説明

光源装置およびそれを備えた擬似太陽光照射装置

【課題】放射角が制御された光を高効率に集光し、且つ、小型化を実現した光源装置と、当該光源装置を備えた擬似太陽光照射装置を提供する。
【解決手段】本発明の光源装置10は、光源11と、光源11からの光を集光する楕円リフレクタ14と、楕円リフレクタ14と対向する位置に配置され、断面が光源位置を略中心とする円弧であり、光を出射するための開口部21を有したフロントリフレクタ16と、フロントリフレクタ16と対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタ13を備えており、加えて、開口部21と同じ大きさの光入射面を有する導光体30が光入射面を開口部21に近接させて設けられている。そして導光体30の光入射面の径が、楕円リフレクタ14の楕円短軸18と楕円面との交点から楕円リフレクタ14の第2焦点20までを結ぶ線分と一致する様に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擬似太陽光を照射する擬似太陽光照射装置、および当該擬似太陽光照射装置に設けられる光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光に近い人工光(擬似太陽光)を照射できる装置の需要が高まっている。特に、太陽電池技術の急速な発展と普及とに伴い、太陽電池の検査、測定、および実験に利用可能な、高精度の擬似太陽光を照射できる装置が特に求められている。
【0003】
擬似太陽光に求められる主要な要素は、その発光スペクトルを自然の太陽光に近づけることである。特許文献1には、その一例として、拡散光照射方式を用いた擬似太陽光照射装置が開示されている。図12に、当該擬似太陽光照射装置の構成を示す。図12に示す擬似太陽光照射装置は、擬似太陽光の照射範囲より小面積の光放射面に光学フィルタ103を取り付け、内部にキセノンランプ102等のランプを設置したランプハウジング101と、該ランプハウジング101の光学フィルタ103に対向する側に配置した反射板105を具備して成り、キセノン光を光学フィルタ103に透過させることによって、擬似太陽光を照射する。
【0004】
また、ランプ光源から放射された光を高効率に集光する手段として、楕円反射鏡や集光鏡が使用されることが多い。特許文献2には、その一例として、楕円反射鏡と集光鏡を用いた照明装置が開示されている。図13に、当該照明装置の構成を示す。図13に示す照明装置は、楕円反射鏡202の第1焦点に配置されたランプ201の光源201aから放射された光を、第2焦点に集光する。楕円反射鏡202による集光領域は、その第2焦点において一定の広がりを持っている為、集光鏡203がない場合には、ロッドレンズ204に入射しない光がある。そこで集光鏡203は、楕円反射鏡202により集光された光をロッドレンズ204の入射面にもれなく入射させるために、ロッドレンズ204の入射面よりも小さい領域に光を再集光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−28785号公報(2003年1月29日公開)
【特許文献2】特開2007−234527号公報(2007年9月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した図12に示す構成では、光学フィルタ103に入射する光の指向性(放射角)が制御されていない。すなわち、キセノンランプ102から照射された光が光学フィルタ103に入射するまでにその指向性を制御する構成がない。そのため、散乱光が光学フィルタ103に入射する構成となっている。したがって、図12のような構成では、入射角依存性を有した光学フィルタ103において光の損失が大きく、且つ、光学フィルタ103の特性を充分に活かすことができず、所望の特性を得ることができないという問題がある。
【0007】
また、上述した図13に示す構成では、楕円反射鏡202により指向性制御された光が一旦は得られる。しかしながら、ロッドレンズ204の入射面よりも小さい領域に光を集光鏡203により再集光する過程で、指向性(放射角)が大きく乱され、所望の指向性を有した光を得ることはできない。すなわち、図13のような構成では、指向性(放射角)
が制御された光を高効率に集光することができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、放射角を制御することができ、且つ、集光率の高効率化を実現した小型の光源装置と、当該光源装置を備えた擬似太陽光照射装置を提供することにある。
【0009】
すなわち、本発明に係る第1の光源装置は、上記の課題を解決するために、
光を放射する管状の光源と、
上記光源をその第1焦点に位置するように配置して、該光源から放射される光をその第2焦点に集光する楕円リフレクタと、
上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源の位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部が設けられたフロントリフレクタと、
上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、
上記管状の光源の長手軸線方向に対して直交するリフレクタ面を有するサイドリフレクタと、
上記フロントリフレクタの上記開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体とを備えた光源装置であって、
