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光触媒コーティング液、およびそのコーティング液が塗布されてなる光触媒層付製品
説明

光触媒コーティング液、およびそのコーティング液が塗布されてなる光触媒層付製品

【課題】 基材と光触媒層との密着性が劣化しにくく、高い光触媒作用を示し、さらに、艶の目立たない、光触媒層を形成するための分散性に優れた光触媒コーティング液、およびそのコーティング液が基材に塗布されてなる光触媒層付製品を提供することにある。
【解決手段】(A)光触媒体と(B)非晶質Zr−O系粒子と(C)粒径が100nm〜1μmの艶消し用粒子と(D)分散媒を含む光触媒コーティング液を用いる。その際、前記(B)非晶質Zr−O系粒子は、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、3〜30質量部で含有させるのが好ましく、さらに前記(C)艶消し用粒子は、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、5〜65質量部で含有させるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分散性に優れる光触媒コーティング液、およびそのコーティング液が塗布されてなる艶の少ない密着性に優れる光触媒層を表面に有する光触媒層付製品に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体に、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が生成する。このようにして生成した正孔は強い酸化力を有し、励起した電子は強い還元力を有することから、半導体に接触した物質に酸化還元作用を及ぼす。この酸化還元作用は光触媒作用と呼ばれており、かかる光触媒作用を示し得る半導体は光触媒体と呼ばれている。このような光触媒体としては高い光触媒作用示す粒子状の酸化チタンや酸化タングステンなどが知られている。
【0003】
このような粒子状の光触媒体は、例えば悪臭の原因となる有機物を光触媒作用により分解できる。そのため、例えば、粒子状の光触媒体からなる光触媒層を壁紙などの基材の表面に形成し、この光触媒層が形成された基材を室内の内装材に使用することにより、室内空間の悪臭防止が期待できる。
【0004】
しかし、このような基材表面に、粒子状の酸化チタンや酸化タングステンなどの光触媒体から成る光触媒コーティング液を直接塗布し、乾燥させて得られる光触媒層付製品は、光触媒層と基材との密着性がなく、基材から光触媒層が、簡単にはがれてしまう。さらに、光触媒層付製品の表面には、艶が目立ってしまう。
【0005】
そこで、バインダーを含有させた光触媒コーティング液を同様に用いて得られる光触媒層付製品は、光触媒層と基材との密着性が良好であるが、光触媒層付製品の表面の艶がより一層目立ってしまう。
このような艶が目立つ製品は、消費者に受け入れられないことがある。
【0006】
基材表面の艶を調整するものとして、特許文献1には、艶消し剤として無機充填剤を含有させた壁紙用防汚コート剤組成物を壁紙基材に塗布することが開示されている。また、特許文献2には、艶消し剤としてシリカなどの無機フィラーを含有させた表面保護層を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-96796号公報
【特許文献2】特開2008-80551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような艶消し剤を、光触媒体粒子、バインダー成分、分散媒からなる光触媒コーティング液に含有させると、光触媒体粒子やバインダー成分の分散性が損なわれるだけでなく、その光触媒コーティング液が塗布された基材表面の光触媒層の密着性が損なわれ、光触媒作用を十分に発揮できない製品となる問題があった。
【0009】
そこで本発明は前記問題点を鑑みなされたものであって、基材と光触媒層との密着性が良好で、かつ高い光触媒作用を示し、さらに、艶の目立たない、光触媒層を形成するための分散性に優れた光触媒コーティング液、およびこのコーティング液が基材に塗布されてなる光触媒層付製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1) (A)光触媒体、(B)非晶質Zr−O系粒子、(C)粒径が100nm〜1μmの艶消し用粒子、及び(D)分散媒、を含む光触媒コーティング液。
(2) 前記(B)非晶質Zr−O系粒子の含有量が、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、3〜30質量部である前記(1)に記載の光触媒コーティング液。
(3) 前記(C)艶消し用粒子の含有量が、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、5〜65質量部である前記(1)または(2)に記載の光触媒コーティング液。
(4) 少なくとも、基材と、基材上に備えられた光触媒層とを有する光触媒層付製品であって、前記光触媒層が前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光触媒コーティング液を用いて形成されている光触媒層付製品。
