説明

光源装置および原稿読み取り装置

【課題】点発光源を有する光源装置における光量分布の一様性を向上させること。
【解決手段】光源装置10は、筐体11、一対の反射板21、22、光源31、32を備えている。反射板21および22は、少なくとも導出口14を挟んで対向する辺が平行となるように筐体11内に配置されており、光源31、32から照射口13に至るまでの全光路長が等しい。光源31、32は、それぞれ基板311、321と、基板311、321上に複数配置されている点発光源としての発光ダイオード312、322とを備えている。基板311に配置されている発光ダイオード312と基板321に配置されている発光ダイオード322とは、互いの配置位置が重なり合わないよう、互い違いに配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点発光源を光源として有する光源装置およびその光源装置を備える原稿読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿読み取り装置、例えば、スキャナ、において用いられる光源装置には、イメージセンサにおける光量分布が、原稿の読み取り幅に亘り一様となるよう光を射出することが求められる。近年、発光ダイオードの普及と共に、発光ダイオードを用いた光源が実用化されている。例えば、原稿読み取り装置、すなわち、スキャナにおいても光源として発光ダイオードを用いた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】米国特許公報第5767979号公報
【0004】
しかしながら、発光ダイオードは点発光源であるため被照射物に対して一様な光量分布にて照射光を照射し難いという課題がある。特に、発光ダイオードの配置間隔が広い場合には光量分布の非一様性が顕著となる。これに対して、発光ダイオードの配置間隔を狭くすれば、より多くの発光ダイオードが必要となり、コストがかさむという問題がある。
【0005】
また、同一の発光ダイオードの配置間隔であっても、光沢性の表面を有する被照射物の場合には、光量分布の非一様性が問題となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、点発光源を有する光源装置における光量分布の一様性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の種々の態様を採る。
【0008】
第1の態様は、光源装置を提供する。第1の態様に係る光源装置は、被照射物に対して照射光を供給するための照射口と、前記被照射物からの反射光を外部に出力するための導出口と、を有する筐体と、前記筐体内において、少なくとも前記導出口を挟んで対向する辺が平行となるように配置されている一対の反射板と、前記筐体内において、前記一対の反射板の少なくとも一方の近傍に配置されている点発光源を含む発光部とを備える。
【0009】
第1の態様に係る光源装置によれば、少なくとも導出口を挟んで対向する辺が平行となるように配置されている一対の反射板を備えているので、各点発光源から照射口に至る各光路長が等しくなり、光量分布の一様性を向上させることができる。
【0010】
第1の態様に係る光源装置において、前記発光部は、前記一対の反射板の少なくとも一方の反射板に沿って配置されている複数の点発光源を含んでも良い。この場合には、より大きな光源装置、より多くの光量を提供する光源装置においても、光量分布の一様性を向上させることができる。
【0011】
第1の態様に係る光源装置において、前記発光部は、前記反射板と前記筐体との接続部に沿って配置されていても良い。この場合には、各発光部から射出される射出光の光路長を等しくすることができる。
【0012】
第1の態様に係る光源装置において、前記発光部は、前記反射板上に配置されていても良い。この場合には、発光部の載置が容易となる。
【0013】
第1の態様に係る光源装置において、前記発光部は、前記一対の反射板の双方にそれぞれ配置されている第1の発光部と第2の発光部とを含んでも良い。この場合には、より多くの光量を実現することができる。
【0014】
第1の態様に係る光源装置において、前記第1の発光部に含まれる複数の点発光源と前記第2の発光部に含まれる複数の点発光源とは、互いに千鳥状に配置されていても良い。この場合には、点発光源の重なりによる光量斑を抑制、防止することができるので、複数の発光部を備える場合であっても光量分布の一様性を向上させることができる。
【0015】
