説明

光素子用封止樹脂組成物

【課題】 透明性、耐UV性に優れ、しかも、耐熱衝撃性に優れた光素子用封止樹脂組成物を提供する。
【解決の手段】 下記一般式(1):
【化1】


(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(A)と、
下記一般式(2):
【化2】


(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を主成分とする光素子用封止樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光素子用封止樹脂組成物に関し、詳細には、透明性、耐UV性に優れ、しかも、耐熱衝撃性に優れた、硬化性シルセスキオキサン誘導体を主成分とする光素子用封止樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
光素子には各種レーザー(特に半導体レーザー)や発光ダイオード(LED)等の発光素子、受光素子、複合光素子、光集積回路等があり、これらの光素子には封止樹脂組成物が使用されている。近年、発光素子においては発光のピーク波長が短波長のものが開発されるに至り、緑〜青色発光素子(LED等)が広く使用されており、これに対応して光素子は短波長光に適合するように技術開発がなされている。最近、このような発光のピーク波長の短い発光素子の高輝度化が飛躍的に進んでおり、これに伴い光素子、例えば、発光電子デバイスの、発熱量がさらに大きくなっていく傾向にあり、封止樹脂に求められる性能としては、耐UV性、耐熱性等において一層高度になっている。
【0003】
従来、LED等の光素子のための封止樹脂として透明エポキシ樹脂が多用されてきたが、耐熱性が高い一方で耐UV性が低く、経時に黄変し易い性質があった。黄変は光素子の輝度低下の原因となるため、高輝度化が進む光素子用の封止材としてエポキシ樹脂を適応することが困難な状況にある。このエポキシ樹脂の欠点を克服するものとして、シリコーンゴムなどのケイ素樹脂系樹脂を含む光素子封止材の開発が進められている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、一般的にケイ素系樹脂はエポキシ樹脂と比較して脆く柔軟性に欠けることがよく知られており、光素子に求められる他の重要な特性である耐剥離や耐クラックなどの耐熱衝撃性を改善する技術は未だ知られていない。
【特許文献1】特開2004−140220号公報
【特許文献2】特開2004−238589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の現状に鑑み、本発明は、透明性、耐UV性に優れ、しかも、耐熱衝撃性に優れた光素子用封止樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定種類の側鎖を導入したラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を主成分とした封止樹脂が優れた光透過性、耐熱性、耐熱衝撃性を併せ持つことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記一般式(1):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(A)と、
下記一般式(2):
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を主成分とする光素子用封止樹脂組成物である。
本発明はまた、上記封止樹脂組成物で封止されてなる光素子でもある。
【発明の効果】
【0010】
(1)本発明の封止樹脂組成物は上述の構成により、耐熱衝撃性が優れている。
(2)本発明の封止樹脂組成物は上述の構成により、接着強度が優れている。
(3)本発明の封止樹脂組成物は上述の構成により、透明性、耐熱劣化性、耐UV性及び耐熱衝撃性を併せ持ち、高輝度の緑〜青色光素子用の封止材に要求される必要性能をそれぞれ充分な水準で満たすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における上記トリアルコキシシラン(A)においては、上記一般式(1)中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。
【0012】
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−又はt−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、オクチル、イソオクチル、ドデシル、テトラデシル等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数2〜8のアルキル基がより好ましい。
【0013】
上記炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル等のほか、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の置換基を有するフェニル基等を挙げることができる。
【0014】
上記トリアルコキシシラン(A)においては、一般式(1)においてR1としては、炭素数2〜8のアルキル基、又は、炭素数1〜2の炭化水素基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
【0015】
上記トリアルコキシシラン(A)の具体例としては、例えば、Rがメチル基であるか、エチル基であるか、メチル基が二つにエチル基が一つであるか、又は、メチル基が一つにエチル基が二つであって、そのそれぞれについて、R1がエチル、イソブチル、イソオクチル又はフェニル等であるもの、等が挙げられる。
【0016】
本発明においては、上記トリアルコキシシラン(A)としては、上述の基を有するものの1種又は2種以上を併用することができる。
【0017】
本発明における上記トリアルコキシシラン(B)においては、上記一般式(2)中、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。
【0018】
上記反応性環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等を挙げることができる。これらのうち、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基が好ましく、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基がより好ましい。
【0019】
上記反応性環状エーテル基を含有する置換基としては、とくに限定されず、例えば、上記反応性環状エーテル基(例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等)を含有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、上記反応性環状エーテル基(例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等)を含有するシリルオキシ基等を挙げることができる。
【0020】
上記トリアルコキシシラン(B)の具体例としては、例えば、Rがメチル基であるか、エチル基であるか、メチル基が二つにエチル基が一つであるか、又は、メチル基が一つにエチル基が二つであって、そのそれぞれについて、R1がエポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基若しくはオキセタニル基を含有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、又は、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基若しくはオキセタニル基を含有するシリルオキシ基であるもの、等が挙げられる。
【0021】
本発明においては、上記トリアルコキシシラン(B)としては、上述の基を有するものの1種又は2種以上を併用することができる。
【0022】
本発明におけるシルセスキオキサン誘導体は、上記トリアルコキシシラン(A)とトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のものである。本発明におけるシルセスキオキサン誘導体はは、ラダー型構造のもののみ、ランダム型構造のもののみ、又は、ラダー型構造のものとランダム型構造のものの混合物のいずれであってもよい。
【0023】
シルセスキオキサン誘導体は、トリアルコキシシランの共加水分解、共縮合の条件によりラダー型又はランダム型構造のものを得ることができることが知られており、ラダー型又はランダム型構造体の製造方法としては、例えば、本明細書の実施例に記載の方法、又は、特開平6−306173号公報に記載の方法等により製造することができる。
【0024】
ラダー型構造のシルセスキオキサン誘導体は、例えば、以下のような構造を有する。
【0025】
【化3】

