説明

光照射装置およびそのシステム

【課題】それぞれの光照射源に略均一に冷却風を送風可能な光照射装置を提供する。
【解決手段】実施形態の紫外線照射装置(光照射装置)は、給気ダクト4を介して内部に冷却媒体を給気可能な長尺で中空の給気ボックス2(ボックス)と、給気ボックス4の長手方向に沿って複数配置されたUV照射モジュール51〜56(光照射源)と、給気ボックス4の長手方向に沿って複数設けられた、内部に空間611〜661を備え、空間611〜661を介してUV照射モジュール51〜56に冷却媒体を供給する分岐ダクト61〜66と、複数の分岐ダクト61〜66の近傍に設けられた、空間611〜661において障害物となることにより、分岐ダクト61〜66を通過する冷却媒体の風量を調整可能な風量調整機構91〜96と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、印刷関連のインク乾燥、半導体関連の微細露光、液晶関連の接着剤硬化に用いられる紫外線照射装置などの光照射装置およびそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
光照射装置の一例として、紫外線照射装置がある。紫外線照射装置は、例えば、特許文献1にあるように、紫外線照射源を複数並べて配置することで、所定の紫外線照射を可能とするものである。紫外線照射源には、マイクロ波を発生させるマグネトロンや、マイクロ波を受けて紫外線を発生させる紫外線ランプなどが搭載されている。これらは点灯中に発熱するため、冷却が必要である。その構造として、ブロアから複数の紫外線照射源に冷却媒体を送り込む方式が提案されている。
【0003】
ここで、個々の紫外線照射源に搭載されたマグネトロンや紫外線ランプは、それぞれ同じ温度で使用されるのが望まれる。そのためには、それぞれの紫外線照射源に冷却媒体を均一に送風する必要があるが、特許文献1の方式では送風ムラが生じることがわかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−198838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、それぞれの光照射源に略均一に冷却風を送風可能な光照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、実施形態の光照射装置は、冷却媒体を送風可能なブロアと、複数配置された光照射源と、内部に空間を備え、前記空間を介して、前記ブロアからの前記冷却媒体を複数の前記光照射源のそれぞれに供給する複数の分岐ダクトと、複数の前記分岐ダクトの近傍に設けられた、前記空間において障害物となることにより、前記分岐ダクトを通過する前記冷却媒体の風量を調整可能な風量調整機構と、を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態の面照射型の紫外線照射装置について説明するための図である。
【図2】第1の実施形態の紫外線照射装置の給気側ボックスの側壁を外した状態について説明するための図である。
【図3】第1の実施形態のUV照射モジュール等について説明するための図である。
【図4】第1の実施形態の各々の分岐ダクト内を通過する冷却風の風量の調整について説明するための図である。
【図5】第2の実施形態の紫外線照射装置について説明するための図である。
【図6】第3の実施形態の紫外線照射装置について説明するための図である。
【図7】第4の実施形態の紫外線照射装置について説明するための図である。
【図8】第4の実施形態の紫外線照射装置で用いる分岐管について説明するための図である。
【図9】紫外線照射装置の他の実施形態について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の紫外線照射装置について、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の面照射型の紫外線照射装置について説明するための図、図2は、第1の実施形態の紫外線照射装置の給気側ボックスの側壁を外した状態について説明するための図である。なお、以下では便宜上、X方向、Y方向、Z方向を設定して説明する。
【0010】
図1は、広範囲を照射可能な面照射型の紫外線照射装置である。この装置は、照射ボックス1を備えている。照射ボックス1は、蓋部と側部を備え、蓋部に対向する側が開口した箱である。この照射ボックス1の蓋部には、光照射装置として紫外線照射装置11が複数、ここでは6セットが並列的に配列されている。これら紫外線照射装置11は、照射ボックス1に対してスライド可能に構成されている平板12の上にそれぞれ配置されている。
【0011】
紫外線照射装置11は、ボックスとして、ステンレス等の金属からなる長尺の給気側ボックス2を備えている。給気側ボックス2は、例えば、高さは約300mm、長さは約2000mmであり、図2からわかるように、その長手方向(以下、X方向)に沿って細長い空間21を内部に備えている。
