説明

光生体測定装置

【課題】測定データが得られた測定部位の位置を容易に把握することができるとともに、全ての測定データを同時に観察することができる光生体測定装置を提供する。
【解決手段】被検者の頭皮表面上に配置される複数個の送光プローブ○と、頭皮表面上に配置される複数個の受光プローブ●とを有する送受光部50と、送光プローブが頭皮表面に光を照射するとともに、受光プローブが頭皮表面から放出される光を検出するように制御することで、脳活動に関する測定データを得る送受光部制御部40と、測定データを表示する測定データ表示制御部21cとを備える光生体測定装置1であって、頭皮表面又は脳表面を平面に展開した展開表面画像を表示する展開表面画像表示制御部21bを備え、測定データ表示制御部21cは、展開表面画像上に測定データを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非侵襲で脳活動を測定する光生体測定装置に関する。特に、脳内各部の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を測定することにより、生体の組織が正常であるか否かを診断するための酸素モニタ等として使用することができる光生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳の活動状況を観察するために、光を用いて簡便に非侵襲で測定する光脳機能イメージング装置が開発されている。このような光脳機能イメージング装置では、被検者の頭皮表面上に配置した送光プローブにより、異なる3種類の波長λ、λ、λ(例えば、780nmと805nmと830nm)の近赤外光を脳に照射するとともに、頭皮表面上に配置した受光プローブにより、脳から放出された各波長λ、λ、λの近赤外光の強度(受光量情報)A(λ)、A(λ)、A(λ)をそれぞれ検出する。
そして、このようにして得られた受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)から、脳血流中のオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めるために、例えば、Modified Beer Lambert則を用いて関係式(1)(2)(3)に示す連立方程式を作成して、この連立方程式を解いている。さらには、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とから総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を算出している。
A(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb] ・・・(1)
A(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb] ・・・(2)
A(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb] ・・・(3)
なお、E(λm)は、波長λmの光におけるオキシヘモグロビンの吸光度係数であり、E(λm)は、波長λmの光におけるデオキシヘモグロビンの吸光度係数である。
【0003】
ここで、送光プローブと受光プローブとの間の距離(チャンネル)と、測定部位との関係について説明する。図7は、一対の送光プローブ及び受光プローブと、測定部位との関係を示す断面図である。
送光プローブ12が被検者の頭皮表面の送光点Tに押し当てられるとともに、受光プローブ13が被検者の頭皮表面の受光点Rに押し当てられる。そして、送光プローブ12から光を照射させるとともに、受光プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させる。このとき、光は、頭皮表面の送光点Tから照射された光のうちで、バナナ形状(測定領域)を通過した光が、頭皮表面の受光点Rに到達する。これにより、測定領域の中でも、特に送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の中点(本明細書中では、頭皮表面での「測定部位関連位置」ともいう)Mから、送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離の半分の深さである被検者の測定部位(本明細書中では、脳表面での「測定部位関連位置」ともいう)Sに関する受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)が得られるとしている。
【0004】
また、光脳機能イメージング装置では、脳の複数箇所の測定部位に関するオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])をそれぞれ測定するために、例えば、近赤外分光分析計(以下、NIRSと略す)等が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような近赤外分光分析計では、n個の送光プローブ12と、m個の受光プローブ13とを所定の配列で被検者の頭部表面に密着させるために、ホルダ(送受光部)が使用される。ホルダとしては、例えば、頭部表面の形状に合わせて椀形状に成型されたものが使用される。
【0005】
図2は、ホルダにおける12個の送光プローブと12個の受光プローブとの位置関係を示す平面図である。送光プローブ12a〜12lと受光プローブ13a〜13lとは、斜め方向に交互となるように配置されている。このようなホルダ50では、1個の送光プローブ12に光を0.15秒間送光させ、次に、他の1個の送光プローブ12に光を0.15秒間送光させるように順次、送光プローブ12に光を送光させていく。なお、送光プローブ12から照射された光は、隣接する受光プローブ13以外の離れた受光プローブ13でも検出されるが、ここでは説明を簡単にするため、隣接する受光プローブ13のみで検出されることとする。よって、36箇所の測定部位に関する受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)(x=1,2,・・・,36)の収集が行われる。
【0006】
