説明

光触媒を用いた糖アルコールの製造方法

【課題】穏和な反応条件で糖類から糖アルコールを環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで製造出来る方法を提供する。
【解決手段】酸と、光照射により活性化された光触媒との存在下で糖を還元して糖アルコールを形成させる還元工程を含む、糖アルコールを製造する方法であり、光触媒が、シリコン、シリコンカーバイド、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム及びガリウムリンからなる群より選択される1種以上の成分を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒を用いて糖から糖アルコール、特にグルコースからソルビトールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
持続型社会構築のために、化石資源からバイオマス利用への転換が求められている。また、温室効果ガスである二酸化炭素削減の観点からも、カーボンニュートラル資源であるバイオマスの有効利用は重要となる。このため、石油化学に代わり再生可能な資源であるバイオマスを変換して、燃料及び化学製品を製造するバイオリファイナリーの研究が盛んに行われている。バイオリファイナリーとは、植物が、太陽エネルギー、水及び二酸化炭素から光合成によって生産するバイオマスを原料として、エネルギー源として利用可能なバイオエタノール、バイオディーゼル及び/又はその他の有用化学物質を製造する技術を意味する。
【0003】
植物由来のバイオマス、特に木質系バイオマスをエネルギー源として利用する場合、バイオマスを燃やして二酸化炭素が発生しても、その二酸化炭素は植物が成長する過程で光合成により大気中から吸収したものであるため、二酸化炭素の全体収支としては、増加分がない(カーボンニュートラル)。また、石油が中東等の特定の地域に偏在しているのに対し、植物は地球上に広く分布している。それ故、バイオリファイナリーは、従来の石油化学と比較して環境負荷が小さく、石油依存度の低下を図ることが出来るという利点を有する。
【0004】
植物由来のバイオマスの主要構成物質として、グルコースを挙げることが出来る。グルコースは、セルロースの糖化により得られ、発酵によるバイオエタノール合成の原料となる他、様々な有用製品の原料となる。例えば、グルコースを還元すると、糖アルコールであるソルビトール又はマンニトールへ変換出来る。
【0005】
ソルビトールは、人工甘味料、プラスチック及び燃料電池用水素供給体のような石油化学製品の原料となるだけでなく、ビタミンC、乳酸及びバイオエタノールのような発酵製品の原料となる。このように、ソルビトールは多様な製品の原料となることから、米国エネルギー省によって12種類のバイオリファイナリー基幹物質の1つに認定されている。
【0006】
ソルビトールは、天然には殆ど存在しないため、通常はグルコース等の単糖を原料にして合成される。例えば、特許文献1及び2は、高圧及び高温下における水溶液中の糖の接触水素化による糖アルコールの製造法を記載する。特許文献1によれば、100〜400 barの水素圧及び40〜80℃の温度下において、鉄、コバルト及びニッケルを含む第VIII亜族の鉄亜族のうちの一つ若しくは複数の元素(これらの元素は活性化作用を有する第VI亜族の元素によりさらに合金化されている)からなる成形体を用いることにより、α-D-グルコースからソルビトールを製造することが出来る。また、特許文献2によれば、100〜400 barの水素圧及び20〜70℃の温度下において、鉄、コバルト及びニッケルを含む第VIII副族の鉄副族の1種以上の元素(さらにIV族及び/又はV族の活性化元素を混ぜて合金にされている)からなる成形体を用いることにより、α-D-グルコースからソルビトールを製造することが出来る。
【0007】
特許文献3は、糖又はその二種若しくはそれ以上の混合物を触媒の存在下において水素と接触させて糖アルコール又はその二種若しくはそれ以上の混合物を生成させる工程を含む、糖又はその二種若しくはそれ以上の混合物の水素化のための方法を記載する。当該文献によれば、前記触媒は、白金、ロジウム、パラジウム、コバルト、ニッケル又はルテニウムを含む周期表のVIII族の遷移金属の少なくとも一種単独又は周期表のI又はVII族の遷移金属の少なくとも一種と一緒にした均質化合物の少なくとも一種からなり、現場で担体上に沈着させる。当該方法により、グルコースからソルビトールを製造することが出来る。
【0008】
特許文献4は、水素化により糖アルコールを形成するサッカリドの水性溶液を、ルテニウム触媒の存在下で接触水素化することによってその対応する糖アルコールを連続的に製造する方法を記載する。当該文献によれば、40〜200 barの範囲の水素分圧下、80〜150℃の範囲の温度で水素化が実施される。当該方法により、ソルビトールを製造することが出来る。
【0009】