(5) 前記基材が壁紙である、前記(4)に記載の光触媒層付製品。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、分散性に優れる光触媒コーティング液を得ることができ、その光触媒コーティング液を用いれば、艶が目立たない、高い光触媒作用を示す、光触媒層の密着性に優れる光触媒層付製品を得ることができる。そのため、高い光触媒作用を備えた信頼性のある製品を提供することができる。さらに、艶の目立つ基材に、本発明の光触媒コーティング液を用いれば、基材の艶を目立たなくするだけでなく、基材に光触媒作用の性能を付与することができる。そのため、本発明の光触媒コーティング液は、光触媒作用を付与する艶消しコーティング液として幅広く用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(光触媒コーティング液)
以下、本発明の光触媒コーティング液について詳細に説明する。
【0014】
本発明の光触媒コーティング液は、分散媒に、少なくとも、光触媒体、非晶質Zr−O系粒子および粒径が100nm〜1μmの艶消し用粒子(以下、艶消し用粒子という)を含有する。
光触媒コーティング液は、基材の表面に塗布後、乾燥させ、光触媒層となる。
【0015】
(光触媒体)
本発明における光触媒体は、例えば紫外線や可視光線の照射により光触媒活性を発現する物質であり、X線回折でその結晶構造を特定することができる、例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceなどのような金属元素の1種または2種以上の酸化物、窒化物、硫化物、酸窒化物、酸硫化物、窒弗化物、酸弗化物、酸窒弗化物などである。中でも、金属元素がTi、WまたはNbの酸化物が好ましく、とりわけアナターゼ型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン〔TiO2〕、酸化タングステンなどが好ましい。
【0016】
本発明における光触媒体の粒子径は、光触媒作用の観点からは、平均分散粒子径で、通常70〜120nm、好ましくは80〜100nmである。なお、該平均分散粒子径はサブミクロン粒度分布測定装置(コールター社製の「N4Plus」)を用いて粒度分布を測定し、この装置に付属のソフトにより自動的に単分散モード解析して得られた結果を、平均分散粒子径(nm)とした。
【0017】
酸化チタンとしては、例えば「酸化チタン」(清野学著、技報堂出版)に記載されている硫酸法や塩素法により得ることができる。
また、前記方法の他にも、特開2001−72419号公報、特開2001−190953号公報、特開2001−316116号公報、特開2001−322816号公報、特開2002−29749号公報、特開2002−97019号公報、国際公開第01/10552号、特開2001−212457公報、特開2002−239395号公報、国際公開第03/080244号、国際公開第02/053501号、特開2007−69093号公報、Chemistry Letters, Vol.32, No.2, P.196-197(2003)、Chemistry Letters, Vol.32, No.4, P.364-365(2003)、Chemistry Letters, Vol.32, No.8, P.772-773(2003)、Chem. Mater., 17, P.1548-1552(2005)等に記載の方法で得られる酸化チタンを用いてもよい。更に、特開2001−278625号公報、特開2001−278626号公報、特開2001−278627号公報、特開2001−302241号公報、特開2001−335321号公報、特開2001−354422号公報、特開2002−29750号公報、特開2002−47012号公報、特開2002−60221号公報、特開2002−193618号公報、特開2002−249319号公報などに記載の方法によっても得ることができる。
【0018】
これらの酸化チタンは、それぞれ単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
酸化タングステン〔WO3〕としては、例えばメタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、およびタングステン酸(H2WO4)などのタングステン化合物を焼成する方法などで得ることができる。焼成は、タングステン化合物を酸化タングステンにすることができる条件で行えばよく、例えば、350℃〜700℃の空気中で行うことができる。
【0020】
酸化ニオブ〔Nb25〕としては、例えばシュウ酸水素ニオブなどのニオブ化合物を焼成する方法、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタイソプロポキシドなどのニオブアルコキシドをアルコールに溶解し、この溶液に無機酸とアルコールとからなる酸性溶液を混合し、濃縮して粘稠溶液を得、これを焼成する方法などで得ることができる。
【0021】
光触媒体として、これらTi、WまたはNb以外の上記金属元素の酸化物を用いる場合、この酸化物は、例えばセラミックスを構成する金属の塩化物、硫酸塩、オキシ硫酸塩もしくはオキシ塩化物とアンモニアを反応させて得られる生成物を空気中で焼成する方法、またはTi、WまたはNb以外の上記金属元素のアンモニウム塩を空気中で焼成する方法などによって得られる。
【0022】
本発明における光触媒体は、その表面に貴金属を担持させても良い。貴金属が光触媒体の表面に担持されて存在すると、光の照射により伝導帯に励起された電子と価電子帯に生成した正孔との再結合が抑制され、光触媒作用をより高めることができる。