そして、NIRSにおける解析用制御部は、36箇所の測定部位に関する受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)(x=1,2,・・・,36)に基づいて、関係式(1)(2)(3)を用いて、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を求めている。
これにより、解析用制御部で求められたオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb](測定データ)等は、医師等によって観察されるために、画像として表示される。例えば、合計36箇所の脳表部位からのオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]を、数値とカラーとの対応関係を示すカラーテーブルに基づいて、カラーマッピングで表示している。このとき、脳の解剖学的構造には個人差があり、脳の形状が各人で違っているので、医師等は、脳のどの部位からオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]を得たかを認識するために、核磁気共鳴画像診断装置(以下、MRIと略す)等から被検者の脳表面を示す3次元形態画像データを得ることにより、脳表面画像を表示して、脳表面画像中にオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]をカラーマッピングで重畳して表示することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−109964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような脳表面画像中にオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]をカラーマッピングで重畳して表示する表示方法では、脳の測定部位のどの部分から得られたものであるかを把握することができるが、36箇所の測定部位で取得されているにもかかわらず、一部(例えば、18箇所)のオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]しか表示されていない。よって、医師等は、表示されていないオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]を観察しようと思うと、所望の方向から見た画像となるように、方向を変更して表示させることになるが、入力装置等を操作する必要があるため非常に手間がかかっていた。また、医師等は、同時に36箇所の測定部位に関するオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]を観察することができないという不都合があった。
そこで、本発明は、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]等の測定データが得られた測定部位の位置を容易に把握することができるとともに、全ての測定データを同時に観察することができる光生体測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明の光生体測定装置は、被検者の頭皮表面上に配置される複数個の送光プローブと、当該頭皮表面上に配置される複数個の受光プローブとを有する送受光部と、前記送光プローブが頭皮表面に光を照射するとともに、前記受光プローブが頭皮表面から放出される光を検出するように制御することで、脳活動に関する測定データを得る送受光部制御部と、前記測定データを表示する測定データ表示制御部とを備える光生体測定装置であって、頭皮表面又は脳表面を平面に展開した展開表面画像を表示する展開表面画像表示制御部を備え、前記測定データ表示制御部は、前記展開表面画像上に測定データを表示するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光生体測定装置によれば、頭皮表面又は脳表面を平面に展開した展開表面画像を表示して、展開表面画像上に測定データを重畳して表示するので、測定データが得られる測定部位の位置も容易に把握することができるとともに、全ての測定データを同時に観察することができる。
【0011】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の光生体測定装置は、前記展開表面画像は、頭皮表面又は脳表面を上方から見た画像と、右方から見た画像と、左方から見た画像と、前方から見た画像と、後方から見た画像とのうちから選択される少なくとも2方向から見た画像を含むようにしてもよい。
【0012】
そして、本発明の光生体測定装置は、前記測定データは、ヘモグロビン濃度を示すデータであるようにしてもよい。
さらに、本発明の光生体測定装置は、前記ヘモグロビン濃度とカラーとの対応関係を示すカラーテーブルに基づいて、前記ヘモグロビン濃度をカラーマッピングで、前記展開表面画像に重畳して表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態である光生体測定装置の構成を示すブロック図。
【図2】ホルダにおける送光プローブと受光プローブとの位置関係を示す平面図。
【図3】本発明に係る光生体測定装置により表示されたモニタ画面の一例を示す図。
【図4】展開表面画像の他の一例を示す図。
【図5】展開表面画像の他の一例を示す図。
【図6】展開表面画像の他の一例を示す図。
【図7】一対の送光プローブ及び受光プローブと、測定部位との関係を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態である光生体測定装置の構成を示すブロック図である。光生体測定装置1は、ホルダ(送受光部)50と、発光部2と、光検出部3と、光生体測定装置1全体の制御を行う制御部(コンピュータ)20とにより構成される。
また、図2は、ホルダ50における12個の送光プローブ12a〜12lと、12個の受光プローブ13a〜13lとの位置関係を示す平面図である。
さらに、図3は、本発明に係る光生体測定装置1により表示されたモニタ画面23aの一例を示す図である。モニタ画面23aには、展開表面画像31と、36箇所の測定部位におけるオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb](測定データ)とが表示されることになる。
