説明

光結晶性を利用した印刷媒体、印刷方法および印刷装置

【課題】光結晶性を利用した印刷媒体、印刷方法および印刷装置が開示される。
【解決手段】本発明にかかる光結晶性を利用した印刷媒体は、電荷を有する複数の粒子を分散状態で含んでいる媒体を含み、前記媒体に電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加することによって前記粒子間の間隔を制御し、前記媒体にエネルギーを印加することによって前記粒子間の間隔を固定するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光結晶性を利用した印刷媒体、印刷方法および印刷装置に関する。より詳細には、電場、磁場などの外部刺激を印加して媒体中に含まれている粒子間の間隔を制御し、粒子を含んでいる媒体に対してエネルギーを印加してまたは前記媒体に対するエネルギーの印加を停止して媒体の流動性を減少させることにより、媒体中に含まれている粒子間の間隔を制御された状態で固定し、これにより、フルカラー(full color)の構造色を安定して実現できるようにした光結晶性を利用した印刷媒体、印刷方法および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置は、特定の色素を有するインク、トナーなどの粒子を適切に混合して印刷用紙に吸着させることを基本原理としている。しかし、従来の印刷装置は、実生活に幅広く用いられているにもかかわらず、多様な色を表現するためにはそれに応じた多様な色のインク、トナーなどが必要になるという限界があり、また、一度印刷して得られた印刷物を修正または変更することが困難であるという問題があった。
【0003】
このような従来の印刷技術の限界を克服するための研究および開発が盛んに行われ、多様な技術が紹介されている。その代表例として、電子インク(Electronic-ink)が挙げられる。電子インクは、それぞれ負電荷および正電荷を有する特定の色(例えば、それぞれ黒色および白色)の粒子を含んでいるカプセルに電場を印加して特定の色を表示する手段であって、文字をはじめとする多様な情報を表示できるという利点がある。しかし、このような電子インクによっても、表示される粒子の色が特定の色に固定されるため、多様な色を表現することが困難であるという限界があった。
【0004】
このような従来技術の問題を根本的に解決するために多様な方法が提案されており、中でも、光結晶(photonic crystal)の原理を利用する方法が考えられている。
【0005】
光結晶とは、入射する光のうち、特定の波長の光のみを反射し、残りの波長の光を通過させることにより、特定の波長に該当する色を呈する性質を有する物質あるいは結晶を意味し、光結晶の代表例としては、蝶の羽、甲虫の甲殻などがある。これらは色素を含んでいないものの、特有の光結晶構造を有しているため、特有の色を発することができる。
【0006】
最近、光結晶に関する研究によれば、自然界に存在する既存の光結晶は特定の波長の光のみを反射していたのに対し、所定の物質を含む人工的に合成された光結晶の場合は、多様な外部刺激によって光結晶の結晶構造(例えば、光結晶を構成する層間厚さ)を任意に変化させることができ、その結果、可視光線領域のみならず紫外線または赤外線領域にいたるまで、反射される光の波長を自由に調整できることが明らかになった。
【0007】
そこで、本発明者は、電荷または磁性を有する粒子に電場または磁場を印加して粒子間の間隔を制御し、前記間隔を固定することによって、任意の波長の光を反射する光結晶性を利用した印刷媒体、印刷方法および印刷装置を実現できることに着目し、本発明に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、電荷または磁性を有する複数の粒子が分散している媒体を含み、媒体に電場、磁場などの外部刺激を印加することによって粒子間の間隔が制御され、媒体にエネルギーを印加または遮断することによって粒子間の間隔が固定されることにより、特定の波長の光を反射する構造色が安定して実現できる印刷媒体を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、電荷または磁性を有する複数の粒子が分散している媒体を噴射し、媒体に電場、磁場などの外部刺激を印加して粒子間の間隔を制御し、媒体に対してエネルギーを印加または遮断して粒子間の間隔を固定させることにより、印刷対象物上にフルカラーの情報を印刷できるようにする印刷方法および印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる光結晶性を利用した印刷媒体は、電荷を有する複数の粒子が分散している媒体を含み、前記媒体に電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加することによって前記粒子間の間隔が制御され、前記媒体にエネルギーを印加することによって前記粒子間の間隔が固定されることを特徴とする。
【0011】
そして、本発明にかかる光結晶性を利用した印刷媒体は、電荷を有する複数の粒子が分散している媒体を含み、前記媒体に電場および磁場のうちの少なくとも1つとエネルギーを印加することによって前記粒子間の間隔が制御され、前記媒体でエネルギーを遮断することによって前記粒子間の間隔が固定されることを特徴とする。
【0012】
前記媒体は、可逆的に相変化可能な物質、可逆的に粘度が変化可能な物質、および非可逆的に硬化可能な物質のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0013】
前記エネルギーは、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、および化学的エネルギーのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
前記電場の強度または方向のうちの少なくともいずれか1つの変化に応じて前記粒子間の間隔が変化し、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長が変化可能である。
【0015】
前記磁場の強度または方向のうちの少なくともいずれか1つの変化に応じて前記粒子間の間隔が変化し、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長が変化可能である。
【0016】
前記粒子は、それ自体で電荷を有するか、前記粒子の性質を任意に変化させて電荷を有することができる。
【0017】
前記粒子は、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0018】
前記媒体にエネルギーを印加することにより、前記粒子間の間隔の固定された状態が解除できる。
【0019】
前記媒体は、光透過性部材内に散在することができる。
【0020】
前記光結晶性を利用した印刷媒体は、前記媒体上に形成され、前記媒体を外部環境と隔離させることができる保護部材をさらに含むことができる。
【0021】
そして、本発明にかかる光結晶性を利用した印刷方法は、電荷を有する複数の粒子が分散している媒体を噴射するステップと、前記媒体に電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加して前記粒子間の間隔を制御するステップと、前記媒体にエネルギーを印加して前記粒子間の間隔を固定させるステップとを含むことを特徴とする。
【0022】
そして、本発明にかかる光結晶性を利用した印刷方法は、電荷を有する複数の粒子が分散している媒体を噴射するステップと、前記媒体に電場および磁場のうちの少なくとも1つとエネルギーを印加して前記粒子間の間隔を制御するステップと、前記媒体でエネルギーを遮断して前記粒子間の間隔を固定させるステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
前記媒体は、可逆的に相変化可能な物質、可逆的に粘度変化可能な物質、および非可逆的に硬化可能な物質のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
前記エネルギーは、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、および化学的エネルギーのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
前記電場の強度または方向のうちの少なくともいずれか1つの変化に応じて前記粒子間の間隔が変化し、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長が変化可能である。
【0026】
