説明

光硬化性重合体組成物およびそれを用いた表示素子

【課題】高感度で、塗布均一性、現像性、耐熱性、保存安定性等重合体組成物に対して一般的に求められている特性を満足し、かつ、プロキシミティー露光においてマスクサイズと同じ大きさのパターンを形成できる、高精細液晶ディスプレイや携帯電話用ディスプレイのスペーサー用として最適な光硬化性重合体組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ可溶性重合体(A)と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、下記式(1)で表される化合物、または該式(1)で表される化合物の1つ以上を合計量で20質量%以上含有する混合物である光重合開始剤(C)とを含んでなる光硬化性重合体組成物、この組成物を用いて製造された透明膜、スペーサーおよび表示素子を提供する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示素子やEL表示素子などの薄型の表示素子(フラットパネルディスプレイ:FPD)を製造するための光硬化性重合体組成物、該組成物から製造した透明膜またはスペーサー、および該透明膜または該スペーサーを含む表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
パターン化された透明膜は、スペーサー、絶縁膜、保護膜など液晶表示素子の多くの部分で使用されており、これまでに多くの光硬化性重合体組成物がこの用途に提案されてきた。(例えば、特許文献1を参照。)また、光硬化性重合体組成物に使用される光重合開始剤も提案されている。(例えば、特許文献2〜4を参照。)特に近年では、高精細液晶ディスプレイや携帯電話用ディスプレイの需要が高まっていることにより、スペーサーの用途において直径10μm以下の小さなパターンが求められるようになっている。液晶ディスプレイの生産ラインで一般的に使用されるプロキシミティー露光機は、光の平行度が悪いためマスクサイズよりもパターンサイズの方が大きくなってしまうという欠点があり、このため小さなパターンを形成することが難しかった。また、高感度の光硬化性重合体組成物ではこの傾向がよりいっそう顕著であり、高感度と小さなパターンを両立させることは非常に難しい問題であった。
【特許文献1】特開2004−287232号公報
【特許文献2】WO2003−040076号パンフレット
【特許文献3】WO2004−009651号パンフレット
【特許文献4】WO2004−092287号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、高感度で、塗布均一性、現像性、耐熱性、保存安定性等重合体組成物に対して一般的に求められている特性を満足し、かつ、プロキシミティー露光においてマスクサイズが10μm以下であってもマスクとほぼ同じ大きさのパターンを形成できる、高精細液晶ディスプレイや携帯電話用ディスプレイのスペーサー用として最適な光硬化性重合体組成物を提供することである。また、本発明の目的は、該透明膜または該スペーサーを含む表示素子を提供することである。本明細書中、アクリル酸とメタクリル酸の両者を示すために「(メタ)アクリル酸」のように表記することがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、アルカリ可溶性重合体(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、および通常は溶媒(D)を含有する光硬化性重合体組成物において、プロキシミティー露光においてマスクサイズが10μm以下であってもマスクとほぼ同じ大きさのパターンを形成できるための添加剤や成分について鋭意検討した。その結果、驚くことに、新たな添加剤の選択よりも光重合開始剤(C)の選択が効果があることを見出し本発明を完成した。
なお、アルカリ可溶性重合体は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gに対し、25℃において0.2g以上溶解する重合体である。重合性二重結合は、重合体の形成に関与できる二重結合を意味する。
【0005】
すなわち、本発明は、アルカリ可溶性重合体(A)と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、下記式(1)

【化1】

(上式中、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキルであり、X1は、単結合、−CH2−、−O−、−SO2−、−CO−、または−COO−である。)
で表される化合物、または該式(1)で表される化合物の1つ以上を合計量で20質量%以上含有する混合物である光重合開始剤(C)とを含んでなる光硬化性重合体組成物を提供する。
アルカリ可溶性重合体(A)の好ましい例としては、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー2〜50質量%と、その他のラジカル重合性モノマー50〜98質量%とを重合させて得られた共重合体が挙げられる。また、アルカリ可溶性重合体(A)の好ましい例としては、側鎖にラジカル重合性二重結合を有する共重合体が挙げられる。アルカリ可溶性重合体(A)として、好ましくは、20〜400mgKOH/gの酸価を有する重合体が挙げられ、また、重量平均分子量1,000〜100,000を有する重合体が挙げられる。
重合性二重結合を有する化合物(B)の好ましい例としては、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを有する化合物が挙げられる。