上記導光体の上記光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることを特徴としている。
【0010】
また本発明に係る第2の光源装置は、上記の課題を解決するために、
光を放射するバルブ光源と、
上記バルブ光源をその第1焦点に位置するように配置して、該バルブ光源から放射される光をその第2焦点に集光する楕円リフレクタと、
上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面がバルブ光源の位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部が設けられたフロントリフレクタと、
上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、
上記フロントリフレクタの上記開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体とを備えた光源装置であって、
上記導光体の上記光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、本発明に係る第1および第2の光源装置は、上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源の位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部を有したフロントリフレクタを備えている。これにより、楕円リフレクタで反射された光を、その指向性を大きく乱すことなく、フロントリフレクタの開口部へ導くことができる。なお、「光源位置を中心とする円弧」とは、必ずしも光源位置の厳密な中心である必要はなく、光源位置を中心とした場合と同等の作用効果を奏するものであればよく、実質的に光源位置を中心とした円弧であればよい。
【0012】
また、上記の構成によれば、本発明に係る第1および第2の光源装置は、上記フロントリフレクタの開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体を備えている。そのた
め、スペクトル変調用部材を当該光出射面に配置した場合であっても、指向性が制御された光をスペクトル変調用部材に入射させることが可能となる。よって、スペクトル変調用部材の特性を充分に活かすことができる光源装置を提供することができる。
【0013】
また、上記の構成によれば、フロントリフレクタの開口部に導光体の入射面が配置されている。これにより、楕円リフレクタによって角度制御された光を導光体に直接取り出すことができる。
【0014】
また、上記の構成によれば、フロントリフレクタの開口部と導光体の入射面とが等しい大きさに構成されている。これにより、最も高効率に指向性を制御された光を導光体に入射させることができる。上述した図13では、楕円反射鏡によって光は一旦は指向性制御されるものの、集光鏡で反射されることでランダム光に変換されてしまい、入射角が光軸方向に0°〜90°、厳密には限りなく90°に近い入射角を有する光がロッドレンズに入射することになる。しかしながら、上記の構成を具備する本発明の光源装置によれば、上述のように、楕円リフレクタによって角度制御された光を導光体に直接取り出すことができ、且つ、最も高効率に指向性を制御された光を導光体に入射させることができる。
【0015】
特に、導光体の光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることにより、出射指向性を大きく劣化させること無く、出射効率の改善を図ることができる。
【0016】
また、上記の構成によれば、円リフレクタを配設している。これにより、光源の側面の楕円リフレクタを光源の下方(導光体に対向していない側)に延長すると、楕円面と光源とが干渉し、極率の異なる楕円面では、焦点位置がずれてしまい、目的とする集光位置(第2焦点)に光を集める事ができない。これに対して、本発明のように、光源と同心円の円リフレクタを、導光体に対向していない側に配置することで、光源から出た光は正反対の方向に反射され、導光体に対向する側の楕円リフレクタで反射され、第2焦点付近に集光させることができる。
【0017】
また、上記の構成によれば、管状の光源を配設した場合には、その長手軸線方向に対して直交するリフレクタ面を有するサイドリフレクタを具備している。これにより、管状の光源から放射状に放射される光の指向性を、楕円リフレクタとともに制御して、フロントリフレクタの開口部への導くことができる。
【0018】
以上のことから、上記の構成を具備する本発明によれば、放射角を制御することができ、且つ、集光率の高効率化を実現した、小型化を可能とする光源装置を提供することができる。
【0019】
また、本発明に係る第1および第2の光源装置は、上記の構成に加えて、
上記フロントリフレクタの上記開口部の直径は、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との2つの交点それぞれから上記楕円リフレクタの上記第2焦点までを結ぶ線分同士の間の距離と一致していることが好ましい。
【0020】
上記の構成とすれば、出射指向性を大きく劣化させること無く、出射効率の改善を図ることができる。
【0021】
また、本発明に係る第1および第2の光源装置は、上記の構成に加えて、
上記導光体は、上記光入射面から上記光出射面に向けてその幅が徐々に広くなるテーパー形状を成していることが好ましい。
【0022】
上記のようにテーパー形状を成した導光体を用いることによって、導光体内部(導光領域)を通過する光の放射指向性をランダムなものから一定方向のものへと変えることができる。