前記磁場の強度または方向のうちの少なくともいずれか1つの変化に応じて前記粒子間の間隔が変化し、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長が変化可能である。
【0027】
前記粒子は、それ自体で電荷を有するか、前記粒子の性質を任意に変化させて電荷を有することができる。
【0028】
前記粒子は、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0029】
前記媒体が印刷対象物上に付着すると、前記媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加することができる。
【0030】
そして、本発明にかかる光結晶性を利用した印刷装置は、電荷を有する複数の粒子が分散している媒体を噴射する噴射部と、前記媒体に印加される電場および磁場のうちの少なくとも1つを発生する電磁場発生部と、前記媒体に印加されるエネルギーを発生するエネルギー調整部とを含み、前記媒体に前記電磁場発生部で発生した電場および磁場のうちの少なくとも1つが印加されて前記粒子間の間隔を制御し、前記媒体に前記エネルギー調整部で発生したエネルギーが印加されて前記粒子間の間隔を固定させることを特徴とする。
【0031】
そして、本発明にかかる光結晶性を利用した印刷装置は、電荷を有する複数の粒子が分散している媒体を噴射する噴射部と、前記媒体に印加される電場および磁場のうちの少なくとも1つを発生する電磁場発生部と、前記媒体に印加されるエネルギーを発生および遮断するエネルギー調整部とを含み、前記媒体に前記電磁場発生部で発生した電場および磁場のうちの少なくとも1つと前記エネルギー調整部で発生したエネルギーが印加されて前記粒子間の間隔を制御し、前記エネルギー調整部によって前記媒体でエネルギーが遮断されて前記粒子間の間隔を固定させることを特徴とする。
【0032】
前記エネルギー調整部は、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、および化学的エネルギーのうちの少なくとも1つを発生することができる。
【0033】
前記電磁場発生部で発生する電場の強度または方向のうちの少なくともいずれか1つの変化に応じて前記粒子間の間隔が変化し、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長が変化可能である。
【0034】
前記電磁場発生部で発生する磁場の強度または方向のうちの少なくともいずれか1つの変化に応じて前記粒子間の間隔が変化し、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長が変化可能である。
【0035】
前記電磁場発生部は、前記媒体が印刷対象物上に付着すると、前記媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つを発生することができる。
【発明の効果】
【0036】
このように構成された本発明によれば、印刷媒体から反射される光の波長を制御し、これを固定させることが可能なため、色素を有するインクを用いなくても、印刷媒体上にフルカラー(full color)の構造色を実現できるようにする効果が達成される。
【0037】
また、本発明によれば、印刷対象物上に特定の波長の光を反射する構造色を安定して実現することが可能なため、多様な色を表現するために、複数のインクを用いなくても、1種の物質のみを用いて印刷できるようにする効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷媒体に含まれる粒子の構成を例示的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる印刷媒体に含まれる粒子の構成を例示的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかり、粒子が分散した媒体の構成を例示的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかり、粒子が分散した媒体の構成を例示的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる印刷媒体の構成を例示的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる印刷媒体の構成を例示的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子を含む媒体を光透過性部材内に散在させる構成(水滴(droplet)型カプセル)を例示的に示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかり、光透過性部材内に散在したコロイド粒子の構成を例示的に示す図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかり、光透過性部材内に散在したコロイド粒子の構成を例示的に示す図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子を含む媒体を光透過性部材と混合させてカプセル化した構成(スポンジ(sponge)型カプセル)を例示的に示す図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかるコロイド粒子を含む媒体が散在しているカプセルの実際的な例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子を含む媒体を光透過性部材からなるカプセル膜でコーティングしてカプセル化した構成(シェル(shell)型カプセル)を例示的に示す図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかるコロイド粒子を含む媒体が含まれているカプセルの実際的な例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態にかかるコロイド粒子を含む媒体が含まれているカプセルの実際的な例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態にかかり、保護部材を含む印刷媒体の構成を例示的に示す図である。
【図16】本発明の一実施形態にかかり、印刷媒体上に多様な情報の表示が実現されることを示す図である。
【図17】本発明の一実施形態にかかり、保護部材を含む印刷媒体と、保護部材を含まない印刷媒体とを比較して実験した結果を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態にかかり、保護部材を含む印刷媒体と、保護部材を含まない印刷媒体とを比較して実験した結果を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態にかかる印刷装置の構成を例示的に示す図である。
【図20】本発明の他の実施形態にかかる印刷装置の構成を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
後述する本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施できる特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造および特性は一実施形態に関連し、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲内で他の実施形態で実現可能である。また、各々の開示された実施形態における個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲内で変更可能であることが理解されなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味で受け止めるものではなく、本発明の範囲は、適切に説明された場合、その請求項が主張するのと均等なすべての範囲とともに添付した請求項によってのみ限定される。図面において、類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一または類似の機能を指し示す。
【0040】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、添付した図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。
【0041】
本発明の一実施形態にかかる印刷媒体、印刷方法および印刷装置は、光結晶(photonic crystal)特性を利用してフルカラー(full color)の構造色を安定して実現できることを主な技術的特徴とする。
【0042】
