説明

光源装置の製造方法、光源装置及びプロジェクター

【課題】蛍光体の配置位置を短時間で正確に調整することが可能な光源装置の製造方法及び光源装置、この光源装置を備えたプロジェクターを提供する。
【解決手段】集光手段20に対する蛍光体32の相対位置を複数設定し、相対位置ごとに励起光照射時の蛍光体32の温度を検出する。検出された温度に基づいて、集光手段20に対する蛍光体32の相対位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置の製造方法、光源装置及びプロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばプロジェクターのような、光源系と表示系よりなる光学系統では、光源からの射出光が表示系で有効に利用されることが求められる。
このような光学系統において、光源光の表示系での利用効率を示す指標としてエテンデュ(Etendue)が知られている。エテンデュは、光源の発光面積と、光源から射出される光の放射立体角との積であり、光源から射出された光の空間的な広がりを表す。したがって、このエテンデュが小さい程、光源からの射出光が狭い放射立体角の中に収束し、表示系で有効利用される角度範囲の中に収まる率(光利用効率)が高くなることを意味する。
【0003】
一方、プロジェクター等に用いられる光源装置として、発光量を増やすために複数の発光ダイオードを平面アレイ状に配置したものが知られている。しかし、このような光源装置は、発光面積が広いため、エテンデュが大きく、光利用効率が低いという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、複数の発光素子を、その励起光が一点に集光するように配設するとともに、その励起光の集光位置に蛍光体を配設することで、光利用効率を高めた光源装置が提案されている。この光源装置では、集光された励起光が蛍光体に照射され、所定の波長帯域の蛍光に変換されて射出される。このため、蛍光体に照射された励起光のスポット面積が発光面積に対応し、このためエテンデュが小さく、高い光利用効率を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−327361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このように励起光を集光して蛍光体に照射し、該蛍光体から蛍光を射出させるようにした光源装置では、エテンデュや発光効率および熱劣化の観点から、蛍光体を、励起光のスポット径が目的の寸法となる位置に正確に配置することが必要となる。
【0007】
励起光の集光位置においては、励起光の集光スポットが最小となる。そこで、励起光の集光位置を検出する方法として、例えば、CCDモニターを用いて励起光の集光スポットが最小となる位置(集光位置)を画像処理により検出する方法がある。しかし、蛍光体を配置すべき位置をこの検出方法を用いて決定した場合、CCDモニターによる観測後、CCDモニターを取り外し、決定された位置に蛍光体を配置する必要があり、この一連の工程に手間と時間がかかってしまう。また、CCDモニターで蛍光体を配置すべき位置を決定しても、蛍光体を配置するときに位置ずれが生じ、蛍光体を、決定された位置に正確に配設できない場合もある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、蛍光体の位置を、励起光の集光位置、もしくは、励起光のスポット径が目的の寸法となる位置に、短時間で正確に調整することが可能な光源装置の製造方法、光源装置を提供することを目的とする。また、このような光源装置を備えた、表示品質に優れたプロジェクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の光源装置の製造方法は、励起光源と、前記励起光源から射出された励起光を集光させる集光手段と、前記集光手段により集光された励起光を受けて蛍光を放射する蛍光体とを有する光源装置の製造方法であって、前記励起光源から射出された励起光を前記集光手段により集光させて前記蛍光体に入射させる第1の工程と、前記集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を複数設定し、相対位置ごとに前記蛍光体の温度を検出する第2の工程と、前記第2の工程によって検出された複数の温度に基づいて、前記蛍光体の前記集光手段に対する相対位置を調整する第3の工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
蛍光体に、励起光を集光して入射させたときの励起光のスポット内の温度は、スポット径が最小となる場合、すなわち、蛍光体が励起光の集光位置に配置されている場合に最も高い。そして、蛍光体が励起光の集光位置からずれると、その離間距離に応じてスポット径が大きくなるため、光密度が小さくなり、その温度は低下する。
【0011】
したがって、本発明の製造方法において、第2の工程において得られた複数の温度のうち最高温度を与えるような集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を、近似的に蛍光体が励起光の集光位置に配置されている状態としてみなすことができる。このため、第2の工程において得られた複数の温度に基づいて、励起光の集光位置を正確に知ることができる。
【0012】
そこで、第2の工程において検出された複数の温度のうち、最も高い温度が得られるように、集光手段に対する蛍光体の相対位置を調整することにより、蛍光体を励起光の集光位置に正確に配置することができる。このように蛍光体の相対位置が調整された光源装置は、蛍光体が励起光の集光位置に正確に配置されているため、発光面積が小さく、表示系の光源として用いた場合に、高い光利用効率を得ることが可能となる。
【0013】
また、蛍光体に照射される励起光のスポット径は、蛍光体の集光位置からの距離Lzと相関関係がある。したがって、この相関関係に基づいて、目的とするスポット径が得られる距離Lzを予め求めておき、第2の工程において検出された複数の温度のうち、最も高い温度が得られるときの蛍光体の位置を基準にして、この位置から距離Lzだけ蛍光体の相対位置を変化させると、蛍光体を、励起光のスポット径が目的の寸法となる位置に配置することができる。
【0014】
このように蛍光体の相対位置が調整された光源装置は、蛍光体に、目的のスポット径で励起光が照射されるので、例えば、スポット径が集光スポット径よりも若干大きくなるように距離Lzを設定した場合には、蛍光体の熱劣化を軽減しつつ、発光面積を比較的小さくすることができる。これにより、この光源装置は、表示系の光源として用いた場合に、高い発光効率と高い光利用効率を得ることが可能となる。
【0015】
また、本発明の光源装置の製造方法では、蛍光体を配置したまま集光手段と蛍光体との相対位置を調整するため、調整の過程で蛍光体を取り外したり配置したりする必要がない。このため、蛍光体の位置調整に時間がかかったり、蛍光体にずれが生じたりすることもない。よって、蛍光体を励起光の集光位置に短時間で正確に調整することができる。
【0016】
本発明においては、前記第3の工程において、前記第2の工程によって検出された複数の温度のうち最も高い温度を与えるように、前記集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を調整することが望ましい。
【0017】
この構成によれば、蛍光体を、励起光の集光位置に、短時間で正確に配置することが可能となる。このため、製造された光源装置は、発光面積が小さく、表示系の光源として用いた場合に、高い光利用効率を得ることが可能となる。