ここで、貴金属とは、光触媒体の表面に担持されて電子吸引性を発揮しうる化合物である。光触媒体の表面に貴金属を担持させるために用いられる貴金属の前駆体とは、光触媒体の表面で貴金属に遷移しうる化合物(例えば、光照射により貴金属に還元されうる化合物)である。
光触媒体の表面に貴金属を担持させる方法としては、例えば、光触媒体を光触媒体分散媒にさせた光触媒分散液に貴金属の前駆体を溶解させ、この光触媒分散液に光触媒体のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射し、光触媒作用によって、貴金属の前駆体からなる貴金属イオンを還元し、貴金属を光触媒体の表面に担持させる等の態様をとればよい。
光触媒体分散媒としては、後述する本発明における分散媒と同様に、水溶性有機溶媒、水、水と水溶性有機溶媒などとの混合媒体が用いられる。
【0023】
貴金属としては、例えばCu、Pt、Au、Pd、Ag、Ru、IrおよびRhなどが挙げられる。その前駆体としては、これら貴金属の水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩、炭酸塩、リン酸塩などが挙げられる。これらの中でも高い光触媒作用による抗ウイルス活性を得る点から、貴金属は、Cu、Pt、Au、Pdが好ましい。
【0024】
Cuの前駆体として、例えば硝酸銅(Cu(NO3)2)、硫酸銅(CuSO4)、塩化銅(CuCl2、CuCl)、臭化銅(CuBr2,CuBr)、沃化銅(CuI)、沃素酸銅(CuI26)、塩化アンモニウム銅(Cu(NH4)2Cl4)、オキシ塩化銅(Cu2Cl(OH)3)、酢酸銅(CH3COOCu、(CH3COO)2Cu)、蟻酸銅((HCOO)2Cu)、炭酸銅(CuCO3)、蓚酸銅(CuC24)、クエン酸銅(Cu2647)、リン酸銅(CuPO4)などが挙げられる。
【0025】
Ptの前駆体として、例えば塩化白金(PtCl2、PtCl4)、臭化白金(PtBr2、PtBr4)、沃化白金(PtI2、PtI4)、塩化白金カリウム(K2(PtCl4))、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、亜硫酸白金(H3Pt(SO3)2OH)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4Cl2)、炭酸水素テトラアンミン白金(C21446Pt)、テトラアンミン白金リン酸水素(Pt(NH3)4HPO4)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4(OH)2)、硝酸テトラアンミン白金(Pt(NO3)2(NH3)4)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金((Pt(NH3)4)(PtCl4))、ジニトロジアミン白金(Pt(NO2)2(NH32)などが挙げられる。
【0026】
Auの前駆体として、例えば塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)、沃化金(AuI)、水酸化金(Au(OH)2)、テトラクロロ金酸(HAuCl4)、テトラクロロ金酸カリウム(KAuCl4)、テトラブロモ金酸カリウム(KAuBr4)などが挙げられる。
【0027】
Pdの前駆体として、例えば酢酸パラジウム((CH3COO)2Pd)、塩化パラジウム(PdCl2)、臭化パラジウム(PdBr2)、沃化パラジウム(PdI2)、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)、硫酸パラジウム(PdSO4)、テトラクロロパラジウム酸カリウム(K2(PdCl4))、テトラブロモパラジウム酸カリウム(K2(PdBr4))、テトラアンミンパラジウム塩化物(Pd(NH34Cl2)、テトラアンミンパラジウム臭化物(Pd(NH34Br2)、テトラアンミンパラジウム硝酸塩(Pd(NH34(NO32)、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラジウム酸((Pd(NH34)(PdCl4))、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム((NH42PdCl4)等が挙げられる。
【0028】
貴金属の前駆体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。その使用量は、貴金属原子に換算して、光触媒体の使用量100質量部に対して、光触媒作用の向上効果が十分に得られる点で通常0.01質量部以上、コストに見合った効果が得られる点で通常1質量部以下であり、好ましくは0.05質量部〜0.6質量部である。
【0029】
光触媒コーティング液中の光触媒体の含有量は、光触媒コーティング液100質量部に対して4〜10質量部(質量%)、好ましくは5〜8質量部(質量%)であり、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、30質量部以上、好ましくは35質量部以上、さらに好ましくは40質量部以上である。光触媒体の含有量が30質量未満の場合、得られる光触媒層中の光触媒体の量が少なくなり、この光触媒層からは、十分な光触媒活性が得られない可能性がある。
【0030】
(非晶質Zr−O系粒子)