図1および図2は、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体に含まれる粒子の構成を例示的に示す図である。
【0043】
まず、図1を参照すると、本発明の一実施形態によれば、粒子110は、電荷(正電荷または負電荷)を有する粒子であって、媒体(粒子含有媒体)120中に分散して存在している。このとき、粒子110は、粒子相互間の斥力に起因して、互いに所定の間隔をおいて配列されている。粒子110の直径は、数nm〜数千nmであり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。本発明の好ましい実施形態によれば、粒子110は、媒体120内においてコロイド状態で存在することができ、以下では、媒体120内においてコロイド状態で存在する粒子110を「コロイド粒子」と称する。
【0044】
より具体的には、本発明の一実施形態によれば、電荷を有する粒子は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、スズ(Tin)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などを含む化合物からなり得る。また、本発明の一実施形態によれば、粒子は、PS(polystyrene)、PE(polyethylene)、PP(polypropylene)、PVC(polyvinyl chloride)、PET(polyethylen terephthalate)などの高分子物質を含む物質からなり得る。
【0045】
さらに、本発明の一実施形態によれば、粒子は、電荷を有しない粒子に電荷を有する物質をコーティングした形態として構成してもよい。例えば、シリコン酸化物(SiO)、チタン酸化物(TiO)などの金属無機酸化物でコーティングされた粒子、PS(polystyrene)、PE(polyethylene)、PP(polypropylene)、PVC(polyvinyl chloride)、PET(polyethylen terephthalate)、イオン交換樹脂などを含む高分子物質でコーティングされた粒子、炭化水素基を有する有機化合物によって表面加工(あるいはコーティング)された粒子、カルボン酸(carboxylic acid)基、エステル(ester)基、アシル(acyl)基を有する有機化合物によって表面加工(あるいはコーティング)された粒子、ハロゲン(F、Cl、Br、Iなど)元素を含む錯化合物によって表面加工(コーティング)された粒子、アミン(amine)、チオール(thiol)、ホスフィン(phosphine)を含む配位化合物によって表面加工(コーティング)された粒子、表面にラジカルを形成することによって電荷を有するようにした粒子が該当する。
【0046】
これに関連し、図2を参照すると、本発明の一実施形態によれば、粒子110は、複数のナノスケールの粒子からなるクラスタ112と、クラスタ112の外部を取り囲む電荷層114とから構成してもよい。
【0047】
また、本発明の一実施形態によれば、粒子は、鉄(Fe)酸化物、ニッケル(Ni)酸化物、コバルト(Co)、およびこれらからなる酸化物などの磁性体物質を含むことができ、これにより、所定の磁性を有することもできる。
【0048】
ただし、本発明にかかる粒子の構成は、前記列挙したものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲内で、すなわち、電場または磁場によって粒子間の間隔が制御できる範囲内で適切に変更可能であることを明らかにする。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子に電場(または磁場)を印加すると、各コロイド粒子が有する電荷によって(または磁性によって)所定の方向の電気力(または磁気力)がコロイド粒子に作用し、これにより、一方に偏ったコロイド粒子間の間隔が狭くなるとともに、互いに近接して同一の電荷を有するコロイド粒子の間には斥力が作用する。したがって、電場による電気力(または磁場による磁気力)とコロイド粒子間の斥力の相対的な強度によってコロイド粒子間の間隔を決定することができ、これにより、所定の間隔をおいて配列されたコロイド粒子が光結晶の機能を果たすことができるようになる。つまり、ブラッグ(Bragg)法則によると、コロイド粒子から反射される光の波長は、コロイド粒子間の距離によって決定されるため、コロイド粒子間の距離を制御することにより、コロイド粒子から反射される光の波長を変更することができる。
【0050】
一方、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子は、媒体内に分散していればよく、本発明において、媒体は、相変化溶媒または硬化性溶媒であり得る。ここで、相変化溶媒または硬化性溶媒は、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギーなどのエネルギーを印加することにより、あるいは前記エネルギーの印加を停止することにより、可逆的あるいは非可逆的に相変化または硬化する溶媒を意味する。例えば、相変化溶媒または硬化性溶媒は、温度の上昇によって固体状態から液体状態に変化する相変化物質、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化性(UV curable)物質、電圧に応じて粘度が変化する電気粘性(electrorheological)物質、磁場に応じて粘度が変化する磁気粘性(magnetorheological)物質、電圧に応じて体積が変化する圧電(piezoelectrical)物質、化学的反応に応じてゾル−ゲル(sol-gel)変化する物質などを含むことができる。
【0051】
より具体的には、本発明の一実施形態によれば、本発明の相変化溶媒は、温度の変化に応じてある状態から他の状態に変化する物理的変化過程を伴う相変化物質を含むことができる。例えば、本発明の相変化溶媒は、飽和炭化水素基を含むパラフィン(paraffin hydrocarbon)を含むことができる。また、本発明の相変化溶媒は、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレン(PE)などの物質を用いて安定化させたパラフィンを含むことができる。さらに、本発明の相変化溶媒は、溶解性を高めるために、カルボキシル基(−COOH)、アミン基(−NH)、スルホン基(−SH)などに置換されて親水性に改質されたパラフィン化合物を含むことができる。また、本発明の相変化溶媒は、水和塩化合物によって加工された化合物を含むことができる。さらに、本発明の相変化溶媒は、分子量1000以上の高粘性のエチレン化合物あるいはエチレン基を含む物質であって、低温では高分子物質としての高粘性を呈するが、高温(摂氏40度以上)では相対的に低粘性を呈し、温度の上昇に応じて特定の溶質に対する溶解度が増加する物質を含むこともできる。
【0052】
また、本発明の一実施形態によれば、本発明の硬化性溶媒は、紫外線、可視光線などの光を照射するか、または温度を変化させたときに、化学的変化過程を伴う硬化性物質を含むことができる。例えば、本発明の硬化性溶媒は、炭素二重結合を含むアクリレート接着剤(Acrylate adhesive)、アクリレートモノマー(Acrylate monomer)、アクリレートモノマーラジカル(Acrylate monomer radical)などを含むことができる。さらに、本発明の硬化性溶媒は、エーテル結合を含むエポキシ樹脂(Epoxy resin)を含むことができる。また、本発明の硬化性溶媒は、ウレタン結合を含むポリウレタン接着剤(Polyurethane adhesive)、ウレタンモノマー(Urethane monomer)などを含むこともできる。
【0053】
一方、本発明の一実施形態によれば、本発明の媒体は、電圧に応じて粘度が変化する電気粘性流体を含むことができる。ここで、電気粘性流体(Electrorheological Fluid:ERF)は、一般的に、絶縁性の流体中に分極性の強い微粒子が分散している懸濁液(suspension)であって、外部から強い電場が印加されると、そのレオロジー的力学的特性が変化する流体をいう。電気粘性流体を用いると、付加的な運動装置を備えることなく単に電場のみを印加することにより、媒体中の粒子の運動を制御可能なため、表示装置設計の単純化を図ることができる。そして、従来のニュートン流体(Newtonian Fluid)とは異なり、電場が印加された状態の電気粘性流体中では、分散した粒子が電場の方向に沿って鎖状の構造で配列されるため、その粘度が急激に増加するビンガム(Bingham)塑性流体の挙動を示すが、このような電気粘性流体は、電場に応じた流体の粘度調整を可能にするものである。特に、本発明の一実施形態によれば、磁場によって粒子間の間隔が調整可能な磁性粒子を電気粘性流体中に分散させた後、外部から電場を印加すると、電気粘性流体の粘度が急激に増加することにより、磁場によって一定に制御された磁性粒子間の間隔を効果的に固定または維持することができる。
