説明

光触媒シート及びこれを用いたウイルス感染予防又は患者用マスク

【課題】UV光の存在化ウイルスの不活化効果に優れ、インフルエンザウイルスのようなエンベロープを持つウイルスに対し暗所においても強力な吸着性能を有する光触媒シートの提供。該光触媒シートをマスクを構成する部材として用いて、マスクを着用する目的に応じて該光触媒シートの配置や構成を適正化することで、より効果的な感染予防マスクをも提供する。
【解決手段】目付10〜200g/mの不織布にケイ素化合物で表面修飾された酸化チタン光触媒を0.1〜10g/mで担持させた、比表面積が2〜20m/gである光触媒シート、及びこれを用いたマスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルスを不活化する光触媒シート及び該光触媒シートを用いたウイルス感染予防又は患者用マスクに関する。より詳しくは、本発明は、インフルエンザウイルスなどのエンベロープをもつウイルスの感染を予防するために有効な光触媒シート及び該光触媒シートを用いた感染予防又は患者用マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒は、380nm以下の紫外線照射下でヒドロキシラジカルを発生することによる有機物分解効果により、消臭、抗菌効果、ウイルス不活化効果が期待でき、マスクやフィルターなどへ利用されている。
以下の特許文献1、特許文献2、特許文献3には、ウイルスの感染防止、除去などを謳った光触媒を応用したフィルターや物品が報告されている。
【0003】
特許文献1には、可視光応答型光触媒によりウイルスの感染力を低下させる光触媒含有体が開示されている。この技術によれば光の存在下ウイルスの感染力を低下させることができるが、光の無いところでは効果を発揮しない。
【0004】
特許文献2には、アパタイトの結晶構造中に光触媒機能を有する金属原子が置換等され結晶構造中に取り込まれた光触媒が提案されている。この光触媒は、アパタイトの蛋白質親和性を利用したウイルスの吸着機能を謳っているが、加工時に光触媒が凝集し、2次粒子径として1〜10μmの粒子径分布を有しているため、極細繊維層を有する基材に担持させると目詰まりを起こし、圧損が高くなり易い。
【0005】
特許文献3には、カテキンと光触媒が併用されたフィルターが開示されている。光環境下カテキンの抗酸化力と光触媒の酸化力が相乗的に作用し、ウイルス除去機能が得られると記載されている。しかしながら、このフィルターはウイルス吸着機能が無く、光が存在しない場合にはウイルス除去機能が得られない。
【0006】
一方、従来からあるウイルス感染防止マスクに関しては、米国の疾病管理予防センターの医療施設における結核感染防止のためのガイドラインに基づき、労働安全衛生局により定められたN95規格がある。
N95規格に適合したマスクは、かつて流行したSARS(重症性呼吸器症候群)ウイルスに対し感染リスクを低減することが知られている。しかしながら、N95規格適合マスクは、病原菌やウイルスを含む飛沫などを捕集するのみであり、マスクの表面を触ることにより手などに付着し、2次感染をおこす恐れがあった。
【0007】
これらを解消する手段として銀イオンを付与した抗菌シートを積層したり、以下の特許文献4に示すように光触媒を添着させたシートを積層し、マスクに使用されるようになってきた。
特許文献4には、二酸化チタンアパタイト光触媒を添着した感染予防マスクが開示されている。このマスクは、特許文献2に開示されている光触媒をマスクに応用した例であって、特許文献4には、該マスクは、ヒドロキシアパタイトの蛋白質親和性の機能を利用し、病原体を吸着し、光触媒の機能により分解すると記載されている。しかしながら、特許文献4には、ウイルスを吸着し、吸着したウイルスが再汚染しないという試験結果が開示されておらず、使用済みのマスクの表面を手で触っても安全なものであるとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−44869号公報
【特許文献2】特開2008−50275号公報
【特許文献3】特開2008−119312号公報
【特許文献4】特開2005−124777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、光触媒のUV光による有機物分解効果から得られるウイルスの不活化効果に加え、インフルエンザウイルスのようなエンベロープを持つウイルスに対しては光の存在しない空間や夜間でも強力な吸着性能を持つ光触媒シートを提供すること、そして該光触媒シートをマスクを構成する部材として用いることにより感染リスクを低減することができるウイルス感染予防マスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討し、実験を重ねた結果、表面修飾した光触媒を表面に担持した特定の不織布に予めUV照射を行うことによりインフルエンザウイルスのようなエンベロープを持つウイルスが該不織布に選択的に吸着されることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の通りのものであります:
[1]目付10〜200g/mの不織布にケイ素化合物で表面修飾された酸化チタン光触媒を0.1〜10g/mで担持させた、比表面積が2〜20m/gである光触媒シート。
【0012】
[2]340nm〜380nmの波長を含む光で照射処理された、前記[1]に記載の光触媒シート。
【0013】
[3]前記不織布は、平均繊維径0.5〜5.0μmであり、かつ、目付1〜20g/mであるメルトブロウン繊維層とスパンボンド繊維層をそれぞれ少なくとも1層以上含む構造を有する不織布である、前記[1]又は[2]に記載の光触媒シート。
【0014】
[4]前記不織布は、ポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維からなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の光触媒シート。
【0015】
[5]前記不織布は、アクリル系樹脂により前処理されている、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の光触媒シート。
【0016】
[6]マスク本体と該マスク本体の両端部に耳かけ部とを備えるマスクにおいて、該マスク本体は少なくとも3層の不織布の積層体からなり、最外層が、目付10〜70g/mである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の光触媒シートであることを特徴とする前記マスク。
【0017】
[7]マスク本体と該マスク本体の両端部に耳かけ部とを備えるマスクにおいて、該マスク本体は少なくとも4層の不織布の積層体からなり、中間層として、帯電加工したメルトブロウン不織布と、目付10〜70g/mである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の光触媒シートを、それぞれ少なくとも1つ有し、該帯電加工したメルトブロウン不織布層は、該光触媒シートよりも外側に配置されていることを特徴とする前記マスク。
【0018】
[8]マスクの形状が折りたたみ型、カップ型又はフラット型である、前記[6]又は[7]に記載のマスク。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光触媒シートは、光触媒のUV光による有機物分解効果に因るウイルスの不活化効果、抗菌効果、消臭効果に加え、インフルエンザウイルスのようなエンベロープを持つウイルスに対しては光の存在しない空間や夜間でも強力な吸着性能を持つため、シートに触れることによる2次感染リスクを低減する効果に優れる。また、該光触媒シートをマスクを構成する部材に用いることにより、感染リスクを低減することができるウイルス感染予防マスクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の光触媒シートに使用する光触媒は、特許第4212242号に記載されている方法により製造することができる。この製造方法では、酸化チタンよりなる光触媒粒子を、脱水素縮合触媒の存在下、以下の式(1):
−(RSiO)− (1)
{式中、R、及びRは、各々独立して、水素原子、直鎖状又は分枝上の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、あるいは置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基を表す。}で表されるモノオキシジオルガノシラン単位と、以下の式(2):
【化1】

{式中、Rは、式(1)において定義したものと同じである。}で表されるジオキシオルガノシラン単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位とを有する、少なくとも1つの水素原子が結合した少なくとも1つのケイ素原子を包含するケイ素化合物を用いて、変性することによって得られた変性光触媒である。
【0021】
Si−H基含有ケイ素化合物との反応後の変性酸化チタン光触媒の体積平均粒子径は、好ましくは10nm〜100nm、より好ましくは10〜50nm、更に好ましくは10〜30nmである。100nmを越える粒径を持つ場合には不織布シートを構成する繊維の表層を被覆する光触媒層の厚みが大きくなり、好ましくない。
また、特許第4212242に記載されている方法の中で、原料である酸化チタンの体積平均粒子径に対し、変性後の酸化チタン光触媒の体積平均粒子径の増加量は30nm以下であることが好ましい。体積平均粒子径の増加量が30nmを超える場合は、ケイ素化合物の層が厚いため、後述するUV照射処理に時間がかかり好ましくない。