【0018】
本発明においては、前記第2の工程及び前記第3の工程において、前記蛍光体の温度を、前記励起光が入射する領域について検出するのが望ましい。
【0019】
蛍光体の励起光が入射する領域(励起光入射領域)は、他の領域に比べて高温になる。このため、この励起光入射領域の温度を検出することにより、蛍光体の位置が励起光の集光位置と一致したときに、大きな温度上昇を観測することができる。これにより、その温度が蛍光体から検出される温度の最高温度であると容易に判別することができるため、蛍光体の相対位置を、より精度良く調整することが可能となる。
【0020】
本発明においては、前記励起光源は、複数のレーザー光源が配列されたレーザー光源アレイであることが望ましい。
【0021】
この構成によれば、励起光源の光量が大きいため、蛍光体の温度をより高温にすることができる。これにより、蛍光体の位置が励起光の集光位置と一致したときに、大きな温度上昇を観測することができるため、その温度が蛍光体から検出される温度の最高温度であると容易に判別することができる。その結果、蛍光体の相対位置を、より精度良く調整することが可能となる。
【0022】
本発明においては、前記励起光源から射出させる励起光の光量を、製造された光源装置を光源として使用する場合の光量よりも大きな値に設定することが望ましい。
【0023】
この構成によれば、蛍光体をより高温にすることができるため、蛍光体の位置が励起光の集光位置と一致したときに、大きな温度上昇を観測することができる。これにより、そのときの温度が蛍光体から検出される温度の最高温度であると容易に判別することができるため、蛍光体の相対位置を、より精度良く調整することが可能となる。
【0024】
本発明においては、前記蛍光体の温度を検出する温度検出装置として、放射温度計を用いることが望ましい。
【0025】
この構成によれば、蛍光体の温度を、温度検出装置を蛍光体に接触させることなく短時間に検出することができるため、蛍光体の相対位置の調整を、より短い時間で行うことが可能となる。
【0026】
本発明においては、前記蛍光体は、回転駆動されるように構成された回転基板上に設けられていることが望ましい。
【0027】
この構成によれば、回転基板の回転によって蛍光体も回転するため、励起光入射領域で発熱した蛍光体の部分(発熱部分)が、円周を描いて移動し、再び、励起光入射領域に戻るというサイクルを繰り返す。この場合、この発熱部分の移動軌跡(蛍光軌跡)においても、集光手段に対する蛍光体の相対位置の変更によって、光入射領域におけるのと同様の温度変化を検出することができるため、蛍光体の温度を検出する温度検出装置を、この蛍光軌跡上に配置することができる。
【0028】
そうすると、前記蛍光体から射出される蛍光の光軸方向と平行な方向から見たとき、温度検出装置と、励起光入射領域と平面視で重なるように配設すべき光学系(コリメート光学系)とを、互いに干渉しないように並存させることが可能となるため、例えば、コリメート光学系を固設した後に蛍光軌跡上に取り付けられた温度検出装置を用いて第1の工程〜第3の工程を行うこともでき、光源装置の製造工程の順序を最適化することが可能となる。
また、蛍光体の相対位置を調整した後に温度検出装置を取り外す必要がなく、温度検出装置を、光源装置にそのまま留めておくことが可能となる。
【0029】
その結果、製造された光源装置は、蛍光体の温度を検出する温度検出装置を備えるため、製品として出荷された後も前記第1の工程〜前記第3の工程によって蛍光体の相対位置を随時調整することが可能である。これにより、光源装置は、高い光利用効率や高い発光効率を維持することが可能となる。
【0030】
本発明においては、前記蛍光体の温度を、前記励起光が入射する領域と異なる領域で検出するのが望ましい。
【0031】
この構成によれば、前記蛍光体から射出される蛍光の光軸方向と平行な方向から見たとき、温度検出装置を、蛍光体の励起光入射領域と平面視で重ならない領域に配置することとなるため、この温度検出装置と、励起光入射領域と平面視で重なるように配設すべき光学系(コリメート光学系)とを、互いに干渉しないように並存させることが可能となる。このため、例えば、コリメート光学系を固設した後に蛍光軌跡上に取り付けられた温度検出装置を用いて前記第1の工程〜前記第3の工程を行うこともでき、光源装置の製造工程の順序を最適化することが可能となる。
また、蛍光体の相対位置を調整した後に温度検出装置を取り外す必要がなく、温度検出装置を、光源装置にそのまま留めておくことが可能となる。
その結果、製造された光源装置は、蛍光体の温度を検出する温度検出装置を備えるため、製品として出荷された後も前記第1の工程〜前記第3の工程によって蛍光体の相対位置を随時調整することが可能である。これにより、光源装置は、高い光利用効率や高い発光効率を維持することが可能となる。
【0032】
本発明の光源装置は、励起光を射出する励起光源と、前記励起光源から射出された励起光を集光させる集光手段と、前記集光手段により集光された励起光を受けて蛍光を放射する蛍光体と、前記蛍光体の温度を検出する温度検出装置と、前記集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を調整する位置調整機構と、を備えることを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、温度検出装置と位置調整機構とを用いて、前記第1の工程〜前記第3の工程によって、集光手段に対する蛍光体の相対位置を随時調整することが可能である。これにより、この光源装置は、光利用効率や蛍光発光量を高い状態に維持することが可能となる。
【0034】
本発明においては、前記蛍光体は、回転駆動されるように構成された基板の上に設けられている。また、前記蛍光体から射出される蛍光の光軸方向と平行な方向から見たとき、前記温度検出装置は、前記基板の回転によって前記蛍光体上に描かれる励起光入射領域の軌跡上であって該励起光入射領域と平面視で重ならない領域に配設されているのが望ましい。
【0035】
この構成によれば、回転基板の回転によって蛍光体も回転するため、励起光入射領域で発熱した蛍光体の部分(発熱部分)が、円周を描いて移動し、再び、励起光入射領域に戻るというサイクルを繰り返す。本明細書において、基板の回転によって蛍光体上に描かれる励起光入射領域の軌跡を「蛍光軌跡」と呼ぶ。
蛍光軌跡における蛍光体の温度には励起光入射領域の温度が反映されるため、光入射領域と同様の温度変化を観測することができる。
このため、この構成によれば、蛍光軌跡上に配置された温度検出装置を用いて、前記第1の工程〜前記第3の工程によって蛍光体の相対位置を随時調整することが可能である。
また、温度検出装置を、励起光入射領域以外の領域に配設することにより、励起光入射領域と平面視で重なるように配設すべき光学系(コリメート光学系)を、温度検出装置と干渉することなく、容易に配設することできるという効果が得られる。
【0036】
本発明のプロジェクターは、本発明の光源装置と、前記光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投写画像として投写する投写光学系と、を備えることが特徴とする。
【0037】
このため、本発明のプロジェクターによれば、本発明の光源装置を備えているので、高い光利用効率と高輝度を維持することができ、表示品質に優れたプロジェクターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によって製造される光源装置が適用されるプロジェクターの一例を示す模式図である。
【図2】図1に示すプロジェクターが備える励起光源の正面図である。