【0023】
よって、このような導光体を配設することにより、所定の指向性を有した光を、導光体の光出射面から出射させることができ、このような光をスペクトル変調用部材に入射させることができる。
【0024】
また、本発明に係る第1および第2の光源装置は、上記の構成に加えて、
入射した光から特定の波長帯域のスペクトルを減衰させた光を出射するように構成されたスペクトル変調用部材を、上記導光体の上記光出射面の側に配置していることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、上記導光体の光出射面から出射される所定の指向性を有した光がスペクトル変調用部材に入射するので、スペクトル変調用部材の上述の特性を充分に活かすことができる。
【0026】
ここで、スペクトル変調用部材は、いわゆる光学フィルタであり、上述したように入射角依存性を有している。そのため、従来構成では上述のように光学フィルタに対して所定の指向性を有した光が入射しないことによる種々の問題があったが、本構成によれば、スペクトル変調用部材の入射角依存性に合致した光を入射させることができるので光の損失を著しく抑制するができる。
【0027】
また、本構成によれば、所定の指向性を有した光を高効率にスペクトル変調用部材に入射させることが可能であるため、従来構成に比べて、装置の小型化を実現することができる。
このように小型化と高効率化を実現したことで、本発明に係る光源装置を、擬似太陽光照射装置の光源装置として配設すれば、擬似太陽光照射装置を小型化することができる。
【0028】
また、本発明には、上記した構成を具備する光源装置を備えた擬似太陽光照射装置も含まれる。
【0029】
また本発明に係る擬似太陽光照射装置は、上記の構成に加えて、
上記光源装置が、入射した光から特定の波長帯域のスペクトルを減衰させた光を出射するように構成されたスペクトル変調用部材を、上記導光体の上記光出射面の側に配置しており、
更に、上記スペクトル変調用部材から出射する光を入射する導光板を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る第1の光源装置は、以上のように、
光を放射する管状の光源と、
上記光源をその第1焦点に位置するように配置して、該光源から放射される光をその第2焦点に集光する楕円リフレクタと、
上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源の位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部が設けられたフロントリフレクタと、
上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、
上記管状の光源の長手軸線方向に対して直交するリフレクタ面を有するサイドリフレク
タと、
上記フロントリフレクタの上記開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体とを備えた光源装置であって、
上記導光体の上記光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることを特徴としている。
【0031】
また、本発明に係る第2の光源装置は、以上のように、
光を放射するバルブ光源と、
上記バルブ光源をその第1焦点に位置するように配置して、該バルブ光源から放射される光をその第2焦点に集光する楕円リフレクタと、
上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面がバルブ光源の位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部が設けられたフロントリフレクタと、
上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、
上記フロントリフレクタの上記開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体とを備えた光源装置であって、
上記導光体の上記光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、放射角を制御することができ、且つ、集光率の高効率化を実現した、小型化を可能とする光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る擬似太陽光照射装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した擬似太陽光照射装置の一部を拡大した図である。
【図3】図1に示した擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置の構成を示す図である。
【図4】図1に示した擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置の一部の構成を示す図である。
【図5】図1に示した擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置の一部の構成を示す図である。
【図6】図1に示した擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置の一部の構成を示す図である。
【図7】図1に示した擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置の指向性の検証の結果を示したグラフであり、(a)は、導光体の出射面x方向の指向性分布を示したグラフであり、(b)は、導光体の出射面y方向の指向性分布を示したグラフである。(c)は導光体の入射面位置と、導光体の出射効率、導光体の出射指向性の関係を示したグラフである。