本発明の光触媒コーティング液は、バインダーとしてX線回折で結晶構造を特定することができない非晶質であるZr−O系粒子(ZrとOを含む化合物の粒子をいう)を含有する。非晶質Zr−O系粒子をバインダー成分として光触媒コーティング液に添加すると、光触媒体の光触媒作用を阻害することなく、しかも少ない添加量で、十分な密着力を示す光触媒層を形成することができる。
【0031】
本発明における非晶質Zr−O系粒子の粒子径は、平均分散粒子径で、通常5〜70nm、好ましくは10〜60nmである。なお、該平均分散粒子径はサブミクロン粒度分布測定装置(コールター社製の「N4Plus」)を用いて粒度分布を測定し、この装置に付属のソフトにより自動的に単分散モード解析して得られた結果を、平均分散粒子径(nm)とした。
【0032】
本発明における非晶質Zr−O系粒子としては、例えば、特定の結晶構造を示さない、シュウ酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、燐酸ナトリウムジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、ジルコニウム金属アルコキシド等が挙げられる。また、水酸基、炭酸基、アルキルカルボキシ基の少なくとも1つを有するジルコニウムの錯体、錯塩、それらの高分子ジルコニウム化合物等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、水酸化ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウムが用いられ、さらに好ましくは水酸化ジルコニウムが用いられる。非晶質Zr−O系粒子は、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
本発明の光触媒コーティング液中の非晶質Zr−O系粒子の含有量は、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、3〜30質量部、好ましくは5〜25質量部である。非晶質Zr−O系粒子の含有量が3質量部未満の場合、光触媒層の密着性が低下し、一方、含有量が30質量部を越える場合は、光触媒コーティング液が増粘し、ゲル化するおそれがあり好ましくない。尚、非晶質Zr−O系粒子の重量は、酸化物換算(ZrO2)で表される。
【0034】
(艶消し用粒子)
本発明における艶消し用粒子としては、無機系および有機系の球状粒子が用いられる。
無機系の艶消し用粒子としては、少なくともSiとOが含まれればよく、例えば、シリカゾル、コロイダルシリカなどのようなケイ素の酸化物、水酸化物、水和物などがあげられる。
有機系の艶消し用粒子としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリイミド、エポキシ樹脂、胡桃などの球形粒子やマイクロカプセルなどがあげられる。
これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
これらの艶消し用粒子は分散粒径が100nm〜1μm、好ましくは150nm〜800nmであり、さらに好ましくは200nm〜600nmである。艶消し用粒子の分散粒径が100nm未満の場合、得られる光触媒層の艶が増し、1μmを越える場合、得られる光触媒層の艶消し用粒子の露出部分が多くなり、十分な光触媒層と基材との密着性が得られない。
【0036】
これらの艶消し用粒子の含有量は、光触媒コーティング液中の固形分100質量部に対して、5〜65質量部、好ましくは8〜60質量部、さらに好ましくは10〜50質量部である。艶消し用粒子の含有量が5質量部未満の場合、得られる光触媒層を備える製品の表面の艶が増し、一方65質量部を越える場合、得られる光触媒層中の艶消し用粒子の量が多くなり、この光触媒層を備える製品は、十分な光触媒活性や光触媒層と基材との密着性が得られない可能性がある。
【0037】
(分散媒)
本発明における分散媒としては通常、水を主成分とする水性溶媒が用いられる。具体的には、水性溶媒は、水溶性有機溶媒単独であってもよいし、水単独であってもよい。また水と水溶性有機溶媒などとの混合媒体であってもよい。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの水溶性アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。なお、水溶性有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性アルコールとしては通常、メタノールやエタノールが使用される。好ましくはメタノールが使用される。また、水溶性アルコールを使用する場合は、混合媒体中の水溶性アルコールの含有量が、光触媒コーティング液100質量部に対して10〜70質量部(質量%)であることが好ましい。また、コーティング液の乾燥特性などを考慮して、好ましくは25〜60質量部(質量%)であることが好ましい。
【0038】
(光触媒コーティング液の調製)
本発明の光触媒コーティング液を調製する際の、光触媒体、非晶質Zr−O系粒子、艶消し用粒子及び分散媒の混合順序や混合方法は、特に制限されず、必要に応じて撹拌しながら行ってもよいし、加熱しながら行ってもよい。
市販の光触媒分散液を用いる場合には、該分散液に、非晶質Zr−O系粒子を添加し、さらに艶消し用粒子を添加し、混合すればよい。