【0026】
上記式中、複数のXは同一又は異なって反応性環状エーテル基を、複数のYは同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。
【0027】
上記トリアルコキシシラン(A)と上記トリアルコキシシラン(B)との配合モル比は、10:90〜90:10であることが好ましく、より好ましくは、40:60〜80:20である。トリアルコキシシラン(A)のモル比が10未満であると硬化後の架橋密度が高くなり、耐熱衝撃性が悪くなるおそれがある。90より大きいと機械強度が低くなるおそれがある。
【0028】
本発明におけるシルセスキオキサン誘導体の重量平均分子量は1500〜10000であることが好ましく、より好ましくは2000〜8000である。重量平均分子量が1500以下であると、耐熱性が充分でないおそれがあり、10000を超えると粘度が高くなり過ぎ取り出し困難となるおそれがある。
【0029】
上記シルセスキオキサン誘導体は、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記トリアルコキシシラン(A)及びトリアルコキシシラン(B)以外のアルコキシシラン(例えば、モノ、ジ又はトリアルコキシシラン)を併用(例えば、0.1〜5モル%程度)することを排除するものではない。
【0030】
本発明の組成物においては、上記ラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を主成分とするものであるが、本発明の目的を阻害しない範囲で籠型構造のシルセスキオキサン誘導体を含有していることを排除するものではない。
【0031】
本発明において、上記シルセスキオキサン誘導体は、架橋物を形成して硬化するのであるが、この硬化は、例えば、カチオン重合触媒(ルイス酸触媒、例えば、ハロゲン化金属(BF、AlCl等)、有機金属化合物(CAlCl等)等)の使用により行うことができる。
【0032】
本発明においては、上記シルセスキオキサン誘導体の架橋物を形成するために、硬化剤を使用してもよい。このような硬化剤としては、反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤を使用することができ、例えば、熱硬化性樹脂の硬化に使用される硬化剤を使用することができる。このような硬化剤としては、酸無水物化合物、アミン化合物、フェノール化合物などが挙げられる。これらのうち、硬化後の透明性を考慮して、酸無水物が好適であり、例えば、以下のような化合物が挙げられる:無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸など。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
【0033】
上記硬化剤の配合量は、一般的には硬化剤の種類により異なり得るので一概に規定することはできないが、例えば、酸無水化合物の場合、反応性環状エーテル基1モルに対して酸無水物基0.2〜2.0モルの割合が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0モルである。他の種類の硬化剤の場合も、上記値を参照して当業者は適宜に使用することができる。
【0034】
上記硬化剤とともに、硬化触媒を使用することができる。上記硬化触媒としては、例えば、イミダゾール化合物、3級アミン類、有機ホスフィン化合物類またはこれらの塩類等が挙げられる。具体的には例えば、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。また、有機リン化合物を使用することができ、その具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等のトリオルガノホスフィン化合物やテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の4級ホスホニウム塩などのオルガノホスフィン類及びその誘導体が挙げられる。3級アミン類としては、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等を挙げることができる。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
【0035】
このような硬化触媒の配合量は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して、0.05〜5.0重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜2.0重量部である。
【0036】
本発明の封止樹脂組成物には、加熱時の酸化劣化を防止するために、酸化防止剤を添加することが出来る。この酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0037】
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が挙げられる。
【0038】
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0039】
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類が挙げられる。
【0040】
これら酸化防止剤は、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらの酸化防止剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から10重量部配合される。
【0041】
本発明の封止樹脂組成物には、耐光性を向上させる目的で紫外線吸収剤を添加することが出来る。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{(2′−ヒドロキシ−3′,3′′,4′′,5′′,6′′−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネート等のヒンダードアミン類などが挙げられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
【0042】
これらの紫外線吸収剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から10重量部配合される。
【0043】
本発明の封止樹脂組成物には、耐光性を向上させる目的で光安定剤を添加することが出来る。光安定剤の具体例としては、例えば、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等のヒンダードアミン類が挙げられる。これらは単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
【0044】
これらの光安定剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から10重量部配合される。
【0045】
本発明の封止樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しないかぎり、その他の各種の添加剤を配合することができ、例えば、組成物の粘度を調整するための希釈剤、密着性を更に向上させるためのシランカップリング剤などが挙げられる。
【0046】
上記希釈剤としては、例えば、グリセリンジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド等を挙げることができる。これら反応性希釈剤は単独で使用できる他、2種以上を混合しても使用することができる。
【0047】
上記シランカップリングとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビルニトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0048】
本発明の封止樹脂組成物は、上記シルセスキオキサン誘導体とともに、必要に応じて上記硬化剤、硬化触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、その他の添加剤のうちの1種又は2種以上を配合して混合することにより得ることができる。
【0049】
本発明の封止樹脂組成物を適用する光素子としては、発光素子、受光素子、複合光素子、光集積回路等があり、具体的には、例えば、LED、LD等が挙げられる。LED等の発光素子は、一般に、LEDチップ、リードフレーム、金線及び封止樹脂から構成される。例えば、近紫外LEDの構造は、一般に、金属ステムの上に電極配線サブマウントが設置され、その上にLEDチップがマウントされる。このサブマウント上のチップを本発明の組成物で封止することにより、近紫外LED素子が形成される。また、白色発光LEDとするためにLEDチップ上に蛍光体層が配置されていてもよい。この蛍光体層の形成を本発明の組成物を使用して行うことができる。一般には、この上にさらに封止材が適用されて白色発光LEDが形成される。同様にして、本発明の組成物を使用して高輝度青色発光LEDを形成することができる。
【0050】
本発明の光素子は、上述の例示の態様が示すように、本発明の封止樹脂組成物を適用してなる光素子、例えば、LED、なかでも例えば、発光のピーク波長が350〜490nmのLEDである。
【実施例】
【0051】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の記載は専ら説明のためであって、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
合成例1
シルセスキオキサン誘導体(SQ−1)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK150g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.9g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.1mmol)、蒸留水13.8gを仕込んだ後、エチルトリメトキシシラン44.7g(297.5mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10.0g(42.5mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−1)を得た。Mwは8020であった。分散度Mw/Mn=1.6、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