非特許文献1は、白金又はルテニウムを、ゼオライト又はアルミナに担持させた触媒を用いる接触水素化反応により、セルロースからグルコースを経て、ソルビトール及びその異性体であるマンニトールを製造する方法を記載する。当該文献によれば、反応は443〜473 K(170〜200℃)の範囲の温度で行われ、水素圧は、常温時において5 MPa(50 bar)必要である。
【0010】
非特許文献2は、ルテニウム担持活性炭触媒を用いる接触水素化反応により、セルロースからグルコースを経て、ソルビトール及びその異性体であるマンニトールを製造する方法を記載する。当該文献によれば、反応は478〜533 K(205〜250℃)の範囲の温度で行われ、水素圧は、6 MPa(60 bar)必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7-304699号公報
【特許文献2】特開平10-204010号公報
【特許文献3】特開平11-322738号公報
【特許文献4】特開2006-509833号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Fukuokaら, Angew. Chem. Int. Ed., 2006年, 第45巻, p. 5161
【非特許文献2】Liuら, Angew. Chem. Int. Ed., 2007年, 第46巻, p. 7636
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、ソルビトール等の糖アルコールは、通常はラネーニッケルのような金属触媒を用いて糖を還元(水素添加)することによって合成される。かかる合成法の場合、水素源として使用される水素ガスを反応溶液中に十分溶存させるために、数〜数十MPaの高圧条件下で反応を行う必要があり、且つ反応を進行させるために高温条件下で反応を行う必要がある。このため、オートクレーブのような加熱機構を備えた耐圧反応容器中で反応を実施しなければならない。加えて、高温条件下で反応させるため、熱エネルギーの投入が必要となる。このように、従来技術の方法は、安全性及び経済性の観点から不利である。
【0014】
それ故、本発明は、穏和な反応条件で糖から糖アルコールを環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで製造出来る方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、グルコースに酸及び光触媒を作用させることにより、室温及び大気圧のような穏和な条件下でも効率良くソルビトールを製造出来ることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 酸と、光照射により活性化された光触媒との存在下で糖を還元して糖アルコールを形成させる還元工程を含む、糖アルコールを製造する方法。
(2) 光触媒が、可視光領域の光照射により活性化される、前記(1)の方法。
(3) 光触媒が、シリコン、シリコンカーバイド、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム及びガリウムリンからなる群より選択される1種以上の光触媒成分を含有する、前記(1)又は(2)の方法。
(4) 光触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、ニッケル及びロジウムからなる群より選択される1種以上の貴金属成分をさらに含有する、前記(3)の方法。
【0017】
(5) 酸が、ギ酸、シュウ酸及び亜リン酸からなる群より選択される1種以上の酸成分を含有する、前記(1)〜(4)のいずれかの方法。
(6) 糖がグルコースであり、糖アルコールがソルビトールである、前記(1)〜(5)のいずれかの方法。
(7) 酸と光触媒との組み合わせを含む、糖を還元して糖アルコールを形成させるための触媒。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、穏和な反応条件で糖から糖アルコールを環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで製造出来る方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の方法の一実施形態を示す工程図である。
【図2】本発明の方法を実施するための閉鎖循環式光反応装置の一実施形態を示す図である。
【図3】実施例1-1のPd/Si光触媒及びRu/Si光触媒のXRDスペクトルを示す図である。A:Pd/Si光触媒のXRDスペクトル;B:Ru/Si光触媒のXRDスペクトル。
【図4】実施例1-2の反応混合物(濾液)の1H NMRスペクトルを示す図である。ソルビトール及び副生成物に由来するピークを丸で示す。A:暗条件下の反応混合物の1H NMRスペクトル;B:明条件下の反応混合物の1H NMRスペクトル;C:グルコースの1H NMRスペクトル。
【図5】実施例1-3の反応混合物(濾液)の1H NMRスペクトルを示す図である。A:試験区(1)(+ Si光触媒 /- ギ酸)の反応混合物の1H NMRスペクトル;B:試験区(2)(- Si光触媒 /+ ギ酸)の反応混合物の1H NMRスペクトル;C:試験区(3)(+ Si光触媒 /+ ギ酸)の反応混合物の1H NMRスペクトル;D:グルコースの1H NMRスペクトル。
