説明

光硬化性樹脂組成物

【課題】耐熱性及び透明性に優れ、硬化時の黄変を抑えることのできる光硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】(1)一般式(I)等で表されるカチオン重合性有機物質100質量部と(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤0.001〜10質量部とを含有し、アクリレート化合物を含有しない光硬化性樹脂組成物及び該光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物及び該光硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することによって得られる硬化物に関する。該光硬化性樹脂組成物は、特に光学部材に有用である。
【背景技術】
【0002】
光硬化性樹脂組成物は、インキ、塗料、各種コーティング剤、接着剤、光学部材等の分野において用いられている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、エポキシ樹脂、光カチオン性重合開始剤及びアクリレート成分を必須とする光硬化型樹脂組成物が開示され、下記特許文献2には、特定の構造を有するエポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物が開示され、下記特許文献3には、カチオン重合性化合物を必須とする樹脂組成物と、カチオン重合開始剤と金属酸化物粒子とを含む硬化性樹脂組成物が開示されている。
しかし、これらの文献に記載されている光硬化性樹脂組成物は、何れも耐熱性や透明性が十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−73559号公報
【特許文献2】特開2000−7755号公報
【特許文献3】特開2009−132834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、耐熱性及び透明性に優れ、硬化時の黄変を抑えることのできる光硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(1)下記一般式(I)〜(IV)の何れかで表されるカチオン重合性有機物質100質量部と、(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤0.001〜10質量部とを含有し、アクリレート化合物を含まない光硬化性樹脂組成物を提供することで、上記目的を達成したものである。
【0007】
【化1】

(式中、Zは、単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は、メチル基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、R1〜R9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、p及びqは、それぞれ独立に、0〜5の数である。)
【0008】
【化2】

(式中、R10は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、m及びnは、それぞれ独立に0〜5の数である。)
【0009】
【化3】

(式中、R11は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R12〜R15は、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、R16〜R19は、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表し、xは、0〜4の数であり、yは、0〜4の数であり、x+yは、2〜4の数であり、s及びtは、それぞれ独立に0〜5の数である。)
【0010】
【化4】

