説明

光照射型美容装置

【課題】除毛部と光照射部とのいずれをも備えた装置において、除毛部の使用が不要な場合にも、光照射部の使い勝手を向上させることができる光照射型美容装置を提供する。
【解決手段】光照射型美容装置は、除毛部3と、この除毛部3に並設されて生体表面9に光照射を行う光照射部4とを備えた光照射型美容装置である。除毛部3は、前進後退自在に設けられ且つ可動刃300及び固定刃301を有するトリマー刃30と、トリマー刃30を前進後退させる操作手段31と、固定刃301に沿って可動刃300を駆動させる駆動装置32とを有する。駆動装置32は、操作手段31によりトリマー刃30が後退すると停止するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射型美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除毛部と、生体表面に光照射を行う光照射部とを備えた光照射型美容装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1記載の装置は、毛抜きアクチュエータと、この毛抜きアクチュエータに並設され且つ生体に光を照射する半導体レーザーダイオードとを備えている。この装置は、毛抜きアクチュエータによって生体表面から生えた毛を抜きながら、半導体レーザーダイオードによって皮膚にレーザー光を照射する。
【0004】
この特許文献1記載の装置は、毛抜きアクチュエータが固定的に取り付けられており、常に半導体レーザーダイオードと一緒に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−360336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで特許文献1記載の装置は、毛抜きアクチュエータと半導体レーザーダイオードとが、常に同時に使用されるものである。このため、毛が生えた生体表面に対する場合と同様に、仮に毛が生えていない生体表面に対しても、毛抜きアクチュエータを押し付けてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、除毛部と光照射部とのいずれをも備えた装置において、除毛部の使用が不要な場合にも、光照射部の使い勝手を向上させることができる光照射型美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光照射型美容装置は、除毛部と、この除毛部に並設されて生体表面に光照射を行う光照射部とを備えた光照射型美容装置であって、前記除毛部は、前進後退自在に設けられ且つ可動刃及び固定刃を有するトリマー刃と、前記トリマー刃を前進後退させる操作手段と、前記固定刃に沿って前記可動刃を駆動させる駆動装置とを有し、前記駆動装置は、前記操作手段により前記トリマー刃が後退すると停止するよう構成されていることを特徴とする。
【0009】
またこの光照射型美容装置において、前記光照射部が、前記トリマー刃の前進後退位置にかかわらず、光照射可能に構成されたものであることが好ましい。
【0010】
またこの光照射型美容装置において、前記除毛部が取り付けられるフレーム部をさらに備え、前記操作手段は、前記フレーム部にスライド自在に設けられたレバーと、前記レバーに設けられ且つ前記フレームを貫通してトリマー刃に連結される作動部とを備え、前記レバーのスライドに応じてトリマー刃が前進後退するものであることが好ましい。
【0011】
またこの光照射型美容装置において、前記光照射部が、光軸方向に移動自在に構成されると共に光進行方向の後方側の死点で発光するよう構成されており、前記死点に位置する前記光照射部の前端と、前進端に位置する前記トリマー刃の前端とが略同一平面状に位置するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光照射型美容装置によれば、除毛部と光照射部とのいずれをも備えた装置において、除毛部の使用が不要な場合にも、光照射部の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の美容装置本体の除毛部を前進させた状態の側断面図である。
【図2】本実施形態の美容装置本体の除毛部を後退させた状態の一部を省略した側断面図である。
【図3】(a)は本実施形態の光照射型美容装置の平面図であり(b)は側面図である。
【図4】(a)は本実施形態の美容装置本体の正面図であり(b)は美容装置本体の側面図である。
