説明

光源装置

【課題】冷却水を異なる断面形状の水路を折り返して流す折り返し部分の改善を図る。
【解決手段】複数のLED11搭載の実装基板12で構成の光源モジュール13を冷却部材14の実装面部15に取着し、冷却部材14内の光源モジュール13の発光面の背面側と対向して断面楕円形状の冷却流水路161〜163,166を配置する。冷却水をこれら冷却流水路に折返し直列的に流すため、楕円から円形状に、円から楕円形状に漸次変形の連結管69,77,79で接合する。直列接合された一端の冷却流水路161の開口部に接続口が楕円で漸次円形状となる入水パイプ61を、他端の冷却流水路166の開口部に接続口が楕円で漸次円形状となる出水パイプ64を接続する。入水パイプ61からの冷却水は、冷却部材14に伝導した光源モジュールの熱を吸収し、入水時より温められた冷却水は、出水パイプ64に送水され、外部装置で再度冷却され入水パイプ61に戻す循環冷却処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード等の固体発光素子による光源を複数個使用し、製造プラントや水処理等にも適用可能な高光出力の得られる光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体素子が装着された絶縁基板のような平面を冷却する場合は、非円断面による冷却流水路を構成し、冷却流水路を絶縁基板に接触させて水路から絶縁基板に発生した熱を逃がすことで絶縁基板の冷却が行われている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−296748公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術は、被冷却体と接触する部分の断面と冷却水の入口および出口の断面が異なる形状の冷却流水路が下側を構成する凹溝と凹溝の開口部を覆う蓋の組み合わせで構成されている。このような冷却流水路は、合わせ面が長くなり冷却水を流すには、長い合わせ面に十分な気密加工を施す必要がある。この場合、例えば非常に長尺な平面状の被冷却体を冷却したい場合、気密封止すべき箇所が長大になることから、漏水の信頼性低下が要因となり製造しにくい、という問題があった。
【0005】
この発明の目的は、冷却流水路とこの冷却流水路の折り返しの連結管の断面形状が異なる場合のメンテナンス性と信頼性の向上を図った光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、この発明の光源装置は、複数個の固体発光素子が、それぞれ実装基板に搭載された少なくとも1つの光源モジュールと、前記光源モジュールを取着するとともに、該光源モジュールを冷却させるための冷却部材と、前記固体発光素子の非装着面側の前記実装基板と対向する前記冷却部材に配置させ、内部に該冷却部材を冷却させるための冷却水が流れる断面が楕円形状の少なくとも2本の冷却流水路と、前記冷却流水路と接合させ、一方の前記冷却流水路から他方の冷却流水路に折り返して前記冷却水を流すために、前記冷却流水路の楕円形状より断面を漸次円形状とし、該円形状から漸次前記冷却流水路の楕円形状とした連結管とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、楕円形状の冷却流水路とこの冷却流水路に接続される連結部材との接合により円形形状の折り返しの連絡管を形成したことで、断面形状が異なる場合におけるメンテナンス性と信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の光源装置に関する第1の実施形態について説明するための概略的なシステム構成図である。
【図2】光源モジュールについて説明するための正面図である。
【図3】図1のIa−Ib線断面図である。
【図4】発光ダイオードの指向特性について説明するための説明図である。
【図5】光源装置の冷却系について説明するための概略構成図である。
【図6】図1要部の斜視図である。
【図7】図1要部の斜視図である。
【図8】光源装置の発光システム例の概略について説明するための構成図である。
【図9】この発明の光源装置に関する第2の実施形態について説明するための概略的なシステム構成図である。
【図10】図9のIIa−IIb断面図である。
【図11】図9要部の斜視図である。
【図12】図9要部の斜視図である。
【図13】光源装置の図9の冷却系を平面的に模式化して示した概略構成図である。
【図14】この発明の光源装置の第2の実施形態の変形例について説明するための図11に相当する斜視図である。
【図15】この発明の光源装置の第2の実施形態の変形例について説明するための図12に相当する斜視図である。
【図16】この発明の光源装置の使用例について説明するための概念的なシステム図である。