【0011】
また、本発明は、上記光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、耐熱性及び透明性に優れ、硬化時の黄変を抑えることができるため、光学部材用途として特に有用なものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の光硬化性樹脂組成物及び該光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物について詳細に説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(1)カチオン重合性有機物質と、(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤とを含有し、アクリレート化合物を含有しないものである。
【0014】
本発明に使用する(1)カチオン重合性有機物質は、光照射により活性化した(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤により、高分子化又は架橋反応を起こす化合物であり、上記一般式(I)〜(IV)の何れかで表される化合物である。
【0015】
上記一般式(I)中、Zで表される炭素原子数1〜4のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、クロロエチレン、フルオロエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1−クロロプロピレン、2−フルオロプロピレン等が挙げられる。
【0016】
上記一般式(I)中のR1〜R9、上記一般式(II)中のR10、上記一般式(III)中のR11〜R19で表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
上記一般式(III)中のR12〜R15で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられる。
上記一般式(III)中のR12〜R15で表される炭素原子数6〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
上記一般式(III)中のR16〜R19で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0017】
上記一般式(I)〜(IV)の何れかで表される化合物の中でも、製造コスト及び耐熱性の点から、上記一般式(I)及び(II)で表わされる化合物が好ましく、上記一般式(I)で表わされる化合物がより好ましい。また、上記一般式(I)〜(IV)の何れかで表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】
次に、上記(1)カチオン重合性有機物質と共に用いられる(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤について説明する。
本発明に使用する(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤は、後述するような活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出することが可能な化合物である。好ましくは、活性エネルギー線の照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、又はその誘導体である。かかる化合物の代表的なものとしては、一般式[A]r+[B]r-(式中、Aは陽イオン種を表し、Bは陰イオン種を表し、rは価数を表す。)で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
【0019】
ここで陽イオン[A]r+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、一般式[(R7aQ]r+で表すことができる。
【0020】
上記式中、R7は炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでいてもよい有機基である。aは1〜5の整数である。a個のR7は、それぞれ独立に、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機基であることが好ましい。QはS、N、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、F及びN=Nからなる群から選ばれる原子又は原子団である。また、陽イオン[A]r+中のQの原子価をqとしたとき、r=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
【0021】
また、陰イオン[B]r-は、ハロゲン化物錯体であることが好ましく、その構造は、例えば、一般式[LXbr-で表すことができる。
【0022】
上記式中、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属又は半金属(Metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn又はCoで表わされる。Xはハロゲン原子である。bは3〜7の整数である。また、陰イオン[B]r-中のLの原子価をpとしたとき、r=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
【0023】
上記一般式[LXbr-で表わされる陰イオンの具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート(BF4-、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6-、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6-、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6-、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6-等を挙げることができる。
【0024】
また、陰イオン[B]r-は、一般式[LXb-1(OH)]r-で表される構造のものも好ましく用いることができる。該式中、L、X及びbは、上記一般式[LXbr-と同様である。また、その他用いることのできる陰イオン[B]r-としては、過塩素酸イオン(ClO4-、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3-、フルオロスルホン酸イオン(FSO3-、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルフォネート、ノナフロロブタンスルフォネート、ヘキサデカフロロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
【0025】
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、下記の(イ)〜(ハ)の芳香族オニウム塩を使用することが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
(イ)フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩
【0027】
(ロ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペン タフルオロフェニル)ボレート等のジアリールヨードニウム塩
【0028】
(ハ)トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4'−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4'−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4,4'−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4'−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4−[4'−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−[4'−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩及びジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートと4,4'−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェートの混合物等のトリアリールスルホニウム塩
【0029】
また、その他好ましいものとしては、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体とトリフェニルシラノール等のシラノール類との混合物等も挙げることができる。
【0030】
これらの中でも、実用面と光感度の観点から、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、鉄−アレーン錯体を用いることが好ましい。
【0031】
本発明の光硬化性樹脂組成物において、上記(1)カチオン重合性有機物質に対する(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の使用量は、(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対して、(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤0.001〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の使用量が0.001未満であると、硬化が不十分となりやすく、10質量部を超えると、硬化物の屈折率や強度等の諸物性に悪影響を与える場合がある。
【0032】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上述した(1)カチオン重合性有機物質及び(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有すると共に、アクリレート化合物を含有しないことを特徴とする。アクリレート化合物を含有すると、ハンダリフロー工程等の高温処理を行った場合、耐熱性が低く着色してしまうという問題が生じる。
【0033】
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いないアクリレート化合物としては、特に制限されず、一般にアクリレート化合物と呼ばれる化合物及びその誘導体が挙げられる。また「アクリレート化合物を含有しない」は、全くアクリレート化合物を含有しない場合だけでなく、本発明の光硬化性樹脂組成物中、5質量%未満含有する場合も含む。
【0034】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、(3)芳香環を含まないエポキシ樹脂を用いることができる。該芳香環を含まないエポキシ樹脂としては、脂環族エポキシ樹脂又は脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
