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光硬化性塗料組成物及びこれを用いた硬化被膜の形成方法
説明

光硬化性塗料組成物及びこれを用いた硬化被膜の形成方法

【課題】可撓性、耐擦り傷性、耐インク汚染性、耐候性などに優れた硬化被膜を臭気の発生を抑制しつつ形成する方法、及びこれに使用する光硬化性塗料組成物を提供する。
【解決手段】光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン、光重合性モノマー及び光重合開始剤からなる、酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下での光硬化性塗料組成物である。また、基材上にこの光硬化性塗料組成物を塗布し、次いで酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下で光重合させる、硬化被膜の形成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性、耐擦り傷性、耐インク汚染性などに優れた光硬化性塗料組成物、及びこれを用いた硬化被膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内装建材においては、フェルトペンなどの油性ペンによる汚染の除去性や、擦ったり引っ掻いたりしたときに生ずる擦り傷のつき難さが重要な特性である。この分野の建材は、樹脂フィルムをロール状に巻いた壁紙や、あるいは薄板鋼板に塗装して供されることが多い。このような用途では、現場に合った形状に切断し曲げる加工を伴うのが普通であるため、どのような形状にも変形できる被膜の可撓性が重要な特性となる。従来技術では、被膜を硬くすることで、耐汚染性や耐擦り傷性を確保することが出来たが、被膜を硬くするほど可撓性は低下するという問題がある。
【0003】
本発明では、光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン、光重合性モノマーを組み合わせることで、上記課題を解決する塗料組成物に思い至った。しかし、単にこの塗料組成物を通常の大気下で紫外線を照射して光硬化させたのでは、フェルトペンによる汚染を布で擦っても汚染を完全に除去することは出来ないことが判った。更に、別の問題として、使用する光重合開始剤が塗膜中に残存して、被膜の臭気の原因となったり、耐候性を低下させるなど、内装建材として用いるには問題があることも判明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前述した問題を解決するため、可撓性、耐擦り傷性、耐インク汚染性、耐候性などに優れた硬化被膜を臭気の発生を抑制しつつ形成する方法、及びこれに使用する光硬化性塗料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明は以下の(1)及び(2)に示されるものである。
(1) 光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン、光重合性モノマー及び光重合開始剤からなること、を特徴とする酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下での光硬化性塗料組成物。
(2) 基材上に前記(1)の光硬化性塗料組成物を塗布し、次いで酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下で光重合させること、を特徴とする硬化被膜の形成方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の光硬化性塗料組成物を使用することにより、基材上に可撓性、耐擦り傷性、耐インク汚染性、耐候性などに優れた硬化被膜を臭気の発生を抑制しつつ形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光硬化性塗料組成物は、光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン、光重合性モノマー及び光重合開始剤からなる。
【0008】
本発明における光重合性硬質ポリウレタンは、光(紫外線)照射により重合する官能基を有するポリウレタンであり、重合し硬化して硬質のウレタン樹脂となり、その硬度は積算(紫外線)光量300mJ/cmでユニバーサル硬度(Huk)150以上である。
【0009】
光重合性硬質ポリウレタンとしては、具体的には、ポリオールと、分子内にエチレン性不飽和結合2個以上と水酸基1個以上を有する化合物と、有機ポリイソシアネートとを、水酸基に対しイソシアネート基がほぼ当量の条件で反応させて得られるものである。
更に具体的には、前記のポリオールと分子内にエチレン性不飽和結合2個以上と水酸基1個以上を有する化合物と有機ポリイソシアネートとを、原料合計のイソシアネート基/全水酸基の当量比が0.8〜1.2、更には0.9〜1.1となる範囲で同時或いは逐次に反応させて、好適に製造することができる。
【0010】
ポリオールとしては、一般にポリウレタンの製造に用いられる種々の高分子や低分子のポリオールが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドの1種又は2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物である。ここにおける2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば、それぞれ低分子のポリオール類、アミン類、アルカノールアミン類、多価フェノール類が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリオール類と多塩基性カルボン酸との縮合物、ヒドロキシカルボン酸とポリオール類との縮合物、ラクトンの重合物などが挙げられる。このポリオール類としては、ポリオキシアルキレンポリオールの合成において使用される化合物などが挙げられ、多塩基性カルボン酸としては、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸などが挙げられる。さらに、ヒドロキシカルボン酸とポリオール類との縮合物としては、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物、ヒマシ油とプロピレングリコールとの反応生成物などが挙げられる。また、ラクトンの重合物とは、ε−カプロラクタム、α−メチル−ε−カプロラクタム、ε−メチル−ε−カプロラクトンなどを適当な重合開始剤で開環重合させたものである。
ポリマーポリオールとしては、前記ポリオキシアルキレンポリオール又はポリエステルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸系化合物、メタクリル酸系化合物などのエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたものなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応、或いは低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどとのエステル交換反応で合成されるものなどが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、又はこれらを水素添加したもの、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用してもよい。