【図8】太陽光の基準スペクトルを示したグラフである。
【図9】本発明の一実施形態に係る擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置の別の構成を示した図である。
【図10】図9に示した光源装置の一部の構成を示す図である。
【図11】図9に示した光源装置の一部の構成を示す図である。
【図12】従来の擬似太陽光照射装置の構成を示した図である。
【図13】従来の効率化を目的とした高原装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施の形態1〕
本発明に係る一実施形態について、図1から図8を参照して以下に説明する。
【0035】
本実施形態では、図1に示すように擬似太陽光を照射面80に照射するための擬似太陽光照射装置70について、詳細に説明する。擬似太陽光とは人工光の一種であり、自然光(太陽光)の発光スペクトルに限りなく似た発光スペクトルを有している。照射面には、例えば太陽電池が配置される。
【0036】
本発明は、特に、擬似太陽光照射装置に設けられた光源装置に特徴を有する。そこでまずは全体構成として擬似太陽光照射装置を説明し、続いて、光源装置の詳細について説明する。
【0037】
(擬似太陽光照射装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る擬似太陽光照射装置70の要部構成を示す図である。図1に示すように、擬似太陽光照射装置70は、光源装置10と、筐体3と、反射体2と、導光板4とを備えている。
【0038】
光源装置10は、筐体3の左右にそれぞれ保持されている。本実施形態では、左右に1つずつの光源装置10が配設されているが、その数はこれに限定されるものではなく、また、左右のいずれか一方のみに配設されていてもよい。
【0039】
詳細は後述するが、光源装置10は光源11を有しており、光源11から出射した光が図1の矢印で示すように光源装置10内を通過して反射体2に入射するように構成されている。詳細は後述する。
【0040】
筐体3は、光源装置10を保持するように構成されており、光源装置10を保持している位置の近傍に冷却装置3aを有している。この冷却装置3aにより、光源11に因る擬似太陽光照射装置70全体の温度上昇による測定結果のばらつきを抑制することができる。
【0041】
反射体2は、筐体3の上部において、光源装置10から出射する光を入射できる位置に配設されており、光源装置10から出射する光の光路を所望の方向に変更することができるように構成されている。反射体2としては、反射ミラーを用いることができる。反射体2によって反射された光は、導光板4に入射するように構成されている。
【0042】
導光板4は、筐体3の上面に配設されており、光を出射する光出射面(表面領域60)を上方に向けて配設されている。導光板4には、反射体2によって反射された光が入射して、その内部へと導かれ、照射面80に向けて表面領域60から出射するように構成されている。
【0043】
導光板4の表面領域60から、照射面80に向けて擬似太陽光を照射する際、導光板4に設けられた光反射機構を利用する。
【0044】
図2は、図1に示す導光板4の領域50の一部分の構成を拡大して示した図である。図2に示すように、導光板4の内部には、いずれも光を反射する性質を有する複数の散乱溝4aが設けられている。図2に示すように、導光板4の内部に入射した光は、散乱溝4aによって反射され、照射面80に向けて導かれる。散乱溝4aのピッチおよび形状を工夫することによって、照度の均一性をある程度は高めることができる。これらピッチおよび形状は、導光板4に入射される光の放射指向性に応じて最適化する必要がある。したがっ
て、例えば光源11にキセノンランプを用いた場合、キセノン光の放射指向性に合わせて、導光板4のピッチおよび形状を設計すればよい。
【0045】
なお、導光板4に設けられた光反射機構は、図2の構造に限定されるものではない。例えば、導光板4の表面に凹凸を形成した構造であっても良く、その凹凸構造を実現するために例えば導光板4の表面にビーズ含有インキで複数の塊を形成してなる構造であってもよい。この塊が光を散乱させる散乱体としての機能をもつ。
【0046】
(光源装置の構成)
次に、図3(a)および(b)、並びに図4に基づいて、光源装置10の詳細について説明する。図3(a)および(b)は、光源装置10の構成を示した図であり、図3(a)は、図1と同じ向きからみたときの光源装置1であり、図3(b)は、図3(a)の構成を横からみたときの光源装置10である。図4は、光源装置の詳細構成を示した図であり、図1と同じ向きからみたときの光源装置10である。
【0047】
図3(a)および(b)に示すように、光源装置10は、光源11と、反射部材12と、導光体30と、光学フィルタ40(スペクトル変調用部材)とを有している。光源装置10は、光源11から出射した光が反射部材12を経て導光体30に入射し、導光体30によって導かれて出射した光が光学フィルタ40に入射するように構成されている。
【0048】
(光源11)
光源11は、従来周知の擬似太陽光照射装置の光源として用いられるものを採用することができる。例えば、キセノンランプやハロゲンランプなどである。また、光源11の形状としては、例えば、管状のものを用いることができ、楕円リフレクタ14の第1焦点19の近傍に配置されている。本実施形態では、管状の光源11を備えている構成について説明する。管状の光源11は、その周囲から放射状に光を出射するように構成されている。