【0012】
給気側ボックス2の近傍には、ブロア3が配置されている。ブロア3は、空気などの冷却媒体を送風する機能を備えた、渦巻き形状の送風装置であり、給気ダクト4を介して、給気側ボックス2と連結されている。給気ダクト4は、両端に入風口41と出風口42を備えた中空の導管である。その入風口41側はブロア3と接続され、出風口42側は給気側ボックス2のX方向の端面に形成された穴22に接続されている。
【0013】
また、給気側ボックス2の近傍には、X方向に沿って光照射源であるUV照射モジュール51〜56が配置されている。これらUV照射モジュール51〜56は全て同一の構造である。UV照射モジュール51を例にとり、図3を参照して構造を説明する。図3は、UV照射モジュール等について説明するための図であり、(a)はXZ平面、(b)は排気ダクト8付近におけるYZ平面の断面図である。
【0014】
UV照射モジュール51はランプハウス511を備えている。ランプハウス511は、ステンレスなどのマイクロ波を遮断可能な金属からなる中空の箱である。その内部にはマイクロ波を発生させるマグネトロン512が配置されている。本例では、マグネトロン512は一対である。このマグネトロン512には、マイクロ波を送信するアンテナ513が設けられている。アンテナ513はマグネトロン512から下方に突き出すように形成されていて、その周囲は導波管514によって覆われている。導波管514は、マイクロ波を導く部材であり、アンテナ513を覆っていない他端側は開口しており、その開口が下方を向くように配置されている。
【0015】
導波管514の開口付近には、リフレクタ515が配置されている。リフレクタ515は、紫外線は反射し、マイクロ波は透過させる材料からなるものである。本例では、表面にコーティングを施したガラス板からなり、このガラス板は一対で構成され、ハの字状に配置されている。この一対の平板によって形成される空間には、光発生源である無電極ランプ516が配置されている。
【0016】
無電極ランプ516は、石英ガラスなどの紫外線光を透過させる材料からなる円筒形状のバルブである。外径は17mm程度、長さは240mm程度である。その内部には、マイクロ波によって紫外線を発生させる媒体として、不活性ガス、水銀および鉄が封入されている。バルブの両端には棒状の支持部が一体的に設けられており、この支持部によってランプハウス511に取り付けられる。
【0017】
ランプハウス511の下方に設けられた開口には、電磁シールド517が配置されている。この電磁シールド517は、金属線を編み込んだメッシュ、パンチング加工した金属板などにより構成されている。そのため、紫外線や冷却風は透過させつつ、マイクロ波はランプハウス511の外部に漏れることを防止する。
【0018】
また、ランプハウス511の下方には、排気ケース518が配置されている。排気ケース518は、ランプハウス511と同様の材料からなる中空の箱であり、電磁シールド517と対面する面には照射面519が設けられている。この照射面519は、紫外線透過性に優れる石英ガラスなどからなるものである。また、排気ケース518のランプハウス511と接続されていない他端側には、排気口5181が設けられている。
【0019】
これらUV照射モジュール51〜56は分岐ダクト61〜66によって、それぞれ給気側ボックス2と接続されている。分岐ダクト61〜66は内部に空間611〜661を備える、例えば直径が150mm、長さが200mmである中空の導管であり、給気側ボックス2の長手方向に対して直交する方向(以下、Z方向)に沿うように形成されている。本例では、分岐ダクト61〜66は、UV照射モジュール51〜56と同じ6つ設けられており、全て同じ大きさである。また、分岐ダクト61〜66は、X方向に沿って等間隔になるように、給気側ボックス2に一体形成されている。このように、給気側ボックス2とUV照射モジュール51〜56を分岐ダクト61〜66によって繋ぐようにすることで、給気側ボックス2とUV照射モジュール51〜56の着脱を容易に行える。したがって、平板12との組み合わせで、装置自体やボックス、その構成部品等のメンテナンスに有利である。
【0020】
UV照射モジュール51〜56の排気ケース518〜568には、給気側ボックス2と並ぶように排気側ボックス7が配置されている。排気側ボックス7は、内部にX方向に沿う細長い空間71を備えた長尺で中空の箱であり、UV照射モジュール51〜56の排気ケース518〜568の排気口5181〜5681のそれぞれと繋がっている。この排気側ボックス7には穴72が設けられており、その穴72には中空の導管である排気ダクト8の入風口81が接続されている。
【0021】
この紫外線照射装置11の動作について説明すると、まずマグネトロン512は、電源(図示なし)から電力を受けて、マイクロ波を発生させる。マグネトロン512で発生した例えば2.45GHzのマイクロ波は、アンテナ513から送信され、導波管513によって導かれる。そして、マイクロ波は、無電極ランプ516に到達し、バルブ中に封入された媒体を励起して、無電極ランプ516から紫外線を発生させる。この紫外線は、直接またはリフレクタ515で反射して、電磁シールド517および照射面519を通過し、直接または照射ボックス1の側部で反射しながら、開口付近に配置された、例えば液晶パネルなどの大面積の被照射体(図示なし)に導かれる。