【図6】実施例1-4の反応混合物(濾液)の1H NMRスペクトルを示す図である。A:試験区(1)7.2 Mギ酸を含む反応混合物の1H NMRスペクトル;B:試験区(2)4.8 Mギ酸を含む反応混合物の1H NMRスペクトル;C:試験区(3)2.4 Mギ酸を含む反応混合物の1H NMRスペクトル;D:試験区(4)1.2 Mギ酸を含む反応混合物の1H NMRスペクトル;E:試験区(5)ギ酸を含まない反応混合物の1H NMRスペクトル;F:グルコースの1H NMRスペクトル。
【図7】実施例2-3の各光触媒の金属担持量と水素生成量との関係を示す図である。横軸に金属担持量(質量%)を、縦軸に水素生成量(μmol)を、それぞれ示す。
【図8】実施例2-4の異なる金属担持量のPd/Si光触媒についての水素生成量の経時変化を示す図である。横軸に反応時間(時間)を、縦軸に水素生成量(μmol)を、それぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<1. 糖アルコールを製造する方法>
本発明は、糖アルコールを製造する方法に関する。
図1は、本発明の糖アルコールを製造する方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図1に基づき、本発明の方法の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0021】
[1-1. 還元工程]
本発明の方法は、酸と光触媒との存在下で糖を還元して糖アルコールを形成させる還元工程(工程S1)を含む。
【0022】
本明細書において、「光触媒」は、光照射によって電子が価電子帯(valence band)から伝導帯(conduction band)に光励起されて励起電子(e-)及び正孔(h+)を形成し、触媒作用を発現する物質を意味する。本発明者は、酸及び光触媒存在下でグルコースの還元反応を行うと、常温及び常圧下であってもグルコースが還元されてソルビトールが形成されることを見出した。
【0023】
本工程において使用される光触媒は、シリコン、シリコンカーバイド、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム及びガリウムリンからなる群より選択される1種以上の光触媒成分を含有することが好ましく、シリコン又はシリコンカーバイドを含有することがより好ましい。当該光触媒は、上記の光触媒成分のうちの1種のみからなる単体若しくは化合物、又は複数の光触媒成分の組み合わせからなる混合物若しくは合金の形態であってもよく、例えばカーボン担体のような当該技術分野で慣用される担体に光触媒成分が担持された形態であってもよい。
【0024】
また、本工程において使用される光触媒は、上記の光触媒成分に加えて、パラジウム、白金、ルテニウム、ニッケル及びロジウムからなる群より選択される1種以上の貴金属成分をさらに含有することが好ましく、パラジウム、白金又はルテニウムをさらに含有することがより好ましい。当該貴金属成分は、上記のうちの1種のみからなる単体又は複数の貴金属成分の組み合わせからなる合金の形態であってもよい。光触媒が光触媒成分及び貴金属成分を含有する場合、当該光触媒は、光触媒成分又は担体に貴金属成分が担持された形態であることが好ましい。
【0025】
上記の光触媒成分及び貴金属成分を含有する光触媒を用いることにより、穏和な反応条件で糖アルコールを製造することが可能となる。
【0026】
本工程において使用される光触媒は、結晶質であっても非晶質であってもよく、結晶質に非晶質が混在している形態でもよい。結晶質であることが好ましい。光触媒の結晶形態は、限定するものではないが、例えば、光触媒のX線回折(XRD)を測定することによって決定することが出来る。
【0027】
本工程において使用される光触媒は、10〜5000 nmの範囲の平均粒径を有する微粒子の形態であることが好ましい。光触媒の平均粒径は、限定するものではないが、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により長軸方向の長さを測定し、10程度の測定値の平均値として算出するか、又はX線回折装置(XRD)により小角散乱測定を行うことによって決定することが出来る。
【0028】
上記の形態の光触媒を用いることにより、光触媒の触媒効率を向上させることが可能となる。
【0029】
本工程において使用される光触媒は、限定するものではないが、例えば、光触媒成分と所望により担体及び/又は貴金属成分若しくは貴金属成分の塩を含む溶液若しくは分散液とを溶媒中で混合した後、溶媒を除去して得られた混合物を、アルゴン、ヘリウム又は窒素のような不活性ガス気流下、150〜400℃で焼成するか、又は水素ガス気流下、150〜400℃で還元することによって得ることが出来る。
【0030】