また、本発明は、この光硬化性重合体組成物を用いて製造された透明膜、この透明膜を含む表示素子、この光硬化性重合体組成物を用いて製造されたスペーサー、およびこのスペーサーを含む表示素子を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の光硬化性重合体組成物は、高感度で、塗布均一性、現像性、耐熱性、保存安定性等重合体組成物に対して一般的に求められている特性を満足し、かつ、プロキシミティー露光においてマスクサイズとほぼ同じ大きさのパターンを形成できる。したがって、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用光硬化性重合体組成物として好適である。特に、高精細液晶ディスプレイや携帯電話用ディスプレイのスペーサー用として最適な光硬化性重合体組成物である。該スペーサーを用いることにより、光抜け等の欠陥が少なくなり、高精細な液晶ディスプレイを歩留まりよく製造することができる。また、本発明の組成物は、プロキシミティー露光での解像度が高く、幅10μm以下の細かいラインパターンを形成するのに適しているため、EL表示素子の画素を仕切るバンク材として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の好ましい第1の態様は、アルカリ可溶性重合体(A)と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、光重合開始剤(C)を含有する光硬化性重合体組成物である。光重合開始剤(C)は、式(1)で表される化合物の少なくとも1つ、またはこの化合物を20質量%以上含有する光重合開始剤の混合物である光硬化性重合体組成物である。
【0008】
アルカリ可溶性重合体(A)は、好ましくは、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー2〜50質量%と、その他のラジカル重合性モノマー50〜98質量%とを重合させて得られた共重合体である。
アルカリ可溶性重合体(A)の生成において、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーがモノマー混合物中2〜50質量%の範囲であると、本発明の光硬化性重合体組成物のアルカリ水溶液での現像性が良好である。該モノマーの範囲が6〜25質量%であると、パターンサイズがマスクサイズに近くなるため好ましく、7〜15質量%であると高感度であるためより好ましい。
カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーの具体例は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル] 、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]等である。中でも、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)が好ましく、特に(メタ)アクリル酸であるとパターンサイズがマスクサイズに近くなり、透明性が高く、現像残渣が少なく、保存安定性に優れた光硬化性重合体組成物が得られるので一層好ましい。カルボキシを有するラジカル重合性モノマーは、単独でも、または2つ以上を混合しても使用することができる。
【0009】
アルカリ可溶性重合体(A)は、好ましくは、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー2〜50質量%と、オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマー5〜90質量%と、その他のラジカル重合性モノマー5〜93質量%とを重合させて得られた共重合体である。
アルカリ可溶性重合体(A)の生成において、オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーがモノマー混合物中5〜90質量%の範囲であると、本発明の光硬化性重合体組成物を使用して形成された塗膜の耐熱性、耐薬品性が高い。
【0010】
オキセタンを有するラジカル重合性モノマーとしては、好ましくは、下記式(3)または下記式(4)で表されるラジカル重合性モノマーが挙げられる。
【化2】

(上式中、R30とR40は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、R31〜R35およびR41〜R45は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニルまたは炭素数2〜5のアルキニルであり、qとrは1〜5の整数である。)
【0011】
オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシランシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンなどがある。特に3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキタセン、グリシジルメタクリレートが透明性、現像性が良好であるために好ましい。
【0012】
アルカリ可溶性重合体(A)は、好ましくは、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー2〜50質量%と、オキシランまたはオキセタンを有するラジカル重合性モノマー5〜97質量%と、下記一般式(2)で表されるラジカル重合性モノマー1〜50質量%と、その他のラジカル重合性モノマー0〜92質量%とを重合させて得られた共重合体である請求項1に記載の光硬化性重合体組成物である。
【化3】

(上式中、R21は水素またはメチルであり、R22は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、pは1〜5の整数である。)
【0013】