【0016】
発光部2は、コンピュータ20から入力された駆動信号により12個の送光プローブ12a〜12lのうちから選択される1個の送光プローブに光を送光する。上記光としては、近赤外光(例えば、780nmと805nmと830nmとの3波長光)が用いられる。
光検出部3は、12個の受光プローブ13a〜13lで受光した近赤外光(例えば、780nmと805nmと830nmとの3波長光)を個別に検出することにより、12個の受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)をコンピュータ20に出力する。
【0017】
コンピュータ20においては、CPU21を備え、さらにメモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22であるキーボード22aやマウス22bとが連結されている。また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、発光部2及び光検出部3を制御する送受光部制御部40と、解析用制御部21aと、展開表面画像表示制御部21bと、測定データ表示制御部21cとを有する。さらに、メモリ25は、測定データを記憶していく測定データ記憶領域25aと、展開表面画像データを予め記憶する画像データ記憶領域25bとを有する。
【0018】
送受光部制御部40は、発光部2に駆動信号を出力する発光制御部42と、光検出部3からの受光量情報を受けることにより受光量情報を測定データ記憶領域25aに記憶させる光検出制御部43とを有する。発光制御部42は、送光プローブ12に光を送光する駆動信号を発光部2に出力する制御を行う。光検出制御部43は、光検出部3からの受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)を受けることにより、12個の受光プローブ13a〜13lから検出された12個の受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)を測定データ記憶領域25aに記憶させる制御を行う。つまり、1個の送光プローブから光が送光されるごとに、12個の受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)が測定データ記憶領域25aに記憶されることになる。
【0019】
解析用制御部21aは、測定データ記憶領域25aに記憶された受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)(x=1,2,・・・,36)に基づいて、関係式(1)(2)(3)を用いて、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を求め測定データ記憶領域25aに記憶させる制御を行う。
【0020】
展開表面画像表示制御部21bは、画像データ記憶領域25bに予め記憶された展開表面画像データに基づいて、展開表面画像31をモニタ画面23aに表示する制御を行う(図3参照)。
展開表面画像31は、一般的なヒトの略球状の頭皮表面を上方から見た画像(頭皮表面上方画像)31aと、右方から見た画像(頭皮表面右方画像)31bと、左方から見た画像(頭皮表面左方画像)31cと、前方から見た画像(頭皮表面前方画像)31dと、後方から見た画像(頭皮表面後方画像)31eとを含むものである。そして、モニタ画面23aにおいて、頭皮表面上方画像31aを中央にして、頭皮表面上方画像31aの上方に隣接して頭皮表面後方画像31eを配置し、頭皮表面上方画像31aの左方に隣接して頭皮表面左方画像31cを配置し、頭皮表面上方画像31aの右方に隣接して頭皮表面右方画像31bを配置し、頭皮表面上方画像31aの下方に隣接して頭皮表面前方画像31dを配置している。すなわち、モニタ画面23aには、頭皮表面上方画像31aを中央にして略球状の頭皮表面を平面に展開したものが表示されている。
【0021】
測定データ表示制御部21cは、測定データ記憶領域25aに記憶されたオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]等と、ホルダ50におけるプローブ位置情報及び被検者の頭皮表面に対するホルダ位置情報によって算出された測定部位関連位置とに基づいて、展開表面画像31における測定部位関連位置中にオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]等を表示する制御を行う。例えば、ある時間tにおける合計36箇所の測定部位関連位置からのオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]を、数値とカラーとの対応関係を示すカラーテーブルに基づいて、カラーマッピングで展開表面画像31に重畳して表示する。このとき、例えば、頭皮表面上の測定部位関連位置は、送光プローブ12の位置と受光プローブ13の位置とを頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の中点Mの位置とする。
【0022】
以上のように、光生体測定装置1によれば、頭皮表面を平面に展開した展開表面画像31を表示して、展開表面画像31上に測定データを重畳して表示するので、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]等の測定データが得られる測定部位の位置も容易に把握することができるとともに、全ての測定データを同時に観察することができる。
【0023】
<他の実施形態>
(1)上述した光生体測定装置1では、展開表面画像31を表示する構成を示したが、他の展開表面画像を表示してもよい。