【0035】
上記脂環族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0036】
上記脂環族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としてはUVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリード401、エポリード403、ETHB、エポリードHD300(以上、ダイセル化学工業社製)、KRM−2110、KRM−2199(以上、ADEKA社製)等を挙げることができる。
【0037】
また、上記脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。更に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0038】
上記脂肪族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としては、エピコート872(jER社製)、エポライトEHDG−L、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、エポライト3002、エポライトFR−1500(以上、共栄社化学社製)、デナコールEX−111、デナコールEX−121、デナコール−171、デナコールEX−192、デナコールEX−211、デナコールEX−221、デナコールEX−321、デナコールEX−313、デナコール−314、デナコールEX−411、デナコールEX−421 (ナガセケムテックス社製)、EPPN−501H(日本化薬社製)、EHPE−3150(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
【0039】
上記(3)芳香環を含まないエポキシ樹脂としては、吸水性及び耐熱性の点から、脂環族エポキシ樹脂が好ましく、中でも、シクロヘキセンオキサイド含有エポキシ樹脂がより好ましい。
【0040】
上記(1)カチオン重合性有機物質に対する(3)芳香環を含まないエポキシ樹脂の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対して、好ましくは(3)芳香環を含まないエポキシ樹脂0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部とすることができる。40質量部を超えると、硬化物の屈折率や強度等の諸物性に悪影響を与える場合がある。
【0041】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて(4)酸化防止剤を用いることができる。該酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、ビタミンE、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−ブチルフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メチル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、カテコール、tert−ブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)]メタン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスホネート、3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a"−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスホネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス〔(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,6−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ピクリン酸等のフェノール系化合物等のフェノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、 トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルインデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデンシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(インデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジブチルハイドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、トリス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕エチル〕アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリートールジホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト、ビス〔2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル〕エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)〔1,1−ビスフェニル〕−4,4'−ジイルビスホスホナイト、6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ〔d、f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェフィン等のリン系酸化防止剤;ジラウリル−3,3'−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3'−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリエル−3,3'−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリト−ルテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステル、ステアリルチオプロピオンアミド、ジオクタデシルジスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1'−チオビス(2−ナフトール)等のイオウ系酸化防止剤;N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル
−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン等のヒンダードアミン系酸化防止剤;β−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ノフトキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン等のキノン系化合物;4,4'−ジオクチルジフェニルアミン等のアルキル化されたジフェニルアミン、アルキル化されたN,N'−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等の芳香族アミン系の酸化防止剤;クエン酸、ラクトン系化合物、ビタミンE系化合物等が挙げられ、これらの中でも、着色性の点から、フェノール系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤がより好ましい。
【0042】
上記ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、上記フェノール系酸化防止剤として例示した化合物の中では、n−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−ブチルフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メチル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)]メタン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスホネート、3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a"−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスホネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられ、これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、及びステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
【0043】
本発明の光硬化性樹脂組成物において、上記(1)カチオン重合性有機物質に対する(4)酸化防止剤の使用量は、(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対して、好ましくは(4)酸化防止剤0〜15質量部、より好ましくは0〜10質量部の範囲である。(4)酸化防止剤の使用量が15質量部を超えると、それ以上効果が見られないので好ましくない。
【0044】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、耐熱性の低下を抑えつつ透明性を高めるために、(5)アルコール化合物を加えてもよい。該アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、tert−ペンタノール、n−ヘキサノール、tert−ヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプタノール、tert−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、tert−オクタノール、n−ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、n−デカノール、イソデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の1価アルコール並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピロ骨格含有アルコール、トリシクロデカンジメチロール及びペンタシクロペンタデカンジメチロール等の脂環式アルコール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物、ソルバイド、メチルジエタノールアミン等の2価アルコール並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物;グリセリン、ポリグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、ペンタメチルグリセリン(2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール)、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ポリカプロラクトントリオール等の3価アルコール並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の多価アルコール、並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物;3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール等の水酸基を有するオキセタン化合物;トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等が挙げられ、これらの中でも、耐熱性が高くて分解しにくく、且つ沸点が高くて揮発しにくい化合物が好ましく、得られる硬化物の黄変を防止する効果が高いため、2価アルコール又は3価アルコール等のポリオール又は水酸基を有するオキセタン化合物がより好ましく、3価アルコールが更に好ましい。