アルカリ可溶性重合体(A)の生成において、式(2)で表されるラジカル重合性モノマーとしては、日本化薬社製KAYARAD(商標)TC110Sが好ましい。TC110Sは、式(2)においてR21が水素であり、R22が水素であり、pが約1の化合物である。該モノマーがモノマー混合物中1〜50質量%の範囲であると、本発明の光硬化性重合体組成物を塗布、露光、現像したときに、パターンサイズがマスクサイズに近くなり、かつ、低露光量で所望のパターンを得ることができる。すなはち、該モノマーを使用することで、高解像度と高感度が両立できる。該モノマーを使用するとポリマーの酸価が低くても現像性が良好である。ポリマーの酸価を低くすることで、アルカリ現像液への耐性が増し、現像後の残膜率が高くなる、つまり高感度になるものと思われる。現像時間と密着性のバランスを考慮すると、式(2)で表されるラジカル重合性モノマーは、モノマー混合物中に5〜30質量%が好ましく、8〜20質量%であるとより好ましい。
【0014】
カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー、式(2)で表されるラジカル重合性モノマー、オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーと共重合可能な他の重合性モノマーの具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルメチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、N−アクリロイルモルホリン、インデン、等である。
中でもスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、およびポリスチレンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1つを共重合したアルカリ可溶性重合体(A)を用いると、パターンサイズがマスクサイズに近くなり、透明性が高く、保存安定性に優れた光硬化性重合体組成物が得られるので好ましい。
特にこれら他のモノマーは、重合体組成物に要求される特性や、その組成物を反応させた生成物である重合体に要求される特性に応じて、モノマー混合物中の割合が10〜90質量%であることが好ましい。
【0015】
アルカリ可溶性重合体(A)として、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーとその他のラジカル重合性モノマーとを重合させて得られた共重合体を用いるとき、その他のモノマーの1つとして、オキシランまたはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーを選択した場合、オキシランまたはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーがモノマー混合物中5〜70質量%の範囲であると、本発明の光硬化性重合体組成物から得られた塗膜の耐薬品性、耐熱性が高い。該モノマーの範囲が10〜60質量%であると耐薬品性、耐熱性が高く、現像時間も適正である。さらに該モノマーの範囲が15〜50質量%であると耐薬品性、耐熱性が高く、現像時間も適正で得られるパターンの大きさがマスクサイズに近くなるためより好ましい。
【0016】
アルカリ可溶性重合体(A)は、好ましくは、側鎖にラジカル重合性二重結合を有する共重合体である。側鎖にラジカル重合性二重結合を有する共重合体は、耐薬品性が高くなる点において好ましいからである。具体例としては、スチレン/無水マレイン酸共重合体の酸無水物に2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を有するラジカル重合性化合物を反応させたもの、カルボキシルを有する共重合体(例えばベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体など)にグリシジルメタクリレート等のオキシランを有するラジカル重合性化合物を反応させたもの、ヒドロキシを有する共重合体(例えばベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体など)に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネートを有するラジカル重合性化合物を反応させたもの等がある。
【0017】
アルカリ可溶性重合体(A)の合成方法は、特に制限されないが、溶媒を用いた溶液中でのラジカル重合が好ましい。重合温度は使用する重合開始剤からラジカルが十分発生する温度であれば特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。重合時間も特に限定されないが、通常3〜24時間の範囲である。
【0018】
上記の重合反応に使用する溶媒は、式(1)で表される重合性モノマー、カルボキシを有するラジカル重合性モノマー、その他の重合性モノマー、および生成するアルカリ可溶性重合体(A)を溶解する溶媒が好ましい。その具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、水等であり、これらの混合物であってもよい。
【0019】
アルカリ可溶性重合体(A)を合成する際に用いる重合開始剤は、熱によりラジカルを発生する化合物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤を使用することができる。分子量を調節するために、チオグリコール酸等の連鎖移動剤を適量添加してもよい。
【0020】
アルカリ可溶性重合体(A)の酸価は、20〜400mgKOH/gが好ましい。この範囲の酸価であると、未露光部分がアルカリ現像液で溶解されるまでの現像時間が適正となる。さらに、アルカリ可溶性重合体(A)の酸価が25〜200mgKOH/gであると、現像時間が適正であり、現像時の膜荒れが少なく、一層好ましい。特に、酸価が30〜150mgKOH/gであるとなお一層好ましい。なお、酸価は、JIS K0070に基づき測定できる。
【0021】