【0022】
光触媒シートに用いる不織布の素材としては、綿、レーヨン、キュプラなどのセルロース系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、アクリル繊維などの熱可塑性繊維が用いられる。これらの繊維は単独で用いても、2種以上を混用、複合、積層して用いてもよい。
【0023】
光触媒のUV光によるウイルス不活化効果はヒドロキラジカル生成による有機物分解効果に因るため、使用される環境状態にもよるが基材の水分率が高いほど性能が向上する傾向にある。このため、光触媒のUV光によるウイルス不活化効果は、素材としてのセルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維の順に性能が向上する。光触媒のUV光によるウイルス不活化効果に関しては、水分率の低い素材であっても、改質、後加工等により親水性を向上させることにより効果を向上させることができるが、ウイルス吸着効果は基材の水分率には影響されずこの限りではない。
【0024】
繊維の断面形状は丸断面、異形断面など選択できるが、より比表面積の大きくなる異形断面も好ましく用いることができる。
光触媒シートに使われる不織布の製法については、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法、ニードルパンチ法、メルトブロウン法、ケミカルボンド法などいずれでもよく、用途に適した製法を使用すればよい。
【0025】
本発明の光触媒シートの目付は10〜200g/mであり、好ましくは10〜100g/mである。後述するように光触媒は予めUV照射することにより、比表面積が大きくなり、ウイルスの吸着性能が向上する。このため、不織布の目付が200gを超えると照射したUV光が不織布の厚み方向中央部まで届きにくく、UV照射時間が長くなりコストアップにつながる。本発明の光触媒シートの目付は、より好ましくは10〜70g/mである。
【0026】
本発明の光触媒シートは、予めUV光を照射することにより比表面積が大きくなり、ウイルス吸着効果が向上するが、不織布基材自体の比表面積が大きいほど効果が高くなる。そのため、光触媒シートに用いる不織布の構造としては、極細繊維層を有する不織布がウイルスを含む飛沫の捕捉性、ウイルスの吸着性の観点で好ましい。光触媒シート基材としては、メルトブロウン繊維層とスパンボンド繊維層をそれぞれ少なくとも1層以上含む構造を有する不織布であることが好ましい。例えば、スパンボンド/メルトブロウン/メルトブロウン/スパンボンド(SMMS)不織布、スパンボンド/メルトブロウン/スパンボンド(SMS)不織布、スパンボンド/メルトブロウン(SM)不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布が挙げられるが、なかでも極細繊維層を有するSMMS、SMS、SM構造を持つ不織布が好ましく用いられる。
【0027】
光触媒シートにおいて光触媒の担持量は、0.1〜10g/m、好ましくは0.1〜5g/m、より好ましくは0.5〜5g/mである。光触媒0.1〜10g/mの付着量は、不織布基材に予め添加されているTiのX線強度を差し引いて2〜200kcpsに相当するTiのX線強度が得られる。光触媒シートにおいて光触媒の担持量が0.1g/m以下では、インフルエンザウイルスの吸着性及び光触媒の有機物分解効果によるウイルスの不活化効果が弱くなり、不十分であり、一方、10g/m2を超える担持を行っても有効な増量効果が得られず好ましくない。光触媒粒子は均一に薄く繊維表面にコーティングされていることにより、最も効率よく効果が発揮でき、多層に厚くコーティングされていても担持量に見合う効果の向上は得られない。かかる観点から、光触媒の好ましい担持量は0.1〜5g/mである。
【0028】
不織布を構成する繊維の繊径は、用途に応じて選択すればよいが、光触媒のウイルス不活化及び吸着性能の観点から、より細いほうが好ましい。
本発明の光触媒シートの加工としては、Dip−Nip法、グラビア印刷法、スプレー法など従来の方法で光触媒を担持させることができる。なかでもスプレー法は基材を圧縮すること無く光触媒を担持させることができ、特にマスク、フィルター用途に使用する場合などは圧力損失への影響が小さくなるため好ましい。具体的なスプレー染色法としては、ローターダンブニング法等が挙げられる。
【0029】