【図3】本発明の光源装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】蛍光体の位置調整工程を示す側面図である。
【図5】光源装置の一実施形態を示す側面図である。
【図6】図5に示す光源装置が備える回転蛍光体の斜視図である。
【図7】光源装置の他の実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造における縮尺や数等が異なっている。
【0040】
<第1実施形態>
第1実施形態の製造方法を、プロジェクターに適用される光源装置を製造する場合を例にして説明する。
(プロジェクターの構成)
まず、製造された光源装置が適用されるプロジェクターの一例について説明する。
図1は、プロジェクター1000の光学系を示す模式図である。
図1に示すように、プロジェクター1000は、光源装置100Aと、色分離導光光学系200と、光変調装置としての液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bと、クロスダイクロイックプリズム500及び投写光学系600と、を具備して構成されている。
【0041】
光源装置100Aは、励起光源10、第1集光レンズ(集光手段)20、蛍光板30、コリメート光学系40、第2集光レンズ50、ロッドインテグレーター60、平行化レンズ70を備えている。励起光源10から射出される励起光ELの光路上には、第1集光レンズ(集光手段)20、蛍光板30、コリメート光学系40、第2集光レンズ50、ロッドインテグレーター60、平行化レンズ70がこの順に配置されている。
【0042】
図2は、励起光源10の正面図である。
図2に示すように、励起光源10は、基台11上にレーザー光源12が5個×5個の正方形状に2次元配列(合計25個)で並べられているレーザー光源アレイである。
【0043】
励起光源10は、後述する蛍光板30が備える蛍光物質を励起させる励起光ELとして、青色(発光強度のピーク:450nm付近)のレーザー光を射出する。
なお、励起光源10は、後述する蛍光物質を励起させることができる波長の光であれば、450nm以外のピーク波長を有する色光を射出する励起光源であっても構わない。
【0044】
第1集光レンズ20は、例えば凸レンズからなる。第1集光レンズ20は、励起光源10から射出されるレーザー光の光線軸上に配置され、励起光源10から射出された励起光EL(複数のレーザー光)を、集光スポット径が1mm以下となるように集光する。
【0045】
蛍光板30はいわゆる透過型の蛍光板である。蛍光板30は、基板31と、該基板31上に設けられた蛍光体32とを有している。
基板31は、励起光ELを透過する材料よりなる。基板31の材料としては、例えば、石英ガラス、水晶、サファイア、光学ガラス、透明樹脂等を用いることができる。なお、本実施形態では、基板31として、円板状のガラス基板を使用する。図示していないが、基板31の蛍光体32が設けられている面とは反対側の面には、誘電体多層膜が設けられている。誘電体多層膜はダイクロイックミラーとして機能するものであり、励起光ELである450nm付近の光は透過し、蛍光体32から射出される蛍光の波長範囲(490nm〜750nm)を含む490nm以上の光は反射するようになっている。なお、基板の形状は、円板状に限るものではない。
励起光源10から射出されたレーザー光(青色光)は、励起光ELとして前記誘電体多層膜を介して蛍光体32に入射し、蛍光体32は励起光ELが入射する側とは反対側に向けて蛍光(赤色光及び緑色光)を射出する。
【0046】
蛍光体32は、蛍光を発する蛍光体粒子を有しており、励起光EL(青色光)を吸収し、概ね490〜750nmの蛍光に変換する機能を有する。この蛍光には、緑色光(波長530nm付近)及び赤色光(波長630nm付近)が含まれる。
【0047】
蛍光体粒子は、図1に示す励起光源10から射出される励起光ELを吸収し、蛍光を発する粒子状の蛍光物質である。例えば、蛍光体粒子には、波長が約450nmの青色光によって励起されて蛍光を発する物質が含まれており、励起光ELの一部を、赤色の波長帯域から緑色の波長帯域まで含む光に変換して射出する。
【0048】
蛍光体粒子としては、通常知られたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体を用いることができる。例えば、平均粒径が10μmの(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceで示される組成のYAG系蛍光体を用いることができる。なお、蛍光体粒子の形成材料は、1種であっても良く、2種以上の形成材料を用いて形成されている粒子を混合したものを蛍光体粒子として用いることとしても良い。
【0049】
コリメート光学系40は、蛍光板30と第2集光レンズ50との間の光(励起光EL及び蛍光)の光路上に配置されている。コリメート光学系40は、蛍光板30からの光の広がり抑える第1レンズ41と、第1レンズ41から入射される光を平行化する第2レンズ42と、各レンズ同士を固定するベース部43を含んで構成されている。第1レンズ41は、例えば凸のメニスカスレンズからなり、第2レンズ42は、例えば凸レンズからなる。コリメート光学系40は、蛍光板30からの光を略平行化した状態で第2集光レンズ50に入射させる。
【0050】
第2集光レンズ50は、例えば凸レンズからなる。第2集光レンズ50は、コリメート光学系40(第2レンズ42)を透過する光の光線軸上(Z軸上)に配置され、コリメート光学系40を透過した光を集光する。
【0051】
第2集光レンズ50を透過した光は、ロッドインテグレーター60の一端側に入射する。ロッドインタグレーター60は、光路方向に延在する角柱状の光学部材であり、内部を透過する光に多重反射を生じさせることにより、第2集光レンズ50を透過した光を混合し、輝度分布を均一化するものである。ロッドインテグレーター60の光路方向に直交する断面形状は、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bの画像形成領域の外形形状と略相似形となっている。
【0052】
ロッドインテグレーター60の他端側から射出された光は、平行化レンズ70により平行化され、光源装置100Aから射出される。
【0053】
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220、反射ミラー230、反射ミラー240、反射ミラー250及びリレーレンズ260を備えている。色分離導光光学系200は、光源装置100Aからの光を赤色光、緑色光及び青色光に分離し、赤色光、緑色光及び青色光のそれぞれの色光を照明対象となる液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bに導光する機能を有する。
【0054】
ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220は、基板上に、所定の波長領域の光を反射して、他の波長領域の光を透過させる波長選択透過膜が形成されたミラーである。具体的には、ダイクロイックミラー210は、青色光成分を透過させ、赤色光成分及び緑色光成分を反射する。ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、赤色光成分を透過させる。
【0055】
反射ミラー230、反射ミラー240、反射ミラー250は、入射した光を反射するミラーである。具体的には、反射ミラー230は、ダイクロイックミラー210を透過した青色光成分を反射する。反射ミラー240、反射ミラー250は、ダイクロイックミラー220を透過した赤色光成分を反射する。