【図17】この発明の光源装置の他の使用例について説明するための概念的なシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1〜図8は、この発明の光源装置に関する第1の実施形態について説明するためのもので、図1は概念的なシステム構成図、図2は光源モジュールの一例について説明するための正面図、図3は図2のIa−Ib断面図、図4は発光ダイオードの指向特性について説明するための説明図、図5は光源装置の冷却系について説明するための概略構成図、図6、図7はそれぞれ図1要部の斜視図、図8は光源装置の発光システム例の概略について説明するための構成図である。
【0011】
図1に示す100は、高い光出力の得られる光源装置である。この光源装置100は、複数の発光ダイオード(LED)11を、耐熱性で伝導性のアルミ系、銅系等の金属や、窒化アルミニウム等のセラミックスを基材とした略矩形状の実装基板12に実装してモジュール化された光源モジュール13の状態で配置される。
【0012】
図2に示す光源モジュール13は、LEDの数が図では省略して示しているが、一個の光源モジュールあたり、例えば100個のLEDをマトリクス状に細密配列した状態を基本構成としている。また、LED11は、例えば、図3に示すように、約3[mm]×3[mm]の矩形状をなす平面実装型のLEDで構成され、出射面に固設された半球状のレンズ111の作用により、図4に示すような半値角約45度(光干渉角約135度)の指向特性で光を放射する。各LED11は、実装基板12に対し、マトリクス状に細密配置される。より具体的には、隣接するLED11からの出射光が遮られないようにするための最低限の間隔である例えば、0.2[mm]を保持した等ピッチで実装される。
【0013】
図1に示す14は、熱伝導性が高く、耐熱性の高い例えばアルミニウム合金などからなる冷却部材である。冷却部材14内には、実装面部15に対向する位置に、楕円形状の冷却流水路161〜163,166が例えば押出し成型により一体的に形成される。冷却流水路161〜163,166は、楕円形状としたことにより、実装基板12に対する対向面積を増やし、冷却効果を向上させるようにしている。冷却流水路161〜163,166は、流れを滑らかにするため同じ断面積で構成される。冷却流水路161〜163,166内は、耐久性を持たせるために、例えばアルマイト(登録商標)加工を行い、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上が図られている。
【0014】
冷却流水路161,163は、上から下へ冷却水を流し、冷却流水路162,166は、下から上へ冷却水を流す。
【0015】
光源モジュール13は、LED11が実装された実装基板12の反対面側を、冷却部材14の実装面部15に対し、例えば、耐熱性を有し、且つ熱伝導性の良好な接着剤などを介して固着される。これにより光源モジュール13は、冷却部材14に対して熱的に接続され、相互間での熱交換が可能となる。
【0016】
ここでは、実装面部15に対して1枚の光源モジュール13が固着されているが、光源モジュール13は、実装面部の長手方向に複数配置しても構わない。
【0017】
図1を冷却流水路側から実装基板側を見た状態の図5にも示すように、冷却部14の上端面の冷却流水炉161に、外部から冷却水を取り入れるための円形状の入水パイプ61が取り付けられる。円形状の入水パイプ61は、円形状から冷却流水路161の楕円形状に漸次合わせた楕円形状の接続口62に変換する機能を備えている。入水パイプ61から給水される冷却水は、冷却流水路161を介して下方側に流される。
【0018】
冷却流水路161〜163,166に流す冷却水としては、例えば、水またはオイル等からなる冷却液を循環する図示しない冷却装置が入水パイプ61の経路に接続されている。この冷却装置は、熱交換器とポンプとを有し、熱交換器で例えば10度程度まで冷却した冷却水を、ポンプによって入水パイプ61から冷却流水路161〜163,166に圧送する。これにより、冷却部材14は、常に所定の低温に保たれ、LED11に対する冷却機能を果たしている。
【0019】
図5に示すように、冷却流水路162を下方から送られてきた冷却水は、冷却流水路163に折り返して下方に流す。冷却流水路166を下方から流れてきた冷却水は、冷却流水路166の楕円形状に合わせた楕円形状の接続口63を有する円形状の出水パイプ64に出水する。出水パイプ64は、楕円形状の接続口63から漸次円形状に変形させてある。
【0020】
なお、入水パイプ61、出水パイプ64の冷却水が流れる断面積と冷却流水路161〜163,166の冷却水が流れる断面積は同じとする。
【0021】