これらのうち、高分子ポリオールが好ましく、数平均分子量は1,000〜30,000、更に2,000〜15,000のものが好ましい。
【0011】
分子内にエチレン性不飽和結合2個以上と水酸基1個以上を有する化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などの光によって重合し硬化するエチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有し、かつイソシアネート基と反応性を有する水酸基を分子内に1個以上有する化合物が好適に挙げられる。具体的には、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレートなどの水酸基含有ポリアクリレート化合物や水酸基含有ポリメタクリレート化合物などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を1分子当り2個以上有しかつ水酸基を1分子当り1個以上含有するものが好ましい。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0012】
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられる。また、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、ビュレット結合、アロファネート結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性イソシアネートも使用できる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0013】
光重合性硬質ポリウレタンの製造条件は、従来公知のポリウレタンの製造条件でよい。すなわち、前記のポリオールと分子内にエチレン性不飽和結合2個以上と水酸基1個以上を有する化合物と有機ポリイソシアネートとを、常圧下、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの存在下に40〜100℃の反応温度で1〜10時間反応すれば得られる。
更に、ウレタン化反応の際に、一般に使用される反応触媒や溶剤を併用することもできる。
【0014】
本発明における光重合性軟質ポリウレタンは、光(紫外線)照射により重合する官能基を有するポリウレタンであり、重合し硬化して軟質のウレタン樹脂となり、その硬度は積算(紫外線)光量300mJ/cmでユニバーサル硬度(Huk)150未満である。
光重合性軟質ポリウレタンの製造原料は、具体的には、分子内にエチレン性不飽和結合1個と水酸基を1個以上有する化合物と光重合性硬質ポリウレタンの合成におけるのと同様のポリオールと有機ポリイソシアネートであり、その反応当量比や製造条件は、光重合性硬質ポリウレタンにおける場合と同様である。
分子内にエチレン性不飽和結合1個と水酸基を1個以上有する化合物としては、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリカプロラクトン変性2−ヒドロキシアクリレート、ポリカプロラクトン変性2−ヒドロキシメタクリレートなどの水酸基含有モノアクリレート化合物や水酸基含有モノメタクリレート化合物などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を1分子当り1個有しかつ水酸基を1分子当り1個以上含有するものが好ましい。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0015】
本発明における光重合性シリコーンとは、具体的には、分子内にエチレン性不飽和結合を1個以上含有するシリコーンである。
【0016】
この光重合性シリコーンは、具体的には、例えば、両末端シラノールポリジメチルシロキサン、両末端シラノールポリジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、両末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキサン等の両末端シラノールシロキサンポリマー、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン等のエチレン性不飽和結合含有シラン化合物などを、無機錫系触媒である2−エチルヘキサン酸錫の存在下で、脱水縮合反応および脱アルコール反応させて合成される。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
これらシリコーンのサイズ排除クロマトグラフィーによって得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、10,000〜100,000であることが好ましく、20,000〜50,000であることが更に好ましい。(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン等の置換基としてエチレン性不飽和結合を分子内に有するシラン化合物の使用量は、原料シロキサンおよびシラン化合物総量の2〜30質量%とすることが好ましく、なかでも5〜18質量%とすることがより好ましい。
【0018】
本発明における光重合性モノマーとは、具体的にはエチレン性不飽和結合含有化合物を好適に挙げることができ、例えば、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、ヘキサンジオールジメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系化合物類、ビニルメチルエーテル等のビニルアルキルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のビニルエーテル系化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアニド系化合物類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のエチレン性不飽和結合含有芳香族化合物類、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類、マレイン酸ジアルキル等のマレイン酸ジエステル類、フマル酸ジアルキル等のフマル酸ジエステル類、イタコン酸ジメチル等のイタコン酸ジエステル類、N,N−ジメチルアクリルアミド等のジアルキルアクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン等の複素環ビニル化合物類などを例示することができる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0019】
本発明における光重合開始剤は、光(紫外線)照射によってエチレン性不飽和結合を含有する、光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン及び光重合性モノマーをラジカル重合させ得るものであり、光(紫外線)に露光するとラジカル重合を活性化する。具体的には例えば、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤やα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤があり、具体的には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASFジャパン株式会社製イルガキュア#184)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカル社製Irgacure819)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカル社製Darocur1173)、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン等が挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0020】