光触媒体を2種以上用いる場合は、例えば、それぞれの光触媒体を光触媒体分散媒に添加した光触媒体分散液を得、これらの光触媒体分散液を適宜調整しながら混合し、分散処理をした後に、非晶質Zr−O系粒子を添加し、さらに、艶消し用粒子を添加し、混合すればよい。
この際に、必要に応じて光触媒体、非晶質Zr−O系粒子および艶消し用粒子以外に無機化合物や有機化合物や既知の添加剤を添加することができる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、分散処理は、例えば、媒体撹拌式分散機などを用いる通常の方法により行うことができる。
【0039】
市販の光触媒分散液としては、例えば酸化チタン分散液に、「PC−201」、「PC−401」(酸化チタンゾル、住友化学(株)製)や、「TS−S4110」、「TS−S4420」、及び「TS−S4230」(酸化チタンゾル、住友化学(株)製)、酸化ニオブ分散液に「バイラールNb−X10」(平均粒子径16nm、多木化学社製)などを用いることができる。
【0040】
無機化合物としては、例えば、非晶質アルミナ、アルミナゾルなどのアルミニウム(水)酸化物、ゼオライト、カオリナイトなどのアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属(水)酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブまたは活性炭などが挙げられる。
【0041】
有機化合物としては、例えば、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。
【0042】
また、既知の添加剤として吸着剤、消泡剤、界面活性剤、粘度調整剤等も添加できる。
例えば、粘度調整剤として、ベントナイト、モンモリロナイトやスメクタイトなどの粘土鉱物等が挙げられる。粘度調整剤の添加量は光触媒コーティング液100質量部に対して、0.1〜5重量部であり、好ましくは0.3〜4重量部である。
市販の粘土鉱物としては、具体的にはスメクトンSA、クニピアF(クニミネ工業(株))やルーセンタイト(コープケミカル(株))などが挙げられる。
【0043】
(光触媒層付製品)
本発明の光触媒層付製品は、前記のようにして得られた光触媒コーティング液を基材(製品)の表面に塗布した後に、分散媒を揮発させるなど従来公知の成膜方法によって形成することができる。
光触媒コーティング液の塗布方法としては、例えば、ロールコート法、印刷法、シート形成法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、バーコート法等が挙げられる。
光触媒層の膜厚は、特に制限されるものではなく、通常、その用途等に応じて、数百nm〜数mmまで適宜設定すればよい。光触媒層は、基材(製品)の内表面または外表面であれば、どの部分に形成されていてもよいが、例えば、光(可視光線)が照射される面であって、かつ悪臭物質が発生する箇所や、病原菌が存在する箇所と連続または断続して空間的につながる面に形成されていることが好ましい。
基材(製品)の材質は、形成される光触媒層を実用に耐えうる強度で保持できる限り、特に制限されるものではなく、例えば、プラスチック、金属、セラミックス、木材、コンクリート、紙などのあらゆる材料からなる製品を対象にすることができ、艶の目立つ製品であってもよい。
【0044】
本発明の光触媒層付製品の具体例としては、例えば、天井材、タイル、ガラス、壁紙、壁材、床等の建築資材、自動車内装材(自動車用インストルメントパネル、自動車用シート、自動車用天井材、自動車用ガラス)、冷蔵庫やエアコン等の家電製品、衣類やカーテン等の繊維製品などが挙げられる。
【0045】
本発明の光触媒層付製品は、屋外においては勿論のこと、例えば、光触媒体として白金が担持された酸化タングステンを用いた場合には、蛍光灯やナトリウムランプなどの可視光源からの光しか受けない屋内環境においても、光照射によって高い光触媒作用を示す。したがって、本発明の光触媒層付製品は、屋内照明による光照射される環境下において、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドやトルエンなどの揮発性有機物、アルデヒド類、メルカプタン類、アンモニアなどの悪臭物質、窒素酸化物の濃度を低減させ、黄色ブドウ球菌、大腸菌、炭疽菌、結核菌、コレラ菌、ジフテリア菌、破傷風菌、ペスト菌、赤痢菌、ボツリヌス菌、およびレジオネラ菌等の病原菌等死滅、分解、除去することができ、さらに、ダニアレルゲン等のアレルゲンを無害化することができる。また、本発明の光触媒層付製品は、可視光線を照射すれば、充分な親水性を発揮し、防曇性を発現するだけでなく、汚れに水をかけるだけで容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
【0046】
本発明の光触媒層付製品が壁紙の場合は、基材シートの少なくとも一方の面上に樹脂層が形成され、その樹脂層上に本発明の光触媒コーティングからなる光触媒層を備えている。
基材シートとしては、壁紙用の難燃紙(パルプ主体のシート、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等の難燃剤で処理したシート)、水酸化アルミニウム紙、無機質紙等の一般紙等からなるシートがあげられる。
樹脂層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂、アクリル樹脂等からなる層が挙げられる。樹脂層には、発泡処理前カプセル発泡剤やケミカル発泡剤が含まれていてもよい。