上記の特徴を有する光触媒を用いることにより、環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで糖アルコールを製造することが可能となる。また、従来技術のような高圧条件にすることなく、糖アルコールを製造することが可能となる。
【0031】
本発明者は、グルコースの還元反応に対する光触媒の触媒効果は、光照射をしていない光触媒存在下でも発現するが、光照射により活性化された光触媒存在下でより顕著に発現することを見出した。それ故、本工程において使用される光触媒は、光照射により活性化されていることが好ましい。ここで、光触媒を活性化させるために照射される光の照射波長は、使用される光触媒成分の種類に基づき適宜選択される。上記の光触媒成分を使用する場合、可視光領域〜紫外光領域の波長の光を含む様々な光源(例えば、太陽光)を、光触媒を活性化させるために使用することが出来る。光照射に要するコストの観点から、可視光領域の波長の光を含む光照射により光触媒を活性化させることが好ましく、波長270〜800 nmの範囲の可視光領域の波長の光を含む光照射により光触媒を活性化させることがより好ましい。上記の条件の光照射により活性化された光触媒存在下で本工程を実施することにより、糖アルコールの収量を飛躍的に増大させることが可能となる。
【0032】
また、本発明者は、グルコースの還元反応に対する光触媒の触媒効果は、貴金属成分を含有しない光触媒存在下でも発現するが、光触媒成分及び貴金属成分を含有する光触媒存在下でより顕著に発現することを見出した。それ故、本工程において使用される光触媒は、光触媒成分に加えて貴金属成分をさらに含有することが好ましい。光触媒が光触媒成分に加えて貴金属成分をさらに含有する場合、貴金属成分の含有量は、光触媒の総質量に対して1〜10質量%の範囲であることが好ましく、1〜2質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で貴金属成分を含有する光触媒存在下で本工程を実施することにより、より高収率で糖アルコールを製造することが可能となる。
【0033】
本発明の方法において、酸は、光触媒にプロトンを供与する。このプロトンは、光触媒において価電子帯から伝導帯に光励起された励起電子を受容して活性水素となり、還元力を生ずる。一方、価電子帯に生じた正孔は、酸アニオンを酸化することによって中和される。このように、本発明の方法では、光照射により活性化された光触媒により酸から活性水素を発生させるため、高温及び/又は高圧条件でなくとも糖を還元して糖アルコールを形成させることが可能となる。
【0034】
本工程において使用される酸は、ギ酸、シュウ酸及び亜リン酸からなる群より選択される1種以上の酸成分を含有することが好ましく、ギ酸を含有することがより好ましい。酸は、上記の1種以上の酸成分のみを含有する形態であってもよく、以下で説明する溶媒に1種以上の酸成分が分散又は溶解された酸分散液又は酸溶液の形態であってもよい。また、本工程において使用される各成分を含有する反応溶液又は分散液中の酸の濃度は、0.5〜3.0 Mの範囲であることが好ましく、1.5〜2.5 Mの範囲であることがより好ましい。上記の酸を用いることにより、従来技術と比較してより穏和な反応条件下で糖アルコールを製造することが可能となる。
【0035】
本工程は、酸、光触媒、糖及び糖アルコールを分散又は溶解させる溶媒存在下で実施することが好ましい。本工程において使用される溶媒は、糖の還元反応を阻害するものでなければ特に制限されず、糖の還元反応に慣用される溶媒を使用することが出来る。当該溶媒は、限定するものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール及びテトラヒドロフランを挙げることが出来る。本発明の方法が環境に配慮した製造方法であることを考慮した場合、揮発性であり環境負荷を与える有機溶媒を用いずに、水を溶媒として用いることが好ましい。上記の溶媒存在下で本工程を実施することにより、糖の還元反応を促進させることが可能となる。
【0036】
本発明の方法は、光触媒の作用によって糖の還元反応が促進されることを特徴とする。このため、特許文献1〜4に記載の方法のように、高温及び/又は高圧条件下で反応を実施する必要はなく、より穏和な反応条件、例えば常温及び常圧条件下で反応を実施することが出来る。本工程を実施する温度は、15〜150℃の範囲であることが好ましく、80〜100℃の範囲であることがより好ましい。本工程を実施する圧力は、98〜700 kPaの範囲であることが好ましく、98〜120 kPaの範囲であることがより好ましい。また、本工程を実施する時間は、1〜14時間の範囲であることが好ましく、5〜12時間の範囲であることがより好ましい。上記の条件で本工程を実施することにより、加熱及び/又は加圧することなく、糖アルコールを製造することが可能となる。
【0037】
上記の条件で本工程を実施する手段は特に制限はなく、当該技術分野で慣用される反応装置を用いることが出来る。
【0038】