得られた光触媒シートを予めUV照射することにより、光触媒の活性をさらに高めることができ、これによりウイルス不活化効果及びウイルス吸着効果がさらに向上する。特にウイルス吸着効果の向上が顕著である。UV照射により光触媒シートの比表面積が大きくなることが判明し、UV照射前に比べ1.5倍〜3倍の比表面積の増加が観測された。光触媒加工剤に含まれている分散剤などの添加成分、表面修飾したシリカ化合物の置換基の一部などが光触媒の有機物分解効果により除かれることにより、ウイルスのエンベロープ部が吸着されやすい構造になるものと推定される。UV照射処理としては、光触媒の付着量や担持する不織布の構成、UVの強度にもよるが、光触媒シート面に太陽光、ブラックライト、殺菌灯などの340〜380nm波長を有する光源下で3〜24時間程度、UV積算光量として5J〜40J照射すれば効果の向上が発現できる。
【0030】
光触媒シートを予めUV照射する際、メタルハライドランプのような高照度UVを使用することにより、照射時間を大幅に短縮することができ工業的な生産が可能となる。この場合50mW〜250mWの最大UV強度を有する光源下、1〜10分間照射することにより、ブラックライト照射時と同様の効果を得ることができる。高強度UVを光源に用いる場合には、光触媒シートが水に濡れている方が効率よく安定的に比表面積を増大することができる。これはヒドロキシラジカルの原料である水が潤沢に存在することと、高強度UVが発生する熱による不織布基材の損傷が防御できることに起因する。このことから、高強度UV処理を工業生産的に行う場合には光触媒塗工後、乾燥工程前にUV照射処理をすることがエネルギー効率面で好ましい。
【0031】
光触媒シートの比表面積は、概ね光触媒の担持量に比例するが、基材の比表面積や形状の影響を受ける。比表面積が小さい基材に、多量の光触媒を担持させてもあまり有効ではなく、比表面積の大きい基材に薄く均一に担持させることが比表面積の増加に有効である。比表面積が増加すればウイルス吸着能力が向上する。光触媒効果を有効に発揮できる光触媒シートの比表面積は2〜20m2/gであり、好ましくは5〜20m/gである。2m/g以下ではウイルス吸着機能が不足すると考えられ、20m/g以上は光触媒を多量に担持させる必用があるうえ、光触媒層が厚くなることによりUV照射時間が長くなり、比表面積の効果的な増量にはつながらず、有効ではない。
【0032】
本発明の光触媒は、基材を予めアクリル樹脂加工しておくと水洗浄しても光触媒が脱落しない。水耐久性が要求される用途では、基材を予めアクリル樹脂加工しておくことが好ましい。
【0033】
本発明の光触媒シートは、マスクをはじめ、衛生材料、防護服、手袋、ヘアキャップなどのメディカル用途、患者隔離カーテン、インフルエンザパンデミック時の簡易診察用テント、いすカバー、感染者用シーツ、布団カバー、枕カバー、などに使用できる。使用済みのカバーは太陽光やブラックライトなどを照射することにより、さらに感染リスクを低減することができる。
また、本発明の光触媒シートは、空気清浄機、空調用フィルターなどに搭載することができる。この場合は装置内にブラックライトを搭載することにより、有効にウイルスを不活化することができる。
【0034】
本発明の光触媒シートは、ウイルス不活化効果に加え、インフルエンザウイルスに代表されるエンベロープをもつウイルスに対し高い吸着性が得られることからウイルス感染防止マスクの部材として使用することができる。
以下、本発明の光触媒シートを用いてマスクを構成する場合の構成について、詳細に説明する。
本発明の光触媒シートをマスク用途に用いる場合には、不織布の目付は、圧損が大きくならないようにするため10〜70g/mであることが好ましく、より好ましくは10〜40g/mである。目付10g/m未満ではインフルエンザウイルス吸着のために十分な比表面積が得られず、70g/m2を越えると圧損が高くなりすぎる傾向がある。
【0035】
本発明のマスクは、他者からの感染予防に使用するマスク(以下、感染予防用マスクともいう。)、及び他者への感染を防ぐ患者用に適したマスク(以下、患者用マスクともいう)の両者に使用することができ、本発明の光触媒シートをマスク本体のどの位置に配置するかによりマスクの構成が異なる。
他者からの感染の予防に使用するマスク(感染予防用マスク)については、ウイルス吸着性を有する光触媒を担持したシートを最外層に配置し、ウイルスを含む飛沫を捕捉、吸着する性能が必要であるため、光触媒シートを構成する不織布は極細繊維層を有するものを選択することが、ウイルスの捕捉性が向上するため好ましい。この場合ウイルスの吸着性かつ光による不活化効果を併せ持つ機能が有用であり、昼間屋外での使用や窓がある室内での使用において、エンベロープを有するウイルスに限らず不活化効果が得られるほか、UV殺菌灯下、太陽光下に暴露することでマスクを手で触れることによる感染リスクを低減することができる。
【0036】