アルカリ可溶性重合体(A)は、ポリエチレンオキシドを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が2,000〜100,000の範囲であると、未露光部分がアルカリ現像液で溶解されるまでの現像時間が適正であり、現像時に膜の表面が荒れないので好ましい。さらに、重量平均分子量が3,000〜50,000の範囲であると、未露光部分がアルカリ現像液で溶解されるまでの現像時間が適正であり、現像時に膜の表面が荒れず、現像残渣も無いので、一層好ましい。特に、重量平均分子量が4,000〜20,000の範囲であるとより一層好ましい。
【0022】
重合性二重結合を有する化合物(B)としては、好ましくは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを有する化合物である。また、重合性二重結合を有する化合物(B)は、好ましくは、アクリロイルを2〜20個有する化合物、またはアクリロイルを2〜20個有する化合物を20質量%以上含有する混合物である。
本発明で用いる重合性二重結合を有する化合物(B)の具体例は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]スルホン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)テトラブロモフェニル]プロパン、トリグルセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、(メタ)アクリル化イソシアヌレート等である。
これらの重合性二重結合を有する化合物は、単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用してもよい。
【0023】
本発明で用いる重合性二重結合を有する化合物(B)の具体例の中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、またはこれらの混合物は硬化速度を早くする効果があり好ましい。
【0024】
重合性二重結合を有する化合物(B)は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、20〜200質量部混合するのが好ましい。
【0025】
重合性二重結合を有する化合物(B)は、現像時の接着性にも大きく影響する。重合性二重結合を3個以上有する化合物を、重合性二重結合を有する化合物(B)中に20質量%以上含有するように調製すると、現像時の接着性が向上するので好ましい。
【0026】
重合性二重結合を有する化合物(B)はパターンサイズにも大きく影響する。重合性二重結合を有する化合物(B)として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、およびジトリメチロールプロパンテトラアクリレートからなる群から選ばれる化合物、または該群から選ばれる化合物1つ以上を20質量%以上含有する混合物を調製すると、パターンサイズがマスクサイズに近くなるので、より一層好ましい。
【0027】
光重合開始剤(C)として用いられる式(1)の化合物としては、式中、R11、R12、R13およびR14が、それぞれ独立にメチルまたはエチルであり、Xが単結合、−CH2−、または−O−であるものが好ましい。特に、R11、R12、R13およびR14がすべてメチルであり、X1が−CH2−である2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが好ましい。本化合物は、チバスペシャリティーケミカルズ社製IRGACURE(商標)127として市販されている。
【0028】
光重合開始剤(C)は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し2〜50質量部混合するのが好ましい。
式(1)の化合物が、光重合開始剤(C)の20質量%以上であると、パターンサイズがマスクサイズに近くなり好ましい。さらに、50質量%以上であるとより好ましい。
【0029】
式(1)の化合物と混合して用いられる光重合開始剤の具体例は、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4′−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4′−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4′−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3′,4′−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2′,4′−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2′−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4′−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2′−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4′−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等である。これらの化合物は単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用することも有効である。
【0030】
光重合開始剤(C)が、式(1)の化合物と、他の光重合開始剤との混合物である場合、他の光重合開始剤が、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、下記式(5)の化合物、下記式(6)の化合物から選ばれる化合物であると、高感度とパターンサイズがマスクサイズに近くなることを両立できるため、好ましい。
【化4】