第1の態様に係る光源装置において、前記第1および第2の発光部は、各前記反射板と前記筐体との各接続部に沿って配置されていても良い。この場合には、各発光部から射出される射出光の光路長を等しくすることができる。
【0016】
第1の態様に係る光源装置において、前記第1および第2の発光部は、各前記反射板上に配置されていても良い。この場合には、発光部の載置が容易となる。
【0017】
第1の態様に係る光源装置において、前記一対の反射板は、互いに対向する面が平行となるよう配置されていてもよい。この場合には、反射板間における光路を等しくできる。
【0018】
第2の態様は、原稿読み取り装置を提供する。第2の態様に係る原稿読み取り装置は、第1の態様に係るいずれかの光源装置と、原稿の読み取りを実行する原稿読み取り部とを備える。この場合には、光量分布が一様であるので、一様でない光量分布に起因する読み取り斑を抑制、防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る光源装置および原稿読み取り装置について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
【0020】
・光源の構成:
図1は本実施例における光源装置の概略構成を示す斜視図である。図2は本実施例における光源装置の平面図である。
【0021】
本実施例に係る光源装置10は、筐体11、一対の反射板21、22、光源31、32を備えている。筐体11は、側面部材11a〜11d、底面部材11eから構成される箱形形状を有する。
【0022】
筐体11は、図1に示すように直方体形状であっても良く、立方体形状であってもよい。また、一対の反射板21、22が平行に対向配置できれば、五角柱状、六角柱状といった多面柱状、球状であっても良く、偶数多面柱状または球状であれば、一対の反射板21、22を容易に平行に対向配置できる。側面部材11a〜11dによって形成される開口部は被照射物に対して照射光を供給するための照射口13として機能する。底面部材11eには被照射物からの反射光を外部に出力するための導出口14が形成されている。導出口14の形状は矩形に限られず、円形形状であっても良い。筐体11の頂面側にはフランジ12が形成されている。なお、図面上では説明を容易にするために各側面部材11a〜11d、底面部材11eの厚みを表していないが、実際にはこれら部材11a〜11eは厚みを有することは言うまでもない。
【0023】
反射板21および22は、少なくとも導出口14を挟んで対向する辺が平行となるように筐体11内に配置されている。より具体的には、例えば、反射板21および22はそれぞれ、側面部材11a、11bに接着されている。図1の例では、反射板21および22は、互いの面が平行となるように配置されているが、底面部材11eに平行な方向に亘って、反射板21および22によって反射される光の光路長が等しくなるように配置されていれば良い。すなわち、照射口13に至るまでの全光路長が等しくなるように反射板21および22が配置されていれば良く、このように配置することによって、照射口13から被照射物に対して照射される照射光の光量を一様にすることができる。反射板21および22は、例えば、アルミが蒸着された鏡面を表面に有しても良く、あるいは、反射率が高い白色系の表面を有していても良い。
【0024】
光源31、32は、それぞれ基板311、321と、基板311、321上に複数配置されている点発光源としての発光ダイオード312、322とを備えている。基板311、321は、底面部材11eと当接する反射板21、22の底面部に沿って配置されている。より具体的には、例えば、基板311、321はそれぞれ、反射板21、22と平行となるように、底面部材11eに接着されている。本実施例において用いられる発光ダイオード312、322は、側面発光型の白色(可視光)発光ダイオードである。基板311に配置されている発光ダイオード312と基板321に配置されている発光ダイオード322とは、図2に示すように、千鳥状に、すなわち、基板311における発光ダイオード312の配置位置と、基板321における発光ダイオード322の配置位置とが重なり合わないよう、互い違いに配置されている。既述のように、本実施例では、照射口13に至る各発光ダイオード312、322からの照射光の光路長が等しくなるように反射板21、22が配置されている。したがって、各発光ダイオード312、322からの射出光の少なくとも主光線が重なり合わないようにすることで、被照射物に対する光量分布を一様性を向上させる。
【0025】
光源装置における光路:
図3および図4を参照して本実施例に係る光源装置10の光路特性について説明する。図3は図2中のX−X線で切断した、本実施例に係る光源装置における光路長を示す光源装置の断面図である。図4は図2中のX−X線で切断した、本実施例に係る光源装置における直接反射光の光路を示す断面図である。なお、図3および図4中において、符号40は被照射物を示す。既述の通り、本実施例では、反射板21、22は、各光源31、32から射出される射出光が照射口13に至るまでの光路長が等しくなるように配置されている。すなわち、図3に示すように、各光源31、32の各発光ダイオード312、322から射出された射出光は、反射板21、22によって複数回反射され、照射口13に至った際に、いずれも同じ長さの光路長L1、L2を有している。この結果、被照射物40に対する照射光量は、被照射物40における照射領域に亘って、同量となり、光量分布の一様化を図ることができる。
【0026】
本実施例ではさらに、図4に示すように、各発光ダイオード312、322から射出された射出光(主光線)のうち、被照射物40に直接到達し、反射した直接反射光DLが導出口14から外部に導出されないように、各光源31、32の配置位置を決定している。あるいは、各光源31、32の配置位置は固定しておき、導出口14の大きさを、直接反射光DLが導出口14から外部に導出されないように決定しても良い。一般的に、各光源31、32は、予め定められた所定範囲(基準範囲)内の水平垂直方向への照射角度を有しているので、垂直方向への主光線の照射角度に合わせて、直接反射光DLが導出口14から外部に導出されないように、導出口14の大きさを決定することができる。この結果、反射板21、22によって反射された間接反射光と比較して強度(輝度)が高い直接反射光DLに起因する光量斑を低減または防止することができる。
【0027】
さらに、導出口14から導出される直接反射光DLがイメージセンサ(撮像ユニット)に到達しないように各光源31、32の配置位置を決定しても良い。あるいは、各光源31、32の配置位置は固定しておき、導出口14の大きさを、導出口14から導出される直接反射光DLがイメージセンサに到達しないように決定しても良い。すなわち、導出口14から導出される直接反射光DLはイメージセンサを含む光学系の光軸に対して平行でない(交差する角度を有している)ので、イメージセンサの入射面に到達しない。この場合には、導出口14から直接反射光DLを導出させない場合と比較して、各光源31、32の配置位置の自由度を高めることができると共に、反射板21、22によって反射された間接反射光と比較して強度(輝度)が高い直接反射光DLに起因する光量斑を低減または防止することができる。
【0028】
・光源装置の適用例:
図5は本実施例に係る原稿読み取り装置の概略構成を模式的に示す説明図である。本実施例に係る原稿読み取り装置50は、反射用光源装置10a、原稿載置ガラス511、原稿カバー512、走査ユニット53、可動ミラーユニット54、光学レンズユニット55、撮像ユニット56、透過用光源装置10b、制御装置60を備えている。
【0029】
反射用光源装置10aは、文書、画像といった反射原稿に対して用いられる光源装置である。透過用光源装置10bは、ネガフィルム、ポジフィルムといった透過原稿に対して用いられる光源装置である。反射用光源装置10aは走査ユニット53内に、透過用光源装置10bは原稿カバー512内に、それぞれ配置されている。透過用光源装置10bは、図示しない駆動機構によって、走査ユニット53と連動して、原稿カバー512内において矢印方向(副走査方向)に移動することができる。なお、透過用光源装置10bには、可視光光源の他に、赤外光光源が備えられていても良い。
【0030】
走査ユニット53には、反射用光源装置10aの他に反射鏡531が備えられている。走査ユニット53は、図示しない駆動機構によって、矢印方向に移動して、原稿載置ガラス521上に載置されている被照射物としての原稿40を走査して、原稿40の読み取り処理を実行する。
【0031】
可動ミラーユニット54は反射鏡541、542を備えている。可動ミラーユニット54もまた、走査ユニット53と連動して、図示しない駆動機構によって、原稿読み取りの際には矢印方向へ移動する。駆動機構としては、例えば、タイミングベルトを用いた周知の駆動機構を用いることができる。
【0032】
光学レンズユニット55は、1または複数のレンズを備え、可動ミラーユニット54から入力された光を撮像ユニット56上に集光させる、縮小光学系のレンズユニットである。
【0033】