図2は、本発明の方法を実施するための閉鎖循環式光反応装置の一実施形態を示す図である。閉鎖循環式光反応装置101を用いて本工程を実施する場合、ガラス製反応管1に酸、光触媒、糖及び溶媒を入れ、所望によりスターラーを用いて撹拌しながら真空ポンプ9を用いて減圧・脱気する。その後、アルゴンガスボンベ7からアルゴンガスを所定の圧力となるように充填し、反応管1の上部から、紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ2を用いて可視光を照射し、糖を還元反応させる。
【0039】
光触媒を活性化させるために使用される光源が太陽光の場合、光透過性の反応容器(例えばガラス容器)に酸、光触媒、糖及び溶媒を入れ、所望によりスターラーを用いて撹拌しながら反応容器の外部より太陽光を照射して、本工程を実施してもよい。
【0040】
以上のように本工程を実施することにより、環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで糖アルコールを製造することが可能となる。
【0041】
[1-2. 分離工程]
本発明の方法は、脱水工程で得られた反応混合物から反応液と使用済み光触媒とを分離する分離工程(工程S2)を含んでもよい。
【0042】
反応液と使用済み光触媒とを分離する手段は特に制限されず、遠心分離又は濾過のような、当該技術分野で慣用される通常の分離手段を使用すればよい。その後、反応液に含有される糖アルコールを、相分離又は分取クロマトグラフィーのような精製手段によって反応液から精製及び単離することが出来る。
【0043】
[1-3. 洗浄工程]
分離工程で得られた使用済み光触媒は、強酸及び/又は強アルカリで処理して夾雑物を除去及び洗浄した後、本発明の方法に再使用してもよい。それ故、本発明の方法は、分離工程で得られた使用済み光触媒を洗浄して再利用可能な状態にする洗浄工程(工程S3)を含んでもよい。
【0044】
以上のように、本発明により、穏和な反応条件で糖から糖アルコールを環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで製造出来る方法を提供することが可能となる。
【0045】
<2. 糖アルコールを形成させるための触媒>
本発明はまた、糖を還元して糖アルコールを形成させるための触媒に関する。
本発明の糖アルコールを形成させるための触媒は、酸と光触媒との組み合わせを含む。当該組み合わせは、上記で説明した酸と光触媒との組み合わせであることが好ましい。
【0046】
本発明の糖アルコールを形成させるための触媒は、酸と光触媒とを、両者が一緒に配合された混合物の形態で含む触媒であってもよく、酸と光触媒とを、それぞれ別々の形態で含むキットであってもよい。いずれの形態も、本発明の酸と光触媒との組み合わせを含む、糖を還元して糖アルコールを形成させるための触媒に包含される。
【0047】
上記の特徴を有することにより、本発明の触媒は、穏和な反応条件で糖を還元して、環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで糖アルコールを形成させることが可能となる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0049】
<実施例1-1:光触媒の調製>
[Pd/Si光触媒]
2.0 gのSi(シリコンパウダー、60メッシュ、99.999%;SIGMA ALDRICH)と、0.278 mlの0.34 M Na2PdCl4水溶液と、20 mlのイオン交換水とを500 mlビーカーに入れて超音波照射した。撹拌後、80℃のホットプレート上で乾燥させた後、Ar気流下、150℃で1時間、400℃で15分間の条件で焼成した。得られた固体粉末をアセトンで洗浄し、80℃で24時間乾燥させた。得られたPd/Si光触媒の総質量に対するPdの担持量は1質量%だった。
【0050】
[Ru/Si光触媒]
2.0 gのSi(シリコンパウダー、60メッシュ、99.999%;SIGMA ALDRICH)と、9.89 mlの20 mM ナノRu分散液(ナノルテニウム分散液、2〜6 nm、20 mM(水/エタノール)、PVP分散剤、和光純薬工業株式会社)と、20 mlのイオン交換水とを500 mlビーカーに入れて超音波照射した。撹拌後、80℃のホットプレート上で乾燥させた後、H2気流下、150℃で1時間、400℃で15分間の条件で還元した。得られた固体粉末をイオン交換水で洗浄し、80℃で24時間乾燥させた。得られたRu/Si光触媒の総質量に対するRuの担持量は1質量%だった。
【0051】
得られたPd/Si光触媒及びRu/Si光触媒のX線回折(XRD)及びエネルギー分散型X線分光(EDX)スペクトルを測定した。Pd/Si光触媒及びRu/Si光触媒のXRDスペクトルを図3に示す。
【0052】
図3Aに示すように、Pd/Si光触媒のXRDスペクトルには、2θ=39.8°にPdに由来するピークが僅かながら観測されたことから、Pdが担持されたことが確認出来た。一方、図3Bに示すように、Ru/Si光触媒のXRDスペクトルには、Ruに由来するピークは観測されなかった。また、EDXスペクトルにおいてもRuに由来するピークは観測されなかった。この結果は、Ru/Si光触媒の調製にナノRu分散液を用いたため、担持されたRu粒子の粒径が小さく検出できなかったことに起因すると考えられる。