【0056】
ダイクロイックミラー210を透過した青色光は、反射ミラー230で反射され、青色光用の液晶光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー210で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、緑色光用の液晶光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー220を透過した赤色光は、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ260、射出側の反射ミラー250を経て赤色光用の液晶光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。
【0057】
液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bは、通常知られたものを用いることができ、例えば、液晶素子410と液晶素子410を挟持する偏光素子420、偏光素子430とを有した、透過型の液晶ライトバルブ等の光変調装置により構成される。偏光素子420、偏光素子430は、例えば透過軸が互いに直交する構成(クロスニコル配置)となっている。
【0058】
液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、光源装置100Aの照明対象となる。これら液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G及び液晶光変調装置400Bによって、入射された各色光の光変調が行われる。
【0059】
例えば、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bは、一対の透明基板に液晶を密閉封入した透過型の液晶光変調装置であり、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に応じて、入射側偏光板420から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
【0060】
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板430から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合せた平面視略正方形状をなしている。直角プリズムを貼り合せた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向が揃えられることにより、3つの色光が合成される。
【0061】
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
【0062】
(光源装置の製造方法)
次に、第1実施形態にかかる光源装置の製造方法について、図1に示す光源装置100Aを製造する場合を例にして説明する。
図3は、第1実施形態の製造方法を説明するためのフローチャート、図4は、第1実施形態の製造方法において、蛍光体の位置調整工程を示す側面図である。なお、以下の説明では、蛍光体32から射出される蛍光の光軸方向を「Z軸方向」と言う。
【0063】
[1]組み立て工程
まず、光源装置を構成する各部を組み立てる。
図4に示すように、組み立てた状態で、励起光源10、第1集光レンズ20、蛍光板30は、この順にZ軸に沿って配置され、図示しない基台に取り付けられたクランプに保持もしくは支持されている。本実施形態では、励起光源10及び第1集光レンズ20は、クランプに保持されることで基台に固定され、蛍光板30はクランプに移動可能に支持されている。
蛍光板30は、第1集光レンズ20を挟んで励起光源10と反対側に配置されている。位置調整前の段階では、蛍光体32の位置は励起光ELの集光位置からずれている。以下では、蛍光体32が励起光ELの集光位置よりも蛍光の射出方向側(第1集光レンズ20と反対側)にずれて配置された場合を例にして説明する。
[2]位置調整機構及び温度検出装置の取り付け工程
【0064】
次に、位置調整機構34及び温度検出装置35を用意する。
そして、位置調整機構34を、蛍光板30の基板31の端部に取り付ける。位置調整機構34は、蛍光板30をZ軸方向(光軸方向)に進退移動させ、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を変更するものである。この位置調整機構34としては、例えばマイクロメーターを用いることができる。
【0065】
温度検出装置35は、蛍光体32の温度を検出するものである。温度検出装置35としては、特に限定されないが、放射温度計を用いるのが好ましい。放射温度計は、物体から放射される赤外線の強度を測定して、物体の温度を測定する温度計であり、蛍光体32に接触することなく、非接触で短時間に温度を測定できるという利点がある。
【0066】
そして、温度検出装置35として放射温度計を用いる場合には、これを、蛍光板30を挟んで第1集光レンズ20と反対側に配し、その測定視野範囲に、蛍光体32の励起励起光入射領域Sが含まれるように位置決めする。これにより、温度検出装置35は、Z軸と平行な方向から見たとき、蛍光体32の励起励起光入射領域Sと平面視で重なるように配設される。また、励起励起光入射領域Sにおける蛍光体32の平均的な温度を測定することができる。励起励起光入射領域Sの面積が比較的大きく、励起励起光入射領域Sの内部での温度分布が大きい場合は、測定視野範囲を励起励起光入射領域Sのうち温度が高い領域に絞ったほうが、位置調整の高い精度が期待できる。
ここで、蛍光体32の励起光入射領域Sは、他の領域に比べて高温になる。このため、励起光入射領域Sを測定視野範囲として温度を検出することにより、後述する第2の工程及び第3の工程で、蛍光体32の位置が励起光ELの集光位置と一致したとき、大きな温度上昇を観測することができる。なお、この位置決めは、例えば温度検出装置35に、マイクロメーター等の位置調整機構を取り付け、これを操作することによって行うことができる。
【0067】
[3]位置調整工程
まず、励起光源10から励起光ELを射出させる。励起光源10から射出された励起光ELは第1集光レンズ20で集光され、蛍光体32に入射する(ステップS1、第1の工程)。
このとき、蛍光体32に入射した励起光ELの一部は、蛍光に変換されて射出されるが、蛍光に変換されなかった励起光ELのエネルギーの一部は、熱エネルギーとなって蛍光体32を発熱させる。この発熱による蛍光体32の温度上昇が、次工程で温度検出装置35によって検出される。
本実施形態では、励起光源10として、複数のレーザー光源がアレイ状に配列されたレーザー光源アレイを用いるため、励起光源から大きな光量を得ることができ、蛍光体をより高温にすることができる。
【0068】
ここで、励起光源10から射出させる励起光ELの光量は、製造された光源装置100をプロジェクター1000の光源装置として使用する場合の光量(例えば30W程度)よりも大きな値に設定するのが好ましい。これにより、蛍光体32の励起光入射領域Sをより高温にすることができるため、後述する第2の工程及び第3の工程で、蛍光体32の位置が励起光ELの集光位置と一致したとき、大きな温度上昇を観測することができる。
【0069】
次に、励起光ELを蛍光体32に照射しながら、位置調整機構34の操作によって、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を複数設定し、設定された相対位置ごとに、温度検出装置35によって蛍光体32の温度を検出する(ステップS2、第2の工程)。そして、本実施形態では、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整する(ステップS3、第3の工程)。