【0054】
また、本発明の一実施形態によれば、本発明の媒体は、磁場に応じて粘度が変化する磁気粘性流体を含むことができる。ここで、磁気粘性流体(Magnetorheological Fluid:MRF)は、一般的に、非磁性体の流体中に磁気分極性の強い微粒子が分散している懸濁液(suspension)であって、外部から強い磁場が印加されると、そのレオロジー的力学的特性が変化する流体をいう。磁気粘性流体を用いると、付加的な運動装置を備えることなく単に磁場のみを印加することにより、媒体中の粒子の運動を制御可能なため、表示装置設計の単純化を図ることができる。そして、磁気粘性流体は、磁場に対する速やかな応答性とレオロジー効果の可逆性を有する。特に、本発明の一実施形態によれば、電場によって粒子間の間隔が調整可能な電荷を有する粒子を磁気粘性流体中に分散させた後、外部から磁場を印加すると、磁気粘性流体の粘度が急激に増加することにより、電場によって一定に制御された粒子間の間隔を効果的に固定または維持することができる。
【0055】
一方、本発明の一実施形態によれば、本発明の媒体は、圧電特性を有する物質を含むことができる。すなわち、本発明の一実施形態によれば、外部電圧が印加されて媒体に含まれた圧電特性物質の体積が変化することにより、粒子の移動を直接的または間接的に制限することができ、これにより、電場または磁場によって一定に制御された粒子間の間隔を効果的に固定または維持することができる。また、本発明の一実施形態によれば、外部から圧力などの力学的エネルギーが印加されて媒体に含まれた圧電特性物質の電気的特性が変化することにより、粒子の移動を直接的または間接的に制限することができ、これにより、電場または磁場によって一定に制御された粒子間の間隔を効果的に固定または維持することができる。
【0056】
また、より具体的には、本発明の一実施形態によれば、本発明の媒体は、化学的反応に応じてゾルからゲルにまたはゲルからゾルに相変化する物質を含むことができる。すなわち、本発明の一実施形態によれば、ゾル−ゲル相変化物質を含有している媒体中に、相変化を生じさせる誘導物質を注入して、溶媒をゾル−ゲル相変化させることにより、電場または磁場によって一定に制御された粒子間の間隔を効果的に固定または維持することができる。
【0057】
ただし、本発明にかかる媒体は、前記列挙したものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲内で、すなわち、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギーなどのエネルギーを印加することにより、あるいは前記エネルギーの印加を停止することにより、媒体の流動性が変化できる範囲内で適切に変更可能である。
【0058】
一方、以下では、媒体の状態を変化させるために熱エネルギーまたは光エネルギーを用いる実施形態について主に説明しているが、エネルギーの種類が熱エネルギーまたは光エネルギーに限定されるべきではなく、本発明にかかるエネルギーは、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学的エネルギーなどの、媒体の流動性を変化させることができるすべての種類のエネルギーを含む概念であることを理解されたい。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、流動的な状態の媒体中に分散しているコロイド粒子に対して磁場または電場を印加し、コロイド粒子間の間隔を制御した後、媒体に対してエネルギーを印加することにより、あるいは媒体に対するエネルギーの印加を停止することにより、媒体の状態を流動的な状態(例えば、液体状態)から不動的な状態(例えば、固体状態)に変化させることができ、これにより、前記不動的な状態に変化した媒体内において前記制御されたコロイド粒子間の間隔を固定することができる。また、本発明の一実施形態によれば、媒体媒体に対してエネルギーを印加することにより、あるいは媒体に対するエネルギーの印加を停止することにより、媒体の状態を不動的な状態から流動的な状態に変化させることもでき、これにより、媒体内においてコロイド粒子間の間隔の固定された状態を解除することができる。
【0060】
つまり、媒体内においてコロイド粒子が一定の間隔で配列されたまま固定することにより、コロイド粒子から反射される光の波長を一定に維持することができる。また、媒体内においてコロイド粒子が一定の間隔で配列されたまま固定されている状態を解除することにより、コロイド粒子間の間隔が電場または磁場によって再度制御可能な状態に戻すこともできる。
【0061】
図3は、本発明の一実施形態にかかり、粒子を分散状態で含有している媒体(粒子含有媒体)の構成を例示的に示す図である。参照として、図3は、媒体の断面を電子顕微鏡で撮影した写真である。
【0062】
図3を参照すると、コロイド粒子を媒体中に均一に混合することができ、これにより、コロイド粒子は、媒体中に分散して存在することができる。本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子は、電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタであり得、媒体は、紫外線硬化性物質を含むことができる。図3において、媒体中に分散して含まれているコロイド粒子は、電場または磁場によって一定の間隔をおいて配列可能であり、このとき、紫外線を印加すると、紫外線硬化性物質を含む媒体が硬化し、電場または磁場によって一定の間隔をおいて配列されたコロイド粒子の位置がそのまま固定可能であり、これにより、電場または磁場の印加を停止した後も、コロイド粒子の配列から発現される構造色が維持できるようになる。
【0063】
図4は、本発明の一実施形態にかかり、粒子を分散状態で含有している媒体の構成を例示的に示す図である。参照として、図4は、媒体の断面を電子顕微鏡で撮影した写真である。
【0064】
図4を参照すると、コロイド粒子を媒体中に均一に混合することができ、これにより、コロイド粒子は、媒体中に分散して存在することができる。本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子は、電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタであり得、媒体は、紫外線硬化性物質を含むことができる。図4において、媒体中に分散して含まれているコロイド粒子は、上部および下部電極によって印加される電場によって一定の間隔をおいて配列可能であり、このとき、紫外線を印加すると、紫外線硬化性物質を含む媒体が硬化し、電場によって一定の間隔をおいて配列されたコロイド粒子の位置がそのまま固定可能であり、これにより、電場の印加を停止した後も、コロイド粒子の配列から発現される構造色が維持できるようになる。より具体的には、図4の実施形態では、負電荷を有するコロイド粒子が、媒体中における(+)電極および(−)電極(すなわち、それぞれ上部および下部電極)の間に分散状態で存在しており、上部および下部電極によって印加される電場によってコロイド粒子が(+)電極の上部電極側に移動して一定の間隔をおいて規則的に配列され(図4(a)参照)、(−)電極の下部電極側には少数のコロイド粒子のみが散在していることを確認することができる(図4(b)参照)。
【0065】
以下の実施形態において、場合によって、本発明にかかる媒体が相変化溶媒および硬化性溶媒のうちのいずれか1つであると想定して説明されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、後述するすべての実施形態においては、本発明の目的を達成できる範囲内で相変化溶媒および硬化性溶媒がすべて本発明にかかる媒体として採用可能であることが考慮されなければならない。
【0066】
また、以下の実施形態において、本発明にかかる粒子がコロイド粒子であるとして限定的に説明されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、後述するすべての実施形態において、本発明の目的を達成できる範囲内で、コロイド粒子でない他の種類の粒子も、本発明にかかる粒子として採用可能であることが考慮されなければならない。
【0067】
図5は、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体の構成を例示的に示す図である。
【0068】