【図5】本実施形態のフレーム部・光照射部・除毛部の分解斜視図である。
【図6】本実施形態のフレーム部を背面側から見た分解斜視図である。
【図7】図4(b)におけるA−A線断面図である。
【図8】本実施形態の除毛部の詳細を示す要部側断面図である。
【図9】本実施形態の駆動装置や冷却装置の近傍を示す分解斜視図である。
【図10】図4(b)におけるB−B線断面図である。
【図11】本実施形態の美容装置本体の分解斜視図である。
【図12】本実施形態の光照射ユニット部の分解斜視図である。
【図13】本実施形態の光照射型美容装置の使用状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、光照射部4からの光の光軸方向を上下方向(図1中矢印C)とし、特に生体表面9(図13参照)側を上側として説明する。
【0015】
本実施形態の光照射型美容装置は、人や動物といった生体の皮膚等(以下、生体表面9という)に生えた毛を除去した上で光照射することにより、生体表面9の毛の成長や再生を抑制する(以下、抑毛という)ものである。本実施形態の光照射型美容装置は、図3に示されるように、生体表面9に抑毛処理を施す美容装置本体1と、この美容装置本体1にケーブル71を介して接続された電源装置70とを備えている。本実施形態の光照射型美容装置は、コンデンサー等により構成された蓄電装置や制御装置が電源装置70内に内蔵されており、美容装置本体1はコンパクトに形成されている。
【0016】
美容装置本体1は、図1に示されるように、外郭を形成するケーシング10と、ケーシング10内に収容され且つ生体表面9から生えた毛を除毛する除毛部3と、ケーシング10内に収容され且つ生体表面9に光照射を行なう光照射部4とを備えている。また美容装置本体1は、光照射部4を冷却するための冷却装置5をさらに備えている。
【0017】
ケーシング10は、図4に示されるように、下側程先細り形状となるよう構成されている。ケーシング10は、側方に湾曲した弧状に形成されており、特に除毛部3が径内側に位置し且つ光照射部4が径外側に位置している。ケーシング10は、当該ケーシング10における下部及び中央部分を構成し且つ把持部13を有する本体部11と、当該ケーシング10における上部を構成するフレーム部12とにより構成されている。本体部11の把持部13は、ユーザーが片手で把持可能な程度の外径にて構成されている。フレーム部12は、本体部11に対して着脱自在に設けられている。
【0018】
フレーム部12は、下方が開口した有蓋箱形状にて主体が構成されている。フレーム部12は、図5に示されるように、光照射部4が取り付けられる光照射部装着部14と、除毛部3が取り付けられる除毛部装着部15とを備えている。
【0019】
光照射部装着部14は、光照射部4を装着するための部分であり、特に遮光筒部40を上下動自在に保持する。光照射部装着部14は、上下方向に貫通する平面視長矩形状の取付開口141を有している。光照射部装着部14は、図5,6に示されるように、当該光照射部装着部14と除毛部装着部15との間に位置する仕切壁16と、この仕切壁16に対向する縦壁17とを備えている。この仕切壁16と縦壁17とは、遮光筒部40の上下移動をガイドする一対のガイド面18を構成する。このガイド面18は、遮光筒部40に設けられたガイド突起404の移動を案内するガイド溝181を有している。このガイド溝181は上下方向に長く形成されている。また光照射部装着部14は、取付開口141の内周縁に、遮光筒部40に設けられた係合部405と係合する被係合部19を有している。この被係合部19は、遮光筒部40を所定の位置から上方へと移動しないよう規制する。
【0020】
仕切壁16は、図6に示されるように、フレーム部12の端面部22の裏面から下方に向けて突設されている。仕切壁16は、光照射部装着部14の取付開口141の内周縁と面一となるよう設けられている。仕切壁16は、光照射部4と除毛部3との間に位置しており、除毛部3によりカットされた毛屑が光照射部4側へと進入するのを阻止する。
【0021】
除毛部装着部15は、除毛部3を構成するトリマー刃30を上下動自在に収容する部分である。除毛部装着部15は、図5に示されるように、上下方向に貫通する取付開口151を有している。除毛部装着部15は、光照射部装着部14に隣接配置されている。除毛部装着部15の取付開口151は、細長いスリット形状となっており、その長手方向が光照射部装着部14の取付開口141の長手方向と略平行している。
【0022】