【0070】
すなわち、蛍光体32に、励起光ELを集光して入射させた場合の励起光ELのスポット径すなわち励起光入射領域Sの大きさは、蛍光体32が励起光ELの集光位置に配置されている場合に最も小さくなり、蛍光体32が励起光ELの集光位置からずれると、その離間距離に応じてスポット径は大きくなる。
一方、スポット(光照射領域S)内の温度は、蛍光体32が励起光ELの集光位置に配置されている場合(スポット径が最小となる場合)に最も高い。そして、蛍光体32が励起光ELの集光位置からずれると、スポット径が大きくなり、光密度が小さくなるため、その温度は低下する。
このため、温度検出装置35によって検出される温度は、蛍光体32と、励起光ELの集光位置との位置関係を把握するための明確な指標となり、検出される温度が最も高くなるのは、蛍光体32が励起光ELの集光位置に配置されている場合であると言うことができる。したがって、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整することにより、蛍光体32を励起光ELの集光位置に正確に配置することができる。
【0071】
このような蛍光体32の位置調整は、具体的には次のように行われる。
まず、位置調整機構34の操作によって、蛍光板30をZ軸方向に進退移動させ、検出温度の変化を観測する。本実施形態では、初期状態において蛍光体32が集光位置よりも蛍光の射出方向側(第1集光レンズ20と反対側)にずれているため、蛍光板30を第1集光レンズ20側に移動させると検出温度は上昇し、蛍光板30を第1集光レンズ20と反対側に移動させると検出温度は低下する。
【0072】
蛍光板30を検出温度が上昇する方向(本実施形態では、第1集光レンズ20側)に移動させると、検出温度は、蛍光板30の移動に伴って上昇するが、あるところで検出温度が低下する。この上昇から低下に転じる温度が、検出温度が最も高くなる温度(以下、「最高温度」と言う。)である。検出温度が最も高いとき、蛍光体32は集光位置にあると把握することができる。したがって、今度は、蛍光板30を第1集光レンズ20と反対側(温度が上昇する方向)に移動させ、検出温度が前述の最高温度となったところで移動を停止させ、位置調整機構34の操作部をロックさせる。以上の工程により、蛍光体32を励起光ELの集光位置に正確に配置することができる。
【0073】
ここで、本実施形態では、励起光源10としてレーザー光源アレイを用いるため、励起光入射領域Sが高温となり、また、この励起光入射領域Sを測定視野範囲として蛍光体32の温度を検出するため、蛍光体32の位置が励起光ELの集光位置と一致したときに、大きな温度上昇を観測することができる。これにより、そのときの温度が蛍光体32から検出される温度の最高温度であると容易に判別することができるため、蛍光体32の相対位置を、より精度良く調整することが可能となる。
【0074】
また、この位置調整工程では、このように蛍光体32を配置したまま第1集光レンズ20と蛍光体32との相対位置を調整するため、調整の過程で蛍光体32を取り外したり配置したりする必要がない。このため、蛍光体32の位置調整に時間がかかったり、蛍光体32の位置にずれが生じたりすることもない。よって、蛍光体32を励起光ELの集光位置に短時間で正確に調整することができる。
【0075】
なお、初期状態において蛍光体32が集光位置よりも第1集光レンズ20側にずれている場合にも、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整することにより、蛍光体32を励起光ELの集光位置に高い精度で配置することができる。
【0076】
[4]接着工程
次に、位置調整機構34及び温度検出装置35を取り外し、蛍光板30を、接着剤等によって基台に接着する。
以上の工程によって光源装置100Aが得られる。
【0077】
このようにして製造された光源装置100Aは、蛍光体32が励起光ELの集光位置に正確に配置されているため、発光面積が小さく、プロジェクターの光源として、高い光利用効率を得ることができる。
したがって、このようにして製造された光源装置100Aを備えるプロジェクター1000は、優れた表示品質を得ることができる。
【0078】
<第2実施形態>
本実施形態のプロジェクターは、光源装置として、本実施形態の光源装置100Bを備える以外は、前記実施形態1で説明したプロジェクターと同様である。
以下、本実施形態の光源装置100Bについて説明する。
この実施形態の光源装置100Bは、蛍光板30の代わりに回転蛍光板30Rを備え、位置調整機構34及び温度検出装置35が追加されている以外は、前記実施形態1の製造方法で説明した光源装置100Aと同様の構成とされている。
なお、光源装置100Bを構成する各部は、励起光源10及び第1集光レンズ20を除いて基台(図示せず)に固定されており、励起光源10及び第1集光レンズ20は、基台に取り付けられたクランプに移動可能に支持されている。
【0079】
回転蛍光板30Rはいわゆる透過型の回転蛍光板である。回転蛍光板30Rは、図6に示すように、モーター33により回転駆動される回転板31Rの回転方向に沿って、蛍光体32が形成されてなる。回転蛍光板30Rの回転軸はZ軸と平行な方向である。蛍光体32が形成されている領域は、励起光ELが入射する領域(励起光入射領域)Sを含む。回転板31Rを回転駆動することにより、蛍光体32の励起光入射領域Sが時間的に変動される。図示していないが、回転板31Rの蛍光体32が設けられている面とは反対側の面には、第1実施形態で説明した誘電体多層膜が設けられている。この回転蛍光板30Rは、励起光EL(青色光)が入射する側とは反対側に向けて赤色光及び緑色光を射出する。
【0080】
回転蛍光板30Rは、使用時において7500rpmで回転する。詳しい説明は省略するが、回転蛍光板30Rの直径は50mmであり、回転蛍光板Rに入射する励起光ELの光軸が回転蛍光板30Rの回転中心から約22.5mm離れた場所に位置するように構成されている。つまり、回転蛍光板30Rは、励起光ELの集光スポットが約18m/秒で蛍光体32上を移動するような回転速度で回転する。
【0081】
回転板31Rの構成材料としては、前記第1実施形態における基板31と同様のものを用いることができ、蛍光体32の構成材料も、前記第1実施形態と同様である。
【0082】
このような回転蛍光板30Rでは、蛍光体32に励起光ELが入射されると、蛍光体32の励起光入射領域Sに対応する部分が発熱する。そして、この発熱した部分(発熱部分)は、回転板31Rが回転することにより、円周を描いて移動し、再び、励起光入射領域に戻るというサイクルを繰り返す。ここで、発熱部分は、移動の過程で冷却されるが、それでも温度検出装置35で検出するのに十分な温度を維持している。
このため、次に説明するように、発熱部分の移動軌跡の温度を検出することにより、光照射領域Sの温度を検出する場合と同様の温度変化を観測することができる。
ここで、本明細書中では、この発熱部分となる領域の移動軌跡を「蛍光軌跡r」と言う。
【0083】
位置調整機構34は、励起光源10の基台11の端部に取り付けられている。この光源装置100Bでは、励起光源10及び第1集光レンズ20が互いに連結されており、位置調整機構34は、励起光源10及び第1集光レンズ20を一体としてZ軸方向(光軸方向)に進退移動させて第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を変更する。この位置調整機構34としては、例えばマイクロメーターを用いることができる。