本発明の光硬化性塗料組成物において、光重合性硬質ポリウレタンと光重合性軟質ポリウレタンとの配合割合は、20〜60質量%:80〜40質量%であることが好ましく、30〜50質量%:70〜50質量%であることが更に好ましく、光重合性硬質ポリウレタンと光重合性軟質ポリウレタンとの合計量100質量部に対して、光重合性シリコーンの配合量は0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜5質量部の割合であることが更に好ましく、光重合性モノマーの配合量は20〜300質量部であることが好ましく、50〜150質量部の割合であることが更に好ましい。
光重合開始剤の配合量は、前記光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン及び光重合性モノマーの合計量100質量部に対して0.05〜20質量部の割合であることが好ましく、0.1〜1質量部の割合であることが更に好ましい。
【0021】
本発明の光硬化性塗料組成物には、通常の塗料組成物に配合される充填剤、顔料、可塑剤、酸化防止剤、増粘剤などの添加剤や溶剤を添加して使用することができる。
【0022】
本発明の硬化被膜の形成方法は、本発明の光硬化性塗料組成物を金属やプラスチックなどの基材上にハケやスプレーなどで塗布し、酸素濃度1000ppm以下、好ましくは700ppm以下、特に好ましくは500ppm以下の雰囲気下で、低圧或いは高圧の水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライド灯などの光源により好ましくは照射光量100〜5000mJ/cm、更に好ましくは200〜2000mJ/cmで光(紫外線)照射して被膜を硬化させる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明について配合例、実施例などにより更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより制限して解釈されるものではない。
配合例1
光重合性硬質ポリウレタン(硬質ウレタンアクリレート、日本合成化学株式会社製紫光UT−5391)17.4gと、光重合性軟質ポリウレタン(軟質ウレタンアクリレート、日本合成化学株式会社製紫光UV−7461TE)23.9gと、光重合性シリコーン(エボニックデグサジャパン株式会社製TegoRad2300)0.9gと、光重合性モノマー(ヘキサンジオールジアクリレート)45.6gと、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、BASFジャパン株式会社製イルガキュア#184)1.0gと、溶剤(メチルエチルケトン)11.2gを均一に混合して、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0024】
配合例2
配合例1において、光重合性シリコーン0.9gの代わりに光重合性でないシリコーン(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテル化合物、ビックケミージャパン株式会社製BYK333)0.9gを使用した以外は同様にして、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0025】
配合例3
配合例1において、光重合性硬質ポリウレタン17.4gと光重合性軟質ポリウレタン23.9gの代わりにペンタエリスリトールテトラアクリレート45.4gを使用し、光重合性モノマーを45.6gの代わりに45.4g使用し、光重合開始剤を1.0gの代わりに0.9g使用し、溶剤を11.2gの代わりに8.3g使用して、光硬化性塗料組成物を調製した。
【0026】
性能
<硬化被膜の形成>
配合例1〜3で調製した光硬化性塗料組成物をそれぞれ、10cm×20cm×100μmのポリエチレンテレフタレート製基材表面上に12μmの(乾燥)厚みとなるように塗布し、大気或いは酸素濃度500ppmの雰囲気下で、これに水銀ランプを用いて、コンベヤスピード10m/分で光(紫外線)照射(照射光量300mJ/cm)して本発明及び対比技術の硬化被膜を形成した(実施例1及び比較例1〜5)。
これらの基材上に形成した硬化被膜それぞれを用いて次の諸性能を試験した。
これらの結果をまとめて表1に示す。
[折り曲げ性]
屈曲試験(マンドレル試験)JIS K5600−5−1(φ10mm)により試験した。
硬化塗膜に割れなし:○、割れあり:×と評価した。
[耐擦り傷性]
ボンスター社製スチールウール#0000を備えた学振式磨耗試験機により、荷重200gで硬化被膜表面上を100往復させたときの擦り傷の付き具合いを目視により観察した。
擦り傷がない:○、擦り傷あり:×と評価した。
[耐油性インク汚染性]
ゼブラ株式会社製油性ペンで硬化被膜表面にマークした後、ティッシュペーパで拭く操作を30サイクル繰り返して、硬化被膜表面の痕を目視により観察した。
硬化被膜表面に痕残りあり:○、痕残りなし:×と評価した。
[耐水性インク汚染性]
パイロット株式会社製水性インキを硬化被膜上に滴下して24時間後に水洗いし、硬化被膜表面の変化を目視により観察した。
硬化被膜表面に著しい変色なし:○、変色あり:×と評価した。
[臭気]
紫外線照射直後に硬化被膜に鼻を近づけて臭気を嗅いだ。
臭気がほとんど感じられないか、臭気がわずかに感じられるが気にならない:○、臭気が明らかに認められる:×と評価した。
[耐候性]
サンシャインウエザーメーター 1000時間後の硬化被膜表面の変化を目視により観察した。
硬化被膜表面にクラックなし:○、クラックあり:×と評価した。
【0027】
【表1】

【0028】
表1より、配合例1の光硬化性塗料組成物を酸素濃度500ppmの雰囲気下で硬化させた被膜(実施例1)は、配合例1の光硬化性塗料組成物を大気雰囲気下で硬化させた被膜、配合例2、3の塗料組成物を大気雰囲気下或いは酸素濃度500ppmの雰囲気下で硬化させた被膜(比較例1〜5)に較べて、折り曲げ性、耐擦り傷性、耐油性インク汚染性、耐水性インク特性、臭気及び耐候性の全ての性能を満たし、優れていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合性硬質ポリウレタン、光重合性軟質ポリウレタン、光重合性シリコーン、光重合性モノマー及び光重合開始剤からなること、を特徴とする酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下での光硬化性塗料組成物。
【請求項2】
基材上に請求項1に記載の光硬化性塗料組成物を塗布し、次いで酸素濃度1000ppm以下の雰囲気下で光重合させること、を特徴とする硬化被膜の形成方法。


【公開番号】特開2012−57076(P2012−57076A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202767(P2010−202767)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000104135)カシュー株式会社 (4)
【Fターム(参考)】