【0022】
ここで、マグネトロン512や無電極ランプ516は、動作中に高温となるため、冷却する必要がある。その冷却には、冷却媒体が用いられる。この冷却媒体は、冷却風としてブロア3により送風され、給気ダクト4を介して、給気側ボックス2、分岐ダクト61の空間611を通って、UV照射モジュール51に供給され、マグネトロン512や無電極ランプ516などを冷却する(風A1)。このとき給気ダクト4から供給される冷却風の量は、例えば70m/minである。マグネトロン512や無電極ランプ516などを空冷した冷却風は、風92に示すように、排気ケース518を通り(風A2)、さらに排気側ボックス7、排気ダクト8を通って、紫外線照射装置11の外部に排気される(風A3)。外部に排気された風は、当初より温度が上昇したり、不純物を含むものであるため、冷却処理や不純物除去処理などがされて、再度、ブロア3により空間21に送風される(図示なし)。なお、他のUV照射モジュール52〜56においても同様に、冷却風が給気され、排気される。
【0023】
この冷却に際しては、UV照射モジュール51〜56に搭載された全てのマグネトロン512や無電極ランプ516がほぼ同じ温度になるようになされるのが望ましい。マグネトロン512や無電極ランプ516は温度によって、マイクロ波や紫外線の発生量が変化し、その結果、光学特性にばらつきが生じるためである。全てのマグネトロン512や無電極ランプ516の温度を一定にするには、UV照射モジュール51〜56に略均一に冷却風を供給すればよい。しかし、冷却風を給気側ボックス2に送ってから、分配する方式ではUV照射モジュール51〜56に略均一に冷却風を供給するのは比較的困難である。例えば、特許文献1の装置では、取り込み口に近い喚起口に冷却風が集中するため、各喚起口に供給される冷却風の風量は不均一になる。
【0024】
そこで、本実施形態では、給気側ボックス2の構造を改良している。具体的には、図2に示すように、分岐ダクト61〜66の近傍に風量調整機構91〜96を設けている。この風量調整機構91〜96は、空間611〜661において障害物となることにより、分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の風量を調整可能な機構である。本実施例では空間611〜661と同程度の大きさの蓋である。風量調整機構91〜96を空間611〜661の上に所定だけスライドさせることで、空間611〜661を通過しようとする冷却風の障害となり、分岐ダクト61〜66を通る風量を変化させることができる。
【0025】
この風量調整機構91〜96は、個別制御が可能である。例えば、分岐ダクト61は風量調整機構91により空間611を塞がず、分岐ダクト66は風量調整機構96により空間661を半分だけ塞ぐなどを行うことが可能である。したがって、図4に示すように、UV照射モジュール51〜56または分岐ダクト61〜66内に流速計を配置して冷却風の流速を測定し(S1)、その測定結果に基づいて、各々の分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の流速が均一化されるように、風量調整機構91〜96により、空間611〜661における冷却風に対する抵抗具合を調整し(S2)、再度、分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の流速を測定すれば(S3)、風量を略均一に制御することができる。S3のステップにおいて、風量が不均一の結果となれば、S2のステップに戻ればよい。本実施形態では、風量調整機構91〜96を設けていない従来の紫外線照射装置よりも、分岐ダクト61〜66における流量差が約10%改善された。なお、流速計はUV照射モジュール51〜56内に常備させておく必要はなく、紫外線照射装置11の設備導入時や定期的のみに配置するようにしてもよい。
【0026】
風量調整機構91〜96の制御に関しては、風量を均一にしながら冷却効果を最大限に高めるために、風量が最も少ない分岐ダクトの風量に、その他の分岐ダクトの風量が近づくように調整するのが望ましい。一般的には、給気ダクト4の近傍の分岐ダクトにおいて風量が高く、最も離れた分岐ダクトにおいて風量が低くなる傾向があるので、最も離れた分岐ダクトでは空間をほとんど塞がず、給気ダクト4に近い分岐ダクトでは空間を所定に塞ぐよう、風量調整機構を調整すればよい。給気ダクト4の近傍の分岐ダクトから、最も離れた分岐ダクトに向かうにつれて、風量が少なくなる場合には、給気ダクト4から最も離れた分岐ダクトから、近傍の分岐ダクトに向かうにつれて空間が小さくなるように風量調整機構を調整すればよい。このように、風量が最も少ない分岐ダクトの風量に、その他の分岐ダクトの風量が近づくように調整する場合には、その風量が最も少ない分岐ダクトの部分には、風量調整機構を設けなくてもよい。
