅速に位置決めを行うための補助となる光源位置決め補助装置および光源位置決め補助装置を備えた光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、本発明の光源位置決め補助装置は、複数光源を有する光源装置に装着して、光源装置の位置決めを補助するための光源位置決め補助装置であって、
硬質素材により形成される外装と、
直進性・指向性を有する光線を照射する光線光源と、を備え、
前記外装が、光線光源から照射される光線を透過する光透過部を有し、
前記光線光源は、該光線光源から照射される光線が光透過部を通過するように、外装の内部に配置されていることを特徴とする。
【0005】
また、本発明の光源位置決め補助装置は、前記外装が、滅菌処理が行える素材によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光源位置決め補助装置は、前記外装が、略円筒形状であることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の光源位置決め補助装置は、前記光線光源が、レーザー光の光源であることを特徴とする。
また、本発明の光源位置決め補助装置は、前記光線光源が、可視光線を照射することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の光源位置決め補助装置は、前記光透過部が、滅菌処理が行える素材によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光源装置は、複数の光源を備えた光源装置であって、
上記のいずれかの光源位置決め補助装置が、前記光源装置の中心軸に装着されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の光源装置は、無影灯であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、直進性・指向性を有する光線を照射する光線光源が、外装内部に配置されているため、この光源位置決め補助装置を、複数光源を有する光源装置に装着することによって、中心軸の分かりづらい複数光源を有する光源装置であっても、正確にかつ迅速に光源装置の位置決めをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の光源位置決め補助装置の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1の光源位置決め補助装置の中央断面図である。
【図3】図3は、図1の光源位置決め補助装置を光源装置に装着した場合の概略構成図であり、図3(a)は、光源装置の正面図、図3(b)は、光源装置の側面図である。
【図4】図4は、本発明の光源位置決め補助装置から照射される光線の進行方向を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を、図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の光源位置決め補助装置の概略構成図、図2は、図1の光源位置決め補助装置の中央断面図、図3は、図1の光源位置決め補助装置を光源装置に装着した場合の概略構成図である。
【0012】
図1および図2に示すように、本発明の光源位置決め補助装置10は、外装12と、光線光源14と、光透過部16から構成されている。
外装12は、例えば、鉄、アルミニウムなどの金属やプラスチックなど、人間が手で握った際に大きく変形しない程度の強度を有する素材(硬質素材)が用いられる。特に、後述するような、手術室等に設置される無影灯に装着して使用する場合には、ガス・煮沸滅菌や乾熱滅菌、オートクレーブなどの滅菌処理が行えるような素材であることが好ましい。
【0013】
また、外装12の形状としては、人間が手で握ることを考慮して、例えば、直径3cm〜10cm程度の略円筒形状とすることが好ましい。
また、光線光源14は、例えば、レーザー光などの直進性・指向性を有する光線の光源が用いられる。なお、光線の出力や波長(光線の色)などは、特に限定されるものではないが、後述するような、手術室等に設置される無影灯に装着して使用する場合には、可視光線であり、かつ、出力が1mW未満であることが好ましい。
【0014】
また、光透過部16は、外装12の一部を構成しており、光線光源14から照射された直進性・指向性を有する光線を透過される箇所であり、例えば、ガラスやプラスチックなどの透光性を有する素材が用いられる。特に、後述するような、手術室等に設置される無影灯に装着して使用する場合には、ガス・煮沸滅菌や乾熱滅菌、オートクレーブなどの滅菌処理が行えるような素材であることが好ましい。
【0015】
なお、光線光源14の電源としては特に限定されるものではないが、例えば、外装12内に収まる大きさの電池(図示せず)を用いてもよいし、後述するような、手術室等に設置される無影灯に装着して使用する場合には、無影灯から電力が供給されるように構成してもよい。
【0016】
なお、符号18は、光線光源14の動作の入切を操作するためのスイッチ、符号20は、後述する光源装置22に装着するための継手部である。
このように構成される本発明の光源位置決め補助装置10は、図3に示すように、複数光源24を有する光源装置22の中心位置22aに装着して使用される。
【0017】
このように、光源位置決め補助装置10を光源装置20に装着した状態で、光線光源14を動作させると、図4に示すように、光線光源14から光線14aが照射され、光源装置20の中心位置が照射されることになる。
【0018】
このように、光源を照射したい場所(術野)に、光源の中心軸を示す直進性・指向性を有する光線を照射することで、光源の中心を簡便に把握することができ、光源装置20の焦点を調整しやすくすることができる。
【0019】
なお、複数光源を有する光源装置20として、例えば、手術室等に設置される無影灯を用いる場合には、本発明の光源位置決め補助装置10の継手部22の形状を、既存の無影灯の滅菌ハンドルの継手と同様な形状とすることによって、本発明の光源位置決め補助装置10を既存の無影灯にも装着することができる。
【0020】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、舞台などのステージ上の物や人物に対して、複数光源を有する光源装置を用いて遠方より照射する場合などでも正確に照射することが可能であるなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0021】
10 光源位置決め補助装置
12 外装
14 光線光源
14a 光線
16 光透過部
18 スイッチ
20 継手部
22 光源装置
24 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数光源を有する光源装置に装着して、光源装置の位置決めを補助するための光源位置決め補助装置であって、
硬質素材により形成される外装と、
直進性・指向性を有する光線を照射する光線光源と、を備え、
前記外装が、光線光源から照射される光線を透過する光透過部を有し、
前記光線光源は、該光線光源から照射される光線が光透過部を通過するように、外装の内部に配置されていることを特徴とする光源位置決め補助装置。
【請求項2】
前記外装が、滅菌処理が行える素材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源位置決め補助装置。
【請求項3】
前記外装が、略円筒形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の光源位置決め補助装置。
【請求項4】
前記光線光源が、レーザー光の光源であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光源位置決め補助装置。
【請求項5】
前記光線光源が、可視光線を照射することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光源位置決め補助装置。
【請求項6】
前記光透過部が、滅菌処理が行える素材によって形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光源位置決め補助装置。
【請求項7】
複数の光源を備えた光源装置であって、
請求項1から6のいずれかに記載の光源位置決め補助装置が、前記光源装置の中心軸に装着されたことを特徴とする光源装置。
【請求項8】
前記光源装置が、無影灯であることを特徴とする請求項7に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−204365(P2011−204365A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67700(P2010−67700)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】