【実施例】
【0047】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
なお、実施例および比較例における各物性の測定およびその光触媒活性の評価については、以下の方法で行った。
【0049】
<結晶型>
X線回折装置(リガク社製「RINT2000/PC」)を用いてX線回折スペクトルを測定し、そのスペクトルから結晶型を決定した。
【0050】
(BET比表面積)
比表面積測定装置(湯浅アイオニクス社製 「モノソーブ」)を用いて窒素吸着法により測定した。
【0051】
<光触媒コーティング液の分散性>
後述するように調製した酸化チタン粒子分散液または光触媒コーティング液を110mlスクリュー管瓶に入れ、3時間室温雰囲気下で放置して、沈降物が見られるか否かで評価した。
評価結果 ○・・・沈降物はほとんどみられない
×・・・沈降物がはっきり見られる
【0052】
<光触媒層付製品における光触媒層の密着性>
光触媒層付製品における光触媒層上にメンディングテープ(住友スリーエム社製)を貼り付けた後に剥がして、その時の製品表面の跡を目視で確認した。
評価結果 1・・・光触媒層の剥れがはっきりわかる
2・・・光触媒層の剥れが少しわかる
3・・・変化無し
【0053】
<光触媒層付製品の艶測定>
光触媒層付製品の表面の艶は、光沢計(VG-2000,日本電色製)を用いて、投受光角45度で測定した。光沢値が小さい程、光触媒層付製品の艶の程度は低い。
【0054】
<光触媒層付製品の光触媒活性の評価>
測定対象の光触媒層付製品を5cm×5cmに切り出し、紫外線強度が2mW/cm2となるようにブラックライトからの紫外線を16時間照射して、これを光触媒活性測定用試料とした。
次に、この光触媒活性測定用試料を光触媒層付製品ごとガスバッグ(内容積1L)の中に入れて密閉し、次いで、このガスバッグ内を真空にした後、酸素と窒素との体積比が1:4である混合ガス234mLを封入し、さらにその中に1容量%でアセトアルデヒドを含む窒素ガス0.47mLを封入して、暗所で室温下1時間保持した。その後、蛍光灯を光源とし、測定用試料近傍での試料近傍の紫外光の強度は40μW/cm2(トプコン社製紫外線強度計「UVR−2」に、同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定)となるようにガスバッグの外から蛍光灯を照射し、アセトアルデヒドの分解反応を行った。蛍光灯の光照射を開始してから1.5時間毎にガスバッグ内のガスをサンプリングし、アセトアルデヒドの濃度をガスクロマトグラフ(島津製作所社製「GC−14A」)にて測定した。そして、光照射開始後3時間での照射時間に対するアセトアルデヒドの残存濃度から一次反応速度定数を算出し、これをアセトアルデヒド分解能として評価した。この一次反応速度定数が大きいほど、アセトアルデヒドの分解能(すなわち光触媒活性)が高いと言える。
【0055】
(製造例1−非晶質Zr−O系粒子の調製)
ZSL−10T(第一稀元素化学製)1000gに対して、64gの無水クエン酸を添加し、次に、120gの25重量%アンモニア水を添加することで塩基性ジルコニウムゾルAを得た。得られた塩基性ジルコニウムゾルAのジルコニウム濃度は、ZrO2換算で12.8重量%であった。この塩基性ジルコニウムゾルAを真空乾燥し、結晶型が非晶質である非晶質ジルコニウムAを得た。サブミクロン粒度分布測定装置(コールター社製の「N4Plus」)を用いて、非晶質ジルコニウムAの平均分散粒子径を測定した結果、31.3nmであった。
【0056】
(製造例2−非晶質Zr−O系粒子の調製)
ZSL−10T(第一稀元素化学製)1000gに対して、64gの無水クエン酸を添加し、次に、120gの25重量%アンモニア水を添加することで塩基性ジルコニウムゾルBを得た。つぎに、該塩基性ジルコニウムゾルBへ2.5重量%シュウ酸アンモニウム水溶液を添加して限外ろ過処理によって精製、濃縮する操作を繰り返すことで、ジルコニウム濃度がZrO2換算で14.6重量%のジルコニウムゾルを得た。このジルコニウムゾルを真空乾燥し、結晶型が非晶質である非晶質ジルコニウムBを得た。サブミクロン粒度分布測定装置(コールター社製の「N4Plus」)を用いて、非晶質ジルコニウムBの平均分散粒子径を測定した結果、30.1nmであった。
【0057】
(製造例3−光触媒体および分散媒の調製)
pH電極と、このpH電極に接続され、25質量%アンモニア水を供給してpHを一定に調整する機構を有するpHコントローラーとを備えた反応容器(すなわち、この反応容器では、容器内の液のpHが設定値より低くなると、アンモニア水が供給されはじめ、pHが設定値になるまで連続供給される)に、イオン交換水30kgを入れ、pHコントローラーの設定値をpH4とした。
他方、オキシ硫酸チタン75kgをイオン交換水50kgに溶解させた後、さらに冷却下で35%過酸化水素水30kgを添加して、混合溶液を調製した。
この混合溶液を、上記反応容器内を42rpmで攪拌しながら、該反応容器に530mL/分で添加し、pHコントローラーにより反応容器に供給されるアンモニア水と反応させたて、pHを調整しながら、オキシ硫酸チタン含有酸性水溶液を得た。このとき、反応温度(反応容器の内温)は20℃〜30℃の範囲であった。混合溶液の添加終了後、引き続き、反応容器内のオキシ硫酸チタン含有酸性水溶液を攪拌しながら1時間保持し、次いで、25質量%アンモニア水を供給して、スラリー状の生成物を得た。得られたスラリー状の生成物を濾過し、リンス洗浄した後、固形物(ケーキ)を得た。なお、反応容器に供給されたアンモニア水の合計量は90kgであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるために必要な理論量の2倍であった。