フレーム部12は、側面に除毛部3のレバー310(詳細は後述する)を装着するためのレバー装着部20を有している。このレバー装着部20は、レバー310の作動部311を貫通するため内外に貫通した連通孔21を有している。この連通孔21は、上下方向に長い長孔により構成されている。レバー装着部20には、レバー310が上下方向にスライド自在に取り付けられる。なお、除毛部3のレバー310については、後に詳述する。
【0023】
フレーム部12は、本体部11に対して着脱自在に係合されている。フレーム部12は、図7に示されるように、対向する側面にそれぞれ設けられた一対の係止部142を有している。この係止部142は、本体部11に設けられた被係止部112に係合するよう構成されている。本体部11の被係止部112は、外側方に向けて弾性的に付勢された解除部111に設けられており、ユーザーが解除部111を内方側に押圧すると、係止部142との係合状態を解除する。
【0024】
除毛部3は、生体表面9から生えた毛を切断することで除毛する。本実施形態の除毛部3は、図1,2に示されるように、上下方向に前進後退自在なトリマー刃30と、このトリマー刃30を前進後退させる操作手段31と、トリマー刃30を駆動させる駆動装置32とを備えている。
【0025】
トリマー刃30は、図5に示されるように、上下方向に直交する方向に長い直線状に形成された櫛状の固定刃300と、この固定刃300に沿って配設され且つ直線状に形成された櫛状の可動刃301とを備えている。トリマー刃30は、図8に示されるように、固定刃300と可動刃301とが重なるよう配置されており、可動刃301が生体表面9側に位置している。またトリマー刃30は、可動刃301を固定刃300側に弾性的に付勢するバネ302を有している。またトリマー刃30は、この可動刃301を上方から覆うようにして、固定刃300の長手方向の全長に亘って設けられたトリマーカバー303を有している。バネ302は、一端がトリマーカバー303に固設され、且つ他端が可動刃301に当接し、これにより可動刃301を固定刃300側に付勢する。
【0026】
トリマー刃30は、固定刃300と可動刃301とトリマーカバー303とを支持固定するトリマー基台304を備えている。このトリマー基台304は、図5に示されるように、フレーム部12の側面に沿って上下に長く形成されている。トリマー基台304は、レバー310から突設された作動部311に連結固定される連結部305と、トリマー刃30の長手方向の略中央に設けられて可動刃301を固定刃300に沿って往復移動させる駆動片306とを備えている。
【0027】
本実施形態の連結部305は、嵌合孔307を有している。また駆動片306は、トリマー刃30の長手方向と平行な方向に揺動するよう構成されており、揺動することで可動刃301を長手方向に往復動させる。本実施形態の駆動片306は、図10に示されるような下方に開口した二股状片により構成されている。
【0028】
本実施形態のトリマー刃30は、上下方向にスライド自在となるよう構成されている。トリマー刃30は、操作手段31の上下動に追従してスライド移動するようになっている。
【0029】
操作手段31は、図5に示されるように、上下方向にスライド自在となるようフレーム部12に設けられたレバー310と、レバー310背面からフレーム部12内にまで突設された作動部311とを備えている。
【0030】
レバー310は、正面視略矩形状をしており、その前面に指を引っ掛けることができる突条部312が設けられている。レバー310は、フレーム部12のレバー装着部20にスライド自在に取り付けられる。
【0031】
作動部311は、フレーム部12のレバー装着部20に設けられた連通孔21に挿通され、トリマー基台304の連結部305に接続される。本実施形態の作動部311は、レバー310背面から突設された突起部により構成されている。本実施形態の作動部311は、フレーム部12の連通孔21を介して、トリマー基台304の嵌合孔307に嵌合接続される。
【0032】
ユーザーがレバー310を上方に移動させると、レバー310に突設された作動部311が上昇し、それに追従してトリマー基台304部が上昇し、トリマー刃30が前進する(図1参照)。トリマー刃30が前進端に位置している状態でユーザーがレバー310を下方に移動させると、レバー310に突設された作動部311が下降し、それに追従してトリマー基台304が下降し、トリマー刃30が後退する(図2参照)。トリマー刃30が最も後退した位置(死点)では、図2のように、トリマー刃30の先端が、フレーム部12の端面部22と略同レベルか、又はそれよりも低い位置になるよう構成されている。