【0053】
合成例2
シルセスキオキサン誘導体(SQ−2)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液12.1g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.7mmol)、蒸留水13.8gを仕込んだ後、イソブチルトリメトキシシラン36.2g(203.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン143.8g(609.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−2)を得た。Mwは3500であった。分散度Mw/Mn=1.5、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
【0054】
合成例3
シルセスキオキサン誘導体(SQ−3)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK150g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.8g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.1mmol)、蒸留水13.5gを仕込んだ後、フェニルトリメトキシシラン42.1g(160.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン54.2g(160.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−3)を得た。Mwは4800であった。分散度Mw/Mn=1.5、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
【0055】
合成例4
シルセスキオキサン誘導体(SQ−4)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液11.4g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.5mmol)、蒸留水11.4gを仕込んだ後、イソオクチルトリメトキシシラン27.6g(382.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン90.4g(382.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−4)を得た。Mwは2800であった。分散度Mw/Mn=1.4、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
【0056】
合成例5
シルセスキオキサン誘導体(SQ−5)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.5g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.4mmol)、蒸留水12.8gを仕込んだ後、ドデシルトリメトキシシラン52.3g(180.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン127.7g(540.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−5)を得た。Mwは6700であった。分散度Mw/Mn=1.4、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
【0057】
合成例6
シルセスキオキサン誘導体(SQ−6)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 150.0g(634.8mmol)、THF 260g、蒸留水1.61gを入れ室温で攪拌した。そこへフッ化水素酸46%水溶液 13.8ml(317.4mol)を入れ室温で1時間攪拌した。次に反応液を分液漏斗へ移し替え、酢酸エチルを1000ml加え、0.2%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。水洗後、有機層を取り出し、溶剤を留去して目的の化合物(SQ−6)を得た。Mwは1130であった。分散度Mw/Mn=1.0、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークが消失した、籠型シルセスキオキサン誘導体を得た。
【0058】
合成例7
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液11.4g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.5mmol)、水12.8gを仕込んだ後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン180.0g(762.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−7)を得た。Mwは4700であった。分散度Mw/Mn=1.5、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
【0059】
実施例1
合成例1で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−1を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を3.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
【0060】
実施例2
合成例2で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−2を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を3.0重量部、グリセリンジグリシジルエーテルを1.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
【0061】
実施例3
合成例3で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−3を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を5.0重量部、グリセリンジグリシジルエーテルを1.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
【0062】
実施例4
合成例4で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−4を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を4.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
【0063】
実施例5
合成例5で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−5を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を2.5重量部、グリセリンジグリシジルエーテルを1.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
【0064】
比較例1
ゴム状シリコーン樹脂(GEシリコーン(株)製「TSE−3033」)を用いた。
【0065】
比較例2
合成例6で得られたSQ−6を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を4.7重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混合攪拌して封止樹脂組成物を得た。
【0066】
比較例3
合成例7で得られたSQ−7を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を4.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混合攪拌して封止樹脂組成物を得た。
【0067】
評価方法
各実施例の組成物及び各比較例の樹脂又は組成物を用いて試験片を作成し(実施例1〜5及び比較例2、3の各封止樹脂組成物については120℃、10hの硬化条件、比較例1の樹脂については、150℃、1hrの硬化条件)、それぞれについて、以下の方法で、性能を評価した。結果を表1に示した。
(1)耐熱衝撃性:ポリフタル酸アミドポリマー(AMODEL社)製ケース材を外枠にもち、GaN系発光半導体チップを陽極ならびに陰極のリードフレームに導電ペーストおよび金ワイヤーで接合した構造を持つ表面実装型青色LED(外枠3mm×3mm、内径約2mmの円柱状封止部分をもつ)に所定の配合の樹脂を注入し、120℃10hrで硬化させた。これを−40℃/15分の条件にさらし次に120℃/15分の条件にさらす温度サイクルを1000回行った後、光学顕微鏡にてケース材、リードフレーム、チップとの剥離又は封止樹脂のクラックの観察を行った。評価基準は以下のとおり。
○: 剥離やクラックが全くないもの
×: 剥離やクラックの発生したもの
(2)耐熱劣化性:1mm厚みの硬化物を150℃、100h曝露した後の470m波長光の透過率を求めた。
(3)耐UV性:1mm厚みの硬化物をメタリングウエザーメーター(スガ試験機
製M6T)63℃、100h曝露後の470nm波長光の透過率を求めた。
(4)接着強度:アルミニウム製テストピース2枚を、所定の配合の樹脂を介し、20mm×10mmの面積で貼り合わせたものを120℃、10hrで硬化させた。これをインストロン万能試験にて5mm/minの速度で両側に引っ張り、破壊したときの強度を貼り合わせ面積で除したものを接着強度とした。
(5)透明性:1mm厚みの硬化物を上記硬化条件にて作成し、島津製作所社製分光光度計UV−2450にて470nm波長光の透過率を求めた。
【0068】
【表1】