撮像ユニット56は、受光量に応じた電圧値を出力する半導体素子であり、一般的に、入射光を電荷に変換する受光素子と、受光素子において発生した電荷を転送するための素子を備える。撮像ユニット56としては、例えば、転送回路に電荷結合素子(CCD)を用いたCCDセンサ、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)を用いたCMOSセンサを用いることができる。本実施例では、撮像ユニット56に複数の受光素子が水平方向に配列されており、各受光素子に対しては、R、G、Bのカラーフィルタが装着されている。
【0034】
制御装置60は、図示しない中央処理装置(CPU)、メモリ、入出力インターフェース等を備えている。制御装置60は、反射用光源装置10aのオン・オフ、透過用光源装置10bにおける可視光光源、赤外光光源のオン・オフ、走査ユニット53および可動ミラーユニット54の動作を制御する。制御装置60は、撮像ユニット56を介して読み取った原稿40の画像データを取得する。
【0035】
以上説明したように、本実施例に係る光源装置10によれば、各光源31、32から照射口13に至るまでの光路長が等しくなるように反射板21、22が配置されているので、被照射物40に対する照射光の光量分布を、被照射物40の被照射領域に亘って一様化することができる。この結果、原稿読み取り装置50が光源装置10を備える場合には、被照射物40からの反射光を読み取って画像データ化する際に、輝度のばらつきに起因する読み取り斑を低減または防止することができる。
【0036】
また、本実施例に係る光源装置10によれば、各光源31、32における各発光ダイオード312、322が千鳥状に配置されているので、射出光の重なり、特に、主光線の重なりに伴う光量斑を抑制または防止することができる。
【0037】
さらに、本実施例に係る光源装置10によれば、各光源31、32における各発光ダイオード312、322から被照射物40に直接照射され反射された直接反射光が光源装置10の導出口14から外部に導出されないので、直接反射光に伴う読み取り斑を抑制または防止することができる。すなわち、被照射物40からの反射光に直接反射光が含まれることに起因する輝度のばらつきが低減または防止されるので、光源装置10を備える原稿読み取り装置50における、被照射物40の画像データ化にあたって輝度斑による読み取り斑を抑制または防止することができる。
【0038】
以上の通り、本実施例に係る光源装置10によれば、発光源数を増大させることなく照射分布を一様化することができる。また、たとえ、光沢表面を有する被照射物であっても、照射分布のばらつきに起因する反射光輝度のばらつきを抑制または防止することができる。
【0039】
その他の実施例:
(1)第1および第2の他の実施例:
上記実施例においては、側面発光型の発光ダイオード312、322が用いられたが、頂面発光型の発光ダイオード312a、322aが用いられても良い。図6は第1の他の実施例に係る、発光源として頂面発光型の発光ダイオードを用いた場合の光源装置10dの内部構成例を示す断面図である。図7は第2の他の実施例に係る、発光源として頂面発光型の発光ダイオードを用いた場合の光源装置10eの内部構成例を示す断面図である。
【0040】
第1の他の実施例に係る光源装置10dでは、頂面発光型の発光ダイオード312a、322aを含む光源31a、32aが、それぞれ側面部材11a、11bおよび底面部材11eに当接するように配置されている。具体的には、各光源31a、32aの基板311a、321aの裏面(発光ダイオード312a、322aの搭載面の裏面)がそれぞれ側面部材11a、11bに接着されている。反射板21、22は、各光源31a、32aの基板311a、321aから照射口13に向かって、それぞれ側面部材11a、11bに接着されている。この構成においても、上記実施例と同様の利点を享受することができる。
【0041】
図7の左側に示す第2の他の実施例に係る光源装置10eでは、それぞれ側面部材11a、11bに接着されている反射板21、22の中央(底面部材11eから照射口13に向かう方向の中央)に、頂面発光型の発光ダイオード312a、322aを含む光源31a、32aが、それぞれ配置されている。この構成によれば、反射板21、22に対して光源31a、32aを容易に平行に配置することができる。また、図7の左側に示す第2の他の実施例に係る光源装置10eでは、側面部材11a、11bの中央(底面部材11eから照射口13に向かう方向の中央)に、頂面発光型の発光ダイオード312a、322aを含む光源31a、32aが、それぞれ配置されている。反射板21、22はそれぞれ、光源31a、32aを挟むようにして、側面部材11a、11bにそれぞれ接着されている。この構成においても、上記実施例と同様の利点を享受することができる。