冷却流水路162から冷却流水路163への折り返しは、冷却流水路162,163のそれぞれの一端に両端が取着された図6に示すU字形状の耐熱性の高い例えばアルミニウム合金製の連結管69が用いられる。連結管69は、アルマイト表面処理を施したアルミ材または、樹脂、セラミックなど非導電物質で耐熱性に優れた物を用い、円形状のパイプの両端が冷却流水路162,163の楕円に合わせた形状となっている。連結管69はガスケット181(図5参照)を介して図示しない接合部分の外周に形成された鍔にボルトとナットで水漏れをしないように接合される。
【0022】
冷却流水路161を上方から送られてきた冷却水は、冷却流水路162に折り返して上方に流す。冷却流水路163を上方から流れてきた冷却水は、冷却流水路166に折り返して上方に流す。冷却流水路161から冷却流水路162への折り返しおよび冷却流水路163から冷却流水路166への折り返しは、連結管69と同じような形状の図7に示すU字形状の耐熱性の高い例えばアルミニウム合金製の連結管77,79を用いてそれぞれ行われる。つまり、円形状の連結管77,79は、両端が楕円形状の冷却流水路に合わせた形状となっている。連結管77,79はガスケット182(図5参照)を介して接合部分の外周に形成された図示しない鍔にボルトとナットで水漏れをしないように接合される。
【0023】
連結管69,77,79のそれぞれの中間部分の断面は円形状をしており、両端は楕円形状をし、しかも楕円形状の部分と円形状の部分の断面積は同じにしてある。連結管69,77,79の少なくとも冷却水が流れる内面は、アルマイト加工を行うことで、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0024】
なお、上記説明では連結管67はガスケット181を介して、連結管77,79はガスケット182を介して冷却流水路とボルト、ナットで接合されるとしたが、ガスケット181,182はそれぞれ個々の接合部分に別ピースのもの用いても構わない。
【0025】
ガスケットとしては3層の金属を重ね合わせて製造し、接触表面はバイトンなどの特殊ゴムでコーティングされている積層金属(MLS/Multiple Layers Steel)ガスケット、無垢の銅製シートをシリンダーヘッドの形状に切り出して製造した銅性ガスケット、鉄製のベースガスケットの両側に板状に整形された工業用エラストマーを貼り付け穴周りはシリコンゴム製のOリング、シリンダーボアには金属製のリングを嵌め込むことでシール性能を強化したエラストマーガスケットなど循環冷却水の圧力に応じて選択したガスケットをする。
【0026】
このように、楕円形状の冷却流水路162を流れる冷却水は、折り返される連結管69では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路162を流れることになる。同様に、楕円形状の冷却流水路161を流れる冷却水は、折り返される連結管77では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路162を流れ、円形状の冷却流水路163を流れる冷却水は、折り返される連結管79では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路166を流れることになる。
【0027】
さらに、25は、マイクロコンピュータ等で構成される制御ユニットである。制御ユニット25は、LED11が実装された実装基板12に取着された温度センサ26の情報に基づき、光源モジュール13の異常を検知し、警報装置27で警報したり、光源装置100を停止したりする制御を行う。操作パネル28は、スイッチ等の操作を行うことで、電源回路29を駆動させたり、光源装置100の各光源モジュール13の点灯を開始させたりの操作をする。さらに、操作パネル28は光源装置100に接続される入水パイプ61の手前に取り付けられ、冷却水の供給をしたり停止したりする電磁バルブ30の操作等も行う。
【0028】
ここで、高密度に細密配置されたLED11の温度を光源モジュール13の単位で個別に監視するため、例えば、図8に示すように、実装基板12には、温度センサ26が設けられている。また、1個のLED11が短絡あるいは開放等した場合にも他のLED11を的確に点灯させるため、各LED11に対する給電系の配線121は、実装基板12上においてマス目状に配線され、各LED11を直並列の状態で接続する。
【0029】
このように構成された光源装置では、連結管69,77,79は冷却流水路161〜163,166に対してガスケット181,182をそれぞれ介して冷却水を折り返されるようにしている。このためメンテナンス性と組立性の向上を図ることができる。
【0030】