【0049】
(反射部材12)
反射部材12は、光源11から出射される光のうち、導光体30以外の方向に出射される光源からの光を入射し、導光体30に向けて反射する機能を有する。
【0050】
反射部材12は、図4に示すように、円リフレクタ13(U字型の反射ミラー、窪み)と、楕円リフレクタ14(U字型の反射ミラー)と、サイドリフレクタ15(側部ミラー)と、フロントリフレクタ16(戻しミラー)とから構成されている。以下、反射部材12の各部材について説明する。
【0051】
円リフレクタ13は、管状の光源11の長手軸の方向に沿って、管状の光源11における導光体30に対向していない側を覆うように形成された溝の形状を有した反射ミラーである。管状の光源11における導光体30に対向していない側から出射した光はそのままだと導光体30に入射することは不可能だが、この光を円リフレクタ13が導光体30に向けて反射させる。これにより、管状の光源11における導光体30に対向していない側から出射した光を、導光体30に入射させることができる。
【0052】
楕円リフレクタ14は、円リフレクタ13の溝形状の端部から導光体30に伸びるように略テーパー形状を成している。ここで、楕円リフレクタ14と円リフレクタ13とは一体的に構成することができ、当該一体構造を、管状の光源11の長手軸に対して垂直に切断した切断面(図4で示す状態)でみると、略U字型を成しているといえる。楕円リフレクタ14は、導光体30以外の方向に出射される光源からの光や、円リフレクタ13によって反射されたものの導光体30以外の方向に反射される光などの光を、導光体30に向
けて反射することができる。楕円リフレクタ14は、反射ミラーによって構成することができる。
【0053】
サイドリフレクタ15は、図3(b)に示すように、管状の光源11における端部に2箇所設けられていて、各々は、互いに離間して設けられており、その離間距離(幅)は、導光体30の入射面よりも広ければ良い。サイドリフレクタ15は、管状の光源11の長手軸に対して垂直方向に広がった面を反射面とするミラーから構成されている。これにより、楕円リフレクタ14と同じく、導光体30以外の方向に出射される光源からの光や、円リフレクタ13によって反射されたものの導光体30以外の方向に反射される光などの光を、導光体30に向けて反射することができる。
【0054】
フロントリフレクタ16は、導光体30の入射面の近傍に配されている。例えば、図3(a)に示すように、フロントリフレクタ16は、導光体30の入射面と隣接する位置に配置されている。フロントリフレクタ16は、図4に示すように、楕円リフレクタ14および円リフレクタ13と対向する位置に、断面が光源位置を略中心とする円弧である反射ミラーを有し、且つ、導光体30の入射面と同形状の開口部21を有した構成となっている。
【0055】
フロントリフレクタ16の開口部21は、楕円リフレクタ14の楕円短軸18と楕円面との交点から、楕円リフレクタ14の第2焦点20までを結ぶ線分と、開口部21の径が一致する構成となっている。
【0056】
フロントリフレクタ16は、僅かに放射角がずれて導光体30の光入射面から反れて当該入射面近傍に向かってしまう光を反射させて、他の反射部材(例えば、楕円リフレクタ14や円リフレクタ13)に向かわせることができる。これは、導光体30の光入射面近傍に届いた光を、一旦、光源が配設された側に戻している。
【0057】
このように、フロントリフレクタ16によれば、光源11の光をより一層効率的に導光体30の入射面に入射させることができる。
【0058】
フロントリフレクタ16の開口部21には、導光体30の光入射面が隣接配置されている。すなわち、反射部材12によって反射されながらフロントリフレクタ16の開口部21まで導かれた光は導光体30の光入射面に直接入射する。これにより、開口部21と導光体30の光入射面との間に隙間があるような構成と比較して、光入射量を高めることができる。
【0059】
以上のように、光源11から直接導光体30の入射面に入射する光に加えて、反射部材12を構成する種々の反射材があることによって、直接導光体30の入射面に入射しない光も反射させて採取的に導光体30の入射面に入射させることができるため、光源11の光の利用効率を向上させることが可能となる。
【0060】
(導光体30)
導光体30は、図3(b)に示すように、その一端(光入射面)から他端(光出射面)に向けて、導光体の幅(図3中のx軸方向の長さ)が徐々に増加する構造である。この幅方向は、上記管状の光源11の長手軸と平行になっている。
【0061】
導光体30の光入射面から入射した光は、内部へ導かれ、光出射面から出射する。光入射面から入射した光が、図3(b)に示す構造の導光体30内を通過する際、その放射方向が一定方向に揃うように変化する。図5は、図3(b)に示す導光体30内を光が通過する様子の一例を示している。図5に示すように、導光体30の側面(テーパー面)は、
光を反射させることができるように構成されている。これにより、反射しながら(反射を繰り返しながら)、その放射方向が一定方向に揃う。図5には、模式的に、反射されながら光出射面に向かう光の光路32を示している。
【0062】