【0042】
(2)第3の他の実施例:
上記実施例では、二つの光源31、32を備えていたが、図8に示すように1つの光源31のみを備えても良い。図8は第3の他の実施例における光源装置の概略構成を示す斜視図である。光源装置10の大きさ、要求される照射光量に応じて光源の数を変更しても良い。この構成においても、被照射物に対する光源31の各発光ダイオード312からの光路長が等しい限り、被照射物における光量分布は一様となり、上述した上記実施例と同様の利点を享受することができる。
【0043】
(3)第4および第5の他の実施例:
上記実施例では、一対の反射板21、22は全面に亘って平行であったが、図9および10に示すように、少なくとも導出口14を挟んで対向する辺が平行であれば、上述した上記実施例と同様の利点を享受することができる。図9は第4の他の実施例における光源装置における反射板の配置構成を示す断面図である。図10は第5の他の実施例における光源装置における反射板の配置構成を示す断面図である。第4および第5の他の実施例のいずれの光源装置10f、10gにおいても、光源31、32の各発光ダイオード312、322から照射口13に至るまでの光路長は等しいので、被照射物40に対する照射光の光量分布は一様となる。すなわち、少なくとも、反射板21、22の各一辺が照射光の照射方向と垂直な方向に対して平行であれば良い。
【0044】
(4)上記実施例では、各光源31、32の各発光ダイオード312、322は千鳥状に配置されていたが、例えば、反射率が低い被照射物40を対象とする場合には、各発光ダイオード312、322は主光線が重なるように配置されていても良い。すなわち、各発光ダイオード312、322を千鳥状に配置するか否かは、光源装置10に対する光量分布の一様性のレベルに応じて決定すればよい。
【0045】
(5)上記実施例では、2つの光源を備える例を用いて説明したが、3つの光源、4つの光源を備えても良い。この場合には、第3および第4の光源に対して備えられる反射板が、上記反射板21、22と同様にして、第3および第4の光源から照射口13に至るまでの光路長が等しくなるように配置される。また、上記実施例では、複数の点発光源(発光ダイオード)を備える光源31、32を用いているが、光源装置10の大きさに応じて、各光源31、32に単一の発光ダイオードが備えられていても良い。
【0046】
(6)上記実施例では、2つの光源31、32は、一対の反射板21、22に平行となるようそれぞれ配置されているが、各光源31、32から照射口13に至る光路長が等しければ、各光源31、32は反射板21、22に対して平行でなくても良い。すなわち、反射板21、22によって、各光源31、32から照射口13に至る光路長が等しくなれば良い。さらに、反射板21、22は、各光源31、32から照射口13に至る光路長が等しくなるように配置されていれば良く、各光源31、32の形状によっては、必ずしも互いに平行でなくても良い。
【0047】
(7)上記実施例では、照射口13は、側面部材11a〜11dによって区画形成された開口部であるが、別途、頂面部材を備え、任意の形状の照射口としても良い。この場合には、目的に即した照射範囲を容易に実現することができる。
【0048】
(8)上記実施例では、白色の発光ダイオードを点発光源312、322に用いているが、例えば、赤色、緑色、青色の発光ダイオードを光源に用いても良い。また、点発光源として発光ダイオードを用いているが、他の点発光源、例えば、通常のフィラメントを用いた極小電球が用いられても良い。
【0049】
(9)本実施例に係る原稿読み取り装置50では、走査ユニット53が移動することによって原稿40の読み取りが行われているが、固定されている走査ユニット上を原稿40が移動しても良い。すなわち、原稿と走査ユニット(読み取り部)とが相対的に移動すれば良い。また、原稿とは、文書、画像その他、読み取りの対象となる対象を意味する。
【0050】
(10)上記実施例では、光源装置10を原稿読み取り装置50に適用する例を説明したが、この他にも、ファクシミリ、複写機、複合機、ハンドスキャナといった、光源装置10を用いることによって、原稿を読み取り可能な種々の装置に用いることができる。
【0051】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例における光源装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施例における光源装置の平面図である。