【0053】
<実施例1-2:明条件又は暗条件下における糖アルコールの合成>
図2に示す閉鎖循環式光反応装置101を用いて、以下の実験を行った。閉鎖循環式光反応装置101は、ガラス製反応管1と、紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ2と、反応管1及びキセノンランプ2を収容し、ガス導入口を有する遮光容器3と、遮光容器3に設置された冷却装置4と、反応管1を収容するように遮光容器3に設置された保温ジャケット5と、ガス導入口に設置された保温ジャケット6と、アルゴンガスボンベ7と、熱伝導検出器(TCD)8と、真空ポンプ9とを備え、遮光容器3のガス導入口とアルゴンガスボンベ7とを接続する流路と、遮光容器3のガス導入口と熱伝導検出器8とを接続する流路と、遮光容器3のガス導入口と真空ポンプ9とを接続する流路とを備え、遮光容器3のガス導入口とアルゴンガスボンベ7とを接続する流路に配設された圧力計10と、遮光容器3のガス導入口と熱伝導検出器8とを接続する流路に配設されたグリスコック12と、遮光容器3のガス導入口と真空ポンプ9とを接続する流路に配設された真空計11及びグリスコック12とを備える。遮光容器3のガス導入口とアルゴンガスボンベ7とを接続する流路、遮光容器3のガス導入口と熱伝導検出器8とを接続する流路、及び遮光容器3のガス導入口と真空ポンプ9とを接続する流路は、各流路の途中に分岐点を有し、該分岐点を介して互いに接続されるように配設される。また、閉鎖循環式光反応装置101は、上記の分岐点に少なくとも1個の三方分岐グリスコック13を備える。
【0054】
0.2 gのSi光触媒(シリコンパウダー、60メッシュ、99.999%;SIGMA ALDRICH)、20 mlのイオン交換水、2 mlのギ酸(98%;和光純薬工業株式会社)及び0.2 gのD(+)-グルコース(和光純薬工業株式会社)を反応管1に入れ、スターラーを用いて400 rpmの撹拌速度で撹拌しながら0.8 kPaまで脱気した。その後、反応管1に、アルゴンガスボンベ7からアルゴンガスを98 kPa(1気圧)の圧力となるように充填した。反応管1の上部から、紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ2を用いて可視光を照射(照射波長:270〜800 nm)しながら明条件下で、又はキセノンランプ2を点灯せず暗条件下で、それぞれ25℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を25℃、3000 rpmで30分間遠心分離して上清液を得た。上清液を、孔径0.45 μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、濾液を得た。
【0055】
1H NMRにより、濾液に含まれる成分を分析した。暗条件下及び明条件下の反応物の1H NMRスペクトルを図4A及びBに、グルコースの1H NMRスペクトルを図4Cに、それぞれ示す。なお、1H NMR分析の条件は以下の通りである。
1H NMR分析
装置 :ブルカーAC250P、400 MHz
溶媒 :重水
基準物質:TMS
【0056】
図4Bに示すように、明条件下の濾液の1H NMRスペクトル上には、糖アルコールであるソルビトールに由来するピーク(δ(ppm), 3.4-3.7 (m))が観測された。また、副生成物に由来すると推測される未同定ピークも観測された。
【0057】
一方、図4Aに示すように、暗条件下の濾液の1H NMRスペクトル上にも同様のピークが観測されたが、原料であるグルコースのピーク面積との対比から、ソルビトールの収量は明条件下と比較して低いことが明らかとなった。
【0058】
<実施例1-3:酸及び光触媒の効果>
試験区として、(1)Si光触媒を含みギ酸を含まない試料(+ Si光触媒 /- ギ酸);(2)Si光触媒を含まずギ酸を含む試料(- Si光触媒 /+ ギ酸);及び(3)Si光触媒及びギ酸を含む試料(+ Si光触媒 /+ ギ酸)を設定した。実施例2と同様に閉鎖循環式光反応装置101を用いて、0又は0.2 gのSi光触媒、20 mlのイオン交換水、0又は2 mlのギ酸及び0.2 gのD(+)-グルコースを反応管1に入れ、反応管1の上部から、紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ2を用いて可視光を照射(照射波長:270〜800 nm)しながら明条件下で、25℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を25℃、3000 rpmで30分間遠心分離して上清液を得た。上清液を、孔径0.45 μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、濾液を得た。
【0059】
1H NMRにより、濾液に含まれる成分を分析した。試験区(1)〜(3)の反応混合物の1H NMRスペクトルを図5A〜Cに、グルコースの1H NMRスペクトルを図5Dに、それぞれ示す。
【0060】