極細繊維層を含む不織布は、繊維表面の比表面積が大きくなるため、粒径が小さく、凝集し難い本発明に係る光触媒を、不織布の開孔部を塞ぐことなく繊維表面に担持させることができ、より有効に光触媒の効果を発揮できる。熱可塑性繊維からなるSMMS、SMS又はSM不織布の場合のスパンボンド層の繊維径は7〜20μmであることが好ましく、メルトブロウン層の繊維径は0.5〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.5〜3.0μmである。メルトブロウン層の繊維径が0.5μm以下の場合は緻密になりすぎ圧力損失が大きくなる。また、SMS又はSM不織布のメルトブロウン層が構成する部分の目付けとしては、1g/m〜20g/mが好ましく、より好ましくは1g/m〜15g/mである。
【0037】
本発明の感染予防用マスクの中間層としては、飛沫の水分が蒸発し、飛沫核化したウイルスの侵入を防ぐため、捕集性能が高い帯電加工処理をしたメルトブロウン不織布を光触媒より内側の中間層として使用することが好ましい。不織布の目付としては、10〜40g/mのシートを単数又は複数枚使用することができる。帯電加工処理をしたメルトブロウン不織布はポリプロピレンメルトブロウン不織布がより好ましい。本発明のマスクの口元層を構成する不織布は、肌と直接触れる部分であり、風合いが柔らかく毛羽が発生しにくい不織布が好ましい。使用例としては長繊維不織布が好ましく、ポリプロピレンスパンボンド、ナイロンスパンボンド、ポリエステル系スパンボンド、セルロース長繊維不織布が挙げられる。とくに圧力損失が損なわれない範囲で選択することができる。
このように感染予防用マスクは、光触媒シートを最外層に、帯電加工されたポリプロピレンメルトブロウン不織布を中間層に、口元層には肌触りの良い長繊維不織布の少なくとも3層から構成される。中間層には圧損が高くなり過ぎない範囲で更なる機能性シート、支持体シートなど、帯電加工されたシートなど積層しても差し支えない。
【0038】
他者への感染を防ぐ患者用に適したマスク(患者用マスク)については、口元層に近い中間層に本発明の光触媒シートを配置することが有効である。特にウイルスを含む飛沫を捕捉する効果が高い帯電加工したポリプロピレンメルトブロウン不織布と隣接し、且つ口元側に光触媒シートを配置するのが好ましい。この用途に用いる光触媒シートは圧損が高くならない範囲で繊維量が多く光触媒の担持量が多い方が好ましい。
【0039】
光触媒を担持させる基材としては、セルロース繊維も好ましく用いられる。セルロース繊維は水分率が高いため、光触媒の有機物分解効果が高くなり好ましい。セルロース繊維不織布の例としては長繊維不織布、スパンレース不織布などが挙げられる。セルロース繊維は親水性が高く、ウイルスを含む飛沫の吸着性が高いため、とくに患者用マスク用途の内層に用いる光触媒シート基材に使用するのに有効である。この場合光触媒シートと接し、光触媒シートの外側に位置する帯電加工されたメルトブロウン不織布により飛沫がブロックされ、光触媒シートに吸収されることにより、飛沫に含まれるウイルスが担持した光触媒に吸着され乾燥後も飛散しないため、より効果的に感染患者からの咳・くしゃみによるウイルスの飛散を防御することができる。特に、インフルエンザウイルスの吸着性能が重要な患者用マスクの中間層に用いる場合には1〜5g/mの担持が好ましい。
【0040】
以上のように患者用マスクについては、最外層に毛羽が出にくい長繊維不織布、中間層外層側には帯電加工されたポリプロピレンメルトブロウン不織布、中間層内層側には光触媒シート、口元層には上記肌触りの良い長繊維不織布の少なくとも4層が好ましい使用例となる。
【0041】
耳掛け部に使用する伸縮性シートや伸縮テープ、ゴムひもなども該光触媒を加工しておくとより安全性が向上する。
本発明のマスクは、顔面の一部を覆うハーフマスクであり、その形状は、折りたたみ型、カップ型又はフラット型のいずれでもよい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
以下の方法により、本発明に係る光触媒を製造した。
[光触媒製造方法]
還流冷却器、温度計、及び攪拌装置を取り付けた反応器に、ジオキサン500gと、KF9901{メチルハイドロジェンシロキサンージメチルシロキサンコポリマーの商品名(信越化学製)、Si−H基含有7.14mmol/g(カタログ記載値)、重量平均分子量3900}500gを入れ、攪拌下80℃に昇温した。これにユニオックスMUS−8{ポリオキシエチレンアリルメチルエーテルの商品名(日本油脂製)、重量平均分子量800(カタログ記載値)}1370gと塩化白金(IV)酸六水和物の5重量%イソプロパノール溶液5gをジオキサン2310gに溶解した溶液を、80℃にて攪拌下約1時間かけて添加し、さらに80℃にて2時間攪拌を続けた後、室温にまで冷却することにより、Si−H基含有ケイ素化合物(1){以下、化合物(1)という。}を含む溶液を得た。
【0043】