【図3】図2中のX−X線で切断した、本実施例に係る光源装置における光路長を示す断面図である。
【図4】図2中のX−X線で切断した、本実施例に係る光源装置における直接反射光の光路を示す断面図である。
【図5】本実施例に係る原稿読み取り装置の概略構成を模式的に示す説明図である。
【図6】第1の他の実施例に係る、発光源として頂面発光型の発光ダイオードを用いた場合の光源装置の内部構成例を示す断面図である。
【図7】第2の他の実施例に係る、発光源として頂面発光型の発光ダイオードを用いた場合の光源装置の内部構成例を示す断面図である。
【図8】第3の他の実施例における光源装置の概略構成を示す斜視図である。
【図9】第4の他の実施例における光源装置における反射板の配置構成を示す断面図である。
【図10】第5の他の実施例における光源装置における反射板の配置構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10、10d、10e、10f、10g…光源装置
10a…反射用光源装置
10b…透過用光源装置
11…筐体
11a〜11d…側面部材
11e…底面部材
12…フランジ
13…照射口
14…導出口
21、22…反射板
31、32…光源
311、321…基板
311a、321a…基板
312、322、312a、322a…発光ダイオード
40…被照射物(原稿)
50…原稿読み取り装置
53…走査ユニット
54…可動ミラーユニット
55…光学レンズユニット
56…撮像ユニット
511…原稿載置ガラス
512…原稿カバー
521…原稿載置ガラス
531…反射鏡
541…反射鏡
60…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置であって、
被照射物に対して照射光を供給するための照射口と、前記被照射物からの反射光を外部に出力するための導出口と、を有する筐体と、
前記筐体内において、少なくとも前記導出口を挟んで対向する辺が平行となるように配置されている一対の反射板と、
前記筐体内において、前記一対の反射板の少なくとも一方の近傍に配置されている点発光源を含む発光部とを備える、
光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記発光部は、前記一対の反射板の少なくとも一方の反射板に沿って配置されている複数の点発光源を含む光源装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光源装置において、
前記発光部は、前記反射板と前記筐体との接続部に沿って配置されている光源装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の光源装置において、
前記発光部は、前記反射板上に配置されている光源装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の光源装置において、
前記発光部は、前記一対の反射板の双方にそれぞれ配置されている第1の発光部と第2の発光部とを含む光源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光源装置において、
前記第1の発光部に含まれる複数の点発光源と前記第2の発光部に含まれる複数の点発光源とは、互いに千鳥状に配置されている光源装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の光源装置において、
前記第1および第2の発光部は、各前記反射板と前記筐体との各接続部に沿って配置されている光源装置。
【請求項8】
請求項5または6に記載の光源装置において、
前記第1および第2の発光部は、各前記反射板上に配置されている光源装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の光源装置において、
前記一対の反射板は、互いに対向する面が平行となるよう配置されている光源装置。
【請求項10】
原稿読み取り装置であって、
請求項1から請求項9のいずれかに記載の光源装置と、
原稿の読み取りを実行する原稿読み取り部とを備える原稿読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−199947(P2009−199947A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41888(P2008−41888)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】