図5を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体500は、コロイド粒子510と、コロイド粒子510を分散状態で含有している媒体(粒子含有媒体)520と、基板530とを含むことができる。ここで、媒体520は、エネルギーが印加されることによって非可逆的に硬化する物質を含むことができる。例えば、媒体520は、紫外線を照射することによって(光エネルギーを印加することによって)強固に硬化する物質を含むことができ、上述した硬化性溶媒が該当する。
【0069】
以下、図5を参照して、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体500上に安定した構造色を実現する過程を説明する。
【0070】
まず、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子510は、流動的な状態の媒体520中に任意に分散したまま、電場や磁場などの外部刺激によって自由に動けるように構成することができる(ステップ(a))。次に、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子510に対して電場または磁場を印加することによってコロイド粒子510間の間隔が一定になるように制御することができる(ステップ(b))。次に、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子510間の間隔が一定に制御された状態で、媒体520に対して熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギーなどのエネルギーを印加することによって媒体520を固定的な状態(例えば、硬化した状態)に変化させることにより、間隔が一定に制御されたコロイド粒子510が媒体520内で固定されるようにすることができる(ステップ(c))。
【0071】
したがって、本発明の一実施形態によれば、印刷媒体500に対して粒子間隔制御のための電場または磁場を印加し続けなくても、印刷媒体500上の特定の領域に、特定の波長の光を反射する光結晶性を安定して実現できるようになる。
【0072】
図6は、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体の構成を例示的に示す図である。
【0073】
図6を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体600は、コロイド粒子610と、コロイド粒子610を分散状態で含有している媒体620と、基板630とを含むことができる。ここで、媒体620は、可逆的に相変化する物質を含むことができる。例えば、媒体620は、温度を変化させることによって(熱エネルギーを印加することによって、または熱エネルギーの印加を停止することによって)固体状態から液体状態に相変化した後、再度固体状態に相変化可能な物質や、電場または磁場に応じて媒体の粘度が変化する電気粘性または磁気粘性物質を含むことができる。
【0074】
以下、図6を参照して、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体600上に安定した構造色を実現する過程を説明する。
【0075】
まず、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子610は、固定的な状態(例えば、固体やゲルなどの状態)の媒体620内に任意に分散したまま、電場や磁場などの外部刺激によって動かないように構成できる(ステップ(a))。次に、本発明の一実施形態によれば、媒体620に対して熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギーなどのエネルギーを印加して媒体620を流動的な状態(例えば、液体、ゾルなどの状態)に相変化させることにより、媒体620内に分散して含まれているコロイド粒子610が電場、磁場などの外部刺激によって動ける状態にすることができる(ステップ(b))。次に、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子610に対して電場または磁場を印加することによってコロイド粒子610間の間隔が一定になるように制御することができる(ステップ(c))。次に、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子610間の間隔が一定に制御された状態で、媒体620に対する、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギーなどのエネルギーの印加を停止して媒体620を固定的な状態に相変化させることにより、間隔が一定に制御されたコロイド粒子610が媒体620内で固定されるようにすることができる(ステップ(d))。
【0076】
したがって、本発明の一実施形態によれば、印刷媒体500に対して粒子間隔制御のための電場または磁場を印加し続けなくても、印刷媒体500上の特定の領域に、特定の波長の光を反射する光結晶性を安定して実現できるようになる。また、本発明の一実施形態によれば、媒体として、可逆的に相変化する物質を使用することにより、書き消しを繰り返し行うことができる書き換え可能な(rewritable)印刷媒体を実現することができる。
【0077】
一方、本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子を分散状態で含有している媒体は、光透過性材料からなる多様な種類のカプセルによってカプセル化されてもよい。
【0078】
図7は、本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子を含有している媒体を光透過性材料内に散在させた構成(水滴(droplet)型カプセル)を例示的に示す図である。
【0079】
図7を参照すると、本発明の一実施形態にかかり、印刷媒体700に含まれる粒子は、媒体内において分散状態(すなわち、コロイド状態)で、光透過性材料からなる物質730内に散在することができる。より具体的には、電場などの外部刺激に対して流動的でない光透過性材料730内に、所定量のコロイド粒子を含有している粒子含有媒体を水滴(droplet)形態で散在して分布させることにより、印刷媒体700に含まれるコロイド粒子を互いに離間させることができる。すなわち、本発明の一実施形態によれば、光透過性材料730内に、コロイド粒子が分散した媒体を散在して分布させることにより、互いに異なる媒体領域710、720に含まれるコロイド粒子の間に、混入などの直接的な干渉が発生することを防止することができ、あわせて、印刷媒体700に含まれるコロイド粒子間の間隔をより独立して制御することができる。
【0080】
続いて、図7を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体700は、光透過性材料730内に含まれる複数の媒体領域710、720を含むことができる。より具体的には、第1の磁場が印加される第1の媒体領域710に含まれるコロイド粒子間の間隔と、第2の磁場が印加される第2の媒体領域720に含まれるコロイド粒子間の間隔とは互いに独立して制御可能であり、これにより、第1の媒体領域710と第2の媒体領域720とは互いに異なる波長の光を反射する。
【0081】
図8および図9は、本発明の一実施形態にかかり、光透過性材料内に散在したコロイド粒子の実際的な例を示す図である。参照として、図8および図9は、図7で述べた印刷媒体700の断面を電子顕微鏡で撮影した写真である。
【0082】
図8および図9を参照すると、本発明の一実施形態にかかり、電場や磁場などの外部刺激に対して流動的でない固体(solid)またはゲル(gel)状態の光透過性材料からなる物質930内に散在している媒体920内に分散しているコロイド粒子910を確認することができる。より具体的には、本発明の一実施形態によれば、電荷または磁性を有するコロイド粒子910が分散しているエマルジョン状態の媒体920を生成し、これを水滴(droplet)形態で製造して光透過性材料930内に均一に混合させることができる。本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子910は、電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタであり得、媒体920は、紫外線硬化性物質であり得、光透過性材料930は、PDMS(Polydimethylsiloxane)であり得る。
【0083】
一方、図10は、本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子を含有している媒体を光透過性材料と混合してカプセル化した構成(スポンジ(sponge)型カプセル)を例示的に示す図である。
【0084】