【0045】
本発明の光硬化性樹脂組成物において、上記(1)カチオン重合性有機物質に対する(5)アルコール化合物の使用量は、(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対して、好ましくは(5)アルコール化合物0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部の範囲である。(5)アルコール化合物の使用量が40質量部を超えると、それ以上効果が見られないので好ましくない。
【0046】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて(6)熱重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤とは、加熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する化合物であり、スルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩等の塩;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;前記ポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類又はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ樹脂とを常法によって反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;前記ポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等のカルボン酸類とを常法によって反応させることによって製造されるアミド化変性物;前記ポリアミン類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類及びフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン等の核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有するフェノール類とを常法によって反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物;多価カルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸類等)の酸無水物;ジシアンジアミド、イミダゾール類、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミド等を挙げることができる。これら中でも、反応性の点から、スルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩等の塩;多価カルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸類等)の酸無水物;ジシアンジアミド等が好ましく、スルホニウム塩がより好ましい。
【0047】
上記(6)熱重合開始剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、アデカオプトン CP77、アデカオプトンCP66(ADEKA社製)、CI−2639、CI−2624(日本曹達社製)、サンエイド SI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイド SI−100L(三新化学工業社製)等が挙げられる。
【0048】
本発明の光硬化性樹脂組成物において、上記(6)熱重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、通常、光硬化性樹脂組成物中の固形物の全量100質量部に対して、0.001〜10質量部の範囲であり、上記(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対しては、好ましくは(6)熱重合開始剤0.001〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。0.001質量部未満であると、効果が不十分となりやすく、10質量部を超えると、硬化物の屈折率や強度等の諸物性に悪影響を与える場合がある。
また(6)熱重合開始剤を用いる場合には、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させる際に130〜180℃で20分〜1時間加熱するのが好ましい。
【0049】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、通常、必要に応じて上記(1)〜(6)の各成分及び後述する樹脂添加物を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールを加えることができる。この場合の溶媒の使用量は、上記(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対して、好ましくは
10〜100質量部、より好ましくは25〜70質量部である。
【0050】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、上記(1)〜(6)の各成分及び上記溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(1)成分以外のモノマー、上記(2)成分以外のエネルギー線感受性重合開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料等の着色剤、光増感剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、レべリング剤、難燃剤、可塑剤、安定剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、静電防止剤、流動調整剤、カップリング剤、接着促進剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。これらの樹脂添加物の総量は、上記(1)カチオン重合性有機物質100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下とする。
【0051】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ガラス、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
【0052】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射して硬化することにより、本発明の硬化物とすることができる。
【0053】
上記活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等を挙げることができ、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンレーザ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
【0054】
本発明の硬化物は、587.6nm(d線)における膜屈折率が1.55以上であるのが、レンズにおいて高屈折率層を与えるので好ましい。該高屈折層は、接着剤やガラス等を介して積層することもできる。
【0055】
以上説明した本発明の光硬化性樹脂組成物及びその硬化物の具体的な用途としては、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、塗料、コーティング剤、ライニング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、又はこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、光学的造形用注型剤等を挙げることができ、例えばコーティング剤として適用できる基材としては金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等を挙げることができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
以下、本発明の光硬化性樹脂組成物及び該光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物に関し、実施例、評価例及び比較例により具体的に説明する。なお、実施例及び比較例では部は質量部を意味する。
【0058】
[実施例1〜11及び比較例1〜6]
下記の[表1]及び[表2]に示す配合で樹脂を十分に混合して、各実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物を得た。離型処理を施したガラス基板に0.5〜1.0mm厚の樹脂スペーサー(間隙部材)を設けた後に、このスペーサーを介して離型処理を施したガラス基板を重ね、得られた光硬化性樹脂組成物を注入した。ガラス基板の両面に、高圧水銀灯を用いて2000mJ/cm2ずつ計4000mJ/cm2のエネルギー量で紫外光を照射することにより、上記光硬化性樹脂組成物を光硬化させた。これを、更にオーブン中150℃で1時間加熱し、ポストキュアを行った。冷却後に、オーブン中からガラス基板を取り出し、該ガラス基板から樹脂硬化膜を剥離した。
【0059】
(1)カチオン重合性有機物質としては下記の化合物(1)−1〜(1)−4を用いた。
化合物(1)−1:アデカレジンEP−4100E(ADEKA社製エポキシ樹脂)[上記式(I)においてZ=2,2−イソブチリデン、R2〜R9=水素原子、p=q=0である化合物]
化合物(1)−2:オグソールPG−100(大阪ガスケミカル社製エポキシ樹脂) [上記式(II)においてm=n=0である化合物]
化合物(1)−3:下記式(1)で表される化合物 [上記式(III)においてR12〜R14=水素原子、R15=フェニル基、s=t=x=0、y=2である化合物]
化合物(1)−4:デナコールEX−142(ナガセケムテックス社製エポキシ樹脂)[上記式(IV)で表される化合物]
【0060】
【化5】