【0033】
駆動装置32は、図9,10に示されるように、駆動源となるモータ320と、モータ320の回転軸とトリマー基台304の駆動片306との間に設けられてモータ320の駆動力を当該駆動片306に伝達する揺動機構部321とを備えている。また駆動装置32は、モータ320及び揺動機構部321を内部に収容するモータ基台部326をさらに備えている。
【0034】
揺動機構部321は、モータ320の回転軸に固設される偏芯カム322と、略中心がモータ基台部326に軸支され且つ偏芯カム322によってトリマー刃30の長手方向と平行な方向に揺動する揺動レバー323とを備えている。揺動レバー323は、偏芯カム322に接続されるカム接続部324と、カム接続部324とは反対側に位置する作用部325とを有している。カム接続部324は、下方側及び側方の一方側が開口している。カム接続部324は、図10に示されるように、トリマー刃30の長手方向と同方向における両端部分が、偏芯カム322との当接部となっている。また、当該長手方向に直角な方向(つまり上下方向)においては、図2等に示されるように、偏芯カム322との間に間隙を有しており、偏芯カム322が当接しないようになっている。
【0035】
作用部325は、トリマー刃30の駆動片306に接続される。作用部325は、中心軸327廻りに揺動することで、トリマー刃30の可動刃301を往復動させる。なお作用部325は、トリマー刃30が前進端に位置する状態では、図10のように、当該作用部325と二股状の駆動片306の股部との間に隙間を有している。これにより、ユーザーがトリマー刃30を後退させた場合に、トリマー基台304が、作用部325に邪魔されずに下降することができるようになっている。
【0036】
モータ基台部326は、ケーシング10内に固設されたファン基台部51に固設され、モータ320をケーシング10内部に固定する。
【0037】
モータ320が回転すると偏芯カム322が回転し、当該偏芯カム322が、カム接続部324を、トリマー刃30の長手方向と平行な方向に押圧する。するとカム接続部324は中心軸327廻りに揺動し、それに追従して、作用部325が中心軸327廻りに揺動する。作用部325は、トリマー基台304の駆動片306を揺動させ、トリマー刃30の可動刃301を往復動させる。これによりトリマー刃30は、固定刃300の長手方向に沿って可動刃301を往復動させ、生体表面9から生えた毛を切断する。
【0038】
このような構成の除毛部3には、光照射部4が隣接配置されている。
【0039】
光照射部4は、生体表面9に光照射を行うことで生体表面9に対して抑毛効果を及ぼす機能を有している。本実施形態の光照射部4は、美容装置本体1の移動方向に対して、除毛部3の後方側に位置しており、除毛部3により除毛された直後の生体表面9に光照射を行なうことができるようになっている。
【0040】
光照射部4は、図11に示されるように、上下方向に移動自在な遮光筒部40と、この遮光筒部40内に収容され且つ内部に発光体44を有する照射ユニット部42とで構成されている。
【0041】
遮光筒部40は、発光体44の発光時に、その上面が生体表面9に押し付けられて当該生体表面9と密着することで、発光体44からの光が外部に漏れるのを防止する。遮光筒部40は、フレーム部12の光照射部装着部14に、上下方向にスライド移動自在に装着される。本実施形態の遮光筒部40は上方側に付勢されている。遮光筒部40は、最も下方側に位置した時点で発光体44を発光させるようになっており、すなわち発光スイッチを兼ねている(後に詳述する)。遮光筒部40は、図5に示されるように、上方側に照射開口402を有し且つ下方が開口する角筒状に形成されている。遮光筒部40は、上面が生体当接面401となっている。
【0042】
遮光筒部40は、照射開口402に透明部材41が嵌め込まれており、当該透明部材41により照射開口402が覆われている。本実施形態の透明部材41は、透過率の高い透明な板材により構成されている。透明部材41は、その上面が、遮光筒部40の生体当接面401よりも凹没している。透明部材41は、照射ユニット部42と生体表面9との間に位置するようになっており、発光体44からの発光により高温となる照射ユニット部42が生体表面9に接触するのを防止する。そのうえ透明部材41は、除毛部3によりカットされた毛屑が照射ユニット部42のレンズ48に付着するのを防止する。