【0069】
実施例の結果から、本発明におけるシルセスキオキサン誘導体を主成分とする封止樹脂組成物を使用した実施例1〜5は、耐熱劣化性、耐UV性、透明性において本発明の構成を持たないシルセスキオキサン樹脂と少なくとも同程度又はそれ以上の性能を確保しつつも、なおかつ、耐熱衝撃性において、有意に優れていることが明らかであった。一方、比較例3は、アルキル又はフェニルの特定種類の側鎖を導入しなかったので、耐熱衝撃性は不良であった。この結果、本発明の構成を有することが本発明の目的を達成するために重要であることが判った。さらに、本発明におけるシルセスキオキサン誘導体を主成分とする封止樹脂組成物を使用した実施例1〜5は、接着強度においても有意に向上していた。また、耐熱劣化性においても、本発明の構成を持たないシルセスキオキサン樹脂(比較例2)に比べて大幅に改善されていた。なお、従来技術に属する比較例1のシリコーン樹脂は、耐熱劣化性、耐UV性、透明性等において優れていたと評価し得るものの、接着強度が極めて悪く、耐熱衝撃性も不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の封止樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂における欠点であった耐UV性およびシリコーン樹脂における欠点であった耐熱衝撃性を同時に克服し、透明性、耐熱劣化性、耐UV性、耐熱衝撃性に優れた光素子封止材として極めて好適であり、例えば、今後さらなる高輝度化が進むと予想されるLEDの封止材として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】