また、連結管69は、ガスケット181を介して冷却流水路162,163に取り付けた場合に、ガスケット181にかかる圧力は均一にでき、連結管77は、ガスケット182を介して冷却流水路161,162に取り付けた場合に、ガスケット181にかかる圧力は均一にでき、連結管79は、ガスケット182を介して冷却流水路163,166に取り付けた場合に、ガスケット181にかかる圧力は均一にできることから、高い耐圧性能を得ることができる。
【0031】
この実施形態では、連結管69,77,79は冷却流水路161〜163,166に対してガスケット181,182をそれぞれ介して冷却水を折り返されるようにしている。このためメンテナンス性と組立性の向上を図ることができる。連結管69,77,79および冷却流水路161〜163,166、それに入水パイプ61、出水パイプ64の断面積をそれぞれ同じとしたことから、ガスケット182にかかる圧力は均一にできることから、高い耐圧性能を得ることができる。
【0032】
図9〜図13は、この発明の光源装置に関する第2の実施形態について説明するための、図9は概念的なシステム構成図、図10は図9のIIa−IIb断面図、図11および図12はそれぞれ図9要部の斜視図、図13は図9の光源装置の冷却系を平面的に模式化して示す概略構成図である。なお以降の各説明において、上記した実施形態と同様の機能部分には同一の符号を付して説明する。
【0033】
図9に示す高い光出力の得られる光源装置100は、複数のLED11を、耐熱性が高く伝導性の高いアルミ系、銅系等の金属や、窒化アルミニウム等のセラミックスを基材とした略矩形状の実装基板12に実装してモジュール化された光源モジュール13の状態で複数配置される。
【0034】
図10に示す14は、熱伝導性が高く、耐熱性の高い例えばアルミニウム合金などからなる例えば6角柱形状の冷却部材である。冷却部材14内には、実装面部151〜156に対向する位置に、楕円形状の冷却流水路161〜166が例えば押出し成型により一体的に形成される。冷却流水路161〜166は、楕円形状としたことにより、実装基板12に対する対向面積を増やし、冷却効果を向上させるようにしている。冷却流水路161〜166は、流れを滑らかにするため同じ断面積で構成される。冷却流水路161〜166内は、耐久性を持たせるために、例えばアルマイト加工を行い、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上が図られている。
【0035】
冷却部材14の長さ方向の中央に形成された貫通孔17は、冷却部材14の重量軽減のためのものである。冷却部材14は、長手方向が上下となるように配置される。冷却流水路161,163,165は、上から下へ冷却水を流し、冷却流水路162,164,166は、下から上へ冷却水を流す。
【0036】
各光源モジュール13は、LED11が実装された実装基板12の反対面側を、冷却部材14の外周に形成された実装面部151〜156に対し、例えば、耐熱性を有し、且つ熱伝導性の良好な接着剤などを介して固着される。これにより光源モジュール13は、冷却部材14に対して熱的に接続され、相互間での熱交換が可能となる。
【0037】
ここでは、1つの実装面部に対して1枚の光源モジュール13が固着されているが、光源モジュール13は、実装面部の長手方向に複数配置しても構わない。
【0038】
また、冷却部材14は、本件出願人が先に出願した特願2010−104167の図1〜図3に示すように、短手方向に九十九折り状に配置された複数の実装面部によって形成することにより、外形寸法の大型化等を招くことなく、限られた領域内に、複数の光源モジュールを効率よく集約配置しても構わない。
【0039】
冷却部材14の長手方向の上端面には、冷却流水路161〜166に流れる冷却水を通過させる透孔が形成されたガスケット181(図11では図示せず)を介し、例えばアルミニウム製で少なくとも水路部分は、耐久性を向上させるためのアルマイト加工が施された連結部材191が取着される。
【0040】
図11および光源装置100を平面的に示した図13に示すように、連結部材191には、外部から冷却水を取り入れるための円形状の入水パイプ61が取り付けられる。円形状の入水パイプ61は、連結部材191により円形状から冷却流水路161の楕円形状に合わせた楕円形状の接続口62に変換される。入水パイプ61から給水される冷却水は、冷却流水路161を介して下方側に流される。
【0041】
冷却流水路161〜166に流す冷却水としては、例えば、水またはオイル等からなる冷却液を循環する図示しない冷却装置が入水パイプ61の経路に接続されている。この冷却装置は、熱交換器とポンプとを有し、熱交換器で例えば10度程度まで冷却した冷却水を、ポンプによって入水パイプ61から冷却流水路161〜166に圧送する。これにより、冷却部材14は、常に所定の低温に保たれ、LED11に対する冷却機能を果たしている。
【0042】
連結部材191は、冷却流水路162を下方から流れてきた冷却水を折り返して冷却流水路163に折り返して下方に、冷却流水路164を下方から流れてきた冷却水を折り返して冷却流水路165に折り返させ下方にそれぞれ流させる。