【0043】
遮光筒部40は、その側面に内外を貫通する通気連通口403が穿設されている。この通気連通口403は、冷却装置5としての送風ファン50から送られた空気を外部に排出するための開口である。通気開口432は、図4に示されるように、遮光筒部40がフレーム部12に装着され且つ遮光筒部40の自然状態では、フレーム部12の端面部22よりも上方に位置している。
【0044】
遮光筒部40は、光照射部装着部14のガイド面18に形成されたガイド溝181内に嵌入するガイド突起404が、側方に向けて複数箇所に突設されている。さらに遮光筒部40は、光照射部装着部14に設けられた被係合部19に係合する係合部405を有している。
【0045】
遮光筒部40は上下方向に往復動自在となっており、下方側の死点(光進行方向に対して後方側に位置する死点)に位置した状態では、生体当接面401が、前進端に位置するトリマー刃30の先端に対し、略同一平面上に位置するようになっている(図13参照)。
【0046】
照射ユニット部42は、図12に示されるように、ケース部43内に各種部品が内蔵されており、一つのユニットを構成する。光照射部4は、発光体収容部材430と底面部材431とからなるケース部43と、このケース部43内に収容され且つ光源となる発光体44とを備えている。また光照射部4は、発光体44から発光された光を生体表面9側へ反射・集光するリフレクター45と、発光体44及びリフレクター45を保持する光源基台部46とをさらに備えている。さらに光照射部4は、リフレクター45と光源基台部46との間に、発光体44やリフレクター45を弾性的に保持する弾性部材47が介装されている。
【0047】
発光体収容部材430は、発光体44からの光を通す照射窓433を上面に有し且つ下方側が開口する角筒状体により構成されている。この照射窓433は、長矩形状に形成されており、その開口を塞ぐようにして透明なレンズ48が設けられている。本実施形態のレンズ48は、発光体44から照射される光のうち、紫外線等の不要な波長をカットする光学フィルターの機能も有している。レンズ48は、光源基台部46の上方に装着されており、照射窓433外縁の下面に当接した状態で設置されている。
【0048】
発光体収容部材430は、照射窓433の外縁部に、ケース部43内外を貫通する通気開口432が穿設されている。本実施形態の通気開口432は、照射窓433の長手方向に沿って設けられたスリット状の開口であり、送風ファン50から送られた空気をケース部43内から遮光筒部40内に排出する。発光体収容部材430の下方開口には、底面部材431が設置される。
【0049】
この底面部材431は、発光体収容部材430の下方開口を閉塞するよう取り付けられる。底面部材431は、冷却装置5から送風された空気をケース部43内に導入する格子状の連通孔434を有している。この連通孔434は、ケース部43内外を連通するよう貫設されている。
【0050】
発光体44は、光照射部4の光源であり、直線状で且つ管球状のキセノンフラッシュランプにより構成されている。発光体44は、その長手方向が、可動刃301の往復方向と略平行となるよう配置されている。発光体44は、電源装置70に電気的に接続されており、遮光筒部40が下方側に押し込まれて死点(すなわち下死点)に至ると、照射スイッチがONされて、高電圧が印加される。発光体44は、高電圧が印加されると、発光時間の極めて短いパルス光の照射を行なう。また発光体44は、遮光筒部40が下方側に移動して死点に位置したままの状態が保持されると、一定の間隔でパルス光を発光し続ける。
【0051】
リフレクター45は、断面略U字状をしており、その開口が照射窓433に臨むよう配置されている。リフレクター45は、発光体44から発せられた光を高効率で反射・集光し、照射窓433に向けて導光する。リフレクター45には、屈曲した部分の奥部に発光体44が配置される。
【0052】
照射ユニット部42は、図1に示されるように、フレーム部12内の光照射部装着部14に装着され固定される。照射ユニット部42は除毛部3に隣接配置されており、除毛部3と照射ユニット部42との間に仕切壁16が介装される。照射ユニット部42は、その上面と遮光筒部40の生体当接面401の裏面との間に、光軸方向における遮光筒部40の移動代のための間隙8が形成されるよう設置される。この照射ユニット部42はフレーム部12に対して固定されているのに対し、照射ユニット部42を上方から覆う遮光筒部40は、光軸方向にスライド移動自在となっている。