図10を参照すると、本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子1010を分散状態で含有している媒体1020を、光透過性材料1030からなるカプセル(例えば、球型カプセル)内に散在させることができる。より具体的には、本発明の一実施形態によれば、電荷または磁性を有するコロイド粒子1010が分散しているエマルジョン状態の媒体1020を生成し、これを光透過性材料1030と均一に混合すると、コロイド粒子1010が分散している媒体1020を含むカプセル(スポンジ(sponge)型カプセル)を製造することができる。
【0085】
図11は、本発明の一実施形態にかかるコロイド粒子を含む媒体が散在しているカプセルの実際的な例を示す図である。図11を参照すると、電場または磁場が印加されていない場合((a)の場合)には、カプセル内に存在するコロイド粒子1010が自由に散在しており、電場または磁場が印加された場合((b)の場合)には、カプセル内に存在するコロイド粒子1010が一定の間隔で配列され、特定の波長の光を反射させることを確認することができる。本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子は、電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタであり得、媒体は、紫外線硬化性物質であり得、光透過性材料は、PDMS(Polydimethylsiloxane)からなり得る。
【0086】
一方、図12は、本発明の一実施形態にかかり、コロイド粒子を含む媒体を光透過性材料からなるカプセル膜でコーティングしてカプセル化した構成(シェル(shell)型カプセル)を例示的に示す図である。
【0087】
図12を参照すると、電荷または磁性を有するコロイド粒子1210が分散しているエマルジョン状態の媒体1220を生成し、これを光透過性材料からなるカプセル膜1230でコーティングしてカプセルを製造することができる(シェル(shell)型カプセル)。
【0088】
図13および図14は、本発明の一実施形態にかかるコロイド粒子を含む媒体が含まれているカプセルの実際的な例を示す図である。
【0089】
図13を参照すると、コロイド粒子を含有している媒体がカプセル膜で取り囲まれており、複数のカプセルにカプセル化されていることを確認することができる。また、図14を参照すると、図14は、本発明の一実施形態にかかるカプセルをさらに拡大して示す図であって、カプセル膜1420内にコロイド粒子1410が含まれていることをより明確に確認することができる。本発明の一実施形態によれば、コロイド粒子は、電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタであり得、媒体は、紫外線硬化性物質であり得、カプセル膜は、光透過性材料であるPDMS(Polydimethylsiloxane)からなり得る。
【0090】
このように、本発明の一実施形態によって媒体をカプセル化することにより、互いに異なるカプセルに含まれているコロイド粒子の間に混入などの直接的な干渉が発生することを防止することができ、印刷媒体に含まれるコロイド粒子間の間隔を各カプセルごとに独立して制御することができ、これにより、印刷媒体上でより精密な構造色を表現することができる。また、本発明の一実施形態によって媒体をカプセル化することにより、印刷媒体の一部の領域が損傷しても、印刷媒体の残りの領域が正常に動作することができ、その損傷した領域に対してのみ部分的に処置して損傷した領域を回復させることができるため、印刷媒体の維持および補修を容易にする効果が達成される。
【0091】
一方、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体は、コロイド粒子を分散状態で含有している媒体上に形成され、媒体および媒体中に分散しているコロイド粒子を外部環境から隔離する保護部材を含むことができる。
【0092】
図15は、本発明の一実施形態にかかり、保護部材を含む印刷媒体の構成を例示的に示す図である。
【0093】
図15を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体1500は、コロイド粒子を分散状態で含有している媒体1510、1520が散在している光透過性材料1530上に形成され、媒体1510、1520および媒体中に分散しているコロイド粒子を外部環境から隔離する保護部材1550を含むことができる。
【0094】
より具体的には、本発明の一実施形態にかかる保護部材1550は、媒体1510、1520を空気、水などの外部環境から隔離する機能を果たし、これにより、固定的な状態(例えば、固体状態、硬化した状態など)の媒体内に存在するコロイド粒子間の間隔を、外部環境からの影響を受けることなく一定に維持できるようになる。本発明の一実施形態にかかる保護部材1550には、光透過性ポリマー物質などを含むことができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で適切に変更可能である。
【0095】
図16は、本発明の一実施形態にかかり、印刷媒体上に多様な情報の表示を実現する実施形態を示す図である。参照として、図11の実施形態において、コロイド粒子として、酸化シリコン(SiO)電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタが使用され、媒体としては、紫外線の照射によって硬化する物質が使用された。図16を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷媒体は、印加される電場または磁場に応じて多様なパターンの構造色を実現可能であることを確認することができる。
【0096】
図17および図18は、本発明の一実施形態にかかり、保護部材を含む印刷媒体と、保護部材を含まない印刷媒体とを比較して実験した結果を示す図である。参照として、図17および図18の実施形態において、酸化シリコン(SiO)電荷層がコーティングされた酸化鉄(FeO)クラスタが使用され、媒体としては、温度の変化に応じて相変化する物質が使用され、保護部材としては、光透過性ポリマーフィルムが使用された。
【0097】
まず、図17は、本発明の一実施形態にかかる保護部材を含む印刷媒体1710および保護部材を含まない印刷媒体1720にそれぞれ磁場を印加して特定のパターンの構造色を実現し、それぞれエネルギーを減じて、前記実現された構造色を固定させた直後の様子を示す。図17を参照すると、構造色が実現および固定された直後には、保護部材を含む印刷媒体1710および保護部材を含まない印刷媒体1720において、いずれも構造色が正常に維持されていることを確認することができる。
【0098】
次に、図18は、本発明の一実施形態にかかる保護部材を含む印刷媒体1810および保護部材を含まない印刷媒体1820にそれぞれ構造色を実現して固定させた後、48時間経過した時点の様子を示す。図18を参照すると、保護部材を含む印刷媒体1810の場合、最初に実現された構造色が比較的正常に維持されているのに対し、保護部材を含まない印刷媒体1820の場合には、最初に実現された構造色が維持されずに何ら構造色を呈していないことを確認することができる。
【0099】
以上で説明したように、本発明の一実施形態にかかる保護部材は、粒子が分散された媒体を外部環境から隔離することにより、時間が経過しても粒子間の間隔が一定に維持されるようにする機能を果たすことができる。
【0100】
一方、本発明の一実施形態によれば、印刷媒体は、電場または磁場を印加するための手段である所定の電極または磁極を、印刷媒体の片面または両面に含むことができる。特に、保護部材を含む印刷媒体の場合には、媒体を外部環境から隔離する機能および電場または磁場を印加する機能を同時に果たす保護部材を含むことができ、そのような場合、例えば、保護部材は、光透過性電極材料であるインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)を含むことができる。
【0101】
一方、図19は、本発明の一実施形態にかかる印刷装置の構成を例示的に示す図である。図19を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷装置1900は、印刷対象物1950に対してコロイド粒子を含有している媒体(粒子含有媒体)1960を噴射する際に、噴射される媒体1960に対して磁場、電場などの外部刺激を印加してコロイド粒子間の間隔を制御することができ、噴射される媒体1960に対してエネルギーを印加するかあるいは前記媒体に対するエネルギーの印加を停止して媒体1960を固定的な状態に変化させることにより、媒体1960内に含まれているコロイド粒子間の間隔が前記制御された状態で固定されるようにすることができ、これにより、印刷対象物1950上に吸着された媒体1960が特定の波長の光を安定して反射するようにすることができる。