(上式中、R51、R52、R53およびR54は、独立して炭素数1〜13のアルキルを表し、X2とX3は、独立して−O−、−O−O−、または−NH−を表し、R61、R62およびR63は、それぞれ独立して水素または炭素数1〜5のアルキルを表し、R64は、炭素数1〜15のアルキルを表す。)
【0031】
特に、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]から選ばれる化合物であるとより好ましい。他の光重合開始剤は、2つ以上を混合して用いてもよい。
【0032】
上記光重合開始剤(C)は、さらに好ましくは、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンを2〜80質量%含有する混合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1を2〜78質量%含有する混合物、上記式(5)で表される化合物を2〜76質量%含有する混合物、上記式(6)で表される化合物2〜74質量%を含有する混合物、または3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンからなる群から選ばれる1つ以上を2〜80質量%含有する混合物である。
【0033】
本発明の光硬化性重合体組成物には、耐熱性、耐薬品性を向上させるために、オキシランおよび/またはオキセタンを有するアルカリ不溶性重合体(E)を、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し5〜50質量部添加してもよい。
なお、アルカリ不溶性重合体は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gに対し、25℃において0.2g未満溶解する重合体または全く溶解しない重合体である。
オキシランおよび/またはオキセタン含有アルカリ不溶性重合体の具体例は、グリシジルメタクリレートのホモポリマーや、グリシジルメタクリレートと他のラジカル重合可能な単官能モノマーとの共重合体、グリシジルメタクリレート/3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキタセン/2−ヒドロキシエチルメタクリレートの3元共重合体が、耐熱性、耐薬品性が高く、現像性が良好で好ましい。
オキシランおよび/またはオキセタン含有アルカリ不溶性重合体のGPC分析(ポリエチレンオキシド標準)で求めた重量平均分子量は、2,000〜70,000の範囲であると耐熱性、耐薬品性が高く、好ましい。さらに、重量平均分子量が3,000〜30,000の範囲であると、耐熱性、耐薬品性が高く、現像時間が適正であり、一層好ましい。
【0034】
本発明で用いる溶媒(D)は、沸点が100℃〜200℃である化合物の少なくとも1つ、またはこの化合物を20質量%以上含有する混合溶媒であることが好ましい。沸点が100℃〜200℃である化合物の具体例は、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド等である。また、これらの溶媒、あるいは混合溶媒に、少量の水を混合することも分子量を調節する方法として有効である。
【0035】
本発明で用いる溶媒(D)の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、および乳酸エチルから選ばれる少なくとも1つを用いると、塗布均一性が高くなるのでより好ましい。特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、および乳酸エチルから選ばれる少なくとも1つを用いると、塗布均一性が高く、人体への安全性が高くなるため、より一層好ましい。
【0036】
本発明の光硬化性重合体組成物には、解像度、塗布均一性、現像性、接着性を向上させるために、各種の添加剤をアルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し0.01〜10質量部添加することができる。
添加剤の例としては、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系もしくはウレタン系の高分子分散剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系もしくはフッ素系の界面活性剤、シリコン樹脂等の塗布性向上剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、オキシラン化合物、メラミン化合物もしくはビスアジド化合物等の熱架橋剤、有機カルボン酸等のアルカリ溶解性促進剤等である。
【0037】
添加剤の具体例は、EFKA−745、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(商標、以上、森下産業社製)、ソルスパーズ(商標)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、24000、24000GR、26000、28000、32000(以上、ゼネカ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(以上いずれも商標、サンノプコ社製)、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(以上いずれも商標、共栄社油脂化学工業社製)、ディスパーベイク(Disperbyk)161、162、163、164、166、170、180、181、182(以上いずれも商標、ビックケミー社製)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ビックケミー社製BYK300、同BYK310、同BYK320、同BYK330、同BYK346、共栄社化学社製ポリフローNo.45、同ポリフローKL−245等であり、これらから選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0038】