【0084】
温度検出装置35は、蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度を検出する。蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度には励起光入射領域Sの温度が反映されるため、蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度を検出することにより、励起光入射領域Sの温度を検出するのと同様の温度変化を観測することができる。温度検出装置35としては、前記第1実施形態と同様の理由から、放射温度計を用いるのが好ましい。
【0085】
温度検出装置35として放射温度計を用いる場合、温度検出装置35は、回転蛍光板30Rを挟んで、第1集光レンズ20と反対側に配される。そして、その測定視野範囲に、光照射領域Sを含まず、且つ、蛍光軌跡rの一部を含むように蛍光軌跡r上に配設される。つまり、温度検出装置35は、Z軸と平行な方向から見たとき、蛍光体32の励起光入射領域Sと平面視で重ならないように配設される。
温度検出装置35が、蛍光体32の励起光入射領域Sと平面視で重ならないように配設されることにより、励起光入射領域Sと平面視で重なるように配設すべき光学系(コリメート光学系40)と該温度検出装置35とが互いに干渉することなく、両者を並列して配置できるという効果が得られる。なお、温度検出装置35の測定視野範囲は、本実施形態では、発熱部分が回転蛍光板30Rの回転軸の周りを光照射領域Sから約180°回転移動した場所としているが、これに限るものではなく、前記回転移動角は例えば約90°、約120°等であっても良い。
【0086】
この光源装置100Bは、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整する位置調整機構34と、蛍光体32の蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度を検出する温度検出装置35を備えるため、次のようにして蛍光体32の相対位置を励起光ELの集光位置と一致させるように調整することができる。
【0087】
まず、回転蛍光板30Rを回転させ、励起光源10から励起光ELを射出させる。励起光源10から射出された励起光ELは第1集光レンズ20で集光され、蛍光体32に入射する。これによって、蛍光体32の光照射領域Sが発熱する(ステップS1、第1の工程)。この発熱した部分(発熱部分)は、回転蛍光板30Rが回転することにより、円周を描いて移動し、再び、励起光入射領域に戻るというサイクルを繰り返す。
【0088】
次に、位置調整機構34の操作によって、励起光源10及び第1集光レンズ20をZ軸方向に進退移動させて第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を複数設定し、設定された相対位置ごとに、温度検出装置35によって蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度を検出する(ステップS2、第2の工程)。そして、本実施形態では、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整する(ステップS3、第3の工程)。
【0089】
蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度には、光照射領域Sの温度が反映されるため、蛍光軌跡rにおける蛍光体32で検出される温度が最も高くなるときの蛍光体32の位置は、励起光ELの集光位置であると言うことができる。したがって、蛍光軌跡rにおける蛍光体32で検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整することにより、蛍光体32を励起光ELの集光位置に精度良く配置することができる。
ここで、蛍光体の相対位置調整の具体的な手順は、前記第1実施形態にかかる製造方法の場合と同様である。
【0090】
このように、この光源装置100Bは、位置調整機構34及び温度検出装置35を備えるため、前記第1の工程〜前記第3の工程によって、蛍光体32の相対位置を随時調整することが可能である。このため、プロジェクターの光源として、高い光利用効率を維持することができる。
したがって、このような光源装置を備えるプロジェクターは、優れた表示品質を維持することができる。
【0091】
(光源装置の製造方法)
次に、第2実施形態にかかる光源装置の製造方法について、図5に示す光源装置100Bを製造する場合を例にして説明する。
なお、第2実施形態においては、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
[1]組み立て工程
まず、光源装置100Bを構成する各部を組み立てる。
組み立てた状態で、励起光源10、第1集光レンズ20、回転蛍光板30R及びコリメート光学系40はこの順序でZ軸に沿って配置され、図示しない基台に取り付けられたクランプに保持もしくは支持されている。本実施形態には、励起光源10及び第1集光レンズ20は互いに連結され、それぞれ、クランプに移動可能に支持され、回転蛍光板30R及びコリメート光学系40はクランプに保持されることで基台に固定されている。
なお、回転蛍光板30Rは、第1集光レンズ20を挟んで励起光源10と反対側に配置されており、位置調整前の段階では、励起光ELの集光位置からずれているものとする。
【0092】
[3]位置調整機構及び温度検出装置の取り付け工程
次に、位置調整機構34及び温度検出装置35を用意する。
そして、位置調整機構34を、励起光源10の基台11の端部に取り付ける。
また、温度検出装置35を、回転蛍光板30Rを挟んで第1集光レンズ20と反対側に配し、その測定視野範囲に、蛍光体32の蛍光軌跡rの一部が含まれるように位置決めする。
【0093】
[4]位置調整工程
次に、蛍光体32の位置が励起光ELの集光位置と一致するように、蛍光体32から温度を検出しつつ、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整する。
この工程は、光源装置100Bにおいて蛍光体32の相対位置を調整するのと同様に前記第1の工程〜前記第3の工程によって行うことができる。
以上の工程によって光源装置100Bが得られる。
【0094】
第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、この第2実施形態では、特に、温度検出装置35を、蛍光体32の励起光入射領域Sと平面視で重ならないように、蛍光軌跡r上に配置するため、この温度検出装置35と、励起光ELが入射する領域と平面視で重なるように配設すべき光学系(コリメート光学系40)とを、互いに干渉しないように並存させることが可能となる。
これにより、蛍光体32の励起光入射領域Sと平面視で重ならないように取り付けられた温度検出装置35を用いれば、コリメート光学系40を固設した後に、第1の工程〜第3の工程を行うこともでき、光源装置の製造工程の順序を最適化することが可能となる。
【0095】
また、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を調整した後に温度検出装置35を取り外す必要がなく、温度検出装置35を、光源装置100Bにそのまま留めておくことが可能となる。