還流冷却器、温度計、及び攪拌装置を取り付けた反応器に、TO−240{粒子表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型酸化チタンを含有するゾルの商品名(田中転写製)、ゾル中に分散した粒子の体積平均粒子径15nm、TiO濃度2.4重量%}420gを入れ、これに化合物(1)を含む溶液23.4gを30℃にて攪拌下約30分かけて添加し、さらに30℃にて10時間攪拌を続けることにより、非常に分散性の良好な、体積平均粒子径17nmの変性酸化チタン粒子を含有する光触媒水分散体(2)を得た。
【0044】
本発明に係る光触媒シート、及びマスクの特性を以下の方法で測定した。尚、ウイルス吸着性能については、国立感染症研究所との共同研究により実施した、以下の実施例1と2、比較例1と2についての評価を、以下の表1に示す。
【0045】
[ウイルス吸着効果試験]
本試験は国立感染症研究所バイオセーフティ管理室との共同研究で実施した。予めUV照射した光触媒シートをイオン交換水で洗浄した後、縦横1cm×1cmの試験片に裁断し、20KGyの電子線を照射し滅菌した。
1cm2の各試験片を12well plateの各well内に置く。ここに各ウイルス液10μL滴下し、室温で所定時間静置する。その後各ウイルス培養培地を0.5mL/well加え、攪拌してウイルスを溶出させる。この溶出液を培地にて5倍段階希釈し、各培養細胞単層96well-plateに接種し、3〜7日間培養した後、10%ホルマリン液固定、メチレンブルー染色を行い、50%感染価(TCID50)を算出した。
【0046】
供試ウイルスは、以下の:
インフルエンザAウイルス(H1N1)型 ニューカレドニア株
インフルエンザAウイルス(H3N2)型 パナマ株
インフルエンザBウイルス
ネコカリシウイルス(FCV)
ヒトアデノウイルス type―3(HAdV−3)
であった。
また、培養液は、以下の:
インフルエンザ:0.3%BSA−Eagle‘MEM
FCVとHAdV:5%BSA−Eagle‘MEM
であった。
【0047】
[ウイルス不活化効果試験]
本試験は国立感染症研究所バイオセーフティ管理室との共同研究で実施した。予めUV照射した光触媒シートをイオン交換水で洗浄した後、縦横1cm×1cmの試験片に裁断し、20KGyの電子線を照射し滅菌した。
1cm2の各試験片を12well plateの各well内に置く。ここに各ウイルス液10μL滴下し、室温で5分静置する。ここにUV−Aを1200−1400μW・cmで照射し、一定時間ごとに試験片を回収する。回収後、直ちに各ウイルス培養培地を0.5mLで溶出し、これを5倍段階希釈したものを各培養細胞単層96well-plateに接種し、3〜7日間培養した後、10%ホルマリン液固定、メチレンブルー染色を行い、50%感染価(TCID50)を算出した。
試験ウイルス及び培養液として、前記したウイルス吸着効果試験に供したものと同じものを使用した。
【0048】
[比表面積(m/g)の測定方法]
自動比表面積測定装置(ジェミニ2360:島津製作所製)を用い、BET多点法により測定した。吸着ガスとしては、純度99.99%の窒素ガスを用いた。
【0049】
[目付(g/m)]
縦25cm×横25cmの試料を3カ所切り取り、重量を測定し、その平均値を質量に換算して求めた。JIS-L-1906に準拠した。
【0050】
[厚み(μm)]
JIS-L-1906に準拠した。
【0051】
[光触媒の吸着能力(アンモニア吸着効果、光触媒吸着効果)]
光触媒シート又はマスクの一部を5cm×10cmに切り出して、1Lのテドラバッグに入れ、アンモニアガス(200ppm)を600mL封入する。20℃に設定したインキュベーター内暗所で30分安置後、検知管にてアンモニア濃度を測定した。残留アンモニア濃度より、光触媒の吸着能力を判定した。
尚、以下の表3中、アンモニア吸着効果を、効果の高い順に、◎、○、△、×で格付けした。また、以下の表4中、光触媒吸着効果を、効果の高い順に、◎、○、△、×で格付けした。
【0052】
[光触媒の有機物分解能力(効果)]
光触媒シート又はマスクの一部を5cm×10cmに切り出して、1Lのテドラバッグに入れ、アンモニアガス(200ppm)を600mL封入する。20℃に設定したインキュベーター内でブラックライトを0.6mW/cmの照射強度になるように照射位置を調節し、30分安置後、検知管にてアンモニア濃度を測定した。残留アンモニア濃度より、光触媒の有機物分解能力を判定した。
尚、以下の表4中、光触媒有機物分解効果を、効果の高い順に、◎、○、△、×で格付けした。また、以下の表3中、アンモニア消臭試験における有機物分解効果を、効果の高い順に、◎、○、△、×で格付けした。
【0053】
[実施例1]
プレシゼA1290(旭化成せんい製)にアクリル樹脂ボンコートR3380−E(大日本インキ社製)5%sol.をDip−Nipにて塗工し、150℃×60秒間、乾熱処理を行った。さらに上記光触媒水分散体(2)固形分5%溶液をDip−Nipにて塗工し、光触媒4g/mを担持したシートを作製した。このシートをイオン交換水で洗浄して乾燥した後、0.5mW/cm2のUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は87.9kcpsであった。