添加剤の具体例の中でも、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩のなかから選ばれる少なくとも1種が、塗布均一性が高くなるので好ましい。
【0039】
本発明の光硬化性重合体組成物には、無水トリメリト酸、無水フタル酸、1,3,4−シクロヘキサントリカルボン酸−3,4−無水物、等の多価カルボン酸を添加してもよい。多価カルボン酸のカルボキシルは、加熱によりオキシランやオキセタンと反応して、耐熱性、耐薬品性を向上させる。特に無水トリメリト酸、1,3,4−シクロヘキサントリカルボン酸−3,4−無水物が好ましい。
【0040】
本発明の光硬化性重合体組成物は、温度−5℃〜25℃の範囲で遮光して保存すると、組成物の経時安定性が良好である。保存温度が0℃〜10℃であれば、経時安定性が一層良好である。
【0041】
本発明の光硬化性重合体組成物を露光後に現像する場合の現像液は、アルカリ水溶液が好ましい。アルカリの具体例は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等であり、これらの水溶液が好適に用いられる。
【0042】
現像液には、現像残渣の低減やパターン形状の適性化を目的として、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系から選択して使用することができる。特にノニオン系のポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加すると、パターン形状が良好になるので好ましい。
【0043】
現像方法は、特に限定されない。ディップ現像、パドル現像、シャワー現像のいずれも用いることができる。
【0044】
本発明の好ましい第2の態様は、本発明の光重合性重合体組成物を用いて製造した透明膜である。
本発明の透明膜は、パターニングの際の解像度が高く、小さな径のスペーサーを形成するのに最適である。該透明膜は以下のようにして形成される。まず、光硬化性重合体組成物をスピンコート、ロールコート、スリットコート等により、ガラス等の基板上に塗布する。次に、ホットプレートまたはオーブンで60〜120℃、1〜5分間乾燥する。乾燥した基板に、所望のパターン形状のマスクを介して紫外線を照射する。照射量はi線で5〜1000mJが適当である。紫外線の当たった部分はアクリルモノマーの重合により三次元化架橋体となり、アルカリ現像液に対して不溶化する。次いで、シャワー現像、スプレー現像、パドル現像、ディップ現像等により基板をアルカリ現像液に浸し、不要部分を溶解除去する。最後に180〜250℃で10〜120分焼成すると、所望パターンの透明膜を得ることができる。
【0045】
本発明の好ましい第3の態様は、本発明の透明膜またはスペーサーを含む表示素子である。本発明のスペーサー径は小さいため、細いブラックマトリクス上に形成してもブラックマトリクスからはみ出ることはない。したがって、スペーサーに起因する液晶の配向ムラが起きず、光抜けのない高品位の表示素子とすることができる。すなわち、本発明の表示素子は製造時の歩留まりが高く、製造後最終製品に組み込まれる工程での品質の低下をも回避することができる。
【0046】
本発明の液晶表示素子の例を図1に示す。上下の基板1と2の内側には、透明電極3と4(例えばインジウムースズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO2))と配向膜5と6が順次積層され、液晶層7を挟む。スペーサー8は、液晶層7の層厚を制御する物である。スペーサー8の形状は、特に限定しないが、通常柱状である。
図1は、液晶表示素子の構成例として、保護膜9、絶縁膜10、TFT11、カラーフィルター12、ブラックマトリックス13、および偏向板14と15を示すが、例示にすぎず、本発明はこれに限定されない。
スペーサーの製造方法、液晶表示素子の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、アルカリ可溶性重合体の酸価は、JIS K0070に基づき測定する。
合成例1 アルカリ可溶性重合体(A1)の合成
攪拌器付4つ口フラスコに以下を仕込み、64℃で6時間加熱した。
メタノール 41.7g
酢酸エチル 83.3g
ベンジルメタクリレート 20.0g
式(2)で表される化合物である日本化薬社製KAYARAD(商標)
TC110S 5.0g
3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン 15.0g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.0g
メタクリル酸 5.0g
ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 0.25g
チオグリコール酸 0.75g
反応液を室温まで冷却し、大量のヘキサンに投入した。生成した沈殿をプロピレングリコールモノメチルエーテル(以後PGMEAと略す)に溶解し、1.33×104Paの減圧下100℃にて重合溶媒、ヘキサンを留去し、アルカリ可溶性重合体(A1)のPGMEA溶液を得た。溶液の一部をサンプリングし220℃で30分乾燥して減量を求め、その結果をもとに重合体濃度が30質量%となるようにPGMEAを加えて溶液を調製した。ポリマーの収率は75%であった。得られたアルカリ可溶性重合体(A1)の酸価は68mgKOH/g、GPC分析(ポリエチレンオキシド標準)により求めた重量平均分子量は6,400であった。
【0048】
合成例2 アルカリ可溶性重合体(A2)の合成
攪拌器付4つ口フラスコに以下を仕込み、80℃で6時間加熱した。
メタノール 41.7g
酢酸エチル 83.3g
ベンジルメタクリレート 25.0g
式(2)で表される化合物である日本化薬社製KAYARAD(商標)
TC110S 5.0g
グリシジルメタクリレート 10.0g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.0g