【0058】
得られた固形物(ケーキ)をステンレス製バット(30cm×40cm)12枚に2.3kgずつ分け入れ、このバット12枚を箱型乾燥機(旭科学製「スーパーテンプオーブン HP−60」、内容積:216リットル)に入れて、40m3/hrの乾燥空気流通下、115℃で5時間保持した後、引き続き250℃で5時間保持することにより乾燥を行ない、BET比表面積が18.0m2/gの乾燥粉末を得た。このときの乾燥機内の最大水蒸気分圧は27.4kPaであった。得られた乾燥粉末を350℃の空気雰囲気下で2時間焼成し、その後、室温まで冷却して、粒子状の酸化チタン粉末を合計22kg得た。
【0059】
次に、イオン交換水87.6kgにリン酸二水素アンモニウム950g(和光特級試薬)を溶解させ、さらに上記で得られた酸化チタン粉末22kgを加えて酸化チタン粒子液を得た。この酸化チタン粒子液を、媒体攪拌式分散機(シンマルエンタープライゼス製「ダイノーミルKDL−PILOT A型」)を用いて下記の条件で分散処理して、粗酸化チタン粒子分散液Aを得た。
分散媒体 :直径0.3mmのジルコニア製ビーズ 4.2kg
処理温度 :20℃
合計処理時間:約240分間
攪拌速度 :周速8m/秒
流速 :2L/分
処理液循環 :あり
【0060】
さらに、上記で得られた粗酸化チタン粒子分散液Aに、媒体攪拌式分散機(コトブキ技研社製「ウルトラアペックスミルUAM−5」)を用いて下記条件で2回目の分散処理を施し、粗酸化チタン粒子分散液Bを得た。粗酸化チタン粒子分散液B中のリン酸アンモニウム塩の含有量は、酸化チタン粒子に対して0.03モル倍であった。
分散媒体 :直径0.05mmのジルコニア製ビーズ13kg
処理温度 :20℃
合計処理時間:約400分間
回転数 :2000rpm
流速 :1L/分
処理液循環 :あり
【0061】
得られた粗酸化チタン粒子分散液Bを遠心分離して粗粒分を除去し、さらに固形分濃度が18.74質量%になるように水で調整し、酸化チタン粒子分散液を得た。サブミクロン粒度分布測定装置(コールター社製の「N4Plus」)を用いて、酸化チタン粒子の平均分散粒子径を測定した結果、91.1nmであった。
【0062】
(製造例4−バインダー成分含有光触媒分散液の調製)
酸化チタン粒子分散液38.1gにメタノール50.1g添加し、ジルコニウムゾルA 4.1g、ジルコニウムゾルB 7.9gを添加して、ジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液を得た。ジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液100質量部中の酸化チタンの含有量は7.13質量部で、ジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が81質量部で、ジルコニウムゾルA及びジルコニウムゾルBの合計量が19質量部であった。
【0063】
(実施例1)
<光触媒コーティング液の調整>
製造例4で得たジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液96gと艶消し用粒子としてコロイダルシリカ(PL−20、扶桑化学製、濃度:19.7%、粒径:230nm)4gを添加して、酸化チタンコーティング液Aを得た。酸化チタンコーティング液A100質量部中の酸化チタンの含有量は6.56質量部であり、酸化チタンコーティング液A中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が67.8質量部で、ジルコニウムゾルA及びジルコニウムゾルBの合計量が15.9質量部で、コロイダルシリカの量が16.3質量部であった。
【0064】
(光触媒層付製品の作製)
その後、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる壁紙(7cm×8cm)に、光触媒コーティング液Aをバーコーター(3番)で塗布し、80℃で10分乾燥することにより酸化チタン層付壁紙Aを作成した。
得られた酸化チタンコーティング液A、および酸化チタン層付壁紙Aの評価結果を表1に示した。
【0065】
(実施例2)
製造例4で得たジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液92gと艶消し用粒子としてコロイダルシリカ(MP−4540M、日産化学製、濃度:40.6%、粒径:450nm)8gを添加して、酸化チタンコーティング液Bを得た。酸化チタンコーティング液B100質量部中の酸化チタンの含有量は6.84質量部であり、酸化チタンコーティング液B中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が67.95質量部で、ジルコニウムゾルA及びジルコニウムゾルBの合計量が15.95質量部で、コロイダルシリカの量が16.1質量部であった。
【0066】
その後、酸化チタンコーティング液Aを酸化チタンコーティング液Bとした他は実施例1と同様にして酸化チタン層付壁紙Bを作成した。得られた酸化チタンコーティング液B、および酸化チタン層付壁紙Bの評価結果を表1に示した。