導光体30は、4つの側面を有しており、そのうち2面が対向していて、残りの2面が対向している構造となっている。すなわち、図3(a)に示す一対の対向面(図3(a)ではそのうちの片方の1面が示されている)と、図3(b)に示す一対の対向面(図3(b)ではそのうちの片方の1面が示されている)から構成されている。図5は、図3(a)および(b)に示した導光体30の面の拡大図である。図5をみるとわかるように、導光体30は、一方の対向面は、長方形を有している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示すように、双方の面が、光の出射側に向けて幅が広がったテーパー形状を有したものであってもよい。図6に示す構成のほうが、光の放射角(指向性)をより制御することができる。
【0063】
ここで、光の放射角とは、光軸(z軸)と導光体30の出射面から出射された光がなす角度である。
【0064】
このように導光体30によって、光学フィルタ40に入射する光の指向性(放射角)を制御することができる。すなわち、導光体30は、その入射面から入射した光を、その側面が光反射面として構成された導光領域に導く。この導光領域において、光は側面において反射を繰り返すことで、放射角が制御される。そして、導光体30は、入射面から出射面に向けてその幅が徐々に広くなるテーパー形状を成していることから、導光体内部(導光領域)を透過する光の放射指向性を、ランダムなものから一定方向のものへと変化させることができる。よって、所定の指向性を有した光が、導光体30の出射面から出射されることになる。
【0065】
そして、このような導光体30を光源11と光学フィルタ40との間に配設することにより、所定の指向性を有した光を光学フィルタ40に入射させることが可能となる。光学フィルタ40は入射角依存性を有しているため、従来構成では上述のように光学フィルタに対して所定の指向性を有した光が入射しないことによる種々の問題があったが、本構成によれば、光学フィルタ40の入射角依存性に合致した光を入射させることができるので光の損失を著しく抑制するができる。また、光学フィルタ40の特性を充分に活かすことができる。
【0066】
(光学フィルタ40)
光学フィルタ40は、導光体30の出射面近傍に配置されており、導光体30内を透過した光が入射するように構成されている。光学フィルタ40は、導光体30の出射面と同じ大きさか、当該出射面よりもわずかに大きく構成されているものが好ましい。
【0067】
光学フィルタ40は、特定の波長帯域のスペクトルを減衰させるように構成されたものであり、言い換えれば、或る波長帯域のスペクトルのみを透過するように構成されたものである。このような機能を有するものであれば、採用することができる。
【0068】
(光源装置の指向性と出射効率の検証)
図7(a)および(b)は、本実施形態に係る光源装置10の指向性を検証した結果である。図7(c)は、本実施形態に係る光源装置10を用い、導光体の入射面位置と、導光体出射効率、導光体出射指向性の関係を検証した結果である。導光体出射指向性は±20度以下の光が含まれる割合としている。
【0069】
図7(a)は、導光体30の出射面x方向の指向性分布を示したグラフであり、図7(
b)は、導光体30の出射面y方向の指向性分布を示したグラフである。なお、x方向およびy方向は、図3(a)および(b)に示しているものと同一である。
【0070】
図7(a)および(b)から、放射角(指向性)が制御された光源装置10と、導光体30とを用いることにより、指向性を制御した光を光軸方向に出射することが容易に行うことができる。
【0071】
図7(c)から、導光体30の光入射面の位置を楕円リフレクタ14の第1焦点19側にずらすことで、光出射効率が増加する。所望の出射指向性を満足し、最大の出射効率が得られる位置は、楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面の交点から楕円リフレクタの第2焦点を結ぶ線分と、フロントリフレクタの開口部の径が略一致する位置である。したがって、図7(c)に示す出射効率と、出射指向性を計算、或いは、測定することなく、最適な導光体の入射面位置を容易に求めることができる。例えば、−20mmから−25mm程度が最適である。
【0072】
(本実施形態の作用効果)
以上のように、本実施形態に係る光源装置10は、上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部を有したフロントリフレクタ16を備えている。これにより、楕円リフレクタ14で反射された光を、その指向性を大きく乱すことなく、フロントリフレクタ16の開口部21へ導くことができる。なお、「光源位置を中心とする円弧」とは、必ずしも光源位置の厳密な中心である必要はなく、光源11の位置を中心とした場合と同等の作用効果を奏するものであればよく、実質的に光源11の位置を中心とした円弧であればよい。
【0073】
また、導光体30は、フロントリフレクタ16の開口部21と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御するため、光学フィルタ40を導光体30の光出射面に配置した場合であっても、指向性が制御された光を光学フィルタ40に入射させることが可能となる。よって、光学フィルタ40の特性を充分に活かすことができる光源装置を提供することができる。
【0074】
また、フロントリフレクタ16の開口部21に導光体30の光入射面が配置されている。これにより、楕円リフレクタ14によって角度制御された光を導光体30に直接取り出すことができる。
【0075】
また、上記の構成によれば、フロントリフレクタ16の開口部21と導光体30の入射面とが等しい大きさに構成されている。これにより、最も高効率に指向性を制御された光を導光体30に入射させることができる。
【0076】