【0027】
なお、本実施形態のような傾斜を有する給気ボックス2と風量調整機構91〜96を組み合わせると、さらに風量を均一にしながら冷却効果を最大限に高めることが期待できる。具体的には、給気ダクト4の近傍からX方向に遠方に向かうにつれて傾斜する、すなわち分岐ダクト66部分における空間21の高さよりも、分岐ダクト61部分における空間21の高さを低くする、傾斜面23を備えた給気ボックス2において、風量調整機構91〜96を採用するとよい。このような給気ボックス2は、傾斜面23により分岐ダクト61〜66における風量を均一化する効果が得られるためであり、この給気ボックス2と風量調整機構91〜96を組み合わせれば、風量調整機構91〜96によって空間611〜661の大きさを大幅に塞ぐ必要がなくなるため、各分岐ダクトにおける風量を均一化しつつ、風量を大きくすることが可能になる。
【0028】
第1の実施形態においては、空間611〜661にとって障害物となることにより、分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の風量を調整可能な風量調整機構91〜96を分岐ダクト61〜66の近傍に設けたため、分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の風量が均一化され、UV照射モジュール51〜56内のマグネトロン512や無電極ランプ516の温度が同じになるため、光学特性のばらつきを抑制することができる。
【0029】
また、風量調整機構91〜96を、風量が最も少ない分岐ダクトの風量に、その他の分岐ダクトの風量が近づくように調整したため、風量を均一にしながら冷却効果を最大限に高めることができる。また、傾斜面23を備える給気ボックス2に風量調整機構91〜96を採用したため、風量を均一にしながら冷却効果を最大限に高めることができる。
【0030】
また、複数の紫外線照射装置11を一方に全ての給気ダクト4、他方に全ての排気ダクト8が集合するように、並列的に配置しているため、コンパクトでありながら、給排を効率よく行うことができるシステマチックな面照射型の紫外線照射装置を実現することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の紫外線照射装置について説明するための図である。この第2の実施形態の各部について、第1の実施形態の紫外線照射装置の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
【0032】
この実施形態では、風量調整機構91〜96は分岐ダクト61〜66の空間611〜661において回動する蓋である。この風量調整機構91〜96を回動させて、空間611〜661を所定に塞ぐ障害物とすることで、分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の風量を均一化できるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、風量調整機構91〜96の蓋面を、冷却風を導入するガイドとして兼用することもでき、この場合には冷却風の流量を増やすことができるため、風量を均一にしながら冷却効果を高めることができる。
【0033】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態の紫外線照射装置について説明するための図である。
【0034】
この実施形態では、風量調整機構91〜96は分岐ダクト61〜66の空間611〜661に突出する棒である。この風量調整機構91〜96を突出させて、空間611〜661を所定に塞ぐ障害物とすることで、分岐ダクト61〜66を通過する冷却風の風量を均一化できるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この場合には、紫外線照射装置11の外部において、風量調整機構91〜96の突出量を手動で変更できるので、空間611〜661の調整が容易である。なお、棒の先端部に蓋を取り付けるなどしてもよい。
【0035】
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態の紫外線照射装置について説明するための図である。
【0036】
この実施形態では、給気ダクト4の出風口42に分岐管60を接続し、その分岐管60により、ブロア3から送風される冷却媒体をそれぞれUV照射モジュール51〜53に送り込む構造としている。具体的には、分岐管60は、分岐ダクト601〜603を備えており、UVモジュール51〜53に接続されている分岐ダクト61〜63と接続することで冷却媒体の送り込みを可能とする。排気側には、分岐ダクト801〜803を備える集合管80が配置されており、分岐ダクト801〜803と分岐ダクト821〜823を接続することで、冷却媒体を排気ケース518〜538から集合管80より排気する構造としている。