【0043】
さらに連結部材191は、楕円形状の冷却流水路166に楕円形状に合わせた楕円形状の接続口63から連結部材191に取り付けられる円形状の出水パイプ64に漸次変換する機能を備えている。冷却流水路166を下から流れてきた冷却水は、連結部材191を介して出水パイプ64を通して外部に出水される。
【0044】
冷却流水路162,163の解放端は、連結部材191に穿たれた連結管69を介して連結される。冷却流水路164,165の解放端は、連結部材191に穿たれた連結管70を介して連結される。連結管69,70は、それぞれ冷却流水路に接続される部分の断面は冷却流水路の形状に合わせた楕円形状とし、そこから離れるに従い漸次断面が円形となる形状で穿たれている。
【0045】
なお、入水パイプ61、出水パイプ64の冷却水が流れる断面積と冷却流水路161〜166の冷却水が流れる断面積は同じとする。また、連結管69,70の冷却水が流れる断面積と冷却流水路161〜166の冷却水が流れる断面積は同じとする。連結管69,70は、例えば三次元切削加工機を用いて形成し、切削加工後にアルマイト加工が施される。
【0046】
そこで、連結部材191がガスケット181(図11では図示せず)を介して冷却部材14に結合させることで、冷却流水路162,163は連結管69を介して、冷却流水路164,165は連結管70を介してそれぞれ連結され、冷却水を送水させることができる。
【0047】
冷却部材14の長手方向の下端面には、冷却流水路161〜166に流れる冷却水を通過させる透孔が形成されたガスケット182を介し、例えばアルミニウム製の少なくとも水路部分は、耐久性を向上させるためのアルマイト加工が施された連結部材192が取着される。
【0048】
図12および図13に示すように、連結部材192は、冷却流水路161を上から流れてきた冷却水を冷却流水路162に折り返して下から上に、冷却流水路163を上から流れてきた冷却水を冷却流水路164に折り返して下から上に、冷却流水路165を上から流れてきた冷却水を冷却水166に折り返して下から上にそれぞれ流させる。
【0049】
冷却流水路161,162の解放端は、連結部材192に穿たれた連結管77を介して連結される。冷却流水路163,164の解放端は、連結部材192に穿たれた連結管78を介して連結される。冷却流水路165,166の解放端は、連結部材192に穿たれた連結管79を介して連結される。連結管77〜79は、それぞれ冷却流水路に接続される部分の断面は冷却流水路の形状に合わせた楕円形状とし、そこから離れるに従い漸次断面が円形となる形状で穿たれている。
【0050】
なお、冷却水の流れる連結管77〜79は、冷却流水路161〜166の冷却水が流れる面積は同じとする。また、連結管77〜79の冷却水が流れる断面積と冷却流水路161〜166の冷却水が流れる断面積は同じとする。連結管77〜79は、例えば三次元切削加工機を用いて形成し、この切削加工後にアルマイト加工が施される。
【0051】
そこで、連結部材192がガスケット182(図12では図示せず)を介して冷却部材14に結合されることで、連結管77を介して冷却流水路161,162が、連結管78を介して冷却流水路163,164が、連結管79を介して冷却流水路165,166がそれぞれ連結される。
【0052】
このように、連結部材191,192を冷却部材14に取り付けることにより、冷却流水路161〜166は直列的に接続され、入水パイプ61から給水される冷却水は、冷却流水路161〜166を介して出水パイプ64から送水される。
【0053】
図9に示す20は、透光性、耐熱性の材料で形成される例えば石英ガラス製の容器である。容器20内に冷却部材14は、長手方向の両端に連結部材191,192が取り付けられた状態で、連結部材192には耐熱性の支持部21、さらに支持部21を保持する保持部22を介して、連結部材191には入水パイプ61、出水パイプ64も支持する支持部23を介して上下が保持される。容器20の上部に取着された24は、光源装置100を取り付ける保持部材である。
【0054】
さらに、25は、マイクロコンピュータ等で構成される制御ユニットである。制御ユニット25は、LEDが実装された実装基板12の背面に取着された温度センサ26の情報に基づき、光源モジュール13の異常を検知し、警報装置27で警報したり、光源装置100を停止したりする制御を行う。操作パネル28は、スイッチ等の操作を行うことで、電源回路29を駆動させたり、光源装置100の各光源モジュール13の点灯を開始させたりの操作をする。さらに、操作パネル28は光源装置100に接続される入水パイプ61の手前に取り付けられ、冷却水の供給をしたり停止したりする電磁バルブ30の操作等も行う。
【0055】