メタクリル酸 5.0g
ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 0.25g
チオグリコール酸 0.75g
合成例1に記載の方法に準じた処理を行い、アルカリ可溶性重合体(A2)の30質量%PGMEA溶液を得た。ポリマーの収率は79%であった。得られたアルカリ可溶性重合体(A2)の酸価は60mgKOH/g、GPC分析(ポリエチレンオキシド標準)により求めた重量平均分子量は7,000であった。
【0049】
実施例1
アルカリ可溶性重合体(A1)、重合性二重結合を有する化合物(B)であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亜合成社製アロニックス(商標)M402、以下M402と略す。)、光重合開始剤(C)であるチバスペシャリティーケミカルズ社製IRGACURE(商標)127(式(1)においてR1〜R4のすべてがメチルであり、XがCH2である。以下I127と略す。)、フッ素系界面活性剤であるネオス社製フタージェント(商標)DFX−18(疎水基にパーフルオロアルケニル基を有するフッ素系界面活性剤。以下DFX−18と略す。)、溶媒(D)として、PGMEAを下記組成にて混合溶解し、光硬化性重合体組成物を得た。
PGMEA 5.41g
アルカリ可溶性重合体(A1) 10.00g
M402 3.60g
IRGACURE(商標)127 0.60g
DFX−18 0.008g
【0050】
この光硬化性重合体組成物をガラス基板上に700rpmで10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で2分間乾燥した。この基板を空気中ドットパターンのマスクを介して、トプコン社製プロキシミティー露光機TME−150PRCを使用し、波長カットフィルターを通さずに、露光ギャップ100μmで露光した。露光量はウシオ社製積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して50mJ/cm2とした。露光後の膜厚は、テンコール社製触針式表面粗さ計アルファステップ200で針圧5mgで測定したところ4.78μmであった。露光後のガラス基板を、0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間ディップ現像し、未露光部を除去した。現像後の基板を純水で20秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。現像後の膜厚は、前述と同様の方法で測定したところ4.43μmであった。現像後の残膜率(現像後の膜厚×100/露光後の膜厚)は92.6%であり、十分な感度を有していることを確認した。さらにオーブン中220℃で30分ポストベイクした。膜厚は4.08μmであった。1000倍の光学顕微鏡で観察したところ、10μm角のドットパターンの大きさは、対角線長さが9μmであった。倍率1万倍のSEMで観察したところ、現像残渣はみられず、パターンエッジはほぼ垂直であった。
【0051】
実施例2〜20と比較例1〜5
実施例1と同様に、下表組成にて光硬化性重合体組成物を調製した。溶媒の添加量は、固形分濃度が35%となるように調整した。
これらの光硬化性重合体組成物を、ポストベイク後の膜厚が4.0〜4.1μmになるような回転数でスピンコートし、実施例1と同様の評価を行った。結果を下表に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
表中のカッコ内の数字は固形分の質量比である。
表中の略号は以下を表す。
B1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
B2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
B3:ペンタエリスリトールトリアクリレート
B4:トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート
C1:I127(式(1)においてR1〜R4のすべてがメチル、XがCH2
C2: 3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンの混合物(本混合物は特開2000−159827の実施例1に開示された方法により合成されたものである)
C3:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(チバスペシャリティーケミカルズ社製IRGACURE(商標)OXE01)
C4:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ社製IRGACURE(商標)907)
C5:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ社製IRGACURE(商標)369)
【0054】
以上明らかなように、実施例1〜20はいずれも得られるパターンサイズがマスクサイズに近く、小さなパターンを得ることができる。これに対し、本発明と違う光重合開始剤を使用した比較例1〜5は、感度は十分であるが、パターンサイズはマスクサイズに比べ大きなものであった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の光硬化性重合体組成物は液晶表示素子の製造工程に用いられることで、欠陥の少ない優れた液晶ディスプレイを製造することができる。特にブラックマトリクスの細い高精細なディスプレイの表示品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の液晶表示素子の例を示す。
【符号の説明】
【0057】
1,2 基板
3,4 透明電極
5,6 配向膜
7 液晶層
8 スペーサー
9 保護膜
10 絶縁膜
11 TFT
12 カラーフィルター
13 ブラックマトリックス