【0053】
このような構成の光照射部4の下方側には、当該光照射部4に隣接するようにして冷却装置5が設けられている。
【0054】
冷却装置5は、光照射部4を冷却するための装置であり、送風ファン50により構成されている。本実施形態の冷却装置5は、本体部11の上端部に固設されており、当該本体部11にフレーム部12が装着されると、光照射部4に対して隣接配置される。冷却装置5は、図11に示されるように、本体部11の上開口を覆うよう固設されるファン基台部51と、このファン基台部51に固設される送風ファン50とを備えている。
【0055】
ファン基台部51は、図9に示されるように、基台部本体52と、当該基台部本体52の上方から取り付けられる覆設部53とを備えている。基台部本体52は、送風ファン50を収容した状態で覆設部53が上方から設置される。これにより送風ファン50は、ファン基台部51に固定される。
【0056】
本体部11にフレーム部12が装着された状態で送風ファン50が駆動すると、当該送風ファン50は、本体部11の側面に設けられた給気口110から空気を導入する。給気口110から導入された空気は、送風ファン50を経て、ケース部43の連通孔434から通気開口432へと流通する。このとき流通する空気は、高温となった発光体44とレンズ48とに接触しながら流通し、熱交換を行なう。熱交換して熱を受けた空気は、通気開口432を介して遮光筒部40内に流通し、遮光筒部40の通気連通口403を介して外部に排出される。
【0057】
またファン基台部51の基台部本体52には、図9に示されるように、光照射部4の発光体44を発光させるための光照射部用スイッチ54と、除毛部3の可動刃301の駆動を停止させる除毛部用スイッチ55とが設けられている。この光照射部用スイッチ54と除毛部用スイッチ55とは、いずれも回路基板56上に配置されており、当該回路基板56及びケーブル71を介して電源装置70に電気的に接続されている。
【0058】
ファン基台部51の覆設部53には、遮光筒部40を上方に押圧する一対の押圧片57が設けられている。この押圧片57は、遮光筒部40の押圧突起406の下端に当接する当接部570と、当接部570が下方に押し下げられることで光照射部用スイッチ54を押し下げるスイッチ押圧部571と、上方側への抜け止めとなる係止爪572とを備えている。押圧片57は、コイルばね573により上方側に向けて付勢されている。
【0059】
遮光筒部40が下方に移動すると、遮光筒部40の押圧突起406は、付勢力に抗しながら押圧片57を押下する。さらに遮光筒部40が押し下げられ、死点にまで到達すると、押圧片57のスイッチ押圧部571が光照射部用スイッチ54をONさせる。すると発光体44に高電圧が印加され、発光体44からパルス状の光が発光される。また遮光筒部40は、押圧片57の付勢力により、上方側へ付勢されているため、生体当接面401に生体表面9が当接していない自然状態では、光進行方向前方側の死点に位置する。
【0060】
さらにファン基台部51の覆設部53には、除毛部用スイッチ55を押下する除毛部押圧片58が設けられている。この除毛部押圧片58は、トリマー基台304の下端部に押下されることで、除毛部用スイッチ55を押下する。除毛部押圧片58は、押圧片57と同様、コイルばね573により上方側に向けて付勢されている。
【0061】
ユーザーがレバー310を下方にスライドさせ、トリマー刃30を後退させると、トリマー基台304は、付勢力に抗しながら除毛部押圧片58を押し下げる。レバー310が最も下方に位置すると、除毛部押圧片58が除毛部用スイッチ55を押下し、除毛部3の駆動装置32を停止させる。
【0062】
このように本実施形態の光照射型美容装置は、光照射を行なうためのスイッチと、除毛部3の駆動装置32を停止させるためのスイッチが別のスイッチによって構成されている。したがって、トリマー刃30の前進後退位置に拘らず、光照射部4による発光が可能となるよう構成されている。これにより例えば、トリマー刃30が後退してフレーム部12内に没入した状態でも、光照射部4は生体表面9に光照射を行なうことができる。
【0063】
このように本実施形態の光照射型美容装置は、除毛部3が、前進後退自在に設けられ且つ可動刃301及び固定刃300を有するトリマー刃30と、前記トリマー刃30を前進後退させる操作手段31とを備えている。このためユーザーは、除毛部3を使用しない場合、トリマー刃30を後退させて、光照射部4のみを使用することができる。これにより、毛が生えていない生体表面9に対しても、トリマー刃30を押し当てずに光照射を行なうことができる。