また特に、導光体30の光入射面が、楕円リフレクタ14の第2焦点20よりも第1焦点に近い側であって、且つ、楕円リフレクタ14の楕円短軸18と楕円面との交点よりも第2焦点に近い側に配置されていることにより、図7(c)に示す通り、出射指向性を大きく劣化させること無く、出射効率の改善を図ることができる。
【0077】
また、本実施形態における光源装置10は、円リフレクタ13を配設していることにより、光源11の側面の楕円リフレクタ14を光源の下方(導光体に対向していない側)に延長すると、楕円面と光源とが干渉し、極率の異なる楕円面では、焦点位置がずれてしまい、目的とする集光位置(第2焦点)に光を集める事ができない。これに対して、本発明のように、光源11と同心円の円リフレクタ13を、導光体30に対向していない側に配置することで、光源11から出た光は正反対の方向に反射され、導光体30に対向する側の楕円リフレクタ14で反射され、第2焦点付近に集光させることができる。
【0078】
また、上記の構成によれば、管状の光源11を配設した場合には、その長手軸線方向に対して直交するリフレクタ面を有するサイドリフレクタ15を具備している。これにより、管状の光源から放射状に放射される光の指向性を、楕円リフレクタ14とともに制御して、フロントリフレクタ16の開口部21への導くことができる。
【0079】
また本構成によれば、従来構成に比べて光学フィルタ40において光が充分に調整(変調)される。したがって、本実施形態の光源装置10を図1に示した擬似太陽光照射装置70の光源装置として配設することにより、より太陽光に近い光を提供する装置を実現することができる。太陽光のスペクトルを、図8に示す(JIS C 8941)。
【0080】
また、本実施形態の光源装置10の構成によれば、所定の指向性を有した光を光学フィルタ40に入射させることが可能であるため、従来構成に比べて、装置の小型化を実現することができる。このように小型化を実現した光源装置10を擬似太陽光照射装置70に配設すれば、擬似太陽光照射装置を小型化することも可能となる。
【0081】
また、無指向性の光源から放射された光に対して、反射面を効率的に配置し、所望の放射特性を得られる光だけを導光体に入射することにより小型化を実現している。すなわち、多重反射や大面積の反射面を駆使しなくても、所望の放射特性を得ることができる。よって、光源装置自体を小型化することが可能となる。
【0082】
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施形態について、図9から図12に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施形態では、上記実施形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0083】
図9および図10は、本実施形態における光源装置10´の構成を示した図である。本実施形態の光源装置10´は、図3(a)および(b)に示した実施形態1の光源装置10に代えて、図9に示す光源装置10´を備えている。
【0084】
本実施形態における光源装置10´は、図10に示すように、バルブ光源23と、反射部材12´と、導光体30´とを有している。
【0085】
バルブ光源23は、発光体(例えばフィラメント)の周囲が硝子球で覆われた構造で、光源から球状に光が放射されるものであり、一例としては、いわゆる豆電球が挙げられる。
【0086】
反射部材12´は、円リフレクタ13と、楕円リフレクタ14と、フロントリフレクタ16とを有しており、上記バルブ光源23の光軸(z軸)に対して、円対称の形状である。
【0087】
上記フロントリフレクタ16の機能と配置、および開口部21の大きさは、図4に示す実施形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0088】
導光体30´は、図11の(a)および(b)に示すように、上記バルブ光源23の光軸(z軸)に対して、円対称の形状である。導光体30´の形状としては、テーパー形状を有しない円柱であっても、楕円リフレクタ14の形状により指向性の制御が容易に行えるが、図11に示すようテーパー形状を有した円柱構造のほうが、光の放射角(指向性)をより制御することができる。
【0089】
導光体30´の光入射面については、実施形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0090】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
なお、本発明は、以下の点を特徴点としていると換言することができる。すなわち、本発明に係る光源装置は、管状光源と、上記管状光源からの光を集光する、反射面の断面が楕円弧となる楕円リフレクタと、上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源位置を略中心とする円弧であり、光を出射するための開口部を有したフロントリフレクタと、上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、上記管状光源の長手軸線方向に直交するサイドリフレクタを備えた光源装置であって、上記光源を楕円リフレクタの第1焦点に配置し、上記光を出射するための開口部を上記楕円リフレクタの第2焦点より第1焦点側にずらして配置することを特徴としていると換言することができる。