その結果、製造された光源装置100Bは、蛍光体の温度を検出する温度検出装置35を備えるため、製品として出荷された後も前記第1の工程〜前記第3の工程によって第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を随時調整することが可能である。これにより、光源装置100Bは、高い光利用効率や高い発光効率を維持することが可能となる。
【0096】
<第3実施形態>
本実施形態のプロジェクターは、光源装置として、本実施形態の光源装置100Cを備える以外は、前記実施形態1で説明したプロジェクターと同様である。
以下、本実施形態の光源装置100Cについて説明する。
図7は、本実施形態の光源装置を示す側面図である。
この実施形態の光源装置100Cは、励起光ELが蛍光体32の表面側から入射するように構成されている点が異なる以外は、前記実施形態の100Bと同様の構成とされている。
なお、光源装置100Bを構成する各部は、回転蛍光板30Rを除いて基台(図示せず)に固定されており、回転蛍光板30Rは、基台に取り付けられたクランプに移動可能に支持されている。
【0097】
図7に示すように、光源装置100Cは、第1集光レンズ20及びコリメート光学系40の代わりに、第1レンズ41と、集光レンズ80と、青反射ダイクロイックミラー90とを有し、これら各部と励起光源10とが、回転蛍光板30Rの蛍光体32側に配設されている。
【0098】
そして、第1レンズ41及び集光レンズ80は、第1レンズ41が蛍光体側となるように、蛍光の光路上に配置され、励起光源10は、その発光面が光路と略平行となるように配置されている。また、青反射ダイクロイックミラー90は、その表面が励起光源10の発光面と斜めに対峙し、かつ、蛍光体32から射出される蛍光の光軸(Z軸)と斜めに交差するように配置されている。青反射ダイクロイックミラー90は、励起光EL(青色光成分)を反射し、赤色光成分及び緑色光成分を透過させる。
回転蛍光板30Rの構成は、前記実施形態の光源装置100Bが備えるものと同様である。図示していないが、回転板31Rの蛍光体32が設けられている面とは反対側の面には、第1実施形態で説明した誘電体多層膜が設けられている。
【0099】
このような光源装置100Cでは、励起光源10から射出された励起光ELは、青反射ダイクロイックミラー90によって集光レンズ80に向かって反射される。反射された励起光ELは、集光レンズ80で集光されて蛍光体32の表面に入射する。蛍光体32は、励起光ELを蛍光に変換し、この蛍光を励起光ELが入射する側と同じ側に射出する。射出された蛍光は、第1レンズ41及び集光レンズ80を通過することで略平行化され、青反射ダイクロイックミラー90を通過して、図1に示した第2集光レンズ50に入射する。
【0100】
位置調整機構34は、回転蛍光板30Rのモーター33に取り付けられている。この位置調整機構34は、回転蛍光板30RをZ軸方向(光軸方向)に進退移動させて集光レンズ80に対する蛍光体32の相対位置を変更する。この位置調整機構34としては、例えばマイクロメーターを用いることができる。
【0101】
温度検出装置35は、蛍光体32の蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度を検出するものであり、第2実施形態の光源装置100Bの場合と同様に、蛍光軌跡r上に配設されている。
【0102】
このように構成された光源装置100Cは、集光レンズ80に対する蛍光体32の相対位置を調整する位置調整機構34と、蛍光体32の蛍光軌跡rにおける蛍光体32の温度を検出する温度検出装置35を備えるため、第2実施形態の光源装置100Bと同様にして蛍光体32の集光レンズ80に対する相対位置を励起光ELの集光位置と一致するように随時調整することができる。
したがって、このような光源装置を備えるプロジェクターは、優れた表示品質を維持することができる。
【0103】
(光源装置の製造方法)
次に、第3実施形態にかかる光源装置の製造方法について、図7に示す光源装置100Cを製造する場合を例にして説明する。
[1]組み立て工程
まず、光源装置100Cを構成する各部を組み立てる。
組み立てた状態で、回転蛍光板30R、第1レンズ41、集光レンズ80及び青色反射ダイクロイックミラー90は、この順に蛍光の光路に沿って配置され、励起光源10は、その発光面が蛍光の光路と平行となるように配置されており、それぞれ、図示しない基台に取り付けられたクランプに保持もしくは支持されている。具体的には、回転蛍光板30R以外の各部は、それぞれ、クランプに保持されて基台に固定され、回転蛍光板30Rは、クランプに移動可能に支持されている。
なお、位置調整前の段階では、回転蛍光板30Rは励起光ELの集光位置からずれている。
【0104】
[3]位置調整機構及び温度検出装置の取り付け工程
次に、位置調整機構34及び温度検出装置35を用意する。
そして、位置調整機構34を、回転蛍光板30Rのモーター33に取り付ける。
また、温度検出装置35を、蛍光体32を挟んで回転板31Rと反対側に配し、その測定視野範囲に、蛍光体32の蛍光軌跡rの一部が含まれるように位置決めする。
【0105】
[4]位置調整工程
次に、蛍光体32の位置が励起光ELの集光位置と一致するように、蛍光体32から温度を検出しつつ、集光レンズ80に対する蛍光体32の相対位置を調整する。
この工程は、光源装置100Bにおいて蛍光体32の相対位置を調整するのと同様に前記第1の工程〜前記第3の工程によって行うことができる。
以上の工程によって光源装置100Cが得られる。
第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能である。
【0107】
例えば、前記各実施形態において、位置調整機構34を取り付ける部材はこれに限るものではなく、第1集光レンズ20又は集光レンズ80に対する蛍光体32又は回転蛍光板30Rの相対位置を変更できるように構成すれば良い。すなわち、第1集光レンズ20、集光レンズ80、蛍光板30、回転蛍光板30Rのいずれに取り付けてもよく、第1集光レンズ20又は集光レンズ80と、蛍光板30又は回転蛍光板30Rの双方に取り付けても構わない。また、前記第2実施形態のように、励起光源10と第1集光レンズ20とを連結した場合には、励起光源10の基台に取り付けるようにしてもよい。
【0108】
また、前記各実施形態では、前記第3の工程において、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20又は集光レンズ80に対する蛍光体32の相対位置を調整し、蛍光体32が励起光ELの集光位置に配置されるようにしているが、蛍光体32から検出される温度が最も高くなる位置から所定距離ずれて蛍光体が配置されるように位置調整を行っても良い。例えば、以下のように距離を設定すると、蛍光体32を、励起光ELのスポット径が目的の寸法となる位置に配置することができる。
【0109】
すなわち、蛍光体32に照射される励起光ELのスポット径は、蛍光体32の集光位置からの距離Lzと相関関係がある。したがって、この相関関係に基づいて、目的とするスポット径が得られる距離Lzを予め求めておき、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるように、第1集光レンズ20又は集光レンズ80に対する蛍光体32の相対位置を調整した後、この相対位置を基準にして、蛍光体32の相対位置を距離Lzだけ変化させる。これにより、蛍光体32を、励起光ELのスポット径が目的の寸法となる位置に正確に配置することができる。
【0110】