【0054】
[実施例2]
プレシゼA1290(旭化成せんい製)にアクリル樹脂ボンコートR3380−E 5%sol.をDip−Nipにて塗工し、150℃×60秒間、乾熱処理を行った。さらに上記光触媒水分散体(2)固形分0.5%溶液をDip−Nipにて塗工し、光触媒0.4g/mを担持したシートを作製した。このシートをイオン交換水で洗浄して乾燥した後、0.5mW/cmのUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は12.5kcpsであった。
【0055】
[実施例3]
プレシゼA1290(旭化成せんい製)にアクリル樹脂ボンコートR3380−E 5%sol.をDip−Nipにて塗工し、150℃×60秒間、乾熱処理を行った。さらに上記光触媒水分散体(2)固形分1.2%溶液をDip−Nipにて塗工し、光触媒1g/mを担持したシートを作製した。このシートをイオン交換水で洗浄して乾燥した後、0.5mW/cmのUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は24.5kcpsであった。
【0056】
[実施例4]
プレシゼA1290(旭化成せんい製)にアクリル樹脂ボンコートR3380−E 5%sol.をDip−Nipにて塗工し、150℃×60秒間、乾熱処理を行った。さらに上記光触媒水分散体(2)固形分2.5%溶液をDip−Nipにて塗工し、光触媒2g/mを担持したシートを作製した。このシートをイオン交換水で洗浄して乾燥した後、0.5mW/cmのUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は44.9kcpsであった。
【0057】
[実施例5]
エルタスN01070(旭化成せんい製)に上記光触媒水分散体(2)固形分2.5%溶液をDip−Nipにて塗工し、光触媒2g/m担持したシートを作製した。このシートを0.5mW/cmのUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は30.2kcpsであった。
【0058】
[実施例6]
エルタスPMA040(SMMS;旭化成せんい製)にアクリル樹脂ボンコートR3380−E 5%sol.をDip−Nipにて塗工し、150℃×60秒間、乾熱処理を行った。さらに上記光触媒水分散体(2)固形分3%溶液をDip−Nipにて塗工し、光触媒2g/mを担持したシートを作製した。このシートをイオン交換水で洗浄して乾燥した後、0.5mW/cmのUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は26.5kcpsであった。
【0059】
[比較例1]
プレシゼA1290を縦横1cm×1cmの試験片に裁断し、20KGyの電子線を照射し滅菌した。このシートのTi成分のX線強度は4.5kcpsであった。このシートをウイルス試験のコントロールとした。
【0060】
[比較例2]
プレシゼA1290にアクリル樹脂ボンコートR3380−E(大日本インキ社製)5%sol.をDip−Nipにて塗工し、150℃×60秒間、乾熱処理を行った。さらにSTS−02{アナターゼ型酸化チタンゾルの商品名(石原産業製)}酸化チタンゾルを固形分5%溶液に希釈し、Dip−Nipにて塗工し、光触媒4g/mを担持したシートを作製した。 このシートをイオン交換水で洗浄して乾燥した後、0.5mW/cmのUV強度を持つブラックライトを表裏各24時間照射した。得られた光触媒シートの Ti成分のX線強度は79kcpsであった。
【0061】
[実施例7]
外層として表面修飾した光触媒を4g/m担持させたプレシゼA1160(ポリエステルSMS不織布;旭化成せんい製)を配置し、中間層としてクラレ社製ポリプルピレンメルトブロウン不織布(帯電加工) 20g/m、内層として、旭化成せんい社製 ベンリーゼ 14g/m2を配置し、ヨコ17cm、タテ17cmの不織布を横方向にひだが3列できるように折りたたみ、製品サイズヨコ17cm、タテ9cm、両ヨコに耳掛け用ゴムを配置した折りたたみ型マスクを作製した。
【0062】
[実施例8]
外層として表面修飾した光触媒を1g/m担持させたプレシゼA1160(ポリエステルSMS不織布;旭化成せんい製)を配置し、中間層としてクラレ社製ポリプルピレンメルトブロウン不織布(帯電加工)20g/m、内層として、ベンリーゼ(旭化成せんい製) 14g/mを配置して、実施例5と同様の形状のマスクを作製した。
【0063】
[実施例9]
外層として表面修飾した光触媒を1g/m担持させたSM不織布を配置し、中間層としてクラレ社製ポリプロピレンメルトブロウン不織布(帯電加工) 20g/m、内層として、エルタスP03020(旭化成せんい製)20g/mを配置し、実施例5と同様の形状のマスクを作製した。
