説明

光源装置

【課題】LEDを用いて検査物の欠点を検査する光源装置において、検査物からの反射によるハレーションを防止する光源装置を提供する。
【解決手段】チップ状のLED1,2を概90°の角度を持ったのこぎり状の斜辺に設置し、この斜辺に取り付けられた2個のLED間に略2個のLED表面に接する大きさのボールレンズ3を固定して、チップ状のLEDからの光束が概45度の角度でボールレンズを通して照射するように穴の開いた遮光板を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ状LEDとボールレンズを組み合わせて効果的に検査物の欠点を検査する光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、欠点検査装置の光源として蛍光ランプなどが主流であったが、近年高照度のLEDが開発され、長寿命、省電力などの利点から蛍光ランプに代わって複数個並べたLEDが光源として採用されるようになってきた。
【0003】
このLEDは、当初レンズとLEDを一体型にした砲弾型のタイプが採用されていたが、検査物の傷などの欠点を見つけるとき、光源は検査物とは通常垂直に向けられて設置されている。砲弾型LEDの光は放射角が狭く殆ど光はLEDの真上からしか照射せず、検査物からの反射光が真下に反射するためハレーションを起こす。検査物の欠点が大きければ発見できるが、小さな欠点であれば見逃す可能性が高い。そのため、図2に示すようにプリント基板9の上に、概45度に傾けた砲弾型LED8を左右2列に反対方向に並べ、検査物からの反射光でハレーションを起こさないようにしている。
【0004】
また、図3はチップ状のLED10,11を使用してLEDをピッチPで等間隔に複数個配置し、概直径Pの大きさのボールレンズ13を前記チップ状のLED10,11間に固定し、チップ状のLEDからの光束が概45度の角度でボールレンズ13を通して照射する方法で、検査物からの反射光でハレーションを起こさないようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図2は、従来から一般に使用されている砲弾型LEDを左右2列に反対方向に複数個並べ、概45度に傾けたものを配置した光源装置の一実施例である。この装置では砲弾型LEDを概45度に傾けてプリント基板などに取付ける必要があるため、傾きを合わすなどの加工が困難で、また取付けた状態もばらつきが大きく、光の均一性が悪く、2列に並べるため砲弾型LEDの数量が多くなり高価になる欠点がある。
【0006】
また、チップ状のLEDを使用した図3は、LEDから出る光束の一部しかボールレンズを通して照射されないため十分な照度が得られない欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するため、本発明はチップ状のLEDを概90°の角度を持ったのこぎり状の斜辺に設置し、この斜辺に取り付けられた2個のLED間に略2個のLED表面に接する大きさのボールレンズを固定して、チップ状のLEDからの光束が概45度の角度でボールレンズを通して照射するように穴の開いた遮光板を配置した。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によれば、チップ状のLEDを概90°の角度を持ったのこぎり状の斜辺に設置し、この斜辺に取り付けられた2個のLED間に略2個のLED表面に接する大きさのボールレンズを固定して、チップ状のLEDからの光束が概45度の角度でボールレンズを通して照射するようにしたことにより、概45度の光束を均一に出せるだけではなく、LED中央部から出る光束を使うことで十分な照度が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施例を示す光源装置の説明図である。
【0011】
この光源装置は、90°の角度を持ったのこぎり状の放熱用金属板6の上に設置されるプリント基板4および5と、前記プリント基板に取付けられるチップ状LED1,2とボールレンズ3及びLED1,2の光の遮光部7aと光放出穴7bから形成される遮光板7からなる。当然光源装置の長さが長くなればチップ状LED及びボールレンズの数量は多くなる。
【0012】
チップ状LED1,2は、のこぎり状の放熱用金属板6の上に設置されたプリント基板4および5に取り付けられ、LED1および2の上部にはLED1および2の中央部に略接するようボールレンズ3が固定されている。遮光板7は、チップ状LEDからの光束がボールレンズを通して概45度で照射できるように光放出穴7bがあいており、ボールレンズを通しての光束しか出ないようにボールレンズの上端に取付けられている。
【0013】
以上のような構成により、本実施例ではハレーションの発生しない概45度の均一な照射光が得られ、また、LED中央部から出る光束をボールレンズを通して照射されるため十分な照度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例を示す光源装置の説明図。
【図2】従来の実施例を示す光源装置の説明図。
【図3】従来の実施例を示す他の光源装置の説明図。
【符号の説明】
【0015】
1,2・・・チップ状LED
3・・・ボールレンズ
4、5・・・プリント基板
6・・・略90°の角度を持つのこぎり状の放熱板
7・・・遮光板
7a・・・遮光板7の遮光部
7b・・・遮光板7の光放出穴
8・・・砲弾型のLED
9・・・プリント基板
10、11・・・チップ状LED
12・・・プリント基板
13・・・ボールレンズ
14・・・遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ状のLEDを概90°の角度を持ったのこぎり状の斜辺に設置し、この斜辺に取り付けられた2個のLED間に略2個のLED表面に接する大きさのボールレンズを固定して、チップ状のLEDからの光束が概45度の角度でボールレンズを通して照射するように穴の開いた遮光板を配置してなる光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−238577(P2011−238577A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119831(P2010−119831)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000221432)東西電工株式会社 (24)
【Fターム(参考)】