【0067】
(実施例3)
製造例4で得たジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液85.8gと艶消し用粒子としてコロイダルシリカ(MP−4540M、日産化学製、濃度:40.6%、粒径:450nm)14.2gを添加して、酸化チタンコーティング液Cを得た。酸化チタンコーティング液C100質量部中の酸化チタンの含有量は6.12質量部であり、酸化チタンコーティング液C中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が45.9質量部で、ジルコニウムゾルA及びジルコニウムゾルBの合計量が10.8質量部で、コロイダルシリカの量が43.3質量部であった。
【0068】
その後、酸化チタンコーティング液Aを酸化チタンコーティング液Cとした他は実施例1と同様にして酸化チタン層付壁紙Cを作成した。得られた酸化チタンコーティング液C、および酸化チタン層付壁紙Cの評価結果を表1に示した。
【0069】
(比較例1)
製造例4で得たジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液98.3gと艶消し用粒子としてシリカ粒子(サイリシア350、富士シリシア製、粒径:3.78μm)1.7gを添加して、酸化チタンコーティング液Dを得た。酸化チタンコーティング液D100質量部中の酸化チタンの含有量は7.01質量部であり、酸化チタンコーティング液D中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が67.7質量部で、ジルコニウムゾルA及びジルコニウムゾルBの合計量が15.9質量部で、シリカの量が16.4質量部であった。
【0070】
その後、酸化チタンコーティング液Aを酸化チタンコーティング液Dとした他は実施例1と同様にして酸化チタン層付壁紙Dを作成した。得られた酸化チタンコーティング液D、および酸化チタン層付壁紙Dの評価結果を表1に示した。なお、酸化チタンコーティング液Dの分散性が悪く、光触媒層を形成できなかった。
【0071】
(比較例2)
製造例4で得たジルコニウム含有酸化チタン粒子分散液98.3gと艶消し用粒子としてシリカ粒子(東ソー・シリカ製 「NIPGEL AZ−200」、粒径:1.9μm)1.7gを添加して、酸化チタンコーティング液Eを得た。酸化チタンコーティング液E100質量部中の酸化チタンの含有量は7.01質量部であり、酸化チタンコーティング液E中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が67.7質量部で、ジルコニウムゾルA及びジルコニウムゾルBの合計量が15.9質量部で、コロイダルシリカの量が16.4質量部であった。
【0072】
その後、酸化チタンコーティング液Aを酸化チタンコーティング液Eとした他は実施例1と同様にして酸化チタン層付壁紙Eを作成した。得られたコーティング液E、および酸化チタン層付壁紙Eの評価結果を表1に示した。なお、酸化チタンコーティング液Eの分散性が悪く、光触媒層を形成できなかった。
【0073】
(比較例3)
製造例3で得た酸化チタン粒子分散液4.27gとメタノール3.73gを添加して、酸化チタンコーティング液Fを得た。酸化チタンコーティング液F100質量部中の酸化チタンの含有量は10質量部であり、酸化チタンコーティング液F中の全固形分100質量部に対して、酸化チタン粒子が100質量部であった。
【0074】
その後、酸化チタンコーティング液Aを酸化チタンコーティング液Fとした他は実施例1と同様にして酸化チタン層付壁紙Fを作成した。得られた酸化チタンコーティング液F、および酸化チタン層付壁紙Fの評価結果を表1に示した。
【0075】
【表1】

【0076】
表1より、酸化チタンコーティング液の分散性、酸化チタン層付壁紙における光触媒層の密着性、酸化チタン層付壁紙表面の艶、酸化チタン層付壁紙の光触媒能の全てに優れたものは、実施例1〜3であることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)光触媒体と
(B)非晶質Zr−O系粒子と
(C)粒径が100nm〜1μmの艶消し用粒子と
(D)分散媒
を含む光触媒コーティング液。
【請求項2】
前記(B)非晶質Zr−O系粒子の含有量が、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、3〜30質量部である請求項1に記載の光触媒コーティング液。
【請求項3】
前記(C)艶消し用粒子の含有量が、光触媒コーティング液中の全固形分100質量部に対して、5〜65質量部である請求項1または2に記載の光触媒コーティング液。
【請求項4】
少なくとも、基材と、基材上に備えられた光触媒層とを有する光触媒層付製品であって、前記光触媒層が請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒コーティング液を用いて形成されている光触媒層付製品。
【請求項5】
前記基材が壁紙である、請求項4に記載の光触媒層付製品。

【公開番号】特開2011−178930(P2011−178930A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45796(P2010−45796)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】