【0102】
図19を参照すると、本発明の一実施形態にかかる印刷装置1900は、貯蔵部1910と、噴射部1920と、電磁場生成部1930と、エネルギー生成部1940と、制御部(図示せず)とを含むことができる。
【0103】
また、本発明の一実施形態にかかる貯蔵部1910は、電荷を有するコロイド粒子を分散状態で含有している媒体を貯蔵することができる。
【0104】
さらに、本発明の一実施形態にかかる噴射部1920は、コロイド粒子を含む媒体1960を、印刷対象物1950に対して水滴(droplet)形態で噴射することができる。
【0105】
また、本発明の一実施形態にかかる電磁場生成部1930は、噴射される媒体1960に対して電場または磁場を印加することによって、媒体1960中に含まれているコロイド粒子間の間隔を制御することができる。
【0106】
さらに、本発明の一実施形態にかかるエネルギー生成部1940は、噴射される媒体1960に対してエネルギー(例えば、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、化学エネルギーなど)を印加するかまたは前記エネルギーの印加を停止することによって媒体1960を固定的な状態(例えば、固体状態、硬化した状態など)に変化させ、これにより、媒体1960内に含まれているコロイド粒子間の間隔を、電磁場生成部1930によって制御された状態で固定することができる。
【0107】
最後に、本発明の一実施形態にかかる制御部(図示せず)は、印刷対象物1950上の状況に応じて特定の領域に特定の構造色を正確に実現できるようにするために、貯蔵部1910、噴射部1920、電磁場生成部1930、およびエネルギー生成部1940の各機能を制御することができる。
【0108】
一方、図20は、本発明の他の実施形態にかかる印刷装置2000の構成を例示的に示す図である。図20を参照すると、本発明の他の実施形態にかかる印刷装置2000は、貯蔵部2010と、噴射部2020と、電磁場生成部2030と、エネルギー生成部2040と、制御部(図示せず)とを含むことができる。特に、本発明の他の実施形態にかかる印刷装置2000の電磁場生成部2030およびエネルギー生成部2040は、印刷対象物2050の下側に設置可能である。
【0109】
まず、本発明の他の実施形態にかかる噴射部2020は、コロイド粒子を含む媒体2060を、印刷対象物2050に対して水滴(droplet)形態で噴射することができる。
【0110】
また、本発明の他の実施形態にかかる電磁場生成部2030は、噴射部2020によって噴射され印刷対象物2050上に付着した媒体2060に対して電場または磁場を印加することによって、媒体2060中に含まれているコロイド粒子間の間隔を制御することができる。
【0111】
さらに、本発明の他の実施形態にかかるエネルギー生成部2040は、噴射部2020によって噴射され印刷対象物2050上に付着した媒体2060に対してエネルギーを印加するかまたは前記エネルギーの印加を停止することによって媒体2060を固定的な状態(例えば、固体状態、硬化した状態など)に変化させ、これにより、媒体2060中に含まれているコロイド粒子間の間隔を、電磁場生成部2030によって制御された状態で固定することができる。
【0112】
図20に示す印刷装置2000のその他の構成は、図19に示す印刷装置1900と同一または類似するため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0113】
以上で説明したように、本発明にかかる印刷装置によれば、従来は多様な色を表現するのに使用されていた複数種類の色素物質(例えば、インク、トナーなど)を用いなくても、1種類の物質のみを用いて印刷対象物上にフルカラーの情報を印刷することができる。
【0114】
以上のように、本発明では、具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施形態および図面によって説明されたが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、かかる記載から多様な修正および変形が可能である。
【0115】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限られて定められてはならず、後述する特許請求の範囲のみならず、この特許請求の範囲と均等または等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するとみなすべきである。
【符号の説明】
【0116】
110、510、610、910、1010、1210、1410:コロイド粒子
112:クラスタ
114:電荷層
120、520、620、920、1020、1220、1420、1510、1520:媒体
500、600、700、1500:印刷媒体
530、630、740、1540:基板
710、720:第1の媒体領域、第2の媒体領域
730、930、1530:光透過性材料
1030:光透過性材料
1110:カプセル
1230、1420:カプセル膜
1550:保護部材
1710、1810:保護部材を含む印刷媒体
1720、1820:保護部材を含まない印刷媒体
1900、2000:印刷装置
1910、2010:貯蔵部
1920、2020:噴射部
1930、2030:電磁場生成部
1940、2040:エネルギー生成部
1950、2050:印刷対象物
1960、2060:噴射された媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光結晶性を利用した印刷媒体であって、
電荷を有する複数の粒子を分散状態で含有している粒子含有媒体を含み、
前記粒子含有媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加することによって前記粒子間の間隔を制御し、その後、前記粒子含有媒体に対してエネルギーを印加することによって前記粒子間の間隔を固定するようにしたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項2】
光結晶性を利用した印刷媒体であって、
電荷を有する複数の粒子を分散状態で含有している粒子含有媒体を含み、
前記粒子含有媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つと或るエネルギーとを印加することによって前記粒子間の間隔を制御し、その後、前記粒子含有媒体に対する前記エネルギーの印加を停止することによって前記粒子間の間隔を固定するようにしたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記粒子含有媒体が、可逆的に相変化可能な物質、可逆的に粘度変化可能な物質、および非可逆的に硬化可能な物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする印刷媒体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記エネルギーが、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、および化学的エネルギーのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする印刷媒体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記電場の強度または方向のうちの少なくとも1つの変化に応じて前記粒子間の間隔を変化させ、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長を変化させるようにしたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項6】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記磁場の強度または方向のうちの少なくとも1つの変化に応じて前記粒子間の間隔を変化させ、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長を変化させるようにしたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項7】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記粒子自体が電荷を有するか、あるいは前記粒子の性質を任意に変化させることによって前記粒子が電荷を有するようにしたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項8】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記粒子が、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1つの成分を含むことを特徴とする印刷媒体。