【0061】
(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤としては下記の化合物(2)−1〜(2)−4を用いた。
化合物(2)−1:下記式(2)で表される化合物
化合物(2)−2:下記式(3)で表される化合物
化合物(2)−3:下記式(4)で表される化合物
化合物(2)−4:下記式(5)で表される化合物
【0062】
【化6】

【0063】
【化7】

【0064】
【化8】

【0065】
【化9】

【0066】
(3)芳香環を含まないエポキシ樹脂としては、下記の化合物(3)−1及び(3)−2を用いた。
化合物(3)−1:セロキサイド2021P(ダイセル化学社製脂環式エポキシ樹脂)
化合物(3)−2:2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン
【0067】
(4)酸化防止剤としては下記の化合物(4)−1〜(4)−3を用いた。
化合物(4)−1:アデカスタブAO−50(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
化合物(4)−2:アデカスタブAO−60(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
化合物(4)−3:アデカスタブAO−40(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
【0068】
(5)アルコール化合物としては下記の化合物(5)−1及び(5)−2を用いた。
化合物(5)−1:プラクセル303(ダイセル化学社製ポリカプロラクトントリオール)
化合物(5)−2:3−エチル−3−オキセタンメタノール
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
[評価例1〜11、比較評価例1〜6]
上記実施例1〜11及び比較例1〜6で得られた樹脂硬化膜について、下記評価(Tg、膜透過率、屈折率及び色変化)を行った。結果を上記[表1]及び[表2]に示す。
【0072】
(Tg)
セイコーインスツル社製EXSTAR DMS6100を用い、引っ張りモード(10Hz)、20℃〜300℃の条件で測定を行った。尚、樹脂硬化膜は、0.5×5.0×30mmの大きさのものを用いた。
(膜透過率)
日立分光光度計U−3010を用い、バックグラウンドとリファレンスはAirで測定を行った。尚、樹脂硬化膜は1.0×50×50mmの大きさのものを用いた。
(屈折率)
アタゴ社製デジタルアッベ屈折計DR−A1を用い、25℃におけるD線の屈折率の測定を行った。尚、樹脂硬化膜は1.0×50×50mmの大きさのものを用いた。
(色変化)
日本電色社製分光色差計SE6000を用い、25℃におけるYI(イエローインデックス)を測定し、下記<評価基準>により色変化を評価した。
<評価基準>
◎:YI≧92
○:92<YI≦90.5
△:90.5<YI≦89
×:YI<89
【0073】
[表1]及び[表2]より、本発明の光硬化性樹脂組成物は、透明性が高く、硬化時の黄変を抑えることができることが明らかである。また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、耐熱性が高く、はんだリフロー炉等の実装工程において最大300℃のリフロー温度で数秒熱にさらしても着色せず寸法安定性を有することが期待される。更に、本発明の光硬化性樹脂組成物は、屈折率が1.55以上であり、高屈折率材料に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)下記一般式(I)〜(IV)の何れかで表されるカチオン重合性有機物質100質量部と、(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤0.001〜10質量部とを含有し、アクリレート化合物を含有しない光硬化性樹脂組成物。
【化1】

(式中、Zは、単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は、メチル基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、R1〜R9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、p及びqは、それぞれ独立に、0〜5の数である。)
【化2】

(式中、R10は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、m及びnは、それぞれ独立に、0〜5の数である。)
【化3】

(式中、R11は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R12〜R15は、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基を表し、R16〜R19は、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表し、xは0〜4の数であり、yは0〜4の数であり、x+yは、2〜4の数であり、s及びtは、それぞれ独立に、0〜5の数である。)
【化4】

【請求項2】
さらに(3)芳香環を含まないエポキシ樹脂を含有する請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
さらに(4)酸化防止剤を含有する請求項1又は2記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに(5)アルコール化合物を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
上記(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤が、[A]r+[B]r-(式中、Aは陽イオン種を表し、Bは陰イオン種を表し、rは価数を表す。)で表される陽イオンと陰イオンの塩である請求項1〜4の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
上記(4)酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤である請求項1〜5の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
上記(5)アルコール化合物がポリオール又は水酸基を有するオキセタン化合物である請求項1〜6の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
【請求項9】
587.6nm(d線)における膜屈折率が1.55以上である請求項8記載の硬化物。

【公開番号】特開2012−1689(P2012−1689A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140583(P2010−140583)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】