【0037】
図8に示すように、分岐ダクト601〜603の内部の空間6011〜6031には、風量調整機構91〜93が配置されている。この実施形態では、風量調整機構91〜93は、空間6011〜6031を横断するように棒を配置し、その棒に金属ブロック等を設けたものである。金属ブロック等は、冷却媒体の障害物となるため、風量を調整することができる。なお、その個数や大きさにより、UV照射モジュールに送り込まれる冷却媒体の量を調整可能である。
【0038】
この実施形態では、給気側ボックスのようなものは使用していないので、簡単な構造で、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、風量調整機構91〜93は、分岐ダクト61〜63に設けるようにしてもよいし、複数箇所に設けてもよい。
【0039】
本発明は上記実施態様に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、給気側ボックス2の傾斜面23は、同じ角度で傾斜する面でなくてもよく、傾斜角が段階的に変化する面、湾曲する面、一部のみが傾斜するような面であってもよい。また、傾斜面23は、給気側ボックス2の内部に、平板を傾斜させて配置することで形成しても良い。
【0040】
給気ダクト4や分岐ダクト61〜66は、給気側ボックス2と一体構成でも別体構成であってもよい。
【0041】
光照射源は、光発生源を内部に備えた装置に限らず、光発生源単体、光発生源を基板上に実装したものなどであってもよい。また、光照射源が発生させる光は、紫外線に限らず、可視光や赤外光であってもよい。つまり、光照射源としては、所定の波長の光を発生させるように設計された、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、誘電体バリア放電ランプ、ハロゲンランプ、LEDおよびそれらを搭載、実装した装置などでもよい。
【0042】
図9のように、排気側ボックス7に、給気側ボックス2の傾斜面23とクロスするように、傾斜面73を設けてもよい。これにより、排気ダクト8に冷却風が流れ込みやすくなるため、コンパクトな構造でありながら、給排を効率よく行うことができる。
【0043】
この発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 照射ボックス
11 紫外線照射装置
2 給気側ボックス
4 給気ダクト
51〜56 UV照射モジュール
61〜66 分岐ダクト
611〜661 空間
91〜96 空間調整機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却媒体を送風可能なブロアと、
複数配置された光照射源と、
内部に空間を備え、前記空間を介して、前記ブロアからの前記冷却媒体を複数の前記光照射源のそれぞれに供給する複数の分岐ダクトと、
複数の前記分岐ダクトの近傍に設けられた、前記空間において障害物となることにより、前記分岐ダクトを通過する前記冷却媒体の風量を調整可能な風量調整機構と、を具備していることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
給気ダクトを介して内部に冷却媒体を給気可能な、長尺で中空のボックスと、
前記ボックスの長手方向に沿って複数配置された光照射源と、
前記ボックスの長手方向に沿って複数設けられ、内部に空間を備え、前記空間を介して前記光照射源のそれぞれに前記冷却媒体を供給する複数の分岐ダクトと、
複数の前記分岐ダクトの近傍に設けられた、前記空間において障害物となることにより、前記分岐ダクトを通過する前記冷却媒体の風量を調整可能な風量調整機構と、を具備していることを特徴とする光照射装置。
【請求項3】
給気ダクトを介して内部に冷却媒体を給気可能な、長尺で中空のボックスと、
前記ボックスの長手方向に沿って複数配置された光照射源と、
前記ボックスの長手方向に沿って複数設けられた、内部に空間を備え、前記空間を介して前記光照射源に前記冷却媒体を供給する分岐ダクトと、
前記複数の分岐ダクトの近傍に設けられた、前記空間において障害物となることにより、前記分岐ダクトを通過する前記冷却媒体の風量を調整可能な風量調整機構と、を具備する光照射装置のシステムであって、
各々の前記分岐ダクトを通過する前記冷却媒体の風量を測定したのち、その測定結果に基づいて、各々の前記分岐ダクトを通過する前記冷却媒体の風量が同等となるように、前記風量調整機構を調整することを特徴とする光照射装置のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−34978(P2013−34978A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175559(P2011−175559)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】