ここで、高密度に細密配置されたLED11の温度を光源モジュール13の単位で個別に監視するため、例えば、図9に示すように、実装基板12には、温度センサ26が設けられている。また、1個のLED11が短絡あるいは開放等した場合にも他のLED11を的確に点灯させるため、各LED11に対する給電系の配線121は、実装基板12上においてマス目状に配線され、各LED11を直並列の状態で接続している。
【0056】
この実施形態では、連結部材191,192は冷却流水路161〜166に対してガスケット181,182をそれぞれ介して冷却水を折り返すようにしている。このためメンテナンス性と組立性の向上を図ることができる。連結管69,70は、共通の連結部材191で、連結管77〜79は共通の連結部材192でガスケット181,182を介して構成している。ガスケット181を介して連結部材191を冷却部材14に取り付けた場合に、ガスケット181にかかる圧力は均一にでき、ガスケット182を介して連結部材192を冷却部材14に取り付けた場合に、ガスケット182にかかる圧力は均一にできることから、高い耐圧性能を得ることができる。
【0057】
次に、図14、図15を参照し、この発明の第2の実施形態の変形例について説明する。図14は図11に相当する斜視図で、図15は図12に相当する斜視図であり、ここでは図11、図12と異なる部分を中心に、図13も参照しながら説明する。
【0058】
まず、図14において、冷却流水路162,163の解放端は、冷却部材14に形成された連結溝65で、冷却流水路164,165の解放端は、冷却部材14に形成された連結溝66でそれぞれ連結される。さらに、連結溝65との対向する連結部材191には連結溝67が、連結溝66との対向する連結部材191には連結溝68がそれぞれ形成される。連結溝65,66は、それぞれU字形状の流路であり、切削加工あるいは成型により形成される。連結溝65〜68は、それぞれ耐久性を向上させるためのアルマイト加工が施される。
【0059】
そこで、連結部材191がガスケット181を介して冷却部材14に結合されることで、連結溝65と67との間に連結管69が、連結溝66と68との間に連結管70がそれぞれ構成される(図13を参照)。
【0060】
連結管69は、楕円形状の冷却流水路162および163と断面積が同じで且つ円形状をしている。楕円形状の冷却流水路162を流れる冷却水は、折り返される連結管69では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路162を流れることになる。同様に、連結管70は、楕円形状の冷却流水路164および165と断面積が同じで且つ円形状をしている。楕円形状の冷却流水路164を流れる冷却水は、折り返される連結管70では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路165を流れることになる。
【0061】
冷却部材14の長手方向の下端面には、冷却流水路161〜166に流れる冷却水を通過させる透孔が形成されたガスケット182を介し、例えばアルミニウム製の少なくとも水路部分は、耐久性を向上させるためのアルマイト加工が施された連結部材192が取着される。
【0062】
図15に示すように、冷却流水路161,162の解放端は冷却部材14に形成された連結溝71で、冷却流水路163,164の解放端は冷却部材14に形成された連結溝72で、冷却流水路165,166の解放端は冷却部材14に形成された連結溝73でそれぞれ連結される。連結溝71〜73は、それぞれU字形状の流路であり、切削加工あるいは成型により形成される。連結溝71〜73は、それぞれ耐久性を向上させるためのアルマイト加工が施される。
【0063】
さらに、連結溝71との対向する連結部材192には連結溝74が、連結溝72との対向する連結部材192には連結溝75が、連結溝73と対向する位置にある連結部材192には連結溝76がそれぞれ形成される。連結溝74〜76は、それぞれU字形状の流路であり、切削加工あるいは成型により形成される。連結溝74〜76は、それぞれ耐久性を向上させるためのアルマイト加工が施される。
【0064】
そこで、連結部材192がガスケット182を介して冷却部材14に結合されることで、連結溝71と74との間に連結管77を、連結溝72と75との間に連結管78を、連結溝73と76との間に連結管79をそれぞれ形成する(図13を参照)。
【0065】
連結管77は、楕円形状の冷却流水路161および162と断面積が同じで且つ漸次円形状となる構成となっている。つまり、楕円形状の冷却流水路161を流れる冷却水は、折り返される連結管77では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路162を流れることになる。
【0066】