図5Cに示すように、Si光触媒及びギ酸を含む試料では、ソルビトールに由来するピークが観測された。これに対し、Si光触媒を含みギ酸を含まない試料では、ソルビトールに由来するピークは殆ど観測されず(図5A)、Si光触媒を含まずギ酸を含む試料では、ソルビトールに由来するピークは観測されたものの、Si光触媒及びギ酸を含む試料の場合と比較してソルビトールの収量は低かった(図5B)。
【0061】
以上の結果より、グルコースから効率的に糖アルコールを製造するためには、酸触媒及び光触媒の両方が必要であることが明らかとなった。
【0062】
<実施例1-4:酸触媒量の影響>
試験区として、(1)6 mlギ酸を含む試料(最終濃度7.2 M); (2)4 mlギ酸を含む試料(最終濃度4.8 M);(3)2 mlギ酸を含む試料(最終濃度2.4 M);(4)1 mlギ酸を含む試料(最終濃度1.2 M);(5)ギ酸を含まない試料(0 mlギ酸(最終濃度0 M))を設定した。実施例2と同様に閉鎖循環式光反応装置101を用いて、0.2 gのSi光触媒、20 mlのイオン交換水、所定量のギ酸及び0.2 gのD(+)-グルコースを反応管1に入れ、反応管1の上部から、紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ2を用いて可視光を照射(照射波長:270〜800 nm)しながら明条件下で、25℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を25℃、3000 rpmで30分間遠心分離して上清液を得た。上清液を、孔径0.45 μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、濾液を得た。
【0063】
1H NMRにより、濾液に含まれる成分を分析した。試験区(1)〜(5)の反応物の1H NMRスペクトルを図6A〜Eに、グルコースの1H NMRスペクトルを図6Fに、それぞれ示す。
【0064】
図6C〜Eに示すように、反応混合物中のギ酸濃度が2.4 M以下の範囲では、反応混合物中のギ酸濃度が高くなるに従って、ソルビトールの収量も向上した。これに対し、反応混合物中のギ酸濃度が2.4 Mを超えると、ソルビトールの収量はほぼ一定となった(図6A〜C)。
【0065】
<実施例2-1:光触媒の調製>
1.0 gのSi(シリコンパウダー、60メッシュ、99.999%;SIGMA ALDRICH)と、ナノ金属分散液(和光純薬工業株式会社、M=Pt; ナノ白金分散液 10 mM 10.25 ml、M=Pd; ナノパラジウム分散液 10 mM 18.79 ml、又はM=Ru;ナノルテニウム分散液 20 mM 9.89 ml)、10 mlのイオン交換水とを500 mlビーカーに入れて超音波照射した。撹拌後、80℃のホットプレート上で乾燥させた後、Ar気流下、150℃で1時間、400℃で15分間の条件で焼成した。得られた固体粉末をアセトンで3回、イオン交換水で1回洗浄し、80℃で24時間乾燥させた。得られたM/Si光触媒の総質量に対する金属(M)の担持量は2質量%だった。
【0066】
<実施例2-2:糖アルコールの合成>
0.04 gの実施例2-1の光触媒、4.0 mlのイオン交換水、0.4 mlのギ酸(98%;和光純薬工業株式会社)及び0.04 gのD(+)-グルコース(和光純薬工業株式会社)をホウケイ酸ガラス製の試験管に入れ、窒素ガスで溶存酸素を除去した後、セプタムで密栓した。その後、試験管を流水で冷却しながら、試験管の上部からキセノンランプ(20 A)を用いて可視光を照射(照射波長:270〜800 nm)して、それぞれ25℃で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を25℃、3000 rpmで30分間遠心分離して上清液を得た。上清液を、孔径0.45 μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、濾液を得た。
【0067】
HPLC及びGC-MS分析により、濾液に含まれるグルコース及びソルビトールを定量分析した。HPLC及びGC-MS分析の条件は以下の通りである。
HPLC分析
装置 :島津HPLC分析装置
カラム:Shodex SUGAR SP0810(8.0mmID×300mL)
溶出液:アセトニトリル15%/水85%
検出 :示唆屈折率(RI)
GC-MS分析
装置 :島津GCMS-QP2010SE
カラム :Rtx(登録商標)-rMS (30m, 0.25 mmID, 0.25 imdf)
キャリヤーガス:ヘリウム
質量分析モード:EI
【0068】
各光触媒を用いて得られた結果を表1に示す。なお、グルコース変換率(%)は、原料として用いたグルコースの総物質量(mol)から反応後の濾液に残存したグルコースの物質量(mol)を差し引きすることにより反応したグルコースの物質量(mol)を算出し、原料として用いたグルコースの総物質量(mol)に対する当該反応したグルコースの物質量(mol)の百分率(%)として算出した。また、ソルビトール収率(%)は、原料として用いたグルコースの総物質量(mol)に対するソルビトールの物質量(mol)の百分率(%)として算出した。