このように蛍光体32の位置が調整された光源装置は、蛍光体32に、目的の大きさのスポット径で励起光ELが照射されるので、スポット径が集光位置でのスポット径よりも若干大きくなるように距離Lzを設定した場合(例えば集光位置でのスポット径1.0mmから1.1mm径となるように設定した場合)には、蛍光体32の熱劣化を軽減しつつ、発光面積を比較的小さくすることができる。このため、プロジェクターの光源として、高い発光効率と高い光利用効率を得ることが可能となる。
【0111】
なお、第1実施形態乃至第3実施形態では、蛍光体32から検出される温度が最も高くなるとき、蛍光体32が励起光ELの集光位置に配置されている、として説明したが、次のような変形例も可能である。例えば、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置をステッピングモーターによって段階的に変化させて、各相対位置ごとに蛍光体32の温度を検出する。検出された複数の温度のうち、最も高い温度を与える第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を、近似的に蛍光体32が励起光ELの集光位置に配置されている状態としてみなしてもよい。この方法によれば、位置調整の精度は低下するが、第1集光レンズ20に対する蛍光体32の相対位置を効率よく調整することができる。あるいは、検出された複数の温度に基づいて集光位置を推測することによって位置調整を行ってもよい。この方法によれば、精度の低下を抑制しつつ効率よく調整することができる。
【0112】
また、本発明は、次のような変形も可能である。
本実施形態のプロジェクター1000では、液晶光変調装置として3つの液晶光変調装置を用いたが、これに限らない。1つ、2つ又は4つの液晶光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
【0113】
また、本実施形態のプロジェクター1000では、透過型のプロジェクターを用いたが、これに限らない。例えば、反射型のプロジェクターを用いてもよい。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶表示装置等のように光変調手段としての光変調装置が光を透過するタイプであることを意味している。「反射型」とは、反射型の液晶表示装置等のように光変調手段としての光変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクターに本発明を適用した場合にも、透過型プロジェクターと同様の効果を奏することができる。
【0114】
本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも、適用することができる。
【0115】
上記各実施形態においては、本発明の照明装置をプロジェクターに適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、本発明の照明装置を他の光学機器(例えば、光ディスク装置、自動車のヘッドランプ、照明機器等)に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0116】
10…励起光源、20…第1集光レンズ(集光手段)、30…蛍光板、30R…回転蛍光板(蛍光板)、31…基板、31R…回転板(基板)、32…蛍光体、34…位置調整機構、35…温度検出装置、100A、100B、100C…光源装置、400R,400G,400B…液晶光変調装置(光変調装置)、600…投写光学系、1000…プロジェクター、EL…励起光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光源と、前記励起光源から射出された励起光を集光させる集光手段と、前記集光手段により集光された励起光を受けて蛍光を放射する蛍光体とを有する光源装置の製造方法であって、
前記励起光源から射出された励起光を前記集光手段により集光させて前記蛍光体に入射させる第1の工程と、
前記集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を複数設定し、相対位置ごとに前記蛍光体の温度を検出する第2の工程と、
前記第2の工程によって検出された複数の温度に基づいて、前記蛍光体の前記集光手段に対する相対位置を調整する第3の工程と、を有することを特徴とする光源装置の製造方法。
【請求項2】
前記第3の工程において、前記第2の工程によって検出された複数の温度のうち最も高い温度を与えるように、前記集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の光源装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の工程及び前記第3の工程において、前記蛍光体の温度を、前記励起光が入射する領域について検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置の製造方法。
【請求項4】
前記励起光源は、複数のレーザー光源が配列されたレーザー光源アレイであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光源装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程において、前記励起光源から射出させる励起光の光量を、製造された光源装置を光源として使用する場合の光量よりも大きな値に設定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光源装置の製造方法。
【請求項6】
前記蛍光体の温度を検出する温度検出装置として、放射温度計を用いることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の光源装置の製造方法。
【請求項7】
前記蛍光体は、回転駆動されるように構成された基板上に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光源装置の製造方法。
【請求項8】
前記蛍光体の温度を、前記励起光が入射する領域と異なる領域で検出することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光源装置の製造方法。
【請求項9】
励起光を射出する励起光源と、
前記励起光源から射出された励起光を集光させる集光手段と、
前記集光手段により集光された励起光を受けて蛍光を放射する蛍光体と、
前記蛍光体の温度を検出する温度検出装置と、
前記集光手段に対する前記蛍光体の相対位置を調整する位置調整機構と、を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項10】
前記蛍光体は、回転駆動されるように構成された基板の上に設けられ、
前記温度検出装置は、前記蛍光体から射出される蛍光の光軸と平行な方向から見たとき、前記基板の回転によって前記蛍光体上に描かれる励起光入射領域の軌跡上であって該励起光入射領域と平面視で重ならない領域に配設されていることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の光源装置と、前記光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投写画像として投写する投写光学系と、を備えることを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−4231(P2013−4231A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132204(P2011−132204)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】