同様に、連結管78は、楕円形状の冷却流水路163および164と断面積が同じで且つ漸次円形状となる構成となっている。楕円形状の冷却流水路163を流れる冷却水は、折り返される連結管78では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路164を流れることになる。
【0067】
さらに、連結管79は、楕円形状の冷却流水路165および166と断面積が同じで且つ漸次円形状となる構成となっている。楕円形状の冷却流水路165を流れる冷却水は、折り返される連結管79では円形状の管を流れ、再び楕円形状の冷却流水路166を流れることになる。
【0068】
すなわち、図14、図15の場合においても、図13に示すように、入水パイプ61から供給させる冷却水は、連結部材191を介して冷却流水路161、連結管77、冷却流水路162、連結管69、冷却流水路163、連結管78、冷却流水路164、連結管70、冷却流水路165、連結管79、冷却流水路166、連結部材191を介して出水パイプ84から出水される。
【0069】
冷却水は、直列に接続された冷却流水路161〜166を流れる過程で、光源モジュール13から発せられる熱が冷却部材14を介して奪われるときに温められる。温められて出水パイプ64から流れ出る冷却水の温度は、20度程度に上昇する。温められた冷却水は、再び冷却され入水パルプ61に供給される。
【0070】
この変形例の場合でも、連結部材191,192は冷却流水路161〜166に対してガスケット181,182をそれぞれ介して冷却水を折り返されるようにしている。このためメンテナンス性と組立性の向上を図ることができる。連結管69,70は共通の連結部材191で、連結管77〜79は共通の連結部材192でガスケット181,182を介して構成している。ガスケット181を介して連結部材191を冷却部材14に取り付けた場合に、ガスケット181にかかる圧力は均一にでき、ガスケット182を介して連結部材192を冷却部材14に取り付けた場合に、ガスケット182にかかる圧力は均一にできることから、高い耐圧性能を得ることができる。
【0071】
さらに、連結溝71〜76を成型により形成させた場合は、切削により形成した場合に比して量産性に富むこととなる。
【0072】
図16は、この発明の光源装置の第1の実施形態の使用例について説明するための概念的なシステム図である。
【0073】
101は、処理水や化学反応溶剤等が被照射物102として収容される、図9の容器20の機能に相当する透光性、耐熱性の材料で形成される例えば石英ガラス製のタンクである。タンク101の上部には、被照射物102をタンク101内に注入させるためのポンプが、タンク101の下部には、タンク101内で処理された被照射物102を取り出すバルブが取り付けられている。また、タンク101の外側には、タンク101を収容する格好で冷却部材14が配置されている。
【0074】
タンク101の対向する側面101a,101bのそれぞれの外側面には、この発明の光源装置100がタンク101の方向に光源モジュール13で発光される光が照射可能に取り付けられる。光源モジュール13は、反対側にある光源モジュールに対して位置をずらした状態で取り付けられている。
【0075】
操作パネル28の光源モジュール13を点灯させるスイッチが操作されると、制御ユニット25から電源回路29に駆動させる制御信号が供給され、電源回路29が立ち上がる。電源回路29の立ち上りにより、光源装置100の各光源モジュール13のLED11が点灯を開始する。LED11から照射される光に基づき、光処理がされたタンク101内の被照射物102は、タンク101の外に抽出される。
【0076】
光源装置100が発光されている間の制御ユニットは、入水パイプ61の電磁バルブ30を開いて図示しない冷却装置で例えば10度程度に冷却された冷却水を、直列的に接続された冷却流水路161〜166に流すように制御する。これにより、スムースな冷却水の流れに基づき冷却部材14が冷却され、冷却部材14に取り付けられた光源モジュール13が確実に冷却される。
【0077】
この場合は、冷却部材14が被照射物102の外側の位置にあることから、冷却部材14にさらに冷却用フィンを形成させてもよい。この冷却用フィンに対してファンを用いて送風することで、冷却水と合わせさらなる冷却効果を奏することが可能となる。
【0078】
図17は、この発明の光源装置の第2の実施形態の使用例について説明するための概念的なシステム図である。
【0079】
101は、処理水や化学反応溶剤等が被照射物102として収容されるタンクである。図示はしないが、タンク101の上部には、被照射物102をタンク101内に注入させるためのポンプが、タンク101の下部には、タンク101内で処理された被照射物102を取り出すバルブが取り付けられている。
【0080】