【請求項9】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記粒子含有媒体に対してエネルギーを印加することによって、前記粒子間の間隔が固定された状態を解除するようにしたことを特徴とする印刷媒体。
【請求項10】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
光透過性材料をさらに含み、
前記光透過性材料内に前記粒子含有媒体が散在するように構成したことを特徴とする印刷媒体。
【請求項11】
請求項1または2に記載の印刷媒体であって、
前記粒子含有媒体上に形成され、前記粒子含有媒体を外部環境から隔離する保護部材をさらに含むことを特徴とする印刷媒体。
【請求項12】
光結晶性を利用した印刷方法であって、
電荷を有する複数の粒子を分散状態で含有している粒子含有媒体を噴射するステップと、
前記粒子含有媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加することによって前記粒子間の間隔を制御するステップと、
前記粒子含有媒体に対してエネルギーを印加することによって前記粒子間の間隔を固定するステップとを含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
光結晶性を利用した印刷方法であって、
電荷を有する複数の粒子を分散状態で含有している粒子含有媒体を噴射するステップと、
前記粒子含有媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つと或るエネルギーとを印加することによって前記粒子間の間隔を制御するステップと、
前記粒子含有媒体に対する前記エネルギーの印加を停止することによって前記粒子間の間隔を固定するステップとを含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
前記粒子含有媒体が、可逆的に相変化可能な物質、可逆的に粘度変化可能な物質、および非可逆的に硬化可能な物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
前記エネルギーが、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、および化学的エネルギーのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項16】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
前記電場の強度または方向のうちの少なくとも1つの変化に応じて前記粒子間の間隔を変化させ、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長を変化させるようにしたことを特徴とする印刷方法。
【請求項17】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
前記磁場の強度または方向のうちの少なくとも1つの変化に応じて前記粒子間の間隔を変化させ、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長を変化させるようにしたことを特徴とする印刷方法。
【請求項18】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
前記粒子自体が電荷を有するか、あるいは前記粒子の性質を任意に変化させることによって前記粒子が電荷を有するようにしたことを特徴とする印刷方法。
【請求項19】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
前記粒子が、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1つの成分を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項20】
請求項12または13に記載の印刷方法であって、
印刷対象物上に付着させた前記粒子含有媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加するようにしたことを特徴とする印刷方法。
【請求項21】
光結晶性を利用した印刷装置であって、
電荷を有する複数の粒子を分散状態で含有している粒子含有媒体を噴射する噴射部と、
前記粒子含有媒体に対して印加される電場および磁場のうちの少なくとも1つを生成する電磁場生成部と、
前記粒子含有媒体に対して印加されるエネルギーを生成するエネルギー生成部とを含み、
前記粒子含有媒体に対して前記電磁場生成部で生成された電場および磁場のうちの少なくとも1つを印加することによって前記粒子間の間隔を制御し、その後、前記粒子含有媒体に対して前記エネルギー生成部で生成されたエネルギーを印加することによって前記粒子間の間隔を固定するようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項22】
光結晶性を利用した印刷装置であって、
電荷を有する複数の粒子を分散状態で含有している粒子含有媒体を噴射する噴射部と、
前記粒子含有媒体に対して印加される電場および磁場のうちの少なくとも1つを生成する電磁場生成部と、
前記粒子含有媒体に対して印加されるエネルギーを生成するエネルギー生成部とを含み、
前記粒子含有媒体に対して前記電磁場生成部で生成された電場および磁場のうちの少なくとも1つと前記エネルギー生成部で生成されたエネルギーとを印加することによって前記粒子間の間隔を制御し、その後、前記粒子含有媒体に対する前記エネルギーの印加を停止することによって前記粒子間の間隔を固定するようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項23】
請求項21または22に記載の印刷装置であって、
前記エネルギー生成部が、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、力学的エネルギー、および化学的エネルギーのうちの少なくとも1つを生成することを特徴とする印刷装置。
【請求項24】
請求項21または22に記載の印刷装置であって、
前記電磁場生成部で生成される電場の強度または方向のうちの少なくとも1つの変化に応じて前記粒子間の間隔を変化させ、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長を変化させるようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項25】
請求項21または22に記載の印刷装置であって、
前記電磁場生成部で生成される磁場の強度または方向のうちの少なくとも1つの変化に応じて前記粒子間の間隔を変化させ、前記間隔の変化に応じて前記粒子から反射される光の波長を変化させるようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項26】
請求項21または22に記載の印刷装置であって、
印刷対象物上に付着させた前記粒子含有媒体に対して電場および磁場のうちの少なくとも1つを印可するようにしたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図12】
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【図15】
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【図19】
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【図20】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2013−501257(P2013−501257A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523566(P2012−523566)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005136
【国際公開番号】WO2011/016681
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(511259360)ナノブリック カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】