図4は、展開表面画像の他の一例を示す図である。展開表面画像131は、一般的なヒトの略球状の頭皮表面を上方から見た画像(頭皮表面上方画像)131aと、右方から見た画像(頭皮表面右方画像)131bと、左方から見た画像(頭皮表面左方画像)131cと、前方から見た画像(頭皮表面前方画像)131dと、後方から見た画像(頭皮表面後方画像)131eとを含むものである。そして、モニタ画面において、頭皮表面上方画像131aを中央にして、頭皮表面上方画像131aの上方に隣接して頭皮表面後方画像131eを配置し、頭皮表面上方画像131aの左方に隣接して頭皮表面左方画像131cを配置し、頭皮表面上方画像131aの右方に隣接して頭皮表面右方画像131bを配置し、頭皮表面上方画像131aの下方に隣接して頭皮表面前方画像131dを配置している。さらに、頭皮表面後方画像131eの左側周縁部と頭皮表面左方画像131cの上側周縁部との間を引きのばして接続し、頭皮表面左方画像131cの下側周縁部と頭皮表面前方画像131dの左側周縁部との間を引きのばして接続し、頭皮表面前方画像131dの右側周縁部と頭皮表面右方画像131bの下側周縁部との間を引きのばして接続し、頭皮表面右方画像131bの上側周縁部と頭皮表面後方画像131eの右側周縁部との間を引きのばして接続している。
【0024】
図5は、展開表面画像のさらに他の一例を示す図である。展開表面画像231は、一般的なヒトの略球状の頭皮表面を上方から見た画像(頭皮表面上方画像)231aと、右方から見た画像(頭皮表面右方画像)231bと、左方から見た画像(頭皮表面左方画像)231cと、前方から見た画像(頭皮表面前方画像)231dと、後方から見た画像(頭皮表面後方画像)231eとを含むものである。そして、モニタ画面において、頭皮表面上方画像231aを中央にして、頭皮表面上方画像231aの上方に隣接して頭皮表面後方画像231eを配置し、頭皮表面上方画像231aの左方に隣接して頭皮表面左方画像231cを配置し、頭皮表面上方画像231aの右方に隣接して頭皮表面右方画像231bを配置し、頭皮表面上方画像231aの下方に隣接して頭皮表面前方画像231dを配置している。さらに、頭皮表面後方画像231eの左側下部と頭皮表面左方画像231cの右側上部との間を引きのばして接続し、頭皮表面左方画像231cの右側下部と頭皮表面前方画像231dの左側上部との間を引きのばして接続し、頭皮表面前方画像231dの右側上部と頭皮表面右方画像231bの左側下部との間を引きのばして接続し、頭皮表面右方画像231bの左側上部と頭皮表面後方画像231eの右側下部との間を引きのばして接続している。
【0025】
図6は、展開表面画像のさらに他の一例を示す図である。展開表面画像331は、一般的なヒトの略球状の頭皮表面を上方から見た画像(頭皮表面上方画像)331aと、右方から見た画像(頭皮表面右方画像)331bと、左方から見た画像(頭皮表面左方画像)331cと、前方から見た画像(頭皮表面前方画像)331dとを含むものである。そして、モニタ画面において、頭皮表面前方画像331dを中央下部にして、頭皮表面前方画像331dの上方に隣接して頭皮表面上方画像331aを配置し、頭皮表面前方画像331dの左方に隣接して頭皮表面左方画像331cを配置し、頭皮表面前方画像331dの右方に隣接して頭皮表面右方画像331bを配置している。そして、展開表面画像331上に複数の測定部位におけるオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb](測定データ)が表示されている。
【0026】
(2)上述した光生体測定装置1では、一般的なヒトの略球状の頭皮表面を見た展開表面画像31を表示する構成を示したが、一般的なヒトの略球状の脳表面を見た展開表面画像や被検者自身の頭皮表面を見た展開表面画像を表示してもよい。このとき、例えば、脳表面上の測定部位関連位置は、送光プローブ12の位置と受光プローブ13の位置とを結んだ線の垂直二等分線と交差する位置とする。
【0027】
(3)上述した光生体測定装置1では、カラーマッピングで展開表面画像31に重畳して表示する構成を示したが、縦軸は濃度を示し、横軸は時間を示すトレンドグラフを展開表面画像に重畳して表示してもよい。
(4)上述した光生体測定装置1では、12個の送光プローブ12a〜12lと12個の受光プローブ13a〜13lとを有するホルダ50を示したが、異なる数、例えば9個の送光プローブと9個の受光プローブとを有する送受光部としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、脳内各部の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を測定することにより、生体の組織が正常であるか否かを診断するための酸素モニタ等として使用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1: 光生体測定装置
12: 送光プローブ
13: 受光プローブ
21b: 展開表面画像表示制御部
21c: 測定データ表示制御部
22: 入力装置
23: 表示装置
40: 送受光部制御部
50: ホルダ(送受光部)
T: 送光点
R: 受光点
M: 計測点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の頭皮表面上に配置される複数個の送光プローブと、当該頭皮表面上に配置される複数個の受光プローブとを有する送受光部と、
前記送光プローブが頭皮表面に光を照射するとともに、前記受光プローブが頭皮表面から放出される光を検出するように制御することで、脳活動に関する測定データを得る送受光部制御部と、
前記測定データを表示する測定データ表示制御部とを備える光生体測定装置であって、
頭皮表面又は脳表面を平面に展開した展開表面画像を表示する展開表面画像表示制御部を備え、
前記測定データ表示制御部は、前記展開表面画像上に測定データを表示することを特徴とする光生体測定装置。
【請求項2】
前記展開表面画像は、頭皮表面又は脳表面を上方から見た画像と、右方から見た画像と、左方から見た画像と、前方から見た画像と、後方から見た画像とのうちから選択される少なくとも2方向から見た画像を含むことを特徴とする請求項1に記載の光生体測定装置。
【請求項3】
前記測定データは、ヘモグロビン濃度を示すデータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光生体測定装置。
【請求項4】
前記ヘモグロビン濃度とカラーとの対応関係を示すカラーテーブルに基づいて、前記ヘモグロビン濃度をカラーマッピングで、前記展開表面画像に重畳して表示することを特徴とする請求項3に記載の光生体測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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