(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(A)と、
下記一般式(2):
【化2】

(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を主成分とすることを特徴とする光素子用封止樹脂組成物。
【請求項2】
反応性環状エーテル基は、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基及びオキセタニル基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の封止樹脂組成物。
【請求項3】
トリアルコキシシラン(A)は、一般式(1)においてR1が炭素数2〜8のアルキル基、又は、炭素数1〜2の炭化水素基を有していてもよいフェニル基である請求項1又は2記載の封止樹脂組成物。
【請求項4】
トリアルコキシシラン(A)は、R1がエチル、イソブチル、イソオクチル又はフェニルであり、シルセスキオキサン誘導体は、ラダー型構造を主成分とする請求項3記載の封止樹脂組成物。
【請求項5】
トリアルコキシシラン(A)とトリアルコキシシラン(B)との配合モル比は、10:90〜90:10である請求項1〜4のいずれか記載の封止樹脂組成物。
【請求項6】
さらに、反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤及び/又は硬化触媒を含む請求項1〜5のいずれかに記載の封止樹脂組成物。
【請求項7】
さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤若しくはその他の添加剤のいずれか、又はそれらのうちの少なくとも2種の混合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載の封止樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の封止樹脂組成物で封止されてなる光素子。
【請求項9】
発光のピーク波長が350〜490nmのLEDである請求項8記載の光素子。

【公開番号】特開2006−328231(P2006−328231A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154136(P2005−154136)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000214250)ナガセケムテックス株式会社 (173)
【Fターム(参考)】