【0069】
【表1】

【0070】
表1に示すように、いずれの光触媒を用いた場合であっても、ソルビトールが生成した。
【0071】
<実施例2-3:水素生成量の比較>
0.2 gの実施例2-1の光触媒、20 mlのイオン交換水及び2 mlのギ酸を閉鎖循環式光反応装置101の反応管1に入れ、スターラーを用いて400 rpmの撹拌速度で撹拌しながら0.8 kPaまで脱気した。その後、反応管1に、アルゴンガスボンベ7からアルゴンガスを25 kPaの圧力となるように充填した。反応管1の上部から、紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ2を用いて、25℃で可視光を照射(照射波長:270〜800 nm)した。1時間おきに反応管から3.7 mlのガスを採取し、GC分析により水素を定量分析した。GC分析の条件は以下の通りである。
GC分析
装置 :島津GC-8A
カラム :SHINCARBON ST(50-80 mesh, 1.5 m)
キャリヤーガス:アルゴン
検出 :熱伝導型検出器(TCD)
【0072】
各光触媒の金属担持量と水素生成量との関係を図7に示す。
図7に示すように、Pd、Ru及びPtの順に水素生成量は減少した。実施例2-2で示したように、いずれの光触媒を用いた場合であってもソルビトールの収量はほぼ同様であったが、水素生成量には有意な差が認められた。
【0073】
<実施例2-4:光触媒成分の担持量>
実施例2-1の光触媒の調製において、ナノPd分散液の添加量を変化させて、所定のPd担持量のPd/Si光触媒を調製した。
【0074】
得られたPd/Si光触媒を用いて、実施例2-2及び2-3の方法に従い、グルコースからの糖アルコールの合成及び水素生成量を分析した。反応後の濾液に含まれるグルコース及びソルビトールを定量分析した結果を表2に、異なる金属担持量のPd/Si光触媒についての水素生成量の経時変化を図8に、それぞれ示す。
【0075】
【表2】

【0076】
表2に示すように、Pd担持量を増加させると、ソルビトール収率は低下した。これに対し、図8に示すように、Pd担持量を増加させると、水素生成量は増加した。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明により、光触媒を用いる穏和な反応条件で糖類から糖アルコールを環境低負荷で(環境に優しい方法で)且つ低コストで製造することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
101・・・閉鎖循環式光反応装置
1・・・反応管
2・・・紫外光及び赤外光カットフィルターを装着したキセノンランプ
3・・・遮光容器
4・・・冷却装置
5・・・保温ジャケット
6・・・保温ジャケット
7・・・アルゴンガスボンベ
8・・・熱伝導検出器(TCD)
9・・・真空ポンプ
10・・・圧力計
11・・・真空計
12・・・グリスコック
13・・・三方分岐グリスコック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸と、光照射により活性化された光触媒との存在下で糖を還元して糖アルコールを形成させる還元工程を含む、糖アルコールを製造する方法。
【請求項2】
光触媒が、可視光領域の光照射により活性化される、請求項1の方法。
【請求項3】
光触媒が、シリコン、シリコンカーバイド、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム及びガリウムリンからなる群より選択される1種以上の光触媒成分を含有する、請求項1又は2の方法。
【請求項4】
光触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、ニッケル及びロジウムからなる群より選択される1種以上の貴金属成分をさらに含有する、請求項3の方法。
【請求項5】
酸が、ギ酸、シュウ酸及び亜リン酸からなる群より選択される1種以上の酸成分を含有する、請求項1〜4のいずれか1項の方法。
【請求項6】
糖がグルコースであり、糖アルコールがソルビトールである、請求項1〜5のいずれか1項の方法。
【請求項7】
酸と光触媒との組み合わせを含む、糖を還元して糖アルコールを形成させるための触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−112669(P2013−112669A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262307(P2011−262307)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者:一般社団法人触媒学会 刊行物名:第108回 触媒討論会 討論会A予稿集 掲載頁:106頁(P104) 刊行物発行年月日:平成23年9月13日
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【Fターム(参考)】