また、本発明に係る別の光源装置は、バルブ状光源と、上記バルブ状光源からの光を集光する、反射面の断面が楕円弧となる楕円リフレクタと、上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源位置を略中心とする円弧であり、光を出射するための開口部を有したフロントリフレクタと、上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタを備えた光源装置であって、上記光源部の光源を楕円リフレクタの第1焦点に配置し、上記光を出射するための開口部を上記楕円リフレクタの第2焦点より第1焦点側にずらして配置することを特徴としている。また上記の構成において、上記光源部は、上記導光体へ光が入射する位置が、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面の交点から上記楕円リフレクタの第2焦点を結ぶ線分と、上記光源部の開口部が略一致することが好ましい。また本発明に係る擬似太陽光照射装置は、上記光源装置を備えていることを特徴としている。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る光源装置は、太陽電池の検査、測定、および実験に利用することができる。また、化粧品、塗料、接着剤、各種材料の退色および耐光試験にも利用することができる。更に、光触媒の検査および実験、ならびに自然光を必要とするその他の各種実験にも利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 光源装置
2 反射体
3 筐体
3a 冷却装置
4 導光板
4a 散乱溝
10 光源装置
11 (管状の)光源
12 反射部材
13 円リフレクタ
14 楕円リフレクタ
15 サイドリフレクタ
16 フロントリフレクタ
18 楕円短軸
19 第1焦点
20 第2焦点
21 開口部
23 バルブ光源
30 導光体
32 光路
40 光学フィルタ
50 領域
60 表面領域
70 擬似太陽光照射装置
80 照射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放射する管状の光源と、
上記光源をその第1焦点に位置するように配置して、該光源から放射される光をその第2焦点に集光する楕円リフレクタと、
上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面が光源位置を略中心とする円弧であり、光を出射するための開口部が設けられたフロントリフレクタと、
上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、
上記管状の光源の長手軸線方向に対して直交するリフレクタ面を有するサイドリフレクタと、
上記フロントリフレクタの上記開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体とを備えた光源装置であって、
上記導光体の上記光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることを特徴する光源装置。
【請求項2】
光を放射するバルブ光源と、
上記バルブ光源をその第1焦点に位置するように配置して、該バルブ光源から放射される光をその第2焦点に集光する楕円リフレクタと、
上記楕円リフレクタと対向する位置に配置され、断面がバルブ光源の位置を中心とする円弧であり、光を出射するための開口部が設けられたフロントリフレクタと、
上記フロントリフレクタと対向する位置に配置され、出射方向と逆方向に向かう光を反射する円リフレクタと、
上記フロントリフレクタの上記開口部と同じ大きさの光入射面を当該開口部に配置して、当該光入射面から光出射面までの間の導光領域において光の指向性を制御する導光体とを備えた光源装置であって、
上記導光体の上記光入射面は、上記第2焦点よりも上記第1焦点に近い側であって、且つ、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との交点よりも上記第2焦点に近い側に配置されていることを特徴とする光源装置。
【請求項3】
上記フロントリフレクタの上記開口部の直径は、上記楕円リフレクタの楕円短軸と楕円面との2つの交点それぞれから上記楕円リフレクタの上記第2焦点までを結ぶ線分同士の間の距離と一致していることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
上記導光体は、上記光入射面から上記光出射面に向けてその幅が徐々に広くなるテーパー形状を成していることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
入射した光から特定の波長帯域のスペクトルを減衰させた光を出射するように構成されたスペクトル変調用部材を、上記導光体の上記光出射面の側に配置していることを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか1項に記載の光源装置を備えていることを特徴とする擬似太陽光照射装置。
【請求項7】
上記光源装置は、入射した光から特定の波長帯域のスペクトルを減衰させた光を出射するように構成されたスペクトル変調用部材を、上記導光体の上記光出射面の側に配置しており、
上記擬似太陽光照射装置は更に、上記スペクトル変調用部材から出射する光を入射する導光板を備えていることを特徴とする請求項6に記載の擬似太陽光照射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−14876(P2012−14876A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148059(P2010−148059)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】