光触媒を担持させたSM不織布は、スパンボンドE01012(旭化成せんい製)に(目付12g/m、平均繊維径2μmのPETメルトブロウン繊維を15g吹き付けながら積層し、PETSM構造の不織布を作製した。
【0064】
[実施例10]
外層として エルタスP03020(スパンボンド;旭化成せんい製) 20g/m、中間層1として、クラレ社製ポリプロピレンメルトブロウン不織布(帯電加工)、中間層2として、光触媒を4g/m担持させたプレシゼA1160(ポリエステルSMS不織布;旭化成せんい製)を配置し、内層として旭化成せんい社製 ベンリーゼ 14g/mを配置し、実施例7と同様の形状のマスクを作製した。
【0065】
[実施例11]
外層としてエルタスP03020(スパンボンド;旭化成せんい製)20g/m、中間層1として、クラレ社製ポリプロピレンメルトブロウン不織布(帯電加工)、中間層2として、光触媒を5g/m2担持させた旭化成社製ベンリーゼ 40g/mを配置し、内層としてプレシゼPO1020(旭化成せんい製) 20g/mを配置し、実施例7と同様の形状のマスクを作製した。
【0066】
[比較例3]
表層に光触媒を担持しないプレシゼA1160(ポリエステルSMS不織布;旭化成せんい製)を用いた以外は、実施例7と同様にして折りたたみ型マスクを成形し、その評価を行った。
【0067】
[比較例4]
中間層2にとして、光触媒を担持しないベンリーゼ(旭化成せんい製) 40g/mを配置した以外は、実施例11と同様にして折りたたみ型マスクを成形し、その評価を行った。
【0068】
上記実施例1〜11、及び比較例1〜4の評価結果を以下の表1〜4に示す。
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の光触媒シートは、光触媒のUV光による有機物分解効果から得られるウイルスの不活化効果に加え、インフルエンザウイルスのようなエンベロープを持つウイルスに対しては光の存在しない空間や夜間でも強力な吸着性能を持つ光触媒シートであり、マスクをはじめ、衛生材料、防護服、手袋、ヘアキャップなどのメディカル用途、患者隔離カーテン、インフルエンザパンでミック時の簡易診察用テント、いすカバー、感染者用シーツ、布団カバー、枕カバー、などのほか、空気清浄機、空調用フィルターなどに好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目付10〜200g/mの不織布にケイ素化合物で表面修飾された酸化チタン光触媒を0.1〜10g/mで担持させた、比表面積が2〜20m/gである光触媒シート。
【請求項2】
340nm〜380nmの波長を含む光で照射処理された、請求項1に記載の光触媒シート。
【請求項3】
前記不織布は、平均繊維径0.5〜5.0μmであり、かつ、目付1〜20g/mであるメルトブロウン繊維層とスパンボンド繊維層をそれぞれ少なくとも1層以上含む構造を有する不織布である、請求項1又は2に記載の光触媒シート。
【請求項4】
前記不織布は、ポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒シート。
【請求項5】
前記不織布は、アクリル系樹脂により前処理されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒シート。
【請求項6】
マスク本体と該マスク本体の両端部に耳かけ部とを備えるマスクにおいて、該マスク本体は少なくとも3層の不織布の積層体からなり、最外層が、目付10〜70g/mである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光触媒シートであることを特徴とする前記マスク。
【請求項7】
マスク本体と該マスク本体の両端部に耳かけ部とを備えるマスクにおいて、該マスク本体は少なくとも4層の不織布の積層体からなり、中間層として、帯電加工したメルトブロウン不織布と、目付10〜70g/mである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光触媒シートを、それぞれ少なくとも1つ有し、該帯電加工したポリプロピレンメルトブロウン不織布層は、該光触媒シートよりも外側に配置されていることを特徴とする前記マスク。
【請求項8】
マスクの形状が折りたたみ型、カップ型又はフラット型である、請求項6又は7に記載のマスク。

【公開番号】特開2011−240304(P2011−240304A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117084(P2010−117084)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】