【0064】
しかも本実施形態の光照射型美容装置は、除毛部3が、トリマー刃30の後退に連動して停止するよう構成されているため、ユーザーは、除毛部3の使用を止める際に、操作手段31によりトリマー刃30を後退させるだけで、除毛部3を停止させることができる。これにより、操作手段31によってトリマー刃30を後退させる前に、除毛部3の駆動をOFFにするという動作が不要となる。この結果、使い勝手が向上するだけでなく、除毛部3の停止操作を忘れることも防止することができる。
【0065】
また本実施形態の光照射型美容装置は、光照射部4が、トリマー刃30の前進後退位置に拘らず光照射可能に構成されているため、光照射しながら、トリマー刃30の前進後退操作を行なうことも可能である。
【0066】
また本実施形態の光照射型美容装置は、フレーム部12にスライド自在に設けられたレバ310ーとトリマー刃30とが連結され、レバー310のスライドに応じてトリマー刃30が前進後退するものであるため、簡単な機構でトリマー刃30を突没させることができる。この機構の簡略化により、コストダウンを図ることができる。
【0067】
また本実施形態の光照射型美容装置は、死点に位置する光照射部4の前端と、前進端に位置するトリマー刃30の前端とが略同一平面状に位置するよう構成されている。このため、腕や足などといった生体表面9の面積が広い部分に対して、肌当たりをよくすることができる。しかもユーザーは、除毛しながらの光照射を簡単に行ないやすく、使い勝手が向上する。
【0068】
なお、本実施形態の光照射部4は、発光体44にキセノンフラッシュランプが用いられていたが、本発明の光照射部4はこのものに限定されない。
【0069】
本実施形態の光照型美容射装置は、光軸方向を上下方向として説明したが、本発明においては、上下方向が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0070】
1 美容装置本体
11 本体部
12 フレーム部
14 光照射部装着部
15 除毛部装着部
16 仕切壁
20 レバー装着部
22 端面部
3 除毛部
30 トリマー刃
300 固定刃
301 可動刃
31 操作手段
310 レバー
32 駆動装置
320 モータ
321 揺動機構部
4 光照射部
40 遮光筒部
401 生体当接面
402 照射開口
403 通気連通口
41 透明部材
42 照射ユニット部
432 通気開口
433 照射窓
44 発光体
48 レンズ
5 冷却装置
50 送風ファン
6 毛屑進入阻止部
61 凹所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除毛部と、この除毛部に並設されて生体表面に光照射を行う光照射部とを備えた光照射型美容装置であって、
前記除毛部は、
前進後退自在に設けられ且つ可動刃及び固定刃を有するトリマー刃と、
前記トリマー刃を前進後退させる操作手段と、
前記固定刃に沿って前記可動刃を駆動させる駆動装置と
を有し、
前記駆動装置は、前記操作手段により前記トリマー刃が後退すると停止するよう構成されている
ことを特徴とする光照射型美容装置。
【請求項2】
前記光照射部が、前記トリマー刃の前進後退位置にかかわらず、光照射可能に構成されたものである
ことを特徴とする請求項1記載の光照射型美容装置。
【請求項3】
前記除毛部が取り付けられるフレーム部をさらに備え、
前記操作手段は、
前記フレーム部にスライド自在に設けられたレバーと、
前記レバーに設けられ且つ前記フレームを貫通してトリマー刃に連結される作動部と
を備え、
前記レバーのスライドに応じてトリマー刃が前進後退するものである
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の光照射型美容装置。
【請求項4】
前記光照射部が、光軸方向に移動自在に構成されると共に光進行方向の後方側の死点で発光するよう構成されており、
前記死点に位置する前記光照射部の前端と、前進端に位置する前記トリマー刃の前端とが略同一平面状に位置するものである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光照射型美容装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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