説明

光源装置

【課題】 長尺の対象物を検査するには、集光レンズの長さが必然的に長くなり、集光レンズを継ぎ足して使用しなければならず、集光レンズの繋ぎ目には影ができやすくなり、この影が検査物の欠点と判断され、正確な検査装置を提供することができない。また、長尺の集光レンズを特注で製作することは可能であるが、非常に高価になる欠点がある。
【解決手段】 チップ状のLEDを等間隔に複数個配置し、この複数個のLED上に継ぎ足した集光レンズを配置し、その上に10mm以上離して拡散フィルムを設置した。この結果、光量むらが解消し、安価な市販の集光レンズが使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ状LEDと集光レンズおよび拡散フィルムを組み合わせて長尺の検査物の欠点を検査する高輝度光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、欠点検査装置の光源として蛍光ランプなどが主流であったが、近年高輝度のLEDが開発され、長寿命、省電力などの利点から蛍光ランプに代わって複数個並べたLEDが光源として採用されるようになってきた。
【0003】
このLEDは、当初レンズとLEDを一体型にした砲弾型のタイプが採用されていたが、検査物の傷などの欠点を見つけるとき、光源の輝度が十分ではないため検査物の小さな欠点を発見する事が困難であった。そのためチップ状のLEDと集光レンズおよび拡散フィルムを組み合わせた高輝度の光源装置が提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような装置で長尺の対象物を検査するには、集光レンズの長さが必然的に長くなり、集光レンズを継ぎ足して使用しなければならない。このため、集光レンズの繋ぎ目には影ができやすくなり、この影が検査物の欠点と判断され、正確な検査装置を提供することができない。
【0005】
この影を無くすため、長尺の集光レンズを特注で製作することは可能であるが、非常に高価になる欠点がある。また、集光レンズはロッドレンズやシリンドリカルレンズなどが使用され、この上に拡散フィルムが取り付けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するため、本発明はチップ状のLEDを等間隔に複数個配置し、この複数個のLED上に継ぎ足した集光レンズを配置し、その上に10mm以上離して拡散フィルムを設置した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長尺の直線状に配置された複数のチップ状LEDの上部に、繋ぎ足したロッドレンズまたはシリンドリカルレンズなどの集光レンズを備え、この集光レンズと10mm以上離して拡散フィルムを設置することにより、集光レンズの繋ぎ目の影もなくなり、むらのない光量が得られる。また、特注的な長尺の集光レンズを使用していないため非常に安価になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例を示す光源装置の説明図である。
【0010】
この光源装置は、放熱フィン10上にプリント基板11に取付けられたチップ状LED1、2、3、4、5、6の上にロッドレンズ7および8が取付けられている。当然光源装置の長さが長くなればチップ状LEDの数量及びロッドレンズの数量は多くなる。
ロッドレンズ7および8の上部には拡散フィルム9が取り付けられている。
【0011】
チップ状LED1,2,3、4、5、6は等間隔で一列に取付けられている。また、ロッドレンズ7および8は市販で販売されている長さの短い安価なものである。ロッドレンズ7および8と拡散レンズ9との距離Lを変化させたときの拡散フィルムを通しての光量むらの大きさを表1に示す。
【表1】

【0011】
以上のような構成により、本実施例ではLEDからの光束が広がる前にロッドレンズ7および8に漏れなく集められ、ロッドレンズ7および8から出る光束は拡散フィルム9により直線性の平行光線に変換され、外部に照射される。LEDからの光束は効率よくロッドレンズ7および8で増幅されるため十分な輝度が得られるが、表1の実験結果からロッドレンズ7および8と拡散フィルム9との距離が10mm以上で光量むらが解消される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例を示す光源装置の説明図。
【符号の説明】
【0013】
1,2,3,4,5・・・チップ状LED
7,8・・・ロッドレンズ
9・・・拡散フィルム
10・・・放熱フィン
11・・・プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ状のLEDを等間隔に複数個配置し、この複数個のLED上に継ぎ足した集光レンズを配置し、その上に10mm以上離して拡散フィルムを設置してなる光源装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−265068(P2009−265068A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138700(P2008−138700)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000221432)東西電工株式会社 (24)
【Fターム(参考)】