タンク101の上部に配置した蓋103には、光源装置100の容器20を通過させることのできる保持孔104が形成される。この保持孔104から光源装置100の容器20から保持孔104よりも大きい保持部材24が蓋103上に載置するまで搬入させ、保持部材24と蓋103をネジ105で固着する。これにより、光源装置100の発光部分である光源モジュール13が被照射物102を照射可能な位置に設置させることができる。被照射物102と光源装置100は、光源装置100の少なくとも光源モジュール13が被照射物102よりも低い位置となるような位置関係とする。
【0081】
操作パネル28の光源モジュール13を点灯させるスイッチが操作されると、制御ユニット25から電源回路29に駆動させる制御信号が供給され、電源回路29が立ち上がる。電源回路29の立ち上りにより、光源装置100の各光源モジュール13のLED11が点灯を開始する。LED11から照射される光に基づき、光処理がされたタンク101内の被照射物102は、タンク101の外に抽出される。
【0082】
光源装置100が発光されている間の制御ユニット25は、入水パイプ61の電磁バルブ30を開いて図示しない冷却装置で例えば10度程度に冷却された冷却水を、直列的に接続された冷却流水路161〜166に流すように制御する。これにより、スムースな冷却水の流れに基づき冷却部材14が冷却され、冷却部材14に取り付けられた光源モジュール13が確実に冷却される。
【0083】
この発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、冷却水を折り返される連結部材191,192は、冷却流水路161〜166の断面形状よりも円に近ければよいが、真円に近いほどガスケット181,182にかかる水圧を均一にできる。また、冷却水を折り返される手段は、連結管69,70,77〜79並びに接続口62,63をパイプ状のものをU字状に加工したもの流用することも可能である。U字状パイプの両端は、冷却流水路の形状に合わせるように加工する。この場合の連結部材191,192は、省略することができる。連結部材191,192は、耐熱性の合成樹脂やセラミック等の非導電物質での成型品でもよく、この場合、表面処理を省くことも可能となる。
【0084】
さらに、冷却部材14は一体のものではなく長手方向に複数分割したものを接着剤等の固着手段で合体したものであっても構わない。入水パイプや出力パイプは、必ずしも金属製である必要はなく、合成樹脂製であってもよい。
【0085】
この発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
100 光源装置
11 LED(発光ダイオード)
12 実装基板
13 光源モジュール
14 冷却部材
15,151〜156 実装面部
161〜166 冷却流水路
181,182 ガスケット
191,192 連結部材
20 容器
61 入水パイプ
62,63 接続口
64 出水パイプ
65〜68,71〜76 連結溝
69,70,77〜79 連結管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の固体発光素子が、それぞれ実装基板に搭載された少なくとも1つの光源モジュールと、
前記光源モジュールを取着するとともに、該光源モジュールを冷却させるための冷却部材と、
前記固体発光素子の非装着面側の前記実装基板と対向する前記冷却部材に配置させ、内部に該冷却部材を冷却させるための冷却水が流れる少なくとも2本の筒状冷却流水路と、
前記筒状冷却流水路と接合させ、一方の前記冷却流水路から他方の冷却流水路に折り返して前記冷却水を流すために、連結管とを具備したことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
冷却水が流れる前記筒状の流水路は内径断面が扁平形状とし、前記実装基板と前記内径断面の内径の長辺側で対向することを特徴とする請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
前記筒状冷却流水路と接合させ、一方の前記冷却流水路から他方の冷却流水路に折り返して前記冷却水を流すための前記連結管は、前記筒上冷却流水路の楕円形状より断面を漸次円形状とし、該円形状から漸次前記筒状冷却流水路の楕円形状とした連結管とを具備したことを特徴とする請求項1または2記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−89755(P2012−89755A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236695(P2010−236695)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】