14,15 偏向板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ可溶性重合体(A)と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、下記式(1)
【化1】

(上式中、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキルであり、X1は、単結合、−CH2−、−O−、−SO2−、−CO−、または−COO−である。)
で表される化合物を含む光重合開始剤(C)とを含んでなるFPD用光硬化性重合体組成物。
【請求項2】
上記光重合開始剤(C)が、上記式(1)で表される化合物に加えて、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンと、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1と、下記式(5)
【化2】

(上式中、R51、R52、R53およびR54は、独立して炭素数1〜13のアルキルを表し、X2およびX3は、独立して−O−、−O−O−、または−NH−を表す。)
で表される化合物と、
下記式(6)
【化3】

(上式中、R61、R62およびR63は、それぞれ独立して水素または炭素数1〜5のアルキルを表し、R64は、炭素数1〜15のアルキルを表す。)
で表される化合物と、
からなる一群から選ばれる化合物を含む請求項1に記載のFDP用光硬化性重合体組成物。
【請求項3】
上記式(5)で表される化合物が、3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと、3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと、4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンとからなる一群から選ばれる請求項2に記載のFDP用光硬化性重合体組成物。
【請求項4】
上記アルカリ可溶性重合体(A)が、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーと、オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーと、その他のラジカル重合性モノマーとを重合させて得られた共重合体であり、上記重合性二重結合を有する化合物(B)が、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを有する化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性重合体組成物。
【請求項5】
上記カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸とからなる群より選ばれる1つ以上であり、上記オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーが、下記式(3)または(4)
【化4】

(上式中、R30およびR40は、それぞれ独立して水素またはメチルであり、R31〜R35およびR41〜R45は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニルまたは炭素数2〜5のアルキニルであり、qとrはそれぞれ独立して1〜5の整数である。)
で表されるラジカル重合性モノマーであり、上記その他のラジカル重合性モノマーが、少なくとも下記式(2)
【化5】

(上式中、R21は水素またはメチルであり、R22は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、pは1〜5の整数である。)
で表されるラジカル重合性モノマーを含み、上記重合性二重結合を有する化合物(B)が、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを有する化合物である請求項4に記載の光硬化性重合体組成物。
【請求項6】
上記カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーがメタクリル酸であり、上記オキシランおよび/またはオキセタンを有するラジカル重合性モノマーが、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタンであり、上記その他のラジカル重合性モノマーが、少なくとも上記式(2)においてR21が水素またはメチルであり、R22が水素であり、pが1〜5の整数であるラジカル重合性モノマーを含み、上記重合性二重結合を有する化合物(B)がペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびイソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレートからなる群から選ばれる化合物、または該群から選ばれる化合物の1つ以上を含有する混合物である請求項5に記載の光硬化性重合体組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性重合体組成物を用いて製造される透明膜。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性重合体組成物を用いて製造されるスペーサー。
【請求項9】
請求項7に記載の透明膜または請求項8に記載のスペーサーを含む表示素子。

【図1】
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【公開番号】特開2007−171767(P2007